パレスチナ人ハンスト脱落186人

 2017-04-26
今月17日、イスラエルの刑務所にいるパレスチナ人の囚人ら1200人近くが、マルワン・バルグーティの指導で、ハンストに入ったとお伝えしたが、これまでにすでに数人が病院に搬送された他、186人が脱落している。

Yネットによると、ハンスト開始から24時間ですでに100人が脱落。4日後の21日にあらたに86人が脱落したもよう。4日後に脱落した86人のうち、84人はハマス所属の囚人たちだった。

きちんとした人数は把握できていないようだが、今もなおハンストを続けているのは1000人あまりとみられる。

背後の政治的な目的は別として、ハンストの表向きの要求は、

①房に公衆電話をつけること、
②家族の面会を月2回に戻す事*
③面会時間を45分から90分にすること。テロ等逮捕歴など前科のある家族が面会に来る事を制限しないこと
④3ヶ月に一回は、家族で写真をとることを許可してほしい

*赤十字が西岸地区やガザ地区からイスラエルへの家族の送迎を担当していたが、9ヶ月前に赤十字がこれを月一回にしたことが原因。イスラエルが制限したわけではない。

ネタニヤフ首相は、「イスラエルの刑務所は、国際法による基準を満たしているので、交渉の余地はない。」として、引き続き、ハンスト囚人との交渉はしない方針である。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4952505,00.html
http://www.timesofisrael.com/number-of-palestinian-prisoners-quitting-hunger-strike-rises-to-186/
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相変わらずテロ事件あり 2016.4.26

 2017-04-26
23日日曜、テルアビブのビーチ沿い、観光客でにぎわうホテルのロビーで、ナイフによるテロ事件が発生。男性3人と女性1人が負傷した。幸い、全員軽症だった。パレスチナ人(18)が容疑者として逮捕された。容疑は認めているという。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/228454

23日、カランディアの検問所で、女性兵士が刺された。テロリストはその場で撃たれている。

24日には、西岸地区のイスラエル軍基地付近で、兵士の群れにナイフを振りかざしてきりかかってきた者があった。
テロリストは、兵士らに撃たれて動けなくなり、病院に搬送された。

パレスチナ人の中には、こうしたテロでイスラエルの治安部隊に撃たれて死ぬことを、一つの自殺手段と考える者もいる。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4953665,00.html
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パレスチナ囚人のハンスト再び 2017.4.21

 2017-04-22
4月17日、テロ行為などでイスラエルの刑務所に収監されているパレスチナ囚人6500人のうち、少なくとも1187人が、ハンガーストライキに入った。4月17日は、パレスチナ人たちの間で、”囚人の日”と呼ばれる日である。

ハンストとは、死に至るまで断食を行い、囚人の健康を守る責任を持つ刑務所とその政府を困らせ、抗議行動を行うというものである。

Yネットによると、1967年以来、テロなどで逮捕されたパレスチナ人は、60万人。その中でパレスチナ囚人たちは、こうしたハンストを20回も行い、政治犯として通常の犯罪者とは違う取り扱いになるなどの利益を勝ち取ってきたという経過がある。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4949903,00.html

また、ハンストが始まると、ベツレヘムやヘブロンなど、パレスチナ自治政府領内各地で、囚人らを支持するデモが発生。イスラエルの治安部隊と衝突した。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4949978,00.html

<終身刑囚人マルワン・バルグーティの呼びかけ>

今回、ハンストでパレスチナ囚人らが要求するのは、イスラエルの刑務所は非人道的だという非難と、パレスチナの(イスラエルからの)解放と自由を国際社会に訴えることである。

しかし、今回は、それだけではなく、その背後に濃厚な政治的な目的があると指摘されている。

このハンストを呼びかけたのは、第二次インティファーダの際に、多数の自爆テロを指導し、自らもテロでイスラエル人5人を殺害した凶悪なテロリストとして、終身刑を5回言い渡され、すでに15年もイスラエルの刑務所にいるマルワン・バルグーティである。

バルグーティは、ハンストに先駆け、いかにイスラエルが、パレスチナ人を非人道的に逮捕し、拷問を行って取り調べをしているかなどを赤裸々に書き連ね、”イスラエルに虐げられているパレスチナ人の解放”を訴える記事をニューヨークタイムスに投稿していた。

記事:https://www.nytimes.com/2017/04/16/opinion/palestinian-hunger-strike-prisoners-call-for-justice.html?_r=0

それを、ニューヨークタイムスは、ハンスト開始の日に合わせて発表している。バルグーティとニューヨークタイムスの間になんらかの協力があったとして、イスラエルはこれを非難している。

*世界一甘い?イスラエルの刑務所

バルグーティの記事を読むと、イスラエルは非常に非人道的な扱いをしていることになっている。しかし、実際はそうではない。

数年前に、イスラエルのオフィル刑務所を取材したが、パレスチナ囚人たちは、刑務所の食事の他に、差し入れ等独自の食物を管理する倉庫を持っていた。

管理するのはパレスチナ囚人自身で、刑務所の食事は断食しても、その倉庫からの食物を摂ることも可能といえば可能であった。もちろん、完全な断食を行って、実際に死亡寸前まで行き、刑務所から出た囚人も過去にはいるのだが、選択として、食べる道はあるということである。

また現在は、停止したが、かつてパレスチナ囚人は、イスラエルの刑務所にいる間に、無料で、ヘブライ語学べる他、これも無料で、ヘブライ大学で学士を取ることも可能であった。*後者はその後、廃止になっている。

また、アラビア語の本の差し入れも可能であった他、アラビア語による集会なども可能であった。そのため、イスラエルの刑務所で、新たにテロを学ぶ若者もいたほどである。かなり閉鎖的な日本の刑務所とは比べものにならないほどの自由であるといわざるとえない。

また、イスラエルの刑務所が、バルグーティが訴えるような非人道的な環境ではないということは、パレスチナ囚人全員が、このハンストに参加しなかったことでも明らかである。

だいたい、イスラエルで終身刑のバルグーティが、イスラエルの知らないところで、ニューヨークタイムスに投稿できたこと事態、それを証明しているかのようである。

<政治的背景とは?:ポスト・アッバス>

では、今回、バルグーティが、ハンストを始めたのはどういう目的なのだろうか。

パレスチナ社会は、現在、西岸地区のPLOファタハと、ガザ地区のハマスに分裂している。今の所、ファタハにもハマスにもそれを解決する力はまったくないため、パレスチナ人の間には絶望感が広がっている。それがナイフなどによる、自殺行為的な単独テロを増長させているとも考えられる。

そうした中、バルグーティ(58)は、アッバス議長と同じPLOファタハの指導者の一人で、唯一、カリスマ性を持つ有力な指導者であると目される人物である。イスラエルの刑務所に長期間いることで、パレスチナ人からの尊敬もある。

しかし、いかんせん、バルグーティは、刑務所にいる囚人であるので、当然、指導者にはなれないのではあるが、アッバス議長の求心力が落ちる昨今、もしバルグーティが指導者になれば、ファタハは盛り返すと目されている。

イスラエルですら、もし将来、アッバス議長が倒れた場合、ハマスに西岸地区を奪われるよりは、バルグーティを時期ファタハの指導者に据えたほうがましだとして、刑務所からあえて出すことも可能性としては全くありえないことでもないとまで言われている。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4950793,00.html

バルグーティに関する動きを、ファタハ、ハマスがどうみているかがだ、Yネットの分析によると、自分より人気のあるバルグーティの頭角をアッバス議長は快く思わず、またハマスにしても、強いファタハの登場は歓迎するものではない。

しかし、どちらも、一般のパレスチナ人の間でカリスマ的人気を持つバルグーティを、容易に非難することもできないといったところのようである。

<イスラエル政府の対応>

イスラエルは、バルグーティの身柄を北部の刑務所の独房へ移した。ハンスト参加者を今以上に煽ることを予防するためである。

また、国内治安担当のギラッド・エルダン氏は、ハンストをしている囚人で医療的ケアが必要になった者を受け入れる準備をすすめるよう指示した。イスラエルとしては、強制的な食事摂取も行う。これについては法整備もすでに完了している。

バルグーティの訴えは、実際とは違う点が数多くある。もとより、ハンストの本当の目的は、刑務所での処遇改善ではなく、政治的(バルグーティの立場を強調する)目的と考えられている。

このため、エルダン氏は、ハンストの囚人たちとは交渉はしないと、当初から発表している。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4950460,00.html

<刑務所前でバーベキュー>

パレスチナ囚人のハンストが始まった2日後、エルサレムとテルアビブの間にあるオフィル刑務所前では、右派のユースらが、バーベキューを行い、その匂いを刑務所内に送り込み、ハンストを中断させようというイベントが行われた。

なんともイスラエル人らしい発想だが、イベントが始まって、よい匂いが漂い始めて45分後、警察がこれを停止させた。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/228349

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エルサレムでテロ:イギリス人留学生死亡 2017.4.17

 2017-04-16
平和な過越と書いたばかりだが、14日午後、エルサレム路面電車内で、パレスチナ人がナイフで女性を刺して殺害する事件が発生した。現場は、市中心に近い、市役所前付近で、一時、交通は遮断されたが、約1時間後には通常に戻された。

犠牲になったのは、イギリス人女性(ユダヤ人ではない)のハナ・ブレイドンさん(21)。ヘブライ大学との交換留学生として、聖書、考古学、神学、ヘブライ語などを学んでいたという。この1月から、1セメスター在学し、夏には帰国する予定だった。

犯人は、乗り合わせた休暇中の警察官が取り押さえて逮捕された。東エルサレム、オリーブ山ふもとラッセル・アル・アムード出身のジャミル・タミミ(57)だった。

ISA(イスラエル治安組織)によると、タミミは、2011年、自分の娘に性的な虐待をしていたことで逮捕された経過があり、最近では自殺未遂もおこしていた。精神的問題を抱えていた人物だった。

ISAは、「個人的な問題をテロに置き換えようとするパレスチナ人によるテロ事件は、これがはじめてではない。」と怒りのこもった声明を出している。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4949293,00.html

なお、この日はグッド・フライデーで、旧市街では、十字架を担いで聖墳墓教会に向かうキリスト教徒の大群と、神殿の丘でのイスラム教徒の礼拝が、同時になったが、こちらは、平和に終わっている。
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超迅速なイスラエルのテロ対策 2017.4.8

 2017-04-08
6日、西岸地区入植地オフラ近郊のバス停で、パレスチナ人が運転する車が突っ込むテロが発生し、イスラエル兵1人(20)が死亡、1人(19)が軽傷を負った。

車を運転していたのは、シルワドに住むパレスチナ人マラク・ハメッド(21)。マラクはその場で逮捕された。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4946009,00.html

イスラエル政府はただちにハメッドの家族のイスラエルへの入国許可を凍結。事件勃発のわずか2時間後には、治安部隊が、マラクの自宅に乗り込んで、マラクの兄を逮捕。盗難車6台と、テロに使われるとみられる4万シェケルを押収した。

ハメッド家は、以前からハマスとの連携で知られ、この家族から9人がテロ行為に及んでいたという。マラク自身も2015年、違法に西岸地区のユダヤ人入植地に侵入しようとして逮捕され、3ヶ月刑務所に収監された経歴を持っていた。

しかし、マラクの父親は、息子はテロを行ったのではなく、事故だったと主張している。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4946587,00.html

*ハマス近況:大物司令官暗殺をめぐって

イスラエルがこれほど迅速な対応をとった背景には、ハマスの動きが活発になっていることも考えられる。3月24日、ガザ地区で、ハマスの超大物司令官マゼン・ファカ(38)が、自宅前で頭部を撃たれて死亡した。

ハマスはイスラエルが暗殺したと公式にイスラエルを非難した。イスラエルはノーコメントで、実際に誰の犯行かは不明である。

ファカは、2002年、イスラエル北部ツファットでバスを爆破し、イスラエル人9人を殺害。イスラエルの刑務所にいたが、ハマスの捕虜になっていたシャリート軍曹との交換で釈放された1000人のうちの一人だった。

ハマスは、”神に誓って”、マゼン・ファカ暗殺に対するイスラエルへの報復を行うと宣言している。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Senior-Hamas-militant-assassinated-in-Gaza-Strip-485139

その後、ハマスは、イスラエルに通じていたとして、3人のパレスチナ人(32,42,55才)を絞首刑に処した。BBCによると、ハマスは、2006年にガザ地区の実権をにぎってから、同様の罪で22人を処刑しているという。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-39513190

なお、ガザ地区のハマスには、以前からの指導者イスマエル・ハニエに加えて、新しくアヒヤ・アル・シンワルという人物が指導者に就任している。

<犠牲兵士:その日のうちに葬儀・埋葬>

今回のテロで、死亡したのは、エルカイ・テハレブ軍曹(20)だった。その場で即死状態だったという。

いつも驚かされるが、ユダヤ人の埋葬は実に早い。エルカイさんは、早朝、テロで殺害され、その日のうちに葬儀が行われ、その日のうちにヘルツェルの丘に埋葬された。墓石が間に合わないので、最初は地面にそまつな木のしるしが立つだけである。

写真に見る明るいエルカイさんの笑顔から、朝、息子を元気に見送って、夜には墓に埋葬する両親の痛みは、実に想像を絶する。エルカイさんの母親は、「私たちは21年前に贈り物をもらった。今、それをお返ししなければならない。」と語っている。

過越直前の喪失である。それでも過越を迎えなければならないこの家族の痛みは、ただただ想像を絶する。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4946336,00.html

<石のひとりごと>

中東で生きるということは、なまやさしいことではない。中東では、やられたらできるだけ早いうちにやりかえす。しかも倍返しをする。そうでなければ、相手はつけあがり、さらに自分がやられる結果になる・・・・という欧米にはない常識がある。

それを最も経験しているのが、中東の真ん中で民主主義を維持するイスラエルである。確かに、裁判もなくこうした仕返し的なやり方は、違法と映っても仕方がないだろう。欧米には理解してもらえない点である。しかし、長々と裁判をしている余裕はないのである。

今回、トランプ大統領が迅速な反撃を行い、様々な批判もあびることになると思うが、中東では、こうした動きこそが普通である。そこまで計算していたかどうかは不明だが、トランプ大統領、いよいよ”ジャイアン”になってきたようである。
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