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イランのタンカーがサウジアラビア付近で炎上中 2019.10.11

 2019-10-11
トルコがシリア北東部へ侵攻したとのニュースが激震を発する中、イランのタンカーがサウジアラビア沿岸で、爆破・炎上するというニュースが飛び込んできた。

報道によると、紅海上(ホルムズ海峡ではない)、サウジアラビアの港付近を航行していたイランの石油タンカーが、なにものかのミサイルで攻撃され、炎上。紅海に石油がリークしているという。タンカーの船員は無事とのこと。

先月、サウジアラビアの石油施設が大きく打撃を受けて以来の緊張の中での出来事である。まだ発生したばかりのニュースであるため、後続する情報に注目されたし。

https://www.timesofisrael.com/iranian-oil-tanker-explodes-off-coast-of-saudi-arabia/
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イランとアメリカ国連での対談ならず:今後は?2019.9.29

 2019-09-29
今年の国連総会は、サウジアラビアの石油施設が何者かの攻撃を受け、一時、原油産出量が半分にまで落ち込んだという事件の直後であった。アメリカとサウジアラビアは、イランによるものとの正式発表を行った。イランは、これを今も否定している。

アメリカによるイランへの軍事攻撃が懸念されたが、トランプ大統領は、イランとの戦争は望まないとして、イランへの経済制裁を新たに発動。サウジアラビアへ、パトリオット迎撃ミサイルなどとともにアメリカ軍200を派遣するに留めた。

ニューヨークタイムスによると、現在、中東全域にいるアメリカ軍は計2000。そのうち500がサウジアラビアに駐屯しているという。

https://www.nytimes.com/2019/09/26/world/middleeast/troops-defense-saudi-pentagon.html

<国連総会:イランとアメリカの対談実現せず>

こうした動きがある中で、毎年恒例の国連総会が24日から開催となった。世界は、この総会でニューヨークに来るイランのロウハニ大統領とトランプ大統領の首脳会談が実現するのではないかと期待した。

サウジアラビアへの攻撃以来、核合意を維持するため、先頭に立ってイランとの対話を進めているフランスのマクロン大統領は、ロウハニ大統領との対話を続け、イランとアメリカ首脳会談の用意は整ったと思うと発表した。

その後、ロウハニ大統領は、トランプ大統領が、経済制裁を緩和することと引き換えに首脳会談を行うことを示唆したとメディアに伝えた。しかし、トランプ大統領はこれを否定。最終的に、両首脳の会談は実現しなかった。

トランプ大統領はあくまでもイランとの戦争は避けたいと言っているが、緊張は続いている。

*ロウハニ大統領と安倍首相との会談

イランの原油輸出得意先である日本。安倍首相が、24日、イランのロウハニ大統領と会談した。イランとトランプ大統領との架け橋になろうとしたとも伝えられたが、その後に動きは出ていない。

安倍首相は、サウジラビアを攻撃したのはイランであるとし、イランにはその叡智に基づく行動を期待すると述べた。いいかえれば、安倍首相はアメリカの立場をイランに伝えただけであったといえるかもしれない。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190925/k10012098101000.html?utm_int=detail_contents_news-related_001

<トランプ大統領の弾劾騒動>

こうした中、25日、アメリカの民主党幹部のペロシ下院議長が、トランプ大統領(共和党)への弾劾調査を開始すると発表し、世界を驚かせている。

弾劾の根拠は、トランプ大統領がウクライナのゼレンスキー大統領(ユダヤ人)に、来年の大統領選挙でライバルとみられるバイデン前副大統領の息子のウクライナでの活動を調査するよう、圧力をかけたというものである。

民主党は、この時のトランプ大統領とゼレンスキー大統領との会話に違法性を主張するが、トランプ大統領は、会話は軍事関係のものであり、違法性はない。これはまるで悪魔狩りのようだと、訴えを否定した。

https://www.bbc.com/japanese/49820675

トランプ大統領は、中東、世界をひっくりかえすことのできる立場にある人物だが、彼が失墜した時もまた、アメリカが大転換することによって、世界をひっくりかえすことになるのかもしれない。なかなか危なっかしい話である。
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緊張するアメリカとイラン:イスラエルはどうなる? 2019.9.17

 2019-09-17
<トランプ大統領の心変わり?:ネタニヤフ首相プーチン大統領訪問>

9月に入ってから、イスラエルが、シリア、イラン、イラクにまでイラン拠点を攻撃したことはお伝えした通り。そうした中、トランプ大統領が、イランに強行的な政策を推し進めてきたボルトン大統領補佐官を突然解雇し、イランとの無条件の対話もありうると柔軟な姿勢を示し始めた。来年の選挙対策とも評されている。

*イランとの対話について、後にロウハニ大統領は、その予定はないと語り、トランプ大統領は、イランとの無条件の対話はないと否定した。

これはイスラエルのネタニヤフ首相にとっては、好ましい動きではない。ネタニヤフ首相にとっては、イスラエルと同じところに立って、イランに圧力をかけ続けるトランプ大統領との親密な関係が売りなのである。

直接の関係はないかもしれないが、ネタニヤフ首相は、総選挙前の12日、急遽、ソチで、ロシアのプーチン大統領を訪問した。ロシアは、イスラエルがシリアで、イラン軍関係拠点を攻撃することを黙認する立場をとっている。シリアやイラクで力を持つのは今やロシアである。ネタニヤフ首相の訪問は、プーチン大統領に、ロシアのこの立場を確認するためであったと思われる。

会談後、両首脳は、治安問題での協力を確認したと表明した。明らかにネタニヤフ首相の選挙対策の一環だが、アメリカがどこまで信頼できるのかわからない中、ロシアとの安定した関係は、イスラエルにとっては、非常に重大なことである。

https://www.reuters.com/article/us-russia-israel-netanyahu/israel-must-have-freedom-to-act-against-iran-netanyahu-says-in-russia-idUSKCN1VX2DP

<サウジアラビア石油施設攻撃について>

ネタニヤフ首相が、ロシアから帰国した2日後の14日、サウジアラビアの油田が、大規模な攻撃を受けた。これについては、イエメンでサウジアラビアが支援するイエメン政府軍と戦っている反政府勢力のフーシ派が、犯行声明を出した。

フーシ派とは、イランが支援する反政府組織であることはすでに周知のこととなっている。アメリカは、この攻撃はフーシ派の単独の攻撃ではなく、イランの指示によるものの見方を表明。トランプ大統領は、アメリカは大規模に報復攻撃する用意もあると発言し、急激に緊張が急激に高まった。

しかし、イランのロウハニ大統領は、この攻撃はあくまでもフーシ派によるもので、イランではないと関与を否定した。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190917-49723741-bbc-int

アメリカは17日、攻撃された石油施設の航空写真を公開した。攻撃は、ドローンと巡航ミサイルによるものとみられるが、正確にどこから攻撃されたかを特定することは難しいという。トランプ大統領が、国際社会との協調が必要だとして、今すぐの攻撃ではないと語っている。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190917-49723741-bbc-int

しかし、16日には、NATOのストルテン事務総長も、「イランが中東を揺るがしている。」として、攻撃がイランによるものとの見解を述べた。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190917-49723741-bbc-int

<世界への影響>

この攻撃の被害で、サウジアラビアで生産されていた1日570万バレル(世界石油供給量の5%)の原油の供給が停止している。復旧にはまだ時間がかかるようである。

これにより、原油の先物価格が19%(71.95ドル)上昇。トランプ大統領が、アメリカの備蓄を必要に応じて放出するよう指示を出したため、それ以上の高騰は抑えられているとのこと。

影響は、日本をはじめ、中国などアジア諸国など、世界に及んでいるが、それぞれの国は22ー300日分の備蓄があるため、今すぐの混乱は発生していない。

<イスラエルへの影響>

イランをめぐって中東情勢が厳しくなっているが、イスラエルは、今はそれどころではなく、この件に関する記事は今の所まだ少ない。

しかし、万が一、アメリカがNATOとともにイランを攻撃すれば、イランの攻撃の矛先はイスラエルに向くだろう。ヒズボラもその波に乗ることになる。トランプ大統領のイラン攻撃への決断は、中東、世界を巻き込む大戦争に発展する可能性を持っている。

<ロシアと中国、中央アジア諸国が大規模軍事訓練>

16日、ロシアで大規模な軍事訓練が始まった。訓練は土曜日までで、訓練には、ロシア軍と中国軍のほか、インド、パキスタン、カザフスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、キルギスタンなど中央アジアの国々の軍も加わっている。

兵力は全体で12万8000人で、2万の兵器を装備を備えての訓練である。戦闘機は600、戦艦15隻で、こうした訓練は毎年行われてきたが、今年は、これまでで最大規模で、大規模な攻撃訓練を行うという。ロシアは訓練の目的を「国際テロとの戦いに備える」と言っている。

ロシアと中国は、こうした訓練の他、将来の貿易戦争に備え、金を蓄積しているという。(UPI情報) 欧米は、ロシアと中国の接近を憂慮すべきとする記事もある。

https://www.upi.com/Top_News/World-News/2019/09/16/Russia-China-Central-Asian-states-kick-off-massive-drills/9611568647865/

<石のひとりごと>

第二次世界大戦中、1941年にロシアへ攻めていったドイツ軍は、400万の大軍だったという。対するロシア軍は、268万。その規模に比べれば、まだまだ小さいかもしれない。しかし、ドローンやミサイル、核兵器、サイバー攻撃など、兵士の数では少なくても、戦力は比べものにならないほど大きくなっている。

いつの世もそうだったのかもしれないが、私たちの時代もまたきわめて、聖書が終末に来ると言われる世界戦争の形になりそうにみえる。今は特に異常気象までが、加わっている。平和な日々がいつまでも続くわけではない。いつかは終わる日がくるかもしれないとの危機感をもちつつ、今できることをやっておこうと思う。

あなたがたに告げます。これらのことが全部おこってしまうまでは、この時代は過ぎ去りません。この天地は滅びます。しかし、わたしのことばは決して滅びることがありません。ただし、その日、その時がいつであるかは、だれもりません。天の御使いたちも子もりません。ただ父だけが知っておられます。

気をつけなさい。目をさまし、注意していなさい。その定めの時がいつだか、あなたがたは知らないからです。(マルコの福音書13:30-33)
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深刻化続くイランとイスラエルの攻防 2019.9.10

 2019-09-10
イスラエルが、イラク、シリア、レバノンとヒズボラ、イラン系軍事基地を攻撃。その後、ヒズボラとイスラエルが大規模な軍事衝突が危機一髪で食い止められてから1週間。

世界のニュースが大きく取り上げることもないまま、イスラエルとヒズボラ、その背後にいるイランの攻防は、徐々に深刻化している。

<イラン拠点攻撃(シリア)で死者少なくとも18人>

9月3日、アメリカのFOXニュースが、複数の欧米系メディアからの情報として、衛星写真とともに、イランが、イラクの国境に近いシリアのアル・ブカマルに、大規模な軍事拠点を設建設中と報じた。この基地は、イマム・アリ基地と呼ばれ、あと数ヶ月で完了するとみられる。

報道によると、建物は5つで、周囲は小高いもり土に囲まれている。武器庫とみられ、ここに誘導式ミサイルも保管可能と思われる。この他にも10以上の建築物があり、数千人の兵士を収容可能とみられる。

https://www.timesofisrael.com/iran-building-large-military-base-on-iraq-syria-border-report/

この報道から6日後の9日、アル・ブカマルのこの基地付近で、親イラン系組織拠点が、何者かの戦闘機による攻撃を受けたとサウジアラビア系のメディア、アル・アラビアが報じた。この攻撃で、イラン人やヒズボラ関係者を含む少なくとも18人が死亡した。

攻撃を受けたのが、上記アル・ブカマリの基地そのものであったかどうかはまだ未確認だが、近くであることは間違いない。この基地に関与する親イラン系組織は、攻撃はイスラエルとアメリカが関与していると非難した。

イスラエルからのコメントはないが、シリアやイラクのイラン拠点への攻撃は、今年の7月19日から8月25日までだけで、5回も発生しており、今回もイスラエルである可能性は高い。

https://www.timesofisrael.com/airstrikes-in-eastern-syria-said-to-kill-18-pro-iran-fighters/

*アル・ブカマル:ユーフラテス川通過時の戦略的に重要な拠点

今回、攻撃されたとされるアル:ブクマル(アブ・カマル)は、シリアとイラクの国境で、シリア側にあるユーフラテス川の通過地点。戦略的に非常にも重要な地点で、かつてIS(イスラム国)が支配していた。IS追放後、イランが入り込んで拠点にしようとしたととみられる。

近くには、米軍と米軍が指示する自由シリア軍が、駐屯している。

https://www.jpost.com/Middle-East/Airstrikes-at-Al-Bukamal-The-alleged-Iranian-base-and-the-explosions-601075

<イランがイスラエルへ向けてミサイル発射:失敗>

イスラエル軍は、アル・ブカマルが攻撃を受ける直前、ダマスカス郊外から、イスラエルに向けて、ミサイルが発射されたと発表。ミサイルはイスラエルに届かず失敗で、イスラエルに被害はなかった。これは、シリアのイラン拠点への攻撃で18人が死亡したことに対する、イランの報復を試みであったのではとの見方もある。

イスラエル軍によると、この攻撃は、イラン革命軍の指示で、シリアのシーア派組織が行ったものであった。この組織は、Yネットベテラン解説員によると、2週間前に、神風ドローンでイスラエル攻撃を計画していたところ、イスラエル軍が攻撃して未然に防いだ事件に関与していたグループと同じである。

イスラエルは、アラビア語にて、責任は、これを容認しているシリア政府にあると訴えた。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5585030,00.html

<ヒズボラがイスラエルのドローンを撃墜か>

9日、ヒズボラが、イスラエルの偵察ドローンを撃墜し、レバノン側へ墜落した。その残骸を押収したと発表した。イスラエル軍は、これを否定。重要な情報が漏洩する懸念はないと発表した。

https://www.timesofisrael.com/hezbollah-claims-to-shoot-down-israeli-drone-that-crossed-border/

エルサレムポストの分析によると、これらの一連の攻防からわかることは、イランがイスラエルへの直接の攻撃をもはや躊躇することがなくなっているということである。

https://www.jpost.com/Breaking-News/Hezbollah-shoots-down-Israeli-drone-Lebanese-reports-601070

<ネタニヤフ首相がイランの新しい核開発拠点を公表>

9日、ネタニヤフ首相は、外務省にて記者会見を行い、イランがあらたな極秘の核施設があると発表。そこで核兵器製造のための実験が行われたと発表した。

イスラエルは昨年、テヘランの極秘の核施設へ侵入し、資料を大量に押収。ネタニヤフ首相が、世界に向けてこれを公開し、イランが、明らかに核合意に違反していると訴えた。今回開示した情報も、この時の資料に基づいている。

ネタニヤフ首相によると、昨年、イスラエルが、イラン中部、イスファハン南アバダの核施設を摘発すると、イランはこれを破壊した上、隠蔽工作を行ったという。ネタニヤフ首相はその前後、今年の6月と7月の写真を公開した。しかし、IAEA(国際原子力機関)は、そこにウランの痕跡を把握していたという。

ネタニヤフ首相は、イランにむかって、「イスラエルはすべてお見通しだ。いつ、どこで、何をしようとしていることも知っている。イランの嘘はすべてあばいていく。」と語った。

また、国際社会に対しては、「イランが、計画的に核合意を無視してきたことに目をさましてほしい。イランに核兵器を保有させないためにできることはただ一つ。圧力をかけ続けることだ。」と訴えた。

記者会見は、まずヘブル語で、続いて英語で行われた。

https://www.timesofisrael.com/pm-reveals-secret-site-where-iran-experimented-on-nuclear-weapons-development/

<石のひとりごと>

イスラエルとイランの攻防が、これまでになく、現実性を増してきた。イランのシリアやイラクでの拠点作りが、活発化し、イスラエルへの直接の攻撃も躊躇しなくなっている。

一方で、イスラエルも、以前にもまして、生死をかけた休みない諜報活動を続け、迫り来るイランの軍事拠点をあらゆる手を使って、しかも大胆に、次々に叩いている。

不謹慎ながら、その様子に、コンピューターゲームを思いうかべてしまった。イスラエルは、アイアンドームによって本土の自衛をしつつも、休みなく、先手先手をうって敵をたたいていく。敵は増える一方である。1発でも落とすわけにはいかない。

しかし、こうした休みなしの影の防衛のおかげで、イスラエル市民は、恐れることなく、日々の平安なくらしを続けており、観光客も変わらず増え続けている。

また、こうした危機的状況とはほぼ無関係に、イスラエルは、世界一のイノベーション、企業の国として、世界の投資家たちが注目している。いまや、日本を含め大手のビジネスマンたちが、続々とイスラエルにやってくる。こんなユニークな国は、他にないだろう。
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イランが核合意離脱第3弾:アメリカとイランの攻防 2019.9.10

 2019-09-10
スラエルとイランの攻防に並行して、イスラエルの同盟国アメリカとイランの(外交的戦略的)攻防も激しくなっている。

イランは、4日、ウランの新しい濃縮を加速する遠心分離機の開発を開始すると発表。世界との核合意から逸脱する項目をまた一点加えた。これで3回目である。

イランは、アメリカの厳しい経済制裁を受けながらも、相変わらず、最新の誘導式ドローンを発表するなど強気姿勢を崩していない。

アメリカとイスラエルは、イランが経済的に根をあげるまで、制裁を続ける方針だが、ヨーロッパは、アメリカ抜きでも2015年のイランとの核合意を維持したいと考えている。報道によると、フランスのマクロン大統領が、イランに150億ドル分の支援を申し出たとも伝えられている。

これを受けて、イランは、アメリカが離脱した分の原油輸入や、経済支援をヨーロッパが、カバーするなら核合意にとどまると発表した。

しかし、イランは、その直後に、核合意から3回目となる逸脱の項目を発表した。同時に、ヨーロッパとの交渉帰還を2ヶ月延長すると発表した。イランとしても、ヨーロッパからの資金が得られるなら、得たいところであろう。

https://jp.reuters.com/article/iran-nuclear-centrifuges-idJPKCN1VP2Y2

<回り回ってイランのタンカーがシリアに到着か>

ジブラルタル海峡で、7月、違反にシリアへ原油を搬入しようとしているとしてイギリスに拿捕されたイランのタンカー「アドリアン・ダルア」。アメリカの強い警告をよそに、イギリスがこれを釈放。その後、トルコへ向かっているとも、レバノンに向かっているとも伝えられていた。

それが結局、6日、人工衛星の写真で、シリアの港付近にいるのが発見された。石油はすでに売却済みであった。結局、シリアに売却された可能性が高い。

BBCによると、アメリカは、このイランのタンカーを買収しようとして、アドリアン・ダルアのクマール船長に、船をアメリカが拿捕しやすいところに移動してくれたら数百万ドルを支払うと買収をこころみていた。

クマール船長がこれを断ったことから、アメリカは、イランとの船の連携をした者への経済制裁を新たに発動。この時クマール船長への個人的経済制裁も発動したとのこと。アメリカ国務省はこれを認めている。

https://www.bbc.com/news/world-middle-east-49589075

中東では、イスラエルとイランとの攻防にとどまらず、アメリカ、ヨーロッパ、ロシア、サウジラビア、中国など世界を巻き込んで、しのぎを削るような知恵比べが繰り広げられている。
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For Now イスラエル・ヒズボラ危機回避か 2019.9.2

 2019-09-02
日曜午後、ヒズボラの対戦車砲が、イスラエル領内へ打ち込まれ、イスラエル軍用車両が破壊された件。

イスラエル軍が、対戦車砲が発射されたレバノン南部地域への100発以上反撃した後、大きな動きはない。ネタニヤフ首相は、北部住民に、懸念は去ったとして、日常に戻るよう指示した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5579507,00.html

<イスラエルの心理戦?>

今回の衝突では、イスラエルが、大きな戦争に発展させないよう、すぐれた諜報活動を元に、心理戦を行ったとの分析がある。

イスラエルは、シリア内戦の終焉で、イランとその傀儡であるヒズボラが、イスラエル攻撃に備えての拠点を国境に建設していることに危機感を持っている。そのため、先週、イラク、シリア、レバノン(ベイルートのヒズボラ拠点)への攻撃に踏み切ったのであった。

ヒズボラのナスララ党首は、シリアでのイスラエルの攻撃で司令官2人を殺害されたことから、なんらかの報復をしなければならなかったはずである。そのため、イスラエルを攻撃するとの脅迫を行い、イスラエル軍は北部に臨戦態勢を整えていた。

今回、ヒズボラと複数のメディアは、対戦車砲でイスラエル軍のジープを攻撃した後、イスラエル兵1人を殺害したとの報道を行った。イスラエルが、これを否定したのは2時間後であった。しかし、メディアには、イスラエル軍兵士らが、負傷兵を救出する様子が流されていたのであった。

これについて、イスラエル軍は、「前から計画されていたダミーによる訓練であった。」と発表。軍によると、攻撃されたジープに乗っていた兵士は、攻撃を受ける30分前に、下車していてだれも負傷していないとのことであった。

https://www.timesofisrael.com/with-bloodless-battle-israel-and-hezbollah-can-avoid-war-but-only-for-now/

しかし、この否定の発表まで2時間もあったため、ヒズボラには、イスラエル兵1人を殺害したとする勝利報道を広げることができた。

また、イスラエルがこれを否定した後も、不明瞭な証拠映像が残ることで、実際にイスラエル兵が死亡したか、しなかったか、どちらにもとりうる形にすることで、ヒズボラのナスララ党首の内部への満足をカバーさせることも可能ということである。

一方で、イスラエル軍も、対戦車砲発射地付近への100発以上の攻撃を行い、負けっぱなしではないことを国民に提示している。この際、慎重に人的被害がおよばない形での攻撃である。いうまでもなく、お互いに、人的被害がないことが戦争拡大へのポイントである。

しかし、同時に、イスラエルは、ヒズボラに対し、「すべてお見通し」「イスラエルを甘く見るな」との強烈なメッセージを放ったとも言える。

*迷惑する!?レバノン政府

イスラエルとヒズボラが戦闘に入ることで、最大に迷惑するのはレバノン政府である。

イスラエルは、ヒズボラが、レバノンの正式な政党であることと、レバノン領から攻撃していることから、攻撃の責任は最終的にはレバノン政府にあるとする立場を明確にしている。

レバノンのハリリ首相は、この危機に際し、アメリカのポンペイオ国務長官、フランスのマクロン大統領など、国連安保理諸国に、「”イスラエルの暴挙”が地域を危機に陥れる。」として、介入の要請を出していた。

https://www.reuters.com/article/us-mideast-security-lebanon-hariri/pm-hariri-lebanon-wants-to-avoid-escalation-with-israel-idUSKCN1VG1Q3

しかし、危ない状況を作り上げ、イスラエルが、行動に出ざるをえない状況を作っているのは、イランとその傀儡のヒズボラである。また、レバノンのアウン大統領は、ヒズボラ支持で知られ、ヒズボラ戦士が、レバノン正規軍兵士のふりをすることがあるなどの癒着も指摘されている。

イスラエルとしては対応が難しいのである。

<これからどうなるのか?>

今回は、とりあえず、大きな戦争に拡大することは回避されたようである。

実際のことろ、ヒズボラ(背後にいるイラン)もイスラエル(総選挙直前で大きな決断ができない)も現時点での戦争は望まない、ということは明白である。これはその背後にいる大国ロシアとアメリカも同様である。

しかし、イランや、ヒズボラがこれで満足したとは言い切れないので、For Now (とりあえず今は)、戦闘を回避したと理解したほうがよいだろう。

https://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Hezbollahs-attack-on-Israel-Was-that-it-600367
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