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シリア情勢の今:ロシア、トルコ、中国の動き 2019.7.16

 2019-07-16
ナスララ党首が言うように、シリア内戦はほぼ終焉に近づき、もはやヒズボラが活躍しなくてもよくなった。アサド政権を相手に戦っていた反政府勢力も、IS残党も、今は、シリア北東部のイドリブ県に集中している。

この残党への最後の攻撃を行っているのが、ロシア軍とシリア軍である。攻撃を受けている反政府勢力とその家族は悲惨だが、トランプ大統領は不思議にもこの件には介入しようとしない。こうしたことからも、トランプ大統領の興味は、来年の大統領選挙に以移行したと分析される傾向につながっている。

1)ロシア:シリア内戦終焉へ最後の仕上げ

アメリカとイラン情勢で、メディアにほとんど出てこなくなったのが、シリア情勢である。しかし、その背後では、ロシアとアサド政権により、イドリブに残された反政府勢力とその家族に対して、相当残虐なことが行なわれているようである。

ロシアとイラン(ヒズボラ含む)の介入で、アサド政権が勢力を回復し、イスラエル南部やゴラン高原クネイトラなどからも、反政府勢力を追い詰めて、今や、シリア東北部イドリブ県に反政府勢力とその家族が追い詰められた状況となっている。

アルジャジーラによると、攻撃しているのは、主にシリア軍とロシア軍で、国連によると、4月以降だけで、23の病院の他、学校などが爆撃を受けて破壊された。

ロシアによる爆撃は今も続いており、7月13日だけでも市民22人が死亡。国連によると、4月以降の集中した攻撃で、少なくとも子供130人を含む540人以上が死亡した。戦闘員を入れると、死者は2000人を超えると、シリア人権保護監視団体は訴えている。

ここでもシリア市民による救出隊ホワイトヘルメッツが活躍している。

https://www.aljazeera.com/news/2019/07/russia-syria-assault-idlib-leaves-500-civilians-dead-190707063546686.html

https://www.aljazeera.com/news/2019/07/22-civilians-killed-government-airstrikes-syria-190713150926382.html

今、爆撃を受けている人々は、ISを含む反政府勢力である。イドリブにおける悲惨な状況は、世界からは無視状態で、爆撃を続けるロシアの行為については、先のG20でも、話題にされることもなかったとの批判も上がっている。

2)トルコにロシア製S400地対空ミサイル配備開始

トルコは、今のエルドアン大統領になってから、イスラム化への未知をたどり、イスラエルを憎む道を選ぶようになった。

シリア内戦においては、当初、NATOの一員として、(しぶしぶ)アメリカ側に立っていたが、シリア領内の宿敵・クルド人勢力を牽制する中で、やがてロシア、イランに協力するようになった。

また、トルコは、360万人ものシリア難民を受け入れていることから、これ以上、国境を越えて、シリア難民が流入することはさけたいと考えている。そのため、アメリカではなく、シリアで最も影響力のあるロシアに接近する方が重要になっている。

しかし、トルコは今も、NATO軍(ロシアに対抗する欧米29カ国軍)の一員である。ロシアに近づきすぎて、NATO側の情報を漏えいするのではないかとも懸念されている。

こうした中、トルコは、ロシアのS400地対空ミサイルを購入することでロシアと契約を締結した。S400は、ロシアが開発したもので、欧米NATO軍(ロシアに対抗する欧米など29カ国からなる軍隊)には、有効な対処能力がないという類の武器である。

アメリカは、これに強く反発し、もしトルコが本当にS400を配備するなら、トルコが、今、アメリカから購入しようとしているF35ステルス戦闘機の販売を停止すると警告した。F35がトルコの手に渡れば、そのままロシアがその技術を盗んでしまう可能性が出てくるからである。

しかし12日、S400は、予定通り、ロシアからその第一陣が到着。これを受けて、アメリカはF35の輸出を凍結すると発表した。また、S400の残りの部分がトルコに到着することになれば、アメリカはトルコに対する経済制裁を発動すると言っている。

いよいよアメリカ対ロシア、イラン、シリア、トルコという図式が明確になりはじめている。

https://jp.reuters.com/video/2019/07/12/ロシア製地対空ミサイル購入に米激怒-トルコを待ち構える「制裁」とは字幕・12日?videoId=573411066

3)中国:シリア復興へ乗り出し(一帯一路構想)

一方で、中国が、シリアのインフラ再建介入に動き始めている。6月18日、中国は、シリアの外相と北京で会談し、シリアの復興に中国が大きな役割を果たす用意があると明らかにした。シリアは、地中海に面しているため、中国からヨーロッパに続く新シルクロード構想、一帯一路プロジェクトの一環とみられる。

しかし、シリアはまだ内戦が終わったわけではなく、中国経済も陰りをみせはじめていることから、イスラエル国家治安研究所(INSS)は、中国の進出は、急には実現しないと分析している。

中国は、イスラエルの重要な港、ハイファ港でのインフラ整備を請け負っており、アメリカはイスラエルに懸念を表明したが、イスラエルは、たとえ中国になんらかの情報を取られたとしても、大きな脅威にはならないとの余裕である。

https://www.inss.org.il/publication/will-china-reconstruct-syria-not-so-fast/?utm_source=activetrail&utm_medium=email&utm_campaign=INSS%20Insight%20No.%201187

<石のひとりごと>

ロシアを背景に、イラン、イラク、シリアがつながり、今また中国まで登場となれば、ユーフラテス川の東側にすでに大国が構えている状態である。今はアメリカ軍がいるので、これらの国々が、ユーフラテス川を越えて大きく移動することは不可能である。

しかしやがて、アメリカ軍がいなくなれば、これらの大国が、自由にユーフラテス川を越えてイスラエルに攻めてくるということも可能になってくる。終末の舞台ができ始めているようでもある。聖書の記述は以下の通り。

第六の御使いが鉢を大ユーフラテス川にぶちまけた。すると、水は、日の出るほう(東側)から来る王たちに道を備えるために枯れてしまった。・・・彼らは全世界の王たちのところに出て行く。万物の支配者である神の大いなる日に備えて、彼らを集めるためである。(黙示録17:12−14)
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イスラエルのシリア攻撃で15人死亡か 2019.7.8

 2019-07-08

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ダマスカス近郊 写真出展:France 24

シリア国営放送によると、1日早朝、ホムスとダマスカス近郊のイラン革命軍の拠点や武器関連地点、少なくとも10箇所が攻撃され、シリア人15人が死亡した。このうち9人はシリア人ではない外国人で、6人は、幼児1人を含む市民だと伝えている。

攻撃は、レバノン領空から発射されたイスラエルのミサイルで、何発かは迎撃ミサイルが対処したとのこと。その迎撃ミサイルの一発が、キプロスの山中に着弾し、火災が発生している。

これについてイスラエルはノーコメントだが、攻撃は、イスラエル軍が、衛星写真で、シリアにロシア製迎撃ミサイルS300が稼働していることが明らかになった直後であったことから、おそらく、イスラエルであると思われる。

イスラエル国家治安研究所のアモス・ヤディン元イスラエル軍諜報部長官は、イランがアメリカの高性能ドローンの撃墜に成功した後で、いつもより強気になっている可能性があるとして、反撃への危機感を表明していたが、幸い、今の所、反撃はない。

https://www.timesofisrael.com/15-said-killed-9-of-them-foreigners-as-israel-strikes-iranian-sites-in-syria/
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内戦後シリアをめぐる攻防:ロシア・イラン・アメリカ・イスラエル 2019.6.5

 2019-06-05
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ハメネイ師 写真出展:エルサレムポスト

シリアでアサド大統領が内戦を生き延び、まだ北部では戦闘が続いているものの、国の復興に向けて次のステップへと進み始めている。シリアで、今最も影響力を持つ大国はロシアだが、そのロシアが、意外にも内戦中は協力していたイランをシリアから排斥する動きに出始めている。

これはシリアと隣接するトルコ、イスラエル、そしてイランと対立する湾岸アラブ諸国にとっても無関係ではない。シリアを舞台にうごめく米露と中東諸国、イスラエルの立場については以下の通りである。

<イスラエルのシリア攻撃>

6月1日(土)夕刻、シリアからヘルモン山に向かって、2発のロケット弾が発射され、一発は、ゴラン高原のイスラエル側空き地に、もう一発はシリア側に着弾した。イスラエル側に被害はなく、市民への警報も鳴らなかった。

しかし、シリア国営放送によると、この直後、イスラエルがシリア南部クネイトラ近くの軍事拠点を攻撃し、武器庫が破壊され、シリア軍人3人、ヒズボラとイラン兵7人の計10人が死亡した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5518800,00.html

その翌日、イスラエルは、シリア中央のホムス近郊のシリア最大でイラン革命軍も駐屯するT4空軍基地を攻撃。シリア人3人、外国人2人の計5人が死亡した。

今回の2回の攻撃は、イランを離陸したボーイング747が、シリアのホムスへ着陸し、3時間後にイランへ戻っていった直後であった。イスラエル軍によると、この旅客機には、イラン革命軍から、ヒズボラなどの組織へ搬送する武器が載せられていたという。

イスラエル軍は、この日、複数の軍事基地を攻撃したことを認めている。ネタニヤフ首相は、これらの攻撃は、イスラエルに向けて発車されたミサイルへの報復であり、イスラエルがこのような攻撃を不問にすることはないと強調した。

シリア領内のイラン軍関連とみられる場所が、イスラエルによって(公式発表はない)攻撃されるのは、今に始まったことではない。イスラエルにとって、イランがシリアに進出してくること、またそこからヒズボラやハマスへの軍事支援が行われることは存続にも関わる緊急事態である。

シリアがイスラエルへミサイルを発射したのが先か、イスラエルがイラン軍関連地点へ攻撃が先か、もはやそうした単純な暴力の応酬ではない事情がシリアにはある。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5519384,00.html

<シリア内戦後:イラン排斥をすすめるロシア>

シリア内戦は、シリア北西部での戦闘を残してほぼ、アサド政権が主権を取り戻す形で終焉に向かいはじめている。アサド政権の復活を実現したのは、ロシア、イランとその配下にあるヒズボラなどのテロ組織であった。この中で、特にロシアの存在感が大きくなっている。

ロシアは、シリアを配下に入れることで、地中海へのアクセスを得ることと、同時に中東での覇権をねらっていたが、アメリカが、地理的に遠いことと、オバマ大統領が思い切った介入をしなかったことで、いまやシリアに最大の影響力を持つのはロシアになっている。

ロシアは今、シリア情勢の責任者として、平穏が続き、その影響下で経済的にも復興させ、国際社会でのロシアの存在をさらに大きくすることを望んでいるとみられる。こうなると、問題はイランの存在である。

イランは、今、内戦でできた足がかりを元に、シリアにその軍事的存在感を確立しようとしている。さらには、そこからレバノンなど隣国にいるテロ組織の武力強化も図っており、イスラエルが警戒を強めている。

イランが北部国境や、レバノン南部、海域にまで近づいてくることは、イスラエルには非常に大きな脅威である。イスラエルにとっては、国際世論などにかまっている余裕はなく、手遅れにならないうちにと、前もって脅威の根は排除するため、躊躇なく攻撃を行っているのである。

シリアで、イスラエルとイランが戦争になることを避けたいロシアは、イラン軍がイスラエル国境へ近づくことをけん制し、シリアの地中海第二の港タルトゥスからイランを追放したという。また、シリアのアサド政権に、イランの武力拡大と経済介入を抑止させたりしている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5520317,00.html

加えてロシアは、イスラエルのイラン軍事拠点攻撃についても、ある程度は黙認することで、イスラエルに合意している。

ロシアが今目標とするのは、アサド政権と、反政府勢力が一同に会して新しいシリアの国づくりを、ロシア影響下ではじめることである。今のところ、アサド政権を憎む反政府勢力が、平和にアサド大統領との話し合いに応じるはずもなく、今のところ、実現にはいたっていない。

しかし、これについては、2015年の世界諸国とイランとの合意でも決められていたことだった。

アメリカは、この2015年のイランと大国との合意から離脱して、イランへの経済制裁を再開しているわけだが、ロシア主導でのシリア政府と反政府勢力の合意にむけた会議については、合意するとみられている。 このため、以下に述べるが、アメリカとロシアが、イランをめぐって接近する様相が指摘されている。

<シリア内戦後:イランとの緊張高まるアメリカ>

アメリカは今、中東の権威においては、ロシアに先を越されているような形になっているが、トランプ大統領はそれにはこだわりはないようである。一時、シリアなど中東から米軍を撤退させると言っていた。

しかし、アメリカが撤退することが、クルド人勢力やイスラエルにも大きな脅威になるということで、その話は今は、頓挫したかにみえる。

逆に、アメリカは、原油禁輸というイランにとっては最後通告のようなレベルの経済制裁を再開するという中東への介入ぶりに豹変し、イランとの対決姿勢をエスカレートさせた。これにより、イランはいよいよ困窮してきたようで、ヒズボラやハマスなど様々なテロ組織への支援ができなくなっているとも伝えられている。

さすがにイランも苦しくなってきたとようで、ウランの濃縮を再開すると発表したり、アラブ首長国連邦に停泊中のオマーンなどのタンカーを攻撃するなど、軍事行動にまで発展させる可能性も出てきた。

このため、アメリカは、ペルシャ湾に空母や爆撃部隊を派遣。トランプ大統領は、後で否定したが、必要なら12万の大軍を派遣することも辞さないといった発言も出していた。最終的に、24日、トランプ大統領は、イラン対策として中東に1500人を増強すると発表。緊張がたかまっている。

https://www.bbc.com/news/world-us-canada-48404141

<アメリカとロシアがイスラエルで会談!?>

アメリカがロシアのように、シリアや中東での覇権を狙っている様子はないが、シリアからのイラン排斥という点においては、今ロシアとアメリカが、同じ方向を向いているようでもある。

ホワイトハウスによると、ロシアとアメリカは、6月末に、イスラエルにおいて、治安のトップが会談を行う予定とのこと。ロシアからは、ニコライ・パトルーシェブ治安長官、アメリカからは強硬右派と目されるボルトン治安担当大統領補佐官、イスラエルからは、メイール・ベン・シャバット国家治安顧問が出席予定である。

いうまでもなく、イスラエルで米露の指導者が集まって話し合うなど、前代未聞であり、まずは、実現するかどうかが注目されるところである。

https://www.timesofisrael.com/us-to-press-russia-to-help-counter-iran-in-syria/

<イランはどう出てくるのか>

さすがに、アメリカからの全面的な経済制裁は、イラン経済に大きな打撃を与えているとみえ、イランを動かし始めている。イラン国内では、急進派と穏健派がそれぞれの声をあげている。

急進派は、アメリカが、ペルシャ湾に空母などを派遣していることについて、イランはそれらをすべてミサイルの射程に入れているとして、戦争になる危険性も警告している。

アメリカは、イランがアメリカと戦争をしようとしているはずがない(勝てるはずはないとわかっているはず)という考えのようである。 2日、ポンペオ米国務長官は、「前提条件なしにイランとの交渉を行う用意がある。」と発表した。

しかし、イランがそれに応じるとは思いにくいとも考えているのか、「あらゆる危険への対処(ペルシャ湾での軍備)」は継続するとも付け加えた。

イランからは、穏健派と目されるロウハニ大統領が、アメリカとの交渉に応じてもよいと示唆したが、「もしアメリカが核合意に戻るなら」としており、これもまた、ありえないことと言い換えることもできる内容であった。

イランのザリフ外相とポンペイオ国務長官の間には、現在、コミュニケーションの経路がない。イランのハメネイ・イスラム最高指導者は、アメリカとの対話はありえないとしている。

https://www.aljazeera.com/news/2019/06/supreme-leader-khamenei-iran-continue-resisting-pressure-190604185251563.html

ではここからどこへ行くのかだが・・・・このままトランプ政権が終焉を迎えるまでイランが持ちこたえるか、もしくは戦争しかないということである。

<安倍首相のイラン訪問>

アメリカとイランの関係が、四面楚歌となる中、日本の安倍首相が、イランを訪問し、緊張緩和を模索することになった。日本は、制裁前は、イランからの原油輸入   位と、イランにとってはお得意様なのである。

ザリフ外相が5月に来日したのに続いて、イランも安倍首相の訪問を歓迎すると表明。安倍首相は、今月12-14日をめどにイランを訪問し、ロウハニ大統領、ハメネイ最高指導者と会談する予定である。河野太郎外相も同行する。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2019060300887&g=pol

ただし、先のトランプ大統領訪日の際に、相当に緊密な日米関係が世界に発信されているので、イランが日本をどこまで信頼するのかは不明である。

ところで、原油禁輸だが、中国は輸入を続けている疑いがある。香港でイランから中国に向かっていたとみられるタンカーが、アメリカによって止められた。中国は、アメリカと厳しい貿易戦争、もっといえば、覇権争いをしている最中であり、中東戦争が、世界戦争にまで発展する土壌はすでにあるということである。

<イスラエルの方針>

イスラエルは、米露の動きにもかかわらず、イランが相変わらず、強硬にシリアでの軍事力増強へのこころみを継続していることに注目している。イランは、シリアでの自らの戦力を増強するだけでなく、シリア南部では、フリーの戦士の雇用もすすめている。

また、イスラエルの調べによると、イラクのシーア派組織アル・シャビが、シリアとイラクの国境で勢力を伸ばしており、イランとこのシーア派との間を結ぶ道路ができ始めているという。いよいよイラン、イラク、シリア、レバノンから地中海への幹線ができあがりつつある。

ヒズボラとハマスへの支援も、イランの経済不振で今は滞りがちであるという情報が本当であったとしても、もうすでにこれらは、イスラエルを攻撃する従軍な武器を保持している。逆に先がないとみれば、いよいよ攻撃に出てくる可能性がある。

レバノン南部にいるヒズボラのナスララ党首は、「もしイスラエルがシリアでイラン拠点を攻撃するなら、イスラエルに反撃する」と脅迫する発言を行った。ヒズボラはすでに10万発以上のミサイルを保有しているが、イスラエル領内へ続く地下トンネルもつくっている。

*ヒズボラのテロ用トンネル深さ80m、全長1km:イスラエル領内へ77m

イスラエルは、5月末、イスラエルに続く地下トンネルを発見し、世界に向けて公表した。深さ80メートルで、全長1キロにも及び、イスラエル領内に77メートルも食い込んでいた。これで6本目になる。

https://www.timesofisrael.com/idf-reveals-longest-most-significant-hezbollah-tunnel-yet-on-northern-border/

一方、ハマスは、イスラエルに1日にロケット弾を1000発撃ちこむ用意があると豪語したが、指導者シンワルが、イランなしにパレスチナ人だけで、ここまでの武装はできなかっただろうと語っている。

https://www.timesofisrael.com/islamic-jihad-chief-says-gaza-groups-can-fire-1000-rockets-a-day-at-israel/

今後、ヒズボラとハマスが一気に攻撃してくる可能性もふまえ、イスラエルは、あらゆる手を尽くして情報収集を行い、これを未然に破壊して防ぐとともに、大きな戦争への備えを行っている。
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ゴラン高原・イスラエル主権:トランプ大統領署名完了 2019.3.26 

 2019-03-26

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ガザとの衝突が続く中、ワシントンのホワイトハウスでは、トランプ大統領が、ネタニヤフ首相、ペンス福大統領、ポンペイオ国務長官が見守る中、ゴラン高原はイスラエルの主権下にあると認めるとする公式文書に署名した。 (写真出展:ynet)

トランプ大統領は、ガザからのミサイル攻撃をあげ、「イスラエルは、日々このような危機的状況に立たされている。特にゴラン高原は、シリア、イラン、イラン指揮下のヒズボラに直面するため、防衛上非常に重要な地域。イスラエルは、主権国家として、自国の防衛の権利を持つものである。

それを支援するために、アメリカは、ゴラン高原におけるイスラエルの主権を認めると語った。また、記者らに向かい、「私の政権下で、アメリカとイスラエルの関係はこれまでになく強固になった。それを忘れるな。」と言った。

トランプ大統領は、またイランについても言及し、(経済制裁により)イランは、今や前のイランとは違う国になったと、イランに対するアメリカの国策を自評。イランに「アメリカに死を。イスラエルに死を。」などとは言わせないと語った。

これを受けて、ネタニヤフ首相は、この署名を歴史的と述べた。また、「トランプ大統領のこの宣言は、ちょうどイランがシリアに進出をすすめ、国境からはドローンやミサイルを飛ばしてくる中で行われた。」としてその重要性を強調し、「今のアメリカほどイスラエルにとっての友はない。」と感謝を述べた。

https://www.timesofisrael.com/trump-signs-proclamation-recognizing-israeli-sovereignty-over-golan-heights/

<シリア、ロシア、イランの声明>

シリアの国営放送は、ゴラン高原は、シリアの領地であると強調。アメリカのこの動きを、「シリアの主権へのずうずうしい攻撃だ。」と避難。

ロシアは、アメリカのこの動きは、中東にあらたな緊張を生んだと警告を発した。

イランからは不気味に声明はない。アメリカは、3月22日、イランに対する新たな経済制裁を発している。トランプ大統領の発言通り、イランは、もはやイスラエルどころではなくなっているのかもしれないが、逆に本当に恐ろしいことを計画している可能性もある。

いずれにしても、アメリカとイスラエルが、これまで以上に敵を増やしたことは間違いなさそうである・・・。

<AIPAC年次総会:アメリカ・イスラエル強し>

アメリカとイスラエルが、敵を増やしている流れではあるが、一方で、ネタニヤフ首相と、トランプ大統領は今、波に大乗りの感じである。

ネタニヤフ首相は、アメリカとの強力な友好関係をアピールすると同時に、ガザ問題で強力な対応に出たことで、総選挙において好スタートを切ったといえる。トランプ大統領も、ロシアとの共謀疑惑が終焉し、時期大統領選再選の可能性に大きく近づいたと言われている。

こうした中での、AIPACである。AIPACとは、The American Israel Public Affairs Committee(アメリカ・イスラエル公共問題委員会)の略で、親イスラエルのユダヤ人ロビー団体のこと。年次総会には、1万8000人が参加する。

ネタニヤフ首相は、明日火曜に演説予定であったが、ガザでの紛争を受け、急遽、帰国の途についた。

1)エルサレムへの大使館移動予定表明2カ国

AIPAC年次総会において、ルーマニアの首相とホンデュラスが、大使館をエルサレムへ移動する計画を発表。これに先立ち、ホンデュラスの大統領が、エルサレムに外交施設をすぐにも移設すると発表した。

https://www.jpost.com/Diaspora/Romania-announces-it-will-move-its-embassy-to-Jerusalem-584449

とはいえ、実際に移動させるまでは、イスラエルのメディアは、あまり大きくはとりあげなかった。

2)ポンペイオ国務長官、ペンス福大統領声明:反シオニズムは、すなわち反ユダヤ主義

ポンペイオ国務長官、ペンス副大統領は、福音派で知られる。ポンペイオ国務長官は、過去の調査からすると、「反シオニズムと反ユダヤ主義は同じである」と述べた。

ペンス福大統領は、「イスラエルを批判することは民主主義として認められる。しかし、反シオニズム、いいければイスラエルの存在を認めないということは、すなわち反シオニズムと同じことである。」と述べた。

また、民主党勢力が、パレスチナに同情的になっていく可能性がみえるとし、アメリカ議会は、伝統的にイスラエル支援の立場というのが、バイパルチザン(党を超えて一致)であったが、今はずいぶん変わってきていると述べた。

https://www.timesofisrael.com/pompeo-at-aipac-says-anti-zionism-is-anti-semitism/

トランプ政権は、それを支える福音派キリスト教勢力に支えられて、親イスラエルの旗印が、ますます明白になってきたようである。しかし、肝心なのは、イスラエルの総選挙後に、トランプ政権がどんな中東和平案を持ってくるのか・・・であろう。今後、注目される点である。
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ゴラン高原はイスラエル領:トランプ大統領のねらいは? 2019.3.25

 2019-03-25
PM Netanyahu and POTUS Trump のコピー 2 写真出展:Amos Ben-Gershom (GPO)

イスラエルでは、今年も20,21日と、仮装した人々でにぎわうプリムの祭が行われた。この例祭は、ペルシャ(イラン)のイスラエル絶滅計画を女王エステルが阻止したことを記念する例祭である。聖書のエステル記が詳細を記録している。

こうした中、トランプ大統領が、また爆弾を落とした。21日、ツイッターに、「ゴラン高原をイスラエルの領地と認める時だ。」と投稿したのである。トランプ大統領は、この件について、明日月曜にも、ネタニヤフ首相の訪米中に、正式な書類に署名するみこみとなっている。

イスラエルのネタニヤフ首相は、トランプ大統領の発表について、感激した様子で、「アメリカは、まず①イランとの核合意から離脱し、続いて、②エルサレムをイスラエルの首都として、大使館をエルサレムに移動させた。

さらに今回は、③特にイランがシリアからイスラエルを攻撃しようとする最中に、ゴラン高原をイスラエルの領地と認めるという。(イランからイスラエルへの攻撃を阻止する上で重要)。

はっきりしていることは、アメリカが今、イスラエルとともに立っているということだ。」と語った。

https://www.aljazeera.com/programmes/insidestory/2019/03/outcome-trump-golan-heights-tweet-190322180620302.html

<シリア、ロシア、イラン、トルコが反発>

ゴラン高原をイスラエルの領地と認めることは、中東においては、いわばタブーといってもよいほどに、繊細なことであり、大きな戦争への発火点になりうる。トランプ大統領の声明を受けて、ただちに、シリア、ロシア、イラン、続いてトルコがこれを、「無責任」、「国連決議に反する」などと非難した。

EUも22日、ゴラン高原がイスラエル領とは認めないとする立場に変わりはないと強調。UNHRC(国連人権保護委員会)は、トランプ大統領の声明直後に、パキスタンによって、イスラエルのゴラン高原での領地拡大を非難するかどうかの決議が行われ、賛成26、反対16、棄権5という結果になった。

https://www.reuters.com/article/us-usa-israel-syria-un/un-rights-body-calls-for-halt-to-israeli-expansion-in-syrian-golan-idUSKCN1R31VD

23日土曜には、ゴラン高原(イスラエル側)、マジダル・シャムスのドルーズ、シリア側では、クネイトラのドルーズたちが、シリアの側を掲げるなどして、これに反発するデモを行った。イスラエル軍は、暴動に発展する可能性に備え、北部国境の警備を強化している。

https://www.timesofisrael.com/druze-protest-in-golan-against-trumps-recognition-of-israeli-sovereignty/

しかし、エルサレム首都宣言と同様、実際には、トランプ大統領が、ゴラン高原はイスラエルの領地だと正式に認めたとしても、何も変わらないわけで、逆に、シリア、イラン、トルコ、ロシアを結束させ、イスラエルへの攻撃を早める可能性も出てくる。

イスラエル軍は、北部での衝突発生の可能性に備え始めている。

*何が問題なのか?:ゴラン高原の歴史的背景

ゴラン高原は、平均標高400mの長い高台で、5つの火山(休)を擁する。その北端には、標高2814mのヘルモン山が続く。広さは、1150平方メートルで、現在、このうちの3分の2をイスラエルが支配し、3分の1は、シリアの領地とされる。

ゴラン高原は、1967年の第三次中東戦争で、イスラエルが3分の2を取るまでは、すべてがシリア領だった。ゴラン高原からは、ガリラヤ湖から遠くイスレエル平原を見下ろすことができるため、かつては、シリア軍が、キブツや、ガリラヤ湖で漁をするイスラエル人を攻撃したものだった。

ゴラン高原は、イスラエル、シリア双方にとって、戦略上非常に重要な地域である。このため、シリアは、1973年の第4次中東戦争で、これを奪回しようとしたが、イスラエルに撃退された。

この戦争後の1974年、イスラエルとシリアは、現在の国境線で合意し、その間に、国連が監視する非武装地帯を設けた。この地域に駐留する国連軍をUNDOFといい、かつては日本の自衛隊も協力駐留していたことがある。(自衛隊はシリア内戦が激化した2013年に撤退)

この後、1981年、イスラエルは、ゴラン高原のイスラエル側を合併すると発表した。国際社会はこれを認めていないが、この後、イスラエルは、ゴラン高原の住民に正式な市民権を授与している。

これにより、ゴラン高原のドルーズは、分断されたが、イスラエル市民権を持つものも少なくなく、その人々は、イスラエル国内で、イスラエル人と同じ権利を有する形になっている。

ゴラン高原については、2010年から、水面下で、シリアとの交渉が行われ、全面的にシリアへ返還する話も出ていたようだが、2011年にシリアで内戦が勃発したため、この話はお流れとなった。

交渉が成立し、イスラエルがゴラン高原を返還していたら、今頃はイスラエルもまた戦場になっていた可能性もある。

<アメリカの動きで何が変わるのか>

トランプ大統領が、大変な場所を持ち出して、世界を揺るがしているわけだが、実際には、たとえアメリカが、ゴラン高原をイスラエルの領地と認めたとしても、現地では実際にはなにも変わらないというのが現状である。

国際社会は認めないとはいえ、ゴラン高原のイスラエル人たちは、世界でも高く評価されるワイナリーを設立しているし、実際のところ、ゴラン高原がイスラエルであることは、だれもが否定しえない状況である。わざわざ、ゴラン高原はイスラエルの領地と言わなくても、そうなのである。

これは、わざわざ、エルサレムをイスラエルの首都と言わなくても、実際には、そうなのであって、だれもが、知っている事実であるのと同じである。

トランプ大統領の爆弾宣言は、ただ論争をかきたてただけとの批判もあるが、しかし、いつか、どこかの時点で、正式に決めなければならないことであるのかもしれない。トランプ大統領は、やはり、「はだかの王様」であり、今、本当のことを本当と指摘したということである。

<なぜ今か?:総選挙でネタニヤフ首相続投支援?>

現地では、論争を巻き起こすだけとの批判を受けているトランプ発言だが、時期的にみると、イスラエルの総選挙2週間前という点が注目されている。

ゴラン高原をイスラエルの領地として、まずはアメリカに認めてもらうことは、ネタニヤフ首相が長年アメリカに働きかけてきた懸案である。それを今、ネタニヤフ首相は、とうとうこれを実現させたということになる。

さらに、トランプ大統領のこの件に関する正式な署名は、ネタニヤフ首相が、ワシントンで、トランプ大統領と会談することになっている明日月曜に行われるとみられる。さらに、この訪米期間中、強力なユダヤ・ロビー団体AIPACの年次総会でのネタニヤフ首相の演説も予定されている。

ネタニヤフ首相にとって、「アメリカをバックにもつ首相」という、これ以上華々しい選挙アピールはないだろう。

ネタニヤフ首相は、現在、汚職問題で起訴されており、中道左派からの強力なライバル、ブルーアンドホワイト党のガンツ党首と、厳しい接戦になっている。その総選挙2週間前の、トランプ大統領の動きは、時期的にはあまりにも、ネタニヤフ首相に好都合といえる。

どうみてもトランプ大統領が、ネタニヤフ首相を後押ししているとみられるが、トランプ大統領自身は、これを否定している。

<トランプ大統領は神がイスラエルをイランから救うために遣わされた:ポンペイオ国務長官>

ポンペイオ国務長官は、神が、女王エステルを通して、イスラエルの民をペルシャ(イラン)から救ったことを記念するプリムの例祭中に、イスラエルを公式訪問し、ネタニヤフ首相、フリードマン米大使とともに、嘆きの壁と、その地下トンネルを訪問した。最近できた神殿の3Dプレゼンテーションも楽しんだ。

嘆きの壁は、国際的には、まだイスラエルの領地とは認められていない。このため、各国公職者の場合は、私的な訪問に限られている。そうした中、ポンペイオ国務長官は、現職の役職のまま、しかも、ネタニヤフ首相とともに、嘆きの壁を訪問した。

元トランプ政権が、親イスラエルであることはもはや明白といえる。

https://www.timesofisrael.com/pompeo-says-trump-may-have-been-sent-by-god-to-save-jews-from-iran/

ポンペイオ国務長官は、エルサレムで、CBN(Christian Broadcasting Network)のクリス・ミッチェル氏のインタビューに応じ、「トランプ大統領は、神がイスラエルをイランの脅威から救うために遣わされたと思うか」と聞かれ、「クリスチャンとして、その可能性は、おおいにあると思う。」と答えた。

また、イスラエルが中東で、民主主義国家として存続していることについて、「神が働いておられることを確信している。」と語った。

https://www.bbc.com/news/world-us-canada-47670717

そのポンペイオ国務長官だが、今週末、イランの動きを阻止する目的で、中東を歴訪している。まずは、クウェート。ポンペイオ国務長官は、国際テログループとの戦いにおいて、クエートは重要な国と語った。

アメリカは、中東を不安定にする根源をイランとして、現在もイランへの経済制裁を継続している。ポンペイオ国務長官によると、イランからヒズボラへの支援金は、年間7億ドル(約800億円)。しかし、アメリカの経済制裁を受け、イランからヒズボラへの支援が滞っているとの考えを明らかにした。

ポンペイオ国務長官は、クエートの後、イスラエルを訪問。その後、レバノンのベイルートに飛び、アウン大統領ら政府高官たちと会談し、ヒズボラに対し、厳しく対応するよう求めた。

しかし、アウン大統領らは、ヒズボラを擁護する立場である。「ヒズボラは、テロ組織ではなく、レバノンのれっきとした政党である(国会128議席中70議席)。」と強調した。

https://www.jpost.com/Middle-East/Pompeo-US-sanctions-on-Hezbollah-Iran-are-working-584310

<いつまで続く?米福音派政権時代>

今のアメリカのトランプ政権は、福音派クリスチャンの声が反映しやすく、恐ろしいほどに親イスラエルだが、この時代がいつまで続くのかと思うと少々恐ろしい気もする。

実際、来週、トランプ大統領に弾劾の可能性まで出てきた。トランプ大統領には、2016年の大統領選に際し、ロシアと共謀した疑惑があり、この2年、捜査が続けられてきた。その捜査を行ってきたロバート・ミューラー氏が、捜査を完了したとして、バー司法長官に、そのまとめを提出。バー司法長官が議会に提出後、すぐにも一般公開されるみこみとなった。

ミューラー氏は、この件に関して、すでに、元国家治安顧問マイケル・フリン氏など、元トランプ政権関係の大物5人を含む34人の政治家を起訴している人物。いいかえれば、トランプ大統領は無罪として、この件から解放されるか、逆に国を裏切ったとして弾劾されるかのどちらかであった。

https://www.bbc.com/news/world-us-canada-47683309

アメリカ内外の注目を集めたが、26日、アメリカ議会に提出されたバー司法長官の報告は、「トランプ大統領のロシア共謀疑惑に関する証拠はない。」であった。民主党は、さらなる調査を行うと反発している。

しかし、当のトランプ大統領は、「まったくの無実であったことが証明された。」と述べ、ホワイトハウスは、「22ヶ月続いたホワイトハウスの雲が、取り除かれた。」との見解を発表した。

https://www.timesofisrael.com/trump-declares-total-exoneration-after-mueller-report-finds-no-collusion/

まったくもって、世界をふりまわす大統領である。しかし、どうにも、主に動かされているようでもあり、もしそうならば、定められた時までは、いかに反対者が出てきても、大統領の立場に置かれるのだろう。

問題は、その後である。トランプ大統領の、聖書を重んじる福音派政権の後にどんな政権になるかによっては、今が良すぎるだけに、その反動で、いよいよイスラエルが孤立し、世界に囲まれる状況になるかもしれない。そうなれば、いよいよ世界は聖書の言う終末時代に大きく前進することになる・・・
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シリアのIS壊滅宣言とイスラエル 2019.3.25

 2019-03-25
シリアでは、13日、ISの最後の拠点、バグスで、IS戦闘員とその親族ら3000人が投降したと、アメリカが支援するクルド人からなるシリア民主軍が発表した。

https://www.afpbb.com/articles/-/3215475?pid=21071099

これに続いて22日、トランプ大統領が、シリアのISは終了したと宣言。続いて23日、アメリカが支援するシリア民主軍(クルド人勢力)が、「シリアのISを撃滅」と発表した。

<IS後のシリア:最大の危機はクルド人自治区>

確かにISの支配域はなくなったが、多数のIS分子は、離散しただけで、付近に潜んでいるため、復活は時間の問題と指摘されている。

シリア民主軍によると、1月からのバグスでの最終戦闘で、ISのジハーディスト5000人とその親族2万4000人が散らばったていると推定される。(推定数・メディアによって数字は異なる)

シリアより先に、モスルを制覇してISを撃滅させたイラクでは、今やISの地下ネットワークができているもようで、シリアでも同様になると懸念されている。

また、現地のシリア民主軍クルド人勢力によると、外国から来て行き場を失い、現地で捕縛したIS戦闘員とその家族たちが、あまりにも多く、これを抑えきれるのか、危険な状態だと警告している。

さらにクルド人たちには、他にも懸念事項がある。クルド人を天敵として絶滅させたいと考えているトルコがすぐ国境まで近づいている点である。

シリアからISの支配域がなくなった今、シリアの3分の2を支配するアサド政権が、まだ残っている反政府勢力の討伐に乗り出し、国を統一しようとすることは明らかである。

その場合、アメリカとイスラエルとも友好関係を維持するクルド自治区のクルド人人勢力とその地域にいるクリスチャンたちを、アサド政権が、トルコと協力して取りかこみ、虐殺に及ぶ可能性があるのだ。

トルコやクルド自治区などのクリスチャンたちとも交流を持つエルサレムの祈りの家・リック・ライディング牧師が訴えている。

https://www.youtube.com/watch?v=ntAEIc4SgSg

<アメリカ軍撤退との関連>

トランプ大統領は、当初、シリアの主に東北部、クルド自治区にいるアメリカ軍2000人をすべて撤退させると言っていた。しかし、ユーフラテス川東側にあたるクルド自治区から、米軍が姿を消すと、たちまち、ロシア、イラン、トルコに至るシーア派の回廊ができあがり、イスラエルにとっても大きな脅威になる。

シリアからの米軍撤退については、アメリカ国内外からの懸念が殺到したことから、今は、アメリカ軍400人は残すとし、そのうちの半分にあたる200人は、シリア南部、ヨルダンとシリア、イラクの国境付近に残留させることになっている。

https://www.nytimes.com/2019/03/23/opinion/isis-defeated.html

しかし、トランプ大統領は今、IS復帰をけん制するためにも、2000人のアメリカ軍撤退を延期するとみられている。

https://www.france24.com/en/20190323-syria-kurd-autonomy-under-threat-after-caliphate-falls
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