ロシア主導のシリア情勢:カザフスタンで国際会議 2017.1.30

 2017-01-30
ロシアは、昨年末、トランプ大統領が、シリア情勢において、反政府勢力への支援から手を引く可能性を示唆して以来、シリア情勢において最も大きな影響力を持つ国になった。

そのロシアにトルコとイランが加わ加わって、昨年末、シリア内戦を停戦に導くための会議を、モスクワで行った。この試みはアメリカが、シリアの停戦を目標にアメリカ(ケリー国務長官)主導で行っていたジュネーブでの国際会議に対抗するような形で行われた。

これに続いてロシア、トルコ、イランの3国は、今月24日から2日間、カザフスタンで、シリア問題に関する2回目の会議を開催した。

ロシアとトルコは、欧米諸国と違って空軍だけでなく、地上軍もシリアに派遣し、みずからも犠牲を払う形でシリア問題にかかわっている。そのため、ロシアとイランは、シーア派勢に、トルコはスンニ派勢に影響力がある。

カザフスタンでの会議の後、ロシア、イラン、トルコの3国は、アサド政権(シーア派)、反政府勢力(スンニ派)双方が、停戦に向けた計画に合意したとする共同声明を発表した。

これが成功すれば、ますます中東でのロシア、イランの影響力は高まることになる。

ただし、反政府勢力は様々な勢力からなっており、そのすべての合意を得たわけではなく、停戦に合意したとはいえ、シリアでは今も戦闘が散発している。まだまだ予断は許さないというのが、現状である。

この状況下で、トランプ政権がどうかかわってくるのか、注目される。

<エゼキエル38章の登場国:石のひとりごと>

中東で影響力を伸ばすロシア、トルコ、イランは、エゼキエル38章で、イスラエルを攻撃する国々として登場していると思われる国である。

さらに、トランプ大統領が親イスラエルであると目される中で、イスラム教徒をターゲットにした入国制限を出して嫌われるようになってきた。将来、これらの国々がアメリカだけでなく、身近な中東にいるイスラエルを憎み。攻撃にまで至るという流れは理解できる。

加えて今回、トランプ大統領が入国制限する国に加えなかったエジプト、ヨルダン、サウジアラビアは、エゼキエル書38章には、少なくとも直接登場しておらず、イスラエルを攻撃する国としてはあげられていないということになる。

今後、イスラエルと中東は、ゴグ・マゴグに戦いに近づいていくのだろうか。トランプ大統領が中東でどのような動きをするのか注目されるところである。


BBC
図:BBC
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ガザ:IS系組織のロケット弾がスデロットに着弾 2016.10.8

 2016-10-08
5日朝10時半ごろ、ガザから発射されたロケット弾が、イスラエル南部のスデロットの市街地、小学校のすぐそばの道路に着弾した。

学校のこどもたちはちょうど休憩時間だったが、サイレンで皆シェルターに駆け込んだという。幸い、大きな被害も、負傷者もなかったが、15歳と60歳がショックで救急搬送された。
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4862987,00.html

その後、スデロットより南部エシュコル地方でもサイレンが鳴り、ロケット弾が着弾した。被害はなし。なぜ迎撃ミサイルが発動しなかったか、調査がすすめられている。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/218688

<ガザへ報復攻撃のF16パイロット死亡>

ロケット弾の攻撃を受け、最初は戦車からの砲撃で、その後、イスラエル空軍が、ガザ地区ベイト・ハヌンのロケット弾発射地や、ハマスのロケット弾格納庫などを空爆した。

http://www.timesofisrael.com/idf-strikes-hamas-target-in-gaza-following-rocket-attack/

ところが、この報復空爆に出動した戦闘機F16が、ネゲブのラモン空軍基地に着陸する直前に、突然、炎上した。同乗していたナビゲーターは無事、緊急脱出したが、パイロットは、脱出できず死亡した。原因は調査中だが、爆撃後に機体がアンバランスになることからではないかとも言われている。
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4863318,00.html

死亡したパイロットは、オハッド・コーヘン・ノヴ大尉(34)。先週、フライト副司令官になったばかりだった。妊娠中の妻シャハルさんと小さな娘が父を失った。
http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/218671

<IS関係組織が犯行声明>

ガザからスデロットへのロケット弾攻撃について、犯行声明をだしたのは、小さなサラフィ(イスラム過激派)グループだった。犯行声明に使ったビデオに、ISのマークがあったことから、IS傘下にある組織(と自称?)であるとみられる。

イスラエルは、ガザの責任者はハマスであるとして、どの組織が犯行に及んだとしてもハマス関係の施設を破壊するのが常となっている。

今回のIS関係組織は、それを知っていて、イスラエルにハマスを攻撃してもらい、ガザの支配件をハマスから奪おうとしているとの見方もある。イスラエルにとっては、ややこしいことである。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4863468,00.html

<ガザへ:女性活動家13人が人道支援船>

2010年、イスラエルのガザ沖封鎖(イランからの武器供給がガザへ入らないようにするため)に反発して、トルコを出発した人道支援船マビ・マルマラ号事件でトルコ人9人が死亡するという事件があったが、それ以後も時々同様の試みが行われてきた。

今週水曜、女性ばかりの活動家13人が、“人道支援船”がガザ地区を目指して出発した。

イスラエルは、「人道支援は陸路を通じて行われており、海上封鎖が問題ではない。」と説明。船が近づいてくると、イスラエル軍の女性兵士たちを船に送り込み、無事アシュドド港へ誘導することができた。女性たちは送還される。

皮肉にも女性たちが船でガザへ向かったまさにそのころ、同じ地中海ではアフリカからの難民が、複数の船に分かれて、リビアからイタリアを目指し、途中で計11000人(これまでで最大)が、転覆しそうな船から救出されていた。*以下に詳細

世界には悲惨な難民問題が山積しているにもかかわらず、そちらには目をむけず、表立って抗議ができるほどの民主国家であるイスラエルに反発する。なんとも不条理な感じがした。

*先週の地中海・難民

先週、地中海で救出された人々は、複数の船に便乗してリビアからイタリアへ向かっていたという。乗っていたのはアフリカ難民ばかり。NYTによると、救出された難民船の中には1000人乗せていた大きいものもあり、NYTの記者は、「まるで奴隷船のようだった。」と報告している。

この中で、150人が救出された船からは、29人(男性10人、女性19人)の遺体が発見された。つまり、難民たちはこれだけの遺体とともに航行していたのである。一方で、船では3人の新生児もうまれていた。

http://www.nytimes.com/2016/10/06/world/europe/migrants-mediterranean.html?_r=0 

なお、国連によると、地中海を渡った難民は、今年だけで30万人。途中で溺死した人は3211人。

昨年の同時期までの難民数は、52万人であったため、今年は42%減少している。しかし途中で死亡する率は15%しか下がっておらず、死亡率は上がっていることがわかっている。

http://www.unhcr.org/news/latest/2016/9/57e12c564/300000-refugees-migrants-cross-med-far-2016.html
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UNHRC:国連ガザ調査結果(イスラエル戦犯)を承認 2015.7.4

 2015-07-05
先週、国連調査団が、昨年のガザでの戦争では、イスラエル、ハマス双方が戦犯に値するという調査結果を国連に提出したが、これに関する決議が、昨日、ジュネーブの国連人権保護理事会で実施された。

結果、賛成41、棄権5をもって採択された。調査は偏りがあるとして反対票を出したのは、アメリカ1国だけだった。

つまり、UNHRC(国連人権保護理事会)は、一般的にテロ組織と目されるハマスと、正式な国連加盟国である民主国家イスラエルをまったく同等の戦犯の位置においたということである。

この決議にはなんの実効力もないのだが、国際的には、イスラエルにまた一つ、黒星がついたことになる。

イスラエルのマノール国連代表は、「アンデルセンの”はだかの王様”のように、だれかが事実を指摘しなければなならない。私がその少年になる。この理事会は、分別を失っている。」と厳しく批判した。

また、ネタニヤフ首相は、次のような声明を出した。

”UNHRCは現実を見失っている。また、本気で人権保護に関心があるとは思えない。

今日、イスラエルは、シナイ半島からミサイル攻撃を受けた。ISISはエジプトに対して残虐なテロを行っている。アサド大統領は、市民を虐殺している。イランの独裁的な処刑は毎年増え続けている。

しかし、UNHRCは、テロ組織の暴力から自国民を守るための防衛しかしていないイスラエルを非難する。

イスラエルは中東にあって、安定した民主主義国家である。国際法にのっとり、すべての市民の権利を認めている。

公にテロ組織を非難することを恐れる国々は、最終的にはテロの被害者になるだろう。

これまでからも、イスラエルだけを集中して非難してきた国連人権保護理事会は、人権保護の団体とはいえない。

イスラエルの破滅を公言し、日々その市民を攻撃してくるものに対しては、イスラエルは今後も防衛活動を継続することになる。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4675903,00.html
http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/READ-Full-text-of-UNHRC-Gaza-resolution-407950
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ヨブのような事故 2015.3.23 

 2015-03-23
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4639851,00.html 

今週末金曜から土曜にかけての安息日、ニューヨークのブルックリンに住む正統派ユダヤ人家族サソンさんの自宅で火事が発生し、5才から15才までの子供たち7人が死亡した。

生き残ったのは次女チポラさん(15)と母親ガイルさん(45)だが、2人とも重傷となっている。父親のガブリエルさんは、海外に出かけていて不在だった。一家は2年前にイスラエルから母親の実家のあるブルックリンに引っ越したばかりだった。(NYTimes)

正統派ユダヤ教徒たちは、律法により、安息日には火を使うことができない。そのため、金曜日には日没までに料理をすませ、その後は持続性のホットプレートの上に鍋を置いたままにして保温するのが習慣になっている。そのホットプレートが、夜中0:30ごろ、なんらかの支障で発火したとみられる。

ニューヨークのブラスト市長は、あまりの悲惨な事故に、「信じられない悲劇だ。元気だった大家族が、全滅してしまった。」と沈痛な面持ちで語った。

22日、7台の霊柩車が並ぶ中、葬式が行われた。黒装束の正統派たち1000人以上が参列する中、喪主のガブリエルさんは、「子供たちは天使のようだった。主は私が子供たちをどんなに愛していたか知っておられる。何も言う事はない。ただひれふすだけです。」と涙ながらに繰り返していた。

子供たち7人 - エリアンさん(16)、ダビッド君(12)、リブカさん(11)、イェホシュア君(10)、モシェ君(8)、サラちゃん(6)、ヤアコブ君(5)の遺体はこの後、イスラエルへ運ばれ、エルサレムに埋葬されることになっている。
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北部ガリラヤのカナでの暴動 2014.11.11

 2014-11-11
金曜に、ナイフを振り上げて警察車両を襲ったアラブ人ハムダンを、警察官が射殺した件について、アラブ人(イスラエル国籍)は過剰防衛だった、ハムダンは殉教者だとして、怒りをぶつけている。

カナでは、事件発生直後から、今日もまだマスクをつけた若者たちが、治安部隊に石や火炎瓶、火をつけたタイヤなどをなげつけて、衝突している。これまでに25人が逮捕された。

下ガリラヤ地方では、カナとサクニンの数千人の高校生が、”ハムダンを殺した警察官に刑罰を要求する”デモを行った。高校生たちが掲げたバナーには、「私たちはアルアクサ(神殿の丘)と殉教のために命を捧げる」と書かれていた。

こうした暴動はナザレでも発生している。ナザレでは2人が逮捕されたが、1人は15才だった。ナザレにある教会の一つには、「ユダヤ人を殺せ。」との落書きが発見されている。

イスラエルのアラブ系住民は全人口の約20%。ユダヤ人と同じ権利を持って生活している。ネタニヤフ首相は、暴動に出ているアラブ人に対し、「イスラエルを非難するなら、パレスチナ自治区かガザ地区へ行けばよい。イスラエルはそれと止めない。」と発言した。

アラブ人議員からは、「少数派に対する挑戦だ。言ってはならないことだ。」と非難し返している。
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