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ヨーロッパ3国:イランの対ミサイル開発制裁を検討 2018.3.18

 2018-03-18
トランプ大統領は、2015年に、アメリカを含む世界6大国とイランとの間で交わされた核兵器開発に関する合意内容の改正を要求している。

今のままの合意では、期間終了の10年後には、イランが合法的に核開発を再開できるだけでなく、通常兵器開発の制限が、この合意にもりこまれていなかったため、制裁緩和で得た資金で、近年、イランが堂々と弾道ミサイルの開発を行っているからである。

イランが、シリアのアサド政権を支援していることから、イランのミサイル開発は、そのままシリア内戦にまで関わってくる。また、イランはヒズボラ、ハマスにも武器を供給している。イランのミサイル開発は、シリア、イスラエルはじめ中東だけでなく、世界にとっても深刻な問題である。

アメリカは、2015年の合意について、4ヶ月毎に見直しを行うことになっている。トランプ大統領は、前回1月12日の見直しにおいて、制裁緩和の継続を決めたが、同時にもし次回5月12日の見直しまでに適切な改正が成立していなければ、アメリカは、この合意から離脱して、イランへの経済制裁を再開すると警告した。

当然ながら、イランは、いったん国際的な合意になっているのだからと、内容の変更にはいっさい応じない姿勢を示している。この5月には、また一悶着あることはもう目に見えていることである。

こうした中、イギリス、フランス、ドイツが、イランのミサイル開発に対する制裁に関する提案書を、合同でEUに提出したとロイターが報じた。アメリカをイランとの核合意の枠組みに止めておくことが狙いとみられる。

3国合同の書類によると、5月12日以降もアメリカを含む形での合意を継続することを目標に、イランの交渉を行うということがもりこまれているという。これについて、アメリカはコメントを控えるとしている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5173264,00.html

<シリア:東ゴータ地区から5万人が脱出避難中>

シリアでは、イランとロシアを後押しを受けているアサド政権が反政府勢力の支配域であった東ゴータ地区を包囲し、化学兵器を含む激しい無差別攻撃を行っている。しかし、いよいよアサド政権軍が、地域を掌握し始めているという。

これに合わせて、シリア市民たちが、東ゴータから脱出し始め、BBCによると、木曜、少なくとも12000人が脱出した。2月に東ゴータ地区が攻撃を受け始めて以来、死者はわかっているだけで、1100人に上っている。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-43414348

<シリア:トルコの攻撃で15万人が避難>

シリア北西部クルド人(YPG)地区のアフリーンは、この1月からトルコと反政府勢力の自由シリア軍の激しい攻撃を受けている。BBCによると、これまでに少なくとも15万人が避難したとのこと。シリア情勢は相変わらず、悲惨である。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-43441350
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ロシアと欧米の対立:元スパイ殺害をめぐって 2018.3.18

 2018-03-18
元二重スパイであったロシア人のセルゲイ・スクリパリ氏(66)が、3月4日、亡命先のイギリス、サリスベリーで、娘とともに神経剤とみられる武器に攻撃されたとみられ、意識不明の重体になっている事件。

ベンチで倒れている2人を発見した警察官ニック・メイリー氏も、重症となっている。この他市民46人が、病院で検査を受けた。BBCによると、2人と接触した可能性がある人は計131人だが、重症となっている3人以外は今の所全員無事。

事件後、サルスベリーでは、大規模な除染作業を強いられるなど、イギリスは大きな被害を受けた。

事件で使われた神経剤が、兵器レベルのものであったことと、ロシア軍が使う種類であったことから、イギリスは、ロシアが背後にいるとみて、ロシア政府に、期限つきで説明を求めた。

しかし、ロシアが期限までに返答してこなかったことから、メイ首相は12日、ロシア外交官23人を追放すると発表した。これを受けて17日、ロシアも、モスクワでイギリスの大使を呼び出し、イギリス人外交官23人を追放すると伝えた。

<フランス、ドイツ、アメリカはイギリスに味方>

こうした中、フランス、ドイツ、アメリカが、「これはロシアが背後にいると見るのが自然である。」とイギリスを擁護する立場を表明。NATO代表のストロテンバーグ氏は、「イギリスは孤立していない。ロシアはイギリスの同盟国を軽く見ている。」と語った。

この後、イギリスの要請で、国連安全保障理事会が開催されたが、アメリカのヘイリー代表は、「安保理では、化学兵器の使用を禁じている。にもかかわらず、それを他国で使用したロシアを無罪放免にするなら、この理事会の存在異議はなくなる。」と強くロシアを非難した。

対するロシアは、「目に見える証拠を出してもらいたい。証拠がない以上、ロシアが背後にいるとはいえないはずだ。」と言い返した。

今回のイギリスとロシアのやりとりにおいては、イギリスがロシアになめられたとみる分析を多くみかけた。

イギリスはEU離脱することになっており、ロシアにとってはもはや脅威ではない。プーチン大統領は、明日大統領選挙を控えており、この時期に事件をおこして、イギリスを軽くあしらうことで、強さを国民に強調したのではないかとの見方もある。

http://www.bbc.com/news/uk-43315636

<イスラエルは傍観の構え>

イスラエル外務省は、この事件を重く見るとしながらも、ロシアを名指しせず、介入しない立場を表明した。これを受けて、西エルサレムに大使館を置いているロシアは、「イスラエルはよい道を選んだ」と称賛するコメントを出している。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5174987,00.html

<裏切り者は決して赦さない?ロシア>

ロシアが元スパイや、反体制派を毒で暗殺するのは、今回が初めてではない。過去20年ほどの間に、ロシアが、イギリス領内で実行したとみられるロシア人の毒殺事件は14ケースもある。(ワシントンポスト)

これらの事件では、ロシアの毒殺が疑われたが、その度に闇に葬られてきた。理由は、ロシアの報復を恐れたとか、警察が無能だからとも考えらるが、イギリスは、ロシアがイギリスの銀行に保管している資金を確保したいという弱みがあったからではないかと言われている。

イギリスは今、EUからの独立の途上にあり、資金はこれまで以上に必要な時期である。今回もロシアに財産を引き上げられてしまうのは困る。しかし、面子も保たなければならず、今後イギリスが、どういう動きに出てくるのか、ロシアと欧米の溝が深まっていくのか注目される。

また、ロシアが、すでに退役したスパイでも殺害するということを暗に示して、現役のスパイたちの裏切りに釘をさしたのではないか、などとも言われている。メディアが騒ぎすぎる部分も確かにあるが、プーチン大統領、なかなかの曲者のようである。

https://www.washingtonpost.com/news/worldviews/wp/2018/03/06/the-long-terrifying-history-of-russian-dissidents-being-poisoned-abroad/?utm_term=.3cd842e12d18
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大忙し:トランプ大統領の5月 2018.3.11

 2018-03-11
この5月、アメリカは、大使館をエルサレムに移動させることになっているが、これは、それだけでも歴史的な一大事である。

ところがこの上、9日、北朝鮮のキム・ジョンウン総書記が、現政権を支持するなら、核開発をやめると言い出し、トランプ大統領に会談を申し入れた。トランプ大統領がこれを受け入れたことで、会談が5月にも行われる流れになっている。

トランプ大統領は、1999年の時点で、すでに北朝鮮の核問題について、かなり的を得た危機感を持っており、当時から、今のうちに交渉し、北朝鮮の核開発を止めなければならないと主張していた。

1999年のトランプ大統領へのNBCインタビュー https://www.facebook.com/raheemkassam/videos/785099035032766/ 

アメリカの危機としてとらえているので、全力をあげて、交渉にあたると思われる。ニュースによれば、今回も、交渉に入る前に、確実に核開発を停止することを証明するような、口だけでなく実際の動きを条件にしているとのことである。

当然、現時点では、制裁をいっさい緩めるつもりはない。この5月、トランプ大統領はまさに時の人ということである。

北朝鮮とアメリカの交渉について、中国はこれを歓迎するとの声明を出している。韓国の大統領は、北挑戦との和合をすすめているので、北朝鮮とアメリカとの交渉は歓迎している。この流れで困るのは日本であろう。

これとは別に、トランプ大統領は、公約の一つであった鉄鋼とアルミニウム貿易の関税を上げ、国内の産業を保護する動きに出た。

世界各国からは、「貿易戦争だ」との非難もある中、これが今後、大きな問題に発展していくかどうかもこれから数ヶ月、注目される点である。これについても、困るのは日本のようである。

こうした中だが、相変わらず、ホワイトハウスの人事は忙しい。しばらく、娘夫婦であるクシュナー夫妻が、ロシア関連問題から、政権から離れる可能性も報じられていた。

トランプ大統領が連発するコメントは、「確かにそうだ。」と感じさせることが多いと評する記事がある一方、「本当に大丈夫なのか・・・?」と懸念する記事も両方ある。日本語の記事はおおむね後者。いずれにしても、祈りの必要な人物であろう。
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不気味なロシアの動き 2018.3.11

 2018-03-11
プーチン大統領は、3月18日に大統領選挙(6年に1度)を控えている。しかし、プーチン大統領の人気は不動で、2期目再選はほぼ間違いないとみられている。

人気の秘密について、CNNは、①最強のサイバー能力:どこでもハッキング可能、②プーチン大統領が自由に動かせる軍隊と核兵器、③カリスマ性、をあげている。

そのプーチン大統領だが、3月1日、クレムリンで、防御不能とされる新しい核戦略を披露し、新しい核兵器のテストも終わったと発表した。

それによると、核兵器搭載の巡航ミサイル、核エネルギーによる海中ドローン、新型超音波ミサイルなどで、アメリカとNATOが構築しているミサイル防衛システムを無能にするものだという。

海中ドローンはハイスピードで、大陸間を移動可能。核弾頭を搭載でき、空母や沿岸施設も破壊可能である。ハイスピードなので、敵に察知されることもない。

2000キロ先の標的を攻撃できるという超音波ミサイルは、すでにロシア南部の軍に配備されたという。

プーチン大統領は、ロシアが武器開発を進めたのは、アメリカが、冷戦時代の約束から撤退し、ミサイル防衛構想を始めたからだと語っている。ロシアは異議を唱え続けたが、だれも耳を貸さなかったと言っている。

https://www.timesofisrael.com/putin-boasts-of-new-russian-nuclear-weapons-that-cant-be-intercepted/

イギリスでは、ロシアでイギリスのためにスパイ活動していて逮捕されたが、アメリカとスパイ交換で釈放されたスクリパリ氏が、化学兵器で殺害された可能性がニュースで懸念を読んでいる。ロシアをめぐってなぞめいたことがすすんでいるようである。

<アメリカ大統領選挙介入について:NBCインタビュー>

アメリカ大統領選挙へのロシアの関与について、プーチン大統領は11日、NBCのインタビューで、「わたしの知ったことではない。」としらばっくれた。(プーチン大統領が指示したことは間違いないとアメリカは見ている。)

このとき、プーチン大統領が、介入があったとすれば、「多分ロシア市民権を持つユダヤ人のしわざかも」と、とユダヤ人を挙げたとニュースが飛び交っている。しかし、この時プーチン大統領が例としてあげたのは、ユダヤ人だけではなく、世界の様々な人々とともに、ユダヤ人も挙げただけで、ユダヤ人だけをさしたのではない。

いずれにしても、プーチン氏は「わたしにはどうでもよいことだ。」と一笑にふした。

NBCインタビュー:https://www.nbcnews.com/news/world/putin-u-s-election-interference-i-couldn-t-care-less-n855151

中東においては、アメリカよりもロシアに軍配があがる。シリアで、激しい戦闘が報じられている東ゴーダ地区だが、アサド政府軍が優勢になってきているという。その背後にいるのは、イラン、そしてロシアである。イスラエルにとっても他人事ではない問題である。
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イランとアメリカの対立 2018.1.15

 2018-01-15
アメリカは、イスラエルにとって最大の敵対国イランとも対立路線を強めている。

<核合意延長も交渉期限は120日:トランプ大統領>

トランプ大統領は、昨年10月、2015年にオバマ大統領が筆頭となりイランと交わした核合意は、悪い取引だったとして、アメリカは、次回の合意延長には署名せず、厳しい経済制裁の再開を示唆していた。

アメリカ議会は、2015年に交わされたイランとの合意について、3ヶ月ごとに見直しをすることになっている。昨年10月から3ヶ月後を1月11日に迎え、世界の注目が集まった。

予想通り、トランプ大統領は、これを延長すると発表した。ただし、次回120日後までに、合意内容に変更がなければ、次回は延長しないという最後通告つきであった。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5070019,00.html

*2015年イランとの国際合意

2015年のイランとの核合意とは、「イランは核(兵器)開発を停止するかわりに、課されていた経済封鎖を大幅に緩和する。」というもので、オバマ前米大統領が筆頭となり、ロシア、中国、イギリス、フランス、ドイツという世界6超大国とEUが交わした合意である。

しかし、この合意では、イランに核開発を10年保留にすると約束させただけで、開発開発再開の施設類は、そのまま温存された形となっている。その状態で経済制裁が緩和されて資金が流入するようになっているのである。

期限切れの10年が来れば、イランは、大手をふって、核開発を始めることが可能となる。その上、この合意は、通常兵器、つまり核兵器以外の兵器の開発には触れていなかった。

このため、経済制裁緩和で大量の外貨がイランに入るようになった今、イランは、ミサイル開発を行っており、弾道ミサイルの発射実験まで行っている。

トランプ大統領が出てくるまで、この合意は危険だと叫んでいたのはイスラエルだけであった。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-33521655

<イランへの経済制裁再開への必要性と回避の条件:トランプ大統領>

トランプ大統領は、公式の発表の際、イランが、ヒズボラやハマスなどのテロ組織を支援していること。武器支援の他、10万人以上のテロリストを育成して、中東全体を不安定にしていると指摘した。

また、イランが核兵器以外の危険な武器を開発していることをあげ、これまでに弾道ミサイル開発にかかわっているといられる100人以上を制裁措置に置いたと語った。

さらに、アメリカはイランの14の組織や人物を新たに制裁措置におくという。その中には、ハメネイ最高指導者に関係する裁判官も含まれている。

トランプ大統領は、国際社会との合意により、イラン経済に回復した金額は1000億ドル(12兆円)、うち現金は18億ドル(2000億円)にのぼると指摘。それらが、国民のためでなく、武器開発に使われていると訴えた。(以下に述べるが、12月末からイラン国民の反体制デモが発生した)

これらのことから、トランプ大統領は、次の4点をあげ、イランに関する3点が実施されないならば、次回3ヶ月後に、アメリカはイランとの国際合意から離脱し、イランへの経済制裁を再開すると宣言した。その4点とは以下のとおり。

①国際監視組織(IAEAなど)の要請に応じ、ただちに全核施設の査察に応じること。

②核兵器の開発に近づくことすらしないと約束すること。

③核開発保留の期限を10年とせず、永遠に放棄すること。

これらをイランが承服しないなら、アメリカは、国際合意から離脱し、経済制裁を再開する。

④(アメリカ自身について)アメリカは法律にて、長距離ミサイルの開発と核兵器開発とを別扱いしないということを法律に盛り込む。

*長距離ミサイルの最終目標は、弾頭に核を積み込み、遠距離の敵国を攻撃することにある。近年、長距離弾道ミサイルと核兵器開発は平行して行なわれている。アメリカは、北朝鮮の核弾頭つき弾道ミサイルの懸念に直面している。

https://www.timesofisrael.com/full-text-of-trumps-statement-on-iran-nuclear-deal/

トランプ大統領の言っていることは、イスラエルの言い分を代弁したかのような内容であり、まさに「裸の王様」的に、真実を網羅しているといえる。

しかし、いったん国際合意になってしまっている以上、アメリカの合意離脱はよほどうまくやらないと、逆にイランに核開発再開に口実を与えることになる。

実際、昨年10月にトランプ大統領が離脱を示唆すると、イランのハメネイ最高指導者は、「そうなれば、イランも離脱する。イランは核開発を行う。」と言っていた。

国際社会、特にヨーロッパは、イランとの合意の意地を主張している。したがって、アメリカが合意から離脱すれば、アメリカは、いよいよ国際社会から孤立することになるだろう。そのアメリカの支援を受けているイスラエルも今以上の憎しみをこうむることになる。

とはいえ、アメリカがイランの核問題にどう出るかは、北朝鮮問題にも大きく影響することになる。トランプ大統領、世界を背負って、相当な知恵を必要とする立場に立たされている。(自ら招いたともいえるが。。。)

<イランの反応:合意内容に変化はありえない>

トランプ大統領の上記公式発言に対し、イランのザリフ外相は、イラン国営放送を通じて、「合意のいかなる変更も受け入れない。」と発表。”イランと同様”、アメリカは約束を守るべきだと語った。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5070225,00.html

イランのロウハニ大統領は、アメリカが、今回も合意を延長したことを評価し、イランの勝利だと語った。また、弾道ミサイルの開発については、「核開発ができなくなっているイランにとって、弾道ミサイルは、不安定な中東で生き延びるための唯一の方策だ。」として、ミサイル開発は続けると語った。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/240631

また、アメリカが、イランの裁判官を制裁対象にしたことについて、報復すると発している。

<イスラエルの反応>

イスラエルのネタニヤフ首相は、フランスのマクロン大統領に電話をかけ、「トランプ大統領の訴えを真剣に受け止め、イランとの核合意の見直しをおこなうよう、訴えた。

特にマクロン大統領に電話したのは、トランプ大統領の発表の前に、核合意に変更はないと主張していたのが、同大統領であったからである。トランプ大統領は上記演説にて、ヨーロッパ諸国に対し、アメリカとともに、イランとの合意を見直すよう呼びかけていた。

<イランの反体制デモ:今回も沈静化>

イランでは、12月28日、イラン第二の都市マシュハドで反政府デモが発生した。デモは数日の間に、北西部各地の都市に広がり、やがては、テヘラン大学にまで広がった。

BBCによると、デモの規模は、都市によって、数十人から数千人で、2009年に発生した反政府デモほどの規模にはならなかったが、それ以来では最大。また、今回は、最高指導者ハメネイ師への非難まで出てきたことが注目されている。

今回のデモ隊は、最初は食物の価格高騰など、経済問題だった。イランのロウハニ大統領は、国際社会のイランへの経済制裁緩和を獲得し、経済の改善を約束していたが、今に至るまで、イランの経済は回復せず、教育を受けている若者でも仕事がない状況が続いている。(15−29歳の失業率は、公式の統計によると24%)

デモ隊の叫びは、やがて、「レバノンではない。ガザではない。私はイラン人だ。」と、内政よりも、シリアやイエメンの内戦に介入し、ヒズボラやハマスを支援する政府への怒りに変わっていった。

やがて非難の的はロウハニ大統領から、ハメネイ最高指導者へと拡大していった。警察が対処していたが、やがてイラン革命軍が出動し、デモ隊と衝突して全国で、少なくとも21人が死亡。1000人以上が逮捕された。うち90人が大学生だという。1人は獄中で自殺した。

1月に入ると、大規模な親政府デモが発生した。反政府デモの参加者の様相は、ごく普通の人々だが、こちらは、男性の多くはターバン姿、女性たちはみな黒のヒジャブ姿で、イスラム教とそのものといった様相である。

反政府デモ隊が叫んでいたのは、「ロウハニに死を」であったが、親政府デモ隊は、「アメリカに死を。イスラエルとともに滅びよ。」であった。この親政府モが発生して4日目の1月7日、反政府デモは沈静化した。

以後、反政府デモの写真はネット上、ほとんど出なくなった。顔がわかると逮捕されるような恐怖の日々に戻ったとみられる。この後、イラン政府は、小学生への敵国の言語であるとして英語教育を禁止すると発表。ソーシャルメディアの監視とコントロールを強化すると伝えられている。

https://www.timesofisrael.com/anti-government-protests-break-out-in-iran-over-economic-woes/

イランの人々は高学歴であり、民主国家を望んでいると思われる。しかし、強力なイスラム政権が、国をがっちりと支配しており、デモは発生するのだが、毎回取り押さえられている。しかし、可能性は十分あるとアメリカとイスラエルは期待するところである。

トランプ大統領は、今回のデモ隊を応援し、適切な時にアメリカが支援するなどと日々ツイッターに書き込んだ。イスラエルのネタニヤフ首相は、イランの人々の自由への挑戦に成功を祈るとのコメントを発表した。

これに対し、イランは、このデモは、イスラエルとCIA(アメリカ情報局)が仕組んだものだなどと反発した。

http://edition.cnn.com/2017/12/30/politics/donald-trump-iran-protests/index.html

<自然災害にみまわれるイランとアメリカ>

緊張が続くイランとアメリカだが、双方とも自然災害に見舞われている。イランでは、昨年11月12日、マグニチュード7.3の地震が、イランとイラクの国境付近で発生。530人が死亡した。この余震とみられる地震が今年1月11日、同じ地域で8回、記録された。

http://www.aljazeera.com/news/2017/11/iran-iraq-earthquake-happened-171113064624001.html

アメリカでは、昨年から、巨大なハリケーンや、山火事など、深刻な災難が続いているが、1月11日、カリフォルニアで、激しい雨の後に地滑りが発生し、少なくとも17人が死亡した。

http://www.bbc.co.uk/newsround/42632376

<石のひとりごと>

イランとはペルシャのことである。かつて、バビロンによって祖国を追われたユダヤ人を今のイスラエルの地に帰還させたのは、ユダヤ人を支配していたいわば、敵ともいえる、ペルシャの王であった。(エズラ記1:1−4)

まさかそのペルシャの王から突然、祖国への帰還を命じられるとは、当時だれも考えていなかっただろう。神のなさることは、私たちにはとうてい信じ得ないことが多いのである。

バルフォア宣言しかり。イスラエルはイスラエルだけで独立するのではなく、異邦の国々が用いられて、それが可能になるというのがパターンのようである。

聖書には、世の終わりにエルサレムにもう一度ユダヤ人の神殿が建てられると預言されているが、ひょっとして、まったくの予想外に現在のペルシャであるイランがそれを可能にするのでは!?と、状況が不可能になればなるほど、期待してしまうところである。
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アメリカに続く?:エルサレムへ大使館移転検討の国は10カ国以上か 2017.12.26

 2017-12-26
12月6日、トランプ大統領が、エルサレムはイスラエルの首都と宣言して以来、アメリカとイスラエルが非難の的となり、国連安保理(19日)、国連総会(21日)、双方で、アメリカはエルサレムに関する宣言を撤回すべきとの採択がなされた。

ところがその4日後の25日、南米のグアテマラが、アメリカに続いて大使館をエルサレムへ移動する準備を始めたと正式表明。

続いて、イスラエルのネタニヤフ首相が、CNNのインタビューの中で、イスラエルは同様に複数の国から、大使館の移転に関する打診を受けていると語ったが、夜になり、イスラエルのホットベリー外相が、大使館移転を検討している国が10カ国以上にのぼっていることを明らかにした。これまでの経過は以下のとおり。

http://www.jpost.com/Israel-News/More-than-10-countries-mulling-embassy-moves-to-Jerusalem-says-Hotovely-520019

<反米・反イスラエルの国連決議案採択>

12月19日、国連安全保障理事会(15カ国)は、エジプトの要請により、トランプ大統領のエルサレムはイスラエルの首都と発言したことについて、発言を撤回するべきと考えるかどうかの採択を行った。

結果、日本を含むアメリカ以外の14カ国全員が賛成票を投じた。アメリカが拒否権を発動することはわかっていたことなので、これは、安保理とその加盟国の意思をアメリカとイスラエルにつきつける意図で行われたようなものである。この安保理会議は日本が議長であった。

続いて、21日には、緊急の国連総会(193カ国)が開かれ、安保理と同様の採択を行った。結果は、128カ国(66.3%)が賛成。反対はアメリカを含む9カ国。棄権は、35であった。

パレスチナ自治政府は、この結果は、パレスチナの勝利だと表明した。しかし、イスラエルは、実際には、イスラエルの国際社会での立場は改善してきたとみている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5060274,00.html

賛成票が128カ国(66.3%)というのは、厳しい結果ではあるが、2012年11月の国連総会で、反イスラエル票を投じた国は、138カ国(71.5%)であった。実際には、国際社会でのイスラエルの立場は改善傾向にあるとの見方もある。

イスラエルは、こうした国連総会決議の時に、少しでも反イスラエルの票を減らすため、南アメリカや、アフリカ諸国などで、支援活動を展開してきた。その結果なのかどうか、イスラエルから支援を受けている南アメリカ諸国、アフリカ諸国は、今回、反対票を投じるか、棄権に回っていた。

ネタニヤフ首相は、今後、反イスラエル票を投じる国はどんどん減っていき、14年後までには、過半数を割るだろうとの見通しを語っている。国名は明らかにしなかったが、大使館の移動について、水面下でイスラエルにアプローチしている国がいくつかあるとネタニヤフ首相は語っている。(CNNインタビュー)

<グアテマラがエルサレムへの大使館移動を表明>

国連決議から4日目の25日、国連決議には反対票を投じていた9カ国の一つグアテマラが、アメリカに続いて、大使館をテルアビブからエルサレムに移転する準備を指示したと発表した。

グアテマラのモラレス大統領は、25日、フェイスブックへの投稿で、グアテマラは、イスラエルが誕生して以来、よい関係を続けてきたとし説明。「ネタニヤフ首相と話し、大使館をエルサレムへ移すことにして、準備を指示した」と発表した。

国連総会での採択に先立ち、トランプ大統領は、怒りを込めて、「(国際社会)はアメリカから何十億ドルもとりながら、アメリカに敵対する採択を行うという。どの国が賛成するかみようではないか。我々には節約になるだろう。」と、賛成する国への支援は差し止める可能性を示唆するかのような意思表示をした。

https://www.timesofisrael.com/trump-threatens-to-slash-aid-to-countries-backing-un-jerusalem-vote/

これが原因かどうかは不明だが、グアテマラは、アメリカからの多大な支援を受けている国の一つである。

<反イスラエル票を投じた直後:河野太郎外務大臣がイスラエル訪問>

国連での決議で賛成票を投じた日本。日本のメディアによると、日本が棄権しなかったのは、賛成票でも棄権票でもアメリカの心証を壊すことに変わりはないと判断し、賛成票を投じたのだという。

背景はどうあれ、日本は、国連総会で、エルサレムがイスラエルの首都であることは認めないという決議案に賛成票を投じ、イスラエルの心証を大きく傷つけたことになる。

にもかかわらず、国連総会のわずか3日後の25日から、全く何もなかったかのように、日本の河野外務大臣が、イスラエルを公式訪問し、ネタニヤフ首相、リブリン大統領と会談。ホロコースト記念館も訪問するなど、イスラエルとの友好関係をアピールした。国連総会後のイスラエルへの公式訪問は、日本が初めてである。

日本は、ここ数年、サイバー技術関連などで、イスラエルへの投資と協力関係の強化へのりだしている。河野外相によると、日本からイスラエルへの投資は、この3年で20倍になっているという。(以前が0に近かったということ)

近く日本からイスラエルへの直行便を実現したいとか、2019年には両国の国交65周年には、天皇がイスラエルを訪問するとかの話にもなっているようである。

単に無神経なのか、イスラエルにとってのエルサレムの重要性を十分理解していないのか、いわば、日本らしく、「立場上反対できなかった」と、苦しいフォローしているのか・・・。ネタニヤフ首相も、あえて、国連でのことは話題にあげず、両国の経済文化交流だけを話し合ったという。しかし、リブリン大統領は、「東京が日本の唯一の首都であるように、エルサレムは、我々の首都です。」と河野外相に伝えたという。

日本のメディアによると、河野外相は、改めて、エルサレムをイスラエルの首都とすることに同調できないと伝えるとみられていたが、イスラエルのメディアによると、その話はなかったようである。

河野外相はこの後、パレスチナ自治政府も訪問し、ヨルダン、オマーン、トルコを訪問する予定。

https://mainichi.jp/articles/20171226/k00/00m/010/116000c (毎日)
http://www.jpost.com/Israel-News/Japans-foreign-minister-visits-days-after-Tokyos-anti-Israel-UN-vote-520032(エルサレムポスト)

<トランプ大統領:国連への拠出2億8500万ドル削減へ>

アメリカは、国連が、多額の拠出金を受けているにもかかわらず、アメリカがエルサレムを首都と認めることについて、撤回すべきであるとアメリカに反対したことについて、激怒している。

国連総会での決議から、3日後の24日、アメリカのヘイリー国連代表は、国連決議との関連は述べなかったが、「国連の予算の使い方に問題がある。これ以上容認できない。」として、アメリカの国連への来年度(2018-2019)拠出金から2億8500万ドルを削減すると発表した。(国連予算のアメリカの拠出金が占める割合は22%(33億ドル))

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5061535,00.html

トランプ大統領は、世界最強の国の大統領としての上品さなどには、まったく興味のない、実利本位のビジネスマンである。「アメリカから金や支援をもらっているくせに、アメリカを孤立させるとはどういうことだ。もう金を出すいわれはない。」というわけである。

政治以外の世界では、いかにももっともな話かもしれないが、これで最終的に困るのは、戦争で医療も食料もなく死んでいくシリアやイエメンの難民であり、正しく管理されなくなる世界遺産である・・・と懸念されるとこころでもある。

<イスラエルはユネスコ脱退へ>

ネタニヤフ首相は、国連総会での決議の翌日金曜、ユネスコのイスラエル代表に、イスラエルはユネスコから離脱すると表明するよう指示した。これにより、2018年1月から、イスラエルもアメリカとともにユネスコを離脱する。

アメリカはすでに10月の時点で、イスラエルに対する不当な決議を続けているとして、ユネスコからの離脱を表明しており、2018年1月1日からこれが発動する事になっていた。イスラエルもこれに加わる形である。

http://www.jpost.com/Israel-News/In-gratitude-to-US-Israel-to-announce-UNESCO-exit-519860

<石のひとりごと:国連決議の意味>

エルサレムはイスラエルの首都かどうか。この質問は、現状だけでなく、歴史的、考古学的にも明らかであることはいうまでもないが、究極のところ、聖書が真実であると信じているかどうか。もっというなら、聖書の神が神であると信じているのかどうか、というのと同じ問いかけになる。

なぜなら、聖書には、神が明らかにエルサレムを選んで、そこにイスラエルの神の名を置き、そこにイスラエルの王ダビデを立てた、つまりは、イスラエルは神が定めたイスラエルの首都であると言っているからである。(第二歴代史6:6)

聖書を持たないイスラム諸国が、トランプ大統領の宣言に反対しても不思議はない。しかし、イギリス、フランス、ドイツなどは伝統的に聖書を信じるキリスト教の国である。それが、たとえ表向きだけであったとしても、国としてにエルサレムがイスラエルの首都とは認めないと、”公式”に意思表示したということは、よく考えれば非常に恐ろしいことである。

それにしても、国連はどうなってしまったのだろうか・・・日本の動きを見てもあきらかなように、諸国は今、自分の国の発展のために、実際には、イスラエルに近づいているのに、国連という場においては、ポリティカルコレクトの顔を維持するか、アラブの機嫌をそこねないために、反イスラエルの立場を優先する。それが、たとえ、明らかに事実に反しているとしてもである。

国連は、それぞれの国が自分の立場を守ることに集中する単なる外交の場になり、本来の世界の平和と繁栄を守るという目的を見失ったということである。

結果、世界で最も資金を供給してきた国アメリカを怒らせて、資金を削減されてしまい、聖書関連の世界遺産をおそらく最多管理しているイスラエルが、ユネスコから離脱する。国連は、もう正しく機能しなくなっていると言ってもよいだろう。

トランプ大統領がしていることを見るとき、はだかの王様を見ているのに、はだかではないふりをしている人々前で、「王様ははだかだ。」と言っているようにみえてならない。皆、実はそれに気づいているのだが、公に認めないだけである。本当のことより、国益や関係重視という、日本人なら、十分理解できそうな悪循環に陥っているようである。結果アメリカは孤立するのである。

聖書には次のように書かれている。いかにも現状を表しているである。

見よ。わたしはエルサレムを、その回りのすべての国々の民をよろめかす杯とする。ユダについてもそうなる。エルサレムの包囲されるときに。その日、わたしはエルサレムを、すべての国々の民にとって重い石とする。すべてそれをかつぐ者はひどく傷を受ける。地のすべての国々はそれに向かって集まってこよう。(ゼカリヤ書12:2-3)

アメリカはいわば、今イスラエルをかついだ状態のようになっているが、確かに傷を受けたようである。

この聖書箇所によると、この後、エルサレムをイスラエルの首都と認めず、アメリカの宣言に反対する国々がエルサレムを包囲し、攻めてくることになる。

その時多くの国々が戦いの中で、盲目となり、混乱に陥る。しかし、聖書の神、すなわち、イスラエルの神に依り頼むエルサレムは、元のところにそのまま残ると聖書は預言している。

今後は、いかにポリティカルに間違っているようにみえても、エルサレム、イスラエルの背後におられる神を、たとえ信じなかったとしても、あなどったり、否定することは、決して益にはならないだろう。
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