FC2ブログ

3回目総選挙か直接選挙か 2019.11.8

 2019-11-08
イスラエルでは2回目の総選挙が行われたが、3回目になる可能性が高まってきた。これを避けるため、ネタニヤフ首相とガンツ党首の一騎打ちちとなる直接選挙の可能性が出てきている。経過は以下の通り。

<連立権限:ネタニヤフ首相からガンツ党首へ>

9月17日の2回目総選挙後。リブリン大統領は、リクードとブルーアンドホワイトにより国家統一政権の立ち上げを望んだが、両者がそれを受け入れることはなかった。このため、リブリン大統領はやむなく、まずネタニヤフ首相に、連立形成の権限と任務を与えた。

ネタニヤフ首相は、ガンツ氏に、リクードとブルーアンドホワイトの2党による統一政権を持ちかけたが、ブルーアンドホワイトのガンツ党首が、これに応じることはなかった。このため、ネタニヤフ首相は、立ち上げ期限(28日間)が終了する2日前、仮庵の例祭が終わるや否や、リブリン大統領にこの権限を返上した。

これにともない、リブリン大統領は、23日、ブルーアンドホワイトのガンツ党首に連立形成を任命。ガンツ氏は、ブルーアンドホワイトと、リクード(ネタニヤフ首相以外の党首)、イスラエル我が家党(今回の混乱のきっかけを作ったリーバーマン氏)の3党による連立政権を目指すとみられた。

28日、ガンツ氏は、テルアビブにて、ネタニヤフ首相と会談。ネタニヤフ首相は、リクードが党首の首をすげ替えることはないこと、また、リクードに極右政党とユダヤ教政党も加わって、ネタニヤフ首相が立ち上げた右派ブロック(55議席)も崩れることはないと強調した。

ネタニヤフ首相を辞任させること、ユダヤ教政党抜きの連立を立ち上げることが、公約であるガンツ氏がこれに応じることはできない。両者は、近い将来また会談するということで合意した以外、なんの合意にも達することはできなかった。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5614416,00.html

<ガンツ氏のジレンマ:イスラエルにアラブ政党の政権入りはありえない>

ガンツ氏がとりうるオプションとしては、過半数に満たないマイノリティ政府(ブルーアンドホワイト、イスラエル我が家、労働党)を立ち上げ、国会において、アラブ統一政党の支持を得ながら進めるという道がある。

ガンツ氏は、28日、アラブ統一政党のアイマン・オデー氏らと会談。国会での支持だけでなく、アラブ政党が連立政権に入る、つまりは、アラブ人がイスラエルの閣僚になることもありうる状況にあることが明らかになった。

https://www.timesofisrael.com/arab-mks-meet-with-gantz-call-for-real-diplomatic-process-with-palestinians/

しかし、アラブ統一政党に頼る政治が、ユダヤ人の国としてのイスラエルの益になるとは考えにくく、中道左派とはいえ、シオニストを自称するブルーアンドホワイト自身の方針にも反することになる。

次なる可能性は、国家統一政権を、リクードのネタニヤフ首相とともに立ち上げ、まずはガンツ氏が2年間、先に首相となる。

その間、ネタニヤフ首相には、自身の汚職疑惑に関する起訴問題に集中してもらい、もし疑惑が晴れたら、後半の2年間はネタニヤフ首相が首相となるという道である。しかし、ネタニヤフ首相は、これを拒否しているわけである。

このままいけば、3回目総選挙にならざるをえなくなるが、3回目もまた結局同じことになるのは目に見えており、前代未聞、4回目総選挙になる可能性も否定できない。

*故ラビン首相メモリアルでガンツ氏メッセージ

2日安息日明け、テルアビブのラビンスクエアでは、故ラビン首相(労働党)のメモリアルが今年も行われ、群衆がスクエアを埋め尽くした。テルアビブの世俗派に支援者が多いガンツ氏も、この式典でメッセージを述べた。

ガンツ氏は、故ラビン首相が、自身と同じ元イスラエル軍参謀総長であったことを強調。ラビン首相が、1994年のヨルダンとの和平条約締結にあたり語ったメッセージに自らを投影して、「平和への戦い」を導くと宣言した。

しかし、ラビン首相は、言うだけでなく猛烈な実行者であったことから、ガンツ氏には、まだそこまでの動きは見えないとする冷えた意見もある。また、右派に傾く世論の中には、ラビン首相とアラファト議長との和平が、結局はテロにつながったとして、ラビン首相のこの動きを評価しない人も少なくない。

https://www.timesofisrael.com/hearing-gantz-at-memorial-rally-participants-say-hes-no-rabin-but-could-be/

<ネタニヤフ首相:3回目総選挙への対策開始か>

ネタニヤフ首相はすでに3回目総選挙を見据えているとみえる動きに出始めている。チャンネル12によると、ネタニヤフ首相と、ナフタリ・ベネット氏(元教育相)が最接近しているという。

ネタニヤフ首相は、4月、総選挙で、ユダヤの家党がまさかの最低投票率を獲得できなかったことからベネット氏と、その相棒で法務相であったシャキード氏を政府閣僚から辞任させた。これにより、ネタニヤフ首相の味方になりうる右派勢を失ったとも指摘されていた。

そのベネット氏に、今、この時になって、ネタニヤフ首相が近づいているということは、3回目総選挙になった際に味方を増やしておくともみえる動きである。

https://www.timesofisrael.com/netanyahu-said-considering-reappointing-bennett-to-cabinet/

*まだ検討中?ネタニヤフ首相起訴かどうか

ネタニヤフ首相の汚職疑惑とそれに対する起訴については、実に延々と話題になるが、いっこうになんらかの決断に至るということにはまだなっていない。

ネタニヤフ首相の起訴を決めるのは、マンデルビット司法長官であるが、どうやら今月末までには、その決断を発表するとみられる。

それまでの間に、仮に3回目の総選挙になった場合、たとえ起訴されていたとしても、ネタニヤフ首相は、リクード党首として選挙を導くことに法的な障害はない。しかし、いざ首相になるとなれば、起訴内容をクリアされている必要があるという。

リクードが、この問題から、党首選を行うとも言っていたが、今の所、その動きもない。汚職はあっても国にとって必要な人物でもあるとみえ、司法長官も苦渋の決断のようである。

そのネタニヤフ首相だが、10月21日、70歳の誕生日を迎えた。11月3日には、エルサレムのクリスチャン・メディア・サミットでの演説を行った。13年以上首相を務め、イスラエルを安定した状態に導いたと自負する様子には、やはり他の比べようのない不動の貫禄を感じさせるものであった。

<ネタニヤフかガンツか:直接選挙の可能性>

3回目になる総選挙は、コストがかかるだけでなく、3回目も2回目と同じ結果になるとみられ、どこまで意味があるのかはわからない。そこで、選択肢としては、リブリン大統領が、3人目のだれかに連立政権立ち上げを任せるという選択肢である。

3人目とは、たとえば、リクードのエデルステイン氏(現国会議長)や、リクードでネタニヤフ首相に次ぐリーダーであるギドン・サル氏や、イスラエル・カッツ氏などである。この場合、すぐにでも国家統一政権が立ち上がるとみられるが、強いリーダーシップは期待できず、すぐに解散してしまう可能性が高い。

このため、今、イスラエルで議論されているのが、ネタニヤフ首相とガンツ氏の一騎打ちとなる直接選挙である。これを提案したのは、ユダヤ教政党シャスのアリエ・デリ党首である。

イスラエルは、1996年、1999年、2001年にも直接選挙を経験しているが、この方法では安定した政権にならないため、国民が政党に投票し、国会の議席数で決める方法が基本として、法的にも戻されたのであった。

今回、また直接選挙となると、法律を新しくするところから始めることになるが、今の所、ネタニヤフ首相はこの案には同意しないと言っている。

直接選挙になった場合、ネタニヤフ首相対ガンツ氏であるが、チャンネル12の世論調査では、ネタニヤフ首相支持は40%、ガンツ氏支持は36%となっている。

https://www.jpost.com/Israel-News/Should-we-expect-a-political-breakthrough-this-week-analysis-606718

ガンツ氏の連立立ち上げ期限が切れるのは、11月18日。3回目総選挙を避けられるかどうか。注目されるところである。
カテゴリ :イスラエル国内ニュース トラックバック(-) コメント(-)
タグ :

長い秋の例祭終わる:イスラエルを待ち構える内外の課題 2019.10.21

 2019-10-21
イスラエルでは、1日の新年、9日のヨム・キプール、13日から始まった仮庵の祭りと例祭続きであったが、21日のシェミニ・アツェレートが最終日となる。ガリラヤ地方では、日中まだ35-36度と暑いが、エルサレムは朝夕涼しく長袖の秋模様である。

20日は、ホサナ・ラバ。日の出前から、嘆きの壁広場では、4つの植物、エトログ(黄色い果実)、ルラブ(ナツメヤシの葉)、ハダス(ミルトスの枝)、アラバ(柳)を手に、ユダヤ人たちが再び集結。

罪の赦しを受け取る最終の日であるとされ、最終的に罪を捨てて赦しを受け取るしるしとして、アラバを地面にたたきつけていた。同時に、今年も雨が降るようにとの祈りがささげられた。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/270335

20日の日没からは、シェミニ・アツエレートと呼ばれる仮庵の7日の後の8日目を祝う。罪をすべて赦され、神と親密に過ごす時と言われ、その最高の喜びを表現する日である。終末の後に来る時代を表すとも言われている。

この日はまた、シムハット・トーラーとも呼ばれ、1年の聖書朗読が完了する日とされる。この日、トーラーの巻物を抱いて外に出し、男性たちがその周りを楽しそうに踊って回る。これについては、中世に始まった習慣とのこと。

ディアスポラ(流浪中)のユダヤ人は、シェミニ・アツェレートの翌日にシムハット・トーラーを祝っていたことから、イスラエルでも、今日と明日までの2日間にわたってこの祝いが行われる。町中が混み合うということである。いやはや、例祭が長いというのもまたなかなか大変である。

<今年もエルサレムパレードで万国民がエルサレムでパレード>

クリスチャンエンバシー(ICEJ)が毎年、仮庵の祭りに大きな国際的なカンファレンス(今年40回目)を行っているが、今年も約5000人のクリスチャン(主に福音派)が、約100カ国から集まって5日間、仮庵の祭り集会を行った。

毎年恒例のエルサレム市主催のパレードにも参加。今年は17日、約5000人が、それぞれの国旗とともに、エルサレムとイスラエルへの支持をふりまいた。今年はエジプトからの参加もあったという。すっかりエルサレムの仮庵の祭りにおける風物詩となっている。

https://www1.cbn.com/cbnnews/israel/2019/october/its-the-fulfillment-of-prophecy-why-5-000-christians-from-100-nations-are-in-jerusalem

エルサレムに攻めて来たすべての民のうち、生き残った者はみな、毎年、万軍の主である王を礼拝し、仮庵の祭りを祝うために上って来る。(ゼカリヤ書14:16)
カテゴリ :イスラエル国内ニュース トラックバック(-) コメント(-)
タグ :

3回目総選挙か:ネタニヤフ首相統一政権案をガンツ氏拒否 2019.10.21

 2019-10-21
秋の例祭が終わると、イスラエルでは国内外で嵐が待ち受けている。2回目の総選挙で、連立政権立ち上げの使命を受けたネタニヤフ首相だが、連立を立ち上げることができず、来週水曜23日に、その期限28日を迎える。

その後、14日間の延長が認められているが、ネタニヤフ氏が延長を求めることはないだろうとの見通しである。

https://www.timesofisrael.com/netanyahu-wont-seek-more-time-to-form-coalition-says-likud-mk/

<これまでの流れまとめ>

半年の間に2回も総選挙を行ったあげく、結局過半数を占める連立政権も、また左右混合の統一政権樹立もならず、リブリン大統領は、やむなく”統一政権の樹立を期待して”ネタニヤフ首相に連立政権樹立の役割を指名した。

この時点で、ネタニヤフ首相のリクード(32)とユダヤ教政党を含む右派勢は、計55議席。対する中道左派ブルーアンドホワイト(33)が、労働党(6)と左派メレツ(5)と組んだとしての左派勢は、44議席であった。

ネタニヤフ首相は、まずは、ガンツ氏に、リクードとブルーアンドホワイト、2党だけの右派左派統一政権を持ちかけた。しかし、ガンツ氏はあっさりとこれを拒否。ネタニヤフ首相が、右派勢をひとつのブロックとして、ユダヤ教政党が必ず残る形をつくった上で、この話をもちかけたからである。

ガンツ氏がこれを拒否した時点で、ネタニヤフ首相が連立樹立の指名を返上するかとも思われた。しかし、ネタニヤフ首相はまだあきらめず、今も、連立立ち上げを模索している。

一方、ガンツ氏の方に、独自の連立立ち上げに向けた具体的な動きが見えてこなかったことから、ネタニヤフ首相は、仮庵の祭り中に、具体的な統一政権案をガンツ氏に再度持ちかけた。しかし、ガンツ氏は、やはり拒否した。  

しかし、もしかりに、ネタニヤフ首相に代わって、ガンツ氏が連立立ち上げをした場合、どのパターンでも、政過半数を割る不安定な少数政権となり、国会においては、リーバーマン氏のイスラエル我が家党(8)と、アラブ統一政党(13)が基本的にサポートするという条件の政治運営しか道はない。

ネタニヤフ首相は、「ガンツ氏、その相棒のラピード氏、リーバーマン氏は、アラブ政党の支持に依存する政治運営を計画している。これはヒズボラやイランに対抗できなくなる可能性を示唆するもので、イスラエルを危機に陥れるものだ。」と訴えるデビオクリップを流した。

これを受けて、ガンツ氏は、「ネタニヤフ首相。9月17日に選挙はもう終わっていた。あなたは連立を樹立できなかった。ビデオクリップを作っているヒマがあったら、さっさと指名を大統領に返上し、私にその役割をひきさたすべきだ。」との声明を出した。

<リブリン大統領はどう決断するか>

今後どうなるかだが、もし来週、ネタニヤフ首相が、連立立ち上げを返上した場合、まずは、リブリン大統領が、この使命をガンツ氏に渡すのかどうかが焦点となる。

チャンネル13によると、ガンツ氏が、イスラエル我が家(リーバーマン氏)とリクード(右派ブロックではなく、リクードのみ)の代表を招いて、この3者による統一政府を計画しているといった報道も出始めている。

https://www.timesofisrael.com/netanyahu-gantz-planning-government-with-backing-of-dangerous-arab-parties

いずれにしても、3回目総選挙の可能性はいぜんとして高いままである。
カテゴリ :イスラエル国内ニュース トラックバック(-) コメント(-)
タグ :

入植地の極右ユダヤ人とイスラエル軍が衝突 2019.10.21

 2019-10-21
入植地に住む過激なユダヤ人の若者たちとイスラエル軍が衝突するという事件が発生している。この若者達は、ヒルトップ・ユースと呼ばれ、極右でパレスチナ人への暴力を繰り返すグループである。

白い服に身を固め、投石したり、パレスチナ人の畑や家、モスクに放火し、2015年には5歳児を除く一家3人が焼死するという事態にまでなった。パレスチナ人の間では恐怖になっている。このグループの活動がまた表に出始めている。

先週、イスラエル軍(ゴラニ部隊)は、西岸地区ナブルス近郊のユダヤ人入植地イズハルの谷ににあるパレスチナ人の町、フワラに放火しようとしたイズハル在住のヒルトップユース(10代)を逮捕した。

すると別のヒルトップユースが、ゴラニ部隊のアユブ・カヤフ少佐が運転していた車を止めて、暴行しようとした。カヤフ少佐はこれを逃れて、警察に通報。イズハル在住のヒルトップユース2人目が逮捕された。

すると、安息日の夜中3時すぎ、30人ほどのヒルトップユースが、イズハル付近を警備していたイスラエル軍兵士らに向かって、投石したりタイヤをやくなどの暴動を始めた。これにより、兵士1人が軽傷を負った。

イスラエル軍は、暴動対処法にしたがい、空中に発砲してこれを取り押さえた。これはユダヤ人同士の争いで、イスラエル軍としても心苦しい任務である。

西岸地区のユダヤ人入植地は、ショムロンとよばれるサマリア地区自治組織が運営している。その代表ヨシ・ダガン氏は、地域に駐留するイスラエル軍を訪ね、これは外部から来た少数のグループによるものであり、イズハル住民、ショムロン住民は、軍に敬意と感謝を忘れていないと強調した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5610159,00.html

これらのヒルトップ・ユースは、主に、ユダヤ教超正統派で、厳しい律法遵守とトーラーの学びのみの毎日から落ちこぼれ、行き場を失った若者たちで、ユダヤ人過激右派らが集め、こうした行為を行わせているとも言われている。

超正統派の生活に疑問を持ち、そこから離脱するユダヤ人は、イスラエルの中央統計局によると、年間8-10%にも及んでいるという。

https://www.youtube.com/watch?v=Ketwp_WYu2k&t=8s
カテゴリ :イスラエル国内ニュース トラックバック(-) コメント(-)
タグ :

ヨム・キプール:国をあげての悔い改め 2019.10.9

 2019-10-09
エルサレムでは、8日午後5時40分(日本時間午後11時40分)からヨム・キプール(大贖罪日)が始まる。終了は10日午後6時51分(日本時間0時51分)。この間の25時間の間、水も飲まない断食を行い、神、主の前に静まり、へりくだり、その赦しを受け取る。

この日は、政府、学校、店もすべてが閉まる。世俗派と言われ、普段は宗教的なことをしない人々でもほとんどが断食をする。テルアビブのハイウェイもガラガラである。

8日午後4時ぐらいから道路上に車はなく、人々は歩いて近隣のシナゴーグに向かう。夕刻はまだ、こどもたちがからっぽになった道路で、にぎやかに遊ぶ声がするが、夜がふけるにつれ、いつもにまして静かな夜となる。

空港では、明日日没までは、飛行機の発着もない。まさに、国をあげて、天地創造の神の前に出る日である。

https://www.timesofisrael.com/israel-shuts-down-for-yom-kippur-2/(からっぽの道路など)

しかし、ヨム・キプールは、この日に悔い改めるということではない。この日は、悔い改めの終わっている罪についての赦しを受け取る日であり、神がその書に赦した人の名とその人に関することを記す日とされる。

したがって、ヨム・キプールまでの10日間に(スファラディは1ヶ月近く)、これまでの自らの歩みを振り返り、悔い改め、不仲になっている人々との人間同士の和解をはかる。まずは人間同士の和解があってから、神の前に出て赦しを請うことになっている。この期間をスリホットという。

この間、人々は、「グマル・ハティマ・トバ(神の書によきことがかかれますように)」と挨拶する。7日は、その最終日とあって、嘆きの壁は約10万人で埋め尽くされた。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/269922 (ビデオあり)

スリホットでは、深夜0時に、2人のチーフラビ(スファラディとアシュケナジー)がそれぞれ代表の祈りを行うが、アラブ中東系のスファラディのラビははでに泣きながらの祈りをささげ、欧米系アシュケナジーのラビは品よく赦しを請う祈りを捧げる。それにあわせて、嘆きの壁にいる10万人も、一斉に祈りの声を上げる。

ヨム・キプールの日もほぼ同じ光景である。

<リブリン大統領:刑務所厚生施設を訪問>

リブリン大統領は、スリホットの期間中、刑務所からの出所した人の更生施設で生活する女性、ダラル・ダウドさんを訪問した。

ダラルさんは、家庭内暴力に耐え続けて夫を殺し、終身刑の判決を受けて服役。すでに18年が経過していた。リブリン大統領は昨年、ダラルさんの状況を鑑みて恩赦とした。ダラルさんは、4ヶ月前に刑務所から出所したが、すぐに社会復帰ができるわけはなく、以後、この厚生施設で生活している。

ダラルさんは、できれば社会に復帰し、働きたいという願いを持っている。リブリン大統領は、「自分にあきらめるないように。国はあなたがたを必要としているから。」と励ました。

大統領は、3ヶ月前に、最愛の妻ネハマさんをなくしたばかり。その後もまったく休みをとらず、以前とまったく同じように、大統領としての立場を用いて、人々を励まし続けている。

https://www.timesofisrael.com/ahead-of-yom-kippur-rivlin-brings-message-of-forgiveness-to-ex-convicts/

<石のひとりごと>

数日前、イスラエルの地上波テレビ、つまり、国民すべてが見ることのできるテレビで、「地上にいる人間で罪のないものは一人もいない。」として、悔い改めが呼びかけられていた。こんな国がいったい世界の他にあるだろうか。

イスラエルという国は、目に見える形で、聖書に書かれている通りの神の教えを、国をあげて実行することで、その存在を証している。

イスラエルはそのよい行いによって、または常に祝福されている姿でもって神を証ししているのではない。ただその教えに忠実であるという姿。しかし、しょっちゅうそのことに失敗して、痛い目にあい、ようやく軌道修正する姿。

しかも何度失敗しても見捨てず、この国が存在し続けていることで、この神が、実在することと、決して見捨てることのない神であるということを証している。

しかし、それだけが目的なのではなく、実際のところ、この聖書の神の戒めを守ることは、人間の益になることである。1年に一回でも、このように、自分を超え、自分を裁く立場にある神の存在を覚えることで、生き方の軌道修正ができ、結果的に自分を守ることになるからである。

しかし、日本には、自分を超える存在はないと言ってもよいだろう。宗教は数あるが、基本的には、自分の幸せを叶えるための方策としての存在であり、また恐れである。さらに、昨今では、その存在すら、軽視される傾向にある。

そうなるとどうなるだろうか。人間は、自分がすべてであり、自分の考えや行動だけが基準になってしまう。罪という認識がなくなる。そうなると、わけのわからない殺人や、自分の子供より、自分のニーズを優先させるといったモラルの崩壊に陥ってしまう。

前にも書いたが、聖書をただの宗教の一つとして無視することはあまりにも、残念。いや危険である。世界情勢はどんどん聖書に書いてある通りの動きに入り始めている。しつこいようだが、日本の同胞諸氏にもぜひ聖書に興味を持っていただきたいと願うところである。
カテゴリ :イスラエル国内ニュース トラックバック(-) コメント(-)
タグ :

首相交代になるか?:ネタニヤフ首相起訴前最終聴聞終了 2019.10.9

 2019-10-09
<第22国会就任>

10月3日、9月17日の総選挙で選ばれた120人の議員からなる第22クネセット(国会)の就任式が行われた。同様の就任式は5ヶ月前にも行われたが、すぐに解散総選挙となったのであった。

就任式には、ネタニヤフ首相、ガンツ氏、リーバーマン氏、ユダヤ教政党党首たちなどが一堂に会し、就任式にのぞんだ。アラブ系議員は、北部でアラブ人のボイコット運動があったため欠席。リブリン大統領は、違いを乗り越え、政権を立ち上げるよう要請するメッセージを語った。

国会議長のユリ・エデルステイン氏は、「ユダヤ人の国は政府の立ち上げに2回も失敗した。また失敗して3回目の総選挙になるようなことになれば、国民は我々を赦さないだろう。」と語り、分離ではなく、ともに政府をたちあげるようにと語った。

https://www.timesofisrael.com/at-knesset-swearing-in-rivlin-urges-lawmakers-to-shed-politics-of-division/

<連立政権の見通し立たず>

国会の就任式は終えたものの、肝心の連立政権はまだ立ち上がっていない。

リブリン大統領から、連立立ち上げの指名を受けたネタニヤフ首相は、ブルーアンドホワイトのガンツ氏との交渉したが失敗。リーバーマン氏との交渉にも臨んだが、合意を得ることはできなかった。すぐにも指名を返上するのではとも言われていたが、今の所、返上はしていない。

しかし、このままでは何も動かないため、ネタニヤフ首相は、リクードの党首選挙を示唆。これでリクードが再びネタニヤフ首相を党首に選べば、ネタニヤフ氏は強気で連立立ち上げに臨める。

ところが、ネタニヤフ首相は、すぐにこれを撤回した。リクード内部では最強のライバル、ギドン・サル氏(52)が、もし党首選が行われるなら「出馬する用意がある。」と表明したからである。

今後、もしネタニヤフ首相、続いてガンツ氏も連立政権を立ち上げられなかった場合、国会が首相を選ぶことになるが、その場合、可能性が出てくるのがサル氏と目されている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5604531,00.html

ともかくもイスラエル政府が例祭の休暇に入ったことと、ネタニヤフ首相の聴聞が始まったことで、この件は、一時おあずけ状態になっているが、3回目総選挙の可能性はまだ残されている。

<ネタニヤフ首相の起訴前最終聴聞終了>

国をあげての悔い改めスリホット中、また次の連立交渉が進むと同時に、ネタニヤフ首相を起訴するかどうかの最終聴聞が、司法省で4日間行われた。これにより、マンデルビット司法長官が、ネタニヤフ首相を起訴するかどうかの最終決定と行う。

ネタニヤフ首相の弁護チームがめざすのは、まったくの不起訴ではなく、司法長官の起訴状が、収賄から背任(もっと悪いように聞こえるが。。)などに軽減することである。

ネタニヤフ首相の汚職疑惑は、現在3件あるが、最初の2日間の聴聞は、ケース4000(通信会社ベゼックにビジネス上の便宜をはかる見返りとして、そのメディア・ワラにネタニヤフ首相に有利な記事を書かせた疑惑)についてが話し合われた。

首相側弁護士代表はラム・カスピ氏。対する国家検事は、シャイ・ニツァン氏と副検事のベン・アリ氏。女性検事のベン・アリ氏は、前オルメルと首相を有罪にした強者である。

次に2日間延長して、ケース1000と2000についての聴聞が行われた。ケース1000は、ネタニヤフ首相夫妻が、アメリカの億万長者らから、非常に高価な贈り物を多数受け取っていたという疑惑。(例 27万7254シェケル(800万円以上)分のシガー、19万9819シェケル(約600万円分のシャンパンなど)

ケース2000は、大手メディアのイディオト・アハロノトとイスラエル・ハヨムに、知人を通じて、首相に有利な記事を書かせていたという疑惑。

この中で、問題として残るのは、おそらくケース4000とみられている。

マンデルビット長官は、早ければ来週、少なくとも12月までに起訴に関する決定を行うことになる。ややこしいのは、この決断と連立交渉が並行しているということ。もし起訴が決まれば、ネタニヤフ首相の政治生命は終わることになるが、そうならない可能性もまだ残されており、まだまだ先行きは不透明。
カテゴリ :イスラエル国内ニュース トラックバック(-) コメント(-)
タグ :
≪ トップページへこのページの先頭へ  ≫ 次ページへ ≫