ガザ国境衝突4週目:パレスチナ人4人死亡 2018.4.21

 2018-04-21
ガザ国境で毎週金曜に暴力的な衝突になってから4週目になる。今回の死亡者は4人。このデモが始まってからの使者は38人となった。

デモへの参加人数は、毎週減ってきており、今週は3000人ほどだった。しかし、表現される敵意はだんだん凶悪になってきている。

金曜デモの前日木曜、イスラム聖戦は、イスラエル軍南方総司令官のヨアブ・モルデカイ大佐と数人の射撃手が、国境フェンスの近くにいるところを撮影したビデオを流し、その直後にパレスチナ人射撃手が、ライフルの照準を合わせる様子を付け加えて、あたかも彼らを殺すといわんばかりのクリップをネットに流した。

これを受けて、リーバーマン防衛相は、「もしこちらの上官を殺すことがあれば、ハマスの最高指導者が死ぬことになるのはハマスもよく知っているはずだ。」と脅迫しかえした。

その翌日の今日金曜朝、イスラエル軍は、国境付近にいるパレスチナ人の上に、次のように記したビラをまいた。ビラには次のように描かれていた。

”あなたがしようとしている行為は暴力だ。ハマスは、テロ行為をするようあなたを利用している。イスラエル軍はいかなるシナリオにも対処する。だから国境に近いたり、そのフェンスにダメージを与えるようなことはしないように。

イスラエルは、フェンスや軍用車両に傷つける行為に容赦はしない。だから、あなたを危険に陥れるようなハマスの命令に従わないように。」

これに対し、ガザのパレスチナ人は、ナチスの鉤十字をあしらった凧をあげ、イスラエル側へ飛来した。その凧には、火炎瓶がとりつかられていた。

ガザ側の情報によれば、この金曜に、イスラエル軍の銃撃によって死亡したパレスチナ人は4人。そのうち1人は15歳だった。

15歳の少年が死亡したことを受けて、国連の中東特使モラデノフ氏は、「憤慨だ。15歳の子供が殺された。徹底的な調査が必要だ。」との声明を出した。

これに対し、リーバーマン防衛相は、責任はハマスにあるとし、「ハマスは、女性や子供の背後に隠れている臆病者だ。ガザの人々に言う。フェンスには近づかないように。」と言った。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/4-Palestinians-killed-in-fourth-week-of-demonstrations-along-Gaza-border-551336

イスラエル軍の射撃手たちは、銃撃は、指導者的な動きをしている者に限るとともに、下肢を狙うよう指示されている。だれのどこを撃ったのかは、ライフルに記録、撮影されている。

前回、パレスチナ人を撃って大笑いしていたイスラエル兵のビデオがネットに流され、問題になったが、精査の結果、イスラエル兵は正確に判断し、下肢を撃っていたことがわかった。大笑いしていたのは、軍人ではないカメラマンであったことが判明。

イスラエル兵の対処は、適切とされ、罰はカメラマンが受けたと伝えられている。

<ナタリー・ポートマンがイスラエルをボイコット?>

オスカー女優ナタリー・ポートマンさんは、イスラエル人である。彼女の功績をたたえて、今年ジェネシス賞の受賞者に選ばれた。ジェネシス賞とは、ユダヤ人としてユダヤ人社会に貢献した人に送られる賞である。賞金は通常100万ドル。

ところが、先週、ナタリーさんが、エルサレムでの授賞式をキャンセルする意向を表明し、論議を呼んだ。時期的にも、イスラエルのガザでの対策に反対しているとか、BDS(イスラエルボイコット運動)にほだされたとかメディアは騒ぎ立てた。イスラエルからも驚きの声が殺到した。

このため、ナタリーさんは、「ネタニヤフ首相に同意できないので、ネタニヤフ首相がスピーチする授賞式には出ないことにした。」と自ら明らかにした。

ナタリーさんは、自分はイスラエルを愛しているのでBDSに同調していないことを強調。ディアスポラの多くのユダヤ人と同様、ネタニヤフ首相を指示しないという権利もあるはずだと語った。

なお、ジェネシス賞では、ナタリーさんが、女性の地位向上のために賞金を使うと表明していたため、同額の献金を募り、結果、倍の200万ドル(2億円以上)になっていた。

今回、ナタリーさんは、受賞しないが、賞金は、いずれにしても女性の地位向上のために使われるという。

決して一枚岩ではないというのがユダヤ人なのだが、その多様性がまたユダヤ人でもあるということである。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5236430,00.html
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ガザ国境デモ3回目金曜日:パレスチナ人1人死亡 2018.4.15

 2018-04-15
昨日は、ガザ国境での「機関へのマーチ」デモ3週目。早朝の衝突でパレスチナ人1人が死亡。この件に関するパレスチナ人の死者は33人となった。ガザからの情報によると、今回の負傷者は、少なくとも30人。

その後、一時、群衆がパレスチナの旗を掲げて、国境フェンスまで近づいてきて、緊張が広がったが、イスラエル領内に入ることはなかった。

今回の参加者は、これまでで最低の1万人。イスラエルの旗にトランプ大統領やサウジアラビアのサルマン王子をあしらった旗を燃やしたり、イスラエルの旗を踏みつけるなどが行われた。

デモの規模が縮小している理由として、世界がシリア問題で忙しく、ハマスが予想したような世界からの注目を得られないことがあげられている。西岸地区でもガザに同調するデモは発生しなかった。

https://www.i24news.tv/en/news/israel/172195-180413-idf-braces-for-gaza-flag-burning-protest-as-great-march-enters-third-week

<事故でパレスチナ人4人、イスラエル兵一人死亡>

ところがである。翌日の土曜、ガザ南部で爆発があり、パレスチナ人4人が死亡した。ガザの救急隊は、イスラエルの戦車砲だと言っているが、イスラエルは否定している。地元住人によると、死亡した4人は、イスラム聖戦の戦闘員であったとのこと。

http://www.jpost.com/Breaking-News/Palestinian-Health-Ministry-two-Palestinians-dead-in-Gaza-explosion-549786

イスラエル側でも、土曜深夜、イスラエル南部、シナイ半島との国境ニツァナで、ルチーンの地下トンネルに対処していた戦車が、数メートルのスロープを転がり落ち、戦車内部で火事が発生。戦車を運転していたイスラエル兵1人が死亡。2人が重傷となった。

戦車はメルカバ型で、本来ならこのぐらいのスロープでは横転しないはずだという。なぜ火災が発生したかも合わせて調査するとのこと。重傷の2人を覚えて祈られたし。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5229887,00.html
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イスラエル兵の冷酷射撃摘発か 2018.4.11

 2018-04-11
ガザ国境での紛争が2週続き、これまでに30人が死亡しているが、9日、ワッツアップ(ラインのようなもの)で、イスラエル軍兵士と思われる声で、ガザ国境にいるパレスチナ人を射殺しておもしろがるビデオが出回り、物議を呼んでいる。

ビデオによると、ガザ国境の有刺鉄線付近に近づいた非武装のパレスチナ人が撃たれて倒れたところ、「やった!」と叫び、「撮影したか」と笑いながら興奮して叫ぶヘブライ語の声が収録されている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5225469,00.html

イスラエル軍はこれについて調査を開始。撮影されたのは、最近の紛争中ではなく、昨年12月だとみて、すでに関係した兵士らを尋問中だとの情報もある。昨年12月のケースであった場合、この撃たれたパレスチナ人は死亡していない。

https://www.timesofisrael.com/idf-said-to-question-soldiers-filmed-celebrating-shooting-of-palestinian/

これは全くの筆者の個人的印象なのだが、この倒れたパレスチナ人が、このような場所に来るのに、どういうわけか赤い服を着て、周囲にはそそくさとしゃがんで動き回る仲間たちがいる中、のっぺりと立っている姿がどうにも不自然・・・イスラエルの極左組織にしくまれた可能性はないのかとも思うが、考え過ぎか。。

いずれにしても、問題の本質は、ヘブライ語で叫んでいる声が、人に危害を加えて楽しんでいるという残虐性である。

以前、ヘブロンで、すでに治安部隊に撃たれて重症になっているテロリストを不要に撃ったアザリヤ軍曹のケースでも、軍曹が、なんの躊躇もなく殺害していたことが最終的な問題とされた。

今回のビデオも人間を殺したかもしれない場面で、喜んでいたということが、最終的には問題になると思われる。

http://www.jpost.com/Israel-News/Has-the-next-Hebron-shooter-arrived-549317

これについて、ベネット教育相は、あくまでもイスラエル兵たちを擁護する立場である。「戦場とテルアビブの机上とは違う。(生死をかけた戦場で敵を倒したという)人間の自然な反応だと反論している。

https://www.timesofisrael.com/bennett-defends-soldiers-filmed-cheering-gazans-shooting/

<撃たれたパレスチナ人ジャーナリストはハマス戦闘員?>

先週金曜、パレスチナ人ジャーナリストのヤセル・ムタヤ(30)が、イスラエルの射撃で死亡したことで、イスラエルへの非難が高まっている。しかし、Yネットが、イスラエルのニュースエージェンシー・ワラに語ったところによると、ムタヤは、ハマスの戦闘員でもあったという。

2015年には、ドローンをハマスに届けたともみられている。リーバーマン外相は、今回、ムタヤは、現場でドローンを操作していたとして射撃されたもようである。しかし、昨今、フォトジャーナリストならドローンを使うことは十分ありうる。   

現場にハマス戦闘員として立っていたのか、ハマスのジャーナリストであったのか、そのどちらでもあったのだろうが、いずれにしても、死んでしまったことで、非難はイスラエルに集中するのである。言い訳はすべて、イスラエルに不利に働いている。

ハマスは、イスラエルへの国際非難を最大限に利用して、ハマスはイスラエルへの”帰還”運動を6週間、あくまでも継続する意思を表明している。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/244201

<ガザのハマス軍事拠点を空爆>

ハマスは、平和的な市民デモだと主張するが、イスラエル領内への侵入を試みたり、国境に爆発物をしかけるなどの武力行為は続いている。

イスラエルは、国境にプラスチックボトルの爆弾2つを発見したことから、「国境を戦場にさせない。」として、9日、ガザ北部のハマス拠点を空爆した。被害についての報道はない。

https://www.timesofisrael.com/israeli-jets-strike-gaza-after-palestinians-plant-bombs-on-fence/
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ガザ国境紛争再開:10人死亡 2018.4.8

 2018-04-08
先週金曜に引き続き、7日(金)にもガザ国境での衝突が発生。ガザ側の情報によれば、10人が死亡。500人以上が負傷した。*死者負傷者数は、情報がガザからのものであるため、メディアによって差がある。

先週の衝突では、17人が死亡。その後重傷者3人が死亡して20人となり、今週と合わせて30人が死亡したとみられている。

今回の死者の中には、パレスチナ人記者ヤセル・ムルタヤさんが含まれていた。土曜に行われた葬儀には、数百人とハマスのハニエ最高指導者も参列した。ハマスは、イスラエルが、記者を狙い撃ちしたと大きく訴えているが、イスラエルはこれを否定している。

https://www.timesofisrael.com/hundreds-at-funeral-for-journalist-killed-covering-mass-gaza-protests/

<7日(金)の様子>

ガザのパレスチナ人らは、先週金曜以降、国境防護壁から数百メートル周辺にテント村を形成し、踏みとどまっていた。

2回目の金曜が近づくにつれ、国境付近で燃やすためのタイヤを1万個ほども集め始め、イスラエル軍の射撃手を混乱させるための大きな鏡を持ちこんだり、野営病院の設営などをしている様子が報じられた。

イスラエル軍は、タイヤ燃焼で生じる黒煙を吹き払うため、大きな扇風機を用意するなどして衝突に備えた。

7日(金)は午前中から、パレスチナ人らが、タイヤを燃やして黒煙を上げ始めた。パレスチナの旗の間にナチスドイツの鉤十字の旗もあった。イスラエルは催涙弾も使い対処。時間が経つにつれて死亡の報せが入り始めたが、夕刻までに沈静化した。

デモの参加者は、平日よりは多い2万人と推測され、3万人が参加した先週より減っていたとイスラエル軍はみている。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/LIVE-COVERAGE-Standoff-resumes-Gazans-set-thousands-of-tires-ablaze-548997

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/In-pictures-20000-Palestinians-protest-in-Gaza-549055

<デモはフェイスブックからはじまった?>

このデモについては、ガザの政治活動家アブ・アイティマ氏(34)が、フェイスブックで数ヶ月前に、「もし何千人ものパレスチナ人が、国境破りをしたらどうなるだろうか。」と書き込んだことにヒントを得た結果ではないかと言われている。

アイティマ氏は、Yネットのインタビューで、あくまでも平和的デモを支持するものであり、実際に群衆が国境破りをするとは思えないと語る。

「イスラエルへの暴力に効果がないことは明らかだ。私は、イスラエル人を排斥しようとは思わない。ただ南アフリカのように人種差別の今の政府がなくなって、イスラエル人とパレスチナ人が、民主国家の元で、ひとつになって住むことだ。」と語ったている。

イスラエルは、アパルトヘイト国ではない。今もすでに民主国家である。人種差別がまったくないとはいえないが、ユダヤ人とアラブ人は今もすでに同居している。しかし、イスラエルは、ユダヤ人の国という性質を維持しなければならないため、今以上にパレスチナ人全部の帰還をイスラエルが受け入れることはないと表明している。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5221944,00.html

デモは、もしかしたら、フェイスブックから始まったかもしれないが、ハマスはこれを十分活用している。紛争の最中に、シンワル指導者が現場に来て応援して奨励している。

また、ハマス報道官によると、ハマスは、死亡した者の家族には3000ドル(約35万円)、負傷者には200-500ドルを支払っているとのこと。

https://www.timesofisrael.com/hamas-will-reportedly-pay-families-of-gazans-killed-in-israel-clashes/

<ガザ沖でイスラム聖戦の攻撃計画を摘発>

イスラエル諜報機関シン・ベトとイスラエル軍は、ガザ国境での紛争が始まる以前の3月12日、ガザ沖でイスラエルを攻撃しようとしたイスラム聖戦の計画を未然に防いでいたことを明らかにした。

それによると、漁船に見せかけた船が、イスラエル領海へ入りこみ、それを停止しに来たイスラエル海軍の船を2隻目が攻撃し、さらに3隻目が近づいて、イスラエル兵を誘拐する計画を遂行しようとした。

イスラエル軍は、これを未然に察知し、関係者とともに、首謀者マフムード・ジュマを逮捕した。ジュマは、この攻撃で5000ドルを約束されていたという。

ジャマは、2012年ごろ、漁船を使って、エジプトからハマスに300キロの爆発物を運搬している。2014年ごろには、武器製造のためのファイバー150パックをハマスに届けていた。また地下トンネルからライフルもハマスに届けていた。

ネタニヤフ首相は、これらはガザ国境でのデモが、ハマスの真の目的(イスラエル打倒)をカモフラージュするものだということだと語った。

https://www.timesofisrael.com/shin-bet-idf-thwart-islamic-jihad-attack-on-navy-boats-off-gaza-coast/

なお、イスラエル海軍は、近年、ハマスが、陸上では地下トンネルを使うように、海底からもイスラエルを攻撃しようとしているとの情報があり、警戒していたという。

<国際非難とイスラエルの反論>

先週17人が死亡したことを受けて、翌4月1日、まずはトルコのエルドアン大統領が、「イスラエルの非人間的な行為、ネタニヤフ首相はテロリストだ。」と非難した。

これを受けてネタニヤフ首相は、「世界で最も道徳的な軍隊は、市民(クルド人)を空爆する国から道徳を教えてもらう必要はない。」とやり返した。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-43611859

ヨルダンとエジプトは、イスラエルが過剰な武力を行使していると非難した。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/243881

国連は、先週金曜以降、イスラエル軍に実弾を使わないよう警告したが、イスラエル軍は、銃撃しているのは、国境から侵入してくる者たちで、多くはハマス戦闘員であると反発。侵入者のCCTV映像を流している。

しかし、多数の死者が発生しているのは事実で、その中にはティーンエイジャーも含まれていることから、イスラエルへの国際非難は高まりつつある。先週に続いて2回目となるこの金曜の紛争を受けて、EUは、本日土曜の会合で、イスラエルが過剰に武器を使用していると指摘した。

https://www.timesofisrael.com/idf-uses-tear-gas-live-fire-as-thousands-protest-at-gaza-border/

イスラエルのリーバーマン防衛相は、イスラエルは、ガザからイスラエルへ侵入しようとする者への厳しい対処は続ける方針だと語り、「国境に近づくことは命とりになる。愚かなことはしないように。」と、ガザの人々に呼びかけている。

また、「ハマスは、ガザと市民の復興に使うべき2億6000万ドルもの資金をすべて(トンネルなど)テロ施設に費やしている。ガザ市民は、イスラエルと戦うよりも、指導者を変えた方がよい。」と語った。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/gaza-news/Ahead-of-fresh-standoff-Hamas-reveals-payouts-to-injured-protesters-548990

<サウジアラビアの以外な反応:イスラエルには存在の権利がある>

ガザ国境での紛争について、同盟国アメリカは、「ガザの人々は、緩衝地帯に近づかないようにせよ。」と警告し、今回もイスラエルの側に立った。また国連安保理でのイスラエルへの非難決議はアメリカが拒否権を発動し、可決されなかった。

最近、イスラエルに近づいていると言われるサウジアラビアだが、2日月曜、ビン・サルマン王子が、アメリカの雑誌へのインタビューで、パレスチナ人が国を持つ権利があると同時に、「ユダヤ人は、少なくともその祖先からの土地に国を持つ権利がある。」と重大な発言をした。

湾岸アラブ諸国がイスラエルの存在を認めるのは始めて。

https://www.timesofisrael.com/saudi-crown-prince-recognizes-israels-right-to-exist-talks-up-future-ties/

<石のひとりごと:紛争と平和>

ガザ周辺で紛争になってはいるが、イスラエル国内はそんなこととは正反対。今日までの過越の1週間で、地中海のビーチやガリラヤ湖、国立公園で、休暇を楽しんだ市民は150万人にのぼっていた。

いわゆるゴールデンウイークで、どこへ行っても超満員。カイザリヤは4万8000人、エンゲディは3万4000人で、ダビデの滝など、文字どおり芋の子を洗う状態。ガザと目と鼻の先のアシュケロンのビーチですら3万2000人だった。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5223084,00.html

エルサレムも非常に気持ちのよい気候で、木々は緑も美しく、花を咲かせている木も多い。野の花は乾き始めてはいるが、まだ蝶がひらついている。今日土曜は安息日なので、走る車もなく、静まりかえっている。何種類もの鳥が美しい声を聞かせてくれて、なんとも気持ちが良い。

過越休暇の最後で、家族たちが集まっているのだろう。アパート前無料駐車場は、車でひしめきあっている。今午後3時。皆おいしいものを食べた後で昼寝でもしているのか、陽だまりの中でおだやかな静けさである。

昨日金曜午後、プロムナード付近を散歩した。ゆっくり散歩する人々や、家族づれ。子供たちは走り回っていた。赤いアイスクリーム売りのトラックがいる。世俗派もいれば、正統派の夫妻も歩いている。

芝生の上でくつろいでいる家族づれの女性はイスラムのヒジャブ姿だ。付近に住むパレスチナ人の家族である。その向こうにはエルサレムの旧市街とオリーブ山の光景がひろがっている。まさに世界一祝福されている町だと実感するような日であった。

しかし、この平和そのものにみえるエルサレムから、車でわずか2時間のガザ国境では、この日だけで10人が命を落とした。なんとも考え難い現実だ。イスラエルは、紛争と平和が同居する国なのである。

このように、全国のイスラエル市民が平和にしていられるのは、今日も休日返上でガザ付近に駐留し、まったくもってやりたくもない射撃手になってくれている治安部隊兵士たちのおかげである。

ハマスは、10年間、ガザ地区の管理を任され、結果、ガザを破壊しつくした。さらにまだ市民を死に追いやっている。それが今、イスラエルに戻るという。世界はそれに同情する。

しかし、それはありえないだけでなく、もし仮にありえたとしても、それこそ土地と平和を破壊することである。ガザの若者たちも世界も、この現状を知る由もない・・・いや知ろうともしなていないのかもしれないと思う。
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過越2018:ガザ国境デモでパレスチナ人15人死亡 2018.3.31

 2018-03-31
イスラエルでは、30日日没から4月6日まで、過越の例祭に入った。聖書に記されている通り、初日と最終日は、聖なる日とされ、安息日扱いになる。今年も休日返上で、多数の治安部隊が治安を守っている。

西岸地区、ガザ地区では、30日日没から7日日没まで、一部の農業従事者をのぞいて、パレスチナ人のイスラエルへの入場は不可となる。またYネットによると、過越の先立ち、イスラエル国内に違法滞在していたパレスチナ人468人を逮捕した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5204864,00.html

こうした中、イスラエルで過越の第1日目、セデルが祝われる金曜になり、予告されていた通り、ガザ国境で、パレスチナ人とイスラエル軍との大規模な衝突が発生。夜までにパレスチナ人15人が死亡(パレスチナ側情報)。衝突はその後もまだ続いている。

<ガザで大規模デモ:イスラエル軍と衝突でパレスチナ人15人死亡>

ハマスは、3月28日(金)から5月14日のイスラエル独立記念日(西暦による)まで、イスラエルとの国境で、「偉大な帰還へのマーチ」と称する大規模な市民デモを計画し、広くガザ市民に参加を呼びかけていた。

ハマスは、イスラエル領は、あくまでもパレスチナ人のものだと主張しており、そこへ”帰還する”ことを決して諦めないと主張している。

ハマスのハニエ指導者によると、このデモの目標は、”パレスチナ全体(イスラエル領)への帰還”であり、今回はその始まりであると人々を先導している。ハマスは、トランプ大統領が、エルサレムをイスラエルの首都としたことにも激しく反発している。

ガザとイスラエル国境付近では、これまでからもデモで行われてきたが、大きな衝突にまでは発展しなかった。しかし、先週から、ガザからパレスチナ人の侵入が相次いぎはじめ(以下の詳細)、金曜、”土地の日”には、ガザ市民が群衆となってイスラエル領内へ入り込んでくる可能性も懸念された。

このため、イスラエル軍は木曜、武力衝突は望まないとしながらも、国境付近に100人以上の射撃手を配備し、必要時は実弾も使用すると警告。リーバーマン防衛相は、ハマスの呼びかけに応じて国境に来る者は、永遠にイスラエルへの入国を許可しないと釘もさし、後には、侵入しようとするものには、「命に危険が及ぶ」とも警告した。

ところが、金曜になると、これらの警告を無視した数千人のパレスチナ人たちが、イスラエルとの国境数100メートルの地点に集結。タイヤを燃やしたり、イスラエル軍に投石したりした。

これに対しイスラエル軍は、直ちに国境を封鎖。主に扇動者を標的に銃撃し、暴徒には催涙弾や、ゴム弾なども使って対処した。イスラエル軍が、無人のドローンで上空から暴徒の頭上に催涙弾を使っているという報告もある。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5211564,00.html

パレスチナ側情報によると、この衝突により、金曜午後10時の時点で、パレスチナ人15人が死亡。少なくとも2476人が負傷している。衝突はまだ続いており、死者はまだ増えつつある。

犠牲者のうち1人は、国境での衝突ではなく、朝8人に農作業していたとみられる人が、イスラエル軍の戦車砲で死亡したとのこと。

イスラエル軍スポークスマンによると、死亡したパレスチナ人は、1人を除いて皆、フェンスを越え、イスラエル側へ侵入を試みたもの達だという。混乱の中で、7歳の女の子がイスラエル側へ越境しようとしたが、イスラエル軍が保護し、両親に返したという一件も伝えられている。

Yネットによると、ハマスは、より多くの人々がデモに参加できるよう、国境までの送迎を手配するなどして、10万人の参加を予測していたが、実際にデモに参加したのは2万から2万5000人(メディアによっては3万人)とみられる。

参加者の中には、幼い子供達を伴う家族づれもいる。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5210347,00.html

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/LIVE-COVERAGE-Multiple-dead-and-hundreds-hurt-as-Palestinians-clash-with-IDF-on-Gaza-Border-547534

<過越に先立つ1週間:ガザからの侵入続発・軍事演習も>

過越に先立つ1週間の間、ガザ地区からは、パレスチナ人がイスラエル領内へ侵入する事件が4件も発生した。

25日(土)、ガザから4人のパレスチナ人が、イスラエルへ侵入し、建設中の防護壁工事現場の設備に放火しようとして逮捕。

27日(火)、ガザ地区から武装したパレスチナ人3人が、イスラエル領内南部20キロのゼエリムイスラエル軍基地周辺で逮捕された。3人は、手榴弾とナイフを持っていた。これについては、3人が侵入してから逮捕されるまで数時間かかったことが問題だとして、調査がすすめられている。

28日(水)、武器を持たないパレスチナ人1人が侵入した直後に逮捕。29日(木)、パレスチナ人2人が、ナイフとワイヤー切りを持って侵入し、逮捕された。

ハマスは、25,26日と、ガザ国境で、3万人の戦闘員が、ロケット弾やミサイルも登場するようなスケールの大きな軍事訓練を行った。

https://www.timesofisrael.com/hamass-defensive-drill-seen-as-a-warning-to-israel-abbas-and-trump/

急に南部情勢が悪化していることについては、今月、パレスチナ自治政府のハムダラ首相がガザで暗殺未遂になったことで、関係が悪化しており、だれが、パレスチナ人のボスかを証明する必要があったとの見方がある。

一方、ハマスがイランの指示でこうした動きに出ている可能性もある。イランは、先月、イスラエルにドローンを送り込み、イスラエルがシリア領内のイラン関連基地を複数空爆した。ロシアの介入で、大きな戦争には発展しなかったが、イスラエルとイランの対立は、徐々に深まりつつある。

<西岸地区でも衝突:パレスチナ人60人負傷>

金曜「土地の日」には、ガザだけでなく、西岸地区でも、ガザのソリダリティだとして各地で暴動が発生。イスラエル軍と衝突した。これにより、ナブルス近郊で27人が負傷。全体では60人が負傷している。

https://www.timesofisrael.com/over-60-palestinians-injured-in-scattered-protests-across-west-bank/

<イスラエル国内の様子:神殿の丘南側で過越の儀式>

ガザで深刻な事態になっているが、国内では、例年のように、安息日の静けさの中、家族、親族、友人たちが集まって過越のセデル(出エジプトのストーリーからなる式次第と食事)を行っている。

これに先立ち、26日(月)、神殿の丘すぐ南下、アルアクサモスクのすぐ下で、規定通りの白い祭司服に身を包んだコーヘン一族たちが、越の子羊を生贄いする儀式を行った。

これは、宗教シオニストたちによる毎年恒例の行事で、これまでは、エルサレム郊外、昨年は旧市街のユダヤ地区、今年は神殿南側と、徐々に神殿に近づいている。今年の参加者は、第3神殿推進派のユダ・グリック議員など数百人。

この儀式がこれほど神殿の丘近くで行われたのは、今年が初めてで、これを許可したイスラエル政府に対し、ヨルダンが、挑発的だと抗議の声をあげている。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Jordanian-Minister-slams-Israel-for-allowing-Jewish-ritual-near-Al-Aqsa-547415

https://www.timesofisrael.com/palestinians-to-protest-friday-after-jews-sacrifice-lambs-near-temple-mount/

<クリスチャンは復活祭>

クリスチャンは、25日、パームサンデーで、オリーブ山からエルサレム旧市街に向かって、今年も世界中からカトリックとプロテスタントの群衆が、やしの葉を手に、賛美しながらマーチを実施した。今週日曜はイースターである。

https://i24news.tv/en/tv/replay/news/x6gufih

東方教会(オーソドックス)クリスチャンのイースターウィークは1週間遅れで、パームサンデーが4月1日、復活祭が、4月6日。聖墳墓教会では、1000年以上続けられてきた聖火の儀式が行われる。

<過越を前に:”シオンの自由”コイン発見>

過越は、ヘブル人(イスラエル)の出エジプトを記念する祭だが、その直前、タイムリーにも、”シオンの自由”と彫り込んだ約2000年前のコイン多数が、神殿の丘南側オフィルエリアでみつかった。発掘はヘブライ大学のエイラット・マザール博士のチーム。

このコインは第一次ユダヤ戦争で、ユダヤ人がエルサレムに立てこもって戦ったが、最終的にローマ帝国に包囲されて滅ぼされ、神殿も破壊されたころ(69-70AD)のもの。

コインは銅製で、仮庵の祭にちなんだ4種の植物や、神殿祭司が使用した杯が彫り込まれている。

また興味ふかいことに、この時代前半には、「シオンの自由のために」と彫り込まれていたのに比べ、全滅寸前の今回発見されたコインには、「シオンのあがないのために」と彫り込まれている。

「自由」「あがない」といったことばは、まさに過越にふさわしいとマザール博士。博士によると。こられのコインが見つかった洞穴は、第二神殿時代から手付かずであったため、タイムカプセルのようだと語る。

https://www.timesofisrael.com/rare-trove-of-bronze-jewish-revolt-coins-unearthed-near-temple-mount/

この周辺では、預言者イザヤ本人のブラエ(印鑑のようなもの)もマザール博士のチームによって発見されている。

このブラエは、8世紀、第一神殿時代からのもので、「イシャヤフ(イザヤ)」という名前とともに、預言者を意味するナビと思われる文字が刻まれていた。

しかし、左上に欠けがあり、預言者を表すヘブライ御の最後の一文字が欠落しており、可能性はあるものの、はっきり預言者イザヤとは断定はできないという。

なお、この同じ場所では、ヒゼキヤ王のブラエも見つかっている。

https://www.timesofisrael.com/in-find-of-biblical-proportions-proof-of-prophet-isaiah-believed-unearthed/
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逆ギレアッバス議長:テロリスト給与正式続行へ 2018.3.31

 2018-03-31
23日、アメリカの議会では、検討されていたテイラー法案が通過した。

これは、2016年、イスラエルへ旅行中に、テルアビブでパレスチナ人テロリストに殺害されたアメリカ軍人テイラー・フォースさん(当時29)を覚え、パレスチナ自治政府が、テロリストやその家族への高額な報酬支給をやめない限り、アメリカからのパレスチナ支援を差し止めるとう法案である。

これを受けてアッバス議長は、表沙汰にはしていなかったこれまでテロリストへの報酬支給を、正式に行うと発表した。反発、または逆ギレと言ってもよいだろう。

パレスチナ・メディア・ウオッチによると、2018年度に自治政府がイスラエルの刑務所にいるパレスチナ人らに支払った報酬は、総額5億5000万シェケル(約170億円)。テロ行為で、死亡したパレスチナ人らへは、6億8700万シェケル(約210億円)

パレスチナ自治政府の年間予算が、155億シェケルで、そのうちの12億シェケル(約7%)がテロリストへの給与である。

アッバス議長が、アメリカに対して逆ギレできるということは、アメリカ以外にもパレスチナ自治政府を支援する国々がいるということなのであろうか。イランとか。。

<ハマスへガザ返還を要求:アッバス議長>

22日、ガザ地区へ入ろうとしたパレスチナ自治政府のハムダラ首相が、暗殺未遂にあったことはお伝えした通り。

以後、ハマスとパレスチナ自治政府の関係は非常に悪化している。アッバス議長は、ハマスに、「ガザを乗っ取った。すぐに返還せよ」と訴えている。アッバス議長はまた、ハマスが合意事項を履行していないとも訴えている。

・・が、この直後にガザでは上記記事のような混乱に陥ったわけである。アッバス議長は、ガザで多数のパレスチナ人が死亡したことを受けて、「国家的追悼」を宣言した。

https://www.timesofisrael.com/abbas-warns-hamas-hand-over-gaza-back-to-the-palestinian-authority/
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