ヘルモン山に雪・北部情勢 2016.12.5

 2016-12-05
イスラエルではこの週末、全国的に強風を伴う雷雨となった。日本の感覚から言うと、たいした雨でもないのだが、相変わらずハイファやテルアビブの一部では道路が冠水していた。

北部ヘルモン山では、積雪となり、週末は、初雪で遊びたい家族連れが殺到した。ガリラヤ湖では、水位が5センチ上昇したとのこと。日曜からは晴れ上がり、全国で非常に気持ちのよい日々を迎えている。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4887643,00.html

<ヘルモン山・ゴラン高原・北部情勢>

週末にイスラエル人家族たちが雪を楽しんだヘルモン山だが、頂上が3つある。レバノン山脈にもつらなってそのため、山の中をイスラエル、シリア、レバノン3国の国境が通る。

イスラエルが六日戦争以降、領有するのは南部でその頂上は標高2224mの地点。それよりも高い2814mの頂上はシリアがおさえている。ヘルモン山から、ダマスカスまでは、直線距離なら50キロ程度。車で1時間半ほどで、すでに激戦地である。

またヘルモン山は、シリアとこの国境が走るゴラン高原に隣接している。ゴラン高原では、先週日曜、シリア側南部地域から、明らかにイスラエル軍に向けた発砲があった。

攻撃してきたのは、ISIS傘下の組織に所属する4人で、これまでのような流れ弾ではなく、敵意を持った攻撃であった。イスラエル空軍がただちに4人を殺害した。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4884827,00.html

この翌日、イスラエル軍は、ゴラン高原南部で、かつては国連が使用し、今は無人になっている建物で、ISIS関係グループが使用していた場所を爆撃した。

ヒズボラもシリア政府軍も、ISISも、何者であってもイスラエルに手を出すことは絶対に許さないということ、また、イスラエルはたとえシリア領内であっても、どの組織が何をしているかという情報は、確実に把握しているという強力なメッセージである。

http://www.jpost.com/Breaking-News/Israeli-Air-Force-strikes-ISIS-target-in-Syria-473858

さらにその後の水曜、ダマスカス郊外のシリア政府軍武器庫と、シリアからレバノンへ向かう輸送隊が空爆された。イスラエル軍が、ヒズボラへ移送されようとした武器を事前に処分したものとみられる。

攻撃については、シリア軍関係者はじめ、様々なアラブ系メディアが伝えているが、イスラエルはいつものようにノーコメント。

今回、ロシアの後押しを受けているシリア政府軍をイスラエルを攻撃したため、ロシアがイスラエルに対してどう出てくるかが注目されていた。

イスラエルは一応、シリア領内で、こうした防衛的空爆を行うことがある旨、ロシアからの了解を得ているが、実際にロシアは約束を守るのかどうか・・・今回はそのテストだとも言われた。

幸い、攻撃から5日経過後の今にいたるまで、ロシアは反応していない。つまり黙認ととれる。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4886912,00.html

こうした緊張した状況下にありながら、ヘルモン山で、家族連れが、平気で楽しく雪遊びができるというのも、さすがイスラエルと言えるだろう。いかにイスラエルの諜報機関と治安部隊がすぐれているか、また国民も軍に絶対の信頼を置いているということがわかる。

<最新鋭F35ステルス戦闘機配備で中東最強の空軍へ>

イスラエルは、最新鋭ステルス戦闘機F35機をアメリカから17機、購入することを決めた。最終的には50機にする予定。F35は、ステルス機能(敵に察知されずに近づく)が高いだけでなく、垂直離着陸が可能の戦闘機である。

https://www.youtube.com/watch?v=4OYs3VBGfac(垂直離発着するF35)

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4885192,00.html

日本の航空自衛隊は、イスラエルに先立ち、アメリカがF35を実戦配備可能と発表したばかりの8月中に、すでに購入を決定。最終的には42機を調達する予定となっている。今年中にも4機が到着するみこみ。自衛隊の戦力は、実は世界でもトップクラスの一つなのである。

http://www.sankei.com/politics/news/160816/plt1608160013-n1.html
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西岸地区入植地の合法化とアザーン問題 2016.12.5

 2016-12-05
11月中旬以来、イスラエルでは、反パレスチナ、反イスラムともとられる新しい法案が出され、論議を巻き起こしている。これらが先の放火テロの引き金になったのではないかとも言われるほど、大きな論議となった。

一つは、西岸地区の入植地を合法化するRegulation Bill(正常化法案)。もう一つは、モスクの拡声器から流れるイスラムの祈りへの呼びかけを禁止する法案である。

1)Reguration Bill(正常化法案)で物議

西岸地区のアモーナは、ベニヤミン地区にあるユダヤ人の前哨池(入植地の前段階)である。1995年に右派正統派ユダヤ人(宗教シオニスト)らが住み始め、現在、42家族、約200人が住む。

問題はアモーナが、パレスチナ人個人所有の土地にあると訴えられた点である。2006年、イスラエルの最高裁は、これを認め、アモーナは違法であるとしてこの時点ですでに撤去を命じていた。しかし、政府が、撤去の実施を延期し続けて今に至っている。

この間、警察と入居者が衝突したり、パレスチナ人への補償金が命じられたりと紆余曲折の道を通ってきた。このため、アモーナは、開拓から20年になる今もなお仮設住宅の様相である。

最終的な最高裁の判決は2014年に出されたもので、アモーナは違法であるとして、2016年12月25日までに撤去を完了するよう命じている。

政府はアモーナ住民に代わりの土地や住居を提供するなど、妥協案も出したが、アモーナの住民はこれを拒否。今のままであれば、この12月25日、アモーナの住民は、ガザ地区からの撤去のように、イスラエル軍が強制撤去を実施しなければならない。

ところが、撤去期限が迫る11月中旬、思いがけずトランプ次期大統領が選出され、親イスラエルの立場を明らかにした。すると右派ユダヤの家党のベネット党首が強気になり、入植地政策において、国際社会の顔色を伺う方針を変える時が来たと主張。

西岸地区入植地を合法化する法案、問題のアモーナの合法化も可能になる”Reguraltion Bill 正常化法案”を出してきたのである。

もし仮に、この法案が国会審議を3回通過して法律となった場合、アモーナは撤去しなくてもよいということになる。

しかし、当然、この法案に対するパレスチナ側からの反発は大きく、もし、この法案が実際に法律になれば、暴力の再燃になるとアッバス議長が警告。政府内部からも、イスラエルの国際的な評価もあやうくなるという意見もあり、激しい論議が続いた。

多くの反対意見に対し、ベネット党首は、トランプ次期大統領が、明確にイスラエル寄りの姿勢をみせていることから、アメリカは、イスラエル側に立つと主張する。

これについて、もう一人の右派政党、イスラエル我が家党のリーバーマン党首は、この法案の審議は、トランプ氏が大統領に就任するまで、延期すべきと言った。国連では反イスラエル決議が採択され、オバマ大統領が最後にイスラエルを見捨てる可能性もあるからである。

あまりにも論議が大きいため、とりあえず、国会での審議は水曜に延期すると発表された。ベネット党首とネタニヤフ首相は、土曜夜からずっと話し合いを続けてきたが、日曜午後になり、アモーナの撤去命令を30日延期するという妥協案でなんとか、各党とも合意している。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4888496,00.html

http://www.timesofisrael.com/coalition-reportedly-reaches-compromise-on-amona-outpost/

2)アザーン禁止法案で大騒ぎ:地域問題にトルコの大統領が口出し

アザーンとは、イスラム教モスクから放送される祈りへの呼びかけである。ムアジーンと呼ばれる担当者が、1日5回、独特のしらべに乗せて、ろうろうと歌い上げ、それがモスクのミナレット(塔)の先に備えられた複数の拡声器から、一斉放送される。日本でも、地方に行くと、葬式案内が、地域で一斉放送されたりするが、その感じである。

そのため、アラブ人地区の付近に住んでいると、イスラム教徒でなくても、アザーンは聞こえてしまう。問題はこれが1日5回で、早朝は4時ごろが第一回目であるということ。

11月、エルサレム北部でアラブ人地区に隣接するピスガット・ゼエブ住民が、最近、アザーンの音量が耐え難いレベルにまであがっているとして、バルカット・エルサレム市長の住むベイト・ハケレム地区に向かって早朝6時、大音響でアザーンを再現するというデモを行った。

イスラエルには、騒音に関する法律があるが、ここから端を発して、拡声器で無差別に一斉放送するアザーンを禁止する法案が出された。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4877762,00.html

これを受けて、イスラエル国内のアラブ統一政党はもちろん、パレスチナ自治政府のアッバス議長、アラブ諸国やトルコのエルドアン大統領までが、「イスラエルが、イスラムの祈りを禁止しようとしている。」と大騒ぎになった。

しかし、イスラエルとしては、祈り自体を禁止すると言っているのではなく、拡声器で一斉放送することを禁止するといっていたのである。携帯電話の一斉配信など、一斉放送でなくても、他の方法も考えられるからである。

しかし、アラブ議員アフマド・ティビ議員は、この法案が、イスラエルが上記アモーナにからんで入植地を合法化する法案と同時期に出されたことを指摘し、イスラエルが、一気にユダヤ化をすすめようとしていると怒りを訴えた。

問題が大きくなることを受け、リブリン大統領は、イスラム指導者を官邸に集めて、イスラエルはイスラムの排斥をするのではないとアピール。アザーンの問題は、地域での話し合いで決めるレベルのものであり、法律にまでする必要は全くないとの声明を出した。

しかし、イスラエルの大統領には政府の施政に口出しをする権限がない。法案はそのまま審議されそうになった。しかし、ことが大きくなるのを受けて、結局、国会での審議は、先のRegulation Billと同様、先送りとなった。

*以下現地取材

この問題について、エルサレム南部のアラブ人地区ベイトサファファと、すぐ隣接するユダヤ人地区ギロを訪問した。ここでは両者の指導者同士はけっこう仲が良く、アザーンの問題も、両者が話し合って、一応の解決を見いだしていた。

それによると、問題になるのは早朝のアザーンや、ヨム・キプールで、ユダヤ人が断食しながら寝ている日のアザーンであるため、音量には配慮すべきとイスラム側も納得していた。

また、今後テクノロジーを使って、拡声器をイスラム教徒が住むベイトサファファの通りにむけて、細分化して配置し、ユダヤ人のギロにまで放送が聞こえないようにするという案で合意に至ったという。

確かに、ガザ地区に近いアシュケロンでは、ロケット弾が打ち込まれると警報がなるのだが、毎回、街全体に警報を鳴らすと、着弾しそうもない地域住民にまでストレスを与えることになる。

そのため、アシュケロンでは、地域別警報システムが導入されており、同じ市内でも、本当に危険がせまっている範囲の住民だけに警報が聞こえるようになっている。アザーンにも同じシステムの導入は可能と思われる。

ただ問題は、費用。ベイトサファファでは、とりあえず、2つの通りでテストケースを始めて、徐々に拡大していく予定だという。

<石のひとりごと>

ユダヤ人とアラブ人。同じ土地の上に住んでいながら相変わらず、もめごとはエンドレスである。

アザーンについては、地域の問題であり、現地ではすでに指導者同士の話し合いがすすめられていた。しかし、話はどんどん一人歩きをしながら深刻化し、へたをすると、世界のイスラムを敵にまわす可能性まであった。

中東では、ささいなことでも大きな戦争に発展する可能性があるということである。

筆者の住む地域でも、アザーンは毎朝4時から鳴り響いているが、やかましくて寝られなかったというような覚えはない。すでに日常になっている。ただ霊的な問題はあると思われる。

イスラエルは、民主国家だが基本的にユダヤ人が運営する国であり、毎朝ラジオは、「シェマーイスラエル。私たちの主だけが神。」と宣言する。一方で、イスラム教徒たちは、朝から1日5回、「アラーだけが唯一の神。」と大音響で宣言しているのである。

アラビア語を理解する人が少ないせいもあり、この点は問題とはされていないが、けっこう大問題ではなかろうかと筆者は懸念する。。。とはいえ、これを禁止することはやはり、国際的にも大問題であることも現実のようである。
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パレスチナ会議終了:アッバス議長の権力増強か 2016.12.5

 2016-12-05
7年間、延期になっていたファタハ(PLOの最強政党で自治政府を運営する母体)指導者たちの会議が、ラマラにおいて4日間開かれ、土曜、終了した。

会議では1400人が集まって、投票を行い、今一度アッバス議長(81)が、ファタハ最高指導者であるということで合意した。このほかにもファタハの議会や自治体の指導者らも選出された。

会議は前回からすると7年ぶりで、アッバス議長の後継者のめぼしがつく会議としても注目されていた。

アッバス議長の最大のライバルとされていたのは、今はパレスチナから追放され、UAEに身を寄せているモハンマド・ダーラン氏で、アラブ諸国はダーラン氏を会議に加えるよう要請した。しかしアッバス議長はこれを拒否。

ダーラン氏のパレスチナ返り咲きを阻止できたこともり、アッバス議長の権限が、これまでよりも強固になったとみられる。

なお、ダーラン氏自身は、自身ではなく、イスラエルの刑務所にいるマルワン・バルグーティを次期指導者として指示する立場である。

http://www.timesofisrael.com/palestinian-fatah-party-ends-conference-with-boost-for-abbas/

アッバス議長はこの議会において、「絶対にイスラエルを認めない。」と明言した。

<国連総会:パレスチナ人を覚える日>

国連総会では、1947年に、パレスチナ分割案が採択された11月29日を記念し、この日をパレスチナ人を覚えるとしている。今年は、総会の議長ピーター・トンプソン氏は、パレスチナを象徴するスカーフを巻いて総会にのぞみ、決議案をとった。

6つの反イスラエル決議案のうち、一つは神殿の丘に関するものだった。先のユネスコの時と同様に、アラブ諸国が提出し、ユダヤ人と神殿の丘の関連を明記せず、イスラエルを非難する報告書で、今回、国連総会でも、承認された。

この決議に反対したのはイスラエルとアメリカを含む6カ国のみで、フランス、ドイツ、イギリスなど主要ヨーロッパ諸国は全部賛成票を投じていた。日本も賛成票であった。実質的にイスラエルがたよれるトモダチは、アメリカだけという結果である。

これで、もし将来、アメリカも失ったらどうなるのか。。。イスラエルのダノン国連代表は、今後も、アメリカがイスラエル支持から手をひかないことを願っていると危機感を語っている。

http://www.i24news.tv/en/news/israel/diplomacy-defense/131461-161201-un-adopts-more-anti-israel-resolutions-ignores-jewish-ties-to-temple-mount
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すべての子どもに国が積み立て貯金 2016.11.5

 2016-12-05
10月、カフロン財務相が、2017年1月から、イスラエル人の子供すべて、一人一人に、国が積み立て貯金を開始すると発表した。

その開始日が近づいた12月に入り、テレビでは親たちに開始を知らせ、手続きを始めるよう促す政府の宣伝が始まっている。

http://www.jpost.com/Israel-News/Politics-And-Diplomacy/Savings-for-every-child-plan-moves-forward-474421

<CDA(Child Development Account)>

CDAとは、子供たちが18歳になり、いよいよみずからの人生を歩み始める際に、親の経済能力にかかわらず、すべての子供に一定額の貯金があるよう、国が支援して一人一人に積み立て貯金を行うというプログラムである。

この資金で、大学に行ったり、ビジネスを始めることも可能で、貧困な家庭の子供たちが貧困から脱出できるようにするねらいがある。

アメリカやスカンジナビア、シンガポール、中国、2007年からは、韓国でもこのプログラムが始まっている。専門家によると、現時点で最も成功しているのはシンガポールで、仮にこの積み立てを18歳で引き出さなかった場合は、老齢年金にまで回すことができ、文字どおり、生涯を通して助けになるプログラムである。

具体的な方策は国によって違うが、だいたいの国においては、政府から支給される子供手当から一定額を差し引いて積み立てることに両親が合意した場合、政府は、それと同額を上乗せするという形で、積み立てを支援する。この方式であれば、国民すべての子供が対象にはならない。

イスラエルは、OECD諸国の中でも、貧富の差がかなり大きい国である。ミリオネア(資産1-5億円)の人が88000人以上でそのうち17人は、ビリオネア(億万長者)がいる一方で、貧困線以下で生活する貧困率は19%と、OECDでは最悪の国である。

また子供の貧困率は30%と先進国にしては非常に高い。(ただしイスラエルの場合は、出産率が高いユダヤ教超正統派とアラブ人社会の貧困率がそれぞれ一般ユダヤ人社会の3倍、2倍となっていることに注意)

こうした中、イスラエルでもCDAは長年、研究されてきたのだが、いよいよ来年1月から滑り出すこととなった。テレビでは、親たちに理解を求め、手続きを始めるよう促す政府広報が始まっている。

http://taubcenter.org.il/long-term-savings-accounts-for-children/

<イスラエルのCDA> http://haotzarsheli.mof.gov.il/Documents/english.pdf

イスラエルでは、120万世帯、300万人のイスラエル人の子供(ユダヤ人、アラブ人にかかわらずすべて)全員を対象とし、子供が生まれると国はその子供の口座を作り、月50シェケル(約1500円)の積み立てを開始する。

これに親は、支給される子供手当から50シェケルを差し引いて国の積み立てに上乗せすることが可能である。

これにより、子供たちは18歳になった時点で、12215シェケル(約36万円)、上乗せがあった場合は、21930シェケル(約72万円)が準備されていることになる。

イスラエルでは兵役があるため、積み立ての出金は、21歳でも可能。もし18歳で出金しなかったらさらに500シェケル(約15000円)、21歳でも出金しなかったらさらに500シェケルのボーナスがある。

これで、いかに貧しい家庭の子供でも、成績がトップレベルで奨学金を受けられなくても、大学に行くことは可能。なお、使い道については、学業などが好ましいとされているが、親との合意があれば、特に制限はない。

このプログラムを始めるにあたり、不公平がないよう、今いるすべての年齢の子供の場合どうなるのか、子供が18歳未満で死亡したらどうなるのかなど、細かいところにまで対処が準備されている。

相当な財源が必要になると思われるが、国が負担する資金は、初年度で、1億1030万シェケル(約34億円)、2年目からは24億シェケル(約720億円)と試算されている。

すべての子供を対象に、まずは公的積み立てが土台になるCDAはイスラエルが世界で初である。

プログラムが成功するか否かは、18年たってみないとわからない。あまりにも長期計画で、次期政権は、これをちゃんと引き継いでくれるのか、財源は確保できるのか。。。など、疑問や懸念は多々あるが、そこは見切り発車が得意なイスラエルである。なんとかなるのだろう。
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山火事の被害とイスラエル政府の対処 2016.11.27

 2016-11-27
全国で発生した山火事は、今週末、あらたに186カ所で出火したが、スーパータンカーがアメリカから到着したこともあり、現地時間で土曜夜までには、おおむね鎮火した。

Yネットによると、土曜夕方の時点で、特に被害が大きかったハイファでは、ビル計175棟が焼け、アパート1784室、4832人が被害を受けた。このうち、77棟、527室が居住不能と判定され、1616人が、家を失った。

正確な数は不明だが、エルサレム周辺でも家や経営していたレストランが全焼した人々がいる。

負傷者は、救急隊によるとハイファと、エルサレム近郊マアレイ・アドミムから約180人で、煙を吸うなどして搬送されていた。うち3人が中等度の負傷。129人は軽傷で、50人は自力で病院を受診していた。

今回は、全国規模でしかも少なくとも出火の半数はテロによるといった出来事は、イスラエル史上、前代未聞で、被害総額も、少なくとも20億シェケル(約600億円)とこれもまた史上最大とみられる。

相当な被害だが、そこで立ち止まらないのがイスラエルである。もっとも被害が大きかったハイファでも、土曜夜には、被害の詳しい調査を終え、日曜には、通常の生活に戻っている。出火原因の一部はテロであることから、できるだけ、早く日常に戻るというのがイスラエルの対処である。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4884557,00.html

<被害者への補償>

イスラエルでは、テロによる被害である場合、法律で、国が全額補償することになっている。たとえば、ガザからのロケット弾を受けて破壊された家は、国が全額再建費用を出すという形である。

カフロン経財相は、土曜夜のうちに、テロによるとみられる火災で、自宅に帰れなくなった被害者全員に、国が見舞金として、1人2500シェケル(約75000円)を支給すると発表した。一家4人の場合は1万シェケル(30万円)ということになる。

また、テロによる火災で被害を受けた建物については国が全額補償するとが発表した。なお、カフロン経財相とネタニヤフ首相は、被害のほとんどはテロによるとの味方で合意している。

しかし、これが良いことばかりではない。個人で火災保険に入っていた人の場合、国の補償が優先してしまうと、逆に補償金額が下がってしまうのだという。

このタイプのテロで、ここまで大規模な被害はこれまでになかったので、国がはたして、全額補償できるのかなど、今後、予想外の様々な課題が出てきそうである。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4884824,00.html

ところで、イスラエル人は、困った時の助け合いに関しては非常に目をみはるものがあるが、今回も火災で焼け出された人々を、緊急にと自宅に迎えるとの申し出が殺到していた。また、諸団体もチャリティ活動を開始している。

http://www.jpost.com/Israel-News/Israelis-welfare-organizations-rally-to-help-in-wake-of-fires-473732

<ネタニヤフ首相からアッバス議長へ感謝>

火災発生時は、アラブ社会のソーシャルメディアなどで、イスラエルの火災を喜ぶ書き込みがなされていたが、国レベルでは、近隣アラブ諸国も応援の消防隊や消防機を多数派遣した。

イスラエルの消防士2000人とイスラエル軍兵士450人とともに、パレスチナ自治政府、ヨルダン、エジプト、トルコなど、日頃は敵対する国々の消防士たちが、24時間体制でともに消火作業を行った。ネタニヤフ首相は、アッバス議長に感謝を伝えている。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4884637,00.html

<放火テロへの報復は?>

テロである場合、イスラエルが、だまってそのままにしておくことはない。これまでに放火の容疑者23人が逮捕され、調査がすすめられている。

右派ユダヤの家党ベネット党首は、焼失した家々は必ず再建し、「西岸地区にさらにユダヤ人の家を建てることがテロへの報復だ。」と語っている。イスラエル我が家党のリーバーマン党首も同様の発言をしている。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/220873
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