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ぎりぎり中東戦争?:イスラエル軍が中東広域でイラン拠点を攻撃か 2019.2.26

 2019-08-26
この週末、イスラエル軍が、イラク、シリア、レバノンと中東の広範囲で、イランの拠点をつづけさまに攻撃したと伝えられた。

INSS(イスラエル国家治安研究所)のアモス・ヤディン所長(元イスラエル軍諜報部長官)は、今、イスラエルとイランの紛争が、アメリカとロシアが見守る中、シリア、イラク、レバノン、広域にはサウジアラビアとイエメンも含め、中東全域で、繰り広げられていると語った。

イスラエルの閣僚、エルキン環境相が、「イランは今、中東全域にその帝国を築いて、イスラエルへの攻撃に備えようとしている。」とのコメントを出したが、イスラエル政府が、これに対処しているとみられる。

ただし、攻撃は、大きな中東戦争に発展しないよう、注意深く、相手に警告も与えながら、ぎりぎりのところで行なわれているもようである。

一方、これと並行して、中東から目をそらせようとするかのように、イスラエル国内の西岸地区、ガザ地区では、テロ事件や、軍との衝突が、相次いでいる。

ヤディン氏は、軍は、国内のテロ事件に振り回されることなく、中東広域での諜報活動も的確に行い、迅速に対処していると、軍の動きを評価するとコメントした。ここしばらくの中東での攻撃は以下のとおり。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/267868

1)イラクでイラン拠点を攻撃:イラン司令官2人死亡

23日(金)、イラクのイラン拠点、ハシェッド・アル・シャビの武器庫が攻撃、爆破された。ハシェッドは、イランと関係のあるシーア派主流のグループである。この拠点は、7月にも攻撃を受けており、イラン人司令官2人が死亡している。

これを受けて、イランの拠点とする強力なイラク人シーア派イスラム指導者グランド・アヤトラ・カゼム・ハエリは、攻撃はイスラエル軍が、アメリカ軍の協力を得て実施したとして非難。イラクのアメリカ軍は直ちに撤退させると主張した。

こうなるとイラクに駐留するアメリカ軍に危害が及ぶことが懸念される。このためか、アメリカ軍は、当初、この攻撃がイスラエルによるものとの見解を発表したが、後に、8月の熱波(43度)によるものとの推測に変更した。イラクの武器庫では、こうした熱波による自然発火は時々あるのだという。

イラクには、イスラム国への攻撃が行われていた2017年以来、対テロ軍事訓練などを目的として、アメリカ軍5000人が駐留している。いうまでもなく、この地域におけるアメリカ軍は歓迎されるものではない。

トランプ大統領は、就任当初、イラクにいる米軍の撤退を宣言したが、実際ここからアメリカ軍が撤退すると、イスラエルとクルド人たちが無防備になるため、結局、撤退はできないままとなっている。

シーア派とスンニ派の両方が存在するイラク政府も、対テロ対策のためにも、アメリカ軍の駐留を擁立する立場をとっている。

しかし、イスラエルは、中東にあるイラン拠点の確率を決して容認しないと言っているので、攻撃が続けば、アメリカ人たちに被害が及ぶだろう。そうなると、いよいよアメリカ軍が、ユーフラテス川付近から撤退を余儀なくされるかもしれない。

https://www.jpost.com/Middle-East/Israeli-airstrike-leads-to-renewed-calls-for-US-troops-to-leave-Iraq-599536

そうなれば、いよいよ、ロシア、イラン、トルコ、中国などの大国がユーフラテス川を越えて、イスラエルに流れ込んでくるという聖書の預言が実現する可能性が出てくるかもしれない・・・。

2)ダマスカス南東部イランの”神風・ドローン”拠点攻撃:イラン兵1人、ヒズボラ2人死亡

24日(土)イスラエル軍は、シリア首都ダマスカス南東部のヒズボラとイラン革命軍の拠点を攻撃。イスラエル(ゴラン高原)に向けたテロ攻撃用ドローンが準備されていたためと公式に発表した。

イスラエル軍によると、この拠点から発せられる予定であったドローンは、数キロの爆発物を運搬可能で、イエメンでイランが使っているタイプのもので、イスラエル北部ゴラン高原に侵入したのち、複数のターゲットで自爆するとみられた。

イスラエル軍スポークスマンのコーネリウス少佐はこれを「神風・ドローン」と表現している。イスラエル軍は、このテロが市民をねらう計画であったとして、大きな危機を未然に阻止できたとみている。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/267875

*神風ドローン関連のビデオ(イスラエル軍): http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/267881

コーネリウス少佐によると、イスラエル軍は、この数ヶ月、イランのアル・クッズ革命軍とヒズボラが、この拠点から、イスラエルへのドローン攻撃を準備しているのを観測。その最終段階で攻撃を実施したと説明している。

しかし、イラン革命軍のモシェン・ラザエイ長官は、このイスラエルの発表を否定。イスラエルにもアメリカにも、イランの様々な地域の拠点を攻撃する能力はないと反論した。

https://www.timesofisrael.com/iran-denies-its-posts-were-hit-in-syria-strike-2-hezbollah-fighters-said-killed/

しかし、シリアの国営放送は、土曜にダマスカス近郊で、実際に攻撃があったことを伝えていた。また、シリアの人権保護監視組織によると、この攻撃で、イラン兵1人、ヒズボラ2人が死亡したという。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5574994,00.html

ネタニヤフ首相は、「イランがどこにいるかはお見通しだ。イスラエルの治安を脅かすイランやその関係組織に容赦することはない。イランに(イスラエルを攻撃する)安全な場所はない。」と語った。

イスラエルが、シリア領内のイラン拠点を攻撃するのは今に始まったことではないが、イスラエルが公式に発表するのははじめてではないが稀である。

これについて、ヤアコブ・アミドロール・イスラエル軍少将(予備)は、イスラエルは、イランが今、中東に拠点を展開しようとしていることをイスラエルは知っているということをイランをはじめ、世界に知らせるために、公式発表したと説明する。

2006年の第二次レバノン戦争の後、イスラエルは、国連監視団軍を信頼していたため、南レバノンに、ヒズボラ(イラン)が、イスラエルの攻撃拠点を築き上げることをむざむざ許してしまった。

国連監視軍は、ヒズボラがミサイルを蓄積するのを放置し、国際社会もこれを無視する形をとったからである。

イスラエルは、これと同様のことが、シリアでもおこり、シリアに、イラン傀儡のイスラエル攻撃の拠点が出来上がってしまうことを容認しないと言っているのである。

3)ヒズボラ拠点でイスラエル?のドローン2基爆発:ベイルート

上記シリアへの攻撃の数時間後、ヒズボラが、レバノンのベイルートで、イスラエルの2基のドローンが爆発したと発表した。

それによると、一基は、爆発物を掲載したもので、ベイルート南部ダヒヤにあるヒズボラのメディア関係のビルに深刻なダメージを与えた。2基目は、1基目のドローンを探しに来たとみられ、空中で爆発して落下したという。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5575082,00.html

レバノンのハリリ首相は、レバノンの主権を侵すイスラエルの無差別攻撃だとして非難。レバノンは度重なるイスラエルのドローンの飛来に以前より苦情を出していたのであった。

これについて、イスラエルはコメントしなかったが、25日(日)、レバノン政府が発表したドローンの写真から、これがイスラエル軍のものとは思えない不出来なもので、イラン製であるとのコメントを出している。なぜイランのドローンが味方であるはずのヒズボラに被害を与えたか??

不明だが、ヤディン元諜報機関長官によると、イランのドローンが、レバノンを出てイスラエルへ入ろうとして失敗したかとの見方もあるようである。

<今後どうなるのか>

今後、どうなっていくのかは不明だが、イランは、経済制裁や、ききんなどで、まともにイスラエルと戦える状態にはないと思われるし、ヒズボラも、今はとりあえず、イスラエルとはことを構えたくないのではないかとの見方がある。

しかし、そこは中東、予想はできない。アミドロール元少佐も、「わからない」と言っていた。

<石のひとりごと>

ニュースだけを見ていると、かなり危機的な状況にみえる。いや、見えるだけでなく、実際にいつ大きな中東戦争になっても不思議はないわけである。

しかし、テロ被害が続く西岸地区、ガザ周辺以外のイスラエル国内はいたって平和。いつもの日常が続いている。上記のような中東情勢は、イスラエル国内にいても、ニュースをみない人は、ほとんど知らないままだろう。海外からの旅行者も相変わらず到着している。

しかし、その平和は、ひとえに国境や、中東各地で危険きわまりない諜報活動を行っているイスラエル軍の司令官や兵士たちがいるからである。平和に旅行できるのは、命がけで戦っているイスラエル軍がいるからということも知るべきであろう。
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イランのザリフ外相がG7に到着 2019.8.26

 2019-08-26
フランスでは現在、先進国 G7(フランス、イギリス、アメリカ、ドイツ、日本、カナダ、ドイツ、イタリア)が行われているが、緊張するイラン情勢についても話し合いが行われた。

マクロン大統領は、イランとの核合意が崩壊することは中東の戦争を意味すると懸念し、G7に先立つ23日、イランのザリフ外相と面談。核合意を維持する方向で、経済制裁の緩和などが話し合われたもようである。

フランスのマクロン大統領は、「G7は、イランに何を言うかで合意した。」と発表した。しかし、トランプ大統領は、この発表を否定。「アメリカは独自のやり方でいく。」と語った。

https://www.france24.com/en/20190825-macron-g7-nuclear-france-iran-trump

こうした中、イランのザリフ外相が、日曜、G7が開かれているビアリッツに招かれ、到着した。ホルムズ海峡での危機をふまえ、イランとの直接の話し合いが行われる。しかし、アメリカはザリフ外相には会わないという。

https://www.reuters.com/article/us-g7-summit-iran-jet/iranian-foreign-minister-arrives-in-g7-summit-town-in-france-iran-official-idUSKCN1VF0JR?il=0

*ホルムズ海峡その後

ホルムズ海峡を通過するタンカーをイランが攻撃したり拿捕していた事件。アメリカが、タンカーを保護する有志連合の結成を呼びかけたが、これに参加すると表明する国はなく、どうも宙に浮いた感じになっている。

こうした中、イギリスが自国のタンカーを護衛するために独自の戦艦を、地域に派遣して緊張が高まっている。また、イギリスは、ジブラルタル海峡で、原油を密輸していたとして拿捕したイランのタンカーを、43日後、アメリカの意向に反して釈放。タンカーはトルコに向かっている。

https://www.nytimes.com/2019/08/15/world/europe/iran-gibraltar-tanker.html
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西岸地区でハイキング家族に爆弾テロ:17歳少女死亡 2019.8.26

 2019-08-26
23日金曜朝10時ごろ、エルサレムから出てすぐ西、ラマラにも近い、西岸地区山中の自然の泉、ボビンの泉で、道路に仕掛けられた爆弾(IED)が爆発。

ちょうど家族で遊びに来ていたロッド市在住で、軍のラビ、エイタン・シュナブさん(49)の長女リナさん(17)が死亡。長男のドビールさん(19)が重傷。エイタンさんも腹部に負傷した。

エイタンさんは、救命救急士でもあったため、爆発後、レナさんに駆け寄ったが、レナさんは全身に負傷してすでに死亡していた。その後エイタンさんは、自身も相当な傷を負いながら、警察に電話連絡。ドビールさんに祈りのショールで止血を施行したとのこと。

まもなく治安部隊と救急車がかけつけて、負傷した2人はエルサレムの病院に移送された。ハダッサ病院によると、ドビールさんは、重傷だが、回復に向かっているという。エイタンさんは中等度の負傷で、病床で記者会見も行った。

エイタンさんは、「リナが、自分の体で爆弾を吸収して、私たち皆を守ってくれた。リナは英雄だ。」と語った。ドビールさんは、父親同様に救命救急士になる勉強をしており、共に止血法について話していたところだったという。

https://www.timesofisrael.com/i-wanted-to-believe-its-just-a-dream-dad-recalls-bomb-that-killed-daughter/

リナさんの葬儀は、死亡した当日、安息日入りの直前の午後3時に、居住地のロッドで行われ、数百人が出席。父親のエイタンさんは出席できなかったが、電話で、会衆に、「強くあろうとしています。」と語った。

リナさんの妹は、リナさんと過ごした17年に感謝し、「この失われた穴は、家族だけでなく、イスラエル全体の穴です。」と語った。ネタニヤフ首相は、エイタンさんに電話をかけて、追悼を述べるとともに、エイタンさんたちの早い回復をと話したという。

https://www.jpost.com/Israel-News/Terror-victim-Your-death-leaves-a-void-in-the-heart-of-nation-599508

なお、今回テロがあったボビンの泉だが、2015年にもロッド出身のダビー・ゴネンさん(25)が撃たれて死亡するというテロ事件が発生していた。以来、この泉は、「ダニーの泉」とも呼ばれるようになっていた。

事件後、いつものように、ハマスは事件を起こしたパレスチナ人を賞賛する声明をだしている。

<容疑者3人逮捕>

事件後、イスラエル軍は、ただちに付近のパレスチナ人の村への捜査を開始し、24日までに3人を逮捕した。詳細はまだ不明。

今回のような、仕掛け爆弾によるテロは、新しい手口である。西岸地区には、今回の泉のようなハイキングスポットが数多くあり、イスラエル人も多くが出かけている。今後、同様のテロをどう防ぐのか、懸念がひろがっている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5574489,00.html

西岸地区では、今月8日に、グッシュ・エチオン地域で、ドビール・ソレックさん(19)がナイフで刺されて死亡。

16日には、神殿の丘のイスラエル警察官がナイフで刺される事件が発生。同日、再びグッシュ・エチオンのバス停で、姉ノアムさん(19)と、弟ナフムさん(17)が車で突っ込まれて、重傷となるテロ事件が発生している。

<西岸地区で何がおこっているのか:パレスチナ自治政府との決裂の結果?>

先月7月26日パレスチナ自治政府のアッバス議長(84)は、治安維持の協定も含め、イスラエルとの協定を全面的に破棄すると言った。

これは、イスラエルが、防護壁周辺のパレスチナ人の家屋を破壊したことを、国連安保理に訴えたが、アメリカがこれを阻止したことへの反発であった。

しかし、アッバス議長は、以前にも同様の発言をした後、結局、イスラエルとの協力を破棄するすることがなかったという前例があったため、今回もさほど深刻にとられることはなかった。

実際、この後、イスラエルは、パレスチナ人が、イスラエルで購入する際に代理で徴収しているガソリン等の税金のうち、ドルを、自治政府に送金することで合意したと報じられた。同時に、今後この税金を今後は、自治政府が直接徴収することになったと伝えられた。

イスラエルは、今年初頭から、パレスチナ自治政府がテロ家族に給与を支払い続けていることに反発し、代理徴収の税金月2億ドルの送金を徐々に停止していた。これに自治政府は反発。イスラエルからの送金を一切拒否するようになった。このため、西岸地区の現金不足が深刻になり始めていたのであった。

このため、イスラエルは5億6800万ドルの送金とともに、今後は、パレスチナ自治政府が、自らガソリン関連の税、月約6000万ドルを徴収することで合意したと報じられた。

しかし、これで、アッバス議長が期限を直して、イスラエルとの協力を再開することにはならなかったようである。

今、西岸地区で、テロが急増していることから、イスラエルとの治安維持協力は実際に途絶えており、結果的にテロに走るパレスチナ人が増加している可能性が懸念されている。

ネタニヤフ首相はこのところ、テロに対し、厳しい報復措置、つまり、ムチではなく、アメを与える方策をとっている。たとえば、ハマスを抑えようとして、カタールの現金搬入を認めたなどである。

リーバーマン氏は、こうした政策に同意できず、防衛相を辞任し、政府から離反したのであった。リーバーマン氏は、リナさんが死亡した今回のテロ事件についても、ネタニヤフ首相の弱腰の政策が招いたものだと批判した。

https://www.france24.com/en/20190726-palestinians-israel-halt-agreements-taxes-un-demolitions 

リーバーマン氏が正しいかどうかは別として、現在、西岸地区でのテロの激化が懸念されている。

<石のひとりごと:イスラエル人とテロ被害>

いつも思うが、リナさんは、朝元気に父親と兄と連れ立ってピクニックに向かい、その午後3時半には、もう地中に埋葬された。朝いた人が、もう完全にいなくなったのである。あまりの急展開に、家族の混乱は想像を絶する。

また、死んでしまったリナさん本人も、もしその霊が今、いずこかにいるとしたら、どうこれを受け取っているのかと考えさせられる。まだ十代にして、この世での歩みが終わってしまったのである。これまでの望みや目標はなんだったのか。命というものは、生きているだけで、奇跡なのかもしれない。

しかし、正直なところ、日本人としては、なぜそんな危ないところに子供達を連れて行ったのかとも思えないではないが、イスラエルでは、それを言う人は一人もいない。

ああ、またテロか・・と一瞬顔を暗くする。しかし、すぐに日常に戻らざるをえない。ニュースは次のことに移って、2日以内には、もう話題にすらのぼらなくなる。イスラエルでは、テロはいつ、自分に襲ってくるかもわからない。来たら「自分の番が来た」のであって、それまでは、あまり考えないようにしている。

エイタンさんは、右派、宗教シオニストで、西岸地区はイスラエルの地であると主張するグループに属している。そのエイタンさんの妻で、今、娘のリナさんを失い、長男も今まだ重傷となっている、母親シーラさんは、苦痛の表情で、これもまた信仰の問題で、メッセージであると語る。

そのメッセージとは、ユダヤ人はけっしてひるまないということだという。今回起こったことの痛みは続くが、それでもユダヤ人が、トーラーの国、イスラエルの再建をやめることはないと語った。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/267872

再建するイスラエルの領土がどの範囲かは棚にあげるとして、それは聖書に預言されていることである。いつかは、成就するのであろうが、そこには、ユダヤ人たちの重すぎる支払いがあるということを覚えなければならない。

それはまた同時に、ユダヤ人たちの周囲にいるパレスチナ人たちもまた、ともにその支払いをするということでもあろう。両者を覚えて祈りが必要である。
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ガザ情勢:エスカレート中 2019.8.18

 2019-08-18
イスラエルでは、11日、神殿の丘でパレスチナ人とイスラエル治安部隊が衝突。以後、負傷者が出るテロ事件が相次いで発生し、緊張がたかまっている。

こうした中、16日夜、ガザからイスラエル南部地域に向けて、ミサイルが数発撃ち込まれた。アイアンドームが対処するなどして、被害はなかったが、イスラエル軍は、ガザ内部ハマス地下施設へ報復の空爆を行った。

続いて17日夜9時ごろ、再びガザからスデロットなど南部地域へミサイルが3発撃ち込まれた。2発は迎撃ミサイルが数発撃墜。ミサイルか、迎撃ミサイルかいずれかによる破片が、スデロットの家の庭に着弾している。

南部地域では、2夜続いてサイレンが鳴り響き、シェルターへ駆け込む際に2人が負傷。ショックで4人が治療を受け、一人(79)は入院した。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/267534

その後、夜遅くになり、武装したパレスチナ人のグループが、イスラエル領内に侵入しようとして、イスラエル軍のヘリコプター、戦車からの発砲で、武装グループ4-5人が死亡したもようである。

イスラエル軍は、この後、ガザ地区ベイト・ラフィア付近を空爆している。

パレスチナメディアによると、このグループは、イランの支援を受けているイスラム聖戦の武装部隊サラヤ・アル・クッズと伝えていると、Times of Israelは未確認情報として伝えている。

ガザ情勢が緊張をするのを受けて、ベエルシェバ。アシュドド、オファキム、ヤブネ市では、公共のシェルターを解放し、救急隊も、緊急時に備える体制に入ったとのこと。

https://www.timesofisrael.com/idf-kills-armed-gazans-approaching-israeli-border-as-tensions-spike/

ガザ国境では、今週金曜も約5000人が集まり、国境に駐屯するイスラエル軍に投石し、爆発物を投げるなどした。イスラエル軍は、催涙弾などで対応。ガザからの情報によると、パレスチナ人16人が負傷した。

<ガザからの侵入事件が深刻に>

ガザでは、この10日ほどの間に、武装したパレスチナ人6人が、イスラエル領内へ侵入する事件が発生している。8月1日には、侵入したパレスチナ人が、射殺されるまでの間に、イスラエル兵1人を負傷させた。

先週10日未明には、ハマスメンバー4人が、ガザのカン・ユニス難民方面から、国境を越えてイスラエル領内へ侵入しようとして発砲、手榴弾を投げたものもおり、直ちにイスラエル軍に射殺された。

4人は、AKー47カラシニコフ・ライフル銃、ロケット誘導型手榴弾、パイプ爆弾、狩猟用大型ナイフなど多数の武器を所持しており、イスラエル国内で大きなテロ事件を計画していたとみられる。

かなりの計画性が疑われるが、ハマスは、4人が独自に行動したと言っている。イスラエルが、圧力をかけ続けているせいで、若者をテロに追い込んでいるのだと非難した。

いずれにしても、イスラエル軍は、これについての報復の空爆を行った。

https://www.timesofisrael.com/idf-says-large-scale-terror-attack-thwarted-as-troops-prevent-infiltration/
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神殿の丘紛争:ユダヤ教とイスラム教 2019.8.18

 2019-08-18
ユダヤ教のティシャ・ベ・アブ(神殿崩壊記念日)と、イスラム教のハジ(巡礼最終日で犠牲祭の始まり)が重なる8月10日午前、エルサレムの神殿の丘で、パレスチナ人とイスラエル治安部隊の間で激しい衝突が発生した。

その4日後の15日、神殿の丘周辺の警備にあたっていた警察官が刺され、その翌16日には、エルサレム南部のグッシュ・エチオンで、車のつっこみテロが発生。10代のユダヤ人2人姉弟が重傷を負うなど、テロが相次いだ。

16日夕刻には、ガザからイスラエル南部へロケット弾が撃ち込まれ、イスラエル軍が空爆の報復を行う事態となった。神殿の丘関連で、緊張が高まりつつあるのではないかと懸念されている。一連の事件については以下の通り。

<10日:神殿の丘(ハラム・アッシャリフ)での衝突>

イスラエル政府は、基本的にイスラム教の例祭時には、イスラム教徒以外が、神殿の丘へ入ることを禁止する。今年も9-14日までは、入場不可となっていた。

しかし、11日(日)は、ユダヤ教のティシャ・ベ・アブで、毎年、右派は1000人規模で、神殿の丘に入る日である。右派たちは、この日は、神殿の丘へと主張した。最終的に、イスラエル政府は、ユダヤ教徒も、この日、神殿の丘へ上がることを許可すると発表した。

すると、イスラム教側は、「ユダヤ人の”侵略”を防がなければならない」として、この日の各地モスクでの礼拝をすべて中止。

パレスチナのメディアを監視する団体PMWによると、通常なら神殿の祈りは、朝4:29、5:56、12:44とされるところ、朝7:30として、できるだけ多くのイスラム教徒は、ハラム・アッシャリフ(神殿の丘)での祈りに参加するよう呼びかけていたという。結果、紛争時、数千人のアラブ人がいたとみられる。

https://www.jpost.com/Middle-East/Israeli-watchdog-accuses-PA-of-plotting-Temple-Mount-violence-598687

11日朝、ユダヤ人たち(警察によると計1729人)が、神殿の丘への入り口ムグラビ門に到達するやいなや、アラブ人たちが投石を始めた。治安部隊は、催涙弾や、暴動処理班も出動して、これに対処した。

衝突は、長く続かなかったが、少なくともアラブ人31人が負傷。警察官も4人が負傷した。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/267214

その真下にある嘆きの壁では、ティシャ・ベ・アブの祈りに来ていたユダヤ教徒が、この日だけで15万人を記録していた(嘆きの壁基金調べ)。紛争の音が、響いたが、被害が及ぶことはなかった。

この暴動について、ヨルダン、サウジアラビア、カタールが、厳しく非難する声明を出した。ハマスは、イスラエル警察と争ったアラブ人たちに賞賛を述べ、イランのサリフ外相は、ツイッターで、イスラエル警察を”テロリストと書き込んだ。

https://www.timesofisrael.com/saudi-arabia-qatar-condemn-israel-over-temple-mount-clashes/

*起爆元:神殿の丘

エルサレムの神殿の丘は、1967年の六日戦争の時に、イスラエルが奪回して以来イスラエルの主権下に入ることとなった。

しかし、神殿の丘にイスラエルの神殿が建っていたのは、2000年前(弥生時代)以前のことで、神殿はAD70に崩壊。その後、7世紀後半以降、今にいたるまで、1300年以上は、イスラムの黄金のドームとアルアクサモスクが建つイスラムの聖地であった。

このため、六日戦争当時にイスラエル軍を率いていたモシェ・ダヤン将軍は、アラブ世界との衝突を避けようとして、神殿の丘からイスラエル軍を撤退させ、神殿の丘の””管理は、ヨルダンのイスラム組織ワクフが担当、治安の維持はイスラエルの警察が受け持つという非常に複雑な形に置くことで合意したのであった。

これが今にいたる紛争の元凶だ指摘する声も決して小さくない。

この複雑な共存の結果、今もイスラム教徒は、基本的に、いつでも、どの入り口からでも神殿の丘への入場が許されている。一方、ユダヤ教徒、キリスト教徒などイスラム教徒以外は、嘆きの壁近くのムグラビ・ゲートからのみ、1日2回、限られた時間のみの入場となっている。

さらに、イスラム教徒以外が、神殿の丘に、聖書や祈祷書などの宗教関連の書物を持ち込むこと、祈ることは徹底して禁じられている。

こうした中、強硬右派ユダヤ教とたちが、時々神殿の丘に入り、アラブ人達との衝突が数え切れないほど発生してきた。

昨今では、第三神殿を建てようとするユダヤ人のグループが活発化してきたことを受けて、イスラム教徒たちが、「ユダヤ人が神殿の丘を取りに来る」として、少しのことでも暴動になる事態が続いている。

神殿の丘、イスラムからすればハラム・ッシャリフは、今や、聖地中の聖地として扱われ、ここでの出来事に関連して、ユダヤ人を攻撃する場合は、いかなる状況であっても正当化されることになる。常に一触即発、危険きわまりない状況になっている。
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神殿の丘入り口でナイフ襲撃:警察官負傷 2019.8.18

 2019-08-18
上記神殿の丘での紛争から4日目にあたる15日、神殿の丘への入り口の一つであるチェインゲートで、神殿の丘から出てきたパレスチナ人2人が、いきなり、ナイフで警察官1人を襲った。

現場には、4-5人の警察官たちがいたため、パレスチナ人2人に発砲。1人はその場で死亡。1人は重傷となった。監視カメラが、ことのすべてを記録していた。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/267464

負傷した警察官(40)は、上半身を刺されて中等度の負傷と報じられたが、その後回復に向かっているとのこと。

死亡したパレスチナ人は、ナシム・アブ・ルミ(17)。重傷となり病院に病院に搬送されたのは、ハムダラ・アルーシーカー(14)。

https://www.haaretz.com/israel-news/israeli-policeman-stabbed-in-jerusalem-old-city-assailants-shot-by-security-forces-1.7688084
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テロ犠牲者ドビール・ソレックさん(19)家族への手紙:パレスチナ人から 2019.8.18

 2019-08-18
<ドビールさん殺害容疑のパレスチナ人2人逮捕>

8月7日にナイフにで殺害されたとみられる遺体で発見されたユダヤ人、ドビール・ソレックさん。あと数日で19歳になる18歳の若者であった。

イスラエル軍は、大規模にテロリストを捜索し、事件から2日後の土曜10日深夜3時、ヘブロン郊外の村ベイト・カリルの自宅で就寝中だった容疑者、ナシル・アサフラ(24)と、カッシム・アサフラ(30)を逮捕した。イスラエル軍によると、ナシルはハマスのメンバーだという。

犯行に使われたとみられる車を確保した他、2人に協力したとみられるナシルの兄弟と、カッシムの妻も連行した。

ドビールさんの父親ヨアブさんは、ジャーナリスト。イスラエル軍の熱心な捜索に感謝したが、犯人が生きて逮捕されたことに失望を表明した。

ドビールさんの葬儀は、一家の自宅がある西岸地区オフィルで8日に行われたが数千人が集まり、家族と共に悲しみを共にした。

ヨアブさんは、「(ドビールさんと過ごした)19年間は、神からの贈り物だった。その日々は家族内外にとって光であり、良き時であった。皮肉でもなく、よく見せようというのでもなく、私は心からいう。神は与え、また取られる。」と語った。

ヨアブさんは、息子本人の意思だとして、臓器提供のために遺体を捧げている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5566057,00.html

なお、ドビールさんの祖父であるラビ・ベニヤミン・ヘーリング(64)は、2000年10月にエバル山で、パレスチナ人が、複数のイスラエル人に向けて銃を乱射し、4人が死亡したテロ事件の犠牲者であった。テロとは決して無縁ではない家族であった。

https://mfa.gov.il/MFA/ForeignPolicy/Terrorism/Victims/Pages/Rabbi%20Binyamin%20Herling.aspx

<パレスチナ人ユースからソレックさんファミリーへの手紙>

アルーツ7によると、ドビール・ソレックさんは、過去2年間、パレスチナ人とイスラエル人双方の若者(18-25歳)が、2週間に一度、集まって対話するというグループに参加していた。

ソレックさんが殺害された事件を受けて、このグループに参加しているパレスチナ人が、「宗教者対話の会のパレスチナ人の友たちより」とじて、遺族のソレックファミリーに、次のような手紙を出していた。

”2年間、一つの部屋にパレスチナ人とイスラエル人が集まり、私たち自身について話し合ってきました。ある時、パレスチナ人の友達を誘いましたが、その友は、始めてこの会に参加した帰り、何者かに殺されました。

(この会の)パレスチナ人とイスラエル人は共にショックを受け、共に泣きました。

今度もまた厳しい現実を見せつけられました。ドビールさんが殺されたニュースを聞いて、ショックでした。ドビールさんはこの会に参加し、討論にも加わっていました。昨夜の友が、今日は犠牲者であるなど、信じられませんでした。

私たちは、遺族に哀悼の意を伝えます。そして、この会として、私たちの地域、宗教、アイデンティティを標的にするこうした凶悪な暴力を非難します。殺されないという権利を話し合わなければならないとはなんと悲しいことでしょうか。

私たちはこれが、双方にとって最後の悲しみとなるようにと願います。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/267376

<石のひとりごと>

人間は個人のレベルでは、同じ人間として向かい合うことができるのに、いったん国や民族という概念がからむと、殺しあうことになってしまうのは、いったいどういうわけであろうか。

それは私たちにはコントロールできないもので、知らない間に、憎しみにまでエスカレートして、互いに殺し合う戦争にまで発展してしまう。戦争はよくないとはだれもが知っているのに、人類は戦争から逃れることができないのである。

今、日本と韓国の政府間の関係が、徐々に悪化しており、韓国から日本への旅行が次々にキャンセルされているという。国と国との関係が、個人レベルにまで影響し始めている様子に懸念させられる。

私たちは、国の政策などが、個人の感情にまで影響を及ぼさないよう、注意しなければならない。
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