恒例エルサレム・マラソン:今年も無事終了 2017.3.18

 2017-03-18
昨日金曜、エルサレムでは、毎年恒例のエルサレム市内マラソンが行われた。海外65カ国からの参加者3500人を含む3万人が参加した。

今回は、リトアニア系超正統派たちが、先にイシバ(ユダヤ教神学校)学生が、従軍を拒否して逮捕されたことに抗議して、大規模デモを行ってマラソン大会を妨害すると脅迫していた。

これに対し、バルカット市長は、「もし本当に妨害したら、リトアニア系の副市長を解雇する。」と反撃。テロへの懸念も含めて、治安部隊3000人が配置されていた。当日は、エルサレム郊外などで計40人が拘束されたが、マラソン大会は無事終了した。

今年は、テロで家族を失った家族たち3550人が、平和への願いと、回復の象徴としてマラソンに参加していたことが話題となった。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4936797,00.html

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/226858
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全国的にプリムの祭り 2017.3.10

 2017-03-10
イスラエルでは、11日日没(日本時間12日朝)より、12,13日とプリムの祭りとなる。

プリムとは、聖書のエステル記を記念する例祭。イスラエルがまだ捕囚から戻る前のペルシャで、イスラエル民族をの絶滅させようとしたハマンの企みを阻止した、ユダヤ人の王妃エステルを記念する。

聖書のエステル記に「神」は、直接登場しないのだが、例祭では、エステルを用いてイスラエルを絶滅から救われた神を覚え、その神は今もイスラエルを守っておられることを覚える例祭である。

11日夜と12日朝(エルサレムでは12日夜と13日朝)、ユダヤ教シナゴーグでは、「メギラ」とよばれるエステル記の巻物がそのまま読み上げられる。人々は、イスラエルの敵ハマンの名が出るたびに騒音をたててブーイングを飛ばすという楽しい行事である。

イスラエルでは、メギラの読み上げは、シナゴーグだけでなく、世俗派でシナゴーグに行かない人も楽しみながらユダヤ教に立ち返ることができるよう、公の場でも行われる。アルーツ7によると、今年はシナゴーグ外でも、全国400箇所で、メギラの読み上げが行われる。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/226439

プリムにおける習慣は、聖書に指示されている通り、贈り物をしあうこと。甘いクッキーや甘いワインなどが多い。また、後の世にできた習慣だが、仮装して通りに出て楽しむのもプリムの風物詩。

エルサレムやテルアビブ、ベエルシェバなど大きな町では、町をあげてのイベントが行われる。各地域の公民館でもイベントが行われる。エルサレムでは、イスラエル博物館はじめ、様々な博物館も、3月いっぱい、イベントを企画する。

実際のプリムは、3月11日、12日だが、今年は週末と重なるため、プリムのパーティやイベントは、9日からすでに始まっている。主要都市での予定は以下の通り。(一部)

3月9日(木) テルアビブ:ストリート・パーティ

3月10日(金) テルアビブ:ストリート・パーティ、エルサレム市役所前広場仮装イベント 11:00-15:00
         
3月11日(土) テルアビブ:ゾンビウオーク(ゾンビに化けて町を練り歩く)パーティ 21:30~

3月12日(日) テルアビブ:ファット・ボーイコンサート

3月25日(土) エルサレム・ナハラオット・パレード

以前、テロが頻発した時に、皆が仮装している中では、テロリストが見分けられないとして、一度だけ、政府から仮装禁止の指示がでたことがあったが、今は、そのようなテロに屈するかのようなことはしなくなった。

しかし、テロの危険がなくなったわけではなく、都市でのイベントでは、人々が群衆となって、しかも仮装して出てくるため、治安部隊にはかなり頭の痛い例祭である。

<ユニークな超正統派社会のプリム> 

超正統派社会のプリムは、なかなかユニークで、映画にもなっている。

超正統派の男性たちは、プリムの日には、派手に”酔っ払わなければならない”といことになっている。派手に酔うほどすばらしいとされる。そのため、プリムにメア・シャリームに行くと、様々な仮装に身を包んだ老若男女の間で、千鳥足になってふらふらと歩く二人連れの超正統派男性などを多数みかける。

・・・が、大阪で、反昏睡状態、目がすわって本当にわけのわからなくなっている酔っ払いを見ている筆者にしてみれば、まだまだ彼らは、酔っ払ったフリをしているだけのようにもお見受けする。

またプリムといえば貧しい人々への献金である。

ユダヤ教では、貧しい人々への献金は、「ミツバ」と呼ばれるよい行いの一つで、義務であると同時に、健康長寿、家に繁栄と祝福をもたらす鍵であると教えられている。聖書の教えに基づき、互いに贈り物をするプリムでは、特に貧しい人々への献金が強調されることになる。

高名なラビ宅では、この時期になると、貧しい人々が殺到するようにして訪問し、順番まちしてラビに面会し、自分の苦境を切々と訴える。

すると、ラビは、財布を取り出し、その人々に支援金を差し出すのだが、少ないと、貧しい人々は「もうちょっと」という顔と、さらなる苦境の訴えをはじめる。するとラビはしぶしぶ・・・という顔はせず、財布からもう一枚・・・紙幣をだす・・・のである。

プリムの直前になると、派手な制服をまとった7-8人の若者たちのグループを街でみかけるようになる。若者たちは派手な制服と帽子という出で立ちで、ラビたちの家を訪問して回る、いわば、「献金あつめます軍」である。

ユダヤ教では、毎年プリムになると、特に緊急に支援が必要な家族が指定され、皆はその人々のために献金をすることになっている。今年は4000家族だという。この献金集め軍は、特にラビたちの家々を回って献金を集めるよう、選ばれた若者たちである。

当然、若者たちは、日本人のように、「献金していただけますか」といった低姿勢ではない。無愛想にやってきて、「出せ」という感じである。

かなり派手にやってくるため、誰の目にもどのラビの家に入ったかは明らかで、派手に献金を出さざるを得ないようになっている。額が少ないと若者たちは家を去らない。

ドキュメンタリー映画「ハッピー・プリム」によると、若者たちが集める額は、50万シェケル(約1500万円以上)にのぼるようである。

ラビの妻たちもまた、若者たちにふるまうクッキーなどスイーツのバスケットを用意している。弟子たちにもそれぞれ贈り物を出さなければならない。ラビたちにとっては、なかなかの出費の時期と言えるだろう。

ドキュメンタリー「ハッピー・プリム」トレイラー https://www.youtube.com/watch?v=hGxE-tbZlt4

では、そのラビたちはどこからお金を得るかだが、ユダヤ教では、エルサレムに住んでいるだけで特別なので、そのエルサレムの、ましてラビを助けることは、ディアスポラ(海外在住ユダヤ人)の「ミツバ」と考えられている。

エルサレムのラビたちは、献金を受けて、それをまた献金として押し流す、というしくみなのである。従って、ラビから受け取る人も、感謝・・・というよりは、まあもらうことがあたりまえ・・・ということである。

関心したのは、貧しい家族への献金の届け方である。エルサレムでは、献金は、プリム当日に届けられることになっている。

集める時は相当派手に集めるのだが、献金を届ける時は、一人がこっそり、なるべくわからないようにその家に行く。受け取る方は、扉を10センチぐらい開いて、手だけを出して、封筒を受け取る。貧しい人の顔は一切見えない形になっている。渡す方もさっさと渡して、そのまま帰るだけだ。

欧米などキリスト教系のチャリティの場合、受け取った人の写真をとって、献金者に”結果”として送る必要のある場合が少なくないが、ユダヤ教のやり方はまったく逆であることを理解しておく必要があるだろう。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/226423

いずれにしても、ハッピー・プリム。エルサレム、また世界中のユダヤ人の上に主の守りと祝福があるように祈ろう!
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現代のエステル:イスラエル軍の女性兵士たち 2017.3.10

 2017-03-10
プリムといえば、王妃エステル。また、今年は国連の国際女性デーが3月8日に行われたこともあり、イスラエルでは、国防軍の女性兵士に焦点を当てた記事が多く出た。

それらによると、イスラエル軍での女性兵士たちの数、役割は重要性を増している。イスラエル軍では、85%の部署が女性にも門戸を開いているという。

アルーツ7が、イスラエル軍のバカール中尉の話として伝えたところによると、最前線で戦う戦闘部隊隊員の7%が女性。戦闘機パイロットはじめ、これまではタブーとされてきた戦車にも女性兵士が配備されるようになっている。

男女混合部隊は増える傾向にあり、司令官が女性で、その下に数十人の男性兵士がいる場合も珍しくない。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4932441,00.html

さらには、宗教的な女性の従軍も増えている。この10年ほどで、宗教的な女性で従軍した人の数は、900人から2135人と倍増している。

その背景にはサイバー部隊、諜報活動などの分野での重要性の拡大や、一応は平和と目されるエジプト、ヨルダンとの国境警備など、女性が求められる働きが拡大していることも理由に挙げられている。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4932964,00.html

しかし、こうした流れは、男女の役割の違いを重要視し、男女同席すら認めないユダヤ教にとっては問題である。

今週、西岸地区入植地エリで、従軍前アカデミーを導くラビ・イーガル・レビンステインは、「イスラエル軍が我々の女性たちに悪影響を及ぼしている。ユダヤ人として従軍するが、兵役を終える時にはユダヤ人でなくなっている。(世俗的になってしまうという意味)」と発言し、論議と反発を呼んだ。

最終的に、イスラエル軍は、女性兵士の拡大を支持すると発表。

ネタニヤフ首相も「女性兵士たちは、ヤエル(聖書時代)から、近代には、ハナ・セネッシュ、エツェル、パルマッハ、レヒ、そしょてイスラエル軍、国境警備員など、時には高い地位にもついている。国家防衛の重要な存在である。」と女性兵士の活躍を支持する発言を行った。

http://www.timesofisrael.com/after-rabbi-chides-crazy-female-soldiers-idf-says-army-is-for-everyone/

*ちょっと余談:イスラエル軍に従軍するということ

イスラエルでは、国を守る祖国の軍に入隊することをあこがれる若者たちがいる。ロイ・フィッシュマンさんは、脳性麻痺を患っているが、両親は、できるだけ健常者と同じ待遇を維持してロイさんを育てた。

そのロイさんにとっては、イスラエル軍に従軍しユニフォームを着ることが夢だった。イスラエル軍には、「スペシャル・インユニフォーム」という部署があり、様々なニーズをかかえる若者がイスラエル軍に従軍し、それぞれの能力を用いる門戸を開いている。

ロイさんも、イスラエル空軍基地で働く。こうした経験が、本人にも家族にも大きな励ましとなっている。

ビデオあり:http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/226443
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ユニークな国イスラエル 2017.1.20

 2017-01-20
イスラエルは、非常に多様な国で、古きものと新しきものが同居する国である。興味ふかい話題を3つ。

1)50年後までに3人に1人は超正統派になる!?

超正統派ユダヤ教徒は、近代においても中世さながらのユダヤ教律法に忠実であろうとするグループである。一組の夫婦が4-5人の子供達を出産するため、その人口増加率は、一般のユダヤ人家庭よりも多い。

国家統計局によると、50年後の2065年には、イスラエルの総人口は2500万人となり、その3人に1人は超正統派になると推測されている。

なお、2017年初頭での人口は、2%増加して863万人。昨年中に生まれた新生児は18万1000人。移住者は2万4000人。移住以外に理由でイスラエルに新たに住むようになった人は1万2000人。

ユダヤ機関(上記中央統計局データとは異なる)によると、移住者は、一昨年3万1000人であったのが、昨年は27000人と大幅に減少していた。

移住元で、最も多いのはロシアから、続いてウクライナなど旧ソ連地域、フランス、アメリカとなっている。いずれも、昨年は減少傾向に転じていた。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4900347,00.html

2)世界一の太陽発電塔

イスラエルはネゲブ砂漠の厳しい太陽熱を利用する広大な太陽発電所を建設している。250メートルに及ぶ世界一高い太陽発電塔があり、パネルは5万枚に及ぶ。2018年の予定。

このプロジェクトでできるエネルギーは、310メガワットで、全国の1.6%、13万世帯、全人口の5%の電力消費をカバーする。さらに電力をつくるだけでなく、太陽が沈んだあとも電力を蓄えることができる。太陽電池の研究も進められている。

この発電所が予定通り、2018年に完成すれば、国際的にも、CO2削減に貢献できる。イスラエルでの太陽熱は、非常に強力なので、今後さらに有効利用できると目されている。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4903722,00.html

3)イスラエル軍の戦闘用ロボット

イスラエル軍では、6ヶ月前から、歩兵部隊に戦闘用ロボット”ロニ”が配属されている。働きは主に、様々な地形を乗り越え、危険なトンネル内や、テロリストがいそうな家々に入って行って、探査することである。

ロニが行くことで、人間の兵士がこうした危険な任務を負わなくてもすむようになる。ガザとの戦闘では、トンネルや家々を探査する任務で多くの兵士が命を失い、ガザ市民を死亡・負傷させてしまうなどの課題も浮き彫りとなっていた。

イスラエル軍では、あらゆる失敗を無駄に終わらせることなく、必ず実質的な改善が行なわれている。このようにして、常に軍事技術を進歩させている。まさにイスラエルでは失敗こそが前進の母になっているようである。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4907117,00.html
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アザリア軍曹有罪判決でイスラエル分裂騒動 2016.1.9

 2017-01-09
昨年3月、ヘブロンですでに撃たれて瀕死となっていたパレスチナ人テロリストに、改めて発砲し、死にいたらしめたエロール・アザリヤ軍曹(20)の行為について、裁判が続けられていたが、先週水曜、”故殺剤”にあたるとする有罪判決が出た。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4902894,00.html

*故殺:計画性がなく、一時の激情で殺意を生じて殺人に及んだ場合の殺人

アザリヤ軍曹の弁護団は、アザリア軍曹は瀕死になっていたパレスチナ人テロリストが、自爆しそうな動きをしたと判断し、新たな犠牲者を出さないために発砲したと主張していた。

一方、イスラエル軍は、軍曹が発砲したのは、テロリストが撃たれてからすでに数分が経過してからのことで、自爆のおそれがないことは確認されていた。すでに無害になっている人間に発砲することは、イスラエル軍の規範に反すると主張していた。

その後、激しい論議の中で、裁判が続けられてきたのだが、最終的に先週水曜、このパレスチナ人は、最初の銃撃ではなく、アザリヤ軍曹の発砲で死亡していたとして、アザリア軍曹は”故殺罪”にあたるとの判決が出されたものである。

これを受けて、400人あまりが、テルアビブのイスラエル軍本部前で、判決に不服を申し立てるデモを行った。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4902933,00.html

デモ隊の一部は、過激右派で知られるサッカーチーム・エルサレム・ベイタールのサポーターらで、イスラエル軍のガビ・エイセンコット参謀総長の暗殺をほのめかすような挑発を叫んで、少なくとも4人が逮捕される騒ぎとなった。

すると今度は土曜夜、テルアビブで、こうした挑発に反対し、イスラエル人は分裂するべきではないと訴えるデモ集会が行われ、数千人が参加した。

このデモには、ガザで重傷を負った元兵士や、2014年に16歳の息子を失った家族なども参加していた。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4904285,00.html 

また、歴代参謀総長を務めた5人が、国の判決に反して挑発的な行動と取る行為には反対するとそろって表明した。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4904425,00.html

しかし、日曜のテロ事件で、兵士たちが戦わず、ちりじりに逃げたのは、アザリア軍曹の例から兵士たちが発砲に躊躇したためではないかとの見方がある。
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