イスラエル国境へ近寄るイラン軍事力 2017.11.15

 2017-11-15
イランとイラクの国境付近で12日夜9時ごろ、M7.3の大地震が発生したことは日本でも報じられている通り。400人以上の死者、8000人以上の負傷者が確認されている。イラク側の死者は9人。被災して家を失った人は7万人以上だという。イランの冬は厳しい。

日本と同様、イランの下にはアラビア半島とユーラシア大陸のプレートの接点があるため地震が多い。昨年だけで16回、その前年には19回の地震が発生している。今回の地震による被害はすでに今年最大だという。

いつもはにこやかなロウハニ大統領の表情の厳しさが印象的だ。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-41988176

イスラエルは、赤十字を通じて、イランとイラクに支援活動の申し入れをしたが、速攻で拒絶されたという。

https://www.timesofisrael.com/israel-offers-medical-aid-to-iran-iraq-after-quake-rocks-region/

そのイランだが、じわじわとイスラエルとの国境近くにイラン軍を配置しはじめている。

1)シリア南部停戦合意でイスラエル国境に接近の可能性

アメリカとロシア、ヨルダンは、ヨルダンの要請により、シリア南部を停戦地帯にする案で協議が行われていたが、今週月曜に発表されたところによると、イランを含むすべての外国勢力は、シリア南部から撤退するということで、3国は合意したと伝えられた。

しかし、この合意によると、撤退義務とされる境界線のラインが、イスラエルからわずか5-7キロ地点であることが明らかになった。いいかえれば、イスラエルからわずか5-7キロ地点に、イラン軍が近づいてくる可能性を含んでいるということである。

イスラエルが要求していた撤退ラインは、イスラエル国境から50-60キロだったのだが、これは受け入れられなかったということである。この他にも、撤退期限が定められていないことなどから、イランを地域から排斥するという点では、つめの甘さがあるとイスラエルは指摘した。

すると、ロシアのラブロフ外相は、「イランには、シリアに軍事基地を設置する権利がある。イランがシリアから撤退することをイスラエルに約束した覚えはない。」とのコメントを出した。

ネタニヤフ首相は、「ロシアには、前から伝えてあるが、イスラエルは自分の防衛は自分で対処するだけだ。」との言い返した。(イスラエルは、防衛のためなら、手段をえらばないだろうということ)

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5043231,00.html

2)ダマスカス近郊にイラン軍基地か

BBCが西側諜報すじとして伝えたところによると、衛星写真で、ダマスカス南部に、新しいイランの軍事基地とみられる施設が確認された。ゴラン高原からわずか50キロ地点である。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-41945189

イランはシリア領内に多数の軍事基地をすでに建設済みで、今回発見されたものもその一つ。8月にもバニヤスの東方に、イランのミサイル施設と同様のシリアのミサイル基地が確認されている。

シリア領内にイランが軍事基地を多数、建設するということは、イランが、恒久的にシリアに居座ることのしるしであるとして、イスラエルは警戒を強めている。リーバーマン防衛相は、「イスラエルは、シリアがシーア派枢軸国の拠点になることは容認できない。」と語った。

http://www.jpost.com/Middle-East/Report-Iranians-built-a-new-military-base-in-Syria-513973

Yネットのコメンテーターで、アラブ世界に詳しいやアロン・フリードマン博士によると、まだメディアの関心はないが、シリアの反政府勢力の情報によると、イランの革命軍が、ゴラン高原から30キロのクリスチャンの村に拠点を置き、シリア人少年たちを兵士として雇っているという。(月200ドル)イランがシリア人を雇うのはこれが初めてになる。

この新しい部隊は「第313部隊」と呼ばれている。この数字には特別な意味がある。シーア派イスラムの伝統によると、救い主マフディは、313人の兵士を連れて来臨すると考えられているのである。

シーア派からするとスンニ派のISISはサタンであり、これをシリアからほぼ排斥した今、勝利ムードにあり、メシアへの期待となっているのではないかとも考えられる。それが、イスラエルまで30キロの地点にまで迫っているということは、次なる敵は「シオニスト」イスラエルということであろう。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5042133,00.html
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イスラエルがシリア領内を攻撃か:プーチン大統領イラン訪問中 2017.11.2

 2017-11-02
1日夜、レバノンのニュースが、シリアとレバノンの国境(シリア側ホムス)の工場が、イスラエル空軍機の空爆を受けたと伝えた。ロシアのニュースによるとこの工場は、ヒズボラに関係する工場であった。空爆を受けて、シリアは地対空ミサイルで反撃したという。

イスラエル空軍は、2週間前にもダマスカス近郊のミサイル発射地を空爆している。このほか、流れ弾がシリアから着弾するたびにきっちりシリア領内への報復攻撃も行っている。

関係があるかどうかは不明だが、1日、ロシアのプーチン大統領がテヘランを訪問し、ロウハニ大統領と会談。アメリカがイランと超大国と結んだ核兵器開発に関する条約から離脱した場合に備えてどうするのかの話し合い、またロシア、イラン、シリアの結びつきを確認する機会になったという。

BBCによると、イランはロシアにアメリカの振る舞いに釘をさすよう要請したとのこと。

http://www.jpost.com/International/Russias-Putin-arrives-in-Iran-to-discuss-nuclear-deal-Syria-512020

<テルアビブ広域でサイレン:間違い>

北はシリアからの報復、南は、ガザのトンネル破壊に対するイスラム聖戦の報復と、イスラエルは、いつどう爆発するかわからない状態となっているが、2日夜中2時48分、テルアビブ広域にミサイルのサイレンが鳴り響き、住民を恐怖に陥れた。

数分後に間違いであったことが判明。原因は調査中とのこと。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5037454,00.html
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イランの大統領選挙:ロウハニ現大統領再選 2017.5.23

 2017-05-24
19日、イランでは、大統領選挙が行われた。結果は2350万票(57%)を獲得した現職のロウハニ大統領の勝利となった。

ロウハニ大統領は、「イランの市民たちは、古い体制ではなく、新しく開かれたイランを期待していることが明らかになった。今後も世界との関係を改善していく。」と語った。

http://www.aljazeera.com/news/2017/05/iran-election-president-hassan-rouhani-takes-lead-170520042625946.html

そんな中、トランプ大統領が、イランと敵対するサウジアラビアに膨大な武器の取引にサインし、イスラエルでは、イランの核兵器開発には断固反対すると発言したわけである。

ロウハニ大統領は、「サウジアラビアこそ、中東で過激派を支援するテロ支援国家である。その国に武器を輸出することはきわめて危険である。中東の和平はイランなしには実現しない。」とのコメントを出した。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-39999051
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イランとアメリカの対立 2017.2.8

 2017-02-08
イランとアメリカの罵り合いが続いている。まずは、アメリカが、オバマ政権時代に交わされた、6カ国とイランとの核兵器関連の合意を破棄すると強硬姿勢を示していたことがあげられる。

当然イランは反発。イランは先月29日、堂々と大陸弾道ミサイルの発射実験を行った。

これに対し3日、アメリカは、ミサイル実験やテロ支援に関わっているとするイランの個人13人と、12企業に対する掲載制裁を開始した。具体的にはアメリカとの取引停止など、銀行の凍結である。

同時に、トランプ大統領は、「イランは危険な火遊びをしている。」とツイートした。ホワイトハウスのスパイサー報道官は、「イランは、新しい大統領になったことを知るべきだ。トランプ大統領は、何もせずに座っているだけの大統領ではない。」と強気姿勢を示した。

すると、7日、イランのハメネイ最高司法指導者は、「アメリカの本当の顔が暴露した。」と言い返した。

アメリカの今回の経済制裁は、決してイランを揺さぶるレベルのものではない。今後、イランは、今のアメリカと再交渉する気はなく、今回始まった制裁が果たしてこのまま終わるのか、エスカレートしていくのか。トランプ大統領の手腕が注目されるところである。

イスラエルにとって、最も危険な国はイランである。今後、アメリカとイランの対立がどうなっていくのかは、イスラエルの治安に大きく関わってくることである。

ネタニヤフ首相は、国際社会に対し、イランの危険性について、訴えを再開し始めている。

http://www.reuters.com/article/us-usa-trump-iran-khamenei-idUSKBN15M0SY
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イラン国会及び専門家議会選挙はじまる 2016.2.28

 2016-02-28
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4771467,00.html

核兵器開発問題で、大国との合意に至り、経済制裁が解かれて新しい道を歩み始めたイラン。27日、国会と専門家議会(イスラム指導者会議)の選挙が始まった。この2つの選挙が同時に行われるのは30年ぶりとなる。

選挙をしているとはいえ、国会290議席のうち、285議席はイスラム教徒(当然シーア派)でないと立候補できず、立候補した人々もまた、イスラム学識者からなる護憲評議会があって、それが立候補者を判定し、却下することになっている。今回も、女性候補者全員と、改革派の立候補者多数が却下される中での選挙となっている。

専門家議会とは、88議席からなるイスラム法学者らの議会で、イランの最高指導者(現在はハメネイ師)を選出する議会のことである。イランの政治は、国会や大統領が中心となって政治をすすめられるが、最終的にはこの最高指導者の意向がイランの行方を決めることになる。専門家議会の選出は重要な選挙である。

現在のイラン最高指導者は、イラン革命を導いたホメイニ師が死去した1989年以来、27年も最高指導者の座についている反欧米強硬派のハメネイ師である(任期は終身)。そのため、今回選ばれる専門家議会(任期8年)は、おそらく、ハメネイ師の次の最高指導者を決めることになると目されている。

これまでは、国会、専門家議会の両方の議会を、反欧米のイスラム強硬派が締めていた。しかし、今回は、欧米から経済制裁緩和をとりつけた穏健派(改革派)への期待と支持が高まっている中での選挙である。

経済緩和で新しい歩みをはじめたイランが、今後どのような国になるのかが、多少は見える重要な選挙といえる。

<改革派(穏健派)の進出>  http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4771467,00.html

今回は、穏健派と目されるロウハニ大統領が経済緩和をとりつけたことで、国民、特に若年層の人気が高くなっている。また、イランはどういうわけか国民の半分以上がが35才以下という若い国であるため、投票率が上がれば上がるほど、穏健派に有利となる。

土曜日に選挙、開票が始まってまもなく、穏健派が有利となり、ロウハニ大統領が、足固めをしていると伝えられている。最終結果は数日後になるみこみ。

しかし、テルアビブ大学でイランと湾岸諸国を専門とするウジ・ラビ教授は、結局はまだ反欧米強硬派のハメネイ師がにらみをきかせているため、外交で多少は変化があっても、イラン国内に大きな変化があるとは思えないという見解を述べている。

<中東でのイランの動き:強大なロシアの一声>

穏健派の政治が始まる可能性とはいえ、中東でのイランの動きは穏健とはいえない。シリアでは、ロシアとともに、イランの地上軍が介入している。

イエメンでは、政府を支持するサウジアラビアと、反政府のフーシ派を支持するイランが対立し、スンニ派対シーア派という構図を作り出している。

そのイランの背後にいるのがロシアである。イランでは、その国防相がロシアを訪問した数日後、今度はロシアの防衛相がイランを突然訪問するなど、両国が密接な関係を持って動いていることが明らかになっている。*ただし、いつも同じ方向を向いているとは限らない。

イランは、S300(戦闘機を撃墜する迎撃ミサイル)や、戦車を含む武器をロシアから購入するなどで、情報がとびかっているところである。こうしたロシアからの武器をイランは、自国だけでなく、シリアで使用する他、イエメンにも供給しており、その運び屋がヒズボラだとも言われている。

https://www.rt.com/news/331395-iran-russia-weapons-military/
http://www.jpost.com/Middle-East/Iran/Nasrallah-letter-reveals-Hezbollahs-involvement-in-Yemen-445209

ヒズボラがこうしたイラン(ロシア)からの武器をレバノンに搬入しようとした時だけは、イスラエルがレバノンに到着する前に攻撃破壊するというパターンである。

テルアビブ大学のウジ・ラビ教授は、いまやアメリカは中東政策に明確な方針を持っていないと断言する。今や中東で、力を持っているのはロシアである。

選挙後のイランとその背後にいるロシアの動きが注目されるところである。
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