イスラエル南部に迎撃ミサイル配備 2014.12.26

 2014-12-26
http://www.jpost.com/Israel-News/IDF-deploys-Iron-Dome-near-Netivot-Beersheba-in-wake-of-rising-Gaza-tensions-385834

ガザを支配するハマスは、地下トンネルを復活させ、表面的にもイスラエルに対する敵意をエスカレートさせている。

国境には、バンカーらしきものができ始めて、南部住民を不安にさせているとのニュースが流れていたが、水曜朝、ガザとイスラエルの間の防護壁で、メンテナンス作業をしていたイスラエル軍兵士が防弾服を外したところを射撃された。兵士は重傷となっている。

イスラエル軍は直ちに激しい砲撃で反撃。ハマスの司令官1人が死亡した。ヤアロン国防相は、「ガザの復興を妨害したくはないが、やられたらやりかえす方針は変わらない。」とコメントしている。

一方、ハマスは、撃ったのはハマスではないと主張。あたかもイスラエルが挑発していると言わんばかりに、「イスラエルは危険な火遊びをしている。」と言っている。これについて、ネタニヤフ首相は、ガザからの攻撃の責任はハマスにあるとの認識を改めて語っている。

ガザからは先週にもイスラエル南部にロケット弾が着弾し、イスラエルは夏の戦争以来初めてとなる空爆を行った。ガザとの戦争は時間の問題との見方が広がる中、イスラエル軍は万が一に備えて、ベエルシェバとネティボットにアイアンドーム(迎撃ミサイル)を配備した。
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エルサレム周辺:パレスチナ人のテロ 2014.12.26

 2014-12-26
1)国境警備隊兵士ら刺傷

エルサレムを中心にパレスチナ人のテロが相変わらず発生している。イスラム教徒の礼拝日にあたる金曜、神殿の丘に最も近いライオン門で警備にあたっていた国境警備隊の兵士2人(19才、35才)が、パレスチナ人にナイフで刺された。

2人とも軽傷だったが、ライオン門は一時的に閉鎖され、犯人追跡が行われているが、まだ捕まっていないもようである。

2)走行車両への火炎瓶:11才少女30-40%火傷で重傷 http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4608030,00.html

昨日、西岸地区入植地エル・マタンに向かっていたイスラエル人の車両にパレスチナ人が火炎瓶を投げつけた。これにより、父親の運転する車に乗っていたアヤラちゃん(11)が顔や上半身に30-40%火傷の重傷で、生死をさまよっている。父親は軽傷。

アヤラちゃんは先月、同じ道路で母親の運転する車に乗っていてパレスチナ人の投石の被害にあっていた。この時は無事だったのだが、今回は被害に会ってしまった事になる。

アヤラちゃんの母親によると、アヤラちゃんは、バルイラン大学で、特に頭脳明晰な子供たちのプログラムで学んで自宅に帰る途中だったという。

事件は、パレスチナ人の町カルキリヤの近くで発生したが、この前日、イスラエル軍がカルキリヤでパレスチナ人12人を逮捕したところだった。

<パレスチナ自治政府と国連安保理>

パレスチナ自治政府のアッバス議長は、先週、国連安保理に2年以内にイスラエルが西岸地区から完全撤退する案を含む独立案を提出したが、採択については、来年3月のイスラエル政府の総選挙が終わるまでは棚上げされることになった。

いずれにしても、アメリカが拒否権を発動するので、この案が通る可能性は0に近いという。しかし、アッバス議長はロシアのプーチン大統領に近づくなどして、ニュースに種になった。プーチン大統領は、「一方的な独立ではなく、イスラエルとの対話を通さなければならない。」とする手紙をアッバス議長に送っている。
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クリスマスで観光客7万人 2014.12.26

 2014-12-26
イスラエルは微妙な治安状況だが、今年もクリスマスシーズンだけでイスラエルを訪問する観光客は7万人と推測されている。

クリスマスイベントを行うのは、主にベツレヘムとナザレで、24日には、クリスマスイブのイベントが行われた。

両市とも、住民の大多数はイスラム教徒なのだが、クリスマスは言うまでもなく年間で最大の観光イベントである。ベツレヘムもナザレも、市のイベントとして、ツリーの点灯式や、クリスマス・バザールなどのイベントが12月初頭から行われた。

イスラエル側でも、観光省が、24日の正午から24時間、ベツレヘムの検問所までのシャトルバスを走らせ、(パレスチナ側との強調はない)利用客には小さなギフトを渡すなど、双方ともサービス合戦である。

しかし、パレスチナ人の福音派のスティーブ・コーリー牧師は、ベツレヘムでもナザレでもクリスチャンは減る一方で、イスラム教徒によるクリスマスイベントは、年々商業的になっているとの現状を訴えている。

<イスラエルの観光の現状>

2014年にはガザとの戦争の影響で、昨年より観光客は7%減少するとみられている。とはいえ、昨年の観光客は記録的な数字で、354万人だった。

このうち、53%と半数以上はクリスチャン。そのうちの約半数の49%はカトリックとなっている。プロテスタント(主に福音派)は、28%。

国別にみると、1位はアメリカ、2位はロシア、3位はイタリア。アジアでは、インドネシアがトップで12位。次が韓国で15位。中国からの観光客が急増しているが、まだリストには現れていない。

*ロシアのルーブル安について

イスラエルに来る観光客の第二位はロシアからだが、ロシアの通過ルーブルがこの5ヶ月ほどの間に半値になったことは日本でもニュースになっている通りである。今後、ロシアからの観光客が減る可能性がある。

ロシアのルーブルの価値が急に下がったのは原油の値段が急落したからだが、ひょっとしてISISが、原油を安く売りさばいているせいもあるのではないかとは、筆者の勝手な想像・・。いずれにしても世界経済に大きな影響を及ぼす可能性があるので、注目されるところである。
http://news.mynavi.jp/column/economytsubo/007/ (ルーブル安について/日本語・わかりやすい)
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中東のクリスマス 2014.12.26

 2014-12-26
中東のクリスチャンたちは、今年、ISISの出現で、初代教会以上の試練とも言われる残虐な道を通って来た。法王フランシスは、クリスマスの挨拶の中で、シリア、イラクなど中東のクリスチャンを覚え、「皆様の今年のクリスマスは痛みと涙の中にあることでしょう。」と語っている。

法王は、クリスマス直前に、イラクのクリスチャンたちに手紙も出している。BBCは、モスルからヨルダンに逃れたイラク人クリスチャンの礼拝の様子を報じていた。

<シリア・イラクは今どうなっているのか> 

アメリカを筆頭とする連合軍が空爆を行い、地上では、クルド人勢力が戦っている。一部の地域で、クルド人勢力が町を解放したというニュースもあるが、ISISは着々と国作りをすすめているようである。

厳しい冬になり、外国から加わったものの、戦いに耐えられなくなって帰国しようとした外国人100人を殺害したなど、残虐なニュースは相変わらずである。

昨日は、ヨルダン軍機がなんらかの原因で墜落(ISISは撃墜を主張)し、ヨルダン人パイロットが捕虜になった。家族は、「同じイスラム教徒なのだから、あわれんで助けてほしい。」と訴えている。

エルサレムポストによると、イスラム国は、考古学的に貴重なモスルの教会などを破壊するとともに、教会内にある重要な考古学的遺産を、コレクターに販売。これまでに2300万ポンド(4306億円)の収入を得たとみられる。

さらに教会を支配して、クリスチャンを拷問する場にしているという。

http://www.jpost.com/Christian-News/ISIS-is-turning-churches-into-torture-chambers-in-Iraq-and-Syria-385511
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ガザからロケット弾:イスラエル軍反撃 2014.12.20

 2014-12-20
EUがハマスをテロ組織リストから削除したばかりだが、19日正午頃、イスラエル南部エシュコル地方でサイレンが響き、ガザからのロケット弾が着弾した。http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4605646,00.html

空き地だったため、被害はなかったが、イスラエル軍は、20日深夜0時すぎ、ガザのカン・ユニス難民キャンプにあるハマス訓練地域を空爆した。今のところ、負傷者の報告はない。

ガザからのロケット攻撃は、夏の戦争以来、これで3度目。イスラエルの反撃はこれが初めてである。イスラエル軍のラーナー報道官 は、「イスラエルは市民を脅かすものを放置しない。責任はハマスだ。」と正式のコメントを出した。

Yネットによると、ハマスはイスラエルに続くトンネルを再建しており、イスラエルへ侵入した上でのテロ攻撃に備えているとの懸念もある。
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4605504,00.html

ガザとイスラエル南部の国境付近では、ハマスが戦闘員を訓練する砲撃音、イスラエルへの侵入の試みなどが散発しており、南部住民らは、「ガザとの戦争は時間の問題。政府は何もしていない。」と政府のガザ対策に不満を訴えている。
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ビデオ報道「The war next door(隣の戦争)/VICE News」2014.12.20

 2014-12-20
ISISに関する内部からの生々しい情報を映像で報道しているVICE Newsが、ゴラン高原で、シリア人負傷者の救出を行っているイスラエル軍の様子を取材、ネットに流している。こうしたイスラエル軍の映像が、イスラエル以外のメディアによってネット上に流されるのは初めて。

ゴラン高原で救出の後、病院において治療を受けている兵士らにインタビューも行っている。イスラエルで治療を受けたシリア人は、その事実がばれると、シリアに帰ったときに殺されるので通常は隠されるのだが、ここでは、顔まではっきりと映されている。

VICE Newsは、イスラエルが助けたシリア人戦闘員は約1300人で、その90%は男性であると伝えている。イスラエルが助けているのは政府側か、反政府勢力を助けているのか、イスラエルは、特定の反政府勢力と契約しているのではないか、もしそうなら、イスラエルの益は何かと、問題視しているようである。

救出しているのが90%男性という情報については事実かどうかは不明。ビデオの中でイスラエル人医師が、今は市民のみを対象にしていると言っているが、今年4月にCGNTVオリーブ山便りでとりあげた時の取材でも、救出されているシリア人負傷者の多くが子供たちだと聞いた。

実際のところは不明だが、イスラエルは、ユダヤ教の影響から、敵味方関係なく、命を何よりも優先する国である。誰であろうが死のうとしている負傷者は、とりあえず助ける。それが政治的にややこしい者であってもである。(ハマスのハニエ首相の親族もイスラエルで治療を受けた)

もしそれでイスラエルが見返りを期待していることがあるとすれば、イスラエルを憎むよう教えられて来たシリア人たちの意識が変わることぐらいだろう。ちなみに、イスラエルはそれを期待するだけで、無理矢理変えようとする動きは一切ない。

オリーブ山便りの取材では、最初は怖がっていた負傷者も、退院のころにはすっかりイスラエル人たちにうちとけ、むしろ退院したくないと言うと医師たちは語っていた。同じ中東でも、ここがアラブとイスラエルの大きな違いである。

●VICE News : 今はパート2までだが、5まで続く予定 https://www.youtube.com/watch?v=G785kB8OKcU

●CGNTV オリーブ山便り #47 2014/4/11(後半部分) シリア難民とイスラエルの病院:医師らの証言あり
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*CGNTV最新版では、総選挙情報とともに、ネタニヤフ首相のフルコメントを含むユダヤ基本法をとりあげています。ぜひごらんください。
http://japan.cgntv.net/newsub.asp?pid=2751&gubun=0309
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反イスラエルに傾くヨーロッパ 2014.12.19

 2014-12-19
<EU : ハマスをテロ組織リストから削除> http://www.bbc.com/news/world-middle-east-30511569

EUの司法裁判所は、17日、ハマスをテロ組織リストから削除すると発表した。理由は、リストアップしたときに、ハマス自体を十分調査せず、国際世論やインターネット情報に流されての決定だったからと説明している。

ただし、今すぐリストから削除するのではなく、3ヶ月は保留期間とし、ハマス資金の凍結などは継続する。3ヶ月以内に不服申し立てがない場合、EUはハマスをテロ組織リストから削除することになる。ハマスはこの動きを歓迎するとの声明を出した。

*ハマスはテロ組織ではないのか!?

EUがテロ組織リストから削除を決めたハマスだが、実際には、イスラエルへのテロ活動を強化する動きが明白だ。

最近、新しいミサイルの発射実験を複数回行っている。また、先週、組織27周年を記念する軍事パレードを行い、ミサイルなどを並べ、子供たちにも軍服を着せて、その戦力を誇っている。どれもイスラエルとの戦いを誇示するものである。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4603331,00.html (写真多数、宣伝ビデオあり)

一方、ハマスは、ガザ地区の復興については何もしていない。ガザの難民たちはがれきの中で寒さに震え、学校建物に避難している人は、まだそのまま避難生活を続けている。

ハマスが、国際社会の要請に従って国境の警備と管理をパレスチナ自治政府に明け渡そうとしないため、約束された復興資金が、まだほとんど送金されていないのである。

パレスチナ人で自らも難民キャンプ出身の、人権保護運動家エイド・バッサム氏によると、建物の復興に使われるはずのセメントの一部は、イスラエルからガザに運び込まれたのだが、そこから先の行き先は不明だという。

セメントは、復興に使われず、地下トンネルになっているとバッサム氏は指摘する。バッサム氏は、ハマスの関心はイスラエル打倒だけで市民は眼中にないと怒りを訴えている。http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4557777,00.html

また、「今のままでは、資金の多くは、UNRWA(国連パレスチナ難民保護機関)を経由してハマスに流れ、市民には十分届かない。UNRWAの改革が必須だ。」とも訴えている。

こうしたハマスの実情について、ネタニヤフ首相は、ハマスは、イスラエル市民を攻撃するだけでなく、パレスチナ市民にも被害を与えるダブル犯罪だと訴えている。なぜEUが、今、テロ組織リストからハマスを削除したのか、理解に苦しむところである。

<EU議会:基本方針としてパレスチナ国家承認> http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/188767

ヨーロッパでは、議会が国に対してパレスチナを国と認めるようすすめる決議をとる国が相次いでいるが、17日、EU(ヨーロッパ連合)の議会でもパレスチナ国家を認めるかどうかの採択が行われた。

結果、賛成498、反対88という大差で、承認することが決まった。ただし、左派陣営が主張していた「直ちに無条件でパレスチナ国家を認める」ではなく、「基本方針としてパレスチナ国家を認める。」という妥協型承認である。

この決議に直接の実効力はないものの、ヨーロッパのパレスチナ国家承認への世論が高まりつつあることを現しており、国家承認をめざすパレスチナ自治政府にとっては大きな支持基盤になりうる。

問題は、こうしたヨーロッパでのパレスチナ国家支持決議が、当事国であるイスラエルには何の連絡もないまま行われているという点である。パレスチナ国家承認という”概念”だけが、現状をかけはなれたところで、一方的に、国際社会の風潮になりつつある。

実際に、パレスチナが国家として独立するにはまずは隣国イスラエルも同意する国境線をひいて、土地を2つに分けなければならない。しかし、現地に立てば一目瞭然だが、実際には、国境線を引きようもないほど、両者は入り組むように隣り合って住んでいる。

国境線をひいて2つに分けることなど、不可能といってもよいほど、事は複雑なのである。アッバス議長はそれがわかっているからこそ、もはや当事者同士の話し合いに見切りをつけ、国際社会の圧力で、一方的にイスラエルを排除しようとしているのである。

ヨーロッパ諸国は、実際の現場を見る事もなく、遠くから、机上の判断や独自の倫理観だけで、単純にパレスチナ国家承認と言っているということである。

<イスラエルの反応>

イスラエル外務省は、「パレスチナ国家設立については、イスラエルとパレスチナが直接交渉してはじめて成立する事であり、第三者が認めるかどうかといった問題ではない。」とのコメントを出している。

ネタニヤフ首相は、海外からの報道陣に対して、「ヨーロッパはなんと偽善的か」と非難。「ヨーロッパには600万人のユダヤ人の犠牲というホロコーストの歴史がある。しかし、そこから何も学んでいなかったようだ。」とのコメントを出した。
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パレスチナ:国連安保理にイスラエル撤退決議要請 2014.12.19

 2014-12-19
http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Jordan-presents-draft-of-resolution-on-Palestinian-state-to-UN-385006

EU議会がパレスチナ国家承認の決議を出した17日、あくまでもイスラエルとの交渉なしで国家設立をめざすパレスチナ自治政府は、一方的に国境線を決めて、国連安保理に承認の採択を要請する手続きに踏み切った。

それによると、イスラエルは2年以内に、1967年の軍事境界線まで撤退することとなっている。つまり、2017年までに東エルサレムを含めて西岸地区全体から、イスラエルは完全に撤退せよということである。

この案は、ヨルダンが支持し、アラブ同盟も、賛同するものである。アメリカが拒否権を発動するとみられるが、アメリカはすでに拒否権を使いすぎており、これ以上の行使は遠慮したいところ。

そこで、パレスチナが安保理に要請を提出するのに先立ち、先週、ケリー米国務長官が中東巡回を行い、ローマでネタニヤフ首相と会見した他、アラブ同盟代表、パレスチナ自治政府のエレカット代表などと交渉を行った。

しかし結果的に、アメリカの意向に反して、パレスチナ自治政府は、国連安保理への訴えを実行したということである。

実際には、結局アメリカが拒否権を行使すると予想されるため、決議は今回も保留、棚上げになる可能性が高い。いずれにしても、国際世論が、さらに反米的、反イスラエル的に傾くことは避けられない。

また、16日、パレスチナ自治政府特使のリヤド・マンスーラ氏は、ジュネーブの国連国際法廷122加盟国の前で、非加盟オブザーバー国として認定されて以来初めてとなる短いスピーチを行った。「将来、加盟国になればイスラエルを戦犯として国際法廷に訴える。」と発言した。
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大揺れのイスラエル政治:中道巻き返し?・ユダヤ教政党分裂? 2014.12.19

 2014-12-19
イスラエルをとりまく国際情勢が、徐々に反イスラエルになっていく中、次期政権が右派か左派になるかで、今後の外交、防衛に大きく関わることになる。そのため政府内部はかなり大揺れとなっており、先行きがみえにくい状態が続いている。

<中道・経済派巻き返し?>

ネタニヤフ首相が右派勢力で固めようとする中、労働党ヘルツォグ党首が、リブニ元法務省と組んだことで、左派勢力が右派ネタニヤフ首相を打倒する可能性が出て来たことはお知らせした通り。

しかし、今、中道もまた巻き返しの可能性があるとのニュースが出回っている。未来がある党のラピード元財務相が、新党クラヌを立ち上げたカフロン氏と組むのではとの動きがあるのである。

両者は、共に社会派である。もし、国民の支持を得る事ができれば、このラピード・カフロン組が、右派も左派も押さえて、最大議席をとることになるという。今後の動きに注目される。

<ユダヤ教政党シャス分裂?>

ユダヤ教政党シャスの元党首エリ・イシャイ氏が、シャスを出て、新党「ヤハッド(一緒)」を立ち上げた。

シャス党では、2010年、汚職問題で服役していたアリエ・デリ氏が釈放されると、当時まだ生存中だったシャス創始者のラビ・オバディア・ヨセフは、党首の座をイシャイ氏からデリ氏に移行させた。以来、イシャイ氏の立場が微妙になっていた。

イシャイ氏は、随分迷ったといいながら、新党立ち上げの記者会見を行った。実際には、カリスマでまとまっているユダヤ教政党シャスが分裂する事はありえない。単にイシャイ氏が出て行ったという感じで終わる気配がある。

一方、デリ党首導くシャス党は、正統派ユダヤ教徒の女性で数々の業績を残しているアディナ・バル・シャローム氏 (故ラビ・オバディア・ヨセフの娘)を取り込むことに成功した。

バル・シャローム女史は、ユダヤ教正統派の女性の間で絶大な支持基盤がある。新党クラヌのカフロン氏が、選挙名簿にスポットを提供し、正統派女性の地位向上をすすめていたという。

しかし、バル・シャローム女史は、女性を選挙名簿に載せないシャス党に残る道を選んだ。これで正統派女性の票はほとんどシャスに流れることになる。正統派女性の地位向上が遠のいたと残念がる声もある。http://www.haaretz.com/news/israel-election-2015/1.632398
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平和なハヌカとその背景にあるもの 2014.12.19

 2014-12-19
イスラエルでは16日日没からハヌカの祭りが始まった。エルサレム中心街では、巨大な電動式ハヌキヤ(9本枝のろうそく)にクレーンに乗ったラビが毎夜、一本づつ点火している。

町には、カラフルなスフガニヨット(揚げパン)が並び、学校や、公民館などでは、子供たちのための楽しいイベントが行われている。

昨夜は、ネタニヤフ首相が海外メディア、記者らを集めて、ハヌキヤに点灯するという毎年年末恒例の催しが行われた。

イスラエルでは、2015年は新年ではないし、クリスマスも祝わない。しかし、イスラエル在住の外国人記者らに配慮して、毎年こうした催しが行われるのである。

イベントでは、ハヌカを祝うとともに、政府プレスオフィスとネタニヤフ首相から、クリスマスの祝辞と新年の挨拶が述べられた。

1)テロの状況と治安部隊の活躍

イスラエルでの平和なハヌカの背景には、相変わらず治安部隊の活躍がある。

先週金曜、エルサレムとベツレヘムの間の60号線で、パレスチナ人が車内にいるイスラエル人7人に酸性物質をかけて、負傷させた。母親とともに車内にいた小さな女の子3人も手足に負傷している。犯人は治安部隊に撃たれて身柄を確保された。

諜報機関は、15日、イスラエル領内に潜んでいたテロ分子を5人を逮捕していたことを明らかにした。そのうちの一人ヤスミン・サアバン(31)は、西岸地区のジェニンの住人で、妊娠と偽って、医療目的で許可を得てイスラエルに入り、テルアビブで自爆テロを計画していた。

16日、パレスチナ人の15才少年が、エルサレム南部グッシュ・エチオンのヒッチハイクポイントで、大きな包丁を持っているところを未然に発見され逮捕。少年は、「シオニスト」を殺そうと思ったと自供している。

16日、過激派はパレスチナ人だけではない。ユダヤ教過激派グループ・レハバのメンバーが、その指導者とともに、各地で計9人逮捕された。諜報機関の10ヶ月にわたる調査の末の逮捕だったという。

このグループは、今月初頭、ユダヤ人とアラブ人が共学する学校に放火した3人組が所属していたグループで、極端なユダヤ主義カハネ(1990年代に暗殺された指導者)を信奉している。

アラブ人、パレスチナ人に対するテロを計画していたもようだが、逮捕された者たちに、反省の様子は全くない。http://www.jpost.com/Israel-News/Head-of-Jewish-extremist-group-Lehava-arrested-with-9-others-384787

2)深刻:イスラエルの貧困問題 http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4604261,00.html 

国家保険機構などの調査によると、2013年の貧困者率は、2012年から若干下がったものの、18.6%だった。人数でいえば、総人口825万人中、160万人が貧困線以下の生活をしている。つまりほぼ5人に1人。

貧困者は主には子だくさんのアラブ人とユダヤ教正統派家族だが、最近うなぎのぼりの家賃、福祉カットなどで、一般ユダヤ人家庭でも、収入より出費の方が多い人が増えたという結果になっている。

特に高齢者では、年金をもらっているのだが、家賃と医療費を払ったら食費が残らない。慈善事業の食料配布に頼らざるをえなくなっている。食料配布場では、とりあいのようになって食料を持って帰るという。http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4605291,00.html

* アラブの村にとらわれるユダヤ人女性たち http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/188739

仕事がみつけにくい地方の貧困も深刻だ。最近、問題としてクローズアップされたのが、ベエルシェバなどの地方の貧困家庭の若いユダヤ人女性が、ベドウインやアラブ人男性の甘い言葉とプレゼントにつられて、男性らの村に引き込まれているケースである。

女性たちは、最初男性たちはユダヤ人だとだまされて、恋愛関係になり、村についていく。するとそのまま麻薬中毒にされて売春せざるを得なくなり、家に帰れなくなるのである。そういうユダヤ人女性が全国で2万人はいるとみられている。

女性たちは、一応は自分の意志で男性について村に入り、自分の意志で、もう家には帰れないと判断しているため、法的に救出することは難しい。まずは女性たちが自分で解放は可能だと知らなければならない。

救出団体は、若い女性たちに「ばらの花によるテロがある」と警告する一方、被害女性たちを救出する活動を行っている。これまでに350人を救出したという。

平和に見えるハヌカの背景にも様々な課題が潜んでいる。イスラエルの貧困家庭の若い女性たちを覚えてとりなしをお願いしたい。
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パレスチナ自治政府閣僚の死 2014.12.12

 2014-12-12
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4602214,00.html

10日、ラマラ近郊で、入植地に反対するデモを行っていたパレスチナ人と、それを止めようとしたイスラエル軍兵士たちがもみあいになった。この直後、デモを導いていたパレスチナ自治政府閣僚のジアド・アブ・エイン氏(55)が、突然座り込み、病院に搬送されてそのまま死亡した。

パレスチナ人たちは、当初、イスラエルの催涙弾が原因だと主張。アッバス議長は11日のうちに「イスラエルの犯罪だ。イスラエルとの治安維持協力を保留にすると表明するに至った。

一連の様子はビデオに撮影されていたが、前後がなく、催涙弾が使われたかどうかなどの状況はわかりにくい。また、エイン氏が座り込んだ時に左胸部に手を置いていることなどから、持病から来る心臓発作が原因である可能性も否定できなかった。

そこで、昨夜、イスラエルとパレスチナの専門家に、ヨルダンの専門家が立ち会って、死因解明のための解剖が行われた。結果、「兵士ともみあいになって、首をつかまれた時のショックで、心臓発作を起こした」との見解で一致した。

しかし、その心臓発作の原因について、パレスチナ側は、「イスラエル軍兵士に首をつかまれたことが誘因」とイスラエルの責任を強調する形で報告。一方、イスラエルは、「すでに80%閉塞していたエイン氏の冠動脈が、ストレスを受けて閉塞した。」と、すでに疾患があったという点を、明確にする形での発表を行った。

ところで、エイン氏らが行っていたデモは、投石などの暴力的行為ではなかったようである。イスラエル人の入植地に抗議するため、前哨地(Outpost)と呼ばれる開拓前状態の場所(たいていは違法)付近に、「パレスチナ人の土地にパレスチナ人が木を植える」と訴えて、木を植えようとしていたのである。

どういうわけで、治安部隊ともみあいになったのか、今後、イスラエルは、綿密な調査を行うと言っている。しかし、パレスチナ人たちは納得していない。「これは入植地を広げる占領政策の犯罪だ。」「ひどいテロ軍隊だ。」と叫んだ。こうなると、なにがなんでも暴動の理由になるといわざるをえない。

11日、ラマラでは、数千人の群衆が参列する中、エイン氏の葬儀が行われた。とりあえず落ち着いていた暴動が再燃する可能性が懸念されたため、イスラエルはラマラに最も近いエルサレムのユダヤ人地区周辺に治安部隊を配備した。幸い、暴動にならずに葬儀が終わったようである。

現在、イスラエルとパレスチナの間には正式なコミュニケーションがない。昨年、全力で和平交渉をすすめたあげく、失敗に終わったケリー国務長官も、今はさじをなげた形である。

しかし、このままでは、どうにもならない。パレスチナ人との関係をなんとかしなければならないということは、イスラエル人ならだれでも感じている点である。これからの方針を決める総選挙が間もなく行われるのも、いわばタイムリーな国民投票ということのようである。
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左派・労働党+リブニ氏決定/右派と左派の対決へ 2014.12.12

 2014-12-12
http://www.jpost.com/Israel-News/Politics-And-Diplomacy/Livni-Herzog-expected-to-announce-unity-deal-at-Tel-Aviv-press-conference-384248

来年3月の選挙をめぐって、すでにテレビでも毎日、政治家たちの動きや世論の統計状況などが報道されるようになっている。

注目されていたのは、今回、ネタニヤフ首相(65)に解任された元法務相のツィッピー・リブニ氏(56)の身の振り方。リブニ氏は、かつては第二の女性首相になるかとも言われ、珍しくクリーンで、支持率も高い政治家である。

昨年は、パレスチナとの交渉担当をつとめた。厳しくもハト派のイメージがあり、パレスチナ自治政府、またアラブ諸国全般においても、比較的、受け入れがよい。彼女を取り込む党が次期選挙で優勢になる可能性がある。

このリブニ氏をめぐって、最大野党で左派の労働党ヘルツォグ党首(54)と、今回、リブニ氏と共にネタニヤフ首相に解任された、未来がある党のラピード党首(51)が、ラブコールを送っていたが、最終的にリブニ氏が選んだのは労働党だった。

10日夜、ヘルツォグ氏とリブニ氏(ハツナ党)は、協力して選挙に臨むと共同記者会見を行った。ヘルツォグ氏によると、もしこのチームで、最多数議席を獲得できた場合、首相職2年の任期を分け合うことで合意しているという。

つまり、ヘルツォグ氏がまず前半の2年間、首相となり、後半2年は、リブニ氏が首相になる。また、リブニ氏率いるハツナ党には、選挙名簿に、計3つのポジションが約束されている。

<左派と右派がとんとんの接戦へ>

労働党は明らかに左派。リブニ氏自身は中道だが、今回、中道でも左派よりを選んだということである。これで、右派に傾くネタニヤフ陣営に対して、かなり強力な左派勢力が誕生したことになる。

チャンネル2の世論調査によると、現時点で、ヘルツォグ+リブニ組の予想獲得議席は24、ネタニヤフ首相のリクードは23。

もし、ネタニヤフ首相が、全右派勢力とユダヤ教政党を連立に取り込めた場合、予想獲得議席は72(国会120議席)。一方、左派勢力が、右派以外の中道やアラブ政党もすべて取り込めた場合の予想獲得議席は71。いずれも過半数になり、政権が右派から左派へ変わる可能性は十分ある。

ネタニヤフ首相は、こうした左派勢力の動きに対し、来年1月に予定されていた、リクード党内選挙(党首と選挙名簿を決める)を12月30日に前倒しで実施すると発表した。党内に協力なライバルがおり、党内選挙が早ければ早いほど、対抗勢力が不利になるからである。

しかし上記発表がなされた11日夜、党内から最有力の対抗馬とみられていたギドン・サル氏(48)は、出馬しないと表明した。サル氏は、つい最近、「家族との時間を持つ。」としてしばらく政治からの休養宣言を行ったばかりだった。

右派陣営では11日、元リクードのカフロン氏が、自らが率いる新党を「クーラヌ(みんな)党」だと発表し、来年3月の選挙への意欲を見せた。

カフロン氏は、国民の支持率が高いので、立ち上がったばかりでも9議席は取ると予想されている(チャンネル2データ)。カフロン氏は、右派のイスラエル我が家党(リーバーマン党首)と共同キャンペーンを行うことで合意している。

<中道の言い分>

リブニ氏を獲得できなかったラピード氏の未来がある党の獲得議席は19から8に下がると予想されている。しかし他党との共同キャンペーンには走らず、自分はあくまでも中道であると主張。イスラエルは、今は右か左かの両極端に走るのはやめるべきだと訴えている。

ラピード氏によると、選挙の後の3月後半に、エジプトでアラブ同盟(穏健派)の会議が行われる。

アラブ同盟は、パレスチナ自治政府に対して大きな影響力を持つ組織。膠着しているパレスチナ人との交渉を再開するには、ある程度譲りながらも、イスラエルに有益な形で、アラブ同盟に交渉再開をすすめてもらわねばならない。

そのアラブ同盟の会議直前の選挙で、両極端に走り、チャンスを失ってはならないと中道・ラピード氏は訴えている。しかし、ラピード氏が政権をとるチャンスはほとんどない。

日本では、何党が政権をとっても、国民の暮らしにほとんど変わりはないが、イスラエルの場合、どんな政権かで、国の存続、ひいては自分や、家族の命にまで関わる事態にまで発展する。

国民は、引き続きネタニヤフ首相の右より運転を選ぶのか、労働党の左より運転に方向転換を望むのか、難しい選択をせまられることになりそうである。
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シリア領内空爆でヒズボラ2人死亡か:イスラエル空軍 2014.12.9

 2014-12-09
7日夜、シリアとレバノンのメディアが、イスラエル軍8機が、シリア領内を空爆したというニュースを流した。

情報によると、空爆を受けたのは、ダマスカス近郊の国際空港と、レバノンとの国境に近いディマ。両地点は、高度な地対空ミサイルS-300の倉庫とヒズボラへの搬入拠点だったとみられる。

8日になり、アラブ系メディアは、この攻撃で、ヒズボラ関係者2人が死亡したと伝えた。

S-300は、ロシア製で、もしヒズボラの手にわたれば、イスラエルとヒズボラの力関係を”逆転”させる可能性があるとして、数年前から問題になっている武器。すでにロシアからシリア(アサド政権)へ一部は搬入されたとみられている。

イスラエルはこの武器が、ヒズボラの手にわたるのを防ぐため、諜報機関を最大限働かせて破壊工作を行っている。これまでにすでに複数回、シリア内外での空爆を実施している。ただし、イスラエルは肯定も否定もしていない。

今回も、イスラエルのステイニッツ情報相は「危険は国外にあるうちに対処するという原則は変わらない。」とコメントしながら、攻撃を否定も肯定もしなかった。

<混乱極めるシリアの力関係>

シリア・イラクでは、ISISに対し、アメリカと有志国が、空爆を続けているが、先週イランが、アメリカに相談もなく、イラク領内のISISを空爆したと確認されている。

一方、今回、イスラエルが、攻撃したといわれているのは、ISISに敵対するシリア、アサド政権の陣営。イランは「イスラエルが、ISISを支援している証拠だ。イスラエルは事情を説明せよ。」と訴えている。

なお、イスラエルはシリアの内戦やISISの問題には、関わらないという方針を続けている。今回、もしイスラエルがシリアを攻撃したとすれば、言うまでもなく、ただ自国の治安を守るという目的のためだけである。
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国会解散・総選挙続報 2014.12.9

 2014-12-09
先週、ネタニヤフ政権が崩壊し、国会も今日の採択で正式に解散が決まった。総選挙は来年3月17日。すでに、それぞの政党が、だれを党首にするのか、またどの党と組んで、どんな選挙名簿を作成するのか、様々な策略を展開しはじめている。

ネタニヤフ首相は、国会で過半数の支持を得て、時期政権でも続投できるよう、ユダヤの家などの右派系政党と、ユダヤ教政党シャスに味方につくようアプローチしている。

今回、ネタニヤフ首相に解任されたラピード財務省は、「ネタニヤフ首相は国民と遮断されている。水族館に住んでいるのではないか。」とかなり辛辣に非難。次期選挙では、ネタニヤフ首相は必ず失脚すると宣言している。

現在、ネタニヤフ首相の右傾化に対し、中道左派とよばれるグループができ始めている。左派の労働党ヘルツォグ党首が、今回法務相から解任されたリブニ氏をとりこみ、中道左派グループを成立させようとしているのだが、もしこれが軌道にのれば、この党が議席数23を獲得し、ネタニヤフ首相を破る可能性があるという。

また、以前リクードにいたが、今は脱退し、独自の新党を立ち上げたカフロン氏がいる。カフロン氏は、電話代を大幅に引き下げるなど、国民からは、「やり手」として大きな支持を受けている。この新党がどこへどうころぶのかも注目されている。

来年、イスラエルがさらに右傾化するのか、中道左派になるのかで、パレスチナ交渉から、周囲国や、世界との関係にも大きな違いが出て来る。総選挙まで、激しい論議になると思われる。
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ガブリエル・ナダフ神父の息子イスラエル軍へ入隊 2014.12.9 

 2014-12-09
http://www.jpost.com/Christian-News/Father-Nadafs-son-joins-IDF-383653

次回の総選挙で大きな変化に直面しているのは、イスラエル在住アラブ人たちを代表する(はずの)アラブ系政党である。

ネタニヤフ政権は、総選挙について新しいルールの法案化に成功していた。それによると、最低3.5%を得票していない党は、議員を出すことができなくなったのである。

現在、アラブ系政党は、反イスラエルのものと、イスラエルを認める党まで、小さな党が乱立している。これらが、全部一つにならない限り、3.5%の得票は難しい。つまり、議員を一人も出せない可能性がなきにしもあらずなのである。

ネタニヤフ首相が、先月、「イスラエルはユダヤ人の国」と定義する法整備をすすめると提唱すると、イスラエルの人口20%のアラブ人社会からは、「民主主義に反する」として、激しい反発が出ている。

そんな中、数年前から、イスラエルがユダヤ人の国であることをはっきりと認めた上で、イスラエルで生まれ育ったアラブ人クリスチャンの若者にイスラエル軍への従軍の機会を与えてほしいと訴えてきたのが、ナザレのギリシャ正教・ガブリエル・ナダフ神父である。

ナダフ神父の運動で、年間30人だったアラブ人クリスチャンのイスラエル軍への従軍は、150人にはねあがった。この12月4日には、ナダフ神父の息子のジュブランさんが、イスラエル軍に入隊した。ジュブランさんは戦闘部隊配属を希望している。

ナダフ神父は、「ユダヤ人の国、イスラエルが私の国。中東で信仰を自由に守ることができるのはイスラエルだけだ。国のために働くのは当たり前だ。」と、息子の入隊を心から喜んでいる。

しかし、こうした考えから、ナダフ神父もジュブランさんも、アラブ人からの暴力を受けるなどの反発を受けていることはお伝えして来た通り。
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共存を守れるか:スーパー・ラミ・レビ 2014.12.5

 2014-12-05
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4599791,00.html

エルサレムから車で8分の入植地・マアレイ・アドミムに隣接する産業地域ミショール・アドミム。パレスチナ人を数百人雇用するユダヤ人企業ソーダストリームがあるなど、ユダヤ人とパレスチナ人が、共に働く町である。

その町のスーパーマーケット・ラミ・レビで、買い物に来ていたユダヤ人男性2人が、パレスチナ人テロリストにナイフで切られるというテロが発生した。

テロリストは、16才の少年1人だった。事件発生とともに、店員たちと、たまたま居合わせた非番の首相府警備員が、銃で犯人の足を撃ち、すみやかに逮捕となった。

被害にあった男性2人は頭を切られるなど中等度の負傷。現場には血が飛び散っていたが、さすがはイスラエル。すみやかに清掃し、2時間後には、すでに大勢の客でにぎわう、いつもと変わらぬラミレビに戻っていた。

なお、エルサレム周辺では、この他にも、グッシュ・エチオンで、パレスチナ人女性(22)が、ユダヤ人男性を刺して逮捕され、今日は、検問所にナイフをもって近づいて来たパレスチナ人女性(16)が逮捕された。「ユダヤ人を殺そうと思った。」と自供している。

<ラミ・レビ社長:共存は守る>

パレスチナ人によるテロが頻発する中、エルサレムでは、アラブ人を解雇したり雇わなくなる傾向が始まっている。

数週間前にシナゴグを襲ったテロリストの出身地ジャベル・ムカバに隣接する地域では、新しいタクシー会社が立ち上がった。ちらしに「安息日休業。運転手は全員軍隊上がり」と書かれている。つまり、ユダヤ人運転手のみで安心という意味である。

今回被害にあったスーパーラミ・レビ(ユダヤ人経営)は、日本で言えば、マルアイとかマルナカ(関西四国地方・食品中心の大手格安スーパー)で、エルサレムを中心に各地に店舗がある。安いので人気のスーパーである。

ラミレビは、ユダヤ人従業員とともに、多数のアラブ人従業員を雇用している。特にミショール・アドミム店舗は西岸地区にあるため、従業員にも買い物客にもパレスチナ人が多数いる。従業員は毎日顔を合わせ、来る客もだいたい決まっているので、家族のようなものだとラミレビ社長は語る。

ラミ・レビでも、最近のテロの増加で、アラブ人従業員の雇用の見直しへの圧力がかかっているという。しかし、社長は、「共存は守る。人種に関わらず雇用する。フランスやヨーロッパでユダヤ人を拒絶されたくないのと同様、私はパレスチナ人を拒否したくない。」と決意を語っている。

<ユダヤ人負傷者を助けたパレスチナ人> http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4599639,00.html

今回のテロでは、ラミ・レビで働いているパレスチナ人も、負傷したユダヤ人の救出を手伝っていた。そのうちの一人は、暴動スポットの一つ、東エルサレムのシュアハット在住で、なんと6月にユダヤ人過激派に殺されたアラブ人少年の従兄弟だった。

「私は戦争をしているわけではない。傷ついた人を助けるのは当たり前だ。私の家族はみなそういう教育を受けている。暴力は暴力をうみ、平和は平和を生む。将来、状況が変わり、こうした事件がなくなることを願っている。」と語った。

読者には、こうしたテロで、恐れを感じているのはユダヤ人だけではないということをお伝えしたい。一般のパレスチナ人たちは、ユダヤ人からの報復や、仕事を失うことを恐れて生活している。

ユダヤ人もパレスチナ人も、大部分のごく普通の一般庶民たちは、テロに関わっておらず、日々の平穏を願っているだけである。なんとか、共存が成立している町に、テロという水を差してもらいたくないものである。
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エイラット北部パイプライン破損:大量の重油流出 2014.12.5

 2014-12-05
水曜夜、アシュケロンとエイラットを結ぶ石油のパイプラインが、自動車がぶつかったと見られる事故で損傷し、大量の重油が、イスラエル南部、エブロナ自然保護区(エイラット北部20キロ)砂漠に流出した。

数時間で損傷は修復したものの、数百万リットル(大型タンカー40台分)の重油が砂漠の中に黒い川のように流出している。ハアレツ紙によると、その長さは7キロに及ぶ。

激しい原油のにおいはヨルダンにまで広がった。ヨルダン政府によると、アカバ(エイラットの隣)では80人が呼吸困難で病院へ搬送されたという。イスラエルでは国道90号線が、50キロ手前で、通行止めとなった。

今後まずは、原油に引火するなどの危険性を排除し、燃やすか、化学反応による中和、物質の除去と除染をしなければならない。しかし、あまりにも広範囲に重油が流出しているため、元の自然に戻すには年単位の時間がかかるとみられる。

また、汚染された地域は、自然保護区で、珍しい植物やは虫類、鹿、鳥類が生息する地域だった。これらの生物が影響を受けることは避けられず、重油除去作業で地形も変わってしまうことになる。イスラエル史上最悪の自然破壊になった。

アルーツ7によると、こうした自然への損失とともに、流出した原油の損害は、600-700万シェケル(約2億円)、その後の重油撤去、自然のリハビリテーションも含めると、損害額は、3000万シェケル(約9億円)とみられている。

なお、このパイプラインは1957年にイランからヨーロッパへ原油を送るパイプラインとして作られたが、近年、アシュケロンとエイラットを結ぶパイプラインとして使われていた。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/188270#.VIFbPKW9DCs (写真あり)
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第33代ネタニヤフ政権崩壊・国会解散・総選挙へ 2014.12.3

 2014-12-04
発足当時からやや不安定だった現ネタニヤフ政権だが、最近になって、治安問題や、2015年度予算、ユダヤ国家法案など様々な課題が山積みとなり、連立政府内部での対立が激しくなっていた。

先週くらいから、連立政権が崩壊するのではないかと懸念されていたが、ネタニヤフ首相がついにキレて、2日、特に批判的な態度をとってきたヤイル・ラピード財務相と、ツッピー・リブニ法務相を解任するに至った。

2人と同時にラピード氏の「未来がある党」に所属するパイロン教育相、ギルマン健康相など5人の閣僚も退任することになる。これにより、第33代ネタニヤフ政権は崩壊となった。

ネタニヤフ首相は2日夜、「連立政権なのに、常に合意できないようでは国を導くことはできない。政府を一新する。」と国民に説明した。

これを受けて3日、各党指導者と国会議長が国会の解散・総選挙について採決をとった結果、第19代国会の解散も決まった。総選挙は来年3月17日の予定。

今回の政権が成立したのは、2013年3月。わずか2年足らず、イスラエル史上2番目に短い政権となった。
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4599094,00.html 

<今後の動き>

現在、国会120議席中、最大与党はネタニヤフ首相のリクード(20議席)で、その次が今回、解雇されたラピード党首の未来がある党(19)だった。

ラピード氏と未来がある党は、大幅に議席を失い、現在3位のナフタリ・ベネット経財相のユダヤの家党(12議席)が議席を伸ばすと予測されている。リクードとユダヤの家党の2党は1月初頭に党首党内選挙を行うことになっている。

これらの党の党首のいずれかが、時期首相になる可能性が高いため、イスラエルでは注目されることになる。その後、各党が国民に対してキャンペーンを展開する。

3月17日の総選挙で最大議席をとった党の党首に対し、リブリン大統領が時期内閣政府を構成するよう指名する。その党首は、各党と交渉し、3ヶ月以内に、国会120議席中過半数を占める連立政権を立ち上げる。

議席の割合に応じて、時期政権のポストが決まり、大統領の承認を得て正式発足ということになる。つまり、3月17日に総選挙が行われたとしても、正式に次期政権が立ち上がるのは、最悪来年6月になる。

<次期政権予想> http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4599139,00.html

時期政権がどんな政権になるかの予想だが、Yネットによると、ネタニヤフ首相は首相のまま残留。

今回、解雇されたラピード財務相とリブニ法務相はそれぞれ内閣ポストを失い、その分、右派のユダヤの家党ベネット氏、同じく右派のイスラエル・我が家党のリーバーマン氏が、それぞれ外務相や、財務相といった重要ポストに収まる。

前回、野党になったユダヤ教政党シャスが与党に返り咲く。というわけで、時期政権は、今より右となり、世俗からユダヤ教強調路線になる。いいかえれば、ネタニヤフ首相は、扱いにくい非右派系の閣僚を首尾よく排除したということである。

次期政権では、おそらく入植地政策がさらに進められるだろう。「イスラエルはユダヤの国」という法案も今より通りやすくなる。そうなると国内のアラブ人、パレスチナ人との確執はさらに深まることになる。

というわけで、Yネットは、次期政権で、イスラエルの情勢がよくなるとは考えにくいと批判的である。

<政府・国会解散の影響> http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4598771,00.html

イスラエルは、今は選挙をやっている場合ではない。第三インティファーダもささやかれるほど、テロや暴動が発生している。

ネタニヤフ首相が、Jewish National Bill (イスラエルはユダヤ人国家と基本法にもりこむ法案)の審議を提唱してから、アラブ人の怒りが沸騰しはじめている。

またなによりも、2015年度の予算案が承認されていないままである。本来は年末までに承認を得て、2015年が始まるはずだったのだが、国会が来年6月になって発足した場合は、予算案も最悪来年7月か8月まで承認されないことになる。

1年の半分以上が終わったところで予算承認というのもおかしな話。これは、ラピード経財相が、ミドルクラスの人々を支援するとして必死に立ち上げた経済改革案が、事実上、水に流れたということである。

なお、予算が承認されないまま2015年が始まった場合、今年の出納に応じて、各省に月ごとに必要資金が分配されることになる。実質入金が減るため、新しいプロジェクトがすべて保留になる。

特に若い夫婦が家を購入する場合、付加価値税を免除するという計画があと一歩のところまでになっていたのだが、これもしばらく保留となり、多くの若い夫婦が、家探しをまたやり直すということになる。

総選挙では15億シェケル(約450億円)の費用がかかると予想されている。このような資金を費やして今総選挙にする事に対し、疑問視する記事が少なくない。
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パレスチナ国家承認へ向かうヨーロッパ 2014.12.3

 2014-12-04
ヨーロッパがじわじわとパレスチナ国家の承認に向かい始めている。スエーデンはすでに正式にパレスチナ国家を承認。

イギリス、スペインの議会もそれぞれ、”象徴的”とする投票を行い、どちらもパレスチナ人の国家を承認することで過半数を超える合意となっている。

続いて、フランス議会も同様の投票を行った。結果は、賛成339、反対151でパレスチナ国家を承認するべきとの結果になった。
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4598862,00.html

こうしたヨーロッパ各国の議会での”象徴的”承認は、いずれもまだ実行力はないが、アッバス議長が国連で国家承認を訴えた場合に大きな支持基盤になると考えられる。

INSS(国家治安研究所)の中東問題主任ウディ・デケル氏は、イスラエル政府がこうかつにすすめている入植地拡張政策を、一旦停止し、パレスチナとの和平交渉に少しでも前進を見せるべきだと主張する。

今のまま西岸地区の入植地を拡大した場合、テロに理由を与えることになり、世界もパレスチナ国家承認へすすみ、イスラエルは孤立すると警告している。

デケル氏は、先月末、もしネタニヤフ首相が国会を解散し、来年総選挙になれば、パレスチナとの交渉というエネルギーも集中力も要する対策は、とれなくなると懸念していた。残念ながら、イスラエルは、デケル氏が懸念する道へと進んでいるようである。

<フランスの反ユダヤ主義>

フランスでは反ユダヤ主義暴力が悪化しているが、今週、パリのユダヤ人居住区の家に3人の強盗が入り、19才、21才のユダヤ人カップルが襲われて、縛り上げられ、金品が奪われ、女性は暴行された。

犯人は、「お前がユダヤ人だからだ」といって犯行に及んだという。家にいるのに襲われたことで、ヨーロッパのユダヤ人たちはショックを受けている。

今年、イスラエルへの移住した人々の最大出身国はフランスである。まだフランスにいるユダヤ人は、早くイスラエルへの移住を決断した方がよさそうである。
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