イスラエルがシリア領内で空爆か 2013.1.31

 2013-01-31
29日夜から、レバノン領内に12機のイスラエルの戦闘機が侵入したとの情報があったが、翌30日早朝、イスラエル空軍がシリアからレバノンのヒズボラに向かったとみられる武器輸送トラックの一団を、シリア領内で、空爆したとアメリカ情報筋などが伝えた。

トラックの一団が運んでいたのは、ロシア製最新の地対空ミサイルSA-17。もしこれがヒズボラの手に渡れば、イスラエルの戦闘機を撃ち落とす能力を備える事になり、イスラエルとヒズボラの軍事力の関係が逆転する可能性があった。

<空爆したのはダマスカス近郊の化学兵器工場?>

ところが、30日夜になり、シリア政府がイスラエルが攻撃したのは、武器輸送のトラックではなく、ダマスカス北西のジャマラヤにある科学研究センターだったと発表。攻撃は30日01:30。建物が破壊され、2人死亡、負傷者5人と伝えた。

ジャマラヤはヘルモン山のすぐ近くで、確かに化学兵器が保管されているとみられる地域である。シリアの発表によると、イスラエルの戦闘機がヘルモン山の方角からレーダー網をかいくぐってシリアへ侵入、空爆後、同じ経路で帰っていったという。

イスラエルが、シリアの化学兵器がヒズボラに引き渡されようとするのを空爆で阻止した可能性もある。

この一連のことについて、イスラエルからの正式な発表はない。

<シリア・ヒズボラからイスラエルへの反撃はあるか?>

今回の攻撃はシリア政府に対して、「イスラエルは、ヒズボラに化学兵器を含む武器を引き渡すことは断じて容認しない」との明確なメッセージとなった。シリアもイスラエルと争う余裕はないと思われるので、反撃の可能性は低いとも分析されている。

しかし、これに先立ち、イランが「シリアへのいかなる攻撃もイランに対する攻撃とみなして、反撃する。」と言っており、油断はできない。

イスラエルもハイファ近郊にアイアンドーム(迎撃ミサイル)2基を配備したところで、イランのバックアップを受けるヒズボラの反撃に備えたとも受け取れる。
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日本の対イスラム武装勢力対策 2013.1.30

 2013-01-30
アルジェリア人質事件から2週間が経過した。犯行グループが潜伏するとみられるマリ北部(アルジェリアと国境を接する隣国)では、事件発生前から軍事介入しているフランス軍が、イスラム武装勢力との戦闘を続けている。

フランス軍は、徐々にマリ北部を解放しはじめており、ガオなど解放された町では、イスラム武装勢力は姿を消している。しかし、サハラ砂漠は広いため、砂漠に隠れているだけだと懸念する専門家もいる。

今回人質事件で5人を殺されたイギリスは、フランス軍の援軍として300人規模の部隊を派遣することを決めた。キャメロン首相は、今日、アルジェリア現地入りし、今後の警備、マリでの軍事作戦などについてアルジェリア政府と検討する。

<アフリカ連合軍への引き継ぎ>

アフリカ連合(AU)諸国は29日、エチオピアで会議を開き、フランス軍撤退後はアフリカ諸国でイスラム武装勢力を押さえられるよう、アフリカ人による連合軍を配備することで合意した。

今後、フランス、イギリスなどEUが中心となり、アメリカも協力してアフリカ連合軍の訓練の他、悪の巣窟になる貧困を解決するため、地域の開発計画などを行う。

ただ欧米が訓練するというこのアフリカ連合軍。兵士の中にはつい最近までイスラム武装勢力にいた者が軍に戻ったという者もいるという。結局は、お金のあるところに人が集まるだけで、訓練したあげく、将来イスラム勢力に寝返る可能性も十分あるという分析もある。

<日本は資金援助>

日本は最大の犠牲者を出した国だが、自衛隊法があるため、イギリスのように部隊を派遣することはできない。そのかわりに日本は、上記のアフリカ連合軍訓練や、経済開発に向けて、約109億円を拠出することを決めた。

国連、アメリカ、日本など海外からの上記プロジェクトへの支援金は全部で約412億円。この中で、日本の拠出額はアメリカよりも多く、日本が全体の30%近くをカバーすることになる。

日本政府は、今後海外にいる邦人を守るため、迅速な決断を可能にするための国家安全保障会議や、自衛隊法改正も含めて検討することになっている。4月までにはなんらかの方針を決めたいとしている。

<石のひとりごと-今後、日本の政府に期待したいこと>

今回の人質事件を通して、日本政府が、緊急時に迅速で実際的な行動をすることができず、海外の邦人は、結局外国の軍隊に守ってもらわなければならないというきわめて不確かで無防備な状況であることが明確となった。

また、日本は、諸外国が世界レベルでイスラム武装勢力に対処しようとする中、4月までかかって、まずは自国民をどう守るという話し合いを国内でするところからのスタートになっている。被害者数も拠出金も最大であるのに、現地での活動にはいっさい参加できず、発言力もない。

急速に変わっていく世界情勢をふまえ、今後安倍政権が適切な法整備を行い、海外邦人の保護体制を確立するとともに、諸外国の中で、日本も共に協力する国になるよう期待したい。
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イスラエル市民、ガスマスク準備に走る!? 2013.1.30

 2013-01-30
”何らかの変化がおこっている!?”と緊迫するシリア情勢。イスラエルでは、1991年の湾岸戦争以来配布されているガスマスクをリニューアルするイスラエル人が急増し、先週から通常の3倍近くになっていることがわかった。

ガスマスク・キットには、ガスマスクの他、化学兵器にさらされた場合に使用するアトロピン皮下注射などが含まれており、定期的にチェック、リニューアルする必要がある。

これまでに配布された最新のガスマスクは450万個以上。全人口の3分の2程度である。(Yネットニュース)
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アサド政権崩壊に備えるイスラエルとヨルダン 2013.1.28

 2013-01-28
シリア内部の情勢が深刻化するとともに、ヨルダンへの難民急増(1日からだけで3万人)、アサド大統領の母親が脱出するなど、崩壊が近いと思われせるような微妙な動きになりつつある。

シリア内部には現在、アルカイダを含む様々なイスラム武装勢力入り込んでおり、アサド政権が崩壊した時に、どんな状況になるかはだれにも予想がつかない。

ヨルダンは、イスラエルとも連絡をとりあい、”その時”に備えてシリアとの国境警備を増強しているもよう。

<イスラエル、北部にアイアンドーム(迎撃ミサイル)2基設置>

イスラエルは、アサド政権が崩壊した瞬間、大量破壊兵器がヒズボラ(レバノン)の手にわたる可能性に備え、シリア内部の化学兵器の監視を強めている。

Yネットによると、シリア国内で化学兵器が保管されているとみられる場所付近にヒズボラが拠点を築いているという。アサド政権が崩壊前に、化学兵器がヒズボラの手に渡る可能性が高い。

シリア情勢が微妙になってきたのを受けて、イスラエル政府は昨日より、北部ハイファ近郊にアイアンドーム(迎撃ミサイル)2基を設置した。
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エジプトで混乱の3都市、緊急事態宣言 2013.1.28

 2013-01-28
この週末だけで、政府側と反政府側との衝突で50人近い死者をだしたエジプト、スエズ運河周辺の3都市、ポートサイード、スエズ、イスマイリア。ムルシ大統領は、27日、この3都市について非常事態宣言(夜9時から翌朝6時までの外出禁止令)を出した。

これにより、むこう1ヶ月間、治安部隊は疑わしい人物を逮捕できるなどの権限を行使することになる。スエズ地域は、すでに無法地帯となっているシナイ半島に隣接しており、武器が比較的手に入りやすい地域である。

治安部隊(政府側)とデモ隊(反政府側)との衝突が収束するかどうか、予断をゆるさない状況である。
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(アルジェリア関連)マリでイスラム勢力との戦闘本格化 2013.1.27

 2013-01-27
日本ではアルジェリアで人質事件の犠牲者10人が悲しみの帰国となっているが、この人質事件に関係したイスラム武装勢力と現在、アルジェリアの隣国マリで戦闘を続けているのがフランス軍である。

ここ数日、フランス軍とナイジェリア軍などアフリカの軍隊も協力し、イスラム武装勢力に支配されたマリ北部を解放し始めている。27日、マリ北部でイスラム武装勢力に占拠されていた町ガオがフランス軍によって解放され、市長が町に帰還することができた。

27日、アフリカ同盟(AU)はアジスアベバでサミットを開き、マリで戦闘中のフランス軍2500に加わるアフリカ軍を近隣アフリカ諸国から出すことを決めた。チャドやニジェールなどから7500人規模の軍が準備中である。

AUは現在、国連安保理に許可を申請中。アメリカ軍もフランス空軍に空中給油を提供する形で参加することになった。

*アルジェリア人質事件の首謀者とされるベルムフタルは、この北部マリに逃げ込んだといわれているが、その後の消息はつかめていない。

<残酷きわまりないイスラム武装勢力>

マリ北部に入っているメディアによると、マリ北部の町には、切断された手足がころがっているという。この地域のイスラム武装勢力の残忍性を現している。地上軍として戦っているフランス軍兵士らのリスクは非常に高い。

フランス軍の軍事介入により、現在西アフリカの欧米人が危機にさらされている。リビアのベンガジでは、深刻なテロの警告があったため、欧米人約50人が緊急脱出。アルカイダ系イスラム武装勢力は、フランスはじめ、ヨーロッパで報復すると言っている。
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収拾つかない怒りの子 エジプト 2013.1.27

 2013-01-27
アラブの春2年目を記念して26日からエジプトで再燃した反政府デモ運動だが、全国で死者30人以上、負傷者数百人と激しさをましてきている。カイロのタハリル広場はまるでアラブの春が戻ったかのようである。

今回、さらに火を注いだのが、昨年発生したサッカー競技場での乱闘事件(73人死亡)に関連して行われた裁判。26日、シナイ半島に近い町ポート・サイードの裁判所で、この事件で拘束された21人に死刑が宣告された。

これを受けて歓喜する遺族とそのサポーターに対し、死刑になる者たちの家族とそのサポーターが裁判所の外で暴力的な衝突となり、少なくとも26人が死亡した。

ここまで暴力的になるのは、これが政府側と反政府側という対立の構造に関係しているからである。昨年のサッカー場での乱闘は、政府(当時は暫定軍政権)が全国的な戒厳令を出すために仕組んだものと考えられている。

そのため、サッカー場での被害者は反政府側、死刑判決に同意せず反発したのが政府側という構図なのである。エジプトがシリアのように内戦にならなければよいが、イスラエル周囲はますます嵐に突入していくようである。
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イスラエル総選挙・その後 2013.1.26

 2013-01-26
22日に行われた総選挙だが、24日に集計が終わって正式な数字が発表となった。出口調査とほぼ同数で国会120議席のうち61席を右派、59席を左派(中道)と左右半々となった。

選挙名簿によって第19代国会入りを果たす120人の特徴は以下の通り。新党で社会変革をめざす「未来がある」党が予想以上に躍進したため、これまでの古い議員が出て、新しい議員が多数加わることになった。日本でいえば、新党の維新の会が、旧体制派を破って躍進したような形である。

1.新入りが49人(41%)
2.女性議員27人(イスラエル史上最大)
3.ジャーナリスト、大学教授など政治以外でのエキスパートが多く含まれる。
4.西岸地区側に住む議員が12人(10%)
5.ユダヤ教を生活に取り入れている議員は39人(30%)
6.アラブ系議員は11人(2人減)

これが何を意味するかといえば、全体的に内政重視で外交ではハト派の国会であると分析されている。

<ネタニヤフ首相、連立交渉開始>

右派左派半々、ハト派に傾く国会の中で、自身は右派のネタニヤフ首相がどんな連立を組むのか。以下の状況から過半数60議席以上のグループをつくるというパズルである。安定した政権を作るためには、実際には80議席を連立に入れる必要がある。

右派-リクード・ベイテイヌ合併党(31)、ユダヤの家党(12)、シャス・ユダヤ教政党(11)など
左派(中道)-未来がある党(19)、労働党(15)、ハツナ(リブニ党)(6)カディマ(2)など

ネタニヤフ首相自身は右派だが、右派だけで、連立を組むのは60ぎりぎりで不安定。今日、労働党が、連立には加わらないと発表したため、左派(中道)だけの連立も不可能となった。右派左派同居の政権は免れない。

<鍵を握る中道左派・新党の「未来がある党」>

結局は、次期政権に今回躍進した中道左派の「未来がある党」(ヤイル・ラピード党首)を連立に入れることになり、彼らとどの右派が同居するかなどで、ラピード党首とどう折り合いをつけるかが鍵になる。

また、連立の交渉は通常、どの大臣の椅子をどの党首に割り当てるかが大きな焦点になる。しかし、「未来がある党」のラピード党首は、つい最近まで人気ニュースキャスターだった人物で、政治家ではない。

そのため、自分の大臣の椅子よりも、実際の社会変革ができるポジションにしか興味がない。どの大臣でもよいというわけではないため、これまでのような交渉ではうまくいかない様子である。

<今後の流れ>

正式には来週、ペレス大統領が、ヨーロッパから帰国しだい、各党をまわってだれが連立・組閣を実現できるかを判断し、指名する。指名された党首は28日以内に連立政権を結成しする。もしできなければ2週間の延長が可能である。

選挙結果からもネタニヤフ首相が指名されることは確実。さらに3月初頭にはアメリカでAIPAC(アメリカ・イスラエル公共問題委員会)があるため、おそらく2月末までには組閣を終えるとみられる。
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ヨルダンでも総選挙 2013.1.26

 2013-01-26
25日、ヨルダンでも初めての国会の総選挙が行われた。これは、ヨルダンで発生したアラブの春の結果、実現したことである。この選挙では最も組織力のあるムスリム同胞団はボイコットした。

そのため、選挙結果では別のイスラム主義勢力が、議席数を伸ばしたが、結果的に、親王室派が過半数を維持し、王室の主導が維持されることとなった。しかし、今回の選挙で、これまで国王にあった権威の一部は、議会に委譲されることになる。

まだまだ可能性は低いが、イスラエルの懸念は、アラブの春の延長でヨルダン王室が転覆させられること。その場合は、ヨルダン人口の70%を占めるパレスチナ人が台頭し、西岸地区のパレスチナ人と協力する可能性がある。
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エジプト再燃 2013.1.26

 2013-01-26
エジプトでは、アラブの春2年目にあたる25日から、再び全国的に群衆が出てデモ活動を再燃させている。今回は、ムスリム同胞団出身でイスラム主義に傾く現ムルシ大統領に反対する世俗派のデモである。

カイロのタハリル広場でも負傷者多数、スエズでは5人の死者が出ている。
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シリア情勢アップデート 2013.1.26

 2013-01-26
シリアでの殺戮は相変わらず続いている。反政府勢力が、イスラエルとの国境付近にあった政府本部を爆破したとの報告がある。イギリス系の情報筋によると、アサド大統領の母親がアラブ首長国連邦へ、妹がドバイへ逃亡したもよう。

1月に入ってから、シリアからヨルダン、レバノンへの難民が急増、12月の倍となっている。すでに70万人(22万レバノン、15.6万人ヨルダン、7.6万人イラク)を超える勢いである。

難民の多くは子供たちを女性たちが導いて逃げてきているという。難民の生活状況は悲惨で、国連人権保護団体によると人間が住む限界を超えているもよう。
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総選挙・驚きの出口調査結果 2013.1.23

 2013-01-23
<テルアビブに設置された選挙センターより速報>*出口調査であり、最終結果ではないことに注意

1.右派と左派が半々

イスラエルで22日行われた国会総選挙。投票締め切りの22時に近づくに連れて、予想以上の投票率となり、最終的に66.6%となった。その結果、出口調査によると、右派に傾くとの予想を大きく覆し、右派政党が61、左派政党(中道を含む)が59とほぼ半々のバランスのとれた国会になるみこみとなった。

2.右派のびなやみ-ネタニヤフ首相に苦しい結果

22:00の時点で、最大議席を獲得したのはネタニヤフ首相のリクード・ベイテイヌ合併党だが、獲得した議席は予想を大幅に下回る31議席。同じく得票を伸ばしていると思われた極右の「ユダヤの家」党も17席との予想を大幅に下回る12席にとどまった。

3.中道左派躍進

右派に変わって予想以上に得票をのばしたのが中道政党の「未来がある党」(ラピード党首)である。2位になると思われた労働党(左派)を抜いて2位となった。3位となった労働党(中道)は17席。

宗教政党シャスは、予想通りの12席。かつての女性首相候補だったツィッピー・リブニ氏の党は7席だった。

<国内問題解決を望むイスラエル市民>

今回、大きく議席を伸ばした新党「未来がある党」は、社会構造の変革を訴える党で、指示基盤は、世俗派からユダヤ教正統派までと幅広い。今回の結果は、イスラエル市民が、より平等な徴兵制など、国内に山積みとなっている社会問題の是正を第一に望んでいることを示している。

しかし、「ユダヤの家」党も、予想を下回ったとはいえ、解散前の国会では3議席であったのが12議席へと躍進している。「ユダヤの家」党は2国家2民族(国をイスラエル人とパレスチナ人で分け合うという考え)を支持していない。
したがってパレスチナとの土地問題に関していうならば、イスラエル市民が右寄りに傾いてきていることも確かなようである。

<今後の動き>

最大議席をを獲得した党の党首として、時期政権でもネタニヤフ首相が続投となる。

首相は今後42日以内に連立政権を立ち上げなければならない。右派だけで政権を形成することは難しいため、中道の「未来がある」党に、極右の「ユダヤの家」党を含める可能性があるが、難しい交渉になりそうである。
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明日、第19代国会・総選挙 2013.1.21

 2013-01-21
イスラエルでは明日、総選挙が行われる。イスラエルで投票できるのは18才以上で,今回の有権者数は566万人。投票率はこれまでの平均からすると70%と予想されている。明日は、バスは動くが全国で休日となる。

選挙会場は、全国に10235カ所。障害者のための会場は1552カ所。病院に94カ所。刑務所にも57カ所となっている。
朝8時から夜10時まで(日本時間22日午後3時から23日朝4時)投票が受け付けられ、即時開票される。日本と同様、11時ごろには、出口調査ですでに結果がわかるようになっている。

<選挙のしくみ>

イスラエルは小さな国なので、選挙区は一つである。有権者は、登録された34党の中から一つ選んで党名で投票する。獲得票の割合にしたがって、各党に議席数が割り当てられる「選挙名簿」式である。

イスラエルの国会の総議席は120。イスラエルでは建国以来、単独政党が政権をもったことがなく、必ず連立政権になる。最大議席を獲得した党の党首は、42日以内に連立政権を確立することになる。

<選挙運動>

イスラエルでは街頭演説や、選挙カーによる宣伝はない。党首の顔をあしらった大きなポスターは電車の駅などにあるが、町中にはみあたらない。バスの中に、党名をアピールした小さなステッカーが数枚はってあったが、男性がそれをはがしてまわっていた。

イスラエルでは、テレビでの討論がさかんで、党首への直接インタビューはもちろん、それぞれの党が代表を出して、けたたましく論争している。お互いを非難するタイプのアピールも結構あり、醜い争いとなっている。

現時点で、まだどの党に投票するか決めていない人は18%。市民の反応は、おおむね「政府が変わってもどうせなにもかわらないだろう」というもの。特にアラブ系市民にとっては何も期待するものがないため、アラブ人の投票率はこれまでで最低と予測されている。

<史上最も右よりになると予想>

今回の選挙では、すでにネタニヤフ首相のリクード・ベイテイヌ合併党が最多議席を獲得するのはすでに予想ずみである。しかし、最多といっても予想は32議席。したがって、選挙後にどんな党と連立を組むかが時期政府の特徴となる。

今回の特徴としては、宗教シオニストの「ユダヤの家」党が獲得票を増やしていることがあげられる。ネタニヤフ首相と「ユダヤの家」党のベネット党首は犬猿の仲と言われているが、彼らを含めないわけにはいかないと思われる。BBCは史上最も右よりになるとの予想(懸念)を報道している。
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北西アフリカで勢力を伸ばすイスラム勢力 2013.1.20

 2013-01-20
アルジェリアのガス油田人質事件について、アルジェリア軍の4日にわたる強行突入で、人質23人、テロリスト32人が死亡。死亡が確定した外国人は現時点で7人。この中に日本人は含まれていないが、10人の安否がまだわかっておらず、緊張が続く。

<フランスのユダヤ共同体が警戒態勢>

今回のアルジェリア人質事件では、背景に隣国マリでフランス軍が行っているアルカイダ系イスラム勢力への攻撃が関わっていることは前回報告した通り。今回の犯行はフランス軍に領空を使用させているアルジェリアに報復するためという動機もあった。

これを受けて、すでに反イスラエル思想からの反ユダヤ行為が頻発しているフランスではイスラム主義過激派がユダヤ人への反ユダヤ行為を激化する可能性が高いとして警戒態勢に入っている。

イスラム主義者らは、アメリカとイスラエルを敵視しているため、対イスラム行為であれば何であっても最終的には反イスラエル、反ユダヤ行為へと発展させるのである。

<サハラ砂漠のアルカイダとフランス軍>

この事件で明らかになったのが、北西アフリカ、サハラ砂漠で勢力を強めるアルカイダ系のイスラム武装勢力である。
アルカイダは、2011年、ウサマ・ビン・ラディンが米国特殊部隊に殺害されてから、勢力が落ちたと伝えられていた。しかし、欧米の目にとまりにくく、干ばつの他、麻薬売買などの犯罪組織により、北西アフリカ諸国では、アルカイダの流れを受け継ぐ武装勢力が国境を越えて勢力をのばしていたのである。

彼らが特に勢力を伸ばしているのが、チュニジア、アルジェリア、リビアなどをマグレブ諸国と呼ばれる国々。この地域に隣接するマリ共和国では、すでに3分の2がイスラム武装勢力に乗っ取られ、首都バマコにせまる勢いとなっていた。

このため、かつてこの地域を支配し、今も影響力のあるフランスがマリへ軍事介入を開始。地上軍まで投入したのが先週16日である。現在マリにいるフランス軍兵士は2500人と報じられている。フランス軍は首都バマコ付近からイスラム勢力を押し戻したもようである。

フランス政府は、アフリカのことなので、アフリカ人で対処してほしいと考えている。そのためアルジェリア軍など正規軍の訓練にあたっているほか現在、アフリカ全土の国々に、イスラム勢力の制圧のための軍を派遣するよう要請しているもよう。これにナイジェリア軍などが応じているという。
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イランで拘束されている牧師処刑の危険性 2013.1.20

 2013-01-20
昨年9月にイランで拘束されたイラン系アメリカ人のサイード・アベディニ牧師(32)が、最も残酷といわれる裁判官に引き渡されたことが明らかとなった。絞首刑になる可能性が高まったため18日、アメリカ政府が即刻釈放をイラン政府に対して求めた。

サイード牧師からの手紙によると、拘束されて以来、拷問されているもよう。拘束の理由は、キリストへの信仰である。最近イラン国内でイスラム以外を信仰する人々が増えてきたことによるものと思われる。
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アルジェリアで邦人ら拘束の背景と今後 2013.1.17

 2013-01-17
16日現地時間早朝5時、地中海に面する北アフリカのアルジェリアで、イギリスなどが運営するガス油田が、アルカイダ系のイスラム武装組織に襲撃された事件。

これまでにイギリス人1人、フランス人1人、アルジェリア人1人が死亡、外国人を含む20人(犯行側は41人と発表)が、同油田敷地内で人質となっている。

人質となっているのは日本人3人(この他に10人不明で調査中)の他、アメリカ人、ノルウェー人。アルカイダ系のテログループAQMI(イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ)の分派が犯行声明を出している。

現在、アルジェリア政府軍が敷地周辺を包囲。一時軍事介入も試みられたが、犯人らに撃退された。犯人らは、「もし軍事的に人質を解放しようとするなら、その場で殺害する」と警告している。これらイスラム主義勢力は、残酷になりうるため、非常に危険である。

<何が目的か?-北・西アフリカでイスラム武装勢力拡大深刻>

アルジェリアが位置する北および西アフリカ一帯は1990から2000年代にかけて、イスラム原理主義武装勢力の台頭が目立つ。アルジェリアでも、1990年代、政府と反政府イスラム武装勢力との闘争で15万人が死亡した経過がある。

イラクやシリアなど中東では活動しにくくなったイスラム武装勢力が、北・西アフリカへ拠点を移しているとの指摘もある。この地域では、外国人拉致事件やテロも多数発生するようになっていた。

今回の犯行グループAQMIの要求は、アルジェリアの南の隣国マリ共和国で、フランスが行っている反政府イスラム武装勢力への攻撃停止、及び、アルジェリア政府に拘束されているアルカイダ系の武装勢力1000人の解放などである。

<マリ共和国で何が起こっているか?>

政府が脆弱なマリ共和国では、特にイスラム武装勢力が活発になっている。すでに国の3分の2を武装勢力が制圧するまでの状況となった。このため、元宗主国だったフランスが、今月11日、単独で軍事介入。

13日にはフランスの空爆で100人以上が死亡し、AQMIが報復を宣言していた。フランス軍はマリで16日から地上戦に入ったところである。

<アルカイダ勢力の一致?>

今回、AQMIが国際的な要求していることからみても、北・西アフリカのイスラム武装勢力が、アルカイダの元に結集を始めたのではないかと懸念されている。

こうした武装勢力は、「アラブの春」でリビアのカダフィ政権が崩壊した内乱に参戦しており、この時にリビアから最新式の危険な武器をそれぞれ持ち帰ったといわれている。
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十数年ぶり冬の大嵐到来 2013.1.9

 2013-01-09
イスラエルでは6日から十数年ぶりといわれる冬の大嵐が上陸。これまでに、強風(80K/h)と大雨による洪水で全国的に甚大な被害をもたらしている。死者は3名。

洪水で車の中で立ち往生になった人々は、空軍のヘリコプターや、ゴムボートが出て救出している。ハイファ近郊ではビルの屋上にいた15人を救出。ベト・シャン南部では、ヨルダン川から噴出した水で車ごと流された3人が救出された。

イスラエル中央では、通常は乾いているアヤロン川が氾濫し、テルアビブとエルサレムを結ぶ中央幹線道路が冠水。数時間閉鎖になった。死海、エンゲディを結ぶ90号線も洪水で一時閉鎖した。ショッピングセンターでは、洪水で一階部分が全部浸水したところもある。

4日めの今日は、強い寒気で北のヘルモン山で大雪になったのをはじめ、ガリラヤ、ハイファ、エルサレム、西岸地区各地でも雪が降っている。

<イスラエル軍とパレスチナ警察が協力>

この嵐は、イスラエルだけでなく、西岸地区やガザ地区にも及んでおり、西岸地区でも洪水にまきこまれたパレスチナ人の女性が2名死亡した。

イスラエル軍はパレスチナ警察に救出のための機材を提供するなどして双方が協力活動を行い、これまでに洪水で立ち往生になっていたバスの乗客30名を救出している。

ガザ地区でもこの嵐で20本以上の木が倒れ、多くの家庭が停電。ガザでも被害にあった数十人を救出したもよう。
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イスラエル軍は怖くない!? 2013.1.4

 2013-01-04
最近、西岸地区でパレスチナ人とイスラエル軍との衝突が増えてきている。

これは、昨年11月、イスラエルがガザで地上戦を行わないで、ハマスとの停戦に合意、また12月には、投石を受けたイスラエル軍兵士らが背を向けて逃げる姿がネットで流されたことも追い風となって、若いパレスチナ人の間で、「イスラエル軍は怖くない。勝てる。」的な感情が高まっていることが原因と言われている。

この風潮に乗って、第三インティファーダ(投石民衆蜂起から自爆テロ)へと発展することが懸念されるため、イスラエル軍は現在、積極的にA地域(パレスチナ自治政府直轄地でイスラエル人は通常立ち入り禁止)に入って、指導者らの摘発逮捕を行っている。

しかし、国際社会からの批判や、法的なしばりが足かせとなり、逆に兵士たちが武器を使用しないまま退却するというケースが増えて、さらにパレスチナ人のイスラエル軍への恐れを低下させる繰り返しとなっている。

<ジェニンで衝突>

1日、ジェニン近郊の村で、野菜売りに変装してイスラム聖戦のグループを逮捕しようとしたイスラエル軍の試みがばれて、パレスチナ人が暴徒化し、イスラエル軍と衝突。双方に負傷者が出た。

さらに3日、ジェニンで再びイスラエル軍がパレスチナ人らの投石にあい、目的の人物を逮捕できないまま、別の人物を逮捕して退却したとの報道がなされた。(後にイスラエル軍はこれを否定)

この時、走り去るイスラエル軍の車両3台のうち1台に、4人のパレスチナ人の若者がよじ登っているところがネットで流された。こうした行為は、これまでになかったことで、パレスチナ人の間で、イスラエル軍に対する恐れが低下していることを現している。http://youtu.be/n-dbyaGn0Dw

退却についてイスラエル軍は、「車両は防弾されている。投石で中の兵士が傷つくことはない。車両を停止して反撃すれば、パレスチナ人が死亡し、地域全体が混乱に陥る。かっこうは悪いが、そうなるよりはましだと判断した。」と説明している。今後、実弾の武器で身を固めるイスラエル軍が、投石のデモ隊にどう対処していくのかが課題となっている。

<自発的行為>

西岸地区のビルゼイト大学カチーブ教授(第一インティファーダを経験)によると、こうしたパレスチナの若者たちの行為は、特定のテロ組織に指示されたものではなく、自発的なものと分析されている。将来への希望が見えず、自治政府経済の悪化で失業率が高まっていることが原因とされる。
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イスラエル総選挙アップデート-右よりに向かっているイスラエル政府 2013.1.4

 2013-01-04
イスラエルでは22日に、国会の総選挙が行われる。議席は120議席。現在、毎日のように、獲得議席数の予測がなされている。

今回の選挙では、ネタニヤフ首相のリクードとイスラエル・ベイテイヌ(イスラエル我が家)の合併党が政権を取ることは間違いない。しかし、選挙日が近づくにつれて、この合併党の予想獲得議席数が、確実に低下している。

かわりに伸びているのが、「ユダヤ人の家」党。これは宗教シオニストの党で、エルサレムはもちろん、西岸地区も全部、神がユダヤ人に与えたものだとの理念を基本姿勢にしており、二国家二民族として土地を分け合う意思はない。

時期政権の右派色が濃くなるにつれて、左派政党や、最大野党の労働党をはじめ、歩み寄りをみせていた「未来がある党」や「ツィッピー・リブニ党」なども、連立には加わらないとの意思表示をしはじめている。

ネタニヤフ首相は、ユダヤ教政党や右派政党だけでなく、極右などとも連立を組まなければならなくなると予測されている。つまり、イスラエルはますます右派となり、和平の希望はさらに遠のきつつあるということである。
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アメリカ財政の壁・回避へ 2013.1.1

 2013-01-01
1月1日にアメリカで減税政策の期限切れによる減税失効と、国家債務(国の借金)が法律で定められた上限に達したために、歳出の強制削減に突入し、景気が失速すると懸念されていた「財政の壁」。

期限ぎりぎりの31日になって、上院において、民主・共和両党が、オバマ政権の対策案への合意に達し、回避されるみこみとなった。合意したのは、年収45万ドル以下の世帯に関しては減税を延長すること、歳出の強制削減を2ヶ月延長するという点。年越しとなった下院での協議も合意に至る見通しだ。

しかしお金がないことには変わりはないので、高所得者は増税となる他、この2ヶ月の間に予算案の徹底見直しがなされることになる。
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100才でイスラエルへ移住-2012年移民事情 2013.1.1

 2013-01-01
2012年、これまでの最年長、100才でイスラエルへ移住した人がいた。元はポーランド生まれで18才でブラジルに移住したモシェ・レダーマンさんだ。3人の子供たちと6人の孫、6人のひ孫は皆すべて先にイスラエルへ移住していた。

モシェさんはイスラエルでも元気。イスラエルで守られている安息日が特に気に入っているとのこと。

<2012年新移民事情>

2012年、イスラエルへ移民したユダヤ人は、昨年とほぼ同数の約18000人。出身国は3451人(20%)がロシア、2952人(17%)がアメリカ、2952人(17%)はエチオピア、2030人(14%)がウクライナ、1853人がフランス、となっている。

新移民のうち5274人が19才以下の子供たち。4890人は20才代だった。移民者の半数以上が若者だったことになる。さらに昨年末、マナセ族の末裔とされるインド系ユダヤ人750人も到着している。
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2013 良いニュースでスタート 2013.1.1

 2013-01-01
<天然ガスの掘削始まる>

2010年にイスラエル(ハイファから130キロ沖)で発見された含有量世界一と推測されるタマール天然ガス油田。12月30日、掘削のための拠点がアシュケロン沖に完成した。ガスは海底深くにあるが、作業がスムースにすすめば、4月には天然ガスを採取できるみこみ。

もし成功すればイスラエルはエネルギー自給国となり、もはやアラブ諸国の原油に頼る必要がなくなる。そればかりか、天然ガスを販売することも可能となり、その収入は年間30億ドルと予測されている。この新事業で新しい雇用も期待できる。

タマール油田は2010年に発見されて以来、所有権をめぐって、隣国レバノンと争った経過がある。現在、油田はイスラエル海軍が厳重に警護している。

*イスラエルは食料自給率100%。エネルギーむ自給率100%となれば、将来、世界の大艱難時代に避けどころになる可能性も。

<世界で唯一!?失業率が下降>

イスラエルの失業率は2012年末で6.7%と昨年よりも下降。昨年だけで35万の新しい雇用を実現していた。ネタニヤフ首相はステイニッツ経済相、フィッシャー・イスラエル銀行総裁に感謝を述べた。
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