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北の盾作戦:レバノン国境で何が起こっているか 2018.12.08

 2018-12-08
4日(火)から始まった北の盾作戦ーレバノン南部クファル・キラ周辺からイスラエル領内に続く地下トンネルの、イスラエル領内での摘発、破壊ーは、悪天候の今もまだ続いている。実際に活動中であったトンネルは、今の所1本だが、他にも複数あるとみられ、作業は数週間からそれ以上に及ぶとみられる。

メトゥラの住民たちは、以前から、トンネル掘削の音を聞いていたので、イスラエル軍がトンネルの摘発を「やっとはじめてくれた」と緊張の中にも安堵の様子である。女性たちは、ハヌカのスフガニヨットを、作業にあたっている兵士たちに差し入れしたりしている。

https://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Watch-The-Mood-in-Metulla-as-IDFs-anti-tunnel-operation-is-well-underway-573773

<ネタニヤフ首相:イスラエルの最大の敵は、ハマス・ヒズボラの背後にいるイラン>

ネタニヤフ首相は、作戦が始まった火曜の記者会見で、数週間前に、ガザから500発近いミサイルと受けながら、大きな反撃に出なかったのは、北部でのこの作戦の直前であったからだと語った。

ネタニヤフ首相は、ハマスの背後にも、ヒズボラの背後にもイランがいるといい、イスラエルにとっての最大の敵はやはりイランであると語った。そのイランが今、シリアに進出してきているので、イスラエルは、防衛のために、まず北部で行動を起こしたと語る。言い換えれば、南部より北部を優先したということである。

イスラエル軍の発表によると、シリアとレバノンの国境にロシアが部隊を配備しており、ヒズボラは、予定ではもっと誘導ミサイルを増やせていたはずだが、誘導できるミサイルはまだ一部にとどまっているとの見解も明らかにした。つまり・・状況が手に負えなくなる前に介入できたと言っているわけである。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5421061,00.html

<国際社会に理解を求めるイスラエル>

ネタニヤフ首相は、4日の記者会見で、トンネルは、イスラエル人に害を与えようとするテロ目的で作られたヒズボラ(イラン支援)のトンネルであると断言。イスラエルの主権を著しく犯すものだとして、ヒズボラにこれを許したレバノンに責任があると訴えた。

https://www.timesofisrael.com/netanyahu-hezbollah-tunnels-part-of-plan-to-capture-parts-of-galilee/

この他、イスラエル軍と、イスラエル外務省は、積極的にトンネルに関する情報とともに、ヒズボラが、2006年のレバノン戦争後に採択された国連安保理決議1701に違反していることなど、映像を通して世界に発信し、国際社会にヒズボラへの制裁を呼びかけている。

●北の盾作戦で摘発したトンネルの情報(2日記者会見):https://www.youtube.com/watch?v=FGMtBLcgMNE

●トンネル(イスラエル領内)に仕掛けたカメラに近づいてくるヒズボラとみられる2人: https://www.youtube.com/watch?v=q6vrSCvjxRo

●トンネル出発地:クファル・カラの現状: https://www.youtube.com/watch?v=iCni8HjUnyo

*クファル・カラにはかつて、キリスト教徒の南レバノン軍(SLA)が住んでいたが、2005年にイスラエル軍が南レバノンから撤退した際、SLAもイスラエルに避難した。その後にヒズボラが入り、民家下をトンネルでつないで、軍事拠点にした。

●ヒズボラが、いかに安保理決議1701を無視して、南レバノンに武力を蓄積したのか: https://www.youtube.com/watch?v=_Ix-0_qn1w8

6日、ネタニヤフ首相は、イスラエルに駐在する25カ国の大使を、現場に近いレバノン南部をみはらすキブツ・ミスガブ・アムに招き、自ら状況説明を行った。

この地域の危険性を説明し、ヒズボラの反応によっては、イスラエルが、レバノン内部に入って、トンネルを破壊しなければならなくなる可能性は十分あると語った。(おそらくそうはならないが。。というニュアンス)

また、同じく6日、イスラエル軍は、UNIFIL(国連レバノン暫定駐留軍)司令官を、摘発したトンネルへ案内するとともに、2つ目に発見したトンネルについても報告し、これについては、レバノン軍とUNIFILが協力して、処分してもらいたいと訴えた。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5421209,00.html

<国際社会の反応>

アメリカは、イスラエルのトンネル摘発、破壊について、全面的に支持すると表明。ドイツとイギリスは、作戦開始の翌日、イスラエル領内にまでトンネルを掘ったヒズボラを非難した。これに続いて、イスラエル駐在するEU大使も、イスラエルは自国を防衛する権利があるとの立場を示した。

<レバノンの反応:トンネルを作らせた覚えはない>

トンネルを作ったのは、明らかにヒズボラである。しかし、ヒズボラは、外国人によるテロ組織でありながら、社会的な貢献もしていることかとからレバノンでは正規の政党である。今のハリリ首相率いる連立政権にも加わっている。したがって、トンネルはヒズボラの責任であったとしても、まずは、レバノン政府に問われることになる。

北の盾作戦が始まった4日、イスラエルは、UNIFILとレバノン政府との3者会談を、国境ローシュ・ハニクラで行った。

イスラエルは、レバノンに対し、トンネルの状況証拠を提示したところ、レバノンのハリリ首相は、イスラエルの領空侵犯で反論したものの、トンネルについては触れなかった。翌日、ハリリ首相は、「レバノンは、ヒズボラにイスラエルに続くトンネルを作らせた覚えはない。」と発表。イスラエルとの武力衝突になる理由はないとの見解を表明した。

ハリリ首相は、親サウジアラビア、つまりはアメリカよりとも考えられ、ヒズボラとは対立する。しかし、国内の安定のため、連立政権には、ヒズボラも抱える難しい立場である。

さらに、レバノンのアウン大統領はヒズボラ派で知られる。アウン大統領は、レバノン軍に対し、国境で作業するイスラエル軍を十分観察するよう指示したとのこと。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5420940,00.html

<ヒズボラの反応:トンネル破壊は問題ではない>

肝心のヒズボラだが、作戦がはじまってすぐに、テルアビブを攻撃するといった脅迫するビデオを発信した。その後、イスラエルが摘発するクファル・カラの施設は、本当にセメント工場であると反論するような情報を出したりしていたが、以後、静かになって、音沙汰なしの感じである。

イスラエルでは、ヒズボラの不気味な静寂に、次の出方と見定めているのではないかと懸念する意見や、予想外にイスラエルがトンネルという主要攻撃ルートを破壊されたナスララ党首は、あわてているのではないかとの見方をする専門家もいる。

イスラエル国家治安委員会のアモス・ヤディン氏は、トンネルがヒズボラの主要戦略ではないので、気を抜いてはならないと警告する。ヤディン氏は、ネタニヤフ首相が、ヒズボラのミサイルの中で、誘導であるのはごく一部であると発表したことに懸念を表明した。

北部情勢において、諜報活動は最も重要な戦略である。ヒズボラが、今イスラエルがなぜその情報を得たのか、ヒントを与えてしまったというのが、ヤディン氏の懸念である。

<今後どうなるのか>

今のとこころ、北部国境の平穏は保たれている。しかし、ぼろぼろと、イスラエルの閣僚たちから、レバノンへ踏み込む可能性を示唆する発言も出ている。

しかし、これについては、たとえヒズボラがテロ組織ではあっても、レバノンの正規の政党である以上、レバノンにイスラエルが入ってこれを攻撃すると、レバノンとの戦争ということになってしまう。これが第二次レバノン戦争の間違いだったと警告する声もある。

むしろ、今、アメリカが、レバノン政府に圧力をかけて、ヒズボラを追い出すようにするのが良いとの意見のある。ヒズボラの追放は、その背後にいるイランの弱体化にもつながるというのである。今後のアメリカの動きに期待したいところである。

聖書には、いつかは、ロシアとイランを含む大軍がイスラエルへ攻め込む「その時」が来ると書かれている。しかし、それがいつかは、神のみぞ知る・・である。まったく予想もしないときに、戦争になる可能性は大いにある。
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イランに立ち向かうアメリカ 2018.12.08

 2018-12-08
イスラエルが、今大きな動きに出られる背景には、トランプ政権が親イスラエルであるという点が考えられる。11月5日、トランプ政権は、イランへの第二弾経済制裁を発動。さすがに原油に関しては、全面的な制裁を一気に開始できず、180日の猶予を設けたが、それでもイラン経済は大きな打撃を受けている。

イラン通貨のリアルは、アメリカが核合意から離脱する前は、1ドル=37000リアルだったが、今は11万9000リアルとなっている。これは、日本で言えば、1ドル=113円が、400円ぐらいになったようなものである。

https://www.presstv.com/Detail/2018/11/28/581387/Iran-rial-US-sanctions-dollar-Rouhani-forex

イランの海外のテロ組織への支援は一段と難しくなっているはずである。しかし、イランも負けてはいない。最近のイラン関連のニュースは以下の通り。

1)イランが中距離弾道ミサイル実験

1日、イランが、核弾頭を装着できる中距離弾道ミサイルの実験を行った。イランからの中距離弾道ミサイルは、中東に位置するアメリカの基地をすべて射程に入れることができる。

アメリカのポンペイオ国務長官は、これは国際社会との合意に違反すると非難した。また、シリア、イエメン、レバノン、イラクのテロ組織への支援もやめていないことも批判した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5418286,00.html

2)イランと貿易?:中国ファーウェイの女性副社長逮捕

アメリカは、11月5日、イランへの第二弾経済制裁を発動した。原油を含む制裁は、世界への影響が大きいとして180日の猶予を発表している状況だが、イランとの取引については、諸国に厳しく制限を課している。

そのような中5日、中国の通信機器大手ファーウェイの女性副社長が、イランとの取引を継続している疑惑があるとして、アメリカの要請により、カナダで逮捕された。身柄は今後、アメリカへ移されるとみられている。

この件は、今とりあえずの”停戦”とみられた米中の貿易戦争に影を落とすと言われている。しかし、問題は、経済だけでなく、ファーウェイ社の技術が、サイバーセキュリティ上、危険だとみられている点で、アメリカ政府は、すでに情報関連でファーエイ社の利用を停止している。問題は、経済だけではなさそうである。

https://www.businessinsider.jp/post-180962#cxrecs_s

なお、ファーエイ製品については、7日、日本政府も政府関係機関では利用しないと発表した。日本では、ソフトバンクが、ファーウェイ社を使っているが、6日、このタイミングで大規模な通信障害を起こしたことから、今後、同社の株にも影響がでるのではないかと懸念されている。

この件について、イランからの声明はない。

3)イエメン内戦:和平交渉開始

イランとサウジアラビアが代理戦争をしているイエメンでの内戦は、今年で4年目に入る。国連によると、国民の75%が人道支援を必要としており、多くの子供たちが餓死しているほか、1780万人が、次の食事のあてがない状況だという。すべては人的災害であり、人類最大の罪悪を言われている。

https://www.bbc.com/news/world-europe-46462255

これを受けてようやく、国連が仲介となり、スェーデンで、イエメン政府(スンニ派サウジアラビア支援)、フーシ派(シーア派イラン支援)が、初めて顔を合わせて和平交渉を始めた。しかし、何かよい結果が出るとはほとんど期待されていない。

イランの支援を受けているフーシ派の旗には次のように書かれている。”神(アラー)は偉大なり。アメリカに死を。イスラエルに死を。ユダヤ人の上にのろいがあるように。イスラムに勝利を”

https://www.apnews.com/e32442a4c8c24acd9d362c433d5cd10e

地理的にも政治的にも、直接にはなんの関係もない、イエメンのフーシ派から、イスラエルとユダヤ人へののろいが出てくるところに、霊的な恐ろしさを感じさせられる。
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ガザへのカタール現金搬入第2回目をめぐって 2018.12.08

 2018-12-08
北部を優先して、南部で、ガザのハマスへの攻撃をしなかったことは、南部住民には、がまんならないことであろう。そのガザへは、イランと同盟しているカタールが資金提供を始めたことは前回お伝えした通り。

11月に、ガザとイスラエルの停戦に伴い、現金1500万ドルがガザに搬入されたことで、未払いの給料がガザ市民に支払われた。この時1000万ドル分の燃料も搬入され、下水や水の供給に関する改善がみられていると伝えられている。

それからすでに12月分として、6日、カタールからガザへ2回目の現金1500万ドルが搬入された。この資金により、ガザ住民たちは、給料の50%を受け取ることになっているとのこと。今回の受け取りには、ハマス指導者イシュマエル・ハニエが現れたという。つまり、現金はハマスに入ったということである。

しかし、この現金は、イスラエルの承認の元、イスラエル経由で搬入されている。イスラエルは、もしこれが、パレスチナ自治政府経由であれば、ガザに現金は届かないはずだ(着服するので)と、イスラエルの好意を強調している。

https://www.timesofisrael.com/hamas-workers-collect-salaries-as-qatar-injects-more-cash-into-gaza/

にもかかわらず、7日金曜には、相変わらず、ガザ国境に1万人が集まって暴動を行い、イスラエル軍との衝突で33人が負傷した。

https://www.i24news.tv/en/news/international/middle-east/190464-181207-33-palestinians-injured-in-gaza-border-protests-health-ministry

今回、イスラエル政府は、北部情勢を優先して、南部を後回しにしたわけだが、ハマスにこれほどの現金を、しかもイランと同盟関係にあるカタールから引き渡して大丈夫なのか。。。とは素人でも思うことである。

これについて、イスラエル政府は、現金は「ガザの人道支援のため」と説明している。しかし、南部住民は、こうした政府の方針に怒りを隠していない。

8日、安息日開けには、「ハマスにハヌカの贈り物は不要だ」とするデモを行う予定になっている。
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エルサレムのハヌカ:ベツレヘムのクリスマス 2018.12.05

 2018-12-05
イスラエルでは、12月2日(日)日没から10日(月)まで、ハヌカの祭りを祝っている。毎年のように、通りのあちこちに9枝の大きなメノラーが設置され、毎日一本づつ点灯される。町には、いたるところに華やかなスフガニヨット(揚げパン)が売られている。時に無料配布も行っている。

エルサレム市内では、毎日、旧市街でユダヤ地区がライトアップ。考古学公園のダビデの町、聖書博物館から、六日戦争を記念する弾薬の丘ミュージアム、ヤド・バシェムから国立公園など、それぞれの場所で、様々なファミリー向けフリーのイベントを行っている。

各地の公民館でも3日、フェスティバルが行われた。オープンマーケットのマハネイヤフダでは、ビールで騒ごう!というイベントもあった。

また今年は、3日にディアスポラ(イスラエル外ニスムユダヤ人)6000人が、エルサレムでパレードを行った。ニューヨークのメイシーズのような巨大なバルーンを浮かべてのマーチで、その後は、旧市街すぐ横のスルタン・パークでコンサートが行われた。エルサレムはにぎやかに楽しくやっている。

<ハヌカは神の奇跡と勝利を思う時>

紀元前198年から、エルサレムは支配していた強大なセレウコス朝シリアに支配された。176BCから王座についたアンテイオカス4世は、特に反ユダヤの王で、神殿でブタを犠牲に捧げて汚した上、ユダヤ人の律法をことごとく守らせないようにした。

聖書の価値観を否定し、ヘレニズム、人間の文化を押し付けたという点から、この王は反キリストの型ともいわれる。ハヌカは、そのシリアを、ユダヤ人のマカビー一家(父親と5人の息子)が撃退し、エルサレムとその中心であった神殿を解放した奇跡を記念する。

勝利の後、マカビー一家は、10年近く異邦の偶像礼拝に汚された神殿をきよめ、主の神殿として捧げなおした。これを「宮きよめ」と言う。この時、神殿のメノラーには油が1日分しかなかったのに、8日間消えなかったという伝説が伝わる。

これを記念して、ハヌカには、通常は7本枝のメノラーを9本枝にして、毎日1本づつ、8日間、明かりをともす。勝利は勝ち取ったのではなく、神が与えてくださるものであることを思う。同時に、再献身の時でもある。

<イエス・キリストとハヌカ>

イエス・キリストも、ハヌカの時にエルサレムで神殿を訪れている。新約聖書ヨハネ10:22-23によると、「宮きよめ」の祭りの時に、イエスが宮(神殿)の中のソロモンの回廊を歩いていたと書かれている。

ハヌカは、ユダヤ人の神、律法への思い、信仰、愛国心が高まる時期である。この時期に、しかも神殿の中で、パリサイ派たちは、イエスに向かって「メシアならはっきりそう言え。」と詰め寄っている。ユダヤ民族への熱い思いから、イエスが否定しないことを知っていて、はじめから石打にする気だったのだろう。

イエスは、「神である父と私は一つである。」と答えた。パリサイ派たちは、これを許しがたい冒涜と捉え、イエスを石打にしようとするが、イエスは彼らの手から逃れたと書かれている。

<ホロコースト時代のハヌカ>

ホロコースト時代のユダヤ人たちは、マカビー時代と同様に、ユダヤ文化を完全否定するナチスの圧政の下にいた。

ナチスの圧政は、1933年から1945年の12年も続いた。はじめはユダヤ人ボイコットから始まり、ゲットー、そしてガス室と、事態は徐々に悪化する。それでも、ユダヤ人たちは、自分たちの時代にもマカビーがまた来るだろうかと思いながら、毎年ハヌカを祝っていた。

https://www.yadvashem.org/yv/en/exhibitions/hanukkah/index.asp (ハヌカ写真:戦争前、中、後)

1942年、ポーランドで、まだ若い少女であったフェラ・チェプスさんが、日記にハヌカの日のことを書き残している。ゲットーの中で、家々で隠れるようにしてひそかにハヌカが祝われている様子、かすかに聞こえるハヌカの歌声など・・・すぐに消さなければならないろうそくを前に、それでも毎年またハヌカは祝われていたと書いている。

イスラエルという父祖の地、自由の地でのマカビーの活躍を思い、もしかしたら、新しい時代のマカビー、地下組織が私たちを解放してくれるかも!とも書いている。
フェラさんは、パレスチナへの移住の準備をしていた。

ハヌカを日記に記してから3年後の1945年、フェラさんは、グロス・ローゼンに属する強制労働収容所にいた。敗北が近づいていたナチスは、ソ連軍が近づいてくるのを受けて、女性たちを、1-2月の冬の凍てつく中、800キロも歩かせた。これはデス・マーチと呼ばれ、道中で衰弱死させて殺すことを目的としていた。

フェラさんは、デス・マーチで、1945年5月の解放まで生き延びたが、その翌日、力尽きて死亡した。ホロコーストの4年間を書き綴った日記は、デス・マーチの間もフェラさんのリュックに入っていて、今に残されたのであった。

ホロコーストで死んでいったユダヤ人たちが夢見ていた通り、今、ユダヤ人の国があり、そこで盛大にハヌカが祝われている。これまでも、これからも、ユダヤ人たちは、何があろうが、ハヌカを祝いつづけていくだろう。

エルサレムでは、3日、リブリン大統領が、ホロコースト生存者50人とともにハヌカの2日目を祝った。

<石のひとりごと>

ユダヤ人は、自分とその生きている時代を超えて、民族とその将来を見て、それを希望にできる人々である。それはおそらく今も変わっていない。地上ではユダヤ人であったイエスが、十字架での自分の苦しみと死の向こうに見ておられたのも、未来の全人類の救いであった。

私自身に、自分は死んでも、日本民族の将来の勝利を見て満足できる心はあるだろうかと考えさせられる。。。

<ちょっと悲しいベツレヘムのクリスマス>

エルサレムでハヌカの準備が進む中、そこから車で30分ほどのところにあるパレスチナ人の町ベツレヘムでは、クリスマスの準備が行われている。11月29日、ベツレヘム市のクリスマスに関する記者会見に行ってきた。

今年のテーマは、Message of Christmas is being and existence (クリスマスのメッセージは、(パレスチナ人が)ここにいるということ)であった。記者会見は、アラビア語(英語通訳)であり、取材に来ているのは、ほとんど全員アラブ系、パレスチナ系メディアであった。

記者会見には、ベツレヘムのアントン・サルマン市長(キリスト教徒)、パレスチナ自治政府のルラ・マヤ観光相、カーメル・ハメイド知事もコメントを述べた。どの人も、まずは、イスラエルの”占領”とネタニヤフ首相を非難した。

ハメイド知事は、主イエスと言っていたので、クリスチャンのようだが、今年のクリスマスは、特にアメリカ大使館がエルサレムに移動した年なので、特にパレスチナ人の一致、パレスチナ人の存在のイメージを世界に発信しなければならない年だという点を強調した。

http://imemc.org/article/holiday-preparations-well-underway-in-bethlehem/

確かに、ベツレヘムは、周囲を壁で囲まれ、検問所があって、自由にエルサレムへも出入りできないので、「占領」と感じるのであろうが、ベツレヘムは、最も多くのテロリストをイスラエルに送り込んできた町の一つ。イスラエルは、ベツレヘムによって、多くの市民を殺された。壁によって、テロ事件は大幅に減った。何もないのに、イスラエルが意地悪で、壁や検問所を設けているのではない。

2016年、当時のベラ・バブーン前ベツレヘム市長は、記者会見を英語で行い、クリスマスのテーマは、少なくとも希望と平和だと言っていた。それが今年は、記者会見は、すべてアラビア語で、ベツレヘムはアラブであるという自己主張をはかるとともに、テーマもさらに政治的になっていた。

しかし、クリスマスのメッセージは、「きょう、ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになりました。こお方こそ主キリストです。」である。

言い換えれば、ユダヤ人の救い主が、ダビデの町(ユダヤ人の町)ベツレヘムでうまれたということである。クリスマスを認めるということは、ベツレヘムはユダヤ人の町であったということもまた然りなのではないか。

ベツレヘムが、クリスマスの本来のメッセージ、福音*からどんどん遠ざかっているようで、なんとも悲しいというか、やりきれない記者会見であった。

ベツレヘムでは、12月1日に大きなクリスマスツリーの点火が行われた。2日には、クリスマスマーケット、聖歌隊コンサート・・と様々なイベントが続く。24日には、今年もアッバス議長も出席して生誕教会隣のカトリック教会でミサが行われる。

しかし、パレスチナ自治政府のルラ・マアヤ観光相によると、ベツレヘムの観光はここ数年でかなり回復しており、観光客は、数時間、教会などを見て回るだけで、宿泊はイスラエル側というのが通常であったが、最近は、ベツレヘムに宿泊する観光客が増えて、満員御礼だという。

https://www.timesofisrael.com/thousands-gather-in-bethlehem-for-christmas-tree-lighting/

*福音(ゴスペル)

福音(ゴスペル)とは、一般的にキリスト教と考えられているが、実はユダヤ教の土台の上に成り立っているのであり、ユダヤ教を無視しては語れないということはあまり知られていない。

ユダヤ教の中心事項は、聖書によれば、世界の民族の中で、神と契約を結んだユダヤ人が、その際に与えられた律法を守って、神との関係を維持・発展することにより、世界もまたこの神につながり、本来の姿を回復していくという考えである。(オラン・ティクーン)

この教えの頂点にあるのが、大贖罪日(ヨム・キプール)。一年に一回、この日に、イスラエルの国と個人、それぞれが、自分には罪がある(律法を完全に守れていない)とみとめ、悔い改めをする。そうしてその罰を受ける身代わりとして、おのおのエルサレムの神殿で、毎年、犠牲の動物をささげることになっていた。これが旧約聖書である。

この後に来るキリスト(救い主)とよばれるイエスは、この教えを基盤に、エルサレムにおいて、自らがその犠牲となって、罪の罰を受け、十字架上で死なれたということである。しかし、イエスは、動物ではなく、神の子である。死んでから3日目によみがえった。

これにより、毎年ささげものになる動物と違って、一回で永遠に、人類すべての罪の身代わりの役割を果たすという新しい契約がもたらされたことになった。興味深いことに、イエスの十字架の後、約40年後には、神殿がローマ帝国によって破壊され、今にいたるまで、もはや動物を罪の身代わりにすることはできなくなっている。

イエスの十字架と復活が世にもたらされて以降、ユダヤ人でも異邦人でも、イエスの十字架が罪の贖いになったと信じて受け取る者は、神との関係を完全に回復することができる。罪の結果として死ぬこともなく、永遠のいのちを受けると聖書は説いている。これを「救い」と言う。

早い話が、罪の赦しと永遠の命の代価をイエスが払ってくれたので、私たちはただ受け取れば良いということである。個人の良い行いや働き、成果によるものではなく、ただ受け取ることだけであることから、良い知らせ、「福音(ゴスペル)」と呼ばれるのである。

ところが、これがなかなか、あまりにも話が良すぎて、人間基準のヘレニズム思考には理解不能で、受け入れがたいのである。福音が、ヘレニズムを超えるという意味では、ハヌカとクリスマスが同じ頃に来るというのも、ある意味興味深いかもしれない。。。
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総督ピラトの指輪発見か!? 2018.12.05

 2018-12-05
ハヌカとクリスマスの前に、重要な考古学的な発見があった。ベツレヘム近郊のヘロデオン(ヘロデ大王の墓で宮殿の遺跡)で、50年前にみつかっていた銅の指輪が、総督ピラトのものである可能性が出てきた。

総督ピラトは、イエスを十字架刑につけることを許した当時、エルサレムを統治していたローマ帝国の総督である。

この指輪は、50年前に、ヘロデオンで発見されたものの、そのままになっていたもので、考古学者ポラット氏がよく磨いてみるよう指示したところ、ちょっとゆがんだ文字で「ピラトのもの」という文字が出てきたという。

ただし、ピラトという名前は、ユダヤ人でもローマ人でもありうるため、新訳聖書に出てくるポンテオ・ピラト提督かどうかは、完全には特定はできないという。指輪が金ではなく銅であり、それほど高級ではないことも注目される点である。

しかし、この指輪が見つかった場所が、ヘロデオンという王家の敷地内であったことや、ピラトが、日常の業務用には、金ではなく銅の指輪を使っていた可能性もあることから、ポンテオ・ピラトのものである可能性を否定することもできない。

もし、ピラトのものであれば、新約聖書に登場するピラトが実在したことを証明する2つ目の考古学的証拠となる。

一つ目は、ピラトという名前が彫り込まれている石板で、カイザリヤのヘロデ大王が使っていたとみられる宮殿跡近くで発見された。

ヘロデ大王、総督ピラトが実在していたということは、新約聖書が現実の話を記録したものであるということであり、イエスもまた確かに実在したということにつながる。福音の確かさを証明する貴重な証拠の一つになりうる発見である。

https://www.timesofisrael.com/2000-year-old-ring-engraved-with-pilate-may-have-belonged-to-notorious-ruler/
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警察がネタニヤフ首相を汚職で起訴を勧告 2018.12.5

 2018-12-05
現在、首相、外務相に加えて、国防相も務めることになったネタニヤフ首相だが、3件の汚職疑惑がある。その中の一つで、ケース・4000と呼ばれる件について、2日、警察は、十分な証拠を入手したとして、ネタニヤフ首相夫妻を起訴すべきとの勧告を発表した。

ケース・4000とは、ネタニヤフ首相が、イスラエル最大の、ベゼック・コミュニケーション会社が運営するメディア、ワラに、自身に都合の良い記事を出してもらうため、ベゼックの主要株主サウル・エロビッチ氏に便宜を図っていたというものである。記事だけでなく、エロビッチ氏から賄賂をとっていたこともあると警察は言っている。

ネタニヤフ首相は、これについて、完全に否定。政治家がメディアと関わることはめずらしいことではないと一蹴し、自身に対する陰謀だと反論した。また、ちょうど警察庁長官が、交代する直前の摘発はタイミングよすぎると批判した。

<今後どうなっていくのか:最終決断は2019年末予定>

ネタニヤフ首相夫妻起訴への報告は、これから司法検事によって審査され、その後、マンデルビット司法長官が、起訴するかどうかの最終決断を下す。マンデルビット長官は、疑惑3件すべてを精査する予定で、最終的な決断の発表は、2019年末とみられる。

2019年末といえば、ネタニヤフ政権が任期満了となり総選挙が予定されている時期である。しかし、今回の警察の報告により、連立政権から離脱する党が出てくる可能性もあり、そうなるとまた早期総選挙という騒ぎになる。

一難さってまた一難というのが、今のネタニヤフ政権であるが、今の所、他にネタニヤフ首相ほどのリーダーシップをとれる人物もいないので、結局このまま・・ということになるのかもしれない。

https://www.timesofisrael.com/police-recommend-bribery-charges-for-netanyahu-in-case-4000/
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