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例祭中のテロ:元気印の男性(45)が犠牲に 2018.9.20

 2018-09-22
それにしても、ユダヤ人に課されたチャレンジはあまりにも大きい。ヨム・キプールの2日前の16日、エルサレムから南、ベツレヘムに向かって30分程度の入植地グッシュ・エチオンで、パレスチナ人によるテロが発生した。

犠牲になったのは、アリ・フルドさん(45)。グッシュ・エチオンのショッピングモールの外駐車場で、パレスチナ人のカリル・ジャバリン(16)に、背後から上半身を刺された。

アリさんは、振り向いてカリルともみ合い、逃げようとするカリルの足を撃った。続いて近くにいた市民もカリルを撃ち、走れないようにした。その後駆けつけた警備員らが、カリルを取り押さえた。アリさんが、負傷しながらもカリルの足を撃っていたことで、さらなる犠牲者を出すことがなかったとみられている。

病院に搬送されたアリさんは、病院に到着した時にはすでに心肺停止で、まもなく死亡が確認された。テロ犯のカリルは、病院に収容されたが、軽症と伝えられている。

<右派シオニストの旗印:アリ・フルドさん>

このテロで犠牲になったアリさんは、アメリカ生まれのユダヤ人で、移住後はイスラエル軍の戦闘部隊に所属。今は予備役兵だった。

右派で親イスラエル派シオニストであることを公にしており、インターネットを通して、トーラーを教え、イスラエルの近況を伝える、よく知られたコメンテイターだった。ガザ国境に駐留するイスラエル兵たちに差し入れをするなどの活動もしていた。恰幅の良い元気そのものの男性である。

アリさんは、グッシュ・エチオン近郊のエフラテに在住。妻のミリアムさんと子供たち4人が父親を失った。翌日行われた葬儀には、数千人が参列し、多くが悲しみの中、「彼はヒーローだった」とコメントしている。ネタニヤフ首相はじめ、数人の閣僚が遺族を慰問した。

https://www.timesofisrael.com/thousands-mourn-at-funeral-as-hero-ari-fuld-buried-after-terror-attack/

テロ犯のカリルはヘブロン近郊のパレスチナ地区ヤタに住む少年。防犯カメラによると、アリさんを刺すまでゆうに1分もかかっており、ためらった挙句の行為であったようである。

今回、事件のあったグッシュ・エチオンのショッピングセンターには、ベツレヘム、ヘブロンのパレスチナ人も買い物に来る場所で、テロ事件も頻発する場所。警備員の他、イスラエル兵も警備に立っている。

カリルが怪しかったため、スーパーマーケット前の警備員らは、中に入れなかったのだが、この時の荷物検査で、カリルの服のポケットに入っていたナイフを見落としていた。

ハマスは、カリルを「ヒーロー」と賞賛するコメントを出した。パレスチナ自治政府は、今後、カリルの家族に”手当”として、1400シェケル(約350ドル)を支給する予定だという。

https://www.timesofisrael.com/pa-daily-reports-israel-shot-arrested-child-over-claim-he-killed-ari-fuld/

<石のひとりごと>

テロのたびに思うが、アリさんはまさか自分がこの日、夜までに自分が亡き者になっているとは、まったく想像もしなかったであろう。遺族たちは、これから始まるヨム・キプールと、お父さんのいない楽しいはずの秋の例祭を、いったいどのようにすごすのだろう。

おそらくは、アリさんがもう二度と帰ってこないということもまだのみこめていないだろう。いつもながら、事件の2日後、もうアリさんのニュースはなくなっている。社会は何事もなく日々を追いかけているが、その中にいるはずのアリさんはもう、どこにもいない。二度と帰ってこない。あまりにも酷い現実だ。

一方、テロを起こしたカリルもわずか17歳である。パレスチナの大人から間違った教育をされ、純粋にそれを信じて、ユダヤ人を殺した。これもまた悲しすぎる現状である。
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トランプ政権のパレスチナ締め付け政策 2018.9.20

 2018-09-22
1)UNRWA(国連パレスチナ難民救済機関)支援金完全停止

トランプ大統領は、今年1月、UNRWAへの支援金6500万ドルの削減を断行したが、続いて8月31日、UNRWAへの支援金3億ドルを差し止めると発表した。これにより、アメリカのUNRWAへの支援金は完全に停止することとなった。

トランプ大統領は、UNRWAは、パレスチナ難民への支援を68年という長きにわたって延々と続けていると指摘。当初の難民の子孫まで難民と認めることで、自立を促すより、むしろ依存させていると主張する。

また、UNRWAへの支援金の一部がテロ組織に流用されていることからも、UNRWAは解散し、パレスチナ難民の支援は、他の難民と同様、国連難民支援機関に任せるべきであると主張している。これはイスラエルが訴え続けてきたことでもあった。

さらにトランプ大統領は、15日、テロ関連で子供を失ったイスラエル人とパレスチナ人双方の親たち協賛のプログラムへの支援を含む、西岸地区・ガザ地区への様々なプログラムへの支援金2億ドルをカットすると発表した。

これにより、子供達の教育や医療に関する支援もカットされることになる。ただし、これについては来年以降に実施される予定である。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5350946,00.html

これに先立ち、アメリカ政府は、2016年の時点で、パレスチナ自治政府が、テロリストへの手当支給をやめるまで、パレスチナへの支援金を差し止める法律を制定。テルアビブでのテロで殺害されたアメリカ人、テイラーフォースさんの名からテイラーフォース法と名付けた。

しかし、アメリカやイスラエルから見ればテロリストであっても、パレスチナ人にとっては、”英雄”である。彼らへの手当を止めることはできていない。上記テロ事件の犯人、カリルの家族にも今後、月1400シェケル(約390ドル)が支給される予定になっているという。

フリードマン駐イスラエル米大使は、「これまで、パレスチナ人に100億ドルも支援してきたが、アメリカ人の血税が、テロリストの手当や、イスラエルを憎むよう教える教育に使われてきた。残念に思う。」と語っている。

https://www.timesofisrael.com/pa-hasnt-yet-paid-family-of-terrorist-who-killed-fuld-but-theyll-be-eligible/

こうしたアメリカの圧力に対し、パレスチナ自治政府は、妥協するどころか、態度を硬化させている。

アメリカやイスラエルからみれば、テロリストだが、パレスチナ人からすれば、敵と戦った”英雄”である。手当を停止することはできない。また昨年、アメリカはエルサレムはイスラエルの首都と認め、今年5月には実際に米大使館をエルサレムへ移動させた。

これはパレスチナ自治政府の東エルサレムをパレスチナの首都とするという主張を、不可能にしたも同然である。

こうしたことから、パレスチナ自治政府は、イスラエルはいうまでもなく、アメリカとも直接の交渉を遮断。イスラエルの入植活動について、国際法廷に訴える手続きを進めているところである。

2)ワシントンのPLO事務所閉鎖

アメリカは、10日、パレスチナ自治政府が、イスラエルとの和平交渉だけでなく、アメリカとの交渉も遮断しているという理由から、ワシントンのPLO(パレスチナ解放機構・パレスチナ自治政府を運営するファタハを含む団体)事務所を閉鎖した。

アメリカは昨年11月に、もしイスラエルとの直接交渉に入ることを拒否するならワシントンのPLO事務所を閉鎖すると予告していたという。

これは、パレスチナ自治政府が、イスラエルとの直接の交渉を拒否すると同時に、国際法廷にイスラエルを訴える準備を進めているからである。アメリカは、これを和平を妨害するものとみている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5347205,00.html

<影響を受けるのはガザ地区:拡大するデモ>

UNRWAの支援を受けることのできるパレスチナ人は、様々な地域を総合して500万人とされ、実際に支援を受けているのはこのうち300万人だという。

しかしガザ地区では、人口の80%が、UNRWAの支援対象者になっていることから、UNRWAで働くパレスチナ人も1万3000人に上っている。

アメリカの支援金が停止した後、ヨーロッパやアラブ諸国がカバーしようとしたが追いつかず、UNRWAは、ガザと西岸地区で働く250人を解雇し、500人をパートタイムに格下げすると発表した。

これを受けて、18日、ガザではUNRWA事務所付近で、5000人によるデモが発生した。

https://www.timesofisrael.com/thousands-protest-un-job-cuts-in-gaza-as-border-violence-escalates/

19日(イスラエルではヨム・キプール)には、国境で、数百人が、イスラエル軍に火炎瓶を投げるなどして、衝突し、そのどさくさに紛れて、約10人ほどのパレスチナ人グループが2つ、計20人ほどが、イスラエル領内に武器を持って侵入した。

20人は、イスラエル領内で、落書きするなどしたが、最終的にはガザへ戻ったとのこと。アル・ジャジーラによると、この日のデモでパレスチナ人2人が死亡した。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/252185

<ハマス、イスラエル、パレスチナ自治政府>

ガザでは、3月から続く金曜ごと、イスラエルとの国境での暴力的なデモが今もなお続いており、イスラエルの銃弾に倒れたパレスチナ人は173人(アル・ジャジーラ)にのぼる。一方、イスラエル兵の中からも死者が出ている。

こうしたことから、イスラエルは国境の閉鎖をさらに強固にせざるをえなくなり、ガザへの物資の搬入や貿易も削減されている。

これに加えて、パレスチナ自治政府が、ハマスにガザの支配権を自治政府に戻すよう、様々なガザへの送金を停止して、圧力をかけているため、ガザ市民の生活は、かなり前からもはや人間が生きられる状態にない上に、さらに締め上げが来ているといえる。

ハマスは、アメリカの経済しめつけの影響で、ガザでのデモが拡大することが、イスラエルへの圧力になり、現在、エジプトが仲介して進められている間接的なイスラエルとの停戦交渉に有利になるのではないかと考えている。

しかし、イスラエルが包囲網をそうかんたんに解放するはずもなく、パレスチナ自治政府も、ガザの支配権を奪回してパレスチナ人の統一を図ろうとして、この交渉を妨害する動きに出ているという。

ハマスとイスラエルの間接交渉は、もはや決裂との見方が優勢である。

<今後どうなるのか>

イスラエルもハマスも、基本的に戦争はしたくないと考えている。このため、何かのきっかけで、戦争が勃発する可能性は常にあるが、今のままの状況が今後も続いていく可能性が高い。

しかし、ガザ地区では、牢獄のような生活で、仕事もなく、若者が将来に夢をみることがまったくできない状況にある。そこへ食べ物や教育など基本的ニーズを補っていた国連の支援まで切られるとなると、ガザ内部のイスラエルやアメリカへの憎しみはさらに高まっていくだろう。

悪化する市民生活とは反比例的に、ガザのハマスは、イランの支援を受けて多数のミサイルを保有するようになっており、イスラエルを攻撃する準備があると豪語している。最も危険なことは、ハマスに失うものが何一つなくなったときである。追い詰められた市民の民意だとして、イスラエルを攻撃してくる可能性がある。

イスラエルは、ガザ市民の生活改善が鍵になるとみて、国境を開けたり閉じたりして、アメとムチを交互に使うと共に、様々な支援策を模索しているが、どれもまだ着手できない状況である。非常に微妙な状況といえる。

https://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Lebanese-Hamas-representative-We-dont-want-another-war-with-Israel-567270
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ハマス・イスラエル停戦合意とその後 2018.8.10

 2018-08-10
8日夕刻から9日朝にかけて、ガザからのロケット弾が、イスラエル南部、スデロットやアシュケロンを含む南部一帯に断続的に打ちこまれ、9日午後には、射程の長いミサイルがベエルシェバ郊外にも着弾した。

午後9時すぎにも南部地域へ数発のロケット弾が撃ち込まれたが、それ以後の飛来はない。10日朝、政府は南部地区住民に出していた、イベントなどの中止の指示をすべて解除した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5326293,00.html

アラブ系メディアからの情報として伝えられたところによると、9日夜10時45分に、エジプトの仲介ですすめられていたハマスとイスラエルに間の停戦合意が成立したとのことである。

イスラエルはこれを否定しているが、ネタニヤフ首相は、9日午後5時から予定されていた治安閣議を午後7時に延期し、その後2時間あまりの話し合いの結果、午後10時に、「治安閣議は、イスラエル軍に今後もテロ組織には断固たる対応を行うよう指導した。」との報告が出された。

停戦になったのは、午後10時45分ということである。この流れから、イスラエルは、エジプトに、ハマスとの交渉の時間を提供していたとみられ、イスラエルも、ハマスとの停戦に応じたと見るのが自然である。

ただし、この停戦合意は、たんにこの24時間の間の暴力のやり取りを停止するというだけであって、これがエジプトがすすめていた本来の、長期間(5年)の停戦合意かどうかは不明。

後者の合意については、ハマスがイスラエルとエジプトの国境を開放することを要求。イスラエルは、すべての暴力行為を停止することと、イスラエル人2人とイスラエル兵2人の遺体の返還を要求している。もしこちらの停戦であれば、今後、なんらかの動きが出てくるはずである。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5326061,00.html

<この24時間:双方の被害状況>

この24時間で、ハマスが打ち込んだロケット弾は180発以上。このうち30発は迎撃ミサイルが撃墜した。イスラエル側の負傷者は7人で、このうち1人はタイからの出稼ぎ女性で、腹部に破片を受けて重症である。

9日、スデロットを訪ねたが、町は静まりかえっており、公園にも球場にも道路にも人影はなかった。皆前夜にロケット弾の雨で眠れず、この時に寝ていたのかもしれない。

ロケット弾の攻撃を受けた現場を、いくつか訪ねた。ロケット弾は、着弾そのもので被害が出るというよりは、着弾とともに飛び散る金属片で、物や人が傷つくことになる。道路に着弾したロケット弾の周囲5−6メートルにあった車はガラスがが破壊され、胴体には多数の穴があいていた。

あるアパートは、窓の周辺に穴が多数あき、窓ガラスも当然割れていた。居間の天井に穴が空いている家もあった。住民はこの時、家にいなかったそうである。これだけの攻撃を受けて、負傷者が3人ですんだというのは、かなりの奇跡である。

一方、イスラエル軍は、ガザ地区内のハマス関連地点20箇所を空爆。特に今回は、ハマス本部があるとされる5階建のビルを空爆し、グランド0にまで完全に破壊した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5325862,00.html

ガザでは、ハマス戦闘員と、妊娠中の23歳の女性とその子供(18ヶ月)の3人が死亡した。これについて、ハマスも世界は、めずらしく大きな反発を出していない。

<イスラエルの心理戦?:地上軍投入準備も示唆>

イスラエルは、これまでにハマスと3回、大きな衝突を経験している。もうこれが最後にするべき声も少なくない。実際のところ、イスラエルが本気になれば、ガザ地区の一掃はそう難しいことではない。

正式発表ではないが、イスラエル軍報道官ジョナサン・コンリカス中尉によると、イスラエル軍は地上軍投入の準備も整えているもようである。しかし、地上軍を投入した場合、膨大なガザ市民への被害が出るだけでなく、イスラエル側への被害も覚悟しなければならない。できるだけ避けたいところである。

元首相付治安顧問でイスラエル軍士官36年のヤアコブ・アミドロール少佐(退役)によると、昨夜開かれたイスラエルの治安閣議では、①ハマスが弱体化している今こそ踏み込むのがよいという意見、②北部情勢が緊張している今、ガザとの大きな戦争をするべきでない、という2派に分かれて話し合いが行われた。

最終的に、リーバーマン防衛相は、ハマスにはすでに致命的な打撃を与えたとの判断を示し、地上軍投入の準備は整えながらもとりあえずは、もう少し様子を見るということのようである。

アミドロール少佐は、ハマスには、もはやイスラエルには歯が立たないということがわかっているはずだと語る。

ロケット弾は、いくら打ち込んでも大部分は迎撃ミサイルに撃墜されるし、地下トンネルもすぐに発見され破壊される。海上ルートもイスラエルには完全に遮断されている。加えて、燃料の搬入も止められている。ハマスにはもう手がないのである。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/250317

<ハマスの魂胆は?>

今回、ハマスは、エジプトでイスラエルとの停戦を話し合いながら、同時にイスラエルに対する攻撃を行った。普通に考えれば、理屈にあわず、理解に苦しむ。

ハマスは、今回の衝突について、イスラエルが、まず火曜日にハマスメンバー2人を殺したからであって、責任はイスラエルにあると主張した。しかし、この2人が先にイスラエルを攻撃したからイスラエルが砲撃したのであって、これは間違いなくハマスが先だったと、アミドロール少佐は強調する。

また、今回のイスラエルへの激しいロケット攻撃は、ハマスの指導者が、停戦交渉のためにエジプトへ出発するのを待つようにして始まっていた。万が一イスラエルが大規模に侵攻してきた場合に、指導者だけは逃げておいたとも考えられるが、ハマス内部に不一致があるとも考えられる。

9日夜に停戦合意に至っているのだが、10日金曜には、毎週の国境でのデモを行うという声もある。

要するにハマスは、いったい何を考えているのか、理解しがたい集団と言っておこう。

一方で、イスラエルの方も、何手も先まで読み、裏の裏までかいて動いているので、筆者ごときには、本当のところはわからないと言っておいた方がよいだろう。

<たくましい南部住民>

イスラエル政府としては、国を守ることが最優先なので、できるだけ開戦は避けたいところである。しかし、南部住民は、数年おきにハマスのロケット弾を受け続けている。この地域の子供達の80%は、なんらかのPTSDを抱えているという。

今回、ロケット攻撃が始まった8日夜、スデロットでは、サイレンが鳴り続けたため、夏のイベントなどはキャンセル、スーパーなども閉店を余儀なくされた。この夜に結婚式を計画していた2人は、ラビの元で結婚はしたが、披露宴を延期にしなければならなかった。

花嫁の女性が、テレビに出ていた。一生に一度の結婚式である。日本なら大騒ぎになりそうだが、実にたんたんとしていて、新婚旅行は予定通り行くし、披露宴はまた先にやりなおすと言っていた。新婚の2人も客も、事態は理解しているということであろう。

スデロットにある小高い丘からは、遠くにガザが見える。反対をむけば、スデロット市がみえる。驚いたことに、新しいアパートが次々に建築中であった。ロケット弾でいつ被害に遭うかもわからない町だが、人口は増加傾向にある。出て行く人より移住してくる人の方が多いのである。

スデロットには、学生数800人に上る宗教シオニストの従軍イシバ(神学校)ハスデール・イシバがある。ディレクターのアリ・カッツ氏は、「スデロットにいれば、犠牲を伴うことは覚悟しなければならない。しかし、私たちは、ここに置かれたのであって、最終的には、もっと大きな(神の)計画があることを信じている。」と語った。

スデロットにい続けている住民も、ここから出て行く気はないと語る。この町で、恐れず、日常を続けることが使命とも思っている人もある。Yetには、9日夜、まだ攻撃が終わっていない中、バーに出かけたアレックスさん夫妻の様子が伝えられている。

1発のミサイルを9日午後に受けたベエルシェバでも、その夜に予定されていた屋外での電飾によるライトショーが行われ、4万5000人が参加した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5326237,00.html

苦難に屈しないこの人々には、いつもながら教えられる。
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ガザから南部へロケット弾の雨:6人負傷 2018.8.9

 2018-08-09
8月8日夕刻からガザから、スデロットなどイスラエル南部地域に向かって、ロケット弾が夜中になってもまだ発射され続けており、イスラエル市民に負傷者も出て、緊張が高まっている。イスラエル軍はガザへの空爆を行っている。

<9日深夜までの経過>

8日夕刻18:00、ガザから、国境で対地下トンネルの防護壁を建設機材に向けて砲撃があった。これを受けてイスラエル軍戦車がガザへ砲撃を行った。

続いて19時半ごろ、ガザからロケット弾8発がイスラエル南部に向けて発射され、2発はアイアンドームが撃墜したが、少なくとも2発が、スデロット市内に着弾。家屋2軒と車数台を破損した。

これにより、男性(34)が、飛び散ったガラスの破片で負傷。もう一人の男性は、別の場所で、破片にあたって負傷。負傷者は、13歳を含む少なくとも6人となっている。このほか、妊娠中の女性など15人がショックで病院に搬入された。

現場では、上空で、ロケット弾を迎撃する様子を市民が撮影しており、大きな爆音で、付近にいた子供達が悲鳴でパニックになって、シェルターへ走る様子が伝えられている。

その後、22時ごろから、再び、ホフ・アシュケロンを含む南部広範囲で、立て続けにサイレンが発動なり続けた。深夜0時までにロケット弾70発がガザから発射された。これまでにアイアンドームが4発迎撃し、その他は、空き地に着弾している。

イスラエル軍は、ガザのトンネル関連地域やコンクリ工場、ハマス基地関連など12箇所への空爆を行った。現在、リーバーマン防衛相と幹部は緊急に対策を検討している。

https://www.timesofisrael.com/idf-strikes-hamas-posts-in-gaza-as-fresh-rocket-sirens-sound-in-south/

この一連の攻撃は、昨日7日、ガザからイスラエル側へ発砲した2人が、イスラエル軍戦車の反撃で死亡したことへの反撃とみられる。ハマスは、反撃を予告し、「今夜イスラエル人は寝られないだろう」と言っていた。

https://www.timesofisrael.com/idf-shells-gaza-post-after-soldiers-come-under-fire-2-hamas-men-said-killed/

<ハマス:イスラエルとの長期停戦合意は最終段階と発表>

ガザとイスラエルの衝突がエスカレートしているが、この4ヶ月、エジプトと国連(後の情報ではトルコとカタールも関与)は、ハマスに対し、イスラエルとの長期停戦に応じるよう交渉を行ってきた。

先週、ハマスの海外指導者アル・アロウリもガザ入りし、なんらかの動きがあるとみられた。8日15:00ごろ、ハマスは、合意の最終段階に入ったと発表。試験的に2週間ほどの停戦を実施し、今月末までに、5年間の停戦合意に持ち込むと伝えられた。

合意内容の詳細はまだ正式発表されていないが、ハマスがイスラエルへの攻撃を5年間停止する代わりに、ガザとエジプト、イスラエルの国境を開放することと、ガザへの経済支援策などがあげられている。

自分から始めた暴力をやめるといって、その見返りを要求するというのもおかしな話だが、イスラエルが、これに少し傾いているのは、この合意に、ハマスにとらわれてままになっているイスラエル人2人と、2014年以来のイスラエル兵2人の遺体を返還することがふくまれているからである。

しかし、ハマスは、イスラエルに収監されているハマス・メンバーら多数を交換に開放することも要求しており、イスラエルがそうたやすく応じるとは考えにくい。

https://www.timesofisrael.com/hamas-treating-egyptian-ceasefire-proposal-with-open-mind/

ハマス指導者たちは、8日午後、最終の合意に向けて、カイロへ向かった。同時にハマスが拠点を移動させる動きがみられたため、イスラエル軍は、ガザに近い南部地域の一部道路を閉鎖して警戒態勢に入っていたところ、ロケット攻撃が始まったということである。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5325237,00.html

ガザからの一連の攻撃を受けて、ネタニヤフ首相は、明日朝、治安閣議を招集し、ハマスと進んでいるとみられる停戦合意を見直す方向とみられる。

<パレスチナ組織の不一致>

いつものことながら、ハマスがイスラエルとの停戦合意をすすめることについて、ハマス海外指導者のアル・アロウリが、他組織とも意見を一致できるよう、働きかけていたが、結局、一致できなかったようである。

ハマスとイスラエルの停戦合意に反対する組織が合意を妨害している可能性もある。
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水面下で進む?:ガザ・西岸地区・米中東和平政策 2018.8.6

 2018-08-06
<イスラエル・ガザの関係悪化>

ガザからの火炎凧や風船による攻撃は一時減少にあったが、また元にもどっている。火炎風船によるイスラエル南部農地での火災は、今週末だけで40箇所もあった。

https://www.timesofisrael.com/gaza-indendiary-balloons-spark-40-fires-in-southern-israel-over-weekend/

また火炎風船は、ベエルシェバで発見され、家屋の屋根にとまっているものも発見されたため、イスラエルは、いったん再開していたガス、燃料のガザへの搬入を再び停止した。前回が期限付きであったのに対し、今回は期限付きではない。

https://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Israel-again-bans-gas-and-fuel-into-Gaza-563971

Yネットによると、ハマスは、凧・風船攻撃について、参加するのは14歳以下で、この攻撃は、住宅地からに限るとの指令を出したという。イスラエルの攻撃を受けにくくするためである。

毎週金曜の国境での「帰還への行進」デモも続いている。先週28日、国境をパトロールしていたイスラエル兵が撃たれて中東度の負傷を負った。これに対し、イスラエルが、ハマス7箇所を攻撃。ハマスのパレスチナ人3人が死亡した。

https://www.timesofisrael.com/soldiers-fired-upon-by-gazan-gunmen-2-palestinians-said-killed-in-idf-strikes/

今週3日(金)のデモでは、8000人が集まってイスラエル軍との衝突。パレスチナ人1人(25)が死亡した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5322095,00.html

5日、イスラエルは、ガザとの国境に地上、地下に及ぶ防護壁をん建設中だが、ガザ北部、イスラエルと接する海上200メートル突出する海上防護壁が建設中である様子が公開された。

こうした中、エジプトの仲介で、イスラエルとハマスの和平交渉が水面下で動いているという。

1)ガザ・ハマスとイスラエルの停戦合意への動き

ガザでは先週、海外のハマス指導者アル・アロウリらが、エジプト経由で、ガザ入りした。エジプトの仲介で進められているハマスとイスラエルの停戦合意を協議するためである。

それによると、停戦への合意は3段階で、①1週間以内(来週金曜あたり?)に、火炎凧などの国境デモや、イスラエルへの侵入試みを停止する。その見返りとして、イスラエルのカレン・ショムロン検問所と、エジプトのラファ検問所を解放する。

②ガザへの補給が再開され、市民の生活が改善することを目標とする。③国連によるガザ内部の人道支援活動、となっている。

この交渉には、ガザへの復興支援金や、エジプトにガザ住民が使用する空港や港の建設の案なども含まれているとの情報もある。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5322095,00.htm

こうした動きについて、イスラエルからの正式な情報はなかったが、5日(日)、ネタニヤフ首相は閣議を開き、ハマスとの停戦合意に関する協議を行った。

イスラエル国内では、2014年の戦争で戦死したオロン・シャウルさんの家族らが、「ガザで人質となっているイスラエル人1人とイスラエル兵2人の遺体の返還が伴わない合意にはいっさい応じないでほしい。」と怒りの手紙をネタニヤフ首相に送付した。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/249993

閣議の後、イスラエルは、兵士遺体を含む人質の返還がもりこまれない合意にはいっさい応じないとする方針を決めた。

*パレスチナ自治政府が交渉に警告

エジプトと、ハマス、イスラエルの間になんらかの合意が成立して困るのはパレスチナ自治政府である。

現在のガザ地区の苦境の大きな原因は、パレスチナ自治政府が、ハマスへの経済制裁を行ってきたことである。(最近、ガザへの送金を再開したとの情報もある)状態のまま、ハマスがイスラエルとの合意に至れば、パレスチナ自治政府の立場はなくなる。

また、トランプ大統領が、水面下で、独自の中東和平を進めている中で、ハマスがイスラエルとの合意に応じた場合、ガザと西岸地区が分断され、パレスチナ人としての大義や権利が、消滅してしまうのではないかとの懸念も表明している。

*兵士侮辱17歳少女釈放でアッバス議長が英雄として歓迎

西岸地区では、イスラエル兵に暴力を振るって侮辱し(兵士は相手が若い女性であることから、殴られてもいっさい手をださなかった)、イスラエル治安部隊に逮捕されたアヘッド・タミミ(17)が、逮捕から11ヶ月後の7月29日、釈放された。

タミミは、家族そろって英雄として迎えられ、アッバス議長もタミミを、英雄として歓迎した。タミミの父親は、パレスチナ人の結束を訴え、「闘争は続く。ガザの「帰還への行進」を支持する。」と訴えた。

https://www.haaretz.com/israel-news/palestinian-teen-ahed-tamimi-released-from-israeli-prison-1.6315634

2)クシュナー大統領補佐官の動き

トランプ大統領は、アメリカの中東和平案を、”世紀の取引”と呼んでいるが、その全貌はまだ明らかにされていない。しかし、水面下で動いている模様で、時々断片的に情報が漏れてくる。

パレスチナ自治政府が懸念していることを裏付けるように、アメリカが、パレスチナ人の難民としてのステータスを剥奪する方向で、動いているという情報がある。

アメリカのクシュナー大統領補佐官とグリーンブラット米中東特使とのメールでの会話として伝えらえたところによると、クシュナー補佐官は、UNRWA(パレスチナ人に特化した国連難民支援組織)は、設立から70年も延々と同じことを続けているだけで、ハマスとの内通や汚職もあり、和平に貢献していないと考えている。

また当初イスラエル建国によって難民になった当時のパレスチナ人の救済を目的として設立されたUNRWAが、70年経過した現在においては、イスラエルとの和平交渉が成立するまで、パレスチナ人は延々と「難民」でありつづけるかのような理解で、支援を、延々と続けていると指摘する。

そこで、UNRWAは解散し、今いるパレスチナ人は、ヨルダンや、裕福な湾岸諸国が吸収する方向で、アメリカが本来UNRWAに送金する予定であった支援金を、それらの国に送るという案もあがっているようである。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5322304,00.html
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エルサレム郊外で17歳ナイフテロ:1人死亡 2018.7.27

 2018-07-27
26日午後9時、エルサレムとラマラに近いイスラエル人入植地アダム(人口5000人)で、イスラエル人3人が、パレスチナ人にナイフで刺されるというテロが発生した。

このうち、ヨタム・オバディアさん(31)が、何度も刺されて死亡。もう1人(58)も上半身を刺されて中等度の負傷。3人目のアサフ・ラビッドさん(41)は、これを見て駆けつけ、銃を出そうとして右肩をさされたが、車に残してきた銃を取り、テロリストを3回撃って射殺した。

アサフさんによると、テロリストは、血まみれになりながら、銃をとりに走ったアサフさんを殺そうとして追いかけてきたという。自分が死ぬか相手が死ぬかだと思ったと語っている。

このテロが発生したとき、不審な車が走り去るのが目撃されたため、共犯者がいる可能性があるとして、イスラエルの治安部隊はアダムの家屋一軒一軒を回って捜査した。今後も、部隊の数を増強して、西岸地区への捜索に入るとみられる。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5317912,00.html

死亡したオバディアさんには、妻と2人の息子(2歳と7ヶ月)がいた。地域のセキュリティに、家族ぐるみで貢献していたという。

事件は、トゥービーシャバットとよばれるユダヤ人のバレンタインデーの夜であった。ヨタムさんは、妻のタルさんに愛を告白するサプライズ・ディナーを計画しており、そのために用意していたものを両親の家に取りに行く道中で、殺されていた。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5318010,00.html

またオバディアさんは、父のアブラハム・オバディアさん(66)にとっては、一人息子だった。アブラハムさんは、近年中に、両親と、3人の兄弟を失ったという。一人息子の死を聞いた時、「次は私だと思っていた」と完全なショック状態だという。

https://www.timesofisrael.com/settlement-in-shock-after-father-of-two-yotam-ovadia-killed-in-terror-attack/

本日行われた葬儀では、小さな息子が「お父さん、お父さん」と泣いていたという。

https://www.timesofisrael.com/eulogizing-terror-victim-yotam-ovadia-at-funeral-ministers-lay-blame-on-pa/

<テロリストは17歳パレスチナ人>

事件を起こし射殺されたテロリストは、エルサレム北部のパレスチナ人地区、コバル在住のモハンマド・タリーク・ユーセフ(17)だった。モハンマドは、アダムのフェンスを乗り越えて侵入し、公園近くでテロ行為に及んだ。

治安部隊はただちにコバルにあるモハンマドの実家に捜査に入り、これまでにパレスチナ人4人を連行している。家族親族のイスラエルへの入国許可は停止された。また、家屋を取り壊すための測定も実施された。

この時150人ほどが、治安部隊に火炎瓶をなげるなどして衝突があったが、負傷者はなかった。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/249639

<残る疑惑>

この事件は、ちょうど1年前、パレスチナ人がユダヤ人入植地ハラミシュに侵入し、安息日を祝っていたサロモン一家のうち3人を惨殺した事件に,犯行の経緯がよく似ているため、治安当局は関連がないかを調査している。

またモハンマドは、犯行に及ぶ前日、フェイスブックに、「イスラエル軍のガザへの対応に反対する。革命の時が来た。」などと、若干、17歳にしては深すぎるのではないかとも思える内容を投稿していることから、背景に関しても精査されることになる。

<イスラエルの対処:アダムにイスラエル人家屋400件増築へ>

リーバーマン防衛相は、こうしたテロへの最善の対策は、西岸地区ににもっとイスラエル人の家を建てることだとして、今回被害にあったアダムに、400軒のイスラエル人家屋建設を許可するよう指示した。

なお、この400軒は、すでに許可申請が出されているものであり、このうち150軒がすでに建設中である。今回、残り250軒の建設許可が出たということである。アダムには、今1000軒の家があるので、1.5倍の広さになるということである。

https://www.timesofisrael.com/liberman-advances-plans-for-400-new-homes-in-terror-attack-settlement/

<石のひとりごと>

一つの若い家庭がまた破壊された。この若い奥さんと小さな2人の息子のところに、ヨタムさんはもう二度と戻ってくることはない。こんなあまりにも唐突な別れに、この家族はいったいどう対応していくのだろうか・・。

イスラエルでは、残念ながら、こうしたテロは、今にはじまったことではない。また・・ということであり、昨日のこのテロも、明日までにはもう報じられなくなるだろう。

記事を書いた私自身も、申し訳ないことに、昨年のテロ事件はもうすっかり、あとかたもなく忘れてしまっていた。昨年の記事を見ると、本当に多くのイスラエル人がテロの犠牲になっている。逆から見れば、パレスチナ人の若者もまた多くが帰らぬ人になったということである。

今回テロリストとして名を挙げられたモハンマドは、写真をみると、かなりの美少年。生まれる場所さえちがっていたら、こんな人生の終わりかたはしなかったであろう。

だれが一番笑うのか。サタンであろう。憎むべきはサタンなり。
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