和平交渉:次回は2週間後 2013.7.31

 2013-07-31
29日、イスラエルのリブニ法相とモルホ氏、パレスチナからはエレカット氏がワシントンに到着。ケリー国務長官がホストとなり、共に夕食の時を持った。

翌30日、かつて駐イスラエル米大使を務めたインディク氏がアメリカ代表として同席し、リブニ氏、エレカット氏が約2時間、会談した。その後、ケリー国務長官が最後の1時間加わって、総まとめを行い、3者そろっての記者会見が行われた。

合意したのは、今後9ヶ月を期限として、国境線、エルサレム問題、パレスチナ人の帰還など、すべての重要項目を、話し合うという点である。次回の会議は、パレスチナ自治区かイスラエル領内で、2週間以内に行う。

記者会見において、エレカット氏は、「パレスチナ人は十分苦しんだ」といい、リブニ法相は、「ここに来るのにネタニヤフ首相がどれほど勇気ある決断をしたか。悲観的な意見が優勢だが、次世代のために紛争を終わらせなければならない。」と語った。

ケリー国務長官は、「妥協」について新しい概念を持たなければならないと語った。「妥協」はマイナスのイメージだが、双方にとって益になることだと考えなければならないと語った。イスラエルの治安の必要は認め、それはパレスチナにとっても益になると語った。

しかし、どう考えても答えが出そうにない問題ばかりである。これまでは、何度話し合ってもテロや、イスラエルの西岸地区での建築問題が障害となり、話し合いはいつも頓挫していた。とりあえず9ヶ月は、何が何でも話し合いを続けるというところが今までとは違う点である。

なお、報道やテロからの妨害を避けるため、話し合いの内容を発表するのはケリー国務長官に限られる。イスラエル、パレスチナ当事者からの情報は出さないことになっている。
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困惑する西岸地区現地の人々 2013.7.31

 2013-07-31
昨日、西岸地区最大のユダヤ人入植地、アリエルを訪問した。アリエルには、バルカン産業パークが併設されており、140の工場で、約6000人の従業員が働いている。その約半数の3000人は近隣から働きに来るパレスチナ人である。

工場では、ユダヤ人とパレスチナ人が一緒に働いている。工場の外へ出るとパレスチナ人の男性2人が休憩していたので、ここで働くのはどうかと聞くと、「黄金のようだ!(すばらしい)」と首をふりながら言った。

彼が嘘で言っているのではないということは明らかだった。その男性は工場に就職して4年目になるそうだが、10~15年目の人もいる。

調査によると、入植地の工場で働くとパレスチナ側で働くより1.5から2倍の給料がもらえる。それに休暇や福利厚生など、イスラエルの法律で定められた労働者への保護も完備されている。

男性と話した時もまだ昼休憩ではなく、中間の休憩だったが、その時間は30分だという。日本のスーパーの休憩は確か15分・・・。

パレスチナ人にとっては、どう考えてもこちらで働く方が有利なのは確かである。「とにかくなんでもいいから、このまま平和に暮らしたい。」それが彼らの本心なのだ。

和平交渉やEUのボイコットについてきくと、「よくわからない。あまり考えたくない。」という返答だった。

ユダヤ人入植地を西岸地区から追い出して二国家に分けること、西岸地区の産物をボイコットすること、そのツケは実はパレスチナ人も大きく支払うことになるということを、世界はあまり気づいていない。

また、前にバルカンを訪問したときにも感じたことだが、この工場にいるパレスチナ人からは、通常イスラム地区などで感じるような、とげとげした緊張感、挑戦的な空気を感じないということをお知らせしたい。

威厳を持って生活の糧を得、家族と落ち着いた生活ができる、その人間らしい幸せこそが、平和への道筋ではないかと思わざると得なかった。そういう視点でいえば、今世界がやろうとしていることは、逆方向なのかもしれない。

<政治ではなく、ビジネスで平和を>

IPCC(The Israeli-Palestinian Chamber of Ccommerce and Industry)というイスラエルのNGO団体がある。IPCCは、イスラエルの会社とパレスチナの会社をつなぐという働きをしている。まずは両方に利益があがること、それによって両者が互いを知り、関係が改善することを目標とする。

代表のダビッド・シムハ氏によると、最近では、中国や東南アジアでの人件費がさほど安くなくなっている。それならば西岸地区に工場を建てて、パレスチナ人を雇用する方が、材料を遠くへ送るだけの費用も抑えられるし、パレスチナ人の雇用を生み出せると訴えていた。

実際、西岸地区への工場進出を希望するイスラエルの会社が増えているという。イスラエルの会社から、パレスチナ人の会社へのアウトソーシングも増えてきている。IPCCでは、パレスチナ人のIT関連のスタートアップも支援しているという。

シムハ氏は「これは平和が来たときの準備だ。両国に平和が成立したら、隣どおし、ビジネスのベスト・パートナーになるはずだ」とあつく語っていた。

<政治と現場のギャップ>

今回私が会った人々は、西岸地区のほんの一部だが、ここではユダヤ人もパレスチナ人も、政治的に2国家に分けるということを希望と考えている人はなさそうだった。

政治さえなければ、現地ではそれなりに共存している一面も確あるからである。とはいえ、政治を無視するわけにはいかないので、人々の顔は”困った”顔なのである。

西岸地区ユダヤ人入植地代表のダニー・ダヤン氏は、次のように語った。「地元では、地元人どうしでなんとか仲良くやっていこうと努力している。

たとえば、検問所の環境や条件を交渉するなど、もっと日常生活の具体的な点を交渉することから始めるべきだ。そうした交渉なら、結果を出せる。

こうした小さな具体的な交渉を20年続けて信頼関係を築いた後なら、国境線や、エルサレム問題に入れば、結果もだせるだろう。ケリー国務長官は、いきなり国境線、エルサレム問題といっているが、それは間違った選択だ。」

・・・が、それでも和平交渉は始まってしまった。次の9ヶ月、テロや過激派の活動から守られ、なんらかのポジティブな結果が出るように願うばかりである。
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今日、和平交渉再開へ 2013.7.29

 2013-07-29
<囚人釈放を可決>

パレスチナ人の囚人104人の解放について、イスラエルの内閣は、昨日夕刻になり、賛成13,反対7,危険2で、釈放を可決した。

ただし、釈放は、むこう9ヶ月かけて徐々にということである。またイスラエル国籍アラブ人の囚人については別枠でまた話し合うという条件つきである。

しかし、これを受けてパレスチナ自治政府も、和平交渉再開にむけてワシントンへ代表団を派遣することになった。アメリカは、第一回交渉は、29日夜から30日にかけて行われると発表した。

<期待薄・・和平交渉再開>

ワシントンでの交渉には、イスラエルからは、ツィッピー・リブニ代表と、ネタニヤフ首相側近のイツハク・モルホ氏の二人が代表団を務める。リブニ氏とネタニヤフ首相がまったくの一枚岩ではないため、モルホ氏はいわば監視役というところ。

パレスチナ側からは予定どおり、サエブ・バルカット氏が代表を務める。交渉にはアメリカの代表が同席する。

話し合いの骨子としては、1967年ラインを軸として、もう動かし得ないイスラエル入植地の分だけ、別の土地をパレスチナ側に委譲するという土地交換を行い、国境線を決める。しかし、ここにはエルサレム分割という問題があり、解決するみこみはほとんどない。

また治安問題から、パレスチナ自治政府のハマスとの関連も障害になる。交渉を開始したとて、イスラエル人もパレスチナ人にもほとんど期待感はない・・というのが現状である。
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テロリスト104人釈放なるか:ネタニヤフ首相の苦悩 2013.7.28

 2013-07-28
先週、イスラエルとパレスチナとの和平交渉再開にむけて双方が合意したとケリー国務長官は発表したが、それは双方無条件ではなかった。

イスラエルがパレスチナ人の囚人を釈放するかわりに、西岸地区でのユダヤ人家屋建築を停止しないという、取引があったもようである。

パレスチナのアッバス議長は、今、イスラエルが104人のアラブ人テロリストを実際に釈放した場合のみ、ワシントンでの第一回交渉に向かうと言っている。つまり、実際に和平交渉が再開するかどうかは、今イスラエルがこの条件をのむかどうかにかかっているということである。

ネタニヤフ首相は昨夜、釈放される予定とされる104人の名簿を発表。今朝の閣議で賛否を問う投票に賛成票を投じるよう、閣僚たちへの説得を続けた。

しかし、「テロリストは釈放ではなく殺すべきだ。」とまでいうナフタリ・ベネット経済担当相など少なくとも閣僚二人は、すでに確実に反対票を投じると明言している。閣僚だけでなく、ネタニヤフ首相自身のリクード党内でも意見が紛糾しており、意見がまとまらない状況が続いている。

午前中に予定されていた閣内投票は、午後になった今もまだ延期されたままである。

<ネタニヤフ首相から国民への手紙>

釈放される予定の104人は、皆1993年のオスロ合意以前にイスラエル人を殺傷したテロリストたちである。すでに20年以上、イスラエルの刑務所に服役している極悪犯ばかりで、終身刑の者も多い。

これらのテロリストらを釈放することは、イスラエル人にとっては、怒り、痛み以外の何者でもない。

すでに20年も服役したとはいえ、当時未成年で捕まった者もおり、まだ40才代に満たない者もいる。彼らがテロ活動に戻ることを止めるものはなにもない。

また特にツケを払うのは、これらの者に殺された犠牲者の家族である。家族たちにとって、犯人が刑期を終えないで釈放されることは耐え難い痛みである。家族たちは、今朝から首相府の前に集まって、犠牲者の写真を掲げ、テロリストを釈放しないよう、閣僚たちに訴えている。

それでもなお、この条件をのんで、和平交渉を再開し、外交による最後の解決案をやってみることがイスラエルの国益になるとネタニヤフ首相は、考えている。

もしうまくいけば、パレスチナとの正式離婚となり、もしうまくいかなかった場合でも、いよいよ外向的解決の可能性がななった、パレスチナ人には平和共存の意志がないということを、国際社会納得するしかなくなるというのだ。

ネタニヤフ首相は、昨夜、全国民に対して手紙を書いた。「テロリストの釈放に正義はない。これほどの不条理はない。しかし、国の指導者は時に、たとえ世論に反するときでも、国益にかなう決断をしなければならない。

シャリート兵士奪還の時も、昨年、ガザ地上戦を直前になってとりやめた時もそうだった。今回の措置がイスラエルに国益になると信じている。

しかし、この痛みを乗り越えて和平交渉が再開され、西岸地区から少しでも撤退するという事態になれば、国民投票を行うことを約束する。それは、国民全員が担うべき決断であり、一握りの閣僚で決めるものではないからだ。」

この国民投票については、テロリストの釈放を決める前に、今日、閣議で了承された。

<賛成を得るための妥協>

当初は、パレスチナ自治区在住で逮捕されたテロリスト82人の約束だったが、パレスチナはさらに、イスラエル国籍アラブ人(東エルサレム住民を含む)のテロリスト24人も加えて104人の釈放を要求している。

釈放したテロリストが西岸地区へ行くならまだましだが、イスラエル国籍のアラブ人テロリストを釈放するということは、イスラエル国内に犯罪者を解き放つことになってしまう。

閣僚たちの意見をまとめるため。今朝になりネタニヤフ首相は、イスラエル国籍アラブ人に関しては、別投票にするとして、まずはパレスチナ人テロリストに関する釈放だけに絞ったと伝えられている。

ネタニヤフ首相、正念場の決断をせまられている。今夜、ネタニヤフ首相、イスラエルの内閣を覚えてとりなしていただきたい。
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エジプトで100人以上死亡 2013.7.27

 2013-07-27
昨日、ムルシ大統領がハマスとの関連でエジプト軍に逮捕されて後、ムルシ大統領支持のムスリム同胞団支持派と、エジプト軍支持の世俗派が、どちらも超大群衆となって、カイロ市内を埋めつくしている。

懸念されたとおり、昨夜から今日にかけて、両者の間で暴力的な衝突が発生。エジプト軍が、座り込みデモをしている親ムルシ派に対し、実弾を使用したため、少なくとも100人は死亡。負傷者も1500人を超え、カイロ市内の病院はてんてこまいである。

ただし、死者の数については、ムスリム同胞団、アルジャジーラは220人と主張。エジプト軍は38人と言っている。上記の”100人以上”はBBCがカイロ市内の病院の医師から聞いた数である。

ムスリム同胞団は、内戦になると警告しており、エジプト情勢が厳しい状況になりつつある。なお、イスラエルに隣接するシナイ半島からの報告は今のところない。
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イスラエルとEUの関係に陰・・ 2013.27.7

 2013-07-27
先週、EUが、イスラエル政府から再検討の要請があったにもかかわらず、入植地との関係を絶つボイコットの具体計画を公表したことに対し、イスラエルが対抗処置をはじめている。

25日、ヤアロン国防相が、EU関係者のガザ地区ならびに西岸地区(Cのユダヤ人地区)への通行を拒否するようイスラエル軍に指示。これにより、EU関係者数人が、ガザ、西岸地区に入れず、足止めとなっている。

ただし、これはEUに直接関わる者のみで、EU”加盟国”からの担当者には通行を許可しているという。

この対抗処置について、イスラエルからEUへの正式な説明はないということで、EU外交担当アシュトン氏は、懸念を表明している。
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ムルシ元大統領、ガザのハマスと共謀で逮捕 2013.7.26

 2013-07-26
エジプトの政変で、7月3日からエジプト軍に身柄を拘束されているムルシ元大統領。拘束の理由がないとの批判を避けるためか、エジプト軍は大統領の罪状を捜査していた。

今日、エジプト軍は、ムルシ氏が、まだカイロの刑務所にいた2011年、ガザのハマスと共謀して刑務所を襲撃させ、自身とハマスの囚人多数を武力解放した疑いで、15日間の事情聴取と称して逮捕した。

エジプト軍のシジ総司令官は、本日金曜日、イスラムの礼拝後、大きなデモを行い、ムルシ大統領とムスリム同胞団をさらに追いつめるよう指示をだした。

一方、親ムルシ派も今夜、同じカイロで対抗デモを行うことになっており、26日午後、群衆が再びタハリル広場に集まり始めている。

エジプト軍は、対抗デモ勢力に対し、暴力が発生した場合は暴力で押さえ込むと警告しており、今夜、暴力的な衝突になるのではないかと懸念されている。

さらにシナイ半島でも、今夜、イスラム主義勢力がエジプト軍を攻撃するとの警告があり、警戒態勢となっている。イスラエルは、シナイ半島の情勢に目を光らせているようである。

<ハマス窮地?>

ハマスはムスリム同胞団から生まれたパレスチナ・テロ組織である。エジプト軍は、ハマスの地下密輸トンネルの大部分を破壊した。そのため、エジプトからガザへ物資が入らなくなっている。

さらに、ガザ地区の地下水が汚染されており、数年後には人間が住める場所ではなくなる可能性もあるという。ガザ地区のハマスが追いつめられ、エジプト軍に戦いを挑む可能性は十分ありうる。
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和平交渉再開、その後 2013.7.26

 2013-07-26
イスラエルとパレスチナのワシントンでの和平交渉だが、イスラエルからは、来週火曜、30日にワシントンで第一回の会議を行うとの発表があった。しかし、パレスチナ側は、まだワシントンに行くとは決めていないと言っている。

ネタニヤフ首相は、パレスチナ人の囚人82人の釈放についての法案を通す(つまりは賛成する)かどうかを日曜日の閣議で投票し、決めると発表している。

パレスチナ側は、その結果をみて、実際にイスラエルが囚人を釈放することが明らかになれば、ワシントンでの交渉に向かうと言っている。

ニュースによれば、囚人の家族が涙ながらに釈放を訴えており、まるで釈放をしぶるイスラエルが悪者のように見える。しかし、これらの囚人は、皆イスラエル人を殺傷した者たちである。

いわば、東京でサリン事件をおこしたオウムの犯人を、悔い改めがないまま、釈放するのと同じであることを知っておくべきである。

<イスラエル国内でテロか犯罪かの事件相次ぐ>

昨日は、エルサレム市内で、イスラエル人が、公園のトイレなどでナイフに刺される事件が2件あった。犯人はまだ捕まっていない。

また、ダマスカス門周辺で、イスラエルのバスにアラブ人が投石する事件が2回あり、イスラエル人が計15人負傷した。また、路上で車が突然爆発炎上し、中にいた2人が死亡した。犯罪かテロかはまだ不明である。

不穏な事件が相次いでいるが、イスラエル人らは、「こういうことには慣れている」と、ほとんど気にしていないようである。
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日本の岸田外務大臣来る 2013.7.25

 2013-07-25
24日、日本の岸田文雄外務大臣が、エリコでの4者(イスラエル、パレスチナ、ヨルダン、日本)協議閣僚級会合出席にあわせて、パレスチナ自治政府と、イスラエルを訪問した。

ラマラでは、アッバス議長に面会。和平交渉再開への動きを歓迎すると表明し、パレスチナ自治政府に8億円の支援を約束した。アッバス議長は、昨年、日本が国連でパレスチナを国として支持すると表明したことに深い感謝を述べた。

その後、イスラエルでペレス大統領に面会し、ヤドバシェムを表敬訪問して献花の後、ネタニヤフ首相にも面会した。エルサレムへの歓迎を述べるネタニヤフ首相に、岸田外相は、いつかはイスラエルへ行きたいと思っていたと伝えた。

ペレス大統領、ネタニヤフ首相は、日本政府が先導して行っているヨルダン渓谷の”平和と繁栄の回廊”農産業パークのプロジェクトを高く評価し、感謝を述べた。   

岸田外相は、東北大震災の時に、イスラエルが医療団を派遣してくれたことに感謝を述べ、医療団が、南三陸の人々の心を温めたこと、また両国の友好関係がさらに深まったと述べた。

日本は1952年にイスラエルを国として認め、それ以後、イスラエルとの国交を良好に保っている。昨年国交60周年を迎えた。両国は今後も科学技術などの協力など対話関係強化することで一致した。

岸田外相がネタニヤフ首相の訪日を招請したのに対し、ネタニヤフ首相は、安倍総理にもイスラエルを訪問してほしいと述べた。(安倍総理は、アラブ諸国へは商談目的で訪問しているが、イスラエルには来ていない。)

<日本政府が行っている平和と繁栄の回廊プロジェクト>

Corridor of Peace project(平和と繁栄の回廊プロジェクト)とは、エリコを中心とするヨルダン渓谷に農業のための産業パークを創設し、そこからとれた産物をヨルダンへ移送、湾岸アラブ諸国へ輸出するという計画である。

パレスチナ人がイスラエルを経由せず、直接輸出入ができるようになり、独自の産業としての発展が期待できる。    2005年に当時の麻生太郎外相が提唱。イスラエル、パレスチナ、ヨルダンを説得し、2007年に4者協議が発足、プロジェクトが始まった。

このプロジェクトは、イスラエルとパレスチナ自治政府、ヨルダンと日本の4国が協力して推進しており、パレスチナ人の経済改善だけでなく、地域関係国の友好関係推進を目的としている。

日本はスポンサーとして、農産業パークの灌漑施設や道路整備などの建設を行い、イスラエルはパレスチナ自治政府に農業技術の指導を行っている。ヨルダンには、産物の搬入・搬出の拠点を建設する。

このプロジェクトは来年から始動するとの情報もあるが、本日行われるパレスチナ、イスラエル、ヨルダン、日本からなる4者協議で明らかになると思われる。
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イスラエルのチーフ・ラビ決まる 2013.7.25

 2013-07-25
イスラエルには、ユダヤ教のチーフ・ラビが二人いる。アシュケナジ(ヨーロッパ系)と、スファラディ(東方系)それぞれに選出され、任期は10年である。

昨日、150人のラビからなる委員会とエルサレムの市長など政府指導者などが選挙を行い、6人の候補者からラビ・ダビッド・ラウ(アシケナジ・53才)と、ラビ・イツハク・ヨセフ(スファラディ・61才)が選ばれた。

ラビ・ダビッド・ラウは、前アシュケナジ・チーフラビのラビ・イスラエル・ラウの息子、ラビ・イツハク・ヨセフは、前スファラディ・チーフラビ・オバディア・ヨセフの息子と、それぞれ2世が後を次いだ形となった。

今のイスラエルの社会情勢からみて、宗教シオニスト(率先して従軍するユダヤ教徒のグループ)のラビがふさわしいのではないかともいわれたが、最終的に選出された二人はどちらも超正統派で、これまでの伝統を守ったことになる。
超正統派の従軍をめぐっては、すったもんだがまだ続いている。
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エルサレムでまた殺人未遂 2013.7.25

 2013-07-25
数日前にクラル・ビルディングで2人が射殺されたが、昨日ベル・パークで男性(40)がナイフ刺され、重体となっている。反抗は犯罪によるものか、テロか、捜査が続けられている。

こうした事件が続いているが、エルサレム市内はいたって平和、何もかわらず、だれも気にもとめていない、いつものエルサレムである。
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北米より子供106人移住 2013.7.23

 2013-07-24
今朝早朝、北米から、10才以下の子供たち106人(41家族)を含む231人が、新移民としてベングリオン空港に到着した。今回はグループの50%が10才以下の子供だったため、記録すべき移住団となった。

新移民者らは、北米からの移住を促進するユダヤ人団体ネフェシュ・ベ・ネフェシュ(以後NBN略す)とイスラエル首相府、ユダヤ機関などが共同で行っている移住プログラムでやってきた人々である。

NBNは、北米からの移住者のために様々な手続きの他、イスラエルでの新住居、仕事、子供の学校から、アメリカの住居売却まで、至れり尽くせりで手伝っている。

イスラエルに来るときには、NBNがチャーターしたジャンボジェット機で、大量の荷物とともにやってくる。さらに空港から移住第一泊目の落ち着き先まで、いかに遠かろうが、個人タクシーでの送迎付き。ここまですべてNBNが無料でやってくれる。

NBNによると、小さな子供連れの移民は毎年増えているという。昨年移住した子供の数は計822人。今年は計989人の子供たちが到着することになっている。

<空港の移住現場>

飛行機はニューヨークから夜を徹して飛んできた。106人の子供たち・・。機内はどんなにやかましかったことか。

移民者たちを乗せた飛行機は、国際線の隣にある旧国際線空港(今は国内便専用)に着陸。タラップで降り、移住第一歩となるイスラエルの土を踏む。その後バスで空港建物までやってくる。

多くの兵士や若者たち、親族が興奮して大歓迎する中、移住者たちがバスから降りてきた。大人は満開の笑顔だったが、子供たちは疲れたのか、多くは半寝の表情だった。

今回移住最年少は、今日2ヶ月の誕生日を迎えた赤ちゃん、最年長は78才だった。写真の兵士は、今回待ちに待った両親が移住。家族づれに混じって犬連れで来た人も。

移住者に混じって、今回はハマスに捕虜となって釈放されたギラッド・シャリート兵士がアメリカから同行していた。シャリートさんは、北米での移住キャンペーンに協力している。釈放されたときとは比べ物にならない元気な表情だった。

歓迎式典では、お偉いさん方の挨拶の後、昨年アメリカから移住したという男性が、イスラエルで出会ったガールフレンドに、移住者全員の前でプロポーズ。女性の方は涙でOKのお返事。

お疲れの移住者だったが、式典後は2階でイスラエル市民のIDを受け取ったあと、山積みになった荷物を押してそれぞれの目的地へと向かっていった。それぞれの祝福をただただ祈りつつ見送った。

<イスラエルには祝福の北米系移民>

NBNはここ10年の間にチャーター機を50回飛ばし、北米から計35000人を移住させた。

北米からの移民は若い知識階層が多い。イスラエルが自分の国だと確信をもって、家族連れで来るので、少々苦しいことがあっても帰らない。NBNで移住した人の97%は定着している。

かつての旧ソ連やエチオピアからの移住者と違って、ある程度の財産を準備してから来るので、さしせまった社会支援の必要がない。また先にイスラエルへ移住している家族親族をもつ人がほとんどなので、移住センターを準備する必要もない。

NBNで来た移民者の中からこれまでに680組が結婚し、移住後に生まれた赤ちゃんは4200人。つまり、イスラエルの人口を4万人ばかり増やしたということである。

移住後すぐに従軍した兵士は4000人。医師・心理学者は415人。科学者医療技術者650人。教育者420人。地方に開拓に向かった人は3000人。

今回も、エルサレムやテルアビブなどの都市圏ではなく、北部、南部(ネゲブ)での開拓を目ざし、あえて田舎へ移住するという。イスラエルには相当祝福となっている人々である。

<ユダヤ人とその背後におられる主に脱帽・・>

イスラエルでは、ユダヤ人の出生率よりアラブ人の出生率のほうがかなり高い。そのため、民主国家イスラエルをユダヤ人の国とするためには、より多くの移住者が必要になる。

ユダヤ機関は「バースライト」というプログラムでティーンエイジャーをイスラエル10日間の旅に招待し、そこでユダヤ人の国で自分のアイデンティティを見つけてもらうという取り組みを行っている。

今回、このバースライトでイスラエルが自分の国だと確信して移住したという27才の元気な女性に出会った。両親はアメリカだが、叔父叔母がイスラエルにいるという。これからもバースライトで働き、多くの若者にイスラエルに移住してほしいと元気に話してくれた。

これほどの移住プログラムは、相当な組織力も費用もかかる。世界のユダヤ人は団結し、着々と人数を増やしている。この団結と段取り・・・この人々を超える民族はどこにもいないのではないか・・。

それはユダヤ人が優れているからではない。歴史を超えて働かれる主がそれを行っておられる。たくさんの子供をつれて移住してくる人々を見ながら、やはりこの人々の逆らってはならない・・と、改めて実感した一日となった。
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エルサレムのクラル・ビルディングで2人射殺 2013.23

 2013-07-24
今朝、エルサレム中心のクラル・ビルディング3Fの法律事務所で弁護士の男性(55)とその娘(26)が、射殺される事件があった。犯人は治安員らに取り押さえられ、警察に連行された。

動機はまだ明らかではないが、”経済的なこと”と伝えられている。

クラル・ビルディングは、キング・オブ・キングスという教会が入っており(地階)、多くの福音系クリスチャンの旅行者が礼拝に訪れるビルである。
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直接和平交渉再開へ 2013.7.20

 2013-07-20
ケリー米国務長官、6回目の挑戦で、ついにイスラエルとパレスチナの直接和平交渉が、再開されることになった。2010年に決裂して以来、3年ぶりとなる。

<経過>

18日、ヨルダンでケリー国務長官と会談したアッバス議長は、この時点ではイスラエルとの直接和平交渉に応じる様子だった。しかし、ラマラに帰ってPLO幹部らと夜を徹して議論した結果、合意を得ることができなかったた。

そのため、アッバス議長は19日朝、エレカット氏をヨルダンに派遣、ケリー氏に改めてNOの答えを出した。

ところがケリー国務長官はあきらめず、帰国を延期して19日午後、ラマラへ乗り込んでアッバス議長と再度会談。ネタニヤフ首相とは、電話で話し合い、なんとか交渉再開へと合意に持ち込んだのである。

この間、オバマ大統領もネタニヤフ首相に電話して、和平交渉再開への圧力がかけられた報じられている。

<交渉再開の条件>

ケリー国務長官によると、交渉再開の条件についてはまだ最終的な段階ではないという。またイスラエルはあくまでも無条件で交渉を再開するというスタンスを崩していない。

しかし、パレスチナ側によると、ケリー国務長官は、①イスラエルは重罪者を含むパレスチナ人テロリスト350人の釈放すること、②1967年以前の国境線を基準にした国境の策定が話し合われることになると約束したもようである

*1967年以前とは、つまり六日戦争以前を意味するため、東エルサレム(旧市街、オリーブ山含む)、西岸地区、ゴラン高原がイスラエルの領地ではなくなるということを意味する。

<どのように交渉が行われるのか>

直接和平交渉はアメリカのワシントンで、来週にも開始される。パレスチナ側からはPLOの交渉担当エレカット氏、イスラエル側からは和平交渉担当で法務相のツィッピー・リブニ氏が代表を務める。

アメリカの立ち会いのもと、9-12ヶ月かけて、国境線や入植地問題など、すべての項目が話し合われる。最終的にはネタニヤフ首相とアッバス議長の直接交渉となる。

<イスラエル側の反応>

交渉を担当するリブニ氏は、フェイスブックで、和平交渉再開を歓迎する意向を表明。交渉の場では、民主国家かつユダヤ人の国イスラエルの治安を守る責任があるとの決意を述べている。

強硬右派のユダヤの家党ベネット党首は、1967年以前が国境策定の基準になるなら、連立離脱を表明している。財政削減で話題の未来がある党ラピード党首は、前条件は受け入れるものではないとしながらも、和平交渉再開を歓迎。真の平和に向かう一歩だと語った。

最大野党で中道左派の労働党ヤキモビッチ党首も、和平交渉再開を歓迎。もしユダヤの家党が離脱しても労働党がネタニヤフ政権を支えるとまで言っている。
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1967年以前まで撤退せまるEUの入植地ボイコット 2013.7.20

 2013-07-20
ケリー国務長官の努力に協力するとして、17日にEUが可決した入植地・ボイコット。

ネタニヤフ首相、ペレス大統領が、具体案の発表は延期するよう懇願していたが、EUはこれを拒否。19日、正式に入植地ボイコットのガイドラインを発表した。実際の適応は来年1月からとなる。

それによると、EUは、1967年以前の国境線を超えた地域(東エルサレム、西岸地区、ゴラン高原)で行われているイスラエルの活動への支援をすべて停止する。また、EUがイスラエルと交わしている合意事項は、これらの地域には適応されないものとする。

これは、オバマ大統領が入植地での建設を凍結するよう圧力をかけた事とは比べ物にならにほどの大きな圧力である。
EUは、ケリー国務長官の和平交渉再開への努力に賛同し、それに協力する方針を明らかにするためだと述べた。

つまり、今、基本的にはアメリカ、ヨーロッパ、アラブ連盟諸国、また昨年パレスチナ国家に賛同した世界諸国のほとんど全部が、イスラエルが1967年ラインまで撤退すること、エルサレムが分割されることに賛成する流れになっているということである。
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シナイ半島荒れ模様:エイラットに迎撃ミサイル配置 2013.7.20

 2013-07-20
エジプトの政変により、シナイ半島、特に北部、ガザ地区との国境などでアルカイダや過激派とエジプト軍の衝突が頻繁になってきている。

そのためエジプト軍がシナイ半島を一掃する作戦を準備しているという。イスラエルにもロケット弾などが飛んでくる可能性があるため、エイラットに迎撃ミサイルが配置された。
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ケリー国務長官6回目のしあげ!?-今日が勝負か、イスラエル・パレスチナ問題 2013.7.19

 2013-07-19
ケリー国務長官が6回目ヨルダン入りして、アッバス議長に面会。今回も滞在を延期して、パレスチナとイスラエルとの和平交渉再開に挑戦している。

今回、ケリー氏は、2002年にアラブ同盟から提案されたアラブ同盟が出している和平案を持ち出し、パレスチナとイスラエルの問題を、パレスチナ+アラブ同盟とイスラエルの問題、という構図にしようとしている。

この提案は、おおざっぱに言えば、もしイスラエルが1967年以前の国境線まで撤退すれば、そこまでの領地をユダヤ人の国イスラエルと認めるというものである。

パレスチナにしてみれば、東エルサレムを首都とする念願の国家建設ということになり、イスラエルにとっても、パレスチナだけでなく22ものアラブ諸国が、イスラエルをユダヤ人の国としてその存在を認めるという悲願の達成となる。

しかし、その代価としてパレスチナはイスラエルをユダヤ人の国として認めなければならない。

イスラエルも1967年以前の国境線に戻るということは、東エルサレム(旧市街、オリーブ山を含む)、西岸地区、ゴラン高原からも撤退することを意味する。双方共、目的達成のために不可能をつきつけられた形だ。

今回は、ケリー国務長官との会談を終えたアッバス議長が、18日、自治政府幹部らとも検討した後返事をする。それを受けて明日、ヨルダンからの帰国前に、ケリー氏が今回の交渉結果として発表することになっている。

つまりボールはまずパレスチナ側に投げられたというわけである。もしパレスチナ側がこれを受け入れた場合、次にイスラエルにボールが来ることになり、今度はイスラエルが1967年以前まで撤退するかどうか返事することになる。

<どうするパレスチナ?>

18日、ラマラに帰ってきたアッバス議長は、PLO幹部らとケリー国務長官との話し合いの結果を報告し、イスラエルをユダヤ人の国として認めるかどうかの話し合いを行った。

ニュースによれば、話し合いは紛糾しているという。イスラエルをユダヤ人の国と認めれば、ハマスなど過激派グループとの溝は深まってしまう。またイスラエルをユダヤ人の国と認めれば、パレスチナ人がイスラエル側へ”帰還”することができなくなる。

かといって、今をのがせば将来、解決の道はもはやまったく見えなくなり、テロ、戦争という暗闇にすすんでいくだけである。話し合いの結果は、現時点ではまだ出ていないもようである。

<どうするイスラエル?>

1967年以前まで撤退するということを、そのままでイスラエルが認めるということはありえない。エルサレムの分割とだけでなく、35万もいる入植地の撤退は事実上不可能だからである。

認めるとすれば、移動不可能な入植地の分だけどこか別のイスラエル領をパレスチナに引き渡すという土地交換が前提となるが、エルサレムの分割だけはやはりどう考えてもイスラエルは認めないだろう。

実際、強硬右派のユダヤの家党のベネット党首は、すでに、もし政府が1967年以前の国境線を論議するなら、連立政権を離脱すると表明している。

一時、イスラエルが1967年以前への撤退に同意したというニュースが流れたが、ネタニヤフ首相はこれを否定し、「イスラエルの国境線策定に関してはだれの指図も受けない。和平は当事者どうしのみで決めるものだ。」と述べた。

<EUの後押し:入植地完全ボイコット決議>

こうしたドラマが展開される直前、EU(ヨーロッパ連合)は、その加盟国が、西岸地区のユダヤ人入植地(150カ所)といかなる関係をもつことも禁止するという決議を発表した。

これはビジネス上のボイコットだけでなく、アカデミックな分野や、様々な銀行業務、つまりはヨーロッパからの支援金なども停止することを意味する。

理由は、EUは、西岸地区の入植活動が国際法に反していると認め、入植地の存在こそがパレスチナ人国家建設の妨害であるとの認識を表明するためである。アメリカはEUの判断に反対しない方針である。

このEUの動きとともに昨年、国連においてパレスチナを国として認めるとの認識を表明した国は、日本を含む135カ国にのぼる。

もしパレスチナ側がケリー案を受け入れた場合、イスラエルへの国際社会からの圧迫が強まり、経済制裁が課されるなどの可能性も出てくる。イスラエルの立場は非常に苦しくなるだろう。

イスラエルにしてみれば、今、パレスチナ側がケリー氏の提案を拒否し、ボールを渡されないほうが好都合かも知れない。・・・が、このまま何の前進もないことはイスラエルにとっても益はなく、非常に難しい状況である。
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ケリー国務長官、シリア難民に面会 2013.7.19

 2013-07-19
ケリー国務長官は、ヨルダンを訪問中に、シリア難民代表5人と会談の時を持った。ヨルダンに逃れたシリア難民の数は約60万人。ヨルダン第4の町のサイズになってしまった。今も難民は流入し続けている。

難民たちは、「直ちに飛行禁止区域を設定してシリア軍が空爆できないようにしてほしい」と訴えた。またなぜ国際社会やアメリカは何もしないのかとの怒りをぶつけた。ケリー氏はシリアの悲惨さは心得ていると伝えた。

なお、アメリカは世界で最もシリア難民救済のためにお金を出している国である。
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第19回マカベア・オリンピック開会 2013.7.19

 2013-07-19
ユダヤ人たちは1932年から、マカベアと名付けられたユダヤ人だけのオリンピックを4年ごとに開催している。離散民族ならではというか、ユダヤ人だけでも世界中から選手が集まるため”オリンピック”になるのである。

*マカビーとは、紀元前167年、当時エルサレムで圧政を強いていたシリアを父と息子5人だけで追放したという奇跡のマカビー一家の名前である。

第19回目となるマカビーオリンピックの開会式は18日、エルサレムのテディスタディアムで行われた。参加国は過去最高の78カ国、選手は約9000人。競技は、陸上から水泳、テニスなど国際オリンピックに準ずる。選手の中には北京オリンピックで金メダルをとった選手など有名選手も多数含まれている。

ゲームは30日まで行われるが、この間、海外から来た同胞ユダヤ人選手たちに国内ツアーがふるまわれるなど、イスラエルは最大限の歓迎をする。予算は5500万ドル(55億円)でこのうち公費は3300万ドル(33億円)となっている。

18日開会式が行われたテディスタジアムは超満員の3万人。ペレス大統領、ネタニヤフ首相も参加し、「我々の永遠の首都エルサレムへようこそ!」と挨拶した。

この大きなイベントは、ユダヤ人の団結とディアスポラの選手の移住のきっかけをつくるというシオニズム的な目的で行われている。ユダヤ人はまだまだ世界に散っているということである。
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神殿崩壊記念日-アラブとユダヤどちらも断食 2013.7.17

 2013-07-17
今年も今日15日日没から16日日没まで、ユダヤ人の神殿崩壊記念日(ティシャ・ベアブ)だった。

第一、第二神殿と、神殿が2回も破壊されたことを悲しみ、ホロコーストにいたるまでユダヤ人に降りかかったすべての災難を思って断食し、神の前に悔い改めの祈りを捧げる。

この日は、15日夜中中、床に座って「哀歌」が独特のリズムをつけて読み上げられる。ティシャ・ベアブの間は、哀歌の他、ヨブ記、エレミヤ記など悲しい書物以外の聖書は読んではならないとされている。

嘆きの壁では、ティシャ・ベアブの始まりから翌朝まで、祈りを捧げる人でいっぱいになった。

<意外にテルアビブも断食!?>

ティシャ・ベアブは世俗派にはどこふく風かと思ったら、エルサレムでは町の80%ぐらいは店が閉まり、道路もがらがらだった。意外に多くの人が断食しているか、世間体か・・!?

神殿などどうでもよいと思っていそうなテルアビブだが、意外にも50-60%の店は閉まり、道路もいつもよりかなり空いていた。イスラエル人、思ったより神に目をむけているかも!?

<けっさく断食明けの嘆きの壁広場>

16日断食修了直前には家族連れでいっぱいとなっていた。午後8時20分頃、断食があけた瞬間、嘆きの壁広場が、一瞬にしてピクニック会場となった。おもしろいほどにいっせいに食べたり飲んだりしていた。

”ミツバ(チャリティ)でケーキ(といっても日本のようなケーキではなく、長方形のパウンドケーキを四角く切った感じ)とコーヒーを1人でふるまっているおじさんがいた。

その回りには黒服の正統派の人々(大人)でかなりの人だかりだった。おじさんがケーキを切っている間、それを全員が穴があくほど凝視し、切り終わるといっせいに手が出てきて、奪い合うようにもらっていた。

何か特別なケーキなのかと聞くと、「断食明けだから(お腹が空いている)・・」との返答だった。

<悲しむ日から建てあげる日へ>

昔ラビ・アキバは、燃えさかる神殿を見て泣いている人々の中にあって笑い「落ちるところまで落ちた。ここからは上るのみ。」と言ったという。ティシャ・ベアブは灰をかぶって悲しみ、悔い改める日ではあるが、そこから立ち上がる日だとユダヤ教は教えている。この断食明けには「ゲウラ・ヤボウ!(救いが来る!)」と挨拶をする。

<神殿の丘へ入れないユダヤ人の不満全開>

ティシャ・ベアブは神殿に関係する日であるため、多くのユダヤ人が神殿の丘へ入りたい。しかし、ティシャ・ベアヴはたいがいイスラム教のラマダンと日程が重なる。

神殿の丘いっぱいにひろがって祈りを捧げているアラブ人のところへユダヤ人が入ったら、暴動になる。そのため、イスラエルの警察は、ユダヤ人の方を立ち入り禁止にする。

これがユダヤ人には不満でならない。なぜイスラム教徒は無条件で神殿の丘へ入れるのに、ユダヤ人は入れないのか。そろそろこの伝統を変えるべきだと訴える。

15日もユダヤ人のグループが神殿の丘へあがったところ、ラマダンで神殿の丘に来ていたアラブ人がざわめきはじめた。暴動になりそうになったため、イスラエルの治安部隊は、ユダヤ人たちを早々に退去させて無事だった。

16日朝には多数のユダヤ人が神殿の丘への入り口へ押し寄せたが、警察は入場を許さなかった。

なお、16日、断食が終わって帰宅しようとしていた正統派の男性が、ダマスカス門付近で、アラブ人2人に胸などを刺されて病院に救急搬送された。
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イランのロウハニ大統領、シリアとヒズボラ支持を明確に 2017.7.17

 2013-07-17
イランの新しい大統領が、シリアのアサド政権とヒズボラを継続して支援するとそれぞれにメッセージを送った。

シリアではアサド政権が勢いを回復しており、ホムスをほぼ奪還したという報告もある。これに対する反政府勢力は、穏健派の自由シリア軍にアルカイダ系のサラフィストグループが反旗を翻し、すでに仲間割れ戦闘が始まっている。

今、自由シリア軍は今非常に危機的な状況にある。反政府勢力に武器を支援する準備を進めていると見えたイギリスやEU諸国だが、結局、アメリカも含め西側からの武器の支援はまだ開始されていない。

自由シリア軍は「西側は口ばかりだ。シリア人が全員死亡するのを待っているのか。」と激怒する声明を出した。

<地獄の蓋が開いたか、シリアの内戦>

シリアの内戦はますます泥沼化し、暗闇はすすむばかりである。処刑して焼いたとみられ見分けがつかなくなった多数の遺体が井戸から出てくるなど、悲惨を通り越して悪魔的な様相がインターネットで流されている。

国連によると、死者は92000人、1ヶ月5000人平均で死んでいる。周辺諸国への難民は180万人で一日6000人規模で周辺諸国に逃れてきているという。ルワンダ内戦以来状態である。

<ケリー国務長官ヨルダン入り>

アメリカのケリー国務長官は、シリア情勢について検討するため昨日からヨルダン入り。アッバス議長とも面会するが、イスラエルとの和平がすすむとは誰も期待していない。
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映画「パッション」のイエス役、ジム・カビーセル氏はユダヤ人 2013.7.17

 2013-07-17
ニュースとは関係ないが、遅ればせながら、イエス役のジム・カビーセル氏がイエスを信じるユダヤ人だったということを発見。イエス役を通して、カビーセル氏自身、多くを学び経験したという。

映画の場面も含めた数分のインタビュー、必見!
http://www.youtube.com/watch?v=3f8FpwKPmcc&feature=youtube_gdata_player (英語)
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ラマダン最初の金曜日:エルサレム現地報告 2013.7.13

 2013-07-13
12日金曜は、ラマダン最初の礼拝日だった。エルサレムはイスラムにとっても聖地。そのため神殿の丘での礼拝に参加するため、のべ100万人とも言われるイスラム教徒が、東エルサレム、西岸地区だけでなく、ヨルダンやレバノンなどからもやってきた。

この日はイスラム以外の者は神殿の丘へは入れないため、オリーブ山に上って午後12時から始まる神殿の丘での祈りを撮影。神殿の丘は文字通り、人々で埋めつくされ、祈りの声とともにいっせいに立ったりひれ伏したり。1時間ほどで終わるとゆっくりぞろぞろと出ていくのが見えた。

オリーブ山から降りてライオン門から神殿の丘に面するイスラム地区へ入ったが、神殿の丘から出てくるあまりの群衆でそこからダマスカス門に出るまで1時間半以上かかった(通常は早足なら15分)。

ライオン門を入ると、直ぐに神殿の丘への出入り口がある。出口から通りまでのいわば仲見世通りには、ラマダン用のパンの他、コップや皿、なぜか掃除用具などの出店が待っており、活発に買い物が繰り広げられていた。

特にラマダンでは子供たちにおもちゃが買い与えられるらしく、カラフルなお人形やぬいぐるみ、男の子用には水鉄砲やおおげさに大きくパッケージされたゲームなど。

孫とおもわしき5才くらいの男の子がほしがる大きなおもちゃを買うため、にこにこと財布出すおじいちゃん、小さな娘のほしがるおままごとセットを、じっくり検証した結果、買うことにしたお父さんなど、かわいらしい光景があった。ちょうど大晦日で除夜の鐘を聞いて明治神宮や住吉神社(大阪)などから出てくる群衆を想像してもらえばよい。

神殿の丘への入り口は多数あるが、その角すべてにイスラエル兵が5-6人単位、場所によっては10人ほどで立っていた。皆、暴徒に対処するフル装備である。じわじわとしか動かない群衆に交じってヘブル語で「早よいけ。」といいながらパトロールする兵士もいた。

かんかん照りで暑いのでテントの下に兵士が立っているところもあったが、その同じテントの下でパレスチナの民族衣装のおばちゃんたちも休憩。はぐれた家族を待っている様子だった。

ダマスカス門周辺では、兵士や警察の他、水砲を放つ対群衆車の他、イスラエル、パレスチナ双方の救急車が待機していた。もののもしさもあったが、けわしい顔のアラブ人たち、働く子供たち、商売の活気にあふれた声と群衆の中で、一つの絵としてしっかり収まっている感じだった。

パレスチナ人数人にインタビューしたが、ラマラやアナタなど西岸地区から来ていたらしく「今はラマダンだからエルサレムに来れるが、いつもは来ることができない。」と口をそろえるようにして同じ不満を訴えていた。

・・が、今日は、いさかいや衝突もなく、パレスチナ人もイスラエル兵も皆笑顔で過ごせたことに感謝だった。

*これを書いているのは、翌朝4時頃のエルサレム南部の・東タルピヨットだが、周辺のアラブ人村から聞こえる祈りのアザーンがいつもより大きく響いている。この祈りのあと、アラブ人たちは食事をしているはずである。
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シリア、エジプト、イラン、最新情報 2013.7.13

 2013-07-13
<シリア情勢:反政府勢力内でついに仲間割れ本格化>

シリアでは、アルカイダ系のイスラム過激派が、自由シリア軍(主要反政府勢力)のトップ軍司令官の1人を殺害。これで反政府勢力は、アサド政権、レバノンのヒズボラに加えて、アルカイダとも戦う雲行きとなってきた。

反政府勢力に武器を供与する方針だったアメリカだが、議会は保留にすることを検討中。

先週5日、シリアの軍港ラタキス付近で大爆発があったが、ヒズボラに搬送されようとした対艦ミサイル(射程300キロ)を、イスラエル空軍が爆破したようだとアメリカの情報筋が発表。イスラエルはコメントを控えている。

<エジプト情勢:ガザ地区にエジプト軍ヘリコプター>

エジプトではムスリム同胞団が、金曜礼拝の後に100万人規模のデモ。対抗でもも100万人で、カイロは200万人デモとなった。気になるシナイ半島情勢だが、ガザとの国境でほぼ毎日、紛争があるという。金曜には、エジプト軍のヘリがガザ上空に飛来した。

ガザ地区のハマスは非常に困難な立場にある。エジプトとの国境は閉鎖、地下トンネルも破壊され、文字通り窒息状態である。ガザからエジプト軍と戦おうとして、シナイ半島に入り込んだ30人以上が殺害されたとの情報もある。(ハマスは否定)

エジプト情勢では、どちらの側の言い分も一理あり、どちらにも問題があるということはエジプト人自身が言っていることである。しかし、ムルシ大統領の身柄を拘束し、ムスリム同胞団デモ隊を50人以上殺害し、さらに同胞団宗教指導者も逮捕する、そのような事の上に民主主義国家は成り立たない。アメリカは、緊張を解くために、ムルシ大統領を解放するように要請をだした。

<イランに新しい核施設?>

イランの反体制派メディアが、イランがテヘランの近くに新しい地下核施設を建設中との情報を出した。イラン外務省は、否定したが、イスラエルはこうした動きに注目している。

イランのロウハニ大統領は、インターネットを解禁する案を出すなど、穏健路線だが、核開発については、継続を主張している。
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兵役をめぐって正統派ユダヤ教徒どうしの争い 2013.7.13

 2013-07-13
イスラエルでは、働かず、兵役にもつかず、かつ国の生活保護を受けているユダヤ教超正統派の人数が増えすぎて、国の経済がたちゆかなくなってきている。先週、閣議で、負担平等案(正統派も兵役につくルールなど)が可決された。

その2日後軍服のままメアシャリーム(エルサレムの正統派居住区)の親戚を訪問したユダヤ教正統派兵士が、正統派数十人にに囲まれ、ごみなどを投げつけられた。(親戚の)事務所で私服に着替えたが、超正統派グループは事務所前で「裏切り者」などと叫びつづけたため、警察に助けを求めた。

救出に来た警官隊に正統派グループが金属棒や石、バケツなどをなげつけたため、一時乱闘騒ぎとなった。正統派2人(20代)が逮捕。禁固3年の可能性がある。

超正統派で兵役に応じている者に対する嫌がらせがここ数ヶ月エスカレートしきている。「出て行け」と言われて石を投げつけられたり、家にらくがき、洗濯していた軍服を盗まれるなどの事件が相次いでいる。いやがらせの多くは子供たちがするのだが、大人はだまってみているという。

こうしたユダヤ教超正統派の”熱心党”とエジプトのムスリム同胞団と比べるコメントも登場している。
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イスラム教・ラマダン突入 2013.7.11

 2013-07-11
イスラエルでもイスラム教の断食月「ラマダン」が始まった。イスラム教徒は、7月10日から8月10日まで(最後3日は特別な例祭)の33日間、朝、夜明け前に食事をすませた後、日没までは食事も水も飲まないという完全日中断食を行う。

今年は、過去33年の中で日が最も長いとされ、断食時間は1日16時間に上る。日中はかんかん照りの中東で、水も飲まないとはかなり厳しい。

しかし、日没後は、食べてもいいわけだから、家族親族が集まってごちそうを楽しむ。旧市街のイスラム地区は電飾で飾られる。断食とはいえ、ラマダンは日本でいえば、お正月に匹敵するほどイスラム教徒にとっては重要で、楽しみな例祭である。

ラマダンに備えて、国際ユダヤ・クリスチャン・フェローシップは、貧しいアラブ人家庭に3300食分(約3270万円分)の食料クーポンを、69のコミュニティに配布した。

<墓場で始まるエルサレムのラマダン>

エルサレムでは、儀式的に断食の終わりと始まりを告げる”大砲”が1日に2回、放たれる。・・といっても本物ではなく、大きな音のする打ち上げ花火のようなもの。この習慣は120年前、トルコ時代からはじまった。

ラマダン初日の10日は、その断食明けを知らせる大砲のスイッチを、エルサレムのバルカット市長が入れるという短いイベントがあった。市長は「ラマダン・カリーン(楽な断食を)!」とエルサレムと世界のイスラム教徒にあいさつを送った。

しかし、問題はその場所。旧市街のすぐ北にあるイスラム教徒専用の墓地の中で、大砲が打ち鳴らされるのである。昨日は、バルカット市長が来るのでメディアにオープンとなり入ることができたが、息がつまるかと思うほどに悪霊の圧迫があった。

しかもその墓場。ちょうど、イエスの復活の場所ともいわれる「園の墓」の真上である。観光で訪れるクリスチャンたちが「どくろにみえる」と言って写真をとる岩のまともに真上だった。

<緊張の1ヶ月・治安の確保>

ラマダン期間中は、イスラム教徒が一斉にエルサレムの神殿の丘での礼拝にやってくる。また、普段は西岸地区とイスラエルと離れている親族も再開することを希望する。

そのため、ラマダン期間中、イスラエルは特別に、パレスチナ人がエルサレムやイスラエルへ入ることを許可している。今年は寛大に門戸を開いたため、100万人規模でイスラム教徒のパレスチナ人がイスラエルに入ってくるという。ちなみに昨年は約85万人のパレスチナ人がイスラエル領内に入っている。

寛大とはいえ、①60才以上は無制限にエルサレム入りを許可、②金曜の神殿の丘礼拝には女性と40才以上の男性は無制限に入場を許可、③家族親族への面会希望者には特別許可証を出す・・などで、問題をおこしそうな若いイスラム男性にはエルサレム入りは赦されていない。

ラマダンでは、宗教的に高揚したパレスチナ人とイスラエル軍や治安部隊が衝突する可能性が高くなる。治安部隊は、パレスチナ自治政府警察とも連携をとりながら、治安の確保に万全の準備を行っている。

昨夜、旧市街イスラム地区に行ったが、約20-30メートルおきぐらいに数人のイスラエル兵が立っており、5分おきくらいにパトロールのイスラエル兵や警官にでくわした。

<混乱のエジプトもラマダン入り>

混乱しているエジプトでもラマダンが始まっている。デモで広場に集まっているムスリム同胞団支持者も、きびしい暑さの中、日中断食を行っている。昨日、暫定政権は、支持者らに立ち上がって戦うようあおっていたムスリム同胞団の指導者を逮捕した。エジプトはまだまだおちつく気配がない。
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国防費削減とイスラエルをねらうサウジアラビアの弾頭ミサイル

 2013-07-11
削減予算をすすめているイスラエル政府だが、国防費を、むこう5年で約70億シェケルを節約する削減案が論議されている。内容は空軍の飛行中隊や、戦車の数、陸軍兵(職業軍人)の数も大幅に減らすという。

イスラエル軍によると、30億シェケルの削減で、すでにイスラエルの防衛に大きな影響をもたらすと予測される。

この削減案がメディアに流れた翌日、諜報機関筋が、サウジアラビアに、テルアビブをねらう弾道ミサイルが配置されているとの発表があった。このミサイルはイスラエルとイラン双方を攻撃する能力があるという。

国防費削減をめざすイスラエルの隣で、サウジアラビアはミサイル基地を作り、軍事力を高めているということである。
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レバノン(ベイルート)で大爆発 2013.7.9

 2013-07-09
今朝レバノンの首都でヒズボラの拠点があるベイルートのショッピングセンターで大爆発があった。遠くからもみえるほどの黒煙があがっている様子が報じられている。まだ詳細は明らかになっていないが、少なくとも38人が負傷している。

ヒズボラ運営のアルマナール放送によると、車爆弾が原因とのことだが、まだ公式発表ではない。

シーア派のヒズボラがシリアのアサド政権を公に加勢し始めてから、シリアの内戦が激化している。そのため、スンニ派のシリア反政府勢力がヒズボラを憎み、レバノン国内のヒズボラ施設への攻撃を始めている。今回もシリアのスンニ派によるものではないかとの見方が有力である。

しかし、Yネットによると、ヒズボラから「イスラエルがやった。」との発言もあるという。これはレバノン市民への反ヒズボラ感情を避ける目的であったと思われる。

爆発があったショッピングセンターでは今日からのイスラム教ラマダン(断食月)に合わせて大勢の人々が買い物に来ていた。*断食といっても日没から夜明けまでは食べているため
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緊迫続くエジプト情勢とイスラエルとの関連 2013.7.9

 2013-07-09
6月30日に始まったエジプトでの政変。昨日午前、ムルシ大統領が拘束されているエジプト軍本部前に集結し、座り込みデモを行っていたムスリム同胞団(以後MBと省略)とエジプト軍が衝突。MBのデモ隊が少なくとも51人死亡した。

エジプト軍によると、今回は先にMBの1人が実弾で攻撃してきたことに対する反撃だったと主張している。実際に物陰から軍に向かって実弾で射撃する人物の様子がネットでも公開されている。

しかしMBは、「軍はエジプトをシリアのようにしようとしている。シジ将軍(エジプト軍総長)はアラーの敵だ」として激しく反発。アラーに祈りながら、徹底交戦を宣言、MB支持者らに、立ち上がって戦うよう呼びかけている。今日は、軍に殺害された者たちの葬儀があるため、カイロ市内は緊張している。

<暫定政権のこれからのタイムテーブル>

新しい政府設立に時間がかかればかかるほど、衝突は泥沼化していく。国民に早く将来の道筋をしめさなければならない。暫定政権のマンスール氏は、この衝突の直後、これからのタイムテーブルを国民に発表した。

それによると、まずは15日以内に、現在停止となった憲法の修正を検討する委員会を立ち上げる。新しい憲法の草案をまとめて4ヶ月以内に国民投票を行う。

新しい憲法に基づき、2014年早期に議会選挙を実施。議会が完成すれば、大統領選挙を行う。

MBはもちろんこれに反発し、受け入れる様子はない。

<イスラエルはどう見ているのか>

1.シナイ半島の治安が最重要事項


イスラエルは、エジプトとシナイ半島を介して南部で国境を接している。万が一に備えて南部の警戒を続けているが、シナイ半島が混乱しない限り、イスラエルに大きな影響はない。

そのシナイ半島には、先週から本格的にエジプト軍が駐留して警戒している。ここ数日、ガザとシナイ半島国境、北部の町で衝突が起こっているが、この地域は前から無法状態になっていたため、これらの衝突が今回のカイロでの政変と関係があるかどうかは不明である。

チャンネル2の防衛関係解説者のロニ・ダニエル氏によると、エジプト軍は、だれが大統領になろうが、独自でかなりの権力を維持している。そのため、イスラエルとしてはエジプト軍との関係を良好に保ち、シナイ半島が平穏なら、それ以上、口出ししないのが得策だと語った。

しかし、アメリカが、今回のクーデターを受けてエジプト軍への年間13億ドルに及ぶ軍事支援を保留するといっている件については、イスラエルは、エジプトへの軍事支援を続けるように訴えている。エジプト軍が弱体化すれば、混乱がシナイ半島からイスラエルにも広がる可能性につながっていくからである。

2.MBではなく民間人による政権のほうが好ましい

今回のエジプトでイスラム主義独裁的政権がエジプト市民に拒絶されたことについて、ダニエル氏は、トルコでイスラム主義独裁的政権になりかかっているエルドアン首相に市民が反発していることとも合わせて、「基本的に人間はイスラム主義独裁を受け入れない。」という事を現していると語った。

こうした流れはイスラエルには好ましい流れだとダニエル氏は言う。

ただし、「今の民間人による暫定政権がエジプトを支配するようになれば、急にイスラエルとの関係が改善していくと言っているのではない。しかしどちらかといえば、MBではなく、民間人による世俗な今の暫定政権が残る方が、イスラエルには対処しやすいということだ」と語った。

<エジプト経済の懸念>

2011年からの政変で、エジプトの経済は落ちる一方である。しかし、エジプト経済が回復するかどうかはイスラエルの治安に関わってくる問題である。イスラエルとエジプトが和平条約を結んだ時のエジプト人口は3200万人だった。ところが今は8300万人である。

その8300万人が、1億人になるのはそう遠い未来ではない。このまま政府が混乱し続け、経済が回復しなければ、1億人が飢えて、イスラエルへなだれ込んでくる可能性もあるという。エジプトに、民主国家が立ち上がり、経済を回復することは、イスラエルの問題でもあるいということである。
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カイロの混乱からシナイ半島へ 2013.7.7

 2013-07-07
<混乱のカイロ市内>

エジプトで先週、カイロを中心としてエジプト全土で、イスラム主義政権に反対する世俗派市民100万人規模によるデモが発生。軍によってムルシ大統領の身柄が拘束され、既存する憲法も破棄された事件。

その後、軍の指名によって、文民裁判官のマンソール氏が暫定政権の大統領となり、上院も解散となった。まだ確定ではないが、元IAEAのエルバラダイ氏が首相になったとの情報もある。

反ムルシ派は、できるだけ早く暫定政権の形を作り上げ、立憲にもちこみたいところである。しかし、親ムルシ(ムスリム同胞団)も黙ってはいない。

翌5から6日にかけて、親ムルシ派もカイロで100万人規模の大群衆による親ムルシデモを行った。両者の衝突を避けるため、軍が催涙弾などで対処していたが、実弾も使ったと見られ、カイロで少なくとも8人、全国で30人近くが死亡したと報じられている。デモは7日にも行われる。

<悲惨なクリスチャンたち>

エジプト8250万人のうち、10%はコプト教とよばれるキリスト教徒である。コプト教は、反ムルシ派、暫定政権を支持する立場を明確にしたため、今やイスラム主義勢力に狙われる立場となった。

シナイ半島ではコプト教司祭が殺害され、多くの教会建物が破壊された。これは、イスラム主義と世俗派の対立いう構図から、イスラム対イスラム以外の宗教という構図が入り込んできた形である。今、エジプトで最も危険な立場に置かれているのはクリスチャンであるといえる。

<シナイ半島の混乱>

6日日中から7日にかけて、カイロ市内は意外にも平穏だった。しかし7日朝、エジプト軍がシナイ半島北部、エジプトとガザの国境ラファ付近で、イスラム主義勢力と衝突しているもようである。

シナイ半島北部では、昨日コプト教司祭が殺害されたのに続いて、ヨルダンにガスを送っているパイプラインが破壊された。

これを受けて、エジプト軍は、テロリストがガザからエジプトに入らないよう、エジプトとガザの間、ラファ地下密輸トンネル40近くを破壊している。現在、ガザとエジプトの国境は閉鎖中。

シナイ半島とイスラエルの国境を守るイスラエル軍によると、エジプトの政変にもかかわらず、エジプト軍とイスラエル軍はこれまで通り連絡を取り合って、イスラエルに火の粉が飛んでこないように協力体制を維持できているという。

<傍観を決めるアメリカ>

今回、エジプトの政変について、アメリカは今のところ「傍観」状態である。無対応のオバマ大統領が、世界から批判されているが、アメリカは「エジプトはまだまだ流動的である。」としてどちらの側にもつかないという立場をとっている。

<エジプトは内戦にはならないだろう:国家防衛研究所アモス・ヤディン氏>

イスラエルの国家防衛研究所のアモス・ヤディン氏は、エジプトはシリアのように内戦にはならないだろうとの見通しをテレビインタビューで明らかにした。

エジプトは、シリアのような他民族国家ではなく、エジプト人単独の国だからである。現在、エジプト軍は一般市民とともに立っており、基本的に市民を殺害することはない。

今後、政権がどちらにころんだとしても、軍がエジプトの平穏を維持するだろうと語った。
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