第72回国連事務総会 2017.9.19

 2017-09-19
毎年この時期には、ニューヨークの国連本部で、総会が行われ、各国首脳が演説を行う。今年も、北朝鮮問題、イラン核問題、シリア問題、ロヒンギャ問題、地球温暖化による異常気象など、ますます議題は満載である。

もっとも注目は、トランプ大統領で、19日の総会初日に初演説の予定。ネタニヤフ首相も19日。アッバス議長は水曜となっている。

<ネタニヤフ首相の論点はイラン>

弾道ミサイルに水爆の実験までしている北朝鮮に対して、国際社会は効果的な対処をとることができていない。これで危機感を募らせているのがイスラエルである。

2001年の同時多発テロのときに、ブッシュ元大統領は、イランと北朝鮮は悪の枢軸と呼んだ。まさにその通りで、北朝鮮が行っている核開発は、そのままイランのものになるだろう。2015年に、イランが国際社会と合意した核開発保留の期限が過ぎれば、イランもすぐに核保有国になるだろう。

また、シリアで、ISISが領地を失うに連れて、そこにヒズボラや、シリア政府勢力が入り込み、そこにイランの革命軍が入ってくることへの懸念も訴えるとみられる。

ネタニヤフ首相は、演説でこれらの点を強調し、国際社会に、2015年のイランとの合意を破棄するよう訴えるものと思われる。

しかし、実際には、イスラエルとは同盟関係にあるアメリカ、イスラエル寄りと言われるトランプ大統領ですら、いったん締結されたこの合意から抜けることは、国際法に照らしても、不可能とみられる。

そこで、イスラエルが狙うとすれば、できるだけ、イランに関するアメリカの危機感をあおって、イランへの査察を強化するよう、IAEAに圧力をかけてもらうこと。また、中東で唯一民主主義のイスラエルの軍備を増強してもらうなどが、実質的な目標地点になるとも言われている。

<ネタニヤフ首相とトランプ大統領会談(今年3回目)>

演説に先立ち、ネタニヤフ首相は、トランプ大統領と18日、直接会談を行った。ネタニヤフ首相は、上記、イランの核問題に関する合意をアメリカには放棄してほしいということ、また、中東、特にシリアにおいてイランが勢力を拡大しており、イスラエルの北部国境が緊張していることへの懸念を伝えた。

パレスチナ問題の解決については、トランプ大統領と同様に、アラブ諸国との和平と同時進行になるとみていると伝えた。トランプ大統領は、後日、アッバス議長とも会談予定である。

ネタニヤフ首相は、のちにトランプ大統領との会談では、両国の結束を確認でき、満足できるものだったとツィートしている。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/235694
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9:11より16年:現状とこれから 2017.9.12

 2017-09-13
今日は9月11日。2001年にニューヨークで同時多発テロが発生してから16年。イスラエルには、アメリカ以外の国では、唯一となる9:11のメモリアル(犠牲者と消防士など殉職者の名前が刻まれている)があり、今年もフリードマン米大使を招いての記念式典が行われた

<9:11以後の現状(エルサレムポストより)> http://www.jpost.com/Middle-East/5840-days-later-Reflections-on-911-504723

2003年、テロとの戦いを宣戦布告したアメリカは、また世界はどうなったのか。エルサレムポストがまとめたところによると以下の通り。

アメリカでは、大統領が3人交代。死亡した米軍兵士は6928人。負傷した兵士は100万人。かかった費用は、トリリオン・ドル(兆の次の京、ものすごい額という意味)。同時多発テロ関連で逮捕された者たちのうち、41人が、今も拷問で問題になったグアンタナモ刑務所にいる。

2003年にアメリカの侵攻を受けたイラクは、以来、18万人が死亡。イラクで混乱が続く中、隣のイランが強くなった。

2003年、同じくアメリカの侵攻を受けたアフガニスタンは、さらに混乱がすすみ、オバマ前大統領は米軍を撤退させようとしたが、トランプ大統領は、駐留の延長を決めた。

2006年、ハマスがガザ地区を掌握。2011年には、エジプトから、中央政府に反旗をひるがえす”アラブの春”が中東、北アフリカへ広がり、特にリビアでは、カダフィ政権が転覆して国はカオスとなり、北アフリカ諸国に混乱が広がった。アフリカではボコ・ハラムという凶悪なテロ組織が台頭した。

こうした中、2014年、シリアで内戦が始まり、ISIS(スンニ派)が生まれた。これは中東で強くなってきたイラン(シーア派)の影響もあるといわれている。これにより、サウジアラビアなどのスンニ派諸国と、イランなどシーア派との対立が明確になり、中東情勢は、明らかに前より不安定になった。

結果的に、2001年に”テロとの戦い”が始まって以来、逆にテロは激増し、73000件のテロで、17万人が死亡。テロの現場は、9:11以前は、コロンビア、ペルー、北アイルランド、スペイン、インドであったが、以後は、イラク、インド、アフガニスタン、パキスタン、タイ、フィリピン、イスラエルとなった。

またISISの台頭以来、ベルギーを筆頭(ベルギーだけで5000人)に、ISISに加わる若者がヨーロッパから多数生み出され、それらが、ヨーロッパの中でテロを起こすようになってきた。

テロ現場は、いよいよヨーロッパ諸国へと広がり、今や世界のどこででもテロは発生しうるという時代になった。アメリカのテロに対抗する特殊部隊は、2001年には4万3000人だったものが、現在は7万人にふくれあがっているという。

9:11以来、テロは増加・拡大したといえる。しかし、国際テロは9:11から急に始まったのではない。1993年にアメリカの貿易センタービルが爆破されるなど、イスラム過激派のテロは以前からすでに脅威になりはじめていたのである。

結局のところ、9:11は、単にテロが拡大していく前触れにしか過ぎなかったと、エルサレムポストは締めくくっている。
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民族浄化!?:ミャンマーのロヒンギャ難民問題 2017.9.12

 2017-09-13
仏教国ミャンマーで、少数派イスラムのロヒンギャ難民問題が再び悲惨なことになってきた。

ロヒンギャといえば、最近では、2015年、ミャンマーから迫害を逃れて海へでたものの、周辺諸国のどの国からも引き取り手がなく、海上をただ漂流しつづけたことがニュースになった人々である。

このロヒンジャが、今回は、陸路バングラディッシュへと逃れ始め、今やその数37万人になっているという。住む場所はおろか、食べ物もなく、引き取り手もなく、まったく行き場のない、悲惨きわまりないロヒンギャの人々の様子が報じられている。

今回の難民流出については、先月、ミャンマーのロヒンギャ居住地アラカン州で、ミャンマー軍と武装化した「アラカン・ロヒンギャ救世軍」との間で武装闘争になり、双方で100人以上の犠牲者が出たことが発端となった。

この衝突を機に、ロヒンギャの村が広範囲に襲われ、村が焼き払われたため、ロヒンギャの人々が避難を強いられたのである。

問題は、だれがロヒンギャたちの村を焼き払ったのかだが、ロヒンギャたちは、ミャンマー軍兵士だと主張するのに対し、ミャンマー政府は、ロヒンギャ自身も関係するイスラム過激派グループだと主張する。事実は不明のままだ。

バングラデッシュは、ミャンマーがこれらの人々を受け入れるべきだと主張しているが、とりあえずは、国境に難民キャンプを設置して、そこに置くことには同意しているようである。しかし、難民キャンプでは、なんの基準も、決まりもないまま、無法状態である。

国際社会からの支援が来ると、飢えた難民たちが一気に殺到し、大混乱の中、物資を奪い合っている様子が報じられている。その姿はあまりにも悲惨だ。さらに悲惨なのは、この人々には正式な国籍がないということである。このため、ここからどこへも行けないという事態になっている。

BBCによると、ロヒンギャたちの中に、両足を失ったような負傷者がいるという。彼らの逃亡経路に地雷が埋めてあり、それを踏んだ難民たちがひどい負傷を負っているのである。

国際社会は、ミャンマー政府が、ロヒンギャたちを抹殺し、民族浄化を図っているのではないかと指摘している。

http://www.bbc.com/news/av/world-asia-41233481/rohingyas-in-bangladesh-desperate-for-aid (BBCミャンマー関係ビデオ)

http://www.bbc.com/japanese/41235882(日本語)

<国籍のない流浪の民>

ロヒンギャの人々は、ミャンマーに住んでいはいるのだが、ミャンマー政府は、彼らをベンガル地方から違法にミャンマーに入ってきた不法移民だとみなす。1982年からは、正式に国民ではないとされた。このため、ミャンマーの国籍はない。

ミャンマー政府は、”ロヒンギャ”という名前すら受け入れず、「ベンガル人」という呼び名を貫いている。このため、難民の責任を追及されても、いっさいそれを認めないのである。

一方、バングラディッシュ側も、ロヒンギャはミャンマー人であると主張して譲ら無い。今難民となっている人々は、どこにも所属がなく、助ける義務を負う国がどこにもないという、世界から拒絶された人々なのである。

ところで、ミャンマーといえば、ノーベル平和賞を受賞したアウン=サン=スーチー氏がいるが、この問題に介入する様子はなく、批判が殺到している。平和賞を取り上げるべきだとの声もある。

しかし、ロヒンギャの問題は、かなり奥が深く、スーチー氏が介入しない(できない)理由もうかがえないわけではない・・という歴史がある。そこには、第二次世界対戦で、ミャンマー(当時はビルマ)を一時支配した日本も、一役かっているという事実もあった。

<日本も無関係ではないミャンマーの民族紛争>

パレスチナ問題も同様、20世紀には、イギリスがあちこちで今にいたる国際紛争を生み出したようである。ミャンマーは、当時インドを支配していたイギリスに併合された時代があり、この時に、仏教徒が主流のミャンマーの海沿い、ラカイン州地域に、ベンガル人が多数流入するようになったのである。その中にはイスラム教徒もおり、ロヒンギャの元になったと思われる。

実際、ロヒンギャの人々は、皮膚の色も黒く、顔の堀が深く、一般の仏教徒ミャンマー人とは、見た目も違う。どちらかといえば、インド人に近い。このためミャンマーとしては、ロヒンギャは、ミャンマー人ではなく、ベンガル人だと主張するのである。

第二次世界対戦中は、日本軍が来て、一時この地域を支配したが、この時、日本軍は、ミャンマーの仏教徒を武装させ、イギリス軍との戦いに協力させた。一方、イギリス軍は、このベンガル人らを武装させ、日本軍との戦いに協力させたのである。

しかし、やがてこの図式が、仏教徒とイスラム教徒の戦いへと発展し、今に至ったということである。

しかしながら、今いる一般のロヒンギャの人々、子供達にとっては、こうした歴史的な流れは無関係なのであり、ただ一人の人間として、きちんと国籍を与えられ、保護される権利があるというものである。泣き叫ぶロヒンギャの人々の様子に心が傷む。ただ祈るしかない。

<石のひとりごと>

世界はますます混乱を極めようとしている。戦争があり、暴虐があり、これまでにないひどい災害が発生している。かつて神はノアに仰せられた。「すべての肉なるものの終わりが、わたしの前に来ている。」確かに地球は聖書のいう終わりに向かっているようである。

それにしても・・いつもながら、日本から出て、エルサレムでテレビのニュースをひらけば、あまりにも悲惨な世界の様子にいつもながらうちのめされる。

私たち日本人は、外からの脅威におぼやかされた歴史がほとんどないという、世界有数、いやもしかしたら世界一恵まれた民族かもしれない。

世界には、非常に悪いものを受けている人々がいる。私自身はこれまで非常によきものばかりを与えられてきたのだと思う。主の前に感謝するとともに畏れも感じている。
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米・パリ協定離脱を考える 2017.6.3

 2017-06-03
6月1日、トランプ大統領が正式にパリ協定からの離脱を表明した。ドイツ、フランスをはじめとするEU諸国、日本や、イスラエルもこの動きを「残念」とする声明を出し、アメリカが孤立する流れになっている。

日本でも多くの報道や分析がなされているが、これが何を意味するのか、これからどうなるのか、今後の注目点について、筆者の学びのためにも、ここでもまとめておくこととする。

<まずは・・・パリ協定とは何か>

パリ協定とは、2015年12月に、COP(Conference of Parties) 気候変動枠組条約締約国会議において、採択された国際的な協定(合意)で、地球温暖化を遅らせ、気候変動に伴う大型災害を防ぐために国際社会全体で取り組んでいこうとするグルーバルな試みである。

温室効果ガスの最大排出国であるアメリカ(オバマ前大統領)と中国が批准したことで、2016年11月にこの試みが発動している。

パリ協定では、今から3年後の2020年以降2100年まで(つまり80年先)の、地球の平均気温の上昇を2度以下(目標1.5度)に抑えることが目標とされている。今のまま無策であれば、平均気温は4.8度上昇し、大型災害は避けられないと予測されている。

その具体策として、温室効果があって、地球の温暖化の要因と考えられる二酸化炭素などの温室効果ガスの各国の排出抑制などが挙げられている。

現時点での主な温室効果ガス排出国は、①中国、②アメリカ、③インド ④ロシア ⑤日本で、これらの国々は5年ごとに削減目標を、自主的に提出することになっている。

この他、途上国は、対策にかける費用がなく、災害の被害も最も受けると考えられることから、これらの国々の温暖化対策の支援金として、緑気候基金が設立された。大国がそれに投資する形になっている。

こうした取り組みはパリ協定に始まったことではない。地球温暖化に対処しようとする最初の試み(COP)は、1992年、リオデジャネイロで始まった。この時、気候変動枠組条約というものができた。

以降、関係国は毎年集まっていたが、1997年には京都でCOP3が開かれ、国際条約としての「京都議定書」が、先進国の間で批准された。この時は2020年までの目標が定められた。

この時、アメリカ(ブッシュ前大統領)は不参加を決めて話題となった。また中国とインドは主な二酸化炭素排出国であるにもかかわらず、まだ後進国として認識されていたため、会議には不参加であった。このため、効果はあまりなかったとされる。

今回のパリ条約は、この京都議定書の次の段階として批准されたもので、2020年から2100年までのことが議題とされた。

今回は、すでに実際に温暖化が原因とみられる異常気象が始まっていることから、先進国だけでなく、全世界がこの試みに参加するべきとの流れになった。このため、パリ条約では、1992年に定められた気候変動枠組条約に参加している196カ国がすべて参加する枠組となった。

http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/256336.html

こうしてみると、国際社会が一丸となって地球温暖化をなんとかしようとしている流れの中で、トランプ大統領は、事なかばにて、椅子を蹴り、「やめます。」と言って水をかけたということである。

<トランプ大統領の言い分と実際>

トランプ大統領の言い分は、平たく言うと「地球温暖化を予防するなど、ほとんど不可能なのに、無駄な取り組みをして、アメリカは、無駄な金を払わされている。こんな無駄金を払うぐらいなら、自国の発展と雇用にまわす。」ということである。

トランプ大統領によると、パリ協定でアメリカ(オバマ前大統領)が緑の気候基金に約束した額は、全世界で100億ドル中、30億ドル(3300億円)。このほかのエコ設備投資なども入れるとアメリカの損失の総額は3兆ドルにもなりうるとトランプ大統領は主張する。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGN01H1V_R00C17A6000000/

これについては、全く理解不能ではない。これほどの大金をかけ、80年かけて、気温の上昇を2度にまで抑えるという、なんとも気の長い話である。しかも、実際には、上昇を2度までに抑えられるかどうかもわからず、結局、人類がいくら努力しようが、温暖化を止めることは不可能だというデータもある。

最近では、地殻からくる地球の温暖化を海水が抑えられなくなり、予想以上に気温が上がる可能性があるという説もでている。そうなれば、確かにアメリカが、今これほどの大金を出資して、自国を犠牲にしても、まったく無駄ということにもなりうる。

もしかしたら、トランプ大統領は、いわば、「はだかの王様」に出てくる”本当の事”を叫んだ子供である可能性もある。この後、これに賛同する国々が出てきて、将棋倒し的に協定が崩れる可能性もなきにしもあらずである。

しかし、最終的に、全世界がこれを認め、パリ協定そのものが破棄にならない限り、トランプ大統領は、国際社会全体に逆らうもの、破壊者としか見えないだろう。

なお、アメリカ国内でも、ティラーソン国務長官はじめ、イバンカ補佐官等多数の閣僚も、離脱に反対する意見で、政権内部でも意見は大きく分かれていた。

ティラーソン国務長官は、アメリカが完全に孤立するのを防ぐため、パリ協定は離脱しても1992年の気候変動枠組条約の加盟はやめないと言っているもようである。

<各国の反応:嫌われるアメリカ>

2日、トランプ大統領が、パリ協定からの離脱を正式に表明すると、まずはドイツ、フランスなどEU諸国から、また中国、カナダなど世界諸国から次々にブーイングが飛んだ。

トランプ大統領は、離脱表明とともに、パリ協定の内容の再交渉をしたいと言ったが、当然ながら、フランスのマクロン大統領は、すかさずきっぱりと断った。

パリ協定に同意しないトランプ大統領が、加盟したまま残留し、皆の足をひっぱるよりは、すっぱりやめてくれてよかったという開き直ったような意見もある。

しかし、温暖効果排出第2位のアメリカがこの試みに参加しないとなると、世界がいくらがんばっても温暖化はますます遅らせることができないのではないかという懸念は否めず、アメリカのこの動きはまさに「水をさす」ものである。

先週、トランプ大統領は、NATO首脳会議に出席した際にも、「アメリカだけでなく、加盟国は、全員払うべきメンバーシップをきっちり払うべきだ。」とストレートに語り、首脳たちが眉をひそめる様子が報じられている。

アメリカと欧州との関係悪化は否めないようである。

なお、日本は、安倍首相らが「クールビズ」に身をかため、「トランプ大統領にはついていかない。」旨を表明した。イスラエルも同様である。アメリカ国内からも様々な形でこれに反対するデモも発生している。

<離脱の必要はなかった!?>

どうもこの離脱表明は、アメリカにとって不利に流れているようだが、実際には華々しく離脱表明をする必要はなかったとの意見がある。

アメリカを代表して、パリ条約に署名したケリー前国務長官は、「この条約は単に枠組、つまりボランティアであることが基本になっている。アメリカに課されている義務はない。条件が気に入らないなら、自ら変えることも可能だった。そこから離脱する必要は全くなかった。」と指摘した。

ケリー氏は、この離脱宣言により、「今後、アメリカは国際社会の尊敬と発言権を失うことになる。結局、アメリカ・ファーストがアメリカ・ラストになった。」と激怒している。

http://www.bbc.com/news/av/world-us-canada-40126807/paris-negotiator-john-kerry-grotesque-abdication-of-leadership

この点はロシアのプーチン大統領も同様で、「パリ条約は単なる枠組なのだから、トランプ大統領は離脱する必要はなかったと思う。”Don’t worry, Be Happy”だ。」と笑いとばした。

またプーチン大統領は、「ここ(ロシア)では寒いので温暖化は感じない。」と冗談めいて語り、パリ協定で本当に温暖化は防げるのかどうかも疑問視するような発言をして、「ロシアはロシアのやり方で行く。」との考えを語った。

http://tass.com/politics/949542

また、もう一点ナンセンスな点がある。離脱を大きく宣言したものの、加入国が離脱できるのは、3年以降と定められている。様々な手続きを考えると、実際の離脱は4年先になるという。その時点で、トランプ大統領がまだ大統領であるかどうかもわからないので、その時点で、また状態がひっくりかえっている可能性もあるという。

離脱表明をしてからの4年間は、いわば、辞職願を出してから実際に職場を去るまでのあの、しんどい期間ということである。その時までは、条約に批准したままの中途半端で、アメリカは、発言権を失うだけになる。

実際のところ、アメリカ国内でももすでに進んでいる温暖化ガス削減計画がストップすることもないので、実際は、何も変わらないのに、国際社会でのアメリカの権威がただただ失墜しただけに終わるとの見方もある。

<中国の台頭> http://www.bbc.com/news/world-us-canada-40127896

アメリカが、パリ協定から離脱を表明し、ほくそ笑んだのは中国だと言われている。中国は、すかさず、ドイツとともに、率先してパリ協定を進めていく考えを明らかにした。

中国にすれば、グリーンエネルギー(風力など)の開発や、それらの技術を後進国に販売する、もしくは投資することは大きなビジネスチャンスになりうる。ライバルのアメリカはもういないのである。

今後、この分野では、アメリカに代わって、中国が、国際社会で主導権を発揮していく可能性が出てきた。

中国は先月14日、ロシアやトルコを含む29カ国の首脳を北京に集めて、現代版シルクロード「一帯一路」構想を一歩推し進める会議を行った。これは、中国からヨーロッパに向かう広大な地域を、中国が率先して設備投資するなどして、大経済圏にしようというよびかけである。

トランプ大統領が、アメリカ・ファーストと言って、他国への支援を渋っているのとは逆に、中国は積極的に投資しようとしているのである。ただし、この投資は、曲者で、のちにそれを返金するしくみとなっている。もしできなかった場合は、中国がその主導権をとりあげる、つまりは没収することになる。

スリランカでは、中国の投資で広大な港を建設した。しかし予想よりはるかに利用率が少なく、出資金を返金するみこみがなくなった。するとスリランカは、その港を中国に売却せざるをえなくなった。地域住民は立ち退きの危機にもなっている。

このように、一帯一路構想には、中国が一帯を征服してしまう可能性も秘めていると懸念されているところである。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM09H88_Z01C16A2FF1000/

このほか、中国は、南シナ海に人口島を作り、今や戦闘機も発着できる空港を作ってしまったようである。軍事的にもその影響力は拡大している。トランプ大統領のパリ協定離脱宣言は、まさに中国にとっては渡りに船となったと思われる。

<今後の注目点>

これから注目すべき点は、アメリカに続いてパリ協定を離脱する国があるかどうか。嫌われ者となったアメリカの経済と指導力が、今後どうなっていくのか。そして、中国が本当にパワフルになってくるかどうかなどである。

<石のひとりごと>

今朝聖書を読んでいると次のようなことばが目に付いた。

すべての肉なるものの終わりが、わたしの前に来ている。地は、彼らのゆえに暴虐で満ちているからだ。それで今わたしは、彼らを地とともに滅ぼそうとしている。(創世記6:13)

地球温暖化について、よく考えると、確かにできるかぎりのことはすべきであろう。しかし、もうすでに異常気象は始まっている。

この後に及んでは、もはや人間のわずかな力で温暖化を遅らせることに資金を費やすよりも、それにどう対処していくのかに資金を使った方がいいのかもしれない。

イスラエルは来るべき世界規模の食料危機に備えて、最も早く、少ない水で育つ食料や、最も少ない飼料で最大の牛乳を得る方法、またその保存法などを研究している。大災害、大戦争時にどう市民を保護するのかもきわめて具体的に計画していると聞いている。

無論、聖書の視点で言わせてもらえば、大患難が来る前に、すべてを支配する天地創造の主と和解しておくことはもっと大切だ。

そういう意味では、トランプ大統領は、結果的には自らの孤立というリスクを負って、世界に警鐘を鳴らしたといえるかもしれない。

まあ、トランプ氏の場合、アメリカの雇用だけを考えているのであって、そこまで人類のことを考えていたというのは、こちらの考えすぎだとは思うが・・・。

地球温暖化を遅らせる努力などナンセンスと言ったトランプ大統領が正しかったのか、彼の行動は愚かであって、本当にアメリカが世界の指導者としての立場から落ちて、アメリカ・ラストになってしまうのか、それはこれからの時代が証明する事になる。

それは意外に早く、わかってくることではないかと思う。
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急増する!?イスラム過激派によるテロ 2017.6.2

 2017-06-02
先週、イギリスのマンチェスターで、子供達22人が死亡する残虐なテロが発生したが、それ以降、31日までだけでも46件のイスラムに関係するテロが発生し、408人が死亡している。

*以下のイスラム系のサイトによると、ここしばらく、死者の数が二桁になっている。(犠牲者が1人の事件は省略している。)
https://www.thereligionofpeace.com/attacks/attacks.aspx?Yr=Last30

5/31 アフガニスタン90人、イラク(2カ所)計77人、シリア17人、

5/29 ナイジェリア5人

5/28 イラク(モスル)2回で計52人、フィリピン8人、

5/27 アフガニスタン(3カ所)計50人、フィリピン19人

5/26  エジプト29人

5/25 アフガニスタン(3カ所)計22人、イラク(モスル)10人、ケニア5人、

5/24 アフガニスタン13人、ナイジェリア3人、インドネシア(ジャカルタ)3人、イラク(モスル)23人

多いのはやはりアフガニスタンとイラクだが、意外に多いのがフィリピンである。

エジプトでは4月、コプト教会が爆破されて計45人が死亡し、国家非常事態宣言が出されている最中だが、5月26日、再びコプト教クリスチャンの乗ったバスが銃撃され、29人が死亡した。

http://edition.cnn.com/2017/05/26/africa/egypt-shooting-coptic-christians/

これらのテロの犯行はISISが多いが、アフガニスタンではタリバンなども関わっている。いずれにしてもイスラム関連の過激派である。

こうした中にあるイスラム教国の指導者たちを前に、トランプ大統領は、「過激派をそれぞれで撃滅せよ。」と訴えたわけだが、昔からこの状況にあるイスラム教国の指導者たちからすれば、トランプ大統領の訴えは、非現実的と聞こえたのではないだろうか。

なお、イスラエルでは、今日1日にも西岸地区でイスラエル兵が刺され、犯人はその場で射殺される事件が発生したが、全体的には、テロによる死者数は減少傾向にある。
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