重いオバマ大統領の決断:シリア危機 2013.8.31

 2013-08-31
日本でもシリア危機に関するニュースが連日トップになっている。アメリカがシリアへの”限局的”な攻撃が実施されるとすれば、明日9月1日から9月4日までの間という記事が目立つ。

アメリカは、現在地中海に駆逐艦を4隻まで増強しており、巡航ミサイルでシリア軍施設を中心に攻撃するのではないかといわれている。

情勢が緊迫するにつれて、シリアでは、28日、ダマスカスから約6000人がレバノンへ避難。多数のシリア軍兵士が私服に着替えて脱落しているという。アサド政権はアメリカの攻撃に備え、軍の空港や軍事施設などを移動しているという情報もある。

<世界のリーダー、警察として>

アメリカのケリー国務長官は29日、国連の化学兵器調査団の結果発表に先駆けて、米諜報機関の調査結果をもって、今月21日にダマスカス郊外で、1429人が化学兵器によって死亡。犯行はアサド政権であると断定する発表を行った。

さらに、これを放置することは、現在核兵器開発疑惑のあるイラン、北朝鮮に国際社会の無能さを伝えることになり、国際社会にとって非常に危険な状態になる。世界のリーダーとして、これを放置するという選択の余地はないと語った。

ただし、アフガニスタンやイラク戦争のように15万の大地上軍を送り込むような介入ではない。今回はアサド政権打倒が目的ではなく、あくまでも化学兵器使用を処罰し、二度と使用できないようにすることが目的だと協調した。

アメリカの発表に対し、シリアのモアレム外相は、すべてアメリカの嘘であると一蹴。化学兵器を使用したのは反政府勢力だと主張している。

<オバマ大統領にかかる重い決断>

今回、たとえ限局的でも、攻撃した場合の結果は、中東全体をまきこむ大戦争も否定できない。シリアの同盟国ロシア、またイランがどう出てくるかも予測不可能である。

アフガニスタンやイラク戦争で、長い戦争に巻き込まれたアメリカでは、シリアへの介入を支持する国民は少ない。

アメリカはできるだけ国際社会の同意と協力を得ようとしていたが、国連安保理は、相変わらずロシアと中国の拒否権で無能のまま。イギリスは、29日の議会で介入しないことを決めた。ドイツはすでに介入しないことを決めている。

フランスは、現時点ではアメリカに協力する立場である。しかし、イギリスと同様、4日の議会で、アメリカへの協力を審議することになっている。

つまり、4日までに攻撃が実施された場合、アメリカに協力するのは、フランスとアラブ連盟ということである。トルコのエルドアン首相は「攻撃は大規模に行い、アサド政権を打倒するべきだ。」と主張し、若干足並みがそろわない。

オバマ大統領は、「化学兵器は特に近隣のイスラエルやヨルダンへの危機となる。だれもがシリア政府に何かしなければと思っているが、だれもやりたがらない。世界のリーダーとしてアメリカが動かざるを得ない」として、国民の理解を求めた。

*アメリカと同盟国である日本もいずれは立場を明確にしなければならない。中東、世界を歴訪中の安倍首相にも逐一情報が伝えられている。

<イスラエルへの影響>

アメリカは限局だと行っているが、ミサイルが一発撃ち込まれるだけでも、とばっちりを受けるのはイスラエルである。

イランのハメネイ師は、もしアメリカがシリアを攻撃したらミサイル数千発がイスラエルに下ると言っている。実際にそれを行うのはシリアだけでなくヒズボラとみられる。イスラエルとレバノンの国境にはヒズボラ戦闘員がすでに増強され始めているとの情報がある。

イスラエルは北部都市周辺にアイアンドームやアローなど様々な迎撃ミサイルを配備した。さらにこれに乗じて南部からの攻撃も否定できないため、テルアビブ周辺にも迎撃ミサイルを配備増強。

国民には、ガスマスクが配布されている他、イスラエル軍の国土防衛部が、攻撃があった際にどうするかなどの教育活動が行われている。

ネタニヤフ首相は、今週末はカイザリヤの自宅ですごさず、エルサレムで治安関係者との会議を重ねた。しかし、日々の一つ一つの決断をいちいち会議で決めるわけではなく、ネタニヤフ首相と、ヤアロン国防相が決めていくことになる。

今後のとりなしとしては、ネタニヤフ首相、ヤアロン国防相、加えてイスラエル軍のガンツ参謀総長である。

なお、イスラエルはあくまでもシリアへは不介入の立場であるため、閣僚たちにはシリア関係のコメントをいっさいしないようにとの指示が出されている。

<ゴールデン・マンスを迎えるイスラエル>

イスラエルでは、9月4日から新年祭が始まり、贖罪の日、仮庵の祭りと秋の例祭シーズンに入る。イスラエル人の多くは海外旅行、逆に国外からは、ユダヤ人、クリスチャンが大挙してやってくる観光シーズンである。この時期に戦争とは全くもって迷惑な話。

ネタニヤフ首相は、国民に対し、「おちついて、予定を変えないように。」と指示。ただし、毎年この時期には海外でイスラエル人がテロに狙われるため、警戒をするようにとの警告は、いつものように出されている。

日本ならパニックになりそうな事態だが、イスラエル人は”慣れている”ので、いつもと変わらない新年の準備が行われている。
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パレスチナとの和平交渉、その後 2013.8.31

 2013-08-31
2週間前に再開されたイスラエルとパレスチナの和平交渉。その後もメディアにまったく公開されない形で続けられている。

交渉担当のリブニ代表には、ネタニヤフ首相から派遣された見張り役のモルホ氏がついているが、イスラエル政府の意志に反する譲歩話になっているとの情報がある。

和平交渉に関係しているかどうかは明らかではないが、25日、ラマラ近郊のカランディア難民キャンプでパレスチナ人の群衆とイスラエル軍の衝突があり、パレスチナ人が3名死亡した。
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閉じられた扉:エチオピア 2013.8.31

 2013-08-31
先週、27日、イスラエルはエチオピアからの最後となる移民機2機を迎えた。イスラエル政府とユダヤ機関は「鳩の翼作戦」と名付けて、エチオピアからこれまでに7000人を移住させてきたが、今回の450人で最後となった。

エチオピアからは、1980年代にモーセ作戦で8000人、1990年代にソロモン作戦で14400人が移住した。まだエチオピアには6000人のユダヤ人が残っているが、今後イスラエルへの移住を希望する場合は、他国と同様に個人単位で難しい手続きをしなければならなくなる。実質、扉は閉じられたということである。

イスラエルへの移住の扉はいつまでも開いているわけではない。ロシアもいつ閉じられるかわからない。まだ移住決意ができていないユダヤ人の決心が早まるようにと願う。
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シロでハンナたちの祈り 2013.8.31

 2013-08-31
聖書には、不妊の女ハンナがシロの神殿に来て祈ったことが記録されている(第一サムエル1章)。これにちなんでユダヤ教徒の女性たち約3000人(メシアニックジューではないことに注意)が、シロに来て祈りを捧げた。

ハンナの祈りは、主に祈りが聞かれたというブレークスルーの教えとされている。3年前から始まったこのイベントは参加者が毎年増え、来年は5000人規模になると予測されている。

<シリア人のためのユダヤ教徒の若者たちがプレイヤーMT:詩篇37,120>

宗教シオニスト(今のイスラエルは世俗派がつくったものと考える正統派ユダヤ教徒と違い、今のイスラエル独立を実現したのは神だと考えるユダヤ教徒たち)の若者たちが、シリアの人々のためのプレイヤーMTを行っている。

ユダヤ教では個人の祈りが重視されるが、グループで祈るともっと力があると考えられている。ペータ・ハティクバで始まったこのシリアの人々のための祈り会が全国に広がっているという。

*これもメシアニックジューの活動とは別の、ユダヤ教徒の若者たちの動きであることに注意
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どうする!?オバマ大統領:シリア情勢緊迫 2013.8.26

 2013-08-26
先週21日、シリアのダマスカス近郊でサリンか神経ガスが使われ、500-1000人を超える人々が死亡したとみられる事件。アサド政権は、事件から5日もたった昨日25日になって、国連の化学兵器専門家の検査を受け入れると発表した。

5日もたってしまってはもはや信憑性の高いデータが得られるとは考えにくい。いまや”ほぼ”明確に赤線(容認の限界)を超えたシリアを、国際社会がこのまま放っておくわけにはいかない。

しかし今回も国連安保理は、欧米とロシア・中国との不一致で無能になっている。そのため今、決断のすべてが超大国アメリカのオバマ大統領の肩にかかっている。

オバマ大統領は、すでに地中海に戦艦を増強しており、今後どのようにシリアに対処すべきかを検討中である。

<もしアメリカがシリアを攻撃したらどうなる!?>

アメリカが臨戦態勢に入りつつあるのを見て、25日、イランが「アメリカが赤線を越えたら、深刻な結果をもたらす。」と釘をさす発言を行った。ロシアも、もしアメリカが軍事行動に入れば、中東全体が戦乱になると警告している。

もしアメリカがシリアを攻撃した場合、どうなるのか?その場合は、シリア、ヒズボラがイスラエルにミサイルを撃ち込んでイスラエルを巻き添えにしようとする可能性が高い。

シリアは現在、10万発の高度な弾道ミサイルやロケット弾を保有している。射程はイスラエルほぼ全土である。それらのミサイルに化学兵器の弾頭をつけて発射されれば相当な被害が出る。

ヒズボラのミサイルは7万発はあるとみられ、その中には高度な誘導ミサイルもある。イランの指示で、ヒズボラが、これらを使ってイスラエルの発電所や原子力発電所をねらい打ちする可能性もある。

実際にアメリカがシリア攻撃を行う場合は、イスラエルには事前に知らされることになっているもようである。

<イスラエルの対応は?>

ネタニヤフ首相は、イスラエルの考えを次のように語った。①シリアを放っておくことはできない。②最も危険な武器を最も危険な政権に持たせてはならない。③自己防衛の原則でイスラエルは動く。(イスラエルの安全が脅かされる場合は、イスラエルはいかなる軍事行動も辞さないということ)

万が一アメリカがシリアを攻撃した場合、上記攻撃の他、アサド政権の終焉という事態になる。その瞬間、化学兵器などが聖戦主義組織の手に渡ってしまわないよう、イスラエルがシリア国内18個所にあるとされる化学兵器を破壊するとも言われている。

こうした状況を見て、イスラエルでは25日(日)、普段の4倍の市民が、郵便局で配布されているガスマスクを受け取りに現れた。

<それでも平和にやっているエルサレム>

夏のイベント続きのエルサレムだが、20-23日、聖なる音楽フェスティバルが行われ、ダビデの塔博物館やヘブライ大学などあちこちの屋外で、エチオピアの音楽(シバの女王の時代)と伝わる音楽などが披露された。
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ムスリム同胞団弱体方向か 2013.8.26

 2013-08-26
エジプトでは、エジプト軍が、強大な力でムスリム同胞団の指導者たちを逮捕したため、もはや大きなデモ活動はなくなっている。昨日呼びかけられた反エジプト軍デモも下火に終わった。

エジプト軍は、外出禁止令を軽減。ムスリム同胞団と関係が深いハマスの支配にあるガザとエジプトの間の国境閉鎖も緩和して、1日に1200人までの通行を許可した。

暫定政権は憲法の制定を急いでいるが、最初の10人の有識者からなる委員会の草案が昨日提出された。この後50人からなら委員会での審議に進む予定。
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西ガリラヤ市街地にミサイル着弾 2013.8.23

 2013-08-23
22日午後(日本時間夜)、レバノンから4発のカチューシャ・ロケットがイスラエルへ発射された。迎撃ミサイルが4発のうち2発は撃ち落としたが、2発は、西ガリラヤ地方の市街地に着弾した。

ロケット弾1発は、ホロコースト生存者のゲストハウス・「シェベイ・ツイオン」(ドイツ人クリスチャン運営)のキッチンを直撃していた。幸いだれもいなかったので負傷者はなし。破壊については、もっとひどくなってもおかしくなかったと専門家が述べている。もう一発はナハリヤ近郊に着弾していた。

今回、西ガリラヤの他、アッコやナハリヤでも2006年のレバノン戦争以来、7年ぶりにサイレンが鳴り響いた。突然のサイレンでショックに陥った人が3人、14才の少女があわてて逃げる時にころんで負傷した。

これを受けて、イスラエル軍は今朝(日本時間強午後)、レバノンのベイルート南部を空爆した。ネタニヤフ首相は、攻撃してくるものには、必ず攻撃仕返すと言っている。

<犯行はスンニ派聖戦主義グループ>

ロケット弾は、スンニ派の居住地、レバノンのシドン南部から発射されていた。犯行は、ヒズボラではなく、アルカイダ系スンニ派の聖戦主義グループである。

彼らはイスラエルは無論のことヒズボラも敵視している。今回の攻撃は、ヒズボラ、イスラエル、またレバノン軍を紛争へと挑発することが目的だったと考えられている。

<迎撃ミサイルがなぜ2発も迎撃しそこねたか?>

これについては調査中である。ミサイル技術があがっている可能性がある。イスラエルは北部だけでなく、先週、ハデラ近郊にも迎撃ミサイルを配置している。
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シリア:神経ガス使用で1300人死亡か 2013.8.23

 2013-08-23
21日、化学兵器で死亡したとみられる遺体がダマスカス近郊で大量に発見された事件。身体に外傷はなく、みな眠るように死亡していたことから、おそらくサリンかVXなどの神経ガスが使われたとみられている。

反政府勢力は死者は1300人と主張するが、シリア政府は、230数人と言っている。ちょうど国連の化学兵器エキスパートがシリア入りしていたが、シリア政府は、チームが現場に入る事を拒否し続けている。

<国連安保理それでも動かず>

化学兵器であるというかなり明確な映像が送られてきているが、21日に開かれた緊急の国連安保理会議では、またもやロシアと中国の反対で「まだ化学兵器だという証拠が足りない。」という結論を出した。つまり実質的には何もしないということである。
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エジプト情勢その後 2013.8.19

 2013-08-19
14日に始まったエジプトでのムスリム同胞団とエジプト軍の衝突。16日金曜日の「怒りの日」デモでは173人の死者が出て、これまでの5日間で死者は830人(うち警察官は70人)となった。

エジプト軍は、カイロでムスリム同胞団の拠点となっていたモスクを解放し、広場にいたデモ隊を一掃。しばらくあちこちで銃撃戦の音が聞こえていたが、今日19日の日中は銀行が開くなど、日常のカイロに若干戻っているもようである。ただし、国家非常事態宣言が出ているので、夜間は人影はなくなっている。

ただし、今朝19日、カイロ市内の刑務所から600人近い囚人を移動させる途中で脱走が始まり、これを阻止しようとしたエジプト軍により36人が死亡した。(銃撃ではなく催涙ガス吸引による死亡だったと報じられている)

またシナイ半島では19日、ガザとの国境ラファ付近で、エジプトの警察官が乗っていたバスが、イスラム主義勢力に襲撃され、26人が死亡した。

<分裂する中東>

エジプトおこっている戦闘は世俗主義暫定政権とイスラム主義勢力の争いである。

暫定政権につくエジプト軍は、ムスリム同胞団の霊的指導者ムハンマド・バディの息子を殺害(父親はエジプト軍に逮捕されたまま所在は不明)。またアルカイダのトップ・アイマン・ザワヒリの息子ムハンマド・ザワヒリも逮捕した。

*アルカイダは、ムスリム同胞団のイスラム主義が生ぬるいと言って出てきた勢力である。今年春頃、ムルシ前大統領がアルカイダのアイマン・ザワヒリをエジプトに呼び込もうとする動きがあった。

こうしたイスラム主義勢力の弾圧は他のイスラム主義国には受け入れられない動きである。

17日の「怒りの日」デモでは、エジプトだけでなく、エルサレムを含む中東各国でもムルシ前大統領とムスリム同胞団を支持するイスラム主義者のデモが行われた。エジプトの政変において、中東は、チュニジアなどがムスリム同胞団を支持。エジプト軍を非難する側に立っている。

一方、サウジアラビアとヨルダンなどは、ムスリム同胞団、聖戦主義勢力の台頭を恐れて、エジプト暫定政権を支持すると表明している。

<混乱する欧米>

欧米では、おおむねエジプト軍非難の記事が目立つ。確かに830人もの死者が出ていることを、世界が容認することはできない。EUはエジプトへの支援を検討すると発表している。

アメリカはどりあえず、エジプト軍への軍事支援を差し止める方針をうちだしているが、それ以上の動きはまだみられていない。エジプト軍が戦っているのが、イスラム主義過激派組織であるため、一概にエジプト軍側を非難することができないのである。アメリカは今後どう動いたらよいのか、検討している。

<キリスト教徒(コプト教)の訴え>

今回のエジプトの政変で、大きく被害を受けているのがエジプトのキリスト教徒(コプト教)である。エジプトの人口の10%はコプト・クリスチャンだが、今回、暫定政権を支持する立場を明確にしたため、ムスリム同胞団に狙われることになった。

カイロでは100年以上の歴史のある教会建築に火がつけられ、司祭も2人が殺害された。カトリックのシスターたちも市内を犯罪者のように引き回されるなどの被害を受けている。

コプト教司祭は、世界の報道をみると、軍が平和的なデモを軍事的に鎮圧しているというイメージだけが伝わっていると非難する声明をだした。

<今後どうなっていくのか>

暫定政権は、ムスリム同胞団も、一つの派として参加する形での連立政権をめざしている。世界諸国もそれを願っているところだが、ムスリム同胞団は、あくまでもムルシ前大統領が復職すること、つまり、ムスリム同胞団が支配する形しか受け入れないという気配である。

暫定政権は、ムスリム同胞団があくまでも抵抗を続ける場合は、ムスリム同胞団を違法にすることを検討すると言っている。エジプト軍も、平和を乱すような動きがあれば、徹底的に鎮圧すると言っており、まだまだ戦闘再燃への懸念は終わっていない。

<石のひとりごと>

今後、エジプトがシリアのように泥沼の内戦に陥らないうちに、世俗の連立政権が立ち上がればベストだが、ムスリム同胞団とそこにつながるイスラム主義者たちは、話し合いで権力を譲るような相手ではない。力の強い者だけが支配するというのが中東の常識である。

今後、中東の常識を理解しない欧米は話し合いでと言い続けるかもしれないが、それはおそらく通用しないだろう。
その間に、エジプト以外の国々にいるムスリム同胞団や、アルカイダ勢力などのイスラム主義勢力が立ち上がらないようにと祈る。

また世界のリーダーとして大きな力を持つアメリカのオバマ大統領が、的確に判断、行動するように、祈りが必要である。
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シリア難民1万人がいっせいにイラクのクルド人地区へ 2013.8.19

 2013-08-19
内戦の続くシリアだが、昨日、シリアのクルド人1万人がいっせいにイラクのクルド人地区へなだれこんだ。

先週からすると2万人がイラクへ逃れたことになる。BBCなどによると、大群衆が徒歩で逃れてくる様子が報じられた。難民たち証言によると、シリアでは食料はじめ物資の不足が深刻なのだという。

難民の半数近くは子どもたちである。全シリア難民は200万人に近いが、そのうち15万人がすでにイラクに逃れていた。現在、国連など支援NGOたちが対処に追われているが、対処しきれていない状況である。

イラク北部のクルド人地区は、独立への運動が始まっており、独自の軍ももっている。シリアの内戦では、アルカイダ系アル・ヌスラなどと戦っており、もしシリアにいるクルド人がテロにあうなどの事態になれば、本格的に介入すると言っており、緊張が高まっている。
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あと数時間で怒りのマーチ:エジプト 2013.8.16

 2013-08-16
14日のムスリム同胞団への弾圧による死者は、現時点で638人となった。ムスリム同胞団のスポークスマンによると、本日16日(金)イスラムの礼拝の後、カイロ中のモスクからエジプト軍の暴力に講義するデモ行進に出てくるよう、よびかけがなされた。

あと数時間で、礼拝が終わる。エジプト軍は、こうした動きには実弾で対処すると言っており、今日再び、暴力的な衝突になると懸念が広がっている。
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怒りのレバノン:ベイルート爆破テロ 2013.8.16

 2013-08-16
15日、レバノンのヒズボラ拠点でまた車両爆弾による爆破テロがあった。死者は少なくとも20人。こうしたベイルート市内での爆破テロは7月に続いて2回目。この時は50人が死亡している。

爆破事件の後、イスラム主義スンニ派グループが犯行声明を出し、「ブタのナスララ(ヒズボラ党首)。我々はすでに一回攻撃したが、まだわからないようだから、もう一度やった。」と言った。

その上でレバノン市民に対し、今後も攻撃を続けるため、ヒズボラから離れるようにと警告した。

ヒズボラは、今年4月から本格的にシリアのアサド政権の加勢を始めたが、それが中東全体にシーア派対スンニ派という対立構造に火をつけたかたちとなっている。特にレバノンには、スンニ派も多いため、ヒズボラに対する怒りが高まっていた。

<スケープゴートのイスラエル>

しかし、どういうわけか、レバノンではスンニ派もシーア派も、またレバノン政府も全員が、これはすべてイスラエルのせいだと言っている。

爆破テロを決行したグループは、ヒズボラを、イランと”イスラエル”の協力者だと非難している。

また、爆破テロで市民を殺されたレバノン政府のスレイマン大統領は、「これはレバノンを不安定にしようとするイスラエルの策略だ。レバノン人は結束してイスラエルと戦わなければならない。」と言った。

さらに、攻撃されたヒズボラのナスララ党首は「これはイスラエルが、数週間前に国境付近で、兵士4人が道路爆弾で負傷したことへの復讐をしたのだ。」と言った。ナスララは、イスラエル軍に対する脅迫をし続けている。
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何もわかってない?アメリカ 2013.8.16

 2013-08-16
オバマ大統領は、エジプトの暫定政府に対して、暴力での鎮圧はいけないとして、エジプトに対する13億ドル規模の軍事支援をさしとめると発表した。

しかし、今、暫定政権が対峙しているのは、アメリカもその勢力台頭を抑えたいイスラム主義勢力のムスリム同胞団である。今、エジプトの暫定政権への対処をあやまれば、シリアと同様になっていく可能性も否定できないのである。

実際、14日の衝突では、ムスリム同胞団側からも実弾で攻撃している様子が報じられている。湾岸アラブ諸国は、エジプト軍の行動を、「力を制御しながらよくやっている。」と逆に評価するコメントを出している。

アメリカが暫定政権を支援すべきだといっているわけではないが、早急に彼らを見捨てる行動は危険でもある。

混乱する中東に関して、アメリカはどちらにも立たないとする立場をとるとの立場を表明している。そのため、一貫性のないメッセージになったり、またタイミングを逃して、結局何もできていないではないかとの批判が出始めている。

実際、ケリー国務長官が、イスラエル、パレスチナ、シリア、エジプトとあちこちと非常に忙しく動いている間、オバマ大統領はなんと休暇中だった。
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隣国3国が大嵐のイスラエルは? 2013.8.16

 2013-08-16
エジプト、シリア、レバノンとイスラエルと国境を接する3国が大嵐だが、イスラエルとしては、自国に被害が及ばない限り、干渉はしない方針を続けている。

レバノンに関しては北部国境が守られ、エジプトに関してはシナイ半島が平穏であることがポイントとなる。
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本当に極秘・和平交渉 2013.8.15

 2013-08-15
昨日、エルサレムで行われたイスラエルとパレスチナの和平交渉。メディアは完全に遮断とは聞いていたが、本当にいつどこでやっていたのか、大手のメディア関係者にもわからない周到ぶりだった。

今回、ここまでメディアを遮断する理由は、代表たちが交渉しながら、終了後の記者会見を気にして集中できなくなるのを防ぐのが目的だという。

イスラエルのテレビによると、昨日の交渉は夜7時前にはじまり、約5時間かかって深夜に終了している。今後のスケジュールとともに、まずは、治安問題と国境線が話し合われたもよう。

この二点さえ落ち着けば、入植地での建設はもはや問題ではなくなる、というのがケリー国務長官の考えである。なお、国境線だが、今回の”パレスチナ国家”の概念に、ガザ地区は含まれていない。西岸地区のみである。

次回の交渉は来週、”おそらく”エリコになるとのこと。今後9ヶ月、同じ顔ぶれ、しかも密室での交渉になるので(アメリカは同席)、回を重ねるごとに互いの信頼関係が少しでも生まれ、これまでにない妙案でなんらかのブレークスルーが出てくることを期待したい。

<パレスチナ人の本音?>

パレスチナ自治区カランディアに住む写真家のNさん。和平交渉についてけっこうはっきりと以下のように話してくれた。

アッバス議長はパレスチナ市民のためになることを全くやっていない。パレスチナの国ができても指導者がこれではよい国になるとはとうてい考えられない。だから和平交渉には期待していない。

僕はイスラエルが西岸地区も全部、管理したらいいと思う(つまり1国家解決)。イスラエルは”強い”がパレスチナは強くないから。

イスラエルがもし国民全部(ユダヤ人もパレスチナ人も)を平等に扱ってくれるなら、イスラエルが支配しても全然かまわない。パレスチナ人の多くはそう考えている。

実はこの考えこそがネタニヤフ首相の恐れるところである。もし一国家でパレスチナ人もイスラエル市民になれば、人口の半分近くがパレスチナ人ということになる。イスラエルは、もはやユダヤ人の国ではなくなる。

従って、痛みを負ってでも、二国家解決をなんとしても実現させなければならないというのがイスラエルの本音である。
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イエメンからユダヤ人17人移住 2013.8.15

 2013-08-15
イエメンといえば、最近アメリカ領事館が閉鎖されるほどにイスラム主義勢力が活発な国。当然、イエメンにいるユダヤ人が危険な状態に置かれるようになっていた。

そのためユダヤ機関は、イエメンにいた超正統派ユダヤ教徒の一族17人のうち、まず12人を2年前に密かにアルゼンチンへ移動させた。

2年たったこの14日、イエメンに残っていた5人はイエメンから、アルゼンチンに行っていた12人はアルゼンチンからそろってイスラエルへ到着し、一家は再び一つになることができた。
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エジプト:標的はキリスト教徒(コプト教) 2013.8.15

 2013-08-15
昨日のエジプト軍によるムスリム同胞団への弾圧。国家非常事態宣言が出され、夜は外出禁止令も出て、比較的静かな夜となった。しかし、政府の発表によると、死者の数は、全国で500人を超え、数字はまだ上がっていくみこみである。

エジプトでは暫定政権が、国のあらゆる宗教やグループがすべて参加する形の世俗的な政府をめざしているところである。

ところがムルシ大統領を養護するイスラム主義勢力のムスリム同胞団は、民主的に選ばれたはずのムルシ大統領が復職するという従来の形を主張し、新しい連立には参加しないと言い続けている。

カイロでは、ムスリム同胞団が座り込みのキャンプを設立し、どうやらそこへ武器を運び込んでいたという情報がある。それで暫定政権が昨日、思い切った弾圧に乗り出したというわけである。

アメリカはじめ欧米は、ここに至るまでに様々な使節団を派遣し、ムスリム同胞団を説得しようとしていたのである。しかしながら、ここまで死者が出てしまっては、もはや平和な連立政権はかなり難しくなったと言えるだろう。

ムスリム同胞団は、昨日から、正式に政府側を支援する立場を表明したキリスト教徒(コプト教)に対し、特にきばをむき始めている。BBCによると昨日だけで42の教会が焼き払われている。

この他、キリスト教徒のビジネスや家が狙われているという。エジプトでは人口の10%がキリスト教徒である。

<イスラエルにとってのエジプト情勢>

イスラエルにとっては、エジプトに世俗の政府が立つ方が好ましい。またこのままエジプト軍がムスリム同胞団を押さえ込んでしまえば、聖戦主義者が集まってきわめて危険なシナイ半島も落ち着く可能性があるとの味方もある。

しかし、ムスリム同胞団は、大規模なデモを呼びかけており、まだまだ危険な状況が続いている。
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ハイファでユダヤ人・アラブ人合同のユース・カンファレンス(ELAV) 2013.8.15

 2013-08-15
17-19日にかけて、ハイファのカルメル山で、イエスを信じるユダヤ人とパレスチナ人、またヨルダンやレバノン、トルコやエジプトなど周辺諸国のアラブ人クリスチャンのユース・カンファレンスが行われる。

アラブ人たちはイスラエルへ来るだけでも奇跡を経験しながらやってくる。リーダーシップは、スコット・ハレルのリック・ライディング牧師や、カルメル・アッセンブリーのデイビッド・デイビス牧師など。

カルメル山は、エリヤが天からの火をもって国全体のリバイバルをもたらした場所。イスラエル、中東に再び同じ油注ぎが与えられるよう、賛美しとりなすという。
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囚人の息子を迎える母:ラマラ 2013.8.14

 2013-08-14
13日深夜、イスラエルの刑務所にいたパレスチナ人の囚人26人が、釈放された。最終的には15人がガザへ、11人が西岸地区に戻された。

今回は、囚人が、バスの窓から顔や手をだして勝利をアピールするのを防ぐため、窓はぜんぶテープのようなもので遮断されていた。

ガザでは祝祭はなし。西岸地区の11人は、ラマラでアッバス議長はじめ、家族親族など約1000人が集まっての歓迎となった。ただし、ラマラには1人、あとはナブルスなど他の西岸地区出身者だった。

<ラマラの人々の反応>

13日、囚人釈放予定の午後、ラマラを訪ねた。町はいつもと全く変わらない活気とにぎわいで、人と車がまじりあってかなり混み合ってた。

道行く人々に囚人釈放について聞くと、「あらそう」「へえ知らない」とどうでもいいといった感じ。「囚人の釈放はいいことだ。」と言っている人に、彼らがなぜ(何の罪で)刑務所に入っているか知っているか聞いてみた。

たいがいは、そういえば・・という顔で、「う~ん。知らない。」「はっきり知らない。」という答え。彼らの表情からは、本当に知らないということが読み取れた。20年以上前ということもあるが、とにかく「イスラエルと戦った英雄」というところで止まっているのである。

ある女性は、ラマラではないが、別の町で息子が帰ってくると思って家族は準備して待っていたのに、最終的にリストからはずされ、家族が非常にがっかりしていると語った。

1人の若い男性は、「イスラエルは馬鹿だ。囚人は捕まってもすぐでてくるんだよ。」と笑っていた。そのあとで「日本はいい国だ。コウゾー(岡本公三)はパレスチナのためにテルアビブの空港で自爆した。パレスチナのためにやった。赤軍派を尊敬している。」とにこにこして言うので、「赤軍派はもういない。」と返答しておいた。

<アスマット受刑者>

ラマラから車で20分ほどの小さな村がある。この村のパレスチナ人の多くはアメリカが住所で、西岸地区にも家があるというパターンの人が多く、意外に立派な家ばかりである。そこに今回イスラエルから釈放されるアスマット受刑者の実家がある。中国新華社通信の記者に同行し、アスマット受刑者の母親を訪ねた。

アスマット受刑者は16才の時に、養鶏場にたまごを買いに来ていた入植地のユダヤ人男性(31)を、3人の仲間と共に殺害。22年の刑でオフィルの刑務所で服役していた。来年には刑期が終わる予定が1年はやまったことになる。

アスマット受刑者の家では、帰ってくる息子の写真、DFLP(パレスチナ解放民主戦線)の旗、パレスチナの国旗、アラファト議長の写真などが上げられ、数人の男性が集まっていた。翌日の夜、200人以上が集まるという大祝宴の準備が始まっていた。

<恵まれている?刑務所生活>

アスマット受刑者の母親によると、16才で逮捕されオフィル刑務所に入ったが、そこでヘブライ語を習得。高校教育の後、ヘブライ大学の修士までとった。(最近廃止されたが、受刑者はヘブライ大学の特別なコースを受講できた)。両親は月に2回は面会していた。

母親によると、刑務所に行く前のアスマット受刑者は、本を読むことがきらいだったという。それが刑務所でたくさんの本と読み、自分で小さな本を書くまでになった。

それだけではない。アスマット受刑者は入所中、月に7000シェケル(約21万円)の給料をパレスチナ自治政府から受給していた。これはアスマット受刑者の母親の証言なので間違いはない。

そのお金でラマラ市内に家を買ってあるという。出所したアスマット受刑者はそこに住んで、妻を迎え、「英雄」としての新しい人生を歩むことになる。

確かに16才から、37才まで人生の最良の時を刑務所ですごしたことは、悲惨である。しかし、それで得た「報酬」は予想以上だった。

ただし、アスマット受刑者の母親によると、イスラエルは厳重にスパイをつけて、見張っているため、再びテロをおこすことはもちろん、自由に西岸地区から出ることも許されないという。「ハラス!(もう終わり)」と繰り返し言っていた。

<悔い改めなし、感謝なし>


母親はアスマット受刑者が帰ってくるこの日、新しいパレスチナの民族衣装とジュエリーに身を固め、ヘンナの果汁で両手の手のひらを赤オレンジに染めていた。結婚式など祝いの時の習慣だという。

ただただ息子の帰りをまちわびるやさしいおかあさんの表情である。ほんとうにうれしそうだった。息子の罪状については、「ユダヤ人入植者だってパレスチナ人を殺している。彼らは捕まらないのに、息子が捕まるのはおかしい。」と言った。これがパレスチナ人の考え方だと新華社通信の記者は言った。*写真:母親と孫娘

1人の人間を殺したという事実自体は、認識にない。したがって、それを悪いとは全く思っていない。またイスラエルからこれほどの教育を受けさせてもらった事への感謝のことばもまったくなかった。

ただ母親として、息子を21年ぶりに抱きしめることができる。ただただそれだけなのである。部屋にあったテレビからは、囚人たちが帰ってくる事に関するニュース、映像ばかりが延々と流れていた。

<和平交渉2回目、本日午後予定>

囚人が釈放された翌日の今日午後、ワシントンでの会議に続く2回目、いよいよ本格的な交渉が始まる。入植地の建築問題で、パレスチナ側の腰がひけていたが、ケリー国務長官の電話によるカツで、少なくとも今日の交渉は実施されるみこみ。現在午後1時。まだ始まっていない。
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シナイ半島に聖戦主義者数千人か 2013.8.14

 2013-08-14
先日シナイ半島にいる聖戦主義グループが、エイラットをミサイル攻撃したが、昨夜イスラエル軍はガザ地区のロケット発射地を空爆した。

エジプトの情報筋によると、政変が起こってムルシ大統領が失脚させられたのを機に、シナイ半島にイスラム主義聖戦主義者が流れ込み、数千人に達しているとの情報がある。

これらは、①武器商人のシナイ半島ベドウィン、②ガザ地区からのパレスチナ人、③イエメンやアフガニスタンから来た聖戦主義者。シリアにいるアルカイダ系グループアル・ヌスラもシナイ半島入りしている。

まず狙われているのがクリスチャン(コプト教)。祭司らが殺されて斬首。その首を遺体の上に置くというのはアル・ヌスラの特徴だという。

<エジプトで死者100人以上>

エジプト軍は、今朝からいよいよ武力で、ムルシ大統領支持派の一掃をはじめた。治安部隊がビルの上から射撃しているという。死者数は混乱しているがBBCは100人以上と報じている。さらにシナイ半島にイスラム主義者が流れ込んできそうである。
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今夜囚人釈放へ 2013.8.13

 2013-08-13
イスラエルは12日夜中、釈放すると約束したパレスチナ人の囚人104人のうち、最初に釈放される26人の名簿を発表した。釈放はその48時間後、すなわち今夜夜中(日本時間14日早朝)に実施されるみこみとなった。

ただし、不祥事が発生した場合はただちにとりやめとなるので、13日午前0時の時点で、まだ釈放の正確な場所や時間は発表されていない。

名簿によると、26人は、1993年以前からイスラエルの刑務所にいるテロリストで、全員1人以上のイスラエル人を殺している。中にはホロコースト生存者を殺した者、おので殴り殺した者など凶悪犯ばかりである。

26人のうち14人がガザへ、12人が西岸地区へ釈放されることになっている。現在、囚人を南部ガザ行きと西岸地区行きと2か所に集めるなど、刑務所では準備が始まっている。

イスラエルは2年前に、ハマスに拉致されたシャリート兵士と交換にパレスチナ人1027人を釈放したことがある。このうち殺人などで終身刑の者は280人だった。

その犯人の1人に父を殺されたダーハンさん母娘は、「痛みは大きかったが、シャリート兵士が戻ってくるならと、なんとか慰めをみいだした」という。ところが今回はまったくなんの見返りもなく、平和への希望もないところに凶悪犯の釈放である。犠牲者家族らは泣き叫びながら「釈放するな」と訴えていた。

名簿が発表された翌朝12日、犠牲者家族は不服申し立てを出した上、テルアビブなど釈放反対デモを行ったが、釈放は実施される方向である。

<不服、しかし祝祭準備のパレスチナ側>

パレスチナ側のアッバス議長は、発表された名簿を見て、期待していた者たちの名前がないとして落胆ぎみだという。また26人のうち、半数以上が西岸地区ではなく、ライバルのガザへ戻されるのである。これはアッバス議長のめんつを十分立てたことにはならない。

しかし、釈放される者たちの家族としては数十年ぶり、中には終身刑でもう帰ってこないと思っていた息子や父たちが帰ってくるのである。ラマラでは大歓迎のための準備がはじまっている。

こうした祝祭が行われないよう、イスラエルは夜中の釈放にしたのだが、やはり大々的な歓迎になりそうである。
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イスラエル:どたんばで1200戸の建築許可 2013.8.13

 2013-08-13
囚人名簿が発表される直前の11日、どたんば、どさくさにまぎれて!?イスラエル政府は、入植地、東エルサレム地域のユダヤ人家屋1200戸の建築許可を出した。巨大な犠牲を払っての囚人釈放であるため、イスラエル側も大きな見返りが必要というところか。

イスラエルは先週にも約1000戸の建築許可を出したばかりで、世界中が「なぜまた今?」とイスラエルに対して非難ごうごうである。

パレスチナの和平交渉代表エレカット交渉担当官は、「イスラエルに譲歩する気がないということを現している。こちらにも容認の限度がある。」と訴えた。

しかし、今回、建築許可の出た地域をみると、ピスガット・ゼエブやハルホマなど問題にはなっている地域ではあるが、すでにエルサレムの一部的に機能している地域であり、西岸地区や東エルサレムのパレスチナ人密集地区に大きく食い込んでいるわけではない。

イスラエルは、基本的にエルサレムの主権はイスラエルにあると考えている。そのエルサレムの、しかもユダヤ人しかいないような地域での建築に何の文句があるか、というところである。

しかし、パレスチナ側にすれば、それらのユダヤ人地域自体がパレスチナであるはずと主張しているので、建築許可が大きな問題になるのである。

ケリー国務長官は、「こういう事は予想されていたことだ。」として、これで交渉のテーブルにつかないというようなことには絶対にならないよう、とにかく交渉をつづけるよう、双方に伝えた。(和平交渉2回目は明日14日予定)

*ネタニヤフ首相速攻で職場復帰

へそヘルニアで手術を受けたネタニヤフ首相だが、すでに職場復帰している。昨日は首相官邸にて療養中のところ、ドイツ外相と会談。

EUの1967年よりパレスチナ側にあるイスラエル人の活動をボイコットするという最近の政策について、平和を促進することにはならないと訴えた。
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エイラットでまたロケット攻撃 2013.8.13

 2013-08-13
13日深夜1時ごろ、エイラットでミサイルの警報がなった。ミサイルは、7月に配備されたばかりのアイアンドーム(迎撃ミサイル)が撃墜。

これはもし迎撃ミサイルがなかったら、市街地に着弾していたことを意味する。(ミサイルは高価であるため、空き地に着弾と計測されたら発射しないしくみになっている)発射元はシナイ半島か。

被害はないが、ショックで病院に運ばれた人が2人。
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北米からまた移民331人:直行従軍125人 2013.8.13

 2013-08-13
今日、また北米から移住者331人が到着する。このうち125人は、イスラエル軍へ直行して戦闘員になるなど従軍直行型である。

今回、子どもは88人。独身者は47人。イスラエルはますます若い国になる。今回もファシリテーターはネフェシュ・ベネフェシュ。
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ネタニヤフ首相ヘルニア緊急手術 2013.8.11

 2013-08-11
10日夜、ネタニヤフ首相が急な腹痛を訴えて入院。へそヘルニアと診断され、緊急手術となった。手術は局所麻酔で約1時間。退院は12日午後と予定されている。

11日午前中の閣議では、13日に最初に解放されるパレスチナ人の囚人26人の最終確認が行われる予定。ヤアロン国防相がネタニヤフ首相に代わって議長を務める。

もしネタニヤフ首相に何かあった場合は、ヤアロン国防相が全権を代行することになっている。
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イスラエルがシナイ半島で攻撃か??? 2013.8.11

 2013-08-11
8日、シナイ半島のイスラエルとの国境、ガザに近いラファのエジプト側で、イスラエルへむけて発射準備をしていたミサイル発射地点が攻撃され、聖戦主義グループとみられる戦闘員が、少なくとも4人が死亡した。

これについて、エジプトの治安筋が、イスラエルのドローン(無人軍用機)の攻撃だったとロイターに伝えたため、当初そういう形での報道となった。

しかし、後になり、攻撃にはエジプト軍がイスラエルに協力していたとか、シナイ半島の聖戦グループが否定するなど様々なところから、いろいろな情報がでてきて、実際の経過は不明である。この間、当のイスラエルは、コメントを控え、しらんぷりをつづけた。

しかし、もし本当にイスラエルが攻撃していたとしたら、1979年のエジプトとの和平条約に反してイスラエルがエジプト領内を攻撃したことになる。明らかな条約違反になり、両国の関係に深刻な影を落とすことになる。

10日になり、イスラエルのヤアロン国防相が、「イスラエルはエジプトの主権を尊重している。うわさ話で和平条約をおびやかすことは許さない。」との公式発表を行った。

しかし、8日にはエイラットの空港を一時閉鎖しており、この攻撃との関連を否定できないことも事実である。いずれにしても、シナイ半島での聖戦主義グループの活動が活発になっており、イスラエルにとっては危険名状況でであることには変わりはない。
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中東のアメリカ領事館業務再開へ 2013.8.11

 2013-08-11
深刻なテロの可能性があるとして、中東各国で閉鎖していたアメリカ領事館・大使館は、イエメン以外は今日から業務を再開することになった。イエメンは、まだ警戒態勢が続いている。
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イスラエルでポリオ・ウイルス 2013.8.11

 2013-08-11
先週、イスラエル南部でポリオ・ウイルス、キャリアの人が37人いることが確認され、南部の子どもたちへの生ワクチン接種が始まっていた。

ところが、イスラエルの中央部にある町、ロッドとラムレの下水からもポリオ・ウイルスが検出されたため、厚生省はワクチン接種を南部だけでなく、全国の9才以下の子ども全員を対象に施行する方針に切り替えた。

ワクチン施行は18日から始まることになっている。しかし、親たちの中には、安全性を疑問視する声もある。ワクチンについては強制ではないことと、夏休みで海外に出ている子どもたちも多いので、どのぐらい接種に来るかは不明。

なお、イスラエル人の98%は不活性ワクチン(生でなく抗体をつくるだけ)を受けており、これまでに実際の発症例はない。

<ポリオワクチン>

ポリオとはすなわち脊椎生小児麻痺のこと。日本では60年代に大量に患者が発生し、生ワクチンの一斉投与で流行を押さえた経過がある。生ワクチンは緊急時に使うと効果がある。

しかし、生ワクチンから、少ないが(100~200万人に1人)感染するケースもあり、2012年からは日本でも生ではなく、不活性化ワクチンの接種へ切り替えることになった。
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人工肉で正統派もチーズバーガーの可能性 2013.8.13

 2013-08-11
オランダで世界初の人工肉(牛などの細胞から人工的につくりあげた肉)によるハンバーガーが発表された。イスラエルではさっそく、この肉はコシェルかどうかの論議が始まっている。

コシェルとはユダヤ教の食物規定に合っている食品のこと。ユダヤ教では、肉と乳製品を一緒に食べてはいけないという律法があるため、チーズバーガーはアン・コシェル、つまり禁である。

しかし、人工肉は、肉のようで肉ではないため、もしそれ自体がコシェルと判断されれば、正統派もはれてチーズバーガーを食べられるようになる。これは画期的である。

人口肉がコシェルかどうかの判断だが、まずは細胞を取った牛が、規定にそったとさつ法で死んだ牛かどうかが問題となる。もしそうであればその人工肉はコシェルと判断され、チーズバーガーへ一歩進む。

しかしこの件については、同じ正統派でもハバッド派は、「元になる細胞が肉からきているのだから、人工肉は肉である」と主張し、意見が分かれている。
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入植地建築許可で和平交渉・微妙 2013.8.9

 2013-08-09
和平交渉2回目は来週14日、イスラエルで、続いて1週間後にエリコで予定されているが、少々微妙な雲行きになっている。

イスラエルは、今週初頭、国の補助を受ける「国家優先地区」に決まった600の認定市、町などを発表した。その中には、西岸地区の91入植地が含まれる。無許可の前哨地だったところが、入植地扱いとなり、優先地区に認定されているところもあった。

さらに昨日、西岸地区の入植地約1000軒分の建築許可を出した。このうち、実際の建築許可は147軒で、約950軒は、国防省が許可を出すという、いわば予備許可である。つまり、実際の建築までにはまだ多数の段階が残されているということ。

これらに対し、パレスチナ自治政府のエレカット交渉担当は、アメリカに対し、イスラエルには譲歩する意志がないとして不満を訴えている。アメリカも、和平交渉の障害になるとして懸念を表明している。

<たまたま今になっただけ?建築許可>

昨日紹介したゴールドスミス夫妻のイタマルでは、これより前に建築許可がおりて、すでに土地のボーリングが始まっている。

イスラエルでは、こうした建築許可は、一日で急に下りるのではなく、様々な段階を経て、様々な省庁から許可を得なければならない。イタマルでも実際の建築までには15年かかったという。

従って、今回の許可も、今に始まったことではなく、長い経過の中で、ちょうど今許可が下りる運びになったということなのである。しかも950軒はまだ国防省の段階でまだまだ先は長い。

また、先の国の国家認定地区の補助だが、逆に認定を却下され、これから国の補助を受けられなくなった入植地もある。

ベイタール・イリットは、西岸地区(1967年ラインよりパレスチナ側)にあるユダヤ教正統派の入植地。今回、認定をはずされたため、国の社会保障を受けられなくなった。住民らは、政府は正統派に厳しすぎると不満をぶつけているところである.
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