緊急:ユダヤ人テロでパレスチナ人赤ちゃん死亡 2015.7.31

 2015-07-31
昨夜31日深夜2時頃、西岸地区ナブルス北部のパレスチナ人の町で、民家2軒への放火があり、眠っていた1才半のアリ・ダワブシェちゃんが死亡。両親と兄弟(4才)も重傷で現在、イスラエルの病院で治療を受けている。

4才の兄弟は、すでに蘇生措置が行われるなど、非常に危険な状況。アリちゃんを助けようとして燃える家に入って行った母親も、全身の90%が3度の熱傷で、非常に危険な状態だと病院医師は語っている。

激しく焼失したダワブシェさんの家屋の近くに、ダビデの星とともに、ヘブライ語で、「復讐。メシアが長く生きるように。」という落書きが残されていた。犯行は、ユダヤ人過激派”入植者”によるテロ、いわゆる値札行為とみられている。

ネタニヤフ首相は直ちに声明を発表。「これはどうみてもテロだ。イスラエル政府は、テロ行為を行う者は、誰であれ、断固とりしまる。イスラエル人すべてを代表し、遺憾と追悼を申し上げ、負傷したご家族が速やかに回復されるよう祈る。」と語った。

一方、パレスチナ自治政府は、「このテロの責任はイスラエル政府にある。」とする声明を発表。ハマスは、今日、イスラムの礼拝日である金曜日を、「怒りの日」と宣言。「イスラエル兵と入植者を攻撃せよ。」と報復する構えを明らかにした。

この他、ここ数日、西岸地区において、パレスチナ人による投石事件はほぼ毎日となる一方、イスラエルの治安部隊によるテロリスト相当作戦が行われ、各地で抵抗するパレスチナ人との衝突が発生。一人二人と、パレスチナ人が続け様に3人射殺される事件も発生している。

今日はイスラムの礼拝日である金曜である。イスラエルは数千人の治安部隊を派遣し、犯人の捜索を続けるとともに、暴動やテロに備えて、現在、最高度の警戒態勢に入っている。

まずは、重傷となっているパレスチナ人家族の回復のためにもとりなしが急務。また、一刻も早く犯人が逮捕されるとともに、今後、大きな紛争やテロに発生しないように。

西岸地区のユダヤ人入植地に住む人々、過激なユダヤ人の若者の他、一般の過激でない人々も覚えて、とりなしをお願いしたい。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4686046,00.html
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エルサレム・ゲイパレートでユダヤ人テロ:6人刺される 2015.7.31

 2015-07-31
昨日30日、エルサレムでは、ゲイ・プライド・パレードが行われた。テルアビブと違い、宗教的なユダヤ人の多いエルサレムには、これに反対するユダヤ教徒が、暴力的なデモを行う可能性がある。

昨日も、警察官、国境警備隊などが文字通りうようよする中、パレードが行われたのだが、途中で正統派ユダヤ教徒とみられる男性が、大きなナイフをもって群衆の中へ切りかかり、6人が負傷する騒ぎとなった。

事件が発生したのは、パレードが動き始めてから15分ぐらいだっただろうか。急に4-5台の救急車と警察の車両がけたたましいサイレンを鳴らして、群衆をかき分けて通り過ぎて行った。

「水をさす」とはまさにこのことである。皆の顔から一気に笑顔がなくなった。呆然としている。そのうち、それぞれがiPhoneのニュース速報をチェックしたり、家族に無事を知らせると思われる電話をしはじめた。

現場にかけつけると、もう6人が搬送された後で、テレビ局が現場中継を行い、目撃者のインタビューが行われていた。

ナイフを持った犯人はその場で逮捕され、後に正統派のイシャイ・シュリーセルと発表された。イシャイは、2005年にもエルサレムでのゲイ・パレードで同様の事件を起こし、3人を負傷させていた。

その罪で12年の実刑判決を受け、10年近く服役し、数週間前に釈放されたばかりだった。イシャイは、今回の犯行の2週間前に、「主の御名によって殺しに来た。このような(ゲイ)”冒涜”には、たとえたたかれても排除することがユダヤ人の義務である」と、明らかな殺意を手紙に書き残していた。

負傷した6人のうち2人は、翌日の31日、まだ重傷と伝えられたままである。

こうした事件が発生した場合、日本ならばパレードはすぐに中止となるところだが、さすがはイスラエル。

負傷者が搬送され、事が落ち着いたのは10分ぐらいだっただろうか。現場を通過するパレードは、そのまま再開となった。とはいえ、皆の顔は一様に不安でしおれたまま。iPhoneに向かったり、電話しながら、黙々とを歩くといった感じだった。

<エルサレムとテルアビブの全く違うゲイパレード>

エルサレムのゲイ社会とテルアビブのゲイ社会は様相がかなり違っている。

テルアビブでは、半裸状態で露骨な性表現は放送できないほどで、パレードする人もビールを飲みながらといった肉欲の固まりだが、エルサレムでは、半裸の人はおらず、ビールもなし。

肉欲を満たすことではなく、ゲイの人々を受け入れるべきであるとするいわば、民主的なデモ行進の色調が強いのである。

パレードへの参加人数も、テルアビブが、10万人であるのに対し、数千人程度。虹色の旗をかかげ、数人の女装した性転換の男性(女性)や、いかにもゲイカップルとともに、ゲイではない人々も多数いる。

中には、「ユダヤ教徒で、ゲイをサポートするグループ」といった看板を掲げ、赤ちゃんをつれて歩いている普通の若い家族連れや、小学生ぐらいの孫二人をつれた70才近い、上品な女性もいた。

この女性は、息子がゲイで中国人男性と結婚していると語った。孫二人は、ゲイではない娘夫婦の子供たちなのだが、虹色の旗を掲げ、おばあちゃんとともに、ゲイをサポートするとの主張である。

パレードの終点、ベルパークでは、ステージが設置されていた。事件があった直後だけに、人々の表情は沈んでいる。主催者で司会の男性(女装)も、真剣な表情で、「こんなことがあっても、ゲイ・コミュニティはエルサレムから出て行かない!」ともりあげていた。

エルサレムの副市長(副市長は8人いる)のオフェル・ベルコビッツ氏は、「今日のような事件があると、ゲイへのサポートはもっと増える。エルサレムは、テルアビブとは違う。ゲイの人も含め、すべての人々の権利を守ることに全力を尽くす。」と語った。

シオニストを象徴する青いシャツに身を包んだティーンエイジャーのグループは、それぞれが「ゲイです」とか「トランスジェンダーです」とか語り、ユースムーブメントでもゲイを受け入れてほしいと訴えた。

ラビ・ベニー・ラウは、「神はあなた方を愛しています」と群衆に訴えていた。

その会場から歩いて5分のところにある旧鉄道駅広場では、別の群衆が、夏のコンサートを楽しんでいた。ゲイ・パレードの群衆よりちょっと年配と、小さな子供をつれた家族連れである。

レストランはどこも満席である。すぐ近くで、刃物によるテロがあったとはだれも知らない様子で、夕涼みといったところ。治安部隊にとっては、実に忙しいエルサレムの夏がはじまっている。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4686002,00.html
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ベテル:ユダヤ人入植者とイスラエル軍衝突 2015.7.31

 2015-07-31
エルサレムから車で40分ほどのところにあるユダヤ人入植地ベテル。このコミュニティーには、土地がパレスチナ人個人の土地の上に建てられているとして、問題になっているビルが2つある。

そういうわけでこのビルにはだれも住んでいないのだが、国と対決するベテル住民にとっては、象徴的な意味がある。このビルは、昨年、最高裁からいったん撤去処分が決まったものの、入植地側では、「法的な所有権を得ている」との訴え、そのままになっていた。

その建物について、今回、最高裁が改めて、「これらの建物は、違法に建てられている。撤去を命じる。」との判決を出したのである。

これを受けて、入植者の若者らが建物に立てこもり、28日、撤去作業前にやってくる治安部隊と衝突となった。
翌日は、住民を巻き込むデモが発生。負傷者の報告はないが、衝突は暴力的となった。

その29日、治安部隊は、こもっていた若者たちを引きずり出し、2つの建物はイスラエル政府の派遣したブルドーザーで破壊された。

また、これに平行し、サマリア地方北部のサヌールでも右派入植者勢力と治安部隊が衝突し、催涙弾を使用するに至っている。

ネタニヤフ首相は、入植者たちの怒りを鎮めるため、補償として、ベテルに住宅300軒の建築許可を与えると発表した。しかし、ネタニヤフ首相の場合、同様の約束をしておきながら、アメリカの圧力が来るとすぐに約束を反古にすることが何度かあった。

そのため、ベテル住民は、もはや、ネタニヤフ首相を信用できないと語っている。そのため、ベテル住民は、ネタニヤフ首相の300軒建築許可の話が来ると、即刻、300軒建築のための礎石を設置したと伝えられている。

ベテル在住の友人によると、こうした微妙な政治状況ではあるのだが、ベテル住むことを希望する人は順番まちで、もし本当に300軒が建てば、すぐにでも入居者はいるとのこと。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/198770#.Vbtg_6UWnA8

<社会学者ヤイル・シェレグ氏の分析>

今年は、2005年に、イスラエル政府がガザからユダヤ人コミュニティ9000人を強制撤去させてからちょうど10年になる。ベテルでの様子は当時を彷彿とさせる光景だった。

ガザのユダヤ人コミュニティにいた人々の中には、まだ仮設住宅にいる人も少なくない。農園を手放し、農業に戻れるとの政府の約束も守られないままになっているという。

この10年の間に、住宅の価格は2-3倍に跳ね上がった。もともと家を買うには少なすぎる政府からの補償金である。もはや、トレーラーハウスとよばれる仮設住宅から出て行く希望は持ち得ない状況となっている。

この人々は、政府の奨励を受けてシナイ半島、続いてガザで開拓を行った宗教シオニストのパイオニアたちである。政府に奨励されて0から開拓したにもかかわらず、政府に撤去を命じられたことは、理由はなんであれ、まさに「裏切り」以外のなにものでもなかった。

そのため、宗教シオニストたちが、このガザ撤退を境に、政府への信頼を失い、政府へのデモが徐々に暴力的になってきている。今後、その傾向は悪化し、パレスチナ人との衝突もエスカレートするとシェレグ氏は分析、懸念していると語った。
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イスラエル空軍:シリア軍関係者3人殺害か 2015.7.31

 2015-07-31
シリア国営放送によると、29日午前、イスラエル軍が、ゴラン高原クネイトラのシリア側にいた車両を空爆。シリア軍関係者3人が死亡したもよう。

さらに午後には、イスラエル軍のドローンがシリア軍を支援するPFLP(パレスチナ解放人民戦線」の武器庫を破壊し、6人が負傷したとレバノン筋のメディアが伝えた。

イスラエル軍はいつものようにノーコメントである。イスラエルはこうした奇襲作戦をこれまでにも何度も行っているとみられている。

<ISIS攻撃にトルコも本格介入か>

シリアと国境を接するトルコは、これまでアメリカが主導のISIS攻撃には、協力しない立場をとってきた。ところが、先週、ISISの自爆テロによってトルコ市民32人が死亡した事を受けて、シリア領内への空爆を複数回実施した。

さらにトルコは、アメリカ軍に対し、国境付近の空港の使用を認めた。アメリカ軍のシリアへのアクセスが大きく改善する。両国は共にISISを攻撃するとみられる。

トルコとアメリカは、シリアとの国境に飛行禁止、緩衝地帯を設ける作戦をすすめているもようである。

しかし問題は、トルコが攻撃してるのが、ISISだけでなく、そのISISと戦っているクルド人勢力をも攻撃していることである。朝日新聞によると、イラク北部への空爆でPKK関係のクルド人190人が死亡している。

トルコは、国内のPKK(クルディスタン労働党)と歴史的に敵対しており、今回シリアへの介入の目的は、ISIS壊滅ではなく、PKKの壊滅ではないかと、クルド人たちは反発している。

http://www.asahi.com/articles/ASH702D00H70UHBI009.html
トルコと様々なクルド人勢力、ISISとの関係図説:BBC http://www.bbc.com/news/world-middle-east-33690060
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ティシャ・ベ・アブと第三神殿 2015.7.25 

 2015-07-25
イスラエルでは7月25日の日没から26日の日没まで(日本では日曜日)ティシャ・ベ・アブと呼ばれる神殿崩壊記念日となる。この日は、第一、第二神殿の崩壊だけでなく、スペインからのユダヤ人追放など、ユダヤ民族への歴史的な悲劇が重なった日とされている。

敬虔なユダヤ教徒は断食して低いイスか床に座り、喪に服す。トーラー(聖書)を読む事は喜びにつながるため、悲惨ぎみの書であるエレミヤ書、哀歌、ヨブ記以外は禁止である。タルムードの中の喪についての学びはOK.一般の喪に服す詩を読む習慣もある。

敬虔なユダヤ教徒は、この日に至るまでの9日間、肉や酒などのごちそうを避け、ひげも剃らず、身をいましめる生活をしているが、この日は特に身をいましめるのである。

しかし、この日が終わったあとの安息日にはイザヤ書40章の「慰めよ。慰めよ。私の民を。」の箇所を読み、将来のあがないに思いをはせるという。https://www.alephbeta.org/tisha-bav#history

<神殿への思い>

神殿崩壊記念日なので、当然、西壁は満員になる。また、毎年のことであるが、第三の神殿の建設を主張するTemple Instituteのグループが、今年もティシャ・ベ・アブに神殿の丘へ上がる準備を進め、ユダヤ人たちに参加を呼びかけている。

このグループの主張は、神殿の丘はユダヤ人の聖地なのであるから、ここに神殿を再建するべきだというものである。現在、神殿で捧げものになる赤牛を開発しているのもこのグループである。

これに対し、パレスチナのイスラム・グランド・ムフティは、「アルアクサ(神殿の丘のこと)に過激なユダヤ人を立ち入らせ、”汚れ”を持ち込んではならない。無理にでも入るなら宗教戦争になる。」と、ティシャベアブの日のユダヤ人の入場を阻止する構えである。

イスラエルの治安部隊は、両者の衝突を避けるため、通常はユダヤ人の方を神殿の丘へ上がらせないのであるが、今年もこの日、26日(日)、大きな衝突にならないよう、とりなしが必要である。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/198580#.VbJzz6W9BCs

<なぜユダヤ人は神殿の丘へ入れないか:モシェ・ダヤンが悪い!?>

神殿の丘は1967年の六日戦争でイスラエルの主権下に入った場所である。それなのに、なぜイスラムが管理するようになったのか。

六日戦争の記録フィルムを見ると、確かに、イスラエル兵が神殿の丘を制覇している。しかしその直後、なぜかイスラエル軍は神殿の丘ではなく、嘆きの壁で祈っている。

これはこの当時の総司令官モシェ・ダヤンが、神殿の丘制覇の直後に、ヨルダンのイスラム・ワクフにその地の権利を譲り渡してしまったからだという。

一般的には、アラブ世界を敵にまわす事を避けたと、理由付けされているが、しかし、この時、イスラエル軍は、アラブ5カ国軍に対し圧倒的な勝利を収めていたのである。エジプトには戦闘機はもう残っていなかった。

ならば、イスラエルがアラブの反撃を心配して、神殿の丘を明け渡す理由はなかったはずである。

現在、嘆きの壁はイスラエル政府が任命した超正統派のラビ・ラビノビッツが管理を行っている。超正統派は、神殿が正確にはどの位置にあったかが不明である以上、ユダヤ人が不要に足を踏み入れて至聖所をけがさないようにするとして、神殿の丘へ上がることを禁じている。これはつまり政府の政治的方針でもあったわけである。

これを受けて、超正統派以外のユダヤ人や、考古学者たちの中には、「モシェ・ダヤンは世俗派だったので、神殿の丘の重要性がわかっていなかった。今ユダヤ人が神殿の丘で祈る事もかなわず、またユダヤ人にとって最も重要な神殿の発掘もできないのは、モシェ・ダヤンの失策が原因だ。」と考えている人もいる。

しかし、だからといって、ほとんどのユダヤ人は、強硬に神殿の丘へ入ることはない。入るのは上記Temple Instituteの一派ぐらいである。しかし、心の中では、「ユダヤ人にとって最も重要な場所は西壁ではない。神殿こそ大事なのだ。西壁はたんに神殿の外のさらに外側の外壁に過ぎない。」と思っている人もいるということである。

いずれにしても、イスラム教が、今神殿の丘を管理できているのは、ひとえに、戦いに勝ったイスラエルの将軍モシェ・ダヤンがその鍵を彼らに譲ったからである。

とするならば、日本人的には、ユダヤ人が祈るといって入ってくるのを、イスラム側が、断る立場にもないようにも思えるところである・・・。

<西岸地区で1日の内にイスラエル軍がパレスチナ人2人を射殺か>

ほとんどニュースにならないが、イスラエル軍は西岸地区で、テロリストの掃討作戦を日常的に行っている。その中で、23日、24時間の間にパレスチナ人2人がイスラエル軍によって射殺されたもようである。(イスラエル軍は状況を精査するとコメント)

パレスチナ人宅へ踏み込めば、争いや暴動になるのは当然で、その時にパレスチナ人に発砲する機会もどうしても出て来る。すると若いパレスチナ人の若者が死亡してしまうのである。

こうした事件が重なるたびに、パレスチナ人のイスラエルへの憎悪も積み上がって行く。かといってテロリストをとりしまらなければ、イスラエル人がテロで殺される。難しい悪循環である。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Palestinian-man-50-dies-in-clash-with-IDF-troops-in-West-Bank-409904 
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ベイト・シェメシュ近郊で大規模山火事 2015.7.25

 2015-07-25
24日午後5時ごろから、エルサレムから車で30分、ベイトシェメシュ近郊で大規模な山火事となっている。国道44号線が通行止めになった。

消火飛行機10機、消防士150人が消火にあたった。Yネットは、2010年以来の大規模な山火事と伝えている。火がようやくコントロールできたのは夜中0時前。

付近のモシャブに避難命令が出されたが、そこはさすがイスラエル人。政府に言われる前に、すでに避難を始めていたという。

なお、イスラエルでは、エルサレムでも気温が36度。ティベリアは41度。エイラットは42度と暑い日々が続いている。今日はガリラヤ方面でも山火事があった。乾燥しているため、自然発火が散発する季節である。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4683675,00.html
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トルコがISISへ反撃 2015.7.25

 2015-07-25
23日、シリアとトルコの国境(トルコ側)で、反ISISデモを行っていた人々の間で自爆テロがあり、クルド系市民32人が死亡。さらに、国境で警備にあたっていた兵士一人が、ISISの砲撃で死亡した。

これを受けて、24日、トルコの戦闘機が、シリア領内のISIS拠点3カ所を空爆。全国の州においてISIS一掃作戦が行われた。

イスタンブールでは、26区のISISのアジトとみられるところに警察官5000人が踏み込み、トルコ政府によると、251人が逮捕されている。トルコは、国内の治安を乱す者は今後も逮捕していく方針を明らかにしている。

ただし、ここで複雑なのだが、トルコにとって独立を主張するクルド人勢力は、歴史的にも敵対者である。地元メディアによると、トルコは、このどさくさの中で、ISISだけでなく、クルド人勢力も逮捕している。トルコは、「テロリストは”すべて”逮捕しなければならない。」と言っている。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4683570,00.html

<トルコがアメリカに空軍基地使用を許可へ>

アメリカは、シリア国境で滑走路もあるトルコ軍基地の使用を認めるよう交渉を続けていたが、水曜、トルコがこれに同意したという。今後アメリカは、シリアのISISに対し、迅速に効果的に攻撃できるようになる。

今回のISIS攻撃の直前の水曜、エルドアン大統領はオバマ大統領と電話で連絡をとりあったと伝えられている。

http://www.bbc.com/news/world-europe-33654021
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続報・イラン合意 2015.7.23

 2015-07-23
7月14日に、イランと6カ国(アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国、ドイツ)が、イランの核兵器開発疑惑について、最終合意に達した件。

そのわずか3日後の17日、テヘランでは、イランのイスラム最高指導者のアヤトラ・ハメネイ師が、ラマダン最終日において群衆に国際社会との合意についての見解を次のように語った。

「イランは合意に関係なく、パレスチナ、イエメン、シリア、イラク、バハレーンへの支援を続ける。傲慢なアメリカへの方針は変わらない。

核開発について、アメリカはイランの核開発を阻止したといっている。しかし、彼ら自身がそうならないことを知っている。核開発を禁止するかとうかを決めるのは、イスラム法に基づいてファトワ(イスラム見解)が判断することだ。国際社会との合意ではない。」

続いて群衆が「アメリカに死を!イギリスに死を!イスラエルに死を!偽善者に死を!」と叫んでいる様子が報じられた。

http://edition.cnn.com/2015/07/18/middleeast/iran-us-relations-khamenei/

合意からわずか3日後のこうした行為は、いかにも誇り高いイランが国際社会をばかにしているようにも見える。ネタニヤフ首相は、オニの首をとったがごとく、「これがイランの本性だ。」と訴えた。

一方、ケリー国務長官は、「こうした公の発言の場合、(言うだけであって)実際に何かが起こるとは限らないものだ。しかし、もし、イランが本当にこうした方針を持っているなら、困ったものだ。」と語った。

<アメリカ人の反応>

アメリカでは現在、議会が60日を期限に、イランとの合意内容を検討している。これに平行し、オバマ大統領やケリー国務長官が、イランとの合意に関する質問を、各方面から受けて、そのコメントが注目されている。

ニュース番組だけでなく、オバマ大統領は、お笑いトーク番組にも出演している。たとえば、少々古いが、タモリの「笑っていいとも!」のような番組にも出演している。

番組の中で、アメリカのタモリは、オバマ大統領に対し、混線してわけがわからなくなっている中東問題について「我々はいったいどのチームにいるんですか?」とか、「いったい誰を空爆してるんですか?」「イランは味方?敵?」など、市民の素朴な質問をおもしろく投げかけている。なかなかおもしろいのでおすすめ。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/198463#.Va9uDqW9BCu

こうしたオバマ大領等やケリー国務長官の発言を統計すると、結局の所、アメリカは、イランが将来核兵器保有国になることは避けられないだろうというのが暗黙の認識のようである。

「今回の合意により、少なくとも10-15年は平和が続く。そのころまでには、イランの手の内をもっと正確に推察できているだろう。」と、なんとも無責任?な見解をオバマ大統領は語っている。

<国連安保理で承認>

国連安保理では20日、イランとの合意についての採択が行われ、常任理事国(イランと交渉をした6カ国)と15の非常任理事国すべてにおいて、全会一致での承認となった。

イランのハメネイ氏が、パレスチナやイエメン、シリアなどでの戦闘を支援すると公言し、平和への努力どころか、戦闘の拡大を示唆するような発言をしたそのわずか3日後のことである。

<合意はどのように実施されるのか> http://www.bbc.com/news/world-middle-east-33594937

BBCによると、合意事項は次のようなスケジュールで実施されるみこみである。

1)9月中旬ーアメリカ議会がこの合意を承認するかどうかの採択が行われる。

2)10月中旬ー合意事項開始 (Adduption day)

3)10月以降ー双方が合意履行にむけた準備を開始する

4)2016年上半期ーIAEAの査察とイランの約束履行確認の上、最初の経済制裁緩和が実施される
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ガザで勢力を伸ばす?ISIS 2015.7.23

 2015-07-23
ガザからのロケット弾が散発し、緊張が続く南部だが、19日朝、ガザ地区内部で、車6台が爆破された。4台はハマスで2台はイスラム聖戦の車両だった。

犯行声明は出ていないが、爆破現場にISISの旗が目撃されていたことから、ISISに関連する過激派(サラフィスト)グループの犯行と見られている。

ガザ内部では、ISIS傘下に入ったサラフィストらが、ハマスに対する敵対をエスカレートさせている。その方策として使われているのが、イスラエルへのロケット弾攻撃である。

イスラエルはガザで起こることの責任はハマスにあると見ているので、イスラエルにガザからロケット弾を撃ち込めば、イスラエルはハマスに報復するからである。

Yネットによると、ガザ住民の12%は、すでにサラフィスト支持になっており、民衆のハマス離れがすすんでいるという。

イスラエルとしては、こうしたガザの内部抗争に巻き込まれたくはないが、ガザがISISに支配されるのも困るので、動向を注意深く見守っているところである。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4681775,00.html

<シリア・イラクで化学兵器使用>

ISISが新しい戦略を始めていると伝えられている。化学兵器の使用と、子供による自爆テロである。報告しているのは、シリアとトルコの国境付近にいるクルド人勢力とイギリス系の調査機関。

それによると、ISISはIEDと呼ばれる即席で簡易な爆弾に塩素系など有毒な化学物質をしこんで、爆発させている。先月中に、シリアで少なくとも2回使われ、その証拠もあがっているという。イラクでも同様の報告がある。

クルド人勢力によると、ガスマスクを所持しているISIS戦闘員を捕縛しており、本格的な化学兵器による攻撃を準備している可能性もある。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4681208,00.html
http://time.com/3964197/isis-chemical-weapons/

<爆弾・自爆テロ>

ラマダンで攻撃を活発かさせているISISだが、ラマダンの最終日、エイードの祭りでにぎわうイラクの市場で大規模な自爆テロがあり、シーア派市民115人が死亡。170人が負傷した。イラクでは最大級の被害となった。

トルコでも、シリアとの国境(トルコ側)で反ISIS運動を行っていた活動家の群れの中で爆発があり、31人が死亡した。犯人は、トルコ人でISISに加わった20才の青年だった。

ISISは、ティーンエイジャーやそれ以下のヤジード教徒の少年たちを拉致し、戦闘員になるよう訓練を行っていると伝えている。

ISISから逃れて来た少年によると、人形を使って斬首の方法を訓練しているという。先週、ISISは実際に,10代前半の子供が、シリア軍兵士を斬首するビデオを公開している。

http://time.com/3963919/children-isis-training-camp-beheading/?iid=time_readnext 

7月初頭には、世界遺産パルミラ遺跡の円形劇場でシリア軍兵士25人がISISに殺害されたが、それを実行したのも子供たちだった。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/198328#.Va-tgaW9BCu
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イラクからイスラエル人女性帰国(記者会見取材)2015.7.23

 2015-07-23
カナダから移住し、今はイスラエル国籍となっているジル・ローゼンバーグさん(32)が、イラクのクルド自治区で9ヶ月間、ボランティア戦闘員としてISISと戦い、7月初頭、無事にイスラエルへ帰還した。

ジルさんは、ISISの人質になったとか殺害されたなどの情報が流れ、イスラエル国内では一時騒然となったが、フェイスブックで無事を連絡してくるという経過があった。

証言によると、ジルさんはクルド勢力の女性部隊とともに、ISIS最前線から2キロの地点で銃をとって警備に加わった。直接ISISメンバーに会った事はないが、ミサイルが飛んで来ていたという。

帰国を決めた動機として、ジルさんは、帰国前の数週間、クルド人をとりまく戦況は大きく変わって来ていたと語っている。イラクでは、いろいろなイスラム組織が乱立している状態なのだが、どの組織もできるだけ領地を確保しようとして、収集のつかない混乱に陥り始めたというのである。

その混乱に乗じて、イランの進出が目立ってきているのは確かだと語る。そのイラン軍はクルド人への攻撃もし始めている。

ジルさんによると、クルド人は、皆、親イスラエルだという。クルド人は世界からも忘れられがちだが、イスラエルからのボランティアが来たことで、大きな励ましになれたと語った。

しかし、こうした人物の存在はイスラエル政府にとっては複雑であろう。ジルさんが万が一、ISISやアルカイダの人質になっていた場合、これはイスラエル政府にとっては、想像を超える問題になっていたはずである。カナダも当然まきこまれる。

無事に戻って来て何よりだった。
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世界終末時計:2分進んであと3分 2015.7.23

 2015-07-23
アメリカの原子力科学者たちが、世界情勢を見ながら管理する「世界終末時計」が、今年1月23日、2分進められ、夜中(人類の終末)まであと3分に設置されていたことがわかった。

世界終末時計は、第二次世界大戦後の1946年、マンハッタンプロジェクトで、広島と長崎に投下した原爆を開発した科学者たちによって始められたもの。世界の核兵器開発状況などから、人類の滅亡までどれぐらい近いのかを世界に警鐘を鳴らすことを目的としている。

原爆では、一瞬にして数十万人が死亡したことから、科学者たちの間に、深い罪意識とともに、核開発が人類滅亡につながりうるとの認識が生まれたのである。

世界終末時計は、時計が設置された1946年以降、多数のノーベル賞受賞科学者を含む原子力科学者たちによって針が動かされ、Bulletin of the Atomic Scientists (原子力科学誌)の中で発表している。

実際の時計はシカゴ大学にあり、針が動く時には、メディアにも発表される。

時計といっても、針は11時45分から0時までの間を動くだけである。これまでに米ソが核実験を競って行った1952年には、0時(終末)まであと2分。米ソが戦略兵器削減条約に調印した1991年には17分まで針が戻された。

最近では核兵器問題に加えて、異常気象も判断の基準になっている。これまでに時計が動かされた時のできごとは以下のサイトで見る事ができる。

http://thebulletin.org Bulletin of the Atomic Scientists

原子力科学誌主任のケネット・ベネディクト氏は、今年針を進めた理由として、①異常気象が続いているが、対処がなされていないこと、②核兵器をめぐる競争について、世界の指導者たちは、そのスケールの大きさとスピードについていけていないとして、人類滅亡への危機が近づいたと判断したと語った。
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イランと最終合意:核兵器開発疑惑問題 2015.7.17

 2015-07-17
2006年より、核兵器開発疑惑問題で、本格的にイランと交渉をすすめてきたアメリカを筆頭とする超大国6カ国は、期限延長3回という交渉難航の後、7月14日、最終合意に達したと発表した。

今後アメリカでは、この合意事項について認めるかどうか、議会が60日を期限に検証と議論を行うことになっている。しかし、仮に議会が合意しないと言っても、オバマ大統領が拒否権を発動すれば、議会の決議よりも大統領の意志が優先される。

オバマ大統領は、すでに「たとえ議会が、イランとの合意に反対しても、大統領の権威でこの合意を成立させる。」と宣言しており、今回のイランとの合意は、正式な合意になるみこみである。

また国連安保理は来週にも、この件について採択を行うとみられているが、安保理常任理事国は全員イランとの交渉に関わって来たのだから、こちらも正式に採択される見通しである。

合意事項を図で説明(NewYorkTimes)
http://www.nytimes.com/interactive/2015/03/31/world/middleeast/simple-guide-nuclear-talks-iran-us.html

<笑うイラン>

この最終合意の結果だが、現時点で笑っているのはイランである。イランの主都・テヘランの通りでは、合意を祝うイラン市民の様子が報じられている。

つまり、この合意は、最終的にはイランに有利な結果になっているということをまず、知っていただきたい。

なぜイランが笑ったのかというと、おおまかには、結果的に①イランの核開発能力の維持と研究継続の権利を認められた。②経済制裁の緩和が約束された。という2点である。

経済制裁は、イランが約束を守る事を見極めながら解除するということになっているのだが、実際には、日本や韓国など外国で凍結されているイランの資金が解放されるため、4、5ヶ月の間にイランは1000億ドル(約13兆円)を得る事になるという。(ウオールストリートジャーナル)

http://www.wsj.com/articles/with-more-cash-iran-poised-to-help-mideast-friends-1436963901

また、世界のビジネス界は、イランとの交易再開を首を長くして待っている状態で、経済制裁の緩和が始まれば、まもなくイランとのビジネスも活発になると思われる。

さらにYネットによると、経済制裁に伴ってブラックリストに乗せられていたイラン革命軍関係者や組織、原子力関係科学者など多数がリストからはずされることになるという。これに対し、Times of Israelによると、イランに捕虜になっているアメリカ人4人の解放についてはいっさい触れられていない。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4680500,00.html

つまり、平たくいえば、国際法に違反して核兵器開発を続けているとの疑惑がぬぐいきれないイランに対し、国際社会が、とりあえず核開発をしばしスローダウンしていただけるよう、おみやげをもって、イランと交渉し、これをイランが受け入れたというのが、今回の合意である。

確かに、少なくとも次の10-15年(イスラエルの見通しでは4−5年)は、イランが核兵器を完成することはできなくはなっているのだが、それ以降は、イランを制限するものが何もなくなる。

イランのザリフ外相は、「これは外政治的勝利だ。国際社会は、イランの核開発研究を認めた。」と語っている。

<怒りと落胆:イスラエル>

この合意が発表されるやいなや、ネタニヤフ首相は記者会見を開き、歴史的な大きな誤りだと痛烈な批判を語った。またイスラエルはこの合意に対する責任は負っておらず、今後もイスラエルのするべきことはする、と語った。

ではどういう点について、イスラエルは反発を強めているのだろうか。おおまかに言えば、次の2点である。

①イランは、この合意で核開発を正式に認められたのであり、もはや核兵器開発は止められない。 ②経済制裁緩和により、大金がテロ組織支援国家であるイランに入ることで、中東に火をそそぐ結果になる。

オバマ大統領は、イランが核兵器になるプルトニウムの精製停止や、遠心分離機の数を減らす他、核の濃縮活動の制限、軍事施設を含む核関連施設すべてに査察を受け入れるなどをあげている。

この内容を聞くと、確かにイランが核開発がするのはかなり難しくなっていると感じられるかもしれない。しかし、そのプロセスをシュミレーションし、よく考えると、様々な落とし穴が多数あることが見えて来る。

まず第一に、”そもそも”イランが平和を求めている国であるということが証明されていないのに、核開発の権利を公式に認めたという点である。

イランでは、この合意のわずか4日前に、国をあげてのイベントで、大群衆が「アメリカに死を!イスラエルに死を!」と叫んでいたのである。

そのような国に、核開発研究の権利を認めるとともに、遠心分離機やプルトニウム精製能力を完全に破壊せず、稼働を一部停止しただけで温存するというのはあまりにも危険な話である。

また軍事施設を含めすべての施設で査察を受け入れることにはなっているが、実際には、査察申し入れから査察まで24日の猶予が与えられているという。24日もあれば、査察が入る前に隠蔽することも十分可能である。

結果的に、この合意では、ある日イランが、約束を破棄すると宣言した場合、わずかな期間で核兵器、核弾頭保有国になる可能性を残すことになるとイスラエルは訴えている。

その危険性について、ネタニヤフ首相や、イラン問題を担当するユバル・ステイニッツ氏は「北朝鮮の二の舞になる。」と警告した。北朝鮮は、2003年にNPT(核拡散防止条約)を脱退した後、わずか2年後の2005年、核兵器保有国になっている。

次にイスラエルは、「国際社会は、核兵器のみに焦点をあてているが、イランが現在、中東で、積極的な軍事活動を行っていることを忘れてはならない。」と指摘する。

イランは、現在、シリアとイラクに革命軍を派遣して介入し、ヒズボラやハマスを支援(過去)。イエメンでは、スンニ派政府を攻撃しているシーア派のフーシ派を支援している。イランは「テロ支援国家」なのである。

そこへ経済制裁解除で大金が入れば、中東情勢はさらに危険なことになる。

ステイニッツ・イラン担当は、「この合意は裸である。イスラエルは裸の王様(アンデルセン)で、王様が裸であることを指摘した少年だ。皆が黙っている中で、唯一、”この合意ははだかである”と主張する者である。」と語った。

ところで、イランとの合意が発表されると、今まであれほど口汚くネタニヤフ首相を罵倒してきた代表野党のヘルツォグ労働党・党首が、「この件については、ネタニヤフ首相と完全に一致している。」と表明し、イスラエル世論を驚かせた。

ヘルツォグ氏は、近くアメリカの議会を訪問し、イスラエルの見解を訴えるとしている。

<楽観かあきらめか:別の意見もあり>

合意がもう避けられないとの認識が広がって来ると、イスラエル内部でも意見が割れ始めている。

エフード・バラク元首相、国防相は、「イランが核兵器を持ったとしても、結局イスラエルは中東では最強なのだから、何も心配する必要はない。」と言っている。

また、「確かに、この合意は悪い。しかし、中東ではよい合意などありえない。悪いか、もっと悪いかのどちらかだ。この合意以外の選択肢、つまりはこのままイランの制裁を継続した場合、イランがさらに敵意を増強する可能性もある。

オバマ大統領の言うように、この合意で、たとえ数年でも、イランの核兵器開発がとどめられるならば、それは「まし」な選択だったのでははないか。

実際、オバマ大統領が、シリアの化学兵器について外交的な解決に導いたおかげで、イスラエルは、ガスマスクの配布を停止することができた。」という記事もある。

さらには、すべてはネタニヤフ首相の外交的失敗だと批判する記事もある。最終的な決定を下すのは結局、オバマ大統領であるのに、そのホワイトハウスを無視して議会にアプローチしたことは愚かだったと批判されている。

いずれにしても、この合意が外交的成功だったのか、失敗だったのかは、後の世が証明することになる。

しかし、もし失敗だった場合は、これは本当に核戦争の始まりになりうるということは知っておくべきであろう。

<今後イスラエルはどうするのか>

基本的にはネタニヤフ首相が言う通り、対策はこれまでと同じである。水面下でイランの核開発を妨害し、万が一にも国に危機となった場合は、軍事介入を含め、いかなる手段を使ってでも防衛する構えである。

実際、これまで20年近くもイランが核兵器を完成できなかったのは、イスラエルが水面下で妨害活動を続けて来たからだとも言われている。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4679591,00.html
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4680188,00.html
http://www.jpost.com/Middle-East/Iran/Zarif-scoffs-at-Netanyahus-uproar-over-Iran-nuclear-deal-409046
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相変わらずのガザ・ロケット弾とパレスチナ人のテロ 2015.7.17

 2015-07-17
15日夜、ガザからロケット弾がアシュケロンに着弾した。被害はなかったが、その後イスラエル軍が、ガザ地区への空爆を行った。

また、エルサレム北部で、パレスチナ人女性が、イスラエル兵をナイフで刺すというテロ事件が再び発生した。犯人はその場で逮捕。兵士の傷は中等度の負傷だった。

西岸地区の入植者の友人によると、活発にテロ活動を行っているグループがまだ逮捕できていないので、警戒するようにとの通達が来ているとのこと。観光省による西岸地区でのツアーも停止されている。(アラブ系ツアーは続行)

しかし、エルサレム市内はいつもと変わらない日常で、どこかで起こっているテロやロケット攻撃もいわば日常になっているというところか。人々はもはや興味もあまり示していないようである。

<シナイ半島ラファからエジプト海軍攻撃>

シナイ半島でISIS関連組織の一掃を行っているエジプトだが、16日、ガザ地区のシナイ半島側ラファ付近からミサイルが発射され、海上を航行中だったエジプト海軍船に直撃。船は大破した。ISIS関連組織が犯行声明を出した。

BBCによると、シナイ半島情勢はISIS関連組織か、エジプト軍の情報にたよるしかないのだが、両者が全く違う情報を流してくる事があり、いったいどうなっているのか確証ができない状態だという。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-33557180
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イスラエルー日本:直行便へ合意 2015.7.17

 2015-07-17
今年1月に安倍首相がイスラエルを訪問して以来、イスラエルと日本の交流が活発化しているが、その中で先週、イスラエルと日本との航空関連の会議が東京で行われ、週14便(往復7便)を限度として直行便を開始する事で合意した。

これにより、イスラエルの航空機は、東京だけでなく、大阪など他の都市にも就航できるようになる。Yネットによると、会議には、日本航空や全日空も参加しており、双方興味を示しているという。

2014年中の日本からイスラエルへの訪問者は、観光客を含め、13000人だった。カッツ交通相は、今後日本からの観光客が増え、政府の方針である両国の関係強化につながるとの期待を語っている。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4680750,00.html
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ラマダン最後の金曜日 2015.7.12

 2015-07-12
昨日はラマダン最後の金曜日だった。イスラエルは数千人の治安部隊を、旧市街やエルサレム市内に配置し、旧市街周辺では、一部の道路が通行止めになるなど、かなりの警戒態勢がとられていた。

ダマスカス門(旧市街北側)を経由して嘆きの壁に至るバスは、すべて新市街を迂回して噴門(旧市街南側)から入るようにし、アラブ人の群衆の中をユダヤ人バスが通過しないようになっていた。

そのため、昨日金曜、午後のエルサレム市内はかなりの渋滞となり、通常はバス20分程度で帰宅できるところ、1時間以上かかった。しかし、テロも事故もなく一日が終了したことは幸いであった。

<油断は禁物:ラマダン終了(17日)までの流れ>

ラマダン最後の金曜が終わったからといって油断は禁物だ。

ラマダン27日目の7月13日(火)は、ライラ・アル・カダル(力の夜)と呼ばれ、モハンマドが、最初にコーランの啓示を受け取ったことを覚える日である。

イスラム教では、最も重要な日とされ、この日、天から天使が地上に来ると信じられている。敬虔なイスラム教徒は、この日、夜を徹してコーランを学び、祈り、アラーに赦しを求めるという。

しかし、ライラ・アル・カダルをラマダンの27日目と指定したのはモハンマドではない。実際には、ライラ・アル・カダルは、ラマダン終盤10日間のどこかがだったと言われている。

そのため、イスラム教では、ラマダンの最後の10日間は、特に聖なる期間と考えられている。この期間中、エルサレムの神殿の丘は、イスラム教徒以外、入場禁止となっている。

先月26日のチュニジアのビーチで発生したテロの犠牲者38人。そのうち、30人がイギリスだった。

イギリス政府は木曜、まだ深刻なテロが発生する可能性が高いとして、チュニジアにいるイギリス人(2500-3000人)は直ちに出国するようにと指示を出した。

http://www.bbc.com/news/uk-33469718
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人種差別?エチオピア系青年ガザで行方不明 2014.7.12

 2015-07-12
アシュケロン在住のエチオピア系ユダヤ人アブラ・マンギストさん(26)が、昨年のガザとの戦争ツック・イタン作戦が停戦に入った約1ヶ月後、単独でガザ地区に入り、そのまま行方不明になっていたことが報道解禁となった。

アブラさんは、昨年9月、アシュケロンの砂浜からそのまま歩いて南下し、柵を超えて、一人でガザ地区内に入り、パレスチナ人の漁師らに捕まった。そのままハマスへ連行されたとみられる。

イスラエルのメディアによると、ハマスは、アブラさんを逮捕したものの、イスラエル兵ではないことがわかったため、解放したところ、そのままエジプトの方へ行ってしまったと主張しているという。

ハマスの証言をそのまま信じる事はできないのだが、いずれにしても、生死は不明であり、もし生きていたとしても行方不明ということである。最悪の場合、アブラさんが、ハマスからISISの手に落ちた可能性もある。

イスラエル政府は極秘で対処していたが、この件については、人質交換に応じるケースではないと判断し、昨日報道解禁となったものである。

問題は、アブラさんが、黒人で人種差別を受け、社会的弱者とされるエチオピア系であったことと、精神的に不安定(一部のメディアでは精神病と報道)な人であったということである。

イスラエル政府は、本気でアブラさんと取り戻そうとしていなかったのではないか、人種差別の匂いがするといった記事の扱いになっている。また、人が一人で柵を超えて行くのを軍はだまって見過ごしたのかとも言われる。

これについてイスラエル軍は、監視カメラで民間人らしき人物が柵に近づいていたため、駆けつけて、制止しようとしたが間に合わなかったと状況説明している。

また、当時はまだ停戦に入ったばかりで、様々な情報が混乱していたと言っている。

実際、イスラエルのメディアによると、もう一人、同じ時期に、アブラさんと同様に、精神的な課題があったとみられるベドウイン青年(イスラエル市民)がガザ地区に入ったまま、行方不明になっている。この人については名前を含め、詳細はまだ解禁になっていない。

<ネタニヤフ首相が尻拭い>

アブラさんとベドウインの2人がガザで行方不明になっていることについて、イスラエル政府は、この件を、闇の中で対処しようとしたのか、政府の治安委員会にすら知らせていなかった。

またアブラさんの家族に対し、ネタニヤフ首相府の担当官が、「だまっていないと息子は長い間帰らないことになる。」といった脅迫まがいの発言をして、家族に厳しく口止めしていたことが、チャンネル10の調べで明らかになった。

全国放送で、家族と担当官の会話の録音テープ流されたことを受けて、担当官はすぐに家族に謝罪。さらに、ネタニヤフ首相が直々に家族を訪問し、「政府としては、アブラさんを奪回するため、できるだけのことをする。」と伝えた。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4678478,00.html

<微妙なエチオピア人系住民の社会的地位>

アブラさん一家は1980年代にモーセ作戦でエチオピアからイスラエルに移住した一家である。イスラエルへ移住したものの、貧しさから抜け出せず、エルサレムからアシュケロンへ移動した。

3年前には、アブラさんの兄が、自ら食を断って餓死自殺。これをきっかけに、両親は離婚。このころからアブラさんの精神状態が不安定になったという。昨年の戦争中は、警報が鳴っても、シェルターに入らず、町をふらふらと歩くアブラさんの姿が目撃されてる。

アブラさんの母親は、2人目の息子の消息がわからなくなって10ヶ月間、情報ももらえないまま、ただ待つ事で痛みはますばかりと苦しみを訴えている。

エチオピアからの移住者については、イスラエル人の中にも、ユダヤ人かどうかを疑う人も、少なからずいるようである。最近、イスラエルにあるエチオピア人に対する人種差別が、問題となり、大規模なデモも発生している。

<イスラエル兵2人の遺体返還への交渉は継続>

アブラさんと、まだ情報が明らかにはされていないベドウイン系市民の問題とは別に、イスラエルは、昨年の戦争中にガザで戦死したイスラエル兵2人の遺体を取り戻すよう、努力が続けられている。
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ISIS撃退を続けるエジプト・カイロで車両爆弾テロ 2015.7.12

 2015-07-12
先週、シナイ半島でISIS関連の組織がエジプト軍を総攻撃した件。エジプトのシーシ大統領はシナイ半島を軍服姿で電撃訪問し、エジプト軍兵士たちを激励。その後もISISの掃討作戦を続けている。

これまでの報道によると、シナイ半島ですでにISIS戦闘員ら200人を殺害したと伝えられている。

*イスラエルとエジプト

シナイ半島で過激派の掃討を行っているエジプトと、イスラエルの関係が、これまでになく良好であることはお伝えした通りである。

シーシ大統領は、先月、駐イスラエル・エジプトの大使として、ハゼム・カイラット大使をテルアビブに派遣した。エジプトがイスラエルに大使を派遣するのは、2012年に、前ムルシ大統領が大使を呼び戻して以来である。

イスラエルもこれを歓迎している。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4671083,00.html

<カイロ中心で車両爆弾1人死亡>

ISISを含む過激派の掃討作戦を続けるエジプトだが、11日土曜、カイロ市内のイタリア大使館前で大きな車両爆弾テロがあった。少なくとも1人が死亡したと伝えられている。

主都であるカイロ市内でのテロで、強力なエジプト軍でもテロが防げなかったとして、市民はショックを受けているとBBCは伝えている。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-33491512

<ISISは国である:モルデハイ・ケダール博士>

中東問題の専門家、モルデハイ・ケダール博士(バル・イラン大学)は、世界はイスラム国をISISなどと呼び、「国」とは認めたがらないが、それは誤りだと語っている。

イスラム国は、7世紀に北アフリカ、中東を支配したイスラム帝国をめざしており、着々と「国」の形を整えている。支配体制から、すでに独自の通過まで発行しているのである。

イスラム国を単なる組織とみているだけでは、ちょっとした空爆で撃退できるという甘い勘違いになる。むしろナチスのようなものだと思う方がよい。国をベースとしているということであれば、戦い方も変わってくる。

ISISには、世界の科学者も集まりつつあり、そのうち、化学兵器なども平気で使うようになるだろう。

*別の記事だが、サイバー攻撃は、技術だけでなく、設備がものを言うため、最終的には金を持っている方が有利になるという。ISISが世界一金持ちの組織であるとすれば、やがて世界の情報を大混乱に陥らせることも可能になってしまうだろう。

ケダール博士は、「イランがISISに敵対しているからといって、あてにしてはならない。両者はシーア派とスンニ派で、敵対しているようにみえるが、結局の所、双方ともイスラムで世界を征服するという目標は同じだからである。

空爆だけでは不十分。地上軍が必要だ。世界は目を覚まして、現実を見据え、戦いに備えなければならない。」と警告している。

http://www.israelnationalnews.com/Articles/Article.aspx/17192#.VaEr3qW9BCu
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シナイ半島にいるISIS 2015.7.4

 2015-07-05
http://www.jpost.com/Middle-East/Analysis-Egypt-is-losing-its-war-against-ISIS-in-Sinai-407822

北部国境のゴラン高原にISISが入り込んでいることはすでに明らかだが、南部国境のシナイ半島にもISISが進出していることが、水曜のISIS 関係サラフィスト(過激派)の大規模エジプト軍攻撃で,公に明らかになった。

予想外に勃発したこの戦闘では、メディアによって混乱があるが、おおむね、先の攻撃でエジプト治安部隊70人、サラフィスト22人が死亡。エジプト軍の反撃で、サラフィスト100人、エジプト軍兵士17人が死亡している。(エジプト軍発表)

ガザとの国境付近のイスラエル領内でも、この戦闘の爆音が聞こえたと南部キブツ住民は語っている。また今回、エジプト軍が、F16戦闘機で反撃したため、シナイ半島はまるでヨム・キプール戦争(1973)の再来のようだったという。

この後の昨日金曜日、イスラエル領内エシュコル地方に、ガザではなく、シナイ半島からとみられるロケット弾が着弾。被害はなし。後に、ISISが犯行声明を出した。これに対するイスラエル軍の反撃は今の所伝えられていない。

<エジプト・ISIS・ムスリム同胞団の非常にややこしい敵対関係>

イスラエルとガザの国境に近いキブツ・マゲン在住、サピーロ大学で、中東・イスラム問題を教えるウリ・ロゼット博士に、複雑なシナイ半島の状況についての話を聞いた。

1)エジプトVS ISIS、ムスリム同胞団

ゴラン高原と同様、シナイ半島でも、様々な組織の力関係や、敵対関係は非常に複雑だ。

水曜にエジプト軍を攻撃したのは、以前は、アンサル・バイト・アル・マクデシュという、アルカイダ系のスンニ派イスラム過激派で、最近になって経済的な支援の取引でISISに寝返った聖戦主義グループだった。

しかし、これを受けてエジプト軍が反撃して殺害したのは、このサラフィスト組織だけでなく、ムスリム同胞団関係者も多数殺害していたという。

*サラフィストとは、非常に過激な聖戦主義者のこと。ムスリム同胞団も自爆テロを行う聖戦主義者ではあるが、政治社会的な一面も持つ多面的な組織であり、単なるサラフィストと同じ種類ではない。

エジプト政府とムスリム同胞団の確執は歴史的にも非常に長い。エジプトは代々、同胞団を押さえるということに苦労してきた。

ところがアラブの春で、ムスリム同胞団から初の同胞団出身、ムルシ大統領が登場。これを覆したのが、元エジプト軍総司令で、現シーシ大統領である。

シーシ大統領は、就任以来、残酷なまでに躊躇なくムスリム同胞団指導者や、支持者らを逮捕、処刑してきた。ムルシ大統領自身にもすでに死刑が宣告されている。

シナイ半島では、継続してムスリム同胞団と過激派の弾圧が進められてきており、その中でエジプト軍の犠牲者もすでに500人に上る。エジプトにとっては、今ISISが出て来たからといって、ISISだけが敵ではないのである。

ロゼット博士は、エジプトはISIS掃討作戦に乗じて、ムスリム同胞団の一掃もやっていると解説する。

2)エジプトVSハマス

次にシナイ半島に続くガザのハマスだが、ハマスは、ムスリム同胞団から生まれた組織である。エジプトは、ハマスを同胞団と同類とみて、ガザとエジプトの間の地下トンネルを破壊し尽くすなど、弾圧を行っている。

今回、ISISが、シナイ半島でエジプト軍を総攻撃したとき、ハマスがISISを幇助していたと、イスラエルの軍関係者は語った。ハマスは、これを否定しているが、実際のところはありえなくもない。

ハマスは、昨年のイスラエルとの戦争以来、まだまだ回復からは遠い。しかもシリアで反政府勢力を支援する立場を表明してからは、イランからの支援も途絶え、孤立無援となっている。残る選択肢は同じスンニ派のISISに頼るしかないということになる。

3)ハマスVS ISIS

ところが、そうは簡単に問屋はおりない。ISISからみるとハマス・レベルのイスラムは世俗であり、過激派としても目標を一つも達成できていない無能集団である。

ロゼット博士によると、同じスンニ派でも、ハマスの土台となっているムスリム同胞団は、社会活動も行い、休戦という概念も持つ。一方、ISISは、とにかく自分たちとは違うイデオロギーはすべて抹殺し、休戦という概念もなく、ハマスとはきわめて異質な組織だという。

先日、ISISは、「ハマスは8年たってもガザをイスラム地域にすることができなかった」として、今後は、ISISがハマスを撃退し、ついでにイスラエルも撃退し、パレスチナを支配するというようなことを宣言するビデオを出した。つまり、ISISはハマスの敵ということになる。

実際にはハマスに幻滅したガザ・パレスチナの若者たちが、あらゆることに”成功”しているISISに流れて、ハマスがとりこまれる形になるのかもしれないが、今後、ISISがハマスに対してどう出るのか、またエジプトはハマスにどう対処するのか、注目されているが、現時点ではまったく未知数である。

<イスラエルとの関わり>

ゴラン高原と同様、イスラエルはできるだけイスラム同士の争いには関わりたくないという方針である。

幸い、ガザ地区から南のイスラエルとシナイ半島の間には、すでに防護壁(全長40km)は完成している。しかし、テロリストはいかなる壁でも必ず越えてくるので、イスラエルは、エジプトとの国境周辺の警備を強化している。

ハマスがイスラエルを攻撃して来る可能性について、ハマスは、今イスラエルと戦争する状態にはないので、ハマスからイスラエルを攻撃してくる可能性は低いとロゼット博士。

では、ISISが、ハマスを吸収してガザ地区を支配するようになり、イスラエルを攻撃する可能性について。

今のところ、それがすぐにも発生する可能性は、まだ低いと思われるが、もし万が一、そのようなことになれば、イスラエルは躊躇なくすぐにガザ地区を再占領しなければならなくなるとロゼット博士は語る。

イスラエルにとって、ガザにハマスがいることは、当然、ISISよりマシなのである。ハマスは、今苦しい状況にある上、ある程度予測可能だが、ISISは快進撃を続けており、なにをするか全く予測できないからである。

しかし、ガザの再占領は、イスラエルにとっては相当な痛みと損失が伴うので、イスラエルとしては、絶対に避けたい最悪のシナリオである。

では、ISISがシナイ半島から攻撃して来る可能性について。今の所、ISISの敵は中東東部に集中するシーア派であり、まだ現時点では、イスラエルが最優先事項にはなっていないとロゼッタ博士はみている。

とはいえ、どこのだれが、ISISのイデオロギーを持っているのかを完全に把握することは不可能であるし、たった一人でも大規模なテロは可能だ。

したがって明日、シナイ半島からイスラエルが攻撃されたり、テルアビブで、銃を乱射し、数十人を殺害するというようなテロが発生しても、まったく不思議ではないとも語った。

イスラエルは、今や南北の国境にISISを抱え、その間で、とりあえずの平和を維持している島のような存在である。

<南部キブツ住民らは左派!?>

昨年夏の戦争では、ロケット弾だけでなく、テロリストが地下トンネルと通って侵入したキブツ・アイン・ハシロシャ。今はこれに加えて、ISISの驚喜もリアルである。

住民のダニー・コーヘンさんは、「ここでの生活の異常さは、ここに住んでいないとわからないだろう。」と語る。キブツ内を歩いているときも、周囲を見わたし、テロリストが侵入していないかが常に気になるという。

ハマスが、イスラエルとの国境付近でトンネルを掘っている音が聞こえた事もある。

「ガザとの戦争が起こるたびに、状況は悪くなっている。次の戦争も単に時間の問題だ。結局の所、軍事作戦で完全な平和は不可能だ。政治的解決しかない。」と語った。

南部年スデロットの住民は、政府がガザ地区を武力で押さえ込むことを要求しているが、もっとガザに近いキブツ住民らは、逆に武力ではなく、交渉でしか平穏はとりもどせないと考えている人が多く、総選挙では左派に投票したという。

しかし、同時に、相手の要求に応じて、撤退することが益にはならないということもわかってきているとロゼット博士は言っていた。

*ハマスの地下トンネル

上記キブツの近くでイスラエル軍が発見したハマスの地下トンネルを取材した。このトンネルは、ガザからイスラエル領内へ通じていたもので、今見ることができるのは、その地点からイスラエル領内方面へ向かう部分である。

入ると、160センチくらいの筆者なら、かがまなくても歩ける高さがある。しかし幅はそう広くなく、両手を広げるほどもない。ちょっと太めの人だと、壁に時々体をこすりつけながら歩くことになる。

懐中電灯がないとまったくの暗闇で、先は全く見えなかった。両手にあたる壁以外、足下に何があるのかはまったくの信仰である。

トンネルの中は湿度が高く、汗が噴き出す。このトンネルを通ってイスラエルへ向かったテロリストらは、いよいよ聖戦で死ぬ時が来たと、さぞエクサイトした思いだったのだろうと想像した。

イスラエル軍が増設した斜めに上がるシャフトから地上へ上がるときに見上げると、暗闇から非常にまぶしい光がさしこみ、先を行く人が光にすいこまれるように見えたのが印象的だった。
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UNHRC:国連ガザ調査結果(イスラエル戦犯)を承認 2015.7.4

 2015-07-05
先週、国連調査団が、昨年のガザでの戦争では、イスラエル、ハマス双方が戦犯に値するという調査結果を国連に提出したが、これに関する決議が、昨日、ジュネーブの国連人権保護理事会で実施された。

結果、賛成41、棄権5をもって採択された。調査は偏りがあるとして反対票を出したのは、アメリカ1国だけだった。

つまり、UNHRC(国連人権保護理事会)は、一般的にテロ組織と目されるハマスと、正式な国連加盟国である民主国家イスラエルをまったく同等の戦犯の位置においたということである。

この決議にはなんの実効力もないのだが、国際的には、イスラエルにまた一つ、黒星がついたことになる。

イスラエルのマノール国連代表は、「アンデルセンの”はだかの王様”のように、だれかが事実を指摘しなければなならない。私がその少年になる。この理事会は、分別を失っている。」と厳しく批判した。

また、ネタニヤフ首相は、次のような声明を出した。

”UNHRCは現実を見失っている。また、本気で人権保護に関心があるとは思えない。

今日、イスラエルは、シナイ半島からミサイル攻撃を受けた。ISISはエジプトに対して残虐なテロを行っている。アサド大統領は、市民を虐殺している。イランの独裁的な処刑は毎年増え続けている。

しかし、UNHRCは、テロ組織の暴力から自国民を守るための防衛しかしていないイスラエルを非難する。

イスラエルは中東にあって、安定した民主主義国家である。国際法にのっとり、すべての市民の権利を認めている。

公にテロ組織を非難することを恐れる国々は、最終的にはテロの被害者になるだろう。

これまでからも、イスラエルだけを集中して非難してきた国連人権保護理事会は、人権保護の団体とはいえない。

イスラエルの破滅を公言し、日々その市民を攻撃してくるものに対しては、イスラエルは今後も防衛活動を継続することになる。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4675903,00.html
http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/READ-Full-text-of-UNHRC-Gaza-resolution-407950
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ラマダン3回目の金曜日 2015.7.4

 2015-07-05
毎週毎週、人が死んでいる。西岸地区ラマラ近郊で、イスラエル軍司令官が乗っていたジープにパレスチナ人モハンマド・アル・クスベ(17)が投石してきたため発砲。後にラマラの病院で死亡した。

イスラエル軍は、威嚇射撃に応じなかったため、発砲したと言っているが、病院側は、モハンマドは、神殿の丘へ行くため分離壁をよじのぼっているところ、射殺されたと主張している。

西岸地区では、先日、ナブルスでハマス40人が逮捕されたが、その後、パレスチナ自治政府が続けてハマスの逮捕を続けている。ハマスが大きなテロを西岸地区からイスラエルにむけて計画していたもようで、逮捕者はすでに100人になっているという。

ガザで求心力が落ちているハマスは、今イスラエルに対する強さを表明したいのだが、ガザからイスラエルを攻撃するとイスラエルから報復される。そのため、攻撃拠点を西岸地区へ写し、そこからの攻撃を計画している可能性があると中東専門のウリ・ロゼット博士は語る。

しかし、もし本当にハマスが西岸地区から大規模テロを決行したら、今度は西岸地区へイスラエルの攻撃がむくと思われるため、パレスチナ自治政府としてもそれは阻止したいのだろう。

この他、金曜には、エルサレムから西岸地区へ続く国道60号線で、トラックと乗用車2台を巻き込む事故が発生し、パレスチナ人4人が死亡した。負傷者も6人。

また、東エルサレムでは木曜、昨年、過激なユダヤ人に、パレスチナ人のアブクデール少年(17)生きたまま焼き殺された事件を記念するデモが行われた。デモでは、路線電車に投石するなどもあったが、負傷者はなかった。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4675812,00.html 
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4675812,00.html 
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イスラエルでテロ続く:西岸地区のハマス本部計画摘発・40人逮捕 2015.7.2

 2015-07-02
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4674956,00.html

ラマダン開始から2週間が経過した。イスラエルでは、前回のニュース以後も死傷者を出すほどの大きなテロ事件が少なくとも2件、発生している。

29日、ベツレヘム近郊ラケルの墓近くにある検問所で、パレスチナ人女性テロリスト(20)が、女性イスラエル兵士(20)の首を刺した。兵士は病院へ搬送されたが重傷から中等度だったが、幸い回復に向かってる。

逮捕された女性テロリストは、はっきりと「イスラエル兵を殺しに来た。」と言い、ナイフを他に3つも所持していた。

その同じ日の夜、入植地でバスケットを楽しんで帰路についていたイスラエル人の車が襲撃され、1人が重傷、3人が中等度の負傷となった

この襲撃で重傷を負ったマラキ・ローゼンフェルドさん(26)は、翌30日夜に死亡。ラマダンが始まってからのテロでの死者は3人目となった。

マラキさん一家は、13年前の2002年に、イスラエル軍パイロットだったもう一人の息子イツハクーメナヘムさん(22)を兵役中(?)の事故で失っている。 http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/197575#.VZRMYaW9BCs

この他29日には、エルサレムの旧市街の神殿の丘で、ユダヤ人一行に対して、靴や石をなげつける事件が発生し、一時大騒ぎとなった。負傷者はなし。

<西岸地区ナブルス: ハマスの西岸地区本部設立計画を摘発>

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4674956,00.html

イスラエルの治安組織シンベトは1日、ここ数ヶ月かけて西岸地区、ナブルスとその周辺でハマス関係者40人を逮捕し、大量の金(ジュエリーのような金)も押収したと発表した。

シンベトによると、ハマスは、西岸地区からイスラエルへの攻撃の拠点となるよう、ナブルスに、訓練所を含む大きな中央司令部を建設する計画だったもよう。

金は、その建設、活動資金として、ヨルダンから密輸していたという。

<政府に対処を求める市民> http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/197574#.VZRNYqW9BCs

ラマダンが始まって以来、テロが増加し、すでに3名の犠牲者も出たのだが、イスラエル軍は、西岸地区に駐留する治安部隊を増強しただけで、特にめだった反撃はしていない。

ラマダン期間中なので、反撃によってさらにテロが増える可能性を危惧しているのではないかと思われるが、入植地では「政府は治安維持にもっと力を入れるべきだ」とするデモが行われた。

また1日夜には、エルサレムの首相官邸前に市民約1000人が集まって、政府は何をしているのかといった抗議デモを行った。

右派ユダヤの家党のベネット党首は、ネタニヤフ首相に対し、テロ増加に対し、報復として凍結している入植地の建設を再開すべきだと主張した。

また、ラマダンだからというので出しているパレスチナ人の特別入国許可を、危険だからということでキャンセルすべきと訴えた。http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4675282,00.html

<エルサレム市内の様子>

以上のような不穏な事件が続いているせいか、エルサレムでは、時にひっきりなしに上空を監視(?)のヘリコプターが回り続ける時がある。

けっこうやかましいが、それ以外は、マーケットも町も、普段とまったく変わらない混み具合で、表向きはいつもとかわらない平和な様子である。しかし、ニュースにはならない程度のテロ事件は、けっこう発生しているのではないかと思われることがあった。

29日、神殿の丘で乱闘になった時、記者は30人ほどのグループとともに、ちょうど神殿の丘にいた。神殿の丘の南端にいたため、気がつかないうちに事件が終わっており、巻き込まれることはなかった。

しかし、誘導されて神殿の丘から出た直後、一行のうちのユダヤ人男性アブラムさんがいつのまにかどこかへ連れ込まれ、数人のパレスチナ人に、ボコボコにされて警察に保護されていた。

犯人3人はその場で逮捕。指名手配中のパレスチナ人だったため、警察はアブラムさんに感謝を述べたという。

笑い話にもならないが、夕方になるまで、アブラムさんがいないことにだれも気がつかなかった。夕方に町でたまたまアブラムさんに会ったのだが、衣服は一部引き裂かれ、足に傷、頭や腕など、あちこちにこぶができ、まさに文字通りのボコボコになっていた。

幸いこぶだけなので病院にいく必要はなかったとのこと。ニュースにはなっていないが、こうした小規模なテロはけっこうあるのだろう。

<夏休み始まる>

治安状態は落ち着かないが、それはそれとして、7月1日には、子供たちの長い夏休みが始まった。

ペタ・ハティクバでは、全長300メートルのプール滑り台が設置され、大勢の親子づれでにぎわった。
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4675231,00.html

また30日、草の根運動の一つ、Kids4Peaceが、イスラム教徒の家族が、ラマダンの断食開けの食卓にユダヤ人家族を招くというイベントをエルサレム市内で実施した。

このイベントに申し込んだユダヤ人家族は25家族。小さな子供たちを連れて、会った事のないイスラム教徒家族を訪問している。http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4674173,00.html

<石のひとりごと>

イスラエルで、大規模なテロがいまのところ数件で収まっているのは、テロがそれだけしか発生していないのではなく、その何倍もの数のケースが未然に防がれているからである。

祈りは別として、イスラエルは、見えないところで、スパイを送り込み、ハイテク機器を駆使して情報収集を行い、警戒態勢を非常に無駄なく、必要最小限のプランで効果的に展開している。

旧市街を歩くと、要所と思われる場所には必ず、モスグリーンの国境警備隊員が数人一組で立っている。最近パレスチナ人がナイフで襲ってくるせいか、警備隊員たちは、ポリスと書いた青い柵のむこうに立っている。

定期的に2人組の兵士が巡回しているので、ほぼ数分置きに、イスラエルの警察官か、国境警備員、または兵士たちに出会う。多くが20才そこそこの若者たちなのだが、彼らを見るとなんとも安堵する。ありがたい存在だ。

彼らは職業軍人ではない。大学生が軍服を着ただけである。しかし、今彼らが一番狙われる率が高いのである。

普通の息子娘たちが、旧市街や西岸地区、検問所で警備に立っていると思ってとりなしていただければ幸いである。また、過激な行動に出ようとするパレスチナ人の若者もあまり変わらない年齢だ。

ラマダン期間中、イスラエル兵の若者と、特にパレスチナの若者や少年たちを覚えてとりなしを!
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エジプトにもISIS : シナイ半島で100人死亡 2015.7.2

 2015-07-02
ISISがいよいよイスラエル周辺に近づいて来た。エジプトが守るシナイ半島で、ISIS関連の過激派組織が同時多発的に、エジプト軍、警察を襲撃。少なくとも70人が死亡した。 

エジプト軍によると、テロリストの襲撃を受けたのは、シナイ半島の検問所10カ所で、エジプトのメディアによると、自爆テロも3件含まれていたという。これを受けて、エジプト治安部隊がただちに反撃し、テロリスト22人が死亡した。

エルサレムポストが、エジプト軍司令部の情報として伝えたところによると、この同時多発テロ事件の後、エジプト軍は、ヘリコプターやF16戦闘機による反撃を行い、少なくとも100人を殺害したという。(死者の数はメディアによって相違あり)

http://www.jpost.com/Middle-East/Report-IDF-to-okay-bolstered-Egyptian-forces-in-Sinai-after-deadly-attacks-407738

エジプト軍は、現在、シナイ半島北部とガザとの国境の警戒態勢をレベル3に上げている。イスラエルは、ガザとの2つの検問所を閉鎖した上、エジプトがシナイ半島に駐留軍を増強する必要があった場合、これに合意するとの意向を伝えている。

ネタニヤフ首相は、多数の兵士を失ったエジプトに忌辞を述べるとともに、「SISは、いまやゴラン高原だけでなく、エジプトにも現れた。」と警告する発言をしている。

 
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4674758,00.html

ガザ地区では、ハマスの求心力が落ちてきているが、30日、ISIS(関連団体)がハマスは「8年もパレスチナを支配しているのに、イスラム律法の一つも徹底していない。」と表立って非難するビデオを流した。

それによると、シリアのヤルムク・パレスチナ難民キャンプのように、ガザ地区でも虐殺を行うとする脅迫をつきつけている。

またこのビデオは「エルサレムの人々へ」となっており、ハマスだけでなく、イスラエルとパレスチナ自治政府に対しても「絶滅させる」と挑戦している。

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イランと大国の最終交渉:期限切れ/7日へ延期へ 2015.7.2

 2015-07-02
http://www.bbc.com/news/world-middle-east-33341316

核兵器開発疑惑について、最終合意期限を6月30日として大国6カ国とイランが交渉を続けていたが、案の定、合意に至ることができないまま期限切れとなった。イランと大国は期限を7日まで延長すると発表した。

埋められなかった溝は、まずは、イランはすべての各関係施設の査察に応じるという点。イランは、軍事施設への査察はあくまでも拒否し続けている。

また、6カ国が、経済制裁はイランの約束履行状況をみながら徐々に解除すると主張しているのに対し、イランは、ただちにすべての制裁を経済することを主張している点。

次に、この合意はむこう10年を期限とすると主張しているのに対し、イランは長すぎると主張している。これについて、イスラエルは10年などあっというまであり、10年たった後は、イランは核兵器開発へ無罪放免になると激しく反発している。

この問題について、イスラエルは悪くはなってもよくなることはないと考えている。大国が何に合意しようが、イスラエルは、諜報活動やサイバー攻撃などを駆使して、イランの核兵器開発を妨害し続ける意向である。
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