メキシコ大地震:新年の角笛を被災地に運ぶイスラエル軍救援隊 2017.9.22

 2017-09-22
イスラエルでローシュ・ハシャナが始まった19日、メキシコ・シティを、マグニチュード7.1の巨大地震が発生。21日の時点での死者273人(うち137人はメキシコ市)が確認されている。

がれきの下での生存率が大幅に下がる72時間が迫る中、必死の捜索活動が続けられているが、犠牲者数はまだ増えると懸念されている。同市では、9月7日にもマグニチュード8.1の大地震が発生し、90人が死亡したばかり。

イスラエルのネタニヤフ首相は、地震発生後、直ちに救援隊派遣の準備を指示。翌、20日には、”角笛の音・遠征隊”と名付けられたイスラエル軍の救援部隊(70人)が出発し、地震発生36時間後にはメキシコシティに着いて、活動を開始した。

Yネットによると、今回の活動は、隊員71人のうち、25人がエンジニアや、建設技術を持つ隊員で、メキシコの専門家たちとともに、全壊したビル38件(BBCによると44軒)の位置確認や、調査といった後方支援を中心に行っている。

しかし、まだ地震発生から36時間であったことから、得意の生存者の捜索、救出活動も行っている。イスラエル軍だけでなく、イスラエイド(イスラエル国際救援組織)もメキシコに到着し、捜索・救援活動を行っている。

イスラエルの救援隊が早期に到着し、協力しはじめたことはBBCや日本のメディアも報じた。

*新年の角笛をメキシコの被災地で吹きならずイスラエル軍兵士たちの様子

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5019490,00.html

なお、日本からも、国際緊急救援隊(JDR)72人が派遣され、21日より活動を開始している。アメリカなど各国の救援隊も活動を行っている。

*メキシコの精鋭救援隊”もぐら隊”

メキシコは日本と同様、地震大国である。1985年の大地震では、広範囲にビルや建物が倒壊し、1万人が犠牲となった。これを受けて、1986年、メキシコ政府は、将来の大地震に備えて、正式なボランティア救援隊の登録を始めた。

この救援隊は、”もぐら隊”と呼ばる。今回の地震でも活躍しているもよう。

<バプテスマ中の教会が倒壊>

今回の地震で非常に悲惨なニュースが続いている。メキシコシティから150キロ離れた町プエブラでは、カトリック教会で、2ヶ月の女児のバプテスマを行っている最中に地震が発生し、女児を含む家族親族11人が死亡。救出されたのは、家族では唯一、女児の父親と、儀式を導いていた神父のみだった。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5019490,00.html

<小中高統一学校が倒壊>

がれきからの救出で、特に優先度が高く挙げられているのが、震源地に近いプエビラ・レブサメン・スクール。小学校では、少なくとも子供21人と大人5人の死亡が確認されている。

必死の救援活動が続けられるのを、両親たちが見守っている姿は、他人事ではない気がする。こうした中、地震から32時間後に、12歳の少女、フリーダ・ソフィアさんが救出されたことは世界中が報じた。

http://www.bbc.com/news/world-latin-america-41343244
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イスラエル最大の脅威はイラン:第17回国際テロサミットより 2017.9.12

 2017-09-13
イスラエル中部ヘルツェリアでは、9:11を記念して、毎年、国際対テロサミットが行われる。今年も第17回目となるカンファレンスが、9月11日より、4日間の予定で行われている。テロの現場から、どう対処するのか、専門家や政治家たちがそれぞれの意見を述べている。

<イスラエル最大の脅威はイラン>

第17回対テロカンファレンスにて、リーバーマン防衛相は、すべてのイスラム過激派の背後には、イラン政権があると指摘。イスラエルにとって最大の脅威はイランであると強調した。

「イランの支援なしに、ヒズビラ、ハマス、イスラム聖戦が今のような力を保てるはずがない。テロ組織支援に加え、イランは、核兵器開発、非核兵器を充足して革命軍をさらに強大化させ、サイバー攻撃をもってイスラエルの破滅をねらっている。」と指摘した。

右派ユダヤの家党のナフタリ・ベネット党首は、対テロサミットにて、「9:11事件のとき、ちょうどニューヨークにいて、ビルの炎上と逃げてくる人々の波を目撃した。あの時、人間の残虐性に限界はないと思った。もしビン・ラディンがあの時核兵器を持っていたらそれを使っていただろう。

イスラエルは、いかなる妥協もしない。イランは、ゴラン高原、またシリアから完全に撤退するべきだ。」と語った。

*イラン・シリアの動き

シリアでは、ISISが徐々に支配域を徐々に失いつつあり、その空いたところに、イランが入り込みつつあると伝えられている。特に、シリアとヨルダン国境付近、ゴラン高原の近くを、ロシアとアメリカが停戦域にしたことで、その空白へイランが入ってきているという情報があり、イスラエルは神経をとがらせている。

9月7日、シリアのハマ(ダマスカスから約200キロ北)にある科学研究所が空爆、破壊された。シリア政府の科学研究所で、化学兵器を開発しているとみられる。爆発の様子からミサイル施設もあったとみられている。

シリアのメクダド外相は、空爆はイスラエルの空軍機によるものだったと発表。「イスラエルは、(ISISと戦う)シリアを攻撃し、 ISISを支援するテロ国家だ。」と非難し、イスラエルはひどいツケを受けることになると脅迫した。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/235331

こうしたシリア軍施設への空爆は、過去に何度も発生しているが、今回も含め、イスラエルは、ノーコメントである。

しかし今回は、11日、リーバーマン国防相が、「シリアは、イスラエルを試すようなことはしないほうがよい。イスラエルが脅迫を軽く受けることはないからだ。」と脅迫しかえした。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5015343,00.html

*イランと北朝鮮問題:イスラエルへの影響

北朝鮮が、6回に及ぶ弾道ミサイル発射実験を行った後、9月3日、ICBM(大陸弾頭弾)に装着可能な水爆実験に成功したと発表。アメリカだけでなく、韓国、日本にとって大きな脅威となっている。

この問題はイスラエルにも無関係ではない。イランと北朝鮮が軍事、特に核開発において緊密な相互支援関係にあるからである。

INSS(イスラエル治安研究所)所長で、元イスラエル軍諜報部長官のアモス・ヤディン氏は、今、国際社会が北朝鮮に徹底した対処を行わない場合、次はイランが、2015年にイランと世界諸国が合意した核開発保留の期限切れ(2030年)とともに、一気に核保有国になると警告する。

これはイスラエルへの脅威になるだけでなく、中東での核競争の引き金となる。イランが核保有国になるとなるとサウジアラビアが核を保有しないわけにはいかないからである。サウジが核保有になれば、周辺諸国も競って核を保有しようとするだろう。

先週、北朝鮮の核実験を受けて、国連安保理は、北朝鮮への対処について協議を開始した。アメリカ、日本、韓国などが、最強の経済制裁を求めたのに対し、中国、ロシアがこれに同意せず、最終的には12日、最強とは言えない「制限」とも言える、新たな制裁が課される形で合意したと発表された。

言い換えればアメリカが折れたということである。ここから見てもわかるように、北朝鮮はすでに核保有国になってしまったため、武力行使するには危険すぎる状態になったのである。

ならば、戦争がないということか・・・?というわけにもいかない。キム・ジョンウンが、予測不能な独裁である以上、いつなんどき核兵器を使ってしまうかわからないという危険が、これからはつきまとうということである。

イランとの関係において、イスラエルが、これと同じ状況になることを受け入れることはできない。イランがすでにイスラエルを破壊し一掃すると公言しているからである。

イスラエルの防衛は、まだ国外にあるうちに、武器に関しては、まだ完成する前に、根こそぎその脅威を取り除くということが基本である。そのため、諜報活動を非常に緊密に行っており、全く予想外の時に、脅威となりうるものを完全に破壊する。

常に先手を打つことが最大の防衛であるということを、イスラエルは体験してきたのである。

この考え方で、イスラエルは、1981年、イラクの原子力施設を奇襲。完全に破壊した。これにより、イスラエルは、東側の脅威を大きく排除したといわれている。こうしてみると、北朝鮮に水爆まで作らせてしまった国際社会はすでに後手に回っていると言えるだろう。北朝鮮はすでに核保有国になってしまった。

しかし、こうした攻撃は、相手がまだイスラエルを攻撃する前にやることであるので、下手をすれば、国際法違反ということになり、国際的には窮地に立つというリスクも伴っている。イスラエル以外の通常の国がこれを実施することは困難だろう。

しかし、イスラエルは、たとえリスクを伴っても、国民を守るためには、常に先手を打つことが必要だと、これまでに痛いほど体験して学んだのである。

これから15年、20年先、ヤディン氏が警告したようにイランもまた核保有国になるのか、それまでにイスラエルがイランを攻撃して対処してしまうのか。イスラエルは、危険が明らかになれば、躊躇しないだろう。これから先、イスラエルがどう出るのか、注目されるところである。

*北朝鮮危機への対処:イスラエルの視点

イスラエルは、隣国からのミサイル攻撃には慣れている。北朝鮮の度重なる挑発的なミサイル実験について、イスラエルの視点ではどう見ているのだろうか。INSSのアモス・ヤディン氏は、北朝鮮の挑発を止めるためには、ミサイルの発射地を、だまって(奇襲)、事前に攻撃することが必要だと語る。

その際には、北朝鮮が現存するミサイルを一つも残さず、一気に全部壊滅させなければならないと警告する。一つでも残せば、それを使って韓国や日本、アメリカにまで核兵器を撃ち込んでくるからである。

しかし、今のアメリカが北朝鮮のすべてのミサイル発射地を把握しているとは考えられず、もしアメリカと北朝鮮が、本当に戦争になれば、最も被害を被るのは、韓国や日本だとヤディン氏は警告する。

しかし、この問題は、イスラエルとヒズボラの問題にも当てはまる。レバノン南部のヒズボラは、すでに15万発ものミサイルをイスラエルに向けて配備している。

ヒズボラとの戦争になれば、ヒズボラが危険なミサイルをイスラエルに撃ち込んでくる前に、できるだけ早く、南レバノンを一気に、一掃してしまわなければならない。その際、そこにレバノン市民がいるなどと考慮している暇はないだろう。

同様に、もし、今アメリカと北朝鮮が戦闘に入った場合、アメリカと韓国は、一気に北朝鮮を一掃してしまうような大攻撃を行わなければならないだろう。この際、日本はどうしているだろうか。

日本も核保有国になるのか、少なくとも、アメリカの核兵器を受け入れるようにするべきなのか。石破元防衛相が問題提起しているように、核の問題を、論議をしていかなければならない時代に来ているようである。

http://www.jpost.com/Israel-News/Ex-IDF-Intelligence-Chief-Trump-should-strike-preemptively-in-NKorea-504086
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イスラエルに反抗しないアラブ人たち 2017.8.14

 2017-08-15
1)パレスチナ人シオニスト

西岸地区ラマラで生まれたパレスチナ人、サンドラ・ソロモンさん(39)は、10年前にクリスチャンとなり、今はイスラエルの支持者、シオニストになっている。サンドラさんは、腕に「イエスは救い主」と「イスラエル」という文字を刺青している。

サンドラさんの元の名はフィーダで、おじは、ファタハのメンバーで、ヤセル・アラファトに近くで働いた人物だという。いわば、”ハマスの息子”ならぬ”ファタハの娘”である。

フィーダさんは幼少時を、ヨルダンとサウジアラビアのパレスチナ人社会で過ごした。その中で、いかにイスラエルを憎むように育てられたかを証する。最も重要なこととして教えられたのが、アルアクサモスクを解放し、エルサレムを解放すること。そしてイスラエルの破滅だったという。

第二インティファーダのときは、イスラエルで大きなテロが発生するたびに、キャンディが配られた。

サンドラさんがクリスチャンになったきっかけは、イスラムの女性の扱いが受け入れられなかったことだった。サンドラさんは、強制的に結婚させられ、2児をもうけた後離婚。2児のうち下の息子を連れてカナダへ移住した。以来、トロント在住である。

ソロモンさんは、カナダで、ユダヤ人とその歴史に触れる機会があり、聖書を読み始めた。ユダヤ人がモハンマドやイスラムより前に、イスラエルに地にいたことを知った。

サンドラさんは、クリスチャンになったことをヨルダンにいる家族に告げて以来、家族からは勘当されている。しかし、真実の力”が私を変えたと語る。

サンドラさんは、2国家2民族案が可能だとは考えていない。パレスチナ人が、イスラエルを破滅させるよう、子供達に教えているからである。むしろ、全体をイスラエルが支配し、その中で、マイノリティとして、パレスチナ人が住むことが理想と考えている。

こうした考えをもつパレスチナ人は非常に珍しいといえる。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5001245,00.html

2)イスラエルに落ち着くイラン人記者

イラン人記者ネダ・アミンさん(32)は、2014年、著書がイラン当局に不適切と判断され、イランから追放された。

その後、アミンさんは、トルコで難民申請をし、受け入れを待っていたが、その間に、Times of Israelというイスラエルメディアに記事を書くようになった。これはトルコにとってもイランにとっても問題のある行動である。

トルコは、アミンさんに30日の猶予とともに、国外へ退去するよう言い渡した。行き場がなければ、イランへ送還され、拷問、長期間の拘束、または死刑になる可能背もあった。

これを受けて、イスラエル内務省は、アミンさんに特別な観光ビザを出し、その間に、イスラエルで難民申請をするようすすめた。これに応じ、アミンさんは、9日、イスラエルに到着した。

イランがこのようにイスラエル人を受けれることは絶対にありえないが、イスラエルは、たとえ敵対国の市民であっても、事情を理解すれば、受け入れるのである。これは、特記すべきことではないかと思う。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5001183,00.html

3)神殿の丘で殺害されたトルーズ族警察官の家族

先月、神殿の丘から出てきたパレスチナ人テロリスト3人に、イスラエルの警察官2人が殺害されたが、この2人は、ドルーズだった。ドルーズは、ゴラン高原や、ハイファ近郊に住むアラブ人で、ドルーズ教を守っている人々のことである。

ドルーズはアラブ人だが、イスラム教徒や一部のキリスト教徒のアラブ人と違い、居住地の支配者に忠実であるよう教えている。(ゴラン高原のドルーズは例外)。このため、ドルーズは、ユダヤ人と同様に、イスラエル軍に従軍し、警察、刑務官として働く者も多い。

アラビア語ができるので、イスラエルにとっては貴重な盟友である。今回、犠牲になった警察官の家族の元には、リブリン大統領や、フリードマン米大使、閣僚たちも、続々と遺族を表敬訪問している。

しかし、ドルーズ教は、元はイスラム教から発した宗教で、イスラムからすれば異端。このため、両者の間には昔から確執があった。

その背景の中、今回、神殿の丘で、イスラム教徒にドルーズ2人が殺害されたことから、怒ったドルーズが、犠牲になった警察官の実家のある町のモスクに手榴弾を投げつける事件が発生した。幸い、負傷者はなかったが、今後、両者の間に、争いが始まるのではないかと懸念された。

しかし、殺害された警察官の家族たちが、「復讐は望まない。神は、国や宗教を責めることを禁じておられる。」と呼びかけたため、大きな争いには発展しなかった。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5001351,00.html
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ヨルダンからイスラエル大使館員無事帰還 2017.7.25

 2017-07-25
ヨルダンとの外交危機が発生してから28時間。アンマンのイスラエル大使館内でのテロで負傷した大使館警備員が、エイナット・シュレイン在ヨルダンイスラエル大使と大使館職員らとともに、、ヨルダン川を越え、イスラエルへ帰還した。

同時に、イスラエルは、神殿の丘に設置された金属探査ゲートを除去することが発表された。

ゲートの代わりに、通過する人間にはまったく気がつかないような、たとえば人間の体温から武器の有無を判断するようなハイテク技術を導入するという。これに予算1億シェケル(約34億円)を計上したことまで報じられた。

ヨルダンのメディアによると、大使館職員返還の条件として、イスラエルは神殿の丘問題への”速攻”の解決策を直ちに講ずることを挙げたという。これはつまり、金属探査ゲートの除去ということになる。

なお、イスラエル政府は、ヨルダンと交渉があったことは認めていない。

<事件詳細>

調べによると、日曜、大使館内の住宅に、大使館警備員と、ヨルダンの家具屋の息子と、家のオーナーが立ち会う中、ベッドが搬入されていたところ、家具屋の息子と警備員の間で、「時間内に仕事が終わっていない。」ということで口論になり、家具屋息子が警備員を持っていたスクリュードライバーで刺したということである。

これに反撃した警備員の銃撃で、家具屋息子は死亡。そこにいた家のオーナーも流れ弾に当たって死亡したということで、神殿の丘問題とは直接の関係はないようである。

<解決までの流れ>

事件発生から、イスラエルとヨルダンは、事件解決に向けて、ただちに交渉を開始した。イスラエルは、ヨルダンが、単独で、負傷した大使館警備員の尋問を行うことを拒否。しかし、ヨルダンも、警備員をイスラエルへ戻すことは拒否した。

このため、イスラエルは、夕方、シンベト(国内治安組織)のナダブ・アルガマン長官がアンマンへ派遣し、ヨルダン政府関係者が同席する中で、ヨルダン人2人を殺害するに及んだ職員の尋問を行った。

アルガマン長官はイスラエルへ戻って、ネタニヤフ首相と協議。ネタニヤフ首相は、ヨルダンのアブダラ国王と電話協議し、解決へと急速に進んだということである。

http://www.timesofisrael.com/amman-embassy-security-guard-returns-to-israel/
http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/232934
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4993906,00.html

<一石二鳥になりうるか?>

今回の大使館内でのテロ事件は、非常に早い解決となった。同時に金属探査ゲートの除去が決まったというところからして、この事件が、イスラエル、ヨルダンにとって、いわば、”わたりに船”であった可能性がある。

イスラエル政府としては、いったん出した金属探査ゲートをテロがエスカレートするからというだけで、ひっこめた場合、過激派に負けを意味することになり、国民に対しても、入植地で3人も殺害されてからの決断かと問い詰められる可能性もある。ひっこみがつかない状態にあった。

一方、ヨルダンにとっても、神殿の丘問題は、イスラエル以上に大きな問題だった。ヨルダンは国民の70%以上がパレスチナ人なので、ヨルダン王室のイスラエルへの対処が気に入らないとなると、王室が転覆させられる危険もあるからである。

イスラエル政府、ヨルダンは、神殿の丘問題の早期解決という共通の、さしせまった目標があったのである。

そこで、今の神殿の丘暴動のシンボルのようになっている金属探査ゲートの排除をイスラエルに認めさせるということで、大使館警備員を返すというとりひきが成立したとみられる。

中東は、今、シリア、イラクでのISISの問題で非常に危険な状態が続いている。スラエル政府にとってもヨルダン王室にとっても、お互い治安協力関係を維持することは非常に重要であるということである。
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ヨルダンのイスラエル大使館内でテロ:神殿の丘関連か 2017.7.24

 2017-07-24
23日夜、ヨルダンの首都アンマンにあるイスラエル大使館内でイスラエル人警備員がヨルダン人(17)に襲われ、警備員の反撃でヨルダン人2人が死亡するという事件が発生した。

詳細はまだ明らかになっていないが、イスラエル外務省は、エルサレムの神殿の丘問題に関連するテロ事件とみている。しかし、何が原因であれ、結果的にイスラエル人が、ヨルダンのイスラエル大使館で、ヨルダン人を殺害しているため、非常に複雑で深刻な外交問題である。

ヨルダンは、負傷した警備員を尋問のため引き渡すよう、イスラエルに要求しているが、イスラエルは、ウイーン条約(大使館内はイスラエルの管轄)により、これを拒否。

これに対し、ヨルダンは、すべてのイスラエル人大使館員らがヨルダンを出ることを禁止。現在、大使館職員、大使館警備員は全員、イスラエル大使館内で待機させられている。

<何が起こったのか>

これまでに明らかになったところによると、23日、ヨルダン人のモハンマド・ザカリヤ・アル・ジャワウデ(17)は、大使館内にあるイスラエル人警備員の自宅の家具の模様替えか何かで、この物件の大家とともに中に入ったもようである。

そこで、家具を動かしている時と思われるが、アル・ジャワウデが、警備員を背後からスクリュードライバーで刺した。これに警備員が反撃し、アル・ジャワウデを射殺。その後意識を失って倒れた。この時の流れ弾で、ヨルダン人大家も負傷。搬送先の病院で大家も死亡した。

<神殿の丘問題と他人事でないヨルダン>*神殿の丘問題詳細については、以下の記事、また前回記事を参照

現在、イスラエル政府、ヨルダン政府は、事件を鎮めるため、水面下で、協議が行われているが、ヨルダンの70%はパレスチナ人で、イスラエルへの反発を抑えきれていないのが、ヨルダンの最近の現状で、見通しは決して明るくない。

これに先立つ23日も、ヨルダンのアンマンでは、神殿の丘にイスラエルが設置し、実質入り口を管理していることについて、「アル・アクサを救出せよ。」と叫ぶ数千人のデモが発生している。

神殿の丘は、現在、ヨルダンのワクフ(イスラム財団)が管理するものであるため、イスラエルが、金属探知器を置いて、その出入り口を管理している状態について、エルサレムのイスラム教徒以上に、イスラエルに対して怒り狂っているのである。

今回、イスラエル人警備員に射殺された、アル・ジャワウデの家族は、「息子は殉教者だ」といい、ヨルダン政府は、イスラエルと断行することを要求している。

これは非常に難しい状況である。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4993529,00.html

アンマンのイスラエル大使館周辺とヨルダンでのデモの様子:http://www.jpost.com/Middle-East/Israeli-security-guard-stabbed-in-attack-at-Israels-Jordan-embassy-500536
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