FC2ブログ

ガザ・イスラム聖戦との外科的近代戦:黒帯作戦は50時間で停戦へ 2019.11.14

 2019-11-14
12日早朝、イスラエル軍は、ガザのイスラム聖戦最高指導者バハ・アブ・アル・アタル(42)を、5人の家族、親族とともにいるところを空爆で暗殺。イスラエル軍はこの時同時に、シリア(ダマスカス)にいたイスラム聖戦のもう一人の指導者アクラム・アル・アジョウリも暗殺した。

この直後から、ガザのイスラム聖戦が、イスラエル南部からテルアビブ近郊にいたる広範囲地域に向けたミサイル攻撃が始まった。イスラエルは激しい反撃を予想していたかのように、12日は、イスラエル南部だけでなく、テルアビブにも学校やビジネスを休止させ、市民には自宅待機とさせた。

<イスラエルへのミサイル350発以上>

12日、ガザからの攻撃は190発を超えた。その後、夕刻から約7時間の静寂があったが、13日早朝6時から再び、ガザからのミサイル攻撃が始まった。13日夕方までに、ガザ周辺からイスラエル南部地域、アシュケロン、さらにはテルアビブに近いレホボト、エルサレムに近いモデイーンなど、イスラエル中部地域にまで向けて発射されたミサイルは、350発にのぼった。

ミサイルの90%は迎撃ミサイルシステムのアイアンドームが撃墜。残り10%のうち60%は計算通り、住民のいない空き地に着弾し、その残りが、スデロット、アシュケロンの民家を直撃した。

これにより12日、アシュケロンで女性1人が軽傷。13日には、アシュケロンの高齢者ホームに着弾し、女性(70)が、中等度の負傷となった。この他、数十人が軽傷を負った他、ショックで手当てを受けた人もいた。物的な被害は出ているものの、イスラエル側に重篤な人的被害は出ていないといえる。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/271613

写真:直撃を受けてキッチンの天井に大きな穴があいた家(ネティボット:ガザ周辺):住民のバットシェバさんらは、2回目のサイレンでシェルターに入っていて無事だった。なお、テロで被害を受けた家の修理は、通常は、100%国がカバーする。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5623889,00.html

*余裕!?イスラエル人の様子

ミサイル攻撃は、イスラエルでは珍しいものではない。しかし、昔と違い優れた迎撃ミサイルがあるので、人々も昔のようではなく、余裕でシェルターなどへ避難しているようである。13日には、イスラエル南部以外は学校も再開した。

今は旅行のハイシーズンで、旅行者もテルアビブ地域にかなり押し寄せているが、大きなパニックはない。むしろ、迎撃ミサイルの撃墜をカメラに収めようとする観光客もみられる。ベン・グリオン空港も通常の運行を続けた。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5624786,00.html

ビデオ:南部の子供たち:子供たちがパニックにならないように導く幼稚園や家庭の様子

https://www.mako.co.il/news-military/2019_q4/Article-9e60be53be56e61027.htm?sCh=31750a2610f26110&pId=173113802

ビデオ:レホボトで結婚式中にサイレンがなり、新郎新婦と客たちも、シェルターに避難しているが、余裕の様子のイスラエル人たち

https://www.mako.co.il/news-military/2019_q4/Article-0ee952c4fb66e61027.htm?sCh=31750a2610f26110&pId=173113802

<イスラム聖戦幹部・軍事拠点への反撃:イスラエル軍>

イスラエル軍は、慎重にガザの市民に被害が出ないよう、イスラム聖戦の拠点と武装関係者だけを狙う空爆を続けた。やられたら、きっちりやり返すという反撃で、「そちらがやめたらこちらもやめる」という原則を暗示するとともに、幹部のピンポイント攻撃を行うことで、停戦を促す作戦をとった。

この反撃中、アブ・アル・アタルに加えて、イスラム聖戦ガザ部隊司令官カリッド・ファラージ(38)、ロケット部門司令官ラスミ・アブ・マルハウスが死亡した。(イスラエル軍報告)。

https://www.timesofisrael.com/palestinians-say-family-of-6-killed-in-apparent-israeli-strike-on-home-in-gaza/

ガザによると、13日までにイスラエル軍の攻撃で死亡したパレスチナ人は32人。イスラエルは、そのほとんどが、イスラム聖戦幹部やメンバーと主張しているが、ガザからの報告では、両親と子供という一家6人全員を含む13人の市民が空爆の犠牲になったと主張する。これについて、イスラエル軍のコメントはない。

注目されたのは、ハマスの出方であった。今回、イスラエルの攻撃対象はイスラム聖戦に限られているが、今後ハマスが加わってくるかどうかで、イスラエルも大規模な戦争に発展させるかどうかを決断しなければならなくなる。しかし、最後までハマスは戦闘には参加しなかった。

またイスラム聖戦がイランの支援を受けるシーア派組織であることから、北部ヒズボラが、この事態に便乗してくる可能性も懸念されたが、それも避けられたようである。

<14日5時30分停戦合意へ:イスラム聖戦の方から停戦条件提示>

衝突が始まって間もなく、エジプトと国連が停戦への仲介を開始。イスラム聖戦は、12日中は、「まだアル・アタルの血が乾いていない。」として、停戦には応じない構えを見せた。

しかし13日になり、イスラム聖戦側から、イスラエルが直ちに幹部へのピンポイント攻撃を停止するなど、複数の停戦条件を出し、仲介のエジプトが、14日朝午前5時30分から停戦との合意に至ったと伝えた。戦闘が始まってから2日後のことである。

合意内容には、毎週金曜の国境デモにおいてもイスラエルが攻撃を停止することも盛り込まれており、イスラエルがどこまで合意したかは不明。また、合意時間より後の午前6時の時点で、その後正午ごろもまだイスラエルへのミサイル攻撃があったので、有効かどうかは今後の動きを見るしかない。

ただ、14日、イスラエル南部では、少しづつ学校が再開されるなどの動きが始まっているので、合意に至ったことは間違いなさそうである。

https://www.timesofisrael.com/gaza-ceasefire-between-israel-islamic-jihad-in-effect-from-5-30-a-m/

結局のところ、迎撃ミサイルが威力を発するので、いくらミサイルで攻撃しても、イスラエルへの被害は最小限である一方、イスラム聖戦へのダメージはかなり大きいわけである。ネタニヤフ首相は、イスラム聖戦の方から停戦を出してきたことから、今回は、イスラエルの作戦勝ちだとの認識を語った。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/271640

イスラエル軍も、50時間で、イスラエルの目標は全部達成できたと高く評価し、この作戦を「ブラック・ベルト(黒帯)」と名付け、作戦は成功したと発表した。

https://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/gaza-news/IDF-confirms-ceasefire-with-Palestinian-Islamic-Jihad-607828

<なぜ今ハバ・アブ・アル・アタル暗殺したのか:イスラム聖戦とは?>

今回の紛争は、イスラエル軍がイスラム聖戦のハバ・アブ・アル・アタルを暗殺したことから始まっている。イスラム聖戦は、ヒズボラと同様、イランの支援を受けて活動しているテロ組織(アメリカがテロ組織に指定)。特にアブ・アル・アタルはイランとの調整役として知られていた人物である。

ガザ市民への公的責任を一応にも負っているハマスと違い、イランの支持の元、ただただイスラエルを攻撃すればよいだけのイスラム聖戦は、イスラエルにとって非常に危険な存在であった。イスラエル軍によると、アブ・アル・アタルは、ここ数ヶ月の間のイスラエルへのテロを計画、指示しており、今後のテロも計画していたという。

また現在、イスラエルは、ガザへの全面介入を避けるため、ハマスに上手にガザを治めてもらうことを目標に、エジプトを介して、ハマスとの交渉を水面下で行っている。この間、アブ・アル・アタルは、イスラエルへの攻撃を実施して、両者の交渉を妨害してきたのであった。

今回、アブ・アル・アタルを暗殺することで、イスラム聖戦の動きを制すると同時に、それへの反撃に反撃する形で、イスラム聖戦が持つ武力に打撃を与えておくことは、イランの脅威を削ぐことにもつながる。イスラエルにとっても大きな益であった。

イスラエルとっては、大きな外科的作戦ではあったが、政府、軍、リブリン大統領からも成功したとの評価になっている。

https://www.timesofisrael.com/as-rockets-paralyze-half-the-country-was-assassinating-abu-al-ata-worth-it/

しかし、一方で、イスラム聖戦が弱体化することは、結果的に、そのライバルであるハマスを強化することにもつながっていく。

ハマスへの徹底的な攻撃ではなく、逆にハマスを助けることになるような方針を続けるネタニヤフ首相に反発して、昨年末、防衛相を辞任したリーバーマン氏(イスラエル我が家党)は、今回の衝突についても、「実質、ハマスへの敗北だ。」と、痛烈な批判を出した。

https://www.timesofisrael.com/this-is-actual-surrender-liberman-assails-netanyahu-for-hamas-policy/

*ハマスとイスラム聖戦の違い

ハマスとイスラム聖戦は、かつては両者ともにイランの支援を受けていた。しかしシリア内戦が勃発すると、ハマスは、イラン傀儡だったアサド政権を支持せず、反政府勢力の側に立ってしまう。これを受けて、イランはハマスを見捨てるようになった。

しかし、イスラム聖戦は、続けてイランの側に立ったので、イランはイスラム聖戦を支援するようになった。このため、イスラム聖戦は、ハマスより小さい組織でありながら、武力については同等ぐらいになったので、今、ガザではハマスにとって頭の痛い存在になったのである。

イスラム聖戦が強くなったために、ハマスの支配で、生活を破壊されたガザの市民の中には、こちらに流れる者も出始めている気配がある。将来ガザがイラン傀儡のイスラム聖戦に支配されることは、第二のヒズボラを南に抱えることにもなりうる。

皮肉なことだが、イスラエルはイランを連れてくるイスラム聖戦よりハマスの方が、まだましということになっているわけである。

<今後どうなるのか:イスラム聖戦指導者ズィヤド・ラシディ・アル・ナクハラ登場>

今回、アブ・アル・アタルが暗殺された後、今回の衝突を導き、後にイスラエルとの停戦に持ち込んだのは、ズィヤド・ラシディ・アル・ナクハラ(66)であった。

ナクハラは、ガザ出身。1971年にテロリストとしてイスラエルで逮捕され、終身刑の判決を受けたが、1985年に囚人交換で釈放された。イスラエルの刑務所での14年でヘブル語も堪能だという。ナクハラはその後もう一回イスラエルで逮捕されたが再び釈放。2018年から、レバノンで、イスラム聖戦の事務総長となった。

エルサレムポストによると、ナクハラは、イスラエルから釈放された後は、レバノンとシリアに在住。ヒズボラとイラン、特にイラン革命軍のカッサム・スレイマニとも関係を維持している。ヒズボラと同様、イランには、完全服従だという。パレスチナ人のナスララともよばれている人物である。

ただ一点の希望は、ナクハラのナスララと違うところは、ナクハラが、ガザ出身者として、この地域でのエジプトの存在を理解している点である。今回、停戦に応じたのは、エジプトに逆らったら、ガザからは出入りもできなくなるというガザの弱点を良く理解しているからと思われる。

結局のところ、イスラエルは、黒帯作戦で、イスラム聖戦に大きな打撃を与えたが、実際には前と同じか、前より悪いものを迎えた可能性も否定できないということである。

https://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Ziyad-al-Nakhalah-The-Palestinian-Hassan-Nasrallah-607752

<情報とハイテクによるコスト戦:新しい戦争の形>

戦争の形は、医学以上に日進月歩かもしれない。今回のイスラエルとガザとの戦争は、世界に新しい戦争の形を垣間見せていた。それは、情報とハイテクに支えられたコストパフォーマンスの考え方に基づく戦争という概念である。

アブ・アル・アタルを暗殺したイスラエル軍は、アブ・アタルが確実にその日、その時間に自宅にいるということを突き止め、小さなドローンでそれを確認後、ビル全体を空爆するのではなく、その部屋がある階のみを完全に破壊した。

これはイスラエルがいかに情報と、攻撃のハイテクにすすんでいるかを証明するものである。実際には、ガザがイスラエルに太刀打ちなど到底できるものではないのである。

しかし、コスト面でみればどうだろうか。迎撃ミサイルアイアンドームシステムは1億ドル。発射される迎撃ミサイルは1発が5万ドル(600万円程度)となっている。(CTEC)

戦争においては、どちらが勝つかということが重要であるが、近代においては、コスト面を考え、勝ち負け以上に、いったい何が益なのかが考えなければならなくなっている。ガザとの衝突は、一掃してしまうと、その戦争の際の出費、またその後ガザの管理にかかる出費などを考えると、時々、短期の衝突で延々と同じ状況でいるほうが出費は少なくてすむということである。

https://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Ziyad-al-Nakhalah-The-Palestinian-Hassan-Nasrallah-607752

ネタニヤフ首相は、ビジネスマンなので、一気にガザを粉砕せよと主張する右派勢をかわしながら、今に至っているわけである。従って、今回も50時間で一応の落着となったが、今後、また発生することはすでに計算済みである。

<ネタニヤフ首相の政治的意図?>

イスラエルは、今、連立政権が立ち上がらず、3回目の総選挙になるかどうかとの瀬戸際にある。なんとしても首相の座にとどまりたいネタニヤフ首相が、今この時に、アブ・アル・アタルの暗殺をあえて指示したのではないかとの疑いの声もある。

戦争になれば、国民は、左派ではなく、右派に傾く傾向があるため、ガザとの紛争は、ネタニヤフ首相に有利に働く可能性があるのである。

リーバーマン氏によると、アブ・アル・アタルの暗殺は数ヶ月前にすでに案として上がっていたという。それを阻止したのがネタニヤフ首相であった。それがなぜ今、暗殺に踏み切ったのか。政治的な意図があったのではないか、というのが、リーバーマン氏の指摘である。

ネタニヤフ首相がいかに必死かは、アブ・アル・アタルへの攻撃を実施する直前に、ナフタリ・ベネット氏を防衛相に任命したことからも疑われる点である。

ベネット氏は、昨年末、リーバーマン氏が防衛相を辞任した際に、そのポジションをネタニヤフ首相に要求して断られた。結局、その後、内閣、議会からも姿を消すことになった人物である。そのベネット氏に今、次期政権が決まるまでの暫定政権においてのみではあるが、防衛相の椅子を与えた。

これは、ベネット氏が、ライバルのガンツ氏側へ移行する動きがあったためである。もしベネット氏が、右派ブロックを出て、ガンツ氏側へ移行した場合、ガンツ氏を中心とする小政府が立ち上がる可能性もあった。

ネタニヤフ首相があえて今、防衛相というベネット氏の念願をかなえてでも、ガンツ氏の進出を阻止して、自分を中心とする右派ブロックの一致を強固にしておくためである。アブ・アル・アタルの暗殺は、ベネット氏が防衛相としてそのオフィスに入った当日に始まった。

ベネット氏が防衛相になると発表されると、世論はじめ、政界からも激しい反発を呼んだ。暫定政権なのにこの動きは違法だとの声もあがった。しかし、ガザとの戦争が始まると同時に、その反発の声はなくなった。これもまたネタニヤフ首相の計算であったといえなくもない。

https://mondoweiss.net/2019/11/cynical-and-frightened-why-netanyahu-appointed-bennett-as-defense-minister/

ライバルのガンツ氏は、こうした醜い政治的な背景については、厳しく批判しているが、しかし、元イスラエル軍参謀総長としては、アブ・アル・アタルの暗殺は支持する立場であった。

<石のひとりごと>

今回も一段落したが、何が起こっているかを理解するだけでも、相当なエネルギーを要した。イスラエルの政治、防衛は、実にチェスのごときである。何手も先を読んで、それでも、予想外が発生し、それにだれよりも早く対処しなければならない。そうして終わりが見えてくることもない。

こうした世界で、しかも周囲全部からきらわれ、時に内部からも攻撃されるイスラエルの首相をやっていくということは、想像を絶する体力気力を要する。繊細な日本人には理解できないような超極太の神経が必要だ。しかし、繊細である余裕がないというのがイスラエルの現状であろう。

先日、今回もミサイル攻撃を受けたアシュドドに住むイスラエル人で韓国人を妻にもつジャーナリストのRさんから、「韓国と日本はメンツを守るという点ではよく似ているよね。僕達にはそれがない。」と言われた。

基本的に積極的な韓国人と、ひかえめを美とする日本人では性格は全く違うと思うが、確かに、メンツを守る、人前で誇りを保てるかどうかが、実質よりも重要になることがあるという点では、似ているかもしれない。だから両国ともに自殺が多い。そこがイスラエル人と違うとRさんは言うのである。

イスラエルでは、最終的には、メンツよりも命。恥よりも実質。だから、過去を根に持つ余裕はないし、実質のためなら、昨日の敵も今日は平気で友になる。外からみてそれがどう映るかなど全く気にしないのである。多少恥ずかしいことをしてでも、たいがいは生き残る方を選んでいる。

ミサイル攻撃の下にいるRさんからは、「大丈夫。我々はいつものように強いから。」との返事が来た。その通り、2日で今回も乗り越えた。イスラエルとその国の人々を見ているとなにやら励まされる思いがしている。
カテゴリ :パレスチナ関係 トラックバック(-) コメント(-)
タグ :

ガザからロケット弾スデロット民家直撃:ハマスかイスラム聖戦か 2019.11.8

 2019-11-08
早くも1週間前になるが、1日金曜、安息日入りの夜9時、ガザからロケット弾が7発、イスラエル南部スデロットへ撃ち込まれた。これについては、全部、迎撃ミサイルが撃墜した。

しかしその45分後、再度、ガザからロケット弾が3発撃ち込まれ、1発が、民家を直撃。住民は、先のサイレンでシェルターに入っていたため無事だった。しかし、パニックになって逃げ惑う住民のなかで、1人(65)が転倒して軽傷。複数の人が軽いショックに陥った。

直撃を受けた家は、部屋が破損した他、壁が穴だらけ。近くに駐車中の車も破片で穴だらけになっていた。付近に住民が歩いていたら大惨事になるところであった。

イスラエル軍は、国境の戦車隊がただちに反撃の砲撃を行った他、空軍が、ガザ全域のハマス関連地点への空爆を行った。今回は、ハマスの地下施設への攻撃も実施した。ハマスによると、この攻撃で、パレスチナ人、アフマド・アル・シェリ(27)が死亡。2人が負傷した。

https://www.timesofisrael.com/idf-strikes-gaza-terror-targets-in-response-to-rocket-barrages-on-south/

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5617613,00.html

<前日金曜ガザでパレスチナ人60人以上負傷>

上記攻撃の前、毎週金曜に行われているガザ国境でのデモに、約5000人が参加。国境全域にわたって、イスラエル軍に対し、手榴弾や自家製武器などの実質的な武器で攻撃を行った。

イスラエル軍は、戦車隊が砲撃を開始。空軍も出動して、ハマス拠点2カ所への空爆を行った。一連の戦闘で、パレスチナ人60人(メディアによっては80人)が負傷した。ガザ国境は毎週金曜、実質、戦場のようになってきているようである。

https://www.timesofisrael.com/thousands-of-gazans-take-part-in-weekly-border-protests-rioters-attack-troops/

<”永遠”に緊張するガザ情勢>

ガザでは、このところ、特に緊張が高まりつつある。先週火曜、木曜と、南部地域に、間違いのサイレンが発せられた。そのたびに南部住民たちは、シェルターへ駆け込んでいる。今後も続く可能性がある攻撃に備え、イスラエル軍は、迎撃ミサイルシステム・アイアンドームの配置を変える措置をとった。

また先週土曜、ガザから風船で飛ばされて来たとみられる本に爆発物が装着されたものも発見された。いつのものかは不明だが、本となると目がないユダヤ人を知っての悪質な行為である。

イスラエルは、週末のロケット弾攻撃を受けて、一応の空爆を行ったが、事態をエスカレートさせたくない今回もそれ以上の動きにはでていない。これについて、実際に被害を受けているスデロット市長などは、ガザへの総攻撃を行うべきだと訴えている。

ネタニヤフ首相は日曜午後、治安閣議を行ったが、その後大きな動きには出ていない。正式な政府がないので大きな決断ができないということもあるが、ガザとの大きな衝突が今のイスラエルにとって益にはならないという状況は今も変わりないからである。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/270969

<イスラエルのジレンマ:ガザで頭角?バハ・アブ・アル・アタ(イスラム聖戦)>

ガザへの対処が難しいことについて、Yネットの軍事評論家ロン・ベン・イシャイ氏は、ガザにハマスとともに、ハマスとは異なる意見を持つイスラム聖戦の存在を上げる。

ハマスは、イスラエルとの衝突を望んでいないようではあるが、イスラム聖戦はそうではない。昨今のイスラエルへの攻撃はイスラム聖戦によるものが多い。今回のイスラエル南部への攻撃も、イスラム聖戦とみられている。

イスラム聖戦は、ハマスのように市民のことを考える必要がない。またイランの支援で、これまでによりも格段に優れた長距離ミサイルを所有しており、非常に危険な存在になっている。そのイスラム聖戦の指導者として注目されているのが、バハ・アブル・アル・アタである。

https://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Who-is-Abu-al-Ata-The-man-suspectedly-responsible-for-Gaza-escalation-606639

イスラエルは、今後、ハマスを基準に対応を考えるべきか、イスラム聖戦を基準に考えるべきか、非常に難しい決断に迫られていることになる。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5618195,00.html

<反ハマスデモ?>

こうした中、小さいデモであったと思われるが、ガザで反ハマスデモがあった。ハマスの治安部隊が、カンユニス難民キャンプのアナン・アブ・ジャマルさん(28)の家にやってきて、アナンさんを家の2階から放り投げたという。アナンさんはのちに病院で死亡した。

これを受けて、市民たちが、「ハマスは人殺しだ」と叫ぶデモを行ったのであるが、その中で、「シーア派、シーア派」との叫びもあがっていた。ハマスがスンニ派であるのに対し、イスラム聖戦は、シーア派イランの支援を受けている。

今、ガザとパレスチナ自治政府は今、長年行われていなかった選挙を行おうとしているとの記事が出回り始めている。選挙になれば、今のアッバス議長が消えて、ハマスか、イスラム聖戦か、何者が出てくるかもわからない。

イスラエルは、パレスチナ人たちの動きに注目している。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5620388,00.html
カテゴリ :パレスチナ関係 トラックバック(-) コメント(-)
タグ :

イスラエル南部で戦車砲着弾:イスラエル治安関係ニュース 2019.9.29

 2019-09-29
政治が動かない中でも、治安問題に容赦はない。

<南部情勢>

28日(土)、イスラエル南部、シナイ半島との国境近くの町、ブネイ・ネツァリムのシナゴーグ近くに停車中の車に、戦車砲が直撃した。幸い、負傷者はなし。戦車砲は、シナイ半島で、ISと戦っているエジプト軍のもので、誤砲であったとみられている。

https://www.timesofisrael.com/mortar-hits-israeli-community-near-egypt-border-in-apparent-case-of-errant-fire/

ガザ国境の金曜デモも、もはやニュースにもあまりならないぐらいだが、今も毎週続けられている。今週もデモには7000人が参加。パレスチナ人1人が死亡。28人が負傷した。https://www.timesofisrael.com/palestinians-say-28-injured-in-riots-along-gaza-border/

こうした中、ガザ情勢を懸念するエジプトの代表団が27日、選挙後初めてネタニヤフ首相を訪問したとのこと。内容は不明だが、エジプトが、イスラエルとハマスを仲介した回数はこれまでに10回に及んでいる。

https://www.timesofisrael.com/egyptian-delegation-said-to-make-secret-visit-to-israel-fearing-gaza-flareup/

別件と思われるが、Yネットによると、イスラエルとハマスは、ガザ内部にアメリカの個人からの寄付で、ガザ北部に大きな総合病院を建設することで合意したという。診療科目は16に及び、今後ガザからエジプトやイスラエルへ出て治療を受けることのないようにするのが狙い。

大型のトラックで、建設物資がすでに運び込まれたもようである。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5596804,00.html

<先月のテロ:PFLPの3人を逮捕>

先月、西岸地区の泉に、父と兄と3人で訪問していたリナ・シュネーブさん(17)がテロリストに殺害された事件。イスラエル軍は犯人の捜索を続けていたが、土曜、西岸地区祭中のPFLP(派rスチナ解放人民戦線)の3人を逮捕した。

3人はラマラ在住のサミール・アルビッド(44)、カッサム・シャバイ(25)、ヤジン・マジャマス(25)

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5599177,00.html
カテゴリ :パレスチナ関係 トラックバック(-) コメント(-)
タグ :

ガザ衝突:ガザで2人死亡・ロケット弾2発スデロット着弾 2019.9.10

 2019-09-10
6日金曜、毎週のガザ国境での衝突で、パレスチナ人の若者2人が死亡。ハマスが、イスラエルへの報復を予告していたが、夜11:30、ガザからイスラエルに向けてロケット弾5発が発射され、このうち少なくとも1発は、スデロット市内に着弾した。

幸い、道路脇の空き地であったことから負傷者はなし。しかし、防犯カメラが、道路脇への着弾と延焼する様子、また、付近を走行していた車から、あわてて逃げる人々の様子などを記録していた。

これに対し、イスラエル軍は、ハマス関係地点へ空爆と戦車砲での攻撃を実施した。

https://www.timesofisrael.com/rocket-sirens-wail-in-southern-israel-idf-investigating/

<2日のガザ国境デモ:パレスチナ人2人死亡>

ガザとイスラエルの国境で、毎週毎週、「帰還への行進」と呼ばれるガザの若者たちによるデモが行われるようになって、1年半。6日(金)は、約6000人がデモに参加。イスラエル軍に向けて、大きな爆発物や、手榴弾などを投げつけた。

ガザ保健省の発表によると、今週はカリッド・アル・ラバイ(14)、アリ・アル・アシガル(17)の2人が死亡。70人が負傷。このうち38人が、実弾による負傷した。

なお、このデモが始まって以来、パレスチナ人210人、イスラエル兵1人が、命を落としている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5583168,00.html

*ガザもドローン

ガザのイスラム聖戦が、ドローンを使いはじめているが、ハマスも同様である。ガザからのミサイルは、迎撃ミサイルシステムにより、イスラエルには大きな脅威ではなくなった。

次に地下トンネルからの侵入を試みたが、イスラエルは、地下防護策を作り、次々にトンネルを摘発し、これも大きな脅威ではなくなった。今、ガザからの脅威はドローンに移行し始めている。

資金不足のハマスにドローンを開発する能力があるはずもなく、背後にイランがいることが疑いなしである。北部国境からシリア、イラクへの攻撃と、南部ハマスへの対策は結局、イランへの対策ということになる。

<イスラエルはガザを総攻撃するか?>

先月8月、イスラエルは、エスカレートするガザからのロケット攻撃を受け、26日からカタール支援による燃料の搬入を停止した。その後、先週金曜30日、イスラエルは、エジプトを介して、ハマスとの長期にわたる停戦について交渉し、9月1日、燃料搬入を再開した。

ところが、同日、突然、今度はカタールが、ガザへの支援金を半分にすると発表。イスラエルとハマスを驚かせた。なぜカタールが、支援金を半減させるかの発表はない。

イスラエルは9月17日に総選挙を予定しており、国境での大きな紛争は避けなければならない。しかし、ハマスとの交渉を仲介したエジプトは、イスラエルが大きな攻撃を計画しているとハマスに警告したと伝えられている。

イスラエル南部住民の忍耐は限界が来始めており、イスラエルがいよいよガザへの総攻撃を行うのではないかとの懸念は地域に広がっている。

https://www.timesofisrael.com/qatar-announces-drastic-cut-in-funding-for-gazan-fuel-report/
カテゴリ :パレスチナ関係 トラックバック(-) コメント(-)
タグ :

また西岸地区でテロ:パレスチナ人歯科医がユダヤ人を救助 2019.9.10

 2019-09-10
7日、西岸地区カルキリヤに近いアズンで、パレスチナ人歯科医アミン・マンソールさんを治療のために訪ねたユダヤ人父息子が、ナイフで刺されて負傷するというテロ事件が発生した。

容疑者(15)は、父息子に、ユダヤ人かと問い、2人がアラビア語で、ユダヤ人ではないと答えたが、ナイフを出して襲いかかったという。まず、父親のヨセフ・ペレツさん(60)は、テロリストともみあって腕に負傷。

これを助けようとしてテロリストともみあいになった息子のリーベルさん(17)が背中を刺されるなどして重症となった。このとき、2人が訪ねたパレスチナ人のマンソール歯科医が、救急隊が来る前に、救急措置を行ったという。リーベルさんはその後、落ち着いて、中等度の負傷とされた。

容疑者の少年は、まだ逃亡しているが、その父親が連行され、聴取を受けている。

ペレツさん親子が西岸地区のパレスチナ自治区のマンソール歯科医から治療を受けているのは、この医師が流暢なロシア語を話すからだという。興味ふかいことに、マンソール歯科医は、ファタハ(ハマスのライバル)で、イスラエルの刑務所にも4年入ったことがあるという。

ユダヤ人を助けたパレスチナ人は、パレスチナ社会から、死の通告を受けるなどの被害に会うことが多いが、マンソール医師は、「自分は恐れていない。負傷した少年がいたら、医師として助けるのは当たり前だ。」と言っている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5584029,00.html

なお、西岸地区では、グッシュ・エチオンで、ドビール・ソレックさん(18)、ドレブで、父親と兄とともにいた少女リナ・シャナーブさん(17)、ミグダル・オズで、イシバ学生のドビール・ソレックさんと、テロ殺人事件が続いている。

https://www.timesofisrael.com/idf-west-bank-stabbing-of-israeli-teen-and-father-is-terror-attack/
カテゴリ :パレスチナ関係 トラックバック(-) コメント(-)
タグ :

ガザ情勢:エスカレート中 2019.8.18

 2019-08-18
イスラエルでは、11日、神殿の丘でパレスチナ人とイスラエル治安部隊が衝突。以後、負傷者が出るテロ事件が相次いで発生し、緊張がたかまっている。

こうした中、16日夜、ガザからイスラエル南部地域に向けて、ミサイルが数発撃ち込まれた。アイアンドームが対処するなどして、被害はなかったが、イスラエル軍は、ガザ内部ハマス地下施設へ報復の空爆を行った。

続いて17日夜9時ごろ、再びガザからスデロットなど南部地域へミサイルが3発撃ち込まれた。2発は迎撃ミサイルが数発撃墜。ミサイルか、迎撃ミサイルかいずれかによる破片が、スデロットの家の庭に着弾している。

南部地域では、2夜続いてサイレンが鳴り響き、シェルターへ駆け込む際に2人が負傷。ショックで4人が治療を受け、一人(79)は入院した。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/267534

その後、夜遅くになり、武装したパレスチナ人のグループが、イスラエル領内に侵入しようとして、イスラエル軍のヘリコプター、戦車からの発砲で、武装グループ4-5人が死亡したもようである。

イスラエル軍は、この後、ガザ地区ベイト・ラフィア付近を空爆している。

パレスチナメディアによると、このグループは、イランの支援を受けているイスラム聖戦の武装部隊サラヤ・アル・クッズと伝えていると、Times of Israelは未確認情報として伝えている。

ガザ情勢が緊張をするのを受けて、ベエルシェバ。アシュドド、オファキム、ヤブネ市では、公共のシェルターを解放し、救急隊も、緊急時に備える体制に入ったとのこと。

https://www.timesofisrael.com/idf-kills-armed-gazans-approaching-israeli-border-as-tensions-spike/

ガザ国境では、今週金曜も約5000人が集まり、国境に駐屯するイスラエル軍に投石し、爆発物を投げるなどした。イスラエル軍は、催涙弾などで対応。ガザからの情報によると、パレスチナ人16人が負傷した。

<ガザからの侵入事件が深刻に>

ガザでは、この10日ほどの間に、武装したパレスチナ人6人が、イスラエル領内へ侵入する事件が発生している。8月1日には、侵入したパレスチナ人が、射殺されるまでの間に、イスラエル兵1人を負傷させた。

先週10日未明には、ハマスメンバー4人が、ガザのカン・ユニス難民方面から、国境を越えてイスラエル領内へ侵入しようとして発砲、手榴弾を投げたものもおり、直ちにイスラエル軍に射殺された。

4人は、AKー47カラシニコフ・ライフル銃、ロケット誘導型手榴弾、パイプ爆弾、狩猟用大型ナイフなど多数の武器を所持しており、イスラエル国内で大きなテロ事件を計画していたとみられる。

かなりの計画性が疑われるが、ハマスは、4人が独自に行動したと言っている。イスラエルが、圧力をかけ続けているせいで、若者をテロに追い込んでいるのだと非難した。

いずれにしても、イスラエル軍は、これについての報復の空爆を行った。

https://www.timesofisrael.com/idf-says-large-scale-terror-attack-thwarted-as-troops-prevent-infiltration/
カテゴリ :パレスチナ関係 トラックバック(-) コメント(-)
タグ :
≪ トップページへこのページの先頭へ  ≫ 次ページへ ≫