合法化法案:国会通過 2017.2.8

 2017-02-08
西岸地区の入植地のうち、土地の所有権がパレスチナ個人になっているため、違法とされる未認可の入植地の合法化を可能にする法案、「合法化法案(Regulation Bill)について。

イスラエルでは、法案が成立するためには、まずは、国家での審議を3回通過し、最高裁が認めることが必要となる。合法化法案は、昨年中に1回目を通過していたが、6日夜、2回め、3回目が行われ、賛成60、反対52と、賛成が上回って、国会を通過した。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4918700,00.html

この後、最高裁の司法長官が、この法案に関する不服申し立てを聴取して、これらをクリアすれば、正式にイスラエルの法律となる。もしクリアしない場合は、法律にはならない。

これまでのところ、マンデルブリット司法長官は、「この法案は、どうみても国際法上違反であり、イスラエルを国際的に難しい立場に追いこむ可能性がある。」と主張。この法案を、最後の司法の段階でストップさせるとの意向を明らかにしている。

しかしその場合、政府は、司法長官を解任することも可能とのことで、今後、司法長官がどういう決断を出すのかが注目されている。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/224590

<法律になった場合、ならなかった場合どうなるのか>

もし法律となった場合、イスラエル政府は、未認可入植地の土地を所有するパレスチナ個人に、相当額以上の補償金をもって土地を買い取り、正式に国有地として、入植地に長期リースする。*

しかし、もし法律にならなかった場合、法的にパレスチナ個人の土地とされる地所にある入植地家屋は、違法として撤去を命じられ、家屋は破壊されることになる。先週、強制撤去が完了したアモナでは、建物の破壊が始まっている。

もしこの法案が通らなかった場合、撤去措置を命じられる入植地は、アモナだけで終わらない。

アモナに近いオフラという入植地では、9軒の家が、高等裁判所によって、2月8日を期限に撤去が命じられていた。しかし、反発が大きいため、高等裁判所は、期限を約1ヶ月延期し、3月5日までとした。3ヶ月の延期要請に対しぎりぎりの譲歩である。

すると、これを不服とするオフラ住民ら約5000人が、「これ以上入植地を撤去させるのではなく、合法化すべきである。」と訴えるデモを行った。さらに国会が合法化法案を論じた火曜にも、エルサレムで、9軒の合法化を訴えるデモを行った。

この他、入植地タプアハでも、高等裁判所から、6月を期限に17の家屋の撤去を命じられている。Yネットによると、もし合法化法案が成立しなかった場合、西岸地区で、同様の処置を命じられる物件は2000~2500軒にのぼるという。

国際社会からの非難を避けて合法化法案を破棄した場合、今度は入植者の怒りがイスラエル政府に向くということである。

http://www.timesofisrael.com/5000-rally-in-ofra-to-protest-planned-evacuation-of-9-homes/
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4860424,00.html

*土地は全部国有ということについて

イスラエルでは、土地はすべて国有で、個人所有地はない。一部、ギリシャ正教の土地などがあるが、政府が長期で借り上げて、市民にリースしている。ちなみにクネセト(国会)を含む地域の土地は、政府が、ギリシャ正教から長期で借り上げている土地。

このため、新しい土地に何かを建てる際、非常に複雑で長い手続きが必要になる。イスラエルの住宅事情がなかなか改善しない一因になっている。

<国会大論争>

この法案については、審議をすすめようとする与党連立政権に対し、激しく反発する野党勢の間で、昨年からずっと激しい論議となっていた。

この法案は、最終的には西岸地区のユダヤ人地域(C地区)を、すべてイスラエルに合併するということで、事実上、二国家共存案を不可能にしてしまう可能性がある。これは、パレスチナのみならず、国際社会の反発も避けられないことを意味するからである。

実際、この法案の国会での議論が始まると、パレスチナ自治政府は、イスラエルへの暴力の再燃を示唆するほど反発。また国連では、安保理が、昨年末に反イスラエル入植地決議を可決したばかりである。野党勢は、今、合法化法案を論じるのは、時が悪すぎると訴えている。

あまりにも論争が激しいことから、与党リクードの中からも、国会での最終審議は、せめてネタニヤフ首相とトランプ大統領の会談(2月15日予定)が、終わるまで延期すべきだと声も多数あった。

また、ネタニヤフ首相は、今日、6日、イギリスのメイ首相を公式訪問したのだが、せめてそれが終わるまで審議は延期するよう、発案者の右派ユダヤの家党ナフタリ・ベネット党首に要請していた。

しかし、ベネット氏はそれを拒否。6日火曜、国会は、ネタニヤフ首相を待たずに、法案の審議に突入したのであった。ネタニヤフ首相は、メイ首相との会談後、急ぎ直帰したが、審議、採択は、ネタヌヤフ首相不在のままで始められた。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4918700,00.html

<国際社会いっせいブーイング>

この法案が国会を通過したことが伝えられると、予想通り、国際社会はいっせいにブーイングを出した。名をあげたのは、イギリス、フランス、トルコ。

EUは、入植地の合法化は、”赤線を超える”(受け入れられない)とする声明を発表。2月28日に、イスラエルとの関係改善をめざすサミットを予定していたが、これを保留にすると伝えてきた。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4918960,00.html

国連のグテーレス事務総長は、「国際法に違反する。イスラエルは、法的な責任を問われる。」と厳しく非難した。

パレスチナ自治政府は、国際社会に対し、イスラエルを処罰するよう、呼びかけた。

また、アッバス議長は、先月、70カ国以上を招いて、この問題に関する国際会議を開催し、安保理の反入植地決議案を確認したフランスのオーランド大統領を訪問した。オーランド大統領は、イスラエルはこの法案を撤回すべきであると語った。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4919004,00.html

<アメリカの反応>

今回、イスラエルが一気に入植地政策をすすめているのは、トランプ政権がイスラエル支持ということが拍車になっている。しかし、ホワイトハウスは。「入植地の存在は平和への妨害にならないが、一方的な建築は妨害になりうる。」と若干、釘をさすコメントを出していた。

合法化法案の国会での議論については、トランプ大統領とネタニヤフ首相の会談が終わるまでは、動かないようにとネタニヤフ首相に伝えていたという。しかし、結局、審議は会談の前に行われ、国会を通過してしまった。

これについて、ホワイトハウスは、「最高裁の判断が出るまでは、コメントは控えるべきと考える。」と言っている。

<石のひとりごと:今後どうなるのか>

まずは今後、この法案が、実際に成立するかどうか。司法長官の決断が注目される。

しかし、現時点では、この法案が国会を通過して、イスラエルが世界中から非難されていることから、たった今、パレスチナがイスラエルを攻撃しても、イスラエルに同情する国はほとんどないという形が出来上がっている。正義はパレスチナ側にあり、という状況だ。

実際、ここ数日、ガザから銃撃が数回あり、南部地域に向けてミサイルも飛んできたことから(被害はなし)、イスラエル軍がハマスを空爆するという事態になっている。

しかし、ここで、この先、トランプ政権がどう出てくるかによって、状況は変わるだろう。イスラエルの盟友はアメリカだけだが、そのアメリカは、なんといってもまだまだ世界最強の国だからである。このジャイアンが味方してくれれば、イスラエルは、守られるかもしれない。

ところで、イスラエルが孤立しているというのは、政治上、ということであり、ビジネスや技術開発という面では、イスラエルは決して孤立していない。以前にもまして、イスラエルの技術力を求めてくる国は増えている。

不思議なパラドックスだが、ビジネスはビジネス。友ではないので、国益にならなければ、それらの国々はイスラエルをさっさと見捨てるだろう。

そういう意味では、やはり、イスラエルにとって、アメリカは唯一の”決して裏切らない”・・・はずの同盟国なのだが、そのアメリカがトランプ政権で、予期不能だから、なんとも危うい感じである。
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入植地政策に釘!?:トランプ政権 2017.2.3

 2017-02-03
昨日、イスラエルの調子に乗ったような急激な入植地政策にアメリカは黙認状態とお伝えしたばかりだが、今朝のニュースによると、ホワイトハウスが、これに釘をさすコメントを発表した。

それによると、「入植地の存在が、平和への障害にはならないとは思うが、それを一方的に拡大することは、障害になりうる。」という言い方である。政権発足後、初めてアメリカが二国家二民族案を支持する姿勢を示唆した形だ。

しかし、ホワイトハウスは、この件(入植地)に関するアメリカの正式な立場はまだ表明していないとし、今月15日にネタニヤフ首相がトランプ大統領を訪問したときに、話し合う予定であると語った。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/224340 

<イスラエルの反応>

イスラエルの国連代表ダニー・ダノン氏は、「まだアメリカがイスラエルに対する態度を変えたかどうかを論じるのは早すぎる。」とし、いずれにしても最終的にはイスラエルのことは、イスラエル自身が決めるまでだとの考えを語っている。

* 入植地に関する説明 : Vox Media 
パート1 https://www.youtube.com/watch?v=E0uLbeQlwjw
パート2 https://www.youtube.com/watch?v=B6L9mS9ti6o 
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西岸地区前哨地アモナ:強制撤去完了へ 2017.2.3

 2017-02-03
イスラエル政府は、西岸地区入植地の合法化法案(Regulation Bill)を国会審議にかける条件として、切り捨てられることになった前哨地(Out post)アモナ*の強制撤去が1日、行われた。

*アモナとは?

アモナは、入植地ならぬ”前哨地”とよばれる西岸地区のユダヤ人居住区である。土地は書類上、パレスチナ個人の所有となっているため、イスラエルの法律によっても違法とみなされている。そのために入植地として認可されていない。

西岸地区にはこのような前哨地が60以上あるのだが、アモナは開拓されてから20年になり、大きさも最大で、政府の撤去命令にも従わず、長年、問題になってきたところである。それが今回、ついに撤去されたということである。

<延期されていた撤去期限>

最高裁が命じた撤去期限は、本来昨年12月25日だったが、期限を前にアモナ住民と政府間の交渉行われ、アモナ住民が撤去に応じたため、撤去期限が、この2月8日に延期されていたものである。

その条件とは、①アモナ住民(42家族)が撤退することで、他の同様の地域が合法化すること。②アモナの42家族のうち、24家族は今のアモナのすぐ近くの丘に、18家族は、シロにそれぞれ新しい住居を用意する。③政府は補償金を支払う、であった。

これを条件にアモナ住民は静かに撤去すると約束していた。ところが、アモナ住民によると、政府は約束を守らず、新しい家屋はまだ準備できていないという。

そのため、1日を前に、アモナ住民は、強制撤去に抵抗する準備をはじめていた。さらにアモナに同調するユダヤ教右派で、過激で知られるヒルトップ・ユースを含むティーンエイジャーたちが次々にアモナに終結し、ものものしい雰囲気となった。

<住民VS警察3000人>

1日朝、数千人におよぶ警察官らが、特別なブルーのトレーナー姿でアモナ入りを開始した。若者たちはタイヤを燃やしたり、投石したりして暴力的な衝突となった。家やシナゴーグの中ではバリケードを築くなどして、立てこもった。

日中、警察が来るは、座り込んで泣くティーンエイジャーの少女たちや、入植者1人を警察官4人が抱えて家屋やシナゴーグから出てくる姿など、ユダヤ人同士のなんとも悲しい争いが続いた。

最終的に、40家族は日中に撤去させられ、若者たちとシナゴーグにこもっていた2家族も翌朝にはほぼ撤去を完了したと伝えられている。

警察の報道官によると、今回、アモナに立てこもった住民200人(応援にかけつけた者を含めると800人)を撤去させるのに要した警察官は3000人だったという。

この24時間で、警察官に暴力を振るうなどして13人が逮捕され、警察官24人を含む多数が負傷した。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/224284 (ビデオあり)

*入植者たちはなぜそこまでこだわるのか?

ヨルダン川西岸地区は、ユダの山脈があるところで、ユダヤ人によると、「ユダヤ・サマリヤ地区」「ベニヤミン地方」とよばれる地域である。

中でも特に、ジェニン(シェケム)、エルサレム、ヘブロンを直線につなぐ地域は、アブラハムも歩いた地であり、神がユダヤ人に与えた地であると信じられている。アモナもこのライン上にある。

右派宗教シオニストの正統派ユダヤ教徒たち(黒服の超正統派とは違うグループであることに注意)は、この地に住み、守ることは、神に従うことであり、イスラエル全体の祝福になると固く信じている。

今回も、たてこもった人々は、神への賛美を歌いながら警察に抵抗した。そうすることが神の意志であると信じているからである。

<西岸地区合法化への決意:ユダヤの家党ベネット党首>

合法化法案を国会審議に乗せるために、アモナをいわば”すて石”にしたベネット氏は、入植者たちから激しく非難された。

しかし、「この難から希望が生まれる。私たちはこの後、新しい入植地をつくる。ユダヤ・サマリヤに新しい法をもって、入植地すべてを合法化する。」と約束した。また、入植者たちに、立ち上がって開拓を続けるよう、呼びかけた。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4916203,00.html

*ベネット党首のビジョン

ベネット氏は、二国家二民族案は、非現実的だと考えている。

イスラエルがエルサレムを再分割してパレスチナと首都を分け合うことはないし、西岸地区がパレスチナになっても40万人を超える入植地のユダヤ人がパレスチナ国家の下へはいることはありえないからである。

ベネット氏は、最終的には、西岸地区の中で、入植地を中心とする地域で、イスラエルがすべてを管理しているC地区*のみを合併する案を主張する。その一歩が、C地区にイスラエルの法律を適応するという、「合法化法案」なのである。

その上で、A地区(パレスチナ自治区)とB地区(イスラエルとパレスチナ双方で管理)にパレスチナという”国”を作る。ただし、その際のパレスチナは、通常でいう完全な”国”ではないという。2つの条件がつくからである。

*C地区ーオスロ合意(1993)で定められた分類

イスラエル外務省地図
A地区(茶色): パレスチナ自治区 
B地区(黄色):パレスチナ行政だがイスラエルが治安維持
C地区(白色):イスラエルの完全管理

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その条件とは、①1948年以前からのパレスチナ難民とその家族がイスラエルに帰還する要求を放棄すること。また、②パレスチナは非武装ということである。それ以外の主権は有するので、”国”ではあるが、いわば”国マイナス”ということである。

これが成立すれば、イスラエルは西岸地区をさらに発展させ、パレスチナ人にもさらに労働許可を出して、双方、豊かに暮らせるようになるというのがベネット氏のビジョンである。

https://www.youtube.com/watch?v=dgjMTdbvLr8

しかし、これに、パレスチナ側が応じるとは、どうにも考え難い。エルサレムをあきらめる上に、非武装になるという屈辱に応じるはずがないからである。

また地図をみれば明らかだが、A、B地区をとりかこむ道路がすべてC地区に分類されている。

もし、C地区が全部イスラエル領になるということは、結局のところ、AとBの出入りをイスラエルが支配することになる。つまりは、実質的には、イスラエルが、パレスチナの行政責任を首尾よく避けた形で、西岸地区全体を合併している形になるのである。

ベネット氏は、今回、アモナを犠牲にしても、この道を突き進む考えだったのである。

今のネタニヤフ政権は、右派で固まる連立政権である。ネタニヤフ首相は、このベネット氏とうまく付き合いつつ、国際社会の機嫌もとらねばならない。。。という難しい舵取りをしいられている。

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トランプ新大統領10日目:火花が中東へ 2017.1.30

 2017-01-30
トランプ大統領が就任して10日になる。以来、メキシコの壁、TPP離脱など世界中がトランプ新大統領の一挙一動に振り回されている。

特に今は、中東・アフリカ7国からの、イスラム系移民者を締め出す政策を打ち出し、アメリカのみならず、世界中に混乱が広がり始めた。特にアメリカには多数のイラン人が住んでいるため、アメリカとイランの関係に大きなひびが入り始めている。

加えてトランプ大統領は、ISISを30日以内に撲滅すると宣言。イスラム過激派を撃滅するとして、すでにイエメンでのアルカイダ系武装組織の攻撃に乗り出し、市民を含む死者は57人に上っているという。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-38787239

こうした中、イスラエルは、親イスラエルと目されるトランプ大統領の就任とともに、西岸地区入植地でユダヤ人家屋の建設を促進し、エルサレム、西岸地区の合併に近づく動きを見せて、イスラム社会からの反発を買うようになっている。

今後、イスラエルは、”強い”トランプ政権に守られるのか、逆にアメリカとともにこれまで以上に憎まれる存在になるのか・・・。

かなり早いペースでトランプ大統領が動いているので、配信が間に合っていない状況だが、まずは、イスラエルに関係するニュースから、全体像をまとめてみる。

<イスラエル入植地関連>

1)東エルサレム・西岸地区入植地での建設拡大へ

トランプ大統領が就任後、イスラエルで真っ先に動いたのは、西岸地区入植地の合法化案(Regulation Bill)を国会ですすめている右派ユダヤの家党のベネット党首だった。

ベネット党首は、エルサレム郊外にあり、1967年ラインよりパレスチナ側にあるユダヤ人入植地マアレイ・アドミムのエルサレム市への合併、続いて西岸地区のC地区(ユダヤ人入植地)をイスラエル領として合併する案を早急に進めると主張した。

この法案は、将来的にイスラエルが、東エルサレムと西岸地区を合併してしまう可能性を含んでおり、二国家二民族(国を2つに分ける案)を事実上、不可能にしてしまうとして、問題視されている案である。

ネタニヤフ首相は正式には、二国家二民族を支持する立場をとっているため、治安閣議(ベネット党首含む)は、この法案に関する審議は、トランプ大統領との直接会談が終わるまでは延期するとの決断を出した。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Bennett-We-will-annex-Maaleh-Adumim-first-and-then-the-rest-of-Area-C-477236

この後の22日、トランプ大統領とネタニヤフ首相は、電話会談(30分以内)を行った。トランプ大統領は、2月中にもネタニヤフ首相を、ワシントンへ招くとのことだが、日程はまだ未定。両者は、軍事諜報を含む関係を強化することで一致したと伝えられている。

http://www.jpost.com/Israel-News/Benjamin-Netanyahu/Netanyahu-Trump-have-first-phone-call-479287

この直後からイスラエル政府は、東エルサレムにユダヤ人家屋566軒、続いいて西岸地区に2500軒の建築承認を次々に発表した。

詳細は、東エルサレムのギブアット・ゼエブに652軒、マアレイ・アドミムに102軒、ハル・ギロに4軒。西岸地区最大の入植地ですでに「市」となっているアリエルに899軒。その他、西岸地区の入植地6つ、となっている。

また、エルサレムとベツレヘムの中間にあり、テロが頻発するエチオン・ブロックと呼ばれる入植地についても、ネタニヤフ首相とリーバーマン防衛相が合意して、エフラタに21軒、ベイタル・イリットに87軒、承認が出された。

さらには、ラマラ近郊にあるベテルにも20軒の承認が出された。

これらは、オバマ政権時代に建設にブレーキがかけられていた地域で、いわばそれが解禁になったような形である。ただし、これらはほとんどが既存の入植地内部での建築許可であり、入植地を拡大したというわけではない。

http://www.timesofisrael.com/after-pm-talks-to-trump-israel-okays-2500-new-settlement-homes/

2)大エルサレム構想!?

トランプ大統領就任後、交通相と情報相を兼ねるイスラエル・カッツ氏は、”イスラエル主導案”として、アメリカに打ち出していく案を治安閣議に提出した。親イスラエルと目される大統領の誕生で、チャンスを最大限利用しようというものである。

内容は、エルサレム市拡大、新西壁鉄道駅、ヨルダンに続く鉄道、ガザ沖人口島建設などとなっている。

①エルサレム市メトロポリタン化案

エルサレム近郊で、1967年ラインによるとパレスチナ側になる入植地(マアレイ・アドミム、ギブアット・ゼエブ、グッシュ・エチオンなど)が、現在、中途半端な位置に置かれているとして、これらをエルサレム市に含めて、正式にイスラエルの法律を適応し、エルサレム市のサービスが届くようにするという計画である。

これらの地域は、ロンドンやパリも有しているような郊外区としてある程度の自治をもちながら、エルサレム市の一部とみなされる形である。現在、東エルサレムのアラブ人地区がすでにその形をとっている。

これにより、エルサレム市は実質拡大することになり、今は30%以上がアラブ人というエルサレムの人口比が変わり、エルサレムがユダヤ人の町という色彩が強くなる。

②西壁鉄道駅案

イスラエルは現在、テルアビブとエルサレムをつなぐ高速鉄道を建設中だが、その経路をエルサレム旧市街まで引き延ばして、西壁駅を作る案。旧市街自体が、1967年ラインよりパレスチナ側にあることから、問題になりうる。

http://www.timesofisrael.com/israel-advances-western-wall-train-plan/

③ヨルダンと鉄道で直結案

地中海のハイファ港と、内陸ヨルダンをつなぐ鉄道を建設し、貿易を促進する。

④ガザ沖人口島建設案

ガザ沖に人口島を建設し、淡水化工場、発電所を建設する他、ガザと世界を結ぶ接点とする。これにより、イスラエルの治安が守りやすくなる。

以上は単に案で、実施されるかどうかは不明だが、親イスラエルと目されるトランプ大統領がいるうちに、一気に、地域の主導権をかためてしまおうというイスラエルの思惑がうかがえる。

3)国連安保理は沈黙

上記のように、”調子に乗っている”ようなイスラエルの動きに対し、パレスチナ自治政府は、トランプ政権に対処を期待するとの声明を出したが、トランプ政権は当然、無反応だった。*トランプ氏自身親入植地派と目されている。

トランプ大統領就任後で、新しい米国連大使ニキ・ハーレイ氏が就任後に開かれた国連安保理では、先月、厳しい反イスラエル入植地決議を出したばかりであるのに、今回は、何の対応も打ち出さないまま、閉会となった。

パレスチナの国連代表リヤド・マンソール氏は、「イスラエルの動きは、国連安保理の決議2334をまったく無視したものであり、それを止めるのが安保理の責任だ。」と主張した。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4913116,00.html

パレスチナ自治政府のアッバス議長は来月2月7日、パリのオーランド大統領を訪問し、今月15日に、フランス主導で、70カ国以上が集まって安保理決議2334に合意確認したことについて、話し合うことになっている。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Abbas-Hollande-to-meet-to-continue-work-of-Paris-peace-conference-479714

<エルサレムへの米大使館移動関連>

トランプ大統領は、就任後すぐにでも米大使館をエルサレムへ移動することを公約にあげていた。しかしながら、これについてトランプ大統領は就任後、「それについて語るのは、今は時期早尚だ。」と言い、公約とは違い、すぐには実現しそうにない流れとなっている。

http://www.jpost.com/American-Politics/Trump-Too-early-to-discuss-moving-US-embassy-to-Jerusalem-479764

米大使館ついては、西側指導者らも、「実施すると爆弾を踏むことになる。」と警告を発している。

パレスチナ自治政府のアッバス議長は、もしアメリカが大使館を移動するなら「イスラエルを認める」とする基本合意を撤回すると言っている。つまり、オスロ合意の破棄であり、戦争への一歩になるということである。ヨルダンのアブダラ国王も、「赤線を超えることになる。」と言っている。

<パレスチナ人テロ頻発>

トランプ大統領就任に関係があるかどうかは不明だが、ここしばらく、ガザ地区からの銃撃や、西岸地区内では、走行車両への銃撃や車で突っ込むといったテロが頻発している。幸い、市民に死者や負傷者はない。

イスラエル軍は、情報が入るたびに西岸地区で、テログループの摘発を行っている。先週木曜には、西岸地区ジェニンの難民キャンプで、ハマス関係者8人が逮捕され、ここで武器製造機器が押収された。この時イスラエル軍兵士1人が負傷した。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4913178,00.html

土曜夜には、その同じジェニンへ、テロリストの摘発に突入したイスラエル軍に対し、パレスチナ人らが、爆発物を投げつけて抵抗した。イスラエル軍の反撃で、パレスチナ人1人(19)が死亡した。死亡したパレスチナ人は上記逮捕者8人と親戚関係にあったという。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4914285,00.html

しかしながら、一般のパレスチナ人たちがそこまでの戦闘意識を持っているかどうかは不明というのが、イスラエル軍に調べからする見方でもある。

ガザでは電力不足で反ハマス・デモが発生した。(前回オリーブ山便り参照)普通の市民たちは、とにもかくにも日々の生活が安定していれば、それが最善なのかもしれない。

http://www.timesofisrael.com/trump-too-early-to-talk-of-moving-embassy-to-jerusalem/

*バス横転事故でユダヤ人を助けたパレスチナ人家族

パレスチナ人といえば、テロのイメージがあるが、全員がテロリストではない。

イスラエルでは、先週木曜夜、西岸地区の入植地近郊で、ユダヤ人のバス会社エゲッド(公共交通機関)のバスが谷間へ落下横転し、2人が死亡、多数が負傷という大事故が発生した。

この時、事故を最初に発見し、警察に通報したのはパレスチナ人家族だった。最初に現場に到着した救助隊によると、このパレスチナ人家族は、大雨で寒い中、パジャマのまま、事故現場にかけつけ、犠牲者の救出をしていたという。

パレスチナ人でもユダヤ人の命を助けるために必死になれる人もいるということを忘れてはならない。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4913959,00.html
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テルアビブで国際サイバーテック見本市 2017.1.30

 2017-01-30
世界が大きく変わり、イスラエルがますます嫌われるような流れになっているが、今年も明日から3日間、世界最大といわれるサイバー技術の国際見本市がテルアビブで開かれる。

展示ブースは250、100以上のスタートアップ企業が、そのサイバー技術を競う。ネタニヤフ首相はじめ、業界トップがスピーカーに招かれているカンファレンスも行われる。

この分野ではイスラエルはトップレベルであるため、日本を含む多数の国々から代表団が、新しいサイバー技術を求めてやってくる。政治的にはイスラエルは嫌われる傾向にあるが、実際にはその技術力を求めて多くの国々が集まってくるのである。

https://www.cybertechisrael.com
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