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イランとアメリカ戦争か否か:イスラエルの反応と分析 2019.6.26

 2019-06-26
 
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写真出展:BBC

<急速に悪化するイランとアメリカ:対立の構図>

イランとアメリカが戦争直前にまで迫っていることは連日報じられている通り。13日、安倍首相がイランの首脳と会談し、アメリカとの対談をすすめたところ、それに合わせたかのように、日本企業含む2隻のタンカーが攻撃された。

アメリカがイランによるものと断定する声明を出すと、イランはこれを正面から否定。17日には、ウランの濃縮スピードを4倍にすると発表した。これにより、核兵器に必要な高濃度ウランにも届く可能性が出てくる。

イランは、もしこのまま経済制裁が緩和されない場合、6月27日までには、2015年の超大国との核合意で定められた核保有の限界を超える、つまり合意から離脱する見通しと警告する声明を出した。イギリス、フランス、ドイツは、イランに合意にとどまるよう警告したが、ロシアと中国は無言のままである。

https://www.bbc.com/news/world-middle-east-48661843

これを受けてアメリカは、ペルシャ湾に配備した戦闘機、空母などに加え、兵力1000人を増強すると発表した。アメリカもイランも戦争はしたくないとは言っているが、まさに一触即発の事態となっている。

https://www.nytimes.com/2019/06/17/world/middleeast/iran-nuclear-deal-compliance.html

こうした中、20日、ホルムズ海峡の非常に微妙な海上で、アメリカのドローンが撃墜された。ドローンといっても、推定1億3000万ドル(約150億円)の大きなUAV(無人監視航空機)である。ドローンは、ペルシャ湾に近いイランの弾道ミサイル発射地を偵察していたとみられている。

アメリカは、ドローンは、国際空域でイランに撃墜されたと発表。トランプ大統領は、「イランのだれかが、愚かなミスで撃墜した。馬鹿者だ。」と辛辣に非難した。

https://www.france24.com/en/20190620-iran-usa-drone-shot-down-air-space-growing-tensions

これに対し、イランは、ドローンの撃墜は認めたが、国際空域ではなく、イラン領空で撃墜したのであり、防衛であったと主張。イラン革命軍(トランプ大統領がテロ組織に指定)は、回収したUAVのアメリカの残骸を前に、数十人で勝利の祝いをする様子を世界に流した。

https://www.nytimes.com/2019/06/22/world/middleeast/iran-drone-revolutionary-guards.html

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アメリカのドローン撃墜地点:両者の食い違い 地図:BBC

いよいよ戦争になると懸念され、ホルムズ海峡上空を飛ぶ民間機は、航路を変える処置をとりはじめた。

翌21日、トランプ大統領は、アメリカ軍に報復の軍事作戦を命じたが、10分前にこれを停止する命令をだしたことを明らかにした。

トランプ大統領によると、イランの軍事拠点3箇所を口撃する計画で準備も整っていたが、犠牲者が150人に上る見通しと聞いて、ドローン一機を破壊されたことへの報復としては、犠牲が大きすぎると判断したと言っている。

しかし、そこまでの計算が、それ以前になされていなかったはずはなく、おそらく、イランに対し、「アメリカは本気であるが、イランへのあわれみももっている。」と改めて強圧的な姿勢を強調した可能性もある。

またその後の報道によると、アメリカは、軍事行動は控えたが、イラン革命軍関係施設へのサイバー攻撃が行ったとの情報もある。ただしイランはこれを否定。

トランプ大統領は、「イランとの戦争は望まない。前条件なしでイランと話したい。」とコメントしたが、イラン側は、「だいたいアメリカが合意から離脱して経済制裁を行っていることが問題で、その上、地域に軍備を展開している状態では、”前条件なし”と言っていることに信ぴょう性がない。」とこれを拒否した。

https://www.apnews.com/f01492c3dbd14856bce41d776248921f

<イラン:新たな経済制裁発動で国連安保理警告も拒否>

イランが、話し合いに応じなかったことから、25日、トランプ大統領は、イランへの新たな経済制裁を発動した。この制裁は、イランのイスラム最高指導者ハメネイ師と、イラン革命軍幹部8人をターゲトにしたものだという。ホワイトハウスによると、今週末までには、イランのザリフ外相も制裁の対象になる。

この数時間後、国連安保理が、イランとアメリカは、双方とも軍事衝突するべきでないとの声明を出した。これに対しイランは、アメリカが、新たな経済制裁を発動して脅迫している状態では、まだ話し合う準備ができているとはいえないと返答した。

また、今回の制裁が、ハメネイ最高指導者(数十億ドルの資産凍結)やザリフ外相をターゲットにしていることから、もはや外交の道が永遠に閉ざされたようなものだとイランの外務省スポークスマンはツイートした。

https://www.jpost.com/Breaking-News/Iran-says-US-sanctions-on-Khamenei-mean-end-of-diplomacy-Tweet-593604

その後、イランのロウハニ大統領は、ハメネイ師には、モスクと自宅しかないのに経済制裁とは、アメリカは、頭がおかしいと語った。トランプ大統領は、これに激怒したという。

こうした状況について、国連安保理は、26日、イランとの核合意についての対処を話し合うことになっている。イランと核合意を結んでいるイギリス、フランス、ドイツは、「両国は、国際法を尊重し、とりあえず、エスカレートを止めるための話し合いをするべきだ。」と言っている。

https://www.timesofisrael.com/iran-shuns-talks-with-us-as-security-council-urges-calm/

<イランはどうなっているのか>

アメリカが、厳しい経済制裁をこれでもかというほどに厳しくしているのは、イラン市民の指導部への不満をあおることも目的の一つである。

イラン最大の輸出原油の禁輸措置を始めたので、イラン経済は、相当な打撃を受けている。

イランの通貨リアルは、かつて1ドル=3万2000リアルであったが、今は13万リアルである。インフレ率は37%。つまり1年間で、物価が3.7倍、1個100円だったキャベツが370円になったということである。牛乳は倍だという。

野菜や果物といった食物の物価までが上がっているので、それ以外のもの、たとえば携帯電話を買おうとすると、2ヶ月分の給料が必要になるという。この物価上昇にもかかわらず、イラン人労働人口の12%にあたる300万人が失業している。

イランが現在のようなイスラム主義政権になったのは、1979年のイスラム革命以来である。イラン市民たちは、イランは資源も豊かな国であるはずなのに、今、これまでにない苦難を経験していることについて、政権を批判する声は少なくないようである。

https://www.timesofisrael.com/iranians-say-their-bones-breaking-under-us-sanctions/

イラン政府が、相当な圧力の下にいることは間違いない。

<イスラエルの対応:ボルトン大統領補佐官を迎えて>

ネタニヤフ首相は、先週、タンカーが攻撃された際、すぐにアメリカがイランによるものと指摘したのに同意するコメントをだした。また、20日にアメリカのドローンが撃墜された際にも、国際社会は、アメリカに賛同し、イスラエルは、アメリカの側に立つとの立場を明確にした。

また24日、この緊張高まる最中、タカ派で知られるアメリカのボルトン大統領補佐官が、シリア問題について話し合うために開催されたアメリカ、ロシア、イスラエルの3国サミット(次の記事)を前に、イスラエルを訪問。イスラエル側からヨルダン渓谷などを視察した。

ボルトン補佐官は、エルサレムでの記者会見で、イランの避難すべき点として次のように述べた。

①イランは、中東で過激派を支援している。(レバノンのヒズボラ、シリアのアサド政権、イラクのシーア派組織、イエメンフーシ派反政府勢力、アフガニスタンに駐留するアメリカ軍への攻撃) 
*イエメン内戦は、イランとサウジアラビア(アメリカ側)の戦争が繰り広げられているが、最近イエメン(フーシ派)からサウジアラビアの空港への攻撃が相次ぎ、死者も多数出る事態となっている。

②イランが核兵器開発を放棄する決断をしたという確たる裏付けがない。
③テロ組織を支援する中で、大陸間弾道ミサイルを開発している。

ボルトン大統領補佐官は、イランが、これらを公にせず、国際社会の目をかいくぐるように行っていると非難した。

https://www.jpost.com/Middle-East/Trump-calls-US-National-Security-Advisor-Bolton-an-absolute-hawk-593598

これらは、ネタニヤフ首相が以前から指摘してきたことであるが、アメリカのボルトン大統領補佐官が、エルサレムにおいて、正式に指摘したということは、アメリカとイスラエルが、同じところに立っているということの確たる証明と言える。

こうなると、イランが、イランいわく遠い大サタン(アメリカ)より先に、近い小サタン(イスラエル)を攻撃する口実になるかもしれない。イスラエル国内では、イスラエルは、この問題にあまり表立って介入するべきではないとの声もある。一方で、アメリカとの強力な同盟を誇示する方がイスラエルの防衛になるとの考え方もある。

いずれにしても、イスラエルでは、イラン、またはイランの支配下にあるヒズボラなどからの攻撃の可能性にそなえている。しかし、これは今に始まったことではない。

<トランプ政権:国防長官不在での決断>

トランプ政権では、人事の入れ替わりが激しいが、今回、イランへの攻撃を決めて、直前の撤回という事態は、正式な国防長官が不在という中での決断であった。

昨年、トランプ大統領が、シリアとアフガニスタンの米軍を撤退させると宣言した際、これに同意できないとするマティス国防長官が辞任。以来、まだ正式な国防長官はおらず、パトリック・シャナハン氏が国防長官代行であった。

そのシャナハン氏も、家族の件で、辞任を表明したため、トランプ大統領は、マーク・エスパー陸軍長官を新しく国防長官代行に指名した。ちょうどイランへの攻撃、また直前の撤回というごたごたは、この交代がまだ完了していない最中であった。

つまり、国防長官なしに、トランプ政権がイランへの攻撃をいったん決定したということである。これほどまでに重大な決断を国防長官(日本でいえば防衛相)なしに決定していたことに、懸念がひろがっている。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2019061900124&g=int

トランプ政権には、タカ派と目されるジョン・ボルトン大統領補佐官がいる。トランプ大統領は米テレビ番組のインタビューで、ボルトン大統領補佐官が、確かにタカ派であると述べ、彼がしきったら、世界が戦争になると評した。

しかし、トランプ大統領は余裕で、トランプ政権にはタカ派もハト派もいる、政権には両方必要と述べた。なんとも気軽に言ってくれるが、トランプ政権の決断しだいでは、世界を巻き込む戦争にもなりうるわけである。

https://www.jpost.com/Middle-East/Trump-calls-US-National-Security-Advisor-Bolton-an-absolute-hawk-593598

ニューヨークタイムスのコラムニスト、トーマス・フリードマン氏は、今、イランと中国に、同時に大きな痛みを与えているトランプ大統領を評価しながらも、どこに向かうのか、明確な目標がみえないことや、単独で動いており、協力する同盟国がない点に危機感を述べる。

今のイラン問題、また中国問題がどう向かうかによって、世界の経済、核開発の行方が決まってくる。フリードマン氏は、2019年が世界の歴史における大きな分岐点になりうると警鐘をならしている。

https://www.nytimes.com/2019/06/25/opinion/trump-china-iran.html

<石のひとりごと>

アメリカの強硬な姿勢をみれば、イランが、「先に合意から勝手に降りたのはアメリカの方だ。さらに今、脅しをかけながら、話し合いをしようとは、ありえないことだ。」というのも一理あるように見えている人も少なくないだろう。

しかし、ボルトン大統領が指摘するように、イランが、今に至るまで、上記のようなことを隠れて行ってきたことは事実のようである。

また、イランの現政権は、核開発に関して国際社会と平和な話し合いを続けたが。10年以上ものらりくらりとかわすのみであった。一方で、経済制裁など実質の圧力が耐えられなくなると、逆にイランから話し合いを申し入れたのであった。これが2015年の核合意である。

2015年の核合意は、アメとムチという視点でいうなら、アメであったといえる。そのアメで、イランが武力や影響力を増強してしまい、いまや危険は、中東のみならず、国際社会にも広がり始めている。このため、ネタニヤフ首相と、トランプ大統領は、イランには強硬姿勢でなかればならないと言っているのである。

こちらが引けば、相手も引いて平和な結論になるというのが日本の常識だが、中東では、こちらが引けば、相手はその分つけあがる。このネイチャーは、日常生活でも経験するところである。引いたり、押したりをバランス良く、狡猾にすすめることが求められるのが中東である。

しかし、ここまでアメリカが強圧的に出ている現状では、イスラム革命の発信地としての誇りを持つ現イラン政権が、十字軍と見ているアメリカの前に頭を下げるという選択肢はないだろう。戦争になるか、もしくは、トランプ大統領、ネタニヤフ首相が望んでいるような、イラン市民自身による現政権打倒しかない。

イラン市民の中では、アメリカに好意はなくとも、現政権への不満は高まっているとの報告もある。

ここからどうなるのか、戦争になり、多くの死者が出て、世界の石油に大きな影響を及ぼす大混乱をもたらすのか。ニューヨークタイムスの評論家フリードマン氏が言っているように、危険度の高さの割に、どうにも先が見通せない状況である。
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バーレーンで米の中東和平:”世紀の取引”始動も不評 2019.6.26

 2019-06-26

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バーレーンのパレスチナ経済ワークショップ:クシュナー大統領補佐官 写真出展:ynet

24,25日と、バーレーンで、アメリカが主導による、パレスチナ人の経済に関する2日間のワークショップが行われている。アメリカは、むこう10年間で、ガザと西岸地区の経済を改善するとして、総額500億ドルやインフラプロジェクトを募る予定である。

このワークショップは、トランプ大統領がもったいぶらせて言い続けてきた世紀の中東和平案の第一段階にあたる。

経済が、政治外交に敵意に大きく関係することから、まずはパレスチナ人の経済を回復させてから、政治の話に入ろうという流れである。本命の和平案自体は、まだ公示しないことになっている。今回のワークショップを取り仕切るのは、トランプ大統領の婿でもあるジェレッド・クシュナー大統領補佐官。

バーレーンでの会議には、元中東特使のトニー・ブレア氏や、IMF(国際通貨基金)のクリスティーヌ・ラガルド氏が出席した。ビジネス上がりのトランプ大統領らしく、会議はワークショップとの位置付けで、政治家だけでなく、民間のビジネスマンなども参加している。

しかし、パレスチナ自治政府のアッバス議長は、いわばこのワークソップの主人公であるにもかかわらず、トランプ大統領が、親イスラエルであることは明白なので、後出しする肝心の和平案は、パレスチナに不利なものになるとして出席を拒否した。しかし、数人のパレスチナ人ビジネスマンは出席している。

イスラエルについては、ぎりぎりまで政府関係者が出席する、しないでもめていたが、政治的なタブーからか結局、政治家どころか、ビジネス関係者すら出席しないことになった。こうしたワークショップはイスラエルの得意とするところなので、イスラエル抜きというだけで、すでに残念なイメージではあった。

余談になるが、イスラエルのカッツ外務相(5月末に外相に就任)は、以前にもガザ沖にパレスチナ人のための空港を作って、ガザの出入り口を作るという案を提案していた。今の所それが実現するといった情報はない。

そのカッツ外相は、昨年から、湾岸諸国から地中海を結ぶ鉄道を提案している。これにより、湾岸諸国の石油は、ホルムズ海峡を通過せずに世界へ運搬できる。政治的にも実現は難しそうだが、案といえば案。トランプ大統領も賛成だという。

あらゆる状況にも絶望せず、突飛もないことを含め、なんらかの解決をさがそうとするのが、イスラエル・ユダヤ人根性である。

https://www.timesofisrael.com/rail-from-israel-to-gulf-makes-sense-says-transportation-minister-in-oman/

<蓋をあけてみれば・・・落胆するアラブ諸国>

先週、40ページにわたる世紀の取引の第一段階が公示されたが、パレスチナ人はもとより、アラブ諸国、イスラエルからも落胆の声があがった。予告されていた通り、政治をいっさい含めずに、経済にのみ焦点をあてていたのだが、それはやはり無理ということを皆が実感したようである。

たとえば、パレスチナ人は、今、西岸地区とガザ地区に分裂・敵対し、一つになる気配がまったくない。その中で、トランプ政権は、両者の間に通路を設けることを計画している。これは、パレスチナ人だけでなく、イスラエルにとっても、ありえないことである。

湾岸諸国にしても、いくらトランプ大統領との関係や、イランという共通の敵があるとしても、最終的には、パレスチナ国家設立という大義から離れることはない。結局のところ、経済を改善したとしても行き着くところがないということなのである。

政治的な解決というゴールを明示せずに、まずは経済支援をと言われても、当事者たちとしては、困惑するのみということである。結局のところ、トランプ大統領は、この問題がどれほど困難なのかということがわかっていないとも言われている。

2日間のバーレーンでのワークショップは、まもなく終わるが、何か結果が出るとはほとんど期待されていないようである。

https://www.timesofisrael.com/bahrain-confab-set-to-kick-off-with-loaded-schedule-but-meager-expectations/

<UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業期間)が同じ日に1億1000万ドル>

バーレーンでパレスチナ人の経済活性化に向けた投資が呼びかけられた同じ日、UNRWAが、ニューヨークで、全世界のパレスチナ人540万人を支える資金として、1億1000万ドルの献金の約束をとりつけることに成功した。主な出資者はEUである。

UNRWAによると、2019年に必要な額は12億ドルで、今回の献金を入れてもまだ1億ドル不足している。ガザへの食料配布だけでも年間8000万ドル必要なのだが、毎年不足しているという。

国連でのこうしたパレスチナ難民への献金は毎年行われているが、アメリカが、資金がテロ組織に流れているなどで、UNRWAから撤退して以来、資金不足で、組織の存続すら疑問視されるほどになっている。

こうした現状なのに、アメリカの500億ドル経済支援の申し出を断るというのも、誇り高く、必ずしも論理的ではない中東のアラブ人らしいといえばらしいといえるかもしれない。

https://www.jpost.com/Middle-East/UNRWA-raises-110-million-for-Palestinians-on-same-day-as-Bahrain-summit-593728

<イスラエルとパレスチナ人との現実>

バーレーンで当事者不在の状態で、パレスチナ人経済活性化ワークショップが行なわれているのだが、イスラエルとパレスチナ、両者の現状は以下の通りであった。

1)パレスチナ市民のバーレーン抗議デモ

24日、バーレーン会議開催の日、西岸地区では、ナブルスなど各地で、パレスチナ市民たちが、「パレスチナは売り物ではない。」と叫びながら抗議デモを行った。平和的なデモではなく、石や燃えるタイヤをイスラエル兵らに投げつけるなどの行為があり、イスラエル軍も催涙弾で対処した。

ガザでは、「我々は腹が空いているのではない。尊厳を求めているだけだ。」とのデモを行った。こちらもイスラエル軍と衝突し、パレスチナ人12人が負傷した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5536133,00.html

2)ガザ;火炎蛸で火災:イスラエルは燃料搬入差し止め

また、ガザからの火炎蛸によりイスラエル南部13箇所で火災となり、200ディナムが焼失した。これを受けて、イスラエルは、ガザへの燃料搬入を停止した。

両者の関係は、バーレーンとはまったく無関係にいつもの通りの様相である。

https://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Israel-stops-fuel-transfer-to-Gaza-following-13-fires-on-border-593606
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トランプ政権の”世紀の取引”中東和平案始動へ:バハレーン経済ワークショップ 2019.5.27

 2019-05-27
92369910991599640360no.jpg  写真出展:Ynet ロイター

19日、トランプ大統領とクシュナー大統領補佐官は、約2年、先延ばしになっていた、”世紀の取引”と銘打った中東和平案を、6月25-26日、バハレーンのマナマで経済ワークショップで明らかにすると発表した。

しかし、この段階で明らかにされるのは、取引の第一段階であり、政治的な事情を取り扱う第二段階の公表はまだその先とのことである。

マナマでのワークショップは、パレスチナ人とその周辺にいる他の必要なアラブ諸国に、有益な経済的な投資をしようとするもので、アラブ首長国連邦やサウジアラビアなど、裕福なアラブ諸国、ヨーロッパやアジアから、この地域に投資できる裕福な国々やビジネスが参加する。

平たくいえば、このワークショップの目的は、資金を集めである。多くの戦争が、結局経済にからんで発生しているので、まずは経済発展のわくぐみをつくった上で、政治的な交渉に入ろうというわけである。

ホワイトハウスによると、この経済ワークショップでは、政府レベルだけでなく、民間のビジネスリーダーも加わってアイデアを出し合い、和平合意によって可能になる地域のプロジェクトに投資して、中東和平を実現・安定化させることを目標とする。

ホワイトハウスからの情報ではないが、ワークショップでの投資目標額は、680億ドル(約7兆円)。投資先は、パレスチナ自治政府、エジプト、ヨルダン、レバノンなどとなっている。

これらの国々は、投資を受ける見返りとして、イスラエルは、1967年以前の国境線まで撤退すべきとする訴えを撤回させる、つまりイスラエルの存在を認めさせる計画とみられる。

しかし、もしそうなると、西岸地区にイスラエル人がとどまることとなり、パレスチナ人の国を作ることは不可能になるようにみえる。しかし、この経済ワークショップのホストであるバハレーンは、パレスチナ人の国家設立を支持していることに変わりはないと強調している。

https://www.timesofisrael.com/uae-saudi-arabia-to-attend-us-peace-confab-in-bahrain/

こうした動きについて、「平和を金で買おうとしている」との批判もあるが、無論、トランプ大統領がそんな批判を気にするはずもない。要するに平和になれば、それでよいのである。

https://www.nytimes.com/2019/02/26/us/politics/kushner-middle-east-peace.html?module=inline

イスラエルはこの動きについて、今のところ、静観を決めている。

<パレスチナ自治政府不参加表明:期待感うすい”世紀の取引”>

毎回のことではあるが、パレスチナ自治政府は、アメリカの「世紀の取引」は、イスラエルに有利に働く取引だとして、すでにこれを拒否。バハレーンでのワークショップにも出席しないと表明した。

トランプ政権は、米大使館をエルサレムに移動させるなど、数々の親イスラエル政策をすすめているのだから、今回も親イスラエルになると懸念するパレスチナ自治政府の不信感も理解できないわけではない。

一方で、イスラエル国内でも、これまでの和平案と同様、”世紀の取引”も失敗するとみて、あまり期待感はない。

それを裏付ける要因として、まず、イスラエル内政の混乱があげられる。連立政権がはまだ確立していないが、現時点で、連立に加わっている党の中に、強行右派と目される統一右派党(5)がふくまれている。

この党は、西岸地区における妥協は一切認めないと思われるだけでなく、神殿の丘に第3神殿を立てようとしている党である。パレスチナ人とのいかなる妥協も受け入れることはないだろう。

またパレスチナ側でも、アッバス議長(85)は、議長について14年になる。これまでの動きからして、トランプ政権が、いかにパレスチナ市民に有益な条件を出したところで、市民生活の改善を優先する人物でないことは明らかである。

実際、アメリカは、歴史的にも何度となくパレスチナ人に有利な条件を提案してきたが、アッバス議長はそのどれをも受け入れてこなかった。要するに、イスラエルの存在自体を受け入れられないということと、アメリカとの信頼関係がないということが原因である。

また、世紀の取引が相手にするのは、西岸地区のPLOとガザのハマスの両方をさしているのか、そうでないないのかも、まだ明確でない。もし、西岸地区だけであれば、その取引は意味がないということになる。

もしハマスも視野に入れるとすれば、トランプ政権は、自ら”テロ組織”と指定したハマスとの交渉を行わなければならなくなる。これはありえないことである。

3つめに、この動きが、現地当人たち不在のまま、外国勢だけで進められている点。現地イスラエル人、パレスチナ人たちの草の根レベルでは、この件に関して、ほとんど興味も反応もないということも指摘されている。

これでは現地のニーズから外れる可能性が高い。そのよい例が、イスラエルボイコット運動(BDS)である。現地を見たことのない欧米在住の人々が、反イスラエルの主義主張でもって、西岸地区にあるというだけで、イスラエル人による工場ソーダ・ストリームを転居へと追い込んだ。これにより、現地パレスチナ人500人が職を失ったのであった。

また、これまでの中東和平交渉を振り返ると、いざ、何かが決まり始めると、現地では、テロが激化するという繰り返しであった。外国で何を決めてもらっても良いが、現地でテロが激化することのないようにと願うばかりである。

https://www.jpost.com/Opinion/Why-Trumps-peace-plan-is-certain-to-fail-590651
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シリア・クルド人をめぐるアメリカとトルコ対立 2019.1.17

 2019-01-17
<アメリカとトルコの対立>

トランプ大統領が、シリアからの米軍撤退を宣言し、今はまだ機材だけではあるが、すでに撤退を開始していることは、前回お伝えした通りである。

米軍の撤退で、まず懸念されることは、トルコがクルド人領域に攻め入ることである。もしそうなると、トルコがクルド人地域を制覇するか、または、クルド人がシリア政府に助けを求めることで、地域はシリアに取り込まれることになる。

いずれの場合でも、クルド人の地域がイランの影響下に置かれるようになることを意味する。このため、イスラエルと中東は、シリアから米軍が撤退することに懸念を表明したのであった。

これを受けて、トランプ大統領は、ツイッターにて、トルコにクルド人地域を攻撃しないよう要請すると同時に、もし攻撃したら、トルコは経済的に大打撃をうけることになると脅迫も付け加えた。また、米軍はシリアから撤退しても地域にはまだ十分な戦力があるので、すぐに戻ってトルコを撃退することが可能だと付け加えた。

またこの直後には、クルド人勢力に対し、トルコを攻撃しないよう自制を促すメッセージを発した。

この翌日、トルコリラの価値は、アメリカドルに対し、1.6%も落ちた。トランプ大統領は、8月にアメリカ人牧師をトルコが逮捕した一件で、トルコに経済制裁を始めているが、これに上乗せしてまたトルコ経済に新たな困難を与えたことになる。

トルコのエルドアン大統領は、トルコにとってシリアのクルド人勢力(YPG)はテロリストであるという事情を、アメリカには、地域での戦略的パートナーとして理解していただきたいと反論した。

<シリア北部クルド人地域での自爆テロ:米兵ら含む18人死亡>

エルドアン大統領はこの後、アメリカに対し、シリアとトルコの間に20マイル(32キロ)の非武装地帯を提案。公式ではないが、アメリカもこれに合意したとの情報がある。

この非武装地帯には、クルド人勢力域の大きな部分がこの中に食い込まれてしまうため、クルド人勢力はこれに反発していると伝えられた。

https://www.telegraph.co.uk/news/2019/01/14/donald-trump-warns-turkey-economic-devastation-kurdish-forces/

こうした中、16日、入ったばかりの情報だが、シリア北部、クルド人勢力で、トルコ軍がすぐ近くまで迫っている町マンビジで、大きな自爆テロが発生。18人が死亡したが、この中に米軍兵士が複数含まれていた模様である。

このテロ事件については、ISが、「PKK(トルコがテロ組織と対立するクルド人勢力)離脱者」との協力で決行したとの犯行声明を出している。現時点ではまだアメリカからの反応に関する報道はない。

https://www.bbc.com/news/world-middle-east-46892118

<ケニアで自爆テロ犯(14人殺害)エルサレム問題でトランプ大統領を非難>

トルコとは関係ないが15日、アフリカのケニアの首都ナイロビのホテルで、アルカイダ系組織によるテロが発生。14人が死亡した。犠牲者の中には、9:11事件を生き延びたアメリカ人(ユダヤ人)が含まれていた。

犯行声明はアルカイダ系組織が出したが、この時、エルサレムをイスラエルの首都と宣言したトランプ大統領を非難している。

https://www.timesofisrael.com/kenya-terror-group-says-deadly-attack-over-trump-recognition-of-jerusalem/

<恐るべし豪傑:トランプ大統領>

絶大な権力と影響力で世界を振り回しているトランプ大統領。御歳72歳だが、世界中の注目あびつつ、バッシングをうけるとともに、アメリカ国内からも、政府の一部閉鎖が史上最長になって、批判が高まっている。

政府機関の一部閉鎖は、メキシコとの間の防護壁建設資金を含んだ予算を民主党が受け入れなかったために、新予算案がまだ稼働できないためである。しかし、粘っている間に、どうやら、国民の間で、トランプ大統領の意見を支持する割合が上がってきているらしい。

しかし、政府機関の一部が閉鎖になっていることで、ホワイトハウスのキッチンも稼働できなくなっているらしく、ホワイトハウスに招かれたアメフト全米優勝校選手たちに、ふるまった料理は、マクドナルドや、バーガーキングからのハンバーガー300個やピザなど、ファーストフードであった。しかも、トランプ大統領の自腹だったという。

その際、トランプ大統領は、「これがアメリカの食だ。どれもすばらしい。」と言ったという。豪傑とはまさに彼のことではないだろうか。

https://www.businessinsider.jp/post-183252
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アメリカ:対イラン政策へシフト:中東への2人の使者 2019.1.13

 2019-01-13
シリア撤退問題で、すっかり槍玉にあがったアメリカだが、先週、ボルトン大統領補佐官とポンペイオ国務長官が、中東同盟各国を歴訪し、アメリカが中東から撤退してしまうわけではないとの保障を伝えて回った。

その中で、ポンペイオ国務長官は、アメリカは今後、対イラン政策を徹底化することをアピールし、2月13,14日、ポーランドでイランに関する国際会議を開催すると発表した。チャンネル10によると、ポンペイオ国務長官はこの会議にネタニヤフ首相も招いたとのことである。

https://www.timesofisrael.com/netanyahu-said-invited-to-anti-iran-conference-in-warsaw-alongside-arab-fms/

しかし、イスラエルが参加することと、アメリカへの信頼が薄らぐ中、どのような成果になるか、見通しは決して甘くない。

また、2人の使者とトランプ大統領の口から出てくる方針に食い違いがあることから、大統領と米防衛チームの間が一致していないのではないかとの指摘もある。

1)トルコがボルトン大統領補佐官訪問を拒否

ボルトン大統領補佐官は、6日、イスラエルを訪問。ネタニヤフ首相に、シリアから撤退してもISとの戦いはやめず、クルド人を見捨てることはないと約束した。言い換えれば、トルコがクルド人を襲撃しないと確証するまでは撤退しないということである。

これを聞いて怒ったのがトルコのエルドアン大統領である。アメリカは、クルド人のYPG,PKK、PYDなどの見分けもついてない。トルコにとってクルド人問題がどれほど大きいかわかってないと怒りをあらわにした。その上で、ボルトン補佐官のトルコ訪問を拒否するに至った。

トルコは、トルコだけで、残留ISを駆逐できると主張し、(IS撃滅を理由に駐留していた)米軍には、さっさと撤退するべきだと主張している。トランプ大統領は、これに同意して米軍撤退を決めたわけだが、トルコのねらいは、その後、シリアにいるクルド人勢力を攻撃することである。

https://www.nytimes.com/2019/01/08/world/middleeast/erdogan-bolton-turkey-syria-kurds.html

ボルトン補佐官が拒否されたことは、アメリカにとっては大きな打撃だが、ポンペイオ国務長官は、必ずトルコとの合意に至れるとの楽観を表明している。

2)ポンペイオ国務長官中東8カ国歴訪

ボルトン補佐官に続いて8日、ポンペイオ国務長官が中東8カ国への歴訪に出発した。訪問予定国は、ヨルダン、エジプト、バハレーン、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、オマーン、クウェート、イラクとなっている。

ポンペイオ国務長官は、まずヨルダンを訪問した後、エジプトを訪問。オバマ前大統領が、2009年に米大統領として初めて演説を行ったカイロにて演説を行った。

ポンペイオ国務長官は、オバマ氏の名前は出さなかったが、オバマ氏の政策で、イランの進出を許したことが中東の混乱の原因だと語り、トランプ政権は、その状態を覆す決意であり、シリアからイラン軍を一掃する方針であると強調した。

また、シリアからの米軍撤退について、米軍撤退は必ず断行すると語り、トランプ大統領と治安閣僚との間に不一致はないとも強調した。

https://www.nytimes.com/2019/01/10/world/middleeast/mike-pompeo-speech-middle-east-obama.html

金曜、ポンペイオ国務長官は、バハレーンから湾岸諸国を訪問を開始した。特にクウェートは、米軍1万人を受け入れている国ではあるが、今は、サウジアラビアと断交してイランよりとなっているため、非常に難しい訪問になると思われる。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5444448,00.html

<イランの反応>

イランのザリフ外相は、アメリカはヒステリックになっていると言い、ツイッターに次のように書き込んだ。

「アメリカの最後の反イラン会議に参加する国は死んでいるか、失脚寸前である。イランは強い。(反イラン会議のホスト)ポーランドは恥を知れ。イランは第二次世界大戦中、ポーランドを助けたのに、今は反イラン見世物のホストになっている。」

https://www.timesofisrael.com/netanyahu-said-invited-to-anti-iran-conference-in-warsaw-alongside-arab-fms/

<長引く米政府閉鎖の危機>

中東政策でも翻弄しているアメリカだが、内政もかなり混迷を深めている。メキシコとの国境に建設予定の壁の費用を含む予算案で野党民主党と合意できなかったため、現在政府機関の一部が閉鎖。22日を超えて市場最長の閉鎖となった。

これにより、政府に雇用されている80万人の給与が支払われないままとなっている。約50万人は、無給で仕事を続けているが、35万人は、事実上一時解雇状態とされたため、大勢が失業保険の手続きに入ったという。

博物館が閉鎖したり、ごみの収集が滞ったりと、日常に影響も出て、ホワイトハウス前ではデモも行われた。

https://www.bbc.com/news/world-us-canada-46848435?intlink_from_url=https://www.bbc.com/news/topics/cdwjqx3kw7zt/us-government-shutdown&link_location=live-reporting-story

<石のひとりごと:とんでもない思いつき発想より>

アメリカから中東へ2人の使者が派遣された。この様子から、将来、終末時代に世界に派遣される2人の証人(黙示録11:3-4)を連想させられた。

聖書によると、この2人の証人は、1260日(3年半)の間、世界中で、やがて来る終末の危機を解き、そこからの救いという神の福音(良い知らせ)を世界に伝える働きをする。その後、この2人は獣(サタン)に殺される。

彼らの死は、世界中の祝いとなるが、どっこい、その後、その2人が生き返って、世界は大混乱になると聖書には書かれている。

無論、今回のボルトン補佐官とポンペイオ国務長官が、その終末の2人の証人であると言っているわけではない。

しかし、今回の2人は、トランプ大統領のシリア撤退宣言の後始末的にすぎないのかもしれないが、来るべき「イランの危機」を訴えて回っている。この先にあるのは、イランとの対決である。そのイランにはロシアとトルコがついている。

もしかしたら、アメリカはこのイラン(ロシア、トルコ)との戦いに敗れ、それを見て世界はアメリカをあざけり、やっと平和が来ると祝うのかもしれない。。。が、その後、イスラエルによって反イラン勢力(アメリカがこの時存続しているか否か!?)が復活してくるのかもしれない。(エゼキエル39)

・・・・と、これは、とんでもない、単なる石の思いつき発想ではあるが、聖書がますます興味ふかくなってくる最近の世界情勢であることは間違いない。まだ聖書を読んだことのない人は、特におすすめする書物である。
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イスラム主義国からのクリスチャン難民を助けるイスラエルのメシアニックジュー 2018.10.21

 2018-10-21
イスラム主義国では、クリスチャンであるというだけで、迫害を受け、信仰を放棄しない場合、拷問を受けるなどして難民になるケースが多い。

こうした人々に直接会うことはなかなかないのだが、記者の友人でイスラエルに在住するユダヤ人ビリーバーのロッテム姉は、アラビア語を学び、時々現地に行って、これらの人々を助ける働きを行っている。イスラエル人としては非常に勇気のいる働きである。

そのロッテム姉が、今特に支援を呼びかけているのが、あるイスラム主義国から逃れ、第二の国で難民として第三国に移動することを待っているベンジャミン(仮名)兄(30)である。

ベンジャミン兄は、祖国で救われてから当局に捕まり、投獄され、ひどい拷問を受けた。釈放後に第二国に逃亡。今は、難民キャンプで、現地の牧師とともに献身者として難民支援と、福音を伝える働きをしている。

ロッテム姉は、そこでベンジャミン兄に会い、その働きを共にし、今は息子のように思っているという。

ベンジャミン兄は今年夏、同じ祖国から信仰のために難民となった姉妹と結婚した。その時、結婚式を行うために、仲間の難民たちからお金を借りなければならなかったという。ロッテム姉は、この若い献身者も負債を解消するとともに、次のステップへの支えをしたいと考え、自らもアラビア語教師として彼を雇って支援しつつも、協力者を探すことにしたという。

記者はベンジャミン兄を直接知っているわけではないが、ロッテム姉はよく知っている。彼女は、イスラエルの教会では子供を教え、熱心に教会に仕えながら、アラビア語をマスター。

イスラエルのユダヤ人であるにもかかわらず、アラブ諸国を含む海外に出かけて行って、宣教師たちを助ける働きをしている。イスラエルの教会でも信頼されている姉妹で、これほど信頼のできる姉妹はいないと思っている。

記者は、ベンジャミン兄を支えるロッテム姉の働きを支えたいという思いで、彼女のプロジェクトをオリーブ山便りにとりあげることにした。以下のサイトから簡単に送金は可能。手数料は、送金者自身が決められるシステムで、献金自体は100%ロッテム姉に、そしてロッテム姉は100%、ベンジャミン兄に送金する予定だという。(プロジェクト期間10/16-12/17 2018)

ベンジャミン兄に証に加えて、ロッテム姉自身からのビデオレターもあるので、ぜひサイトを開いてみてくださればと思う。

https://chuffed.org/project/let-him-know-we-care

<ベンジャミン兄の証と祈り(訳・抜粋)>

ベンジャミン兄は、厳格なイスラム主義国で、成功したビジネスマンだったが、酒や女性におぼれ、すさんだ生活をしていたという。ある時、アメリカ人クリスチャンに出会い、彼らの家で飲んでいたところ、聖書をがあるのを見つけて開いてみた。山上の垂訓(マタイ5−7)の箇所だった。

ある夜ワインに酔って寝ていたところ、夢にイエスが現れて「私についてきなさい」といった。それで上記アメリカ人の友人のお父さんからイエスが何者なのか聞いた。

イエスは罪から解放する者であると聞いた。イスラムが人々をクリスチャンから遠ざけているということは、サタンが私たちを光から遠ざけているのだと悟った。

それから聖書を読み始めた。2000年前のことであるのに、今現在のことを語っているかのうようだった。これはいくらよんでも理解できないコーランと大きく違っていたという。

またイスラムの神は怒っていて、イスラムを憎む者を敵とみなし、天国へ行くには聖戦を戦って敵を殺さなければならないと教えるのに対し、聖書によると神が、どれほど私を愛してくれているのかが語られていた。やがてそれを理解するようになった。

ベンジャミン兄はイエスを信じて救われ、地下教会に通い始めた。やがて家族友人にそのことを知られ、当局に逮捕された。「お前はクリスチャンか」と聞かれた。「そうだ」と答えると、「だれにそれを聞いた」と聞かれた。

「フェイスブックからだ」と答えたが、仲間の居場所があるはずだとして、独房に入れられ、白状するよう、拷問された。もちろん白状しなかったが、16日目に釈放された。知り合いが当局の知り合いだったからである。

釈放されたのち、2015年の10月に祖国を離れ、第二国で難民となった。難民として国連に登録し、第三国に移送される日をまっているのだが、3年たってもまだその日は来ていない。

しかし、その第二国で、ベンジャミン兄は今、その国の牧師とともに、非常な貧しさの中で、同じ境遇の難民を助け、福音を宣べ伝える働きをしている。この7月には、同じ祖国からクリスチャンとして難民になった姉妹と結婚もした。

ベンジャミン兄は、世界のクリスチャンに向かって次のように語っている。

”一番伝えたいことは、聖書はコーランと正反対ということ。聖書に何が書いてあるのか注意深く読み、理解し、それについていくこと。そうするとき平安があり、神の御手が私の上にあるというのが、父なる神の約束です。

イエスは、たんに天国へのパスポートと永遠の命を与えただけではありません。私たちの罪を取り除いただけでなく、加えて義の衣で覆ってくださっているのです。

私は、これまでの歩みとめぐみ、祝福に感謝しています。私には値打ちはありません。ただ十字架だけです。

兄弟姉妹たち。イエスから目を離さないようにしてください。イエスこそ私たちを罪から救い出し、サタンの悪から解放してくださるお方です。どうか強くあってください。主が共にいてくださるからです。

みなさんが世にあって塩であり、光であることを祈ります。世界がそれで平和になるからです。

それから、恐れないでください。警察に逮捕されたとき、とても怖かったです。それで祈りました。「主よ。あなたのみこころなら私を助けてくださいます。あなたご自身を現してください。あなたこそ真の神だから、囚われ人を助けられるのです。」そうして16日で釈放されたのです。

すべての兄弟に言います。信仰があるなら、イエス様があなたを愛し、すべてのしばりや圧政から解放してくださると、主に信頼してください。

祖国から離れて悲しみ、閉じ込められ、難民となっているすべての人を、愛します。主イエス・キリストが、あなたの心に慰めと癒しをもたらしてくださいますように。そうして、あなたが王の王、イエスとともに喜びと平安のうちに生きることができますように。

最後に言います。父なる神はあなたを永遠の愛で愛しておられます。”

私たち平和な国にいるものには、想像もつかない苦難の道を通っている人だけに、彼のいうことには力がある。英語が読める方は、ぜひサイトの本人による証を読んでみられたし。

彼を通して、中東アラブ諸国にいるクリスチャン難民と彼らの間で働いている働き人を覚えてお祈りいただければ幸いである。
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