テルアビブマラソンに4万人参加 2016.2.28

 2016-02-28
中東では殺戮が続き、国内でもテロの危険性がまだまだ続く中、テルアビブでは26日、警察官4000人が見守る中、今年も平和に国際マラソン大会が行われた。参加者は世界60カ国から4万人。最年長は92才だった。

テルアビブマラソンは今年8回目になるが、2011年、2013年にそれぞれ熱中症による死者が出ている。そのため保健省は、気温が28度を超える場合、大会をキャンセルするという基準を設置している。

今年の気温は23度前後。地元紙によると、途中で気分が悪くなり手当を受けたランナーが14人出ただけで、無事終了した。優勝者は、昨年に引き続き、ケニアのキポロノ・イエゴンさんだった。

http://www.jpost.com/Israel-News/Sports/Tens-of-thousands-set-to-take-part-in-Tel-Aviv-marathon-446177

続いて3月18日にはエルサレムで、国際マラソン大会が行われる予定。
タグ :

エルサレム周辺のテロ 2016.2.28

 2016-02-28
エルサレム周辺では、25日夜、エルサレムから車で約15分のマアレイ・アドミムのショッピングセンターで入り口にいた警備員ツビカ・コーヘンさん(48)が、パレスチナ人に、おので殴られて、重傷となった。

27日のニュースによると、ツビカさんは病院では手術を続けているが、まだ命の危険があるという。逃亡していた犯人は、日曜の早朝逮捕された。逮捕されたのは、サアディ・アリ・アブ・ハメッド(21)。どこの組織にも所属していない単独犯だった。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4771223,00.html

この他、26日午後、ラマラに近い入植地ベイト・エルの検問所で、パレスチナ人が兵士を刺そうとしたため、射殺された。パレスチナ・メディアによると、死亡したのは、マフムード・モハンマド・アリ・シャアラン(17)。
タグ :

シリアの一時停戦 2016.2.28

 2016-02-28
日本でも報じられているが、イスラエルでも27日は、シリアでの一時停戦がトップニュースだった。アメリカとロシアが共同で始めた「一時敵対行為停止」は、2週間の予定で、27日シリア時間0時に開始となった。

停戦になる数時間前には、ロシア軍が反政府勢力に対して激しい空爆を行った他、停戦になった後もシリア政府軍が違反攻撃を行っているなどの報告はあったが、停戦開始後24時間になろうとしている現在、おおむね攻撃は収まっているとの報道になっている。

このまま停戦が続けば3月7日に国際会議が行われる運びとなる。BBCによると、シリアでは、しばしの静寂に通りで遊ぶこどもたちの様子が報じられているが、シリア市民たちは、「アサド政府軍が約束を守るはずがない。」と悲観的である。

http://www.bbc.com/news/world/middle_east
タグ :

イラン国会及び専門家議会選挙はじまる 2016.2.28

 2016-02-28
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4771467,00.html

核兵器開発問題で、大国との合意に至り、経済制裁が解かれて新しい道を歩み始めたイラン。27日、国会と専門家議会(イスラム指導者会議)の選挙が始まった。この2つの選挙が同時に行われるのは30年ぶりとなる。

選挙をしているとはいえ、国会290議席のうち、285議席はイスラム教徒(当然シーア派)でないと立候補できず、立候補した人々もまた、イスラム学識者からなる護憲評議会があって、それが立候補者を判定し、却下することになっている。今回も、女性候補者全員と、改革派の立候補者多数が却下される中での選挙となっている。

専門家議会とは、88議席からなるイスラム法学者らの議会で、イランの最高指導者(現在はハメネイ師)を選出する議会のことである。イランの政治は、国会や大統領が中心となって政治をすすめられるが、最終的にはこの最高指導者の意向がイランの行方を決めることになる。専門家議会の選出は重要な選挙である。

現在のイラン最高指導者は、イラン革命を導いたホメイニ師が死去した1989年以来、27年も最高指導者の座についている反欧米強硬派のハメネイ師である(任期は終身)。そのため、今回選ばれる専門家議会(任期8年)は、おそらく、ハメネイ師の次の最高指導者を決めることになると目されている。

これまでは、国会、専門家議会の両方の議会を、反欧米のイスラム強硬派が締めていた。しかし、今回は、欧米から経済制裁緩和をとりつけた穏健派(改革派)への期待と支持が高まっている中での選挙である。

経済緩和で新しい歩みをはじめたイランが、今後どのような国になるのかが、多少は見える重要な選挙といえる。

<改革派(穏健派)の進出>  http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4771467,00.html

今回は、穏健派と目されるロウハニ大統領が経済緩和をとりつけたことで、国民、特に若年層の人気が高くなっている。また、イランはどういうわけか国民の半分以上がが35才以下という若い国であるため、投票率が上がれば上がるほど、穏健派に有利となる。

土曜日に選挙、開票が始まってまもなく、穏健派が有利となり、ロウハニ大統領が、足固めをしていると伝えられている。最終結果は数日後になるみこみ。

しかし、テルアビブ大学でイランと湾岸諸国を専門とするウジ・ラビ教授は、結局はまだ反欧米強硬派のハメネイ師がにらみをきかせているため、外交で多少は変化があっても、イラン国内に大きな変化があるとは思えないという見解を述べている。

<中東でのイランの動き:強大なロシアの一声>

穏健派の政治が始まる可能性とはいえ、中東でのイランの動きは穏健とはいえない。シリアでは、ロシアとともに、イランの地上軍が介入している。

イエメンでは、政府を支持するサウジアラビアと、反政府のフーシ派を支持するイランが対立し、スンニ派対シーア派という構図を作り出している。

そのイランの背後にいるのがロシアである。イランでは、その国防相がロシアを訪問した数日後、今度はロシアの防衛相がイランを突然訪問するなど、両国が密接な関係を持って動いていることが明らかになっている。*ただし、いつも同じ方向を向いているとは限らない。

イランは、S300(戦闘機を撃墜する迎撃ミサイル)や、戦車を含む武器をロシアから購入するなどで、情報がとびかっているところである。こうしたロシアからの武器をイランは、自国だけでなく、シリアで使用する他、イエメンにも供給しており、その運び屋がヒズボラだとも言われている。

https://www.rt.com/news/331395-iran-russia-weapons-military/
http://www.jpost.com/Middle-East/Iran/Nasrallah-letter-reveals-Hezbollahs-involvement-in-Yemen-445209

ヒズボラがこうしたイラン(ロシア)からの武器をレバノンに搬入しようとした時だけは、イスラエルがレバノンに到着する前に攻撃破壊するというパターンである。

テルアビブ大学のウジ・ラビ教授は、いまやアメリカは中東政策に明確な方針を持っていないと断言する。今や中東で、力を持っているのはロシアである。

選挙後のイランとその背後にいるロシアの動きが注目されるところである。
タグ :

テロ現場・誤射でイスラエル人死亡 2016.2.25

 2016-02-25
24日午後、ヘブロン北部のグッシュ・エチオン交差点で、ナイフによるテロ事件が発生した。テロリストは、ヘブロン南部のパレスチナ人地区に住む教師アムダ・アムル(27)。

現場は、テロが頻発しているスポットである。常駐していた治安部隊が、アムだに向けて撃った銃撃が、アムダだけでなく、誤って予備役兵のエリヤブ・ゲルマンさん(30)も負傷させてしまった。

アムルとエリヤブさんはそれぞれ別の病院に救急搬送されたが、エリヤブさんはまもなく死亡。アムダは、中等度の負傷と伝えられている。エリヤブさんは、2人の男の子の父。妻のリナットさんは妊娠7か月だった。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4770326,00.html

ユダヤ教では、死亡から埋葬までがかなり早い。エリヤブさんは、24日の午後に亡くなり、その日の夜には大勢が見守る中、埋葬された。

エリヤブさんの兄は、「主は与え、主はとられる。主の御名に祝福があるように。」と述べたという。それにしても、朝元気だった人が何の前触れもなく、夜には墓に入ってる。いつもながら、残酷だ。

このナイフによるテロは、一気に7人の人生を破壊した。エリヤブさんの命を奪い、その妻とリナットさんと子供たち3人に大事な夫であり父を失わせた。またエリヤブさんを撃ってしまった治安部隊隊員の心。そしてアムダ自身である。ではそれでパレスチナ人社会やイスラム社会に何か益をもたらしたのかといえば、まったく皆無である。

エリヤブさんを撃ってしまった治安部隊隊員の様子は知る由もないが、彼は今後一生それを背負う事になるだろう。この人の心も心配だ。本当に、こんな恐ろしく馬鹿げたことがいつまで続くのか。このテロの波を背後で煽っている暗闇に対し、強い怒りを覚える。

<イランがテロ犯の家族に一人7000ドルの報酬>

イスラエルのメディアによると、レバノンにいるイランの外交官が、イランは、イスラエル人に対するテロを行って撃たれて死亡したパレスチナ人の家族に1人7000ドル(85万円)を、その結果、イスラエル軍に家を破壊された家族には30000ドル(約360万円)を見舞金として支給すると発表した。

このイランの外交官は、「イランは、(イスラエルの)殺人、盗み、追放に直面しているパレスチナ人を見捨てない。殉教者の血がパレスチナの地、地中海からヨルダン川までを解放するのだ。」と言った。

イランがパレスチナ人家族のことなど心配しているはずもなく、イスラエルに対する底知れない憎しみを表現しているようなものである。

これについてイスラエル外務省は、「イランが、イスラエルに対するテロを背後で煽動している一つの証拠だ。大国との合意(経済制裁解除)で、イランは国際テロの中心的な役割を継続できているということだ。」と、イランを非難する声明を発表した。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4770487,00.html
タグ :

シリアの包囲地区へ国連が支援物資の投下開始 2016.2.25

 2016-02-25
シリアの内戦により、いよいよ大量の人間が餓死しようとしている今、ロシアのプーチン大統領とオバマ大統領が電話で会談し、ダマスカスの時間で、今週末土曜深夜から、休戦に入るとの合意に至ったと発表した。

ロシアとアメリカが戦闘状態にあるわけではないが、ロシアが支援しているシリアの政府軍と、アメリカが支援している反政府勢力にそれぞれが停戦させるということである。

前回の停戦が失敗に終わって今回2回目の挑戦だ。しかし、今回もISISとアルヌスラ系組織への空爆は継続するということで、停戦が実施されるかどうかは、まだ先行きは不透明である。

なお、ISISは先週日曜、ダマスカスとホムスで爆弾テロを実行して計140人ほどを殺害しており、凶暴性は変わっていない。

BBCによると、この停戦への挑戦に先立ち、国連は、先週から人道支援物資の搬入を開始している。今日は、空からの人道支援物資の投下を開始した。投下したのは、20万人が包囲されているとみられるアルツォルで、21トンの支援物資が投下された。

国連によると、現在、48万人が包囲網の中におり、400万人が、”到達困難な場所”にいるという。ダマスカス時間で土曜深夜に開始される予定の一時停戦が実現すれば、これらの町にも支援物資を届けることができるかもしれない。停戦が実現するようにと願う。

またすでに支援物資を搬入している国連スタッフを覚えて祈りが必要である。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-35654483
タグ :

シリア難民がイスラエルに感謝するウェブサイト立ち上げ 2016.2.25

 2016-02-25
シリア難民で、今はトルコに在住しているスンニ派イスラム教徒のアバウド・ダンダチさん(39)が、シリア難民をヨルダンやトルコなど、各地で支援しているイスラエルとユダヤ人団体に感謝するウェブサイト”Thank you Am Israel (イスラエルの人々にありがとう)”を立ち上げた。

ダンダチさんは、シリアでハイテク系の仕事をもち安定した生活を送ったいたが、2011年にシリア内戦が勃発。2013年にアサド政権が化学兵器を使用し、ISISがラカを占領するのを受けて、非難することを決め、レバノンを経て現在のトルコに至った。

難民として逃亡する中で、ダンダチさんが経験したのは、これまで「大きなサタン」だと教えられてきたユダヤ人が、シリア難民を助けている姿だった。

イスラエルはシリアの内戦には関係ないし、放っておいてもいいはずだ。ヨルダンやトルコの難民キャンプでは、彼ら自身の身の危険もある。それでもユダヤ人たちは支援を行っている。

一方で、本来友人だと言っていたサウジアラビアなどアラブ諸国は扉を閉じて、難民を助けようともしない。この姿を見てアバウドさんの考えは一変したという。「シリア人がイスラエルに敵対する理由はまったくない。」と確信をもって語る。

ダンダチさんは、イスラエルが、シリアとの国境で負傷したシリア人を治療していることも語っている。一度、ネタニヤフ首相が、その現場を視察に来て写真を撮って行ったが、過激派たちは怒ったという。しかし、アバウドさんは、「感謝もできないのか。」と、同胞たちの態度に大人げないと思ったという。

ダンダチさんは、「シリア人は、イスラエルに今はなんのお返しもできないが、せめて感謝は伝えたい。」と考え、このサイトを立ち上げた。サイトでは、トルコ沿岸で、ボートでたどり着いたシリア難民たちを、支援するイスラエイドの医療関係者のビデオなどを紹介している。

ビデオでは、イスラエイドのスタッフは、ダビデの星のついたTシャツを来て、イスラエル人であることを隠していない。

https://www.facebook.com/kikarashabat/videos/1130539573637137/ イスラエイドのシリア難民支援の様子 

http://www.thankyouamisrael.com Thank you Am Israel サイト
タグ :

パレスチナ人(14)が兵士をナイフで殺害 2016.2.20

 2016-02-20
18日、夕方、エルサレム北部、西岸地区内のシャアル・ベニヤミン産業パークのスーパーラミレビ店内で買い物をしていたイスラエル人の客2人を、わずか14才パレスチナ人2人が刺すというテロ事件が発生した。

このテロで、トゥビア・ヤナイ・ウェイスマンさん(21)が重傷となり、救急搬送されたが、後に病院で死亡。もう一人の男性(36)も中等度の負傷を負った。

事件発生時、店内にいた客たちは、スーパーのカートを使って2人を撃退しようとしていたが、銃を持っていた男性2人が、テロリスト2人に発砲して負傷させ、とりおさえた。テロリスト2人のうち、一人は搬送先の病院で死亡した。

テロリストに発砲した市民の一人エバン・コーヘンさんは、「なぜ市民がこんなことをしなければならないのか。だいたいなぜテロリストがいるのか。軍はどこにいるのか。」とやりきれない怒りを訴えている。

死亡したウェイスマンさんは、戦闘部隊ナハルの軍曹。事件当日は、非番で私服だった。妻があり、4ヶ月の赤ちゃんの父親だった。

テロリスト2人は、西岸地区ラマラ近郊のビツニア出身のオマル・リムウィ(14)とイハッド・サバ(14)。死亡したのは、イハッド・サバ。

2人は、ナイフを自宅から持ち出していた。現在、ナイフを所持したまま、まずは検問所、続いてスーパー入り口の警備をどうやってかいくぐったのか、調査が行われている。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4768276,00.html 
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4768062,00.html
http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/208266#.VsYyaqUWnA8
タグ :

厳重警備体制でもテロ:ダマスカス門 2016.2.20

 2016-02-20
昨年秋から続くナイフなどによるテロだが、エルサレム旧市街ダマスカス門がやはり、事件多発スポットになっている。昨年秋からだけで、11件のテロがここで発生した。先日19才の女性国境警備隊員ハダル・コーヘンさんがテロの犠牲になったのもここである。

ダマスカス門周辺では、通常なら、観光客も多数おり、多くの国境警備員が女性だった。しかし、今では、観光客の姿はほとんどなく、警備にあたっているのは、フル装備の男性国境警備隊員ばかりである。ダマスカス門の上には治安部隊の2人がにらみを効かせている。

チャンネル2によると、監視カメラはダマスカス門だけで11も設置されているという。

かなりの厳戒態勢だが、19日金曜朝、またナイフによるテロが発生し、国境警備員2人が軽傷から中等度の負傷を負った。犯行に及んだムハンマド・アブ・カラフ(20)はその場で射殺された。

<緊張の現場>

数日前、ダマスカス門を訪れたが、以前とは違う緊張感があふれていた。門への入り口に続く階段には、ざっくりとだが、あちこちに柵が並べてあり、数人ずつしか出入りできないようになっていた。その人の出入りを、重装備の国境警備隊員が3人、緊張した表情で監視していた。

しばらくすると、警備隊員3人が組になって、移動し始めた。見ていると、ベンチに座っていた若いパレスチナ人に近づき、取り囲んでIDを提示させている。一人はいつでも発砲できるよう、銃を構えている。

こういう時にナイフを出して刺しにくるので緊張したが、そのうち、ちょっと物陰らしきところ(とはいえ、見えている)に連行し、念入りにボディチェックをしていた。しばらくして放免されたが、見ているだけで緊張だった。やっている兵士たちはもっと緊張だっただろう。

先週、ダマスカス門で、パレスチナ人と話していたワシントンポストの記者が、不審人物と思われて連行され、問題になった。それぐらい緊張しているということである。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4767952,00.html
タグ :

若年化するテロリスト 2016.2.20

 2016-02-20
イスラエルの諜報機関の調べによると、この5ヶ月の間に発生したテロ228回のうち、約50%が、20才以下の少年少女によるものだった。

この228回のテロに関わったテロリストは219人だったが、このうち22人(10%)が、16才以下。81人(37%)が16-20才となっている。

また、20才以下のテロ事件のうち、11%は、女子によるものだった。http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4768276,00.htm

イスラエルでは、こうしたまだ子供によるテロにどう対処したらよいのか、効果的な対策がとれていない。各事件を分析したところ、テロ行為に及んだ子供たちは、決して貧しい家庭の子供たちではなく、教育も行き届いていた子供たちであったことがわかった。

なぜこういう行動に出るのかについて、ソーシャルメデイアなどを通じた扇動あることはもちろんだが、この世代は、第一、第二インティファーダの後に生まれている。暴力では結果が出ないということを経験していないため、暴力の訴えようとするのではないかとの見方もある。

しかし、若者たちはそこまで考えておらず、たんに希望を見いだせないことによる実質、自殺行為だとパレスチナ人臨床心理士ムサルハ博士は見ている。
オリーブ山便り2016.1.26参照 http://mtolive.blog.fc2.com/blog-date-201601.html

<テロ犠牲者家族:罰則強化、具体的な取り締まり要望>

イスラエル政府は、テロを未然に防ぐため、多くのことをやっている。エルサレムの中心地では、バス停に警備員が立ち、バスにも時々警備員が見回りに来る。また、報道はないが、西岸地区で、立ち入り捜査が頻繁に行われ、多数が逮捕されている。

リブリン大統領はテロ犠牲者遺族を訪問したり、ネタニヤフ首相は、テロの波の被害にあった家族たちに面会した。家族たちは、テロリスト家族をガザ地区へ追放すること、まだ子供といえるテロリスとの責任者である家族の家を破壊するという措置をすみやかに実施するよう要請した。

これについては実際に、イスラエル政府は親の家を破壊するという罰則を実施している。パレスチナメディアのマアヤンによると、この5ヶ月間にパレスチナ字400人が、自宅を追われたと報じている。

<ユダヤ人実業家:西岸地区パレスチナ人の労働許可促進を要請>

テロリストをイスラエルから遠ざけたいと願う家族の要望とは反対に、イスラエルの大手企業は、パレスチナ人への入国規制緩和を要請している。取り締まるだけでは、憎しみだけが残り、解決につながらないという考え方である。

1)アラブ系市民を雇用するラミレビ

今回。被害にあったスーパーラミレビは、イスラエルでは最も安いと人気のチェーン・スーパーで、全国的にどの店舗でも多くのアラブ人を雇用している。西岸地区のラミレビでは、ユダヤ人もアラブ人も共に買い物をしている。

ラミレビでは、2014年にも西岸地区の店舗内でテロが発生した。その際、ラミレビが雇用していたアラブ人労働者が手引きをしていたことから、イスラエル社会からは、一時はアラブ人を雇わないようにとの圧力もあった。

しかし、ラミレビの社長は、普段は両者は仲良く働いているとして、今もアラブ人たちの雇用を守る立場を貫いている。

2)西岸地区パレスチナ人を雇用するソーダストリーム

今回のようなイスラエル国内でのテロ事件によって、大きく影響を受けるのは、実はイスラエルで働く一般の西岸地区在住のパレスチナ人である。検問所でのイスラエルへの出入りがさらに厳しくなる他、入ったとしても、今度はユダヤ人に復讐されると恐れながら働いている。

またイスラエル政府が西岸地区パレスチナ人に対して発行する労働許可を出し渋るようになる。許可証を失ってイスラエルに入れなければ、安定した仕事を失ってしまう。

*職場が平和を実現する? http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4766549,00.html

ソーダストリームは、かつて西岸地区のパレスチナ自治区に工場があり、多くのパレスチナ人を雇用して、ユダヤ人とパレスチナ人が共に働く職場を実現していた。

しかし、ユダヤ人の企業が、西岸地区のパレスチナ自治区にあるということで、BDSムーブメント(イスラエル製品をボイコットする運動)は、ソーダストリーム製品のボイコット運動を展開し、CEOのダニエル・バウンバウム氏は、ひどい非難を受けた。

しかしそれでも、ソーダストリームの収入は逆に増えた。BDSが逆に宣伝になったようだとCEOのダニエル・バウンバウム氏。最近では日本への輸出も増えているという。 *日本のソーダストリーム:https://www.sodastream.jp/about/ 

そこで工場を3倍の大きさにするため、2015年、ソーダストリームは、ネゲブのベドウインの町ラファット(イスラエル領内)へ移転した。結果として、BDSが求めたように、西岸地区の工場は閉鎖となった。しかし、それで困ったのはパレスチナ人だった。

移転先のラファットでは、雇用されたのは、イスラエルでは最も貧困層にあたるベドウインたち(アラブ・イスラム)である。先に西岸地区で雇用を得ていたパレスチナ人たちは、イスラエルへの入国許可がとれなかったために、多くが職を失う事になったのである。

ソーダストリームによると、これまでに許可をもらえたのは、同社の西岸地区工場で雇用されていた約600人のパレスチナ人のうち、わずか74人だった。

その74人の許可証も2月いっぱいで切れる。テロの波が続く中、許可の延長ができるかどうかはわからないという。現在もソーダストリームで働くアリ・ジャハルさん(39)は、「ここでは政治は関係ない。みな家族のようだ。

それに、ここでは給料もパレスチナで働くより少なくとも2倍はもらえるし、休暇も福利厚生もあるので、なんとか働きを続けたい。」と語っている。こうしてみると、西岸地区のパレスチナ人のことを本当に考えているのはソーダストリームの方で、BDSではなかったということである。

CEOのダニエル・バーンバウム氏は、「雇用こそが平和への道筋だ。共に働くことで互いの理解も深まる。私たちこそ平和を促進しているのだ。政府にはもっと多くのパレスチナ人に労働許可を出してほしい。」と強く訴えた。

それにしても、犠牲者家族の要請に応じてとりしまり強化か、パレスチナ人への労働許可発給か。ネタニヤフ首相、むずかしい決断である。このテロの波を終わらせるにはどうしたらいいのか。ただただ神に祈るしかなさそうである。

タグ :

混迷のシリア:イスラエルがシリア領内でヒズボラのミサイルを空爆か 2016.2.20

 2016-02-20
ロシアが、アレッポでの無差別空爆を行い、先週、国境なき医師団の病院や学校などが被害を受け、少なくとも50人が死亡した。また、トルコが、シリアとトルコ国境付近にいるクルド人勢力への空爆を開始。停戦どころか、シリア情勢はますます混迷してきた。

<シリア難民への人道支援開始>

シリアでは、内戦による包囲網の巻き添えとなり、食料や水が不足して、人々がどんどん死んでいる事はお伝えした通り。国境なき医師団によると、包囲網の中に、巻き込まれているシリア市民は190万人に及ぶという。

国連は、その中でも特に48万人が、危機的状況にあるとみている。シリアの一時停戦はまだ実現していないが、国連は水曜、100台のトラックで、シリア領内でも最も深刻な地域への人道支援物資の搬入を開始した。

<イスラエルがまたシリア軍(ヒズボラ)関連軍事施設を空爆か>

そんな中、シリアの人権保護監視組織が、17日夜、イスラエルの空軍機が、ダマスカス近郊南部の、シリア軍の軍事施設を空爆したと伝えた。大きな爆発の様子が報じられている。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4767764,00.html

これについてヒズボラのメディアは、いつものようにイスラエルの攻撃を否定。イスラエルもコメントを発していないが、これまでの経過からして、シリアかイランからレバノンのヒズボラへの武器を搬入しようとしていたのを、イスラエルが阻止したものとみられる。   

これに先立つ16日、ヒズボラのナスララ党首が、ミサイルでイスラエル全土を標的に入れていると豪語。さらに、「ハイファのアンモニア工場を、ミサイル爆破する。そうなれば、核兵器並みの被害が出る。」と恐ろしい爆弾発言をした。

ヒズボラは、イスラエルとは目と鼻の先にいるため、攻撃の予告も具体的だ。実際、ハイファのアンモニア工場には、15000トンもの起爆性のガスがあり、以前から危険性が指摘されていた。しかし、今に至るまで政府はなんの対策もとっていない。

この件について警鐘をならし続けて来たハイファ市は、「これで政府もわかったか。ヒズボラに感謝する。」とのコメントを出している。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4767144,00.html
タグ :

どんどん危なくなる?トルコ 2016.2.20

 2016-02-20
シリア情勢悪化で難民が押し寄せて、ついにキレたかのようなトルコ。先週土曜から、シリア北部にいるクルド人勢力を攻撃し始めた。

それから1週間もたたない17日、主都アンカラで、車両による自爆テロが発生し、少なくとも28人のトルコ軍関係者が死亡。61人が負傷した。犯行声明は出ていないが、トルコは、シリアのクルド人勢力による自爆テロとみており、必ず報復すると言っている。

トルコは、昨年からアメリカとともに、シリアでのISIS空爆に参加している。そのせいか、昨年から爆破テロが続いている。昨年7月クルド人地区スルクで自爆テロが発生し、30人が死亡。

10月には、アンカラで、クルド人平和ラリーでダブル自爆テロがあり、100人以上が死亡。今年に1月にはイスタンブールで自爆テロが発生し、ドイツ人観光客を含む10人が死亡している。

<トルコは苦難への道を歩み始めている?>

トルコがこうした困難な道を歩み始めたのは、2010年に発生したナビ・マルマラ事件(トルコを出発しガザへ向っていた人道支援船とイスラエル海軍との衝突で、トルコ人活動家9人が死亡)を皮切りに、ガザ地区のハマスを支持し、イスラエルとの関係を急速に悪化させたころからである。

中東で唯一の民主国家として、イスラエルとも友好的な歩みをしていた時代のトルコは、平和で経済も好調だった。しかし、ナビ・マルマラ事件ぐらいから、トルコのエルドアン大統領は、イスラム(スンニ派)に傾くようになり、かつての大帝国オスマン・トルコをめざすとも表明。

ガザのハマスを訪問するなど、反イスラエル的な立場を繰り返し明らかするようになった。以来、イスラエルとは、ビジネスは不変とも聞くが、政治外交上の関係は、悪化したままとなっている。その後、何度か関係回復の動きもあるが、まだ具体的にはなっていない。

トルコでは,2011年、2013年と大きな地震が発生。また、2013年には、エルドアン大統領が、イスラムに傾き、国を独裁的な手法でイスラム化させていくのを見て、危機感を持った市民たちが、若い世代を中心に激しい反政府デモも発生している。

しかし、当時は、やり手のエルドアン大統領を支持するトルコ人もまだ少なくなく、デモは政府に押さえられた形で収まった。以後、トルコはとんとんと、混乱に巻き込まれて行く形で今に至っている。
タグ :

国道1号線でバス大事故:6人死亡 2016.2.15

 2016-02-15
14日夕方、エルサレムを出てブネイ・ブラックに向っていたエゲッド・バス402番(公共路線バス)が、国道1号線の路肩に駐車中だった大型トラックに、接触して、バスの右側半分がほとんど大破するという大事故が発生した。

この事故で、6人が死亡(27才、26才、23才、17才)。1人が重傷。3人が中等度の負傷。他6人の計10人が負傷して病院に搬入された。救急隊員の話では、現場は戦場のようで、相当悲惨だったため、現場が頭に焼き付くケースだと語っている。

現場は、エルサレムから地中海方面へ向う大きな幹線道路1号線上のラトルン交差点で、事件発生から約3時間後もまだ、事故の影響で大渋滞しているとテレビのニュースが伝えていた。

現在、バス運転手、トラックの運転手(東エルサレムのアラブ人)に事情聴取する他、事故の原因を調査中である。トラックは、ギアの不調で、路肩に一時停止していたもよう。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4766087,00.html
タグ :

相変わらず続く10歳代パレスチナ人のテロ 2016.2.15

 2016-02-15
<14日だけで6件のテロ:パレスチナ人計5人射殺・1人重傷>

14日午前、西岸地区ジェニン付近で、パレスチナ人少年ニハッドとファウド・ワケッド(2人とも15才)が、走行車に投石。治安部隊が近づいたところ、銃撃してきたため、反撃。少年2人は死亡した。

14日午前、エルサレム郊外の検問所で、パレスチナ人少年(17)ナイム・サフィが、ナイフを掲げて突撃してきた。治安部隊を傷つける前に射殺された。

14日午後、西岸地区ヘブロンのマクペラの洞窟で、14才パレスチナ人少女が、治安部隊隊員を刺そうとしたが、逆に突き返されて撃たれ重傷となった。イスラエルの病院に搬送された。

同じく14日午後、エルサレム南部タルピヨットで、14才アラブ人少年がナイフを持って女性に接近した。女性はよけて無事。少年はそのまま逃亡した。

この他、西岸地区ナブルス近郊の道路上で、遠隔操作できる爆発物が発見され、処理班によって除去された。

また14日夜、ダマスカス門近くの路面電車駅で、パレスチナ人2人が治安部隊に向って銃撃したため、その場で2人とも射殺された。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4766061,00.html

<17才パレスチナ人少女間違いテロで射殺>

13日、西岸地区ヘブロンマクペラの洞窟で、あやしい動きをしていたパレスチナ人の少女がいたため、国境警備隊員が職務質問しようとした。

するとナイフを出して警備隊員を刺そうとしたが失敗。もみあっているうちに、通りかかったパレスチナ人男性(53)を誤って刺した。この直後少女は警備隊員に撃たれて死亡した。刺されたパレスチナ人男性は中等度の負傷でイスラエルの病院で手当を受けている。

<違法労働者を乗せた車両で突っ込み国境警備隊員3人負傷>

13日、エルサレムの西、マアレイ・アドミム付近の検問所で、怪しい車がいたため、国境警備隊員が近づいたところ逆に兵士らの車両に車ごと突っ込んで来た。

これにより、治安部隊兵士ら3人が軽傷。パレスチナ人2人、運転していた40才パレスチナ人男性と14才で、2人ともそれぞれ銃撃を受けて病院へ搬送された。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4766061,00.htm

上記のような事件が、パレスチナメディアでは、恐ろしい写真とともにすべて報道されている。イスラエルのニュースには出ないが、検問所やパトロールでの小さな衝突の様子も詳細に伝えている。 http://www.maannews.com

<石のひとりごと>

イスラエルは、週末から急に春の陽気となり、野には花が咲き、本当に美しい季節になってきた。しかし、人間社会では多くの人が、今日も命を落とした。14日の1日だけで、テロと事故で11人も死んだのである。

パレスチナ側や親パレスチナグループは、「イスラエルが過大な暴力を行使している。」「子供がこういうテロをするのは、イスラエルが占領を続けて、希望を奪っているからだ。」と訴えている。

しかし、パレスチナ人社会は、ユダヤ人を殺す事が栄光ある事だと教えるテレビ番組やソーシャルメディアの情報を取り締まらず、子供たちをそうした挑発から守ろうともしていない。

いずれにしても、イスラエル人の犠牲者数より、イスラエルの銃弾によって射殺されているパレスチナ人の方が圧倒的に多いことは事実であり、やがて非難の矛先はイスラエルへむくだろう。

しかし、イスラエル側としても、普通の若者が徴兵で、検問所や西岸地区へ入っていかなければならない状況に追い込まれていると言いたいだろう。

普通の17才や18才の若者が、西岸地区に派遣され、自分を殺しに来るというものすごい憎しみに直面し、自分や戦友を守るためとはいえ、ある日、殺人をしなければならないことになる。その後でまた普通のイスラエルでの生活に戻れるものだろうか。これもまた、残酷なことではないだろうか。

一日も早く、パレスチナ人たちが、テロをやめてくれればと願うばかりである。
タグ :

オルメルト元首相・今日から刑務所へ 2016.2.15

 2016-02-15
ホーリーランドホテルをめぐる汚職問題で、オルメルト元首相(70)が15日からいよいよ刑務所に入る。刑期は少なくとも19ヶ月の予定。元首相が刑務所で服役するのはイスラエル史上初。

イスラエルでは、元大統領のモシェ・カツアブ氏が、レイプの罪で、7年間の実刑判決を受け、今も服役中。

http://www.jpost.com/Israel-News/Politics-And-Diplomacy/Olmert-strong-stable-as-he-enters-jail-444902
タグ :

シリア情勢ますます混乱:トルコがシリア北部のクルド人勢力を攻撃 2016.2.15

 2016-02-15
先週、ミュンヘンで米露を含む17カ国が、ISISとアルヌスラへの攻撃以外の軍事攻撃を一時停止し、シリア国内にいる難民への人道支援を行うということで合意したが、それに反するように、トルコが新たにクルド人勢力への攻撃を開始した。

トルコとクルド人勢力は、クルド人の独立をめぐって昔から対立する関係にある。今回、トルコがシリア北部(トルコとの境)の領地を奪回したクルド人に、そこから退却するよう要請したところ、クルド人らは「ここを退却したらまたイスラム勢力が入り込む。」との理由で退却しなかった。

それでトルコがクルド人を攻撃しているというわけである。しかし、クルド人勢力はISISに対してよく戦っており、欧米が背後で支援している勢力である。

ロシアは、欧米がISISとの戦いのために支援している反政府勢力(過激派勢力以外)をアレッポで攻撃し、今度は、トルコが、欧米が支援するクルド人勢力を攻撃している。

アメリカは、「ISIS攻撃に集中してほしい。」と叫び、フランスもトルコに対し、「約束したとおり、ISISとの戦いを優先し、クルド人勢力への攻撃を停止するよう、要請した。

しかし、トルコとサウジアラビアが同盟を組んでシリアへ本格介入し、ロシアとイランに対抗する動きもあり、シリア情勢はまた一歩混迷を深めた様相である。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-35572747
タグ :

アッバス議長訪日予定:2月14-17日 2016.2.13

 2016-02-13
日本外務省が8日に発表したところによると、パレスチナ自治政府のアッバス議長が、この14日から17日の日程で日本を訪問し(4回目)、安倍首相にも会う予定になっている。

アッバス議長は、頓挫しているイスラエルとの直接交渉に関して、多国間協議を行うよう、国際社会に働きかけており、今回の訪日もその協議に日本も参加するようアピールすることが目的とみられる。

これに先立ち、毎日新聞が、西岸地区ラマラで、アッバス議長への直接インタビューを行った。それによると、アッバス議長は、イスラエルとの交渉を望むが、イスラエルが入植値を拡大をし続け、占領行為をやめないので、実現しない。それで若者が希望を失い、ナイフでのテロに走っていると訴えている。

アッバス議長は、暴力では何事もなし得ないという考えを明確にし、ISISやアルヌスラ(アルカイダ系)は、破壊行為で人々の希望を損なっている。私たちは非暴力の道を行くとの決意を強調している。

インタビュー日本語字幕あり:毎日新聞:http://mainichi.jp/articles/20160213/k00/00m/030/094000c 

<多国間協議について>

アッバス議長は今なぜ、多国間協議を目指しているのだろうか。

1月21日に記者会見を行った元パレスチナ自治政府閣僚のアシュラフ・アジュラミ氏は、これまでイスラエルと調節交渉をしてきたが、すでに国として成り立ち、経済も軍備も確立しているイスラエルと、パレスチナ自治政府が、同じ土俵に立って交渉していたとは言えない状況だったと語る。

そのために、一時はまず、国として国際社会に認めてもらい、少しでもイスラエルと同等の立場に立とうとした。しかし、それもならず、結局、以後その話は進んでいない。

一回だけ、オルメルト首相の時に、土地を2つに分ける合意直前まで話が進んだが、オルメルト氏は、合意に至る前に、汚職疑惑で失脚してしまった。オルメルト氏以外の首相は、皆、結局パレスチナにゆずる土地はまったくないと考えているので、話は少しもすすんでない。

*エフードオルメルト元首相はこの汚職疑惑で、いよいよ今週、刑務所入りになる予定。

http://www.m-central.org/#!Palestinian-Political-Strategies/c1skh/ijsd8noq18 

今、アッバス議長が行っている多国間協議へのアピールは、少しでもイスラエルと対等に立った上で、イスラエルとの交渉に臨みたいとの思いのようである。

しかし、多国間協議となると、今度はイスラエルの方が不利になる。アメリカ以外に、イスラエルの立場を理解する国はないからである。

先月、フランスが、イスラエルとパレスチナの和平交渉再開をめざす国際会議の開催を提案した。パレスチナ自治政府は歓迎したが、イスラエルは拒否した。

<パレスチナ自治政府にビジョンはない?>

アジャラミ氏は、アッバス議長のこの試みも、最終的には、実現しないか、しても成果は上がらないだろうと見ている。アッバス議長自身もそれはわかっていると思うとアジャラミ氏。

パレスチナの国を立ち上げることで合意したオスロ合意(1993年)以来、20年たってもまだ国になっておらず、アッバス議長の支持率はかなり低くなっている。何かしないと、国内からの批判が高まってしまう。パレスチナ自治政府が転覆する可能性を示唆する推測もある。

アジャラミ氏は、自治政府の転覆は否定するものの、パレスチナに大きなビジョンと勝算があっての動きではないと語る。

しかし、パレスチナ人は、2回のインティファーダで、暴力では自分も苦しむだけだということを学んだ。だらら暴力を支持していないことは確かであると強調。アッバス議長を支持しないとはいえ、その他のハマスなどを支持する人は多くないため、自治政府は倒れそうに見えても倒れないとも予測する。

では、ここからどこへ向うのか、ということになるが、パレスチナ自治政府には、もう使える手がなく、明確なビジョンはないとアジャラミ氏は語る。しかし、ともあれ、アッバス議長は今、国際社会にアピールを行っており、日本に来るのもその一環ということである。

毎日新聞によると、日本は、基本的にパレスチナ国家建設による2国家共存を支持しており、昨年1月の時点で、「多国間協議が開催されれば、参加する用意がある。」と表明している。

アッバス議長の日本での滞在は実質2日ほどになると思うが、イスラエルにもよい顔を約束している安倍首相。どのような対応をするのか。

しかし、日本は今、北朝鮮問題と、急速な円高と株の変動で、経済が大きくゆさぶられており、パレスチナ問題どころではないかもしれない・・・・
タグ :

ロシアも合意:シリア一時停戦なるか 2016.2.13

 2016-02-13
混迷を深めるシリア。アレッポとその周辺で、シリア政府軍がロシア軍が反政府勢力に対する激しい空爆を行い、シリア市民5万人が、トルコとの国境に押し寄せている問題について。

サウジラビアが、反政府勢力を支援するため、地上軍を派遣すると発表。ロシアが、「そんなことをすれば世界戦争になる。」と警告を発していた。

また、現在、アレッポ周辺だけでも約30万人、他の地域も入れると、1350万人が、緊急の人道支援がなければ滅んでしまう危機的状況にある。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-35561845

こうした状況を受けて、ケリー米国務長官と、ロシアのアラブロフ外相を含む17カ国の外相級代表が、国連シリア問題特使デミストゥラ氏らとともに、ミュンヘンで会議を行った。

結果、1週間以内に”戦闘行為”を停止することで合意したと発表した。ただし、しかし、欧米側、ロシア側ともにISISとアルヌスラ(アルカイダ系)に対する攻撃はやめないとしており、結局本当に停戦状況になるのかどうかはまだ不透明である。

しかし、今、アレッポ地域で、激しい空爆を行っているロシアも合意したということで、実現への期待が高まり、実現されれば、24時間以内に、シリア国内への人道支援物資を、アレッポやその他の地域に届ける可能性があるという。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4765376,00.html

*米露の隔たり

今回、米露は、部分的な戦闘行為の停止で合意したわけだが、両者は根本的に目標を異にしており、根本問題に進展があったわけではない。

ロシアは、シリアの内戦を解決するには、アサド政権を復活させるしかないと考えており、反政府勢力を一掃するという考えは変えていない。また、アサド大統領は、木曜にAFP通信のインタビューに答えて、「シリア全土をくまなく奪還するまで戦う。」と述べている。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4765446,00.html

一方、欧米は、自国民26万人を死に追いやり、1100万人を難民にしたような人物を国の指導者に据えておく事はあり得ないする姿勢を崩しておらず、ロシアと、まっこうから対立している。

今回、この休戦が実施されるかどうかはまだ不透明である。しかし、これが実施されないと、シリア市民がどんどん死んで行くことを意味することは確かである。かなり深刻である。

<キレるトルコ:難民受けいれは限界>

シリア難民が押し寄せているトルコとの国境は、まだ閉鎖されたままで、5万人にも及ぶ難民は、この寒さの中、テントで待機している。トルコはすでに260万人以上のシリア難民を受け入れており、もう限界なのである。

11日、国際社会から、国境を開けるよう圧力を受けているのか、トルコのエルドアン大統領がついにキレて、「我々は馬鹿ではない。我慢にもほどがある。」と訴え、難民はそのままヨーロッパへ送り出す可能性もあると、脅迫じみた示唆をした。

また、「シリアで、”民族浄化”が起こっているのに、国連はもっと何かできるはずだ。」と、国連を強く非難した。

エルドアン大統領は、この先、ロシア軍とアサド政府軍が爆撃を続けた場合、新たに難民60万人がトルコ国境へ押しよせることもありうるとし、トルコはそうした事態も考慮していると言った。

トルコは、シリア難民をトルコ領内には入れず、国境よりシリア側に難民のための安全地帯を設立する案を主張している。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4765166,00.html
タグ :

大統領選挙と中東で忙しいアメリカ:北朝鮮問題は? 2016.2.13

 2016-02-13
上記のようにアメリカは、中東シリア問題で緊張し、大統領選挙が近づいて来て、日々忙しくなっている。

その背後で、北朝鮮が、地下水爆(?)実験をしたあと、衛星の打ち上げを行い、核弾頭をつけた長距離弾道ミサイルへの可能性を世界に見せつけた。

北朝鮮の目的は、アメリカを交渉に引き出すこととみられているが、アメリカは、今、手一杯である。この問題については、「とりあえず、地域の国々で対処してもらいたい。」との姿勢を示している。

安倍政権は、日本独自の経済制裁を発動した。すると北朝鮮が、拉致問題の調査を全面中止すると逆襲してきた。日本に対して、「深刻な挑発だ。深刻な結果を招くだろう。それは安倍首相の責任だ。」と脅迫している。

明らかに本末転倒だ。先に核実験や、弾道ミサイル開発にもつながる衛星打ち上げをして挑発したのは北朝鮮だった。アメリカが手一杯の中、安倍政権が、最善の動きをするようにと願う。
タグ :

テロ対策で激しい議論 2016.2.11

 2016-02-11
イスラエルは多様な国である。考え方も様々である。それが集まって、世界でも最もややこしい場所にあり、絶えず生死に関わる問題に直面している。したがって、イスラエルでは、常になんらかの激しい論議が行われている。今ある論議もかなりシリアスな問題である。

<テロ対策はどうするのか?>

前回オリーブ山便りを送信してからもテロは続いている。

8日月曜、テルアビブに近いラムレで11才のユダヤ人少年が17才アラブ人少年に刺されて中等度の負傷。アラブ少年は、逃げようとしていたころ逮捕された。ラムレでは先週13才少女2人が警備員を刺すという事件が発生している。

月曜午後、エルサレム旧市街のダマスカス門で、42才のアラブ人女性が、あやしい動きをしていたところ、所持品の中に大きなナイフが発見されて逮捕。人を刺すつもりだったと自供。

http://www.jpost.com/Israel-News/11-year-old-wounded-in-Ramle-stabbing-police-checking-motives-444247

9日には、ダマスカス門で16才の少女が、IDの提示とかばんの開示を求められたこころ、ナイフを出して治安部隊に切りかかった。少女はその場で逮捕。

エルサレム南部グッシュ・エチオンでは13才の少女が、入植地入り口付近で怪しい動きをしているとの通報から、治安部隊が身柄を確保した。ナイフを所持していた。 http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4763983,00.html

9日夕方には、エルサレム南部の入植地ネエベ・ダニエルで、ジョギングをしていたトメル・ディチュアさん(28)がナイフで刺されて中等度の負傷。ビデオ:http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/207844#.VruPV6UWnA8

・・・というように、ほぼ毎日、イスラエル市民に負傷者が出るか、その試みが発生しているということである。政府はこれにどう対処するのか。

1)政府:パレスチナ人経済支援と全国に防護壁設置へ 

イスラエル軍は以外にも、今のパターンのテロは武力による取り締まりだけでは逆効果だとの分析を明らかにした。彼らの生活を改善しない限り、テロへの動機はなくならないというのだ。(パレスチナ側のデータでは、西岸地区の20-29才の失業率は30%・2015年)

そのため、政府は、あらたにパレスチナ人3万人に、イスラエル国内での労働許可を出すことを計画しているという。現時点で労働許可を持っているパレスチナ人は5万5000人。*数値データはYネットより

この5万5000人とともに、許可証を持っていない3万人の計8万5000人のパレスチナ人が毎日、検問所を通過している。そこへ新たに3万人が加わることになる。テロの多くは検問所で発生していることを思うと、これはまさに、右の頬を殴られて左を出すようなものである。

しかし、連立与党の右派ユダヤの家党のベネット党首は、3万どころか10万人に労働許可を出すべきだとも言っており、この方策が効果ありという結論に政府も達したようである。

同様の考えから、昨年末、イスラエル政府は、アラブ市民開発5カ年計画を開始し、150億シェケル(4700億円)を計上している。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4763666,00.html

しかし、ネタニヤフ首相は10日、それだけでなく、防衛を目的として、イスラエル人の住む地域全域を囲む防護壁を設置するための準備を始めたことを明らかにした。(防護壁がどのようなラインにそって設置されるのかという一番大きな問題は発表せず)

つまり、アメを与えて、テロを起こす気をくじくと同時に、防衛もきっちり行うということである。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4764153,00.html

2)野党・シオニスト陣営(労働党)案

最大野党のシオニスト陣営(労働党)のヘルツォグ党首は、現時点では、もはやパレスチナ側との話し合いは不可能だという認識を示し、労働党独自の防衛案を提出した。

それによると、まず厳しい現実を見据え、2国家設立案(イスラエルとパレスチナという2つの国にする案)をとりあえず、いったん保留とし、両者をできるだけ分離して、落ち着いたところで、話し合いを再開するという事が骨子になっている。

具体的には、こちらもネタニヤフ首相と同様、イスラエル人居住区を防護壁で囲んでパレスチナ人との接触を最小限にするということだが、その中で、エルサレムの周囲を取り囲む28のアラブ人居住区との間にも壁を作ると訴えている。

現在、東エルサレムのパレスチナ人居住区には、100%パレスチナ人だけが住んでおり、そこから多数のテロリストが排出されている。東エルサレムと西エルサレムの間には、なんの隔てもない。

ヘルツォグ氏は、イスラエルを憎むパレスチナ人しかいない地域を含めて、統一されたユダヤ人国家の主都エルサレムだというのは、少なくとも現時点では、非現実的だと主張する。

しかし、東エルサレムとの間に、たとえ一時的であっても壁をつくることは、統一された町エルサレムを推進しようとして、東西をつなぐ路面電車まで通してがんばっているエルサレム市の意向に大きく反する。バルカット市長はこのヘルツォグ案を、エルサレムを再分割することだと反発している。

ネタニヤフ首相は、10日の国会で、ヘルツォグ氏の案について、「今頃になって現状(現時点で2国家2民族案が不可能だということ)に気がついたのか。おめでとう。それに気がついたのはあなたが最後だ。ようこそ中東へ。」と痛烈な嫌みを放った。

こうしてみると、やはり政府案の方が、ましにも思えるが、パレスチナ人に支援をしたとて、それでテロが減るとも考えにくく、なかなか難しい問題である。いずれにしても、結局は、神のみこころ(おぼしめし)がなるというところか。

<非倫理的か民主主義か?:アラブ系議員がテロリスト家族を訪問>

上記のように、ユダヤ人どうしでも常に意見が割れているが、イスラエルには、互いに敵対する2つの人々が、同じ国民の権利を持って共存しているという、他国にはない課題も持っている。こうなると、同じ出来事でも、見る方向が違うので、いちいち意見が分かれる。

ここしばらく、イスラエルでは、治安部隊に射殺されたテロリストの遺族を、アラブ系議員が訪問したことで、連日大きな論議になっている。

4日、アラブ統一政党の議員のうち3人が、昨年10月に、エルサレム東南部アルモン・ハナチーブで、バス78番に乗っていたイスラエル3人を殺害し、逃亡中に治安部隊に射殺されたテロリストの家族を訪問した。この家族は、その翌日、パレスチナ自治政府のアッバス議長に招かれてラマラの議長府を訪問している。

訪問を実施した議員は、これまでからも反イスラエル行動で問題になり続けてきたアラブ人女性議員のハナン・ゾアビ氏と他2人だった。

このことは、イスラエル人の心情を大きく逆なでした。特に問題となったのは、議員たちが、家族を訪問した際に、死者に敬意をはらって1分ほどの黙祷をしたことだった。

「これらの家族は、息子にユダヤ人を憎むように育ててきた家族ではないか。ユダヤ人を殺したテロリストのために、イスラエルの国会議員がその家族を訪問し、黙祷するなどもってのほかだ。」と大騒ぎになった。

これはたとえば、日本にイギリス人政党があったとして、その議員が、後藤健二さんたちを殺害したイギリス人ISISの聖戦ジョン(欧米軍の空爆で死亡が確認された)の家族を訪問し、ジョンのために黙祷したようなものである。日本でもおそらく問題になることだろう。

ネタニヤフ首相は、「自由にもほどがある。この3人はイスラエル国会の議員の資格はない。」と厳しく非難した。与野党の党首もそれぞれ厳しく非難するコメントを出した。ベネット氏にいたっては、3人を「黒いシミだ。」とまで言っている。

これに対し、訪問を実施したアラブ系議員たちは、「治安部隊に射殺されたパレスチナ人の遺体が、4か月も経つのにまだ警察の冷蔵庫に入ったまま返還されていない。

訪問の目的は、あくまでもイスラエルが出している遺体返還の条件について、遺族と相談・交渉するためであり、法にふれることは何もない。」と反論している。 

1)アラブ統一政党・党首アイマン・オデー氏の反論ー9日記者会見抜粋

オデー氏はこの件について、以下のように説明、反論した。

この訪問は、純粋に遺体の返還に関する交渉のためだった。黙祷したと非難されるが、それはアラブの文化・礼儀に関わる事で、死者がどんな人物であったかには関わりがない。

この事件の後、テロはテロとして非難するべきだとさんざん言われた。しかし、私はアラブ系市民(全人口の20%)を代表とするものとして、アラブ人たちの心情にも沿わなければならない。

私は、暴力には断固反対する。最近のテロは、倫理的にだけでなく、政治的にも間違っている。私は、ユダヤ人とアラブ人が共に働けば、この問題を解決できると考えている。しかし、イスラエルでは、残念ながら、アラブ人は頭から問題あり少数派という扱いを受ける。同じ国民でも立場は対等ではない。

今回のことで、ネタニヤフ首相はじめ、閣僚たちも一斉にアラブ人を責め立てる発言をした。国の指導者らのこうしたコメントを聞いてイスラエル在住に在住するアラブ人がどんな気持ちになると思うのか。残念ながら溝は深まる一方だ。

2)イスラエル政府の対処

イスラエル政府は、9日、パレスチナ人テロリスト10人の遺体の返還すると発表した。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Palestinian-campaign-demands-Israel-release-bodies-of-east-Jerusalem-attackers-444340

イスラエル政府は、テロリスト家族を訪問したアラブ系議員3人について倫理諮問委員会を開き、3人に対する訴えを受け付けた。ネタニヤフ首相やエデルステイン国会議長を含む450件の申し立てがあった。

これを受けて、3人は向こう4か月を上限として、国会への出入り禁止となる。さらにネタニヤフ首相は相当怒り狂っていたらしく、3人の行為を違法だとするための法整備もすすめているところである。

http://www.jpost.com/Israel-News/Politics-And-Diplomacy/Knesset-Ethics-Committee-bans-Balad-MKs-from-Knesset-debates-444297

<石のひとりごと>

倫理か民主主義か。この問題は、連日、テレビでも激しく論議された。この問題は、ユダヤ人と戦って来たアラブ人も共に住む中で、ユダヤ人の国という性質を維持しながら、かつ民主主義を維持することの難しさを現す一面である。

しかし、この問題がオープンに論議されているところや、オデー氏が、外国人記者らに向って自分の主張を述べられる所が、すでにイスラエルがすぐれた民主国家であることを現しているのではないかと思う。

少なくとも、よくやっているといいたいところである。
タグ :

超正統派10人に1人は脱落 2016.2.11

 2016-02-11
超正統派ユダヤ教徒といえば、黒い服に身を包み、律法に忠実に生きようとするユダヤ人である。親から子へと彼らの特殊な生き方が引き継がれて行っている。

多産であるため、イスラエル国内にいる正統派の数はうなぎのぼりで、社会福祉で彼らを養えなくなってきている。

そんな中、超正統派社会に合意できず、そこから離れる人が増加中であることがわかった。統計によると、すでに超正統派の約8%が、そうした”元正統派”になっているという。その数は、増える一方らしい。

先日、そうした”元正統派”の人々の記者会見があった。脱出の証をしたのは、13年間もラビをしていて、今は正統派でなくなったアビ・タピリンスキーさん(39)と、”元正統派”の社会的リハビリ運動を行っている、やはり元超正統派”のヨシ・クレアさん。

アビ・テピリンスキーさんは3年前に、黒い超正統派の”ユニフォーム”を脱いだ一人である。今は、Tシャツにジーンズ。たっぷりあったひげも短くし、耳の後の長いびんも切り、普通の39才の男性である。

ラビ時代の写真を見せてもらったが、30才は若返り、全然別人だ。今は、超正統派を離れた元正統派たちのグループを導くリーダーになっている。

はじめて超正統派の”ユニフォーム”を脱いだ時、どんな感じだったか聞くと、「自由だ~」と思ったという。

しかし、この自由の代価は非常に大きかった。超正統派社会は、アビさんをその子供たち6人から完全に切り離してしまった。今は全くコンタクトがとれないという。奥さんにも会えない。超正統派社会は、脱出者を出さないように、かなり厳しく人々を縛り付けているとアビさんはいう。

ほとんどの超正統派たちは、そういう生き方しか知らないし、それがよいと信じているので、苦でもなく、満足している。しかし、中には、別の生き方もあるのではないかと疑問を持つ人も当然出てくるのである。

いったん疑問を持ち始めると、超正統派として生きる事は、これはもう地獄である。朝起きてから寝るまでの行動が決められている。アビさん自身は、ラビでありながら、ある問題に直面し、その答えを正統派の教えの中に見いだそうとしたが、見つけられなかったと言う。

以来10数年以上、いろいろな別の道を模索した。メシアニックジューのところも訪ね、しばらく通ってみたそうである。

最初は気に入っていたのだが、しかし、「イエス以外に救いはない。」という、自分とは違うものをだめなもののように言う、「こうれなければ」という縛りがそこにもあったので、「これも違う」と思ったと語る。

他にもバハイ教などもあたってみたが、どれもしっくりこなかった。ということで、今は、”元超正統派”たちによる、これまでにない、新しいユダヤ教グループを立ち上げ、そのリーダーになっている。

正統派からすれば「異端」になるのだろうが、アビさんは、非常にオープンで、物腰もやわらかく、おだやかな人という印象を受けた。

ヨシ・クレアさんによると、”元超正統派”は、正統派を離れた後、モダンオーソドックス(近代的正統派ユダヤ教徒)になる人が1/3、改革派ユダヤ教徒になる人が1/3、まったくの世俗派になる人が1/3だという。

<救済が必要な元正統派>

元超正統派は、特に男子は幼いときからトーラーやタルムードなどしか学んでいない。数学も英語も習わず、社会で働く技能がほとんどない。しかも超正統派でなくなった時点で、国からの補助もなくなる。

こうした超正統派落ちこぼれ組は、特に若者は、救済しないと、ヒルトップユースのように、ユダヤ教過激派に流れて行く可能性もある。

ヨシ・クレアさんは、そうした元正統派たちの救済のために、エルサレム市などに働きかけている。自分の意志に関係なく、一般教育を受けられなかったのは、国にも責任があるのではないかと訴えている。

<逆らえない?独特の社会通念>

8日夜、アシュドドでは、イスラエル軍の徴兵に応じなかった正統派の男性をイスラエル軍関係者が逮捕しに来るといううわさがたった。

実際に、軍関係者がアシュドドの、超正統派地域に入ったところ、超正統派たちが暴徒となり、軍の車をひっくり返すまでになった。そこまで徴兵を拒否しているということである。

一方、同じ超正統派でも、徴兵に応じたいと思う若者は最近増えて来ている。しかし、従軍した超正統派の若者たちは、出身地では裏切り者とされ、身の危険もあるため、家に帰る前に軍服を脱いで、ひっそりと帰るのだと言う。結局は家をでなければならないケースも少なくない。

またヨシさん、アビさんによると、女性が正統派社会から脱出するのはもっと難しいと証言する。

ただし、彼女たちのほとんどは、そうした生き方に疑問をもっていない。そういう場合は、正統派の生き方でも苦痛ではないと、アビさんたちは強調している。

<ユダヤ教超正統派社会に変化!?>

エルサレム市で、超政党派問題を担当し、自身も正統派のイツハク・ピンドラス氏は、ここ数年の間に超正統派の社会は大きく変わって来ていると認める。

かつてイシバには400人のユダヤ人少年が学んでいたのに、今ではその数は12万人にふくれあがっている。一時は禁止されたスマホだが、今はコシェルのスマホ(ユダヤ教に反しないスマホ)があり、ラビたちですら持っている。

また女性たちが、正統派女性オンリーの会社を立ち上げて利益をあげている。こうしたことは今までなかった事である。そのような中で、実際に、元超正統派から出て行く事を考えている人が出て来ても全く不思議はない。超正統派社会も大きく変化しているのである。

ピンドラス氏はまずは超正統はの定義付けが難しいとしながらも、少なく見積もっても全体の5%。正統派社会では、毎年16000人のティーンエイジャー(16-17才)が増えるとみて、年間、800人若者が落ちこぼれている。

10年では8000人となり、これは正統派社会にも大きな影響となり始めていると語る。しかし、同時に、ピンドラス氏は、あるメディアが、「正統派社会が崩壊する!?」などと書きたてたが、全体の90%が、正統派の生活にとどまっているということは、決して崩壊とは言えないと主張する。

ピンドラス氏が、直接口にはしないものの、こうした脱落者(裏切り者)に不快を感じていることは明らかだった。超正統派社会から、脱出組への風当たりは相当強いはずである。

そういうわけで、ヨシさんらが、脱出希望組を支援するとしても、脱出の道ありと宣伝すると、「宣教だ」と言われるため、決して積極的な救済活動はしていないという。

それでも、口コミで、次々につながりができて、アビさんのやっているようなコミュニティが数も増え、大きくなってきている。こうした動きは、アメリカの超正統派社会ではもっと顕著だという。

こうした変化は、2013年に、ラビ・オバディア・ヨセフが死去したときから急に顕著になってきたとアビさんは確信と喜びを持って語る。大元締めがいなくなり、超正統派の家庭に生まれても、他の道を選ぶ権利があっていいはずだと思う人が増えて来たということである。

メシアニックの人々にとっては、大きな収穫が目の前に広がっているのではないだろうか。日本からも、この人々を覚えてとりなしを!

http://www.m-central.org/#!One-of-ten-Haredi-is-leaving-the-Orthodox-World/c1skh/ikc91dh618
タグ :

アレッポ(シリア)から3万人がトルコ国境へ 2016.2.11

 2016-02-11
http://www.bbc.com/news/world-middle-east-35531178

ロシアの激しい爆撃を受けているシリア第二の都市アレッポ。先週、アレッポから3万人以上の群衆がいっせいにトルコとの国境へ逃げて来た。その流れは今日も続いている。

トルコは、難民には戸を開けるという原則は守ると言っているが、実際にはまだ国境を開ける気配はない。トルコはこれまでに250万人もの難民を受け入れており、もう限界とみられる。また、トルコからヨーロッパへ難民が流れているため、ヨーロッパからも何らかの要請がある可能性もある。

トルコは、その扉を開けていないが、シリア側にいる難民には、テントや食料を供給しており、巨大なテント村ができあがっている。

しかし、問題は、まだアレッポ周辺にいるシリア市民たち30万人である。国連によると、アサド政府軍とロシア軍が、地域にいる反政府勢力を包囲した場合、この30万人も、共に外との連絡がとれなくなり、たちまち食料がなくなるという。

政府軍はロシア軍に助けられて反政府勢力を攻撃し、アレッポ周辺の領域を急速に取り戻している。これに対する反政府勢力は、欧米や湾岸アラブ諸国の支援を受けているのだが、こちらは、地上軍を派遣していないばかりでなく、基本的にISIS攻撃以外の行動はとれないことになっている。

つまり、アレッポ周辺にいるシリア市民30万人を救い出す手だてはないのである。

先日の世界ドナー会議では、予想を上回り、1兆円以上の約束がなされたが、これほど多くの人々を養い続けることは難しい。やはり元を絶たなければならないが、シリア情勢は、混迷を深めるばかりである。
タグ :

ダマスカス門でテロ:女性兵士(19)死亡 2016.2.4

 2016-02-05
3日水曜午後、エルサレムの旧市街ダマスカス門で、ナイフと銃によるテロが発生。女性国境警備隊員2人と男性市民1人が負傷した。

女性国境警備隊員2人は、ナイフで首などを刺されて重傷と伝えられていたが、後にそのうちの1人ハダル・コーヘンさん(19)が、病院で死亡した。もう一人(20)は、改善に向い始めている。男性の負傷者は軽傷。

地元メディアによると、コーヘンさんら女性国境警備員2人は新米で、まだ訓練中だった。2人は、司令官とともに、ダマスカス門のベンチに座っているパレスチナ人2人にIDの提示を求めた。すると、一人が、ナイフを出して女性警備隊員を刺した。これを見てハダルさんが犯人を射殺。

続いてもう一人のパレスチナ人が、カールグスタフ・ライフル(軍隊が使うマシンガンの一種)で銃撃を始めたため、近くにいた警備隊員と先に負傷した女性兵士が銃で反撃して射殺した。

しかし、同時に3人目のテロリストが現れ、近距離からハダルさんを撃った。その直後、付近にいた警備隊員が、この3人目を射殺。テロリスト3人は全員現場で射殺された。

現場付近では、爆発物2つと銃2丁も発見されたため、イスラエル軍は周辺を一時遮断した。

パレスチナ側からの情報によると、事件を起こしたテロリストは、西岸地区ジェニン付近の町出身のアフマド・アル・ロウブ、モハンマド・カミル、モハンマド・ナセル(20-21才)。3人は違法にイスラエル領内に入り込んでいた。

今のところ、組織的な関与はなく、個人レベルの犯行と見られている。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4761536,00.html

*イスラエルの国境警備隊員

正式には警察の管轄下にある国境警備隊は、イスラエル軍、警察と並んで、イスラエルの治安部隊の一つ。軍と同様に、徴兵で配置が決まる。エルサレムは統一された町だが、東エルサレムの住民はほとんどパレスチナ人で、市の東西の境目は、1967年年までは国境だったこともあり、普段は多くの国境警備隊員が旧市街を守っている。

<エルサレム市内の様子>

エルサレム中心地から、旧市街ダマスカス門までは路面電車でわずか2駅。5分もかからない。犯行時間、記者は中心地にいたが、その路面電車の線路上をパトカーやバイクの警察官らが、何台もサイレンをならしてけたたましくダマスカス門方面へ走り抜けて行った。

町の人々は、何人かは不安そうに、それらを見送っていたが、いかんせん、この光景はエルサレムではもはや珍しいものではない。まったく無視しているか、「またか・・・」という程度で、人々は自分の用事に足早に歩いているだけだった。

<イスラエル軍の対応>

ネタニヤフ首相は、今回も緊急治安閣議を開催。その指示でイスラエル軍は、昨夜上記3人の出身の村カバティアを閉鎖。村に大規模に踏み込んで、多数のパレスチナ人を逮捕した。(以下のパレスチナメディア欄参照)

また、今回、3人が違法に、しか本格的なマシンガンのような武器を持ったままどうやってイスラエル領内へ入ったのかが問題となっている。ヤアロン国防相は、事件直後からのカバティアの閉鎖を翌日も継続するとともに、西岸地区全体の警備体制を強化している。

<パレスチナメディアの報道>

パレスチナ側のメディア、マアヤンはこの事件について、「パレスチナ人3人射殺。エルサレムでのテロでイスラエル兵殺害後」との見出しで報道している。

http://www.maannews.com/Content.aspx?id=770107 (犯行に使われたマシンガンと射殺された3人の笑顔の写真あり)

昨夜のカバティアへのイスラエル軍の踏み込み捜査について、マアヤンは詳細を伝えていた。それによると、踏み込みの乱闘で、パレスチナ人1人が頭を撃たれて重傷。15才の少年が、イスラエル軍のジープにはねられて重傷となったと伝えている。逮捕者は、17才2人を含む10人だった。

これについて、イスラエルのメディアは詳細を報じていないため、どこまでほんとうかは不明。双方とも、自分に都合の良い書き方になるので、同じ事件でも、かなり違うイメージになっている・・・

<アッバス議長:テロリスト11家族を招待>

アッバス議長は上記テロ事件発生後まもなく、11のテロリスト家族をパレスチナ自治政府に招き、彼らへのサポートを表明し、イスラエル政府に対しては、テロ現場で射殺された者の遺体を家族に返還するよう訴えた。

テロ直後だっただけに、イスラエル人にはかなり不快。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4761949,00.html
タグ :

13才少女2人:モールで警備員刺して逮捕 2016.2.4

 2016-02-05
木曜朝、テルアビブに近い町ラムレのモールで、13才のパレスチナ人少女2人(いとこどうし)が、入り口にいた警備員を台所用のナイフで刺した。

警備員は軽傷で、2人は付近にいた市民らに取り押さえられ、その場で無傷で逮捕された。

その後警察が来るなどで混乱している現場で、紛れ込んだ若い男が取り押さえられた少女らににつばをはきかけている様子が防犯カメラに映っていた。現場での警備の甘さが指摘されている。

わずか13才。ほとんど小学生である。(とはいえ日本の13才よりはかなり大人である)2人は普段は極普通の子供だったという事で、現在、事件の背景や、犯行の動機などについて捜査がすすめられている。

しかし・・学校に行くかばんの中に台所用のナイフが入っているだけでもすでに異常事態ではないかと思う。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4762013,00.html
タグ :

ハマスのトンネルまた崩壊で2人死亡 2016.2.4

 2016-02-05
ハマスの指導者イスマエル・ハニエが、イスラエルとの戦いに備え、大々的にトンネルを掘っていると公言したが、ここ1-2週間の間だけで、3回目となるトンネル崩壊事故が発生した。

前回は7人が死亡したが、今回は2人。マアヤン(パレスチナメディア)によると、35才と23才のハマス戦闘員が死亡している。

マアヤンは、この件について、 COGAT( Coordinator of Government Activities in the Territories - 主にガザ地区への物資搬入を取り扱うイスラエル軍の部署)の総司令官ヨアブ・モルデハイ司令官にインタビューした。

マアヤン記者が、「もしかしてトンネル事故はイスラエルが仕組んでいるのでは?」と聞くと、モルデハイ司令官は、「神が知るところだ。」と答えたという。

また、「ハマスのトンネルはイスラエルにとって脅威ではない。パレスチナ市民を死に追いやっているトンネルからは離れた方がよい。」とも言っている。

昨年の夏にガザからの地下テロ用トンネルを通ってテロリストがイスラエル領内に侵入した事を受けて、イスラエルは直ちにこうしたトンネルに対処するハイテクを導入したと伝えられていた。

また最近、南部住民が、地下でトンネルを掘る音がすると訴えてからは、あちこちを掘るなどしてトンネルの対処しているが、今の所、実際のトンネルが発見されたことはない。

マアヤンによると、2007年にハマスがガザを支配してから2012年までにトンネル関係で死亡したパレスチナ人は160人。その後アルジャジーラが、2014年夏の時点で伝えたところによると、トンネルでの死者は400人となっている。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4761435,00.html(トンネル事故で死亡したガザのパレスチナ人の写真あり)

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/207508#.VrLhxKUWnA8 (ヨアブ・モルデハイ司令官記事)

http://www.maannews.com/Content.aspx?id=770097 (マアヤン記事)
タグ :

未成年ユダヤ人テロリストへ終身刑の判決 2016.2.4

 2016-02-05
2014年、エルサレムのパレスチナ人地区シュアハットの16才の少年モハンマド・アブクデールさんを、生きたまま焼き殺すという残虐な犯罪を犯したユダヤ人テロリスト2人への判決が、エルサレム地方裁判所から出た。

未成年であるため、名前はまだ公表されていないが、被告(17才)は終身刑と+3年。もう一人の被告(16才)は21年である。この他、2人の家族には、犠牲者に支払う罰金が課せられる。

この判決が出る前は、被告らが未成年であり、成年でグループの首謀者だったベン・ダビッドの影響下にあったとして、15年までの刑になるとの論議もあった。しかし、最終的に終身刑になったものである。*ベン・ダビッドは精神異常の可能性あり

<被害者家族は不満:最高裁へ>

判決を聞いたモハンマド・アブクデールさんの家族は、被告(16才)が21年の刑であることを不服として、最高裁に訴えると言っている。

また、パレスチナ人のテロリストの場合、その場で射殺され、かつ家族の家が破壊されるという措置がとられるのに、ユダヤ人のテロリストの家は破壊される指示がでなかったことへも不服を訴えている。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Abu-Khdeir-murderers-sentencing-1-minor-gets-life-in-prison-1-gets-21-years-443829
タグ :

シリア・世界ドナー会議:ロンドン 2016.2.4

 2016-02-05
<シリア和平会議は延期:実質頓挫か>

シリア問題を解決するために、国連主導で、アサド政権と反政府勢力の代表が同席する交渉が計画され、双方の代表団がジュネーブに到着した。今回の目標は、シリア内部にいる18地域1350万人の市民への人道支援の実現だった。

しかし、アサド政権側は、反政府勢力をきちんとテロ組織と区別しない限り、国連の人道支援でも協力はできないと強気の主張。アサド政権の背後にいるイランとロシアもこれに同調している。

BBCによると、ロシアが本格介入して以来、アサド政権は、反政府勢力に奪われた領地を次々に奪回している。ロシアとイランは、シリアに地上軍を派遣しているため、両国の協力がないと、いかに国連でもシリア国内に入るのは難しい。

一方、反政府勢力だが、本来欧米諸国がついているはずだった。しかし、欧米と同盟国は空爆と多少の地上軍支援だけであるため、どうしても、ロシアを味方に持つアサド政権に対し劣勢となっている。

この段階では、実質的な合意は無理との見通しから、デミストゥーラ国連シリア問題特使は、会議を2月末まで延期すると発表した。

http://mainichi.jp/articles/20160205/k00/00m/030/029000c

<世界ドナー国会議>

解決への見通しが遠のいたが、シリア難民は400万人が国外へ、国内では600万人が難民となり、シリア領内では、自宅にとどまっている人も含め1350万人が緊急に人道支援を必要としている。なんとかしなければならない。

ヨルダンなど難民を受け入れている周辺諸国は、もはや限界をとうに超え、そこにとどまる難民たちの生活は悲惨きわまっている。ここからまたテロは発生して行くことは避けられないことと懸念される。

本日4日からは、ロンドンで、シリア難民に対処するためのドナー会議が行われた。出席したのは日本を含む60カ国。目標額は90億ドル(約1兆円)だったが、実際には100億ドルの約束がなされた。

これほど額が大きくなったのは2015年のドナー会議で約束された額で、実際に送金されたのは43%(29億ドル)にとどまったからである。今回も、約束はしても実際に送金するかどうかは不明・・・

シリア問題。やはり人間の手には負えない状況になりつつある。

なお、2015年の最大支援国はアメリカで、次はイギリス。日本は10番目の支援国である。今回の会議については外務省からの情報はまだない。
http://www.bbc.com/news/world-middle-east-35488674
タグ :

昨日も今日も毎日テロ事件発生 2016.2.2

 2016-02-02
イスラエルではようやく暖かい日が戻って来はじめたところだが、週末から、エルサレム界隈で、パレスチナ人によるテロが毎日発生している。

エルサレム市内の様子はほとんど変わりないが、ラマラへの道路が一時閉鎖されるなど、西岸地区の検問所や入植地では緊張が続いている。

<ダマスカス門周辺:ナイフテロで市民1人負傷>

エルサレムでは、土曜夜、旧市街ダマスカス門付近で、嘆きの壁で祈って帰る途中の超正統派のユダヤ人(17)とその友人の2人が、ナイフを持ったテロリスト3人に襲われ、一人が刺され、軽い傷を負った。

3人は旧市街へ逃げたが、防犯カメラの映像から、約1時間後に容疑者2人(どちらも15才)を逮捕。まもなく3人目(16才)も自首して3人は無傷で逮捕された。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Third-teen-charged-in-Damascus-Gate-stabbing-443429

<パレスチナ自治政府警察官によるテロ:イスラエル兵3人負傷>

日曜朝、エルサレムから車で15分ほど東、入植地ベイト・エル近く、ラマラへの出入り口となる検問所で、銃撃テロが発生した。これにより、イスラエル兵3人が負傷。2人(21才、31才)は重傷となっている。犯人はその場で射殺された。

地元メディアによると、テロリストは、シェケム近郊在住のアムジャド・スカリ(34)。現職パレスチナ自治政府警察官で、自治政府高官のボディガードもしたことがある人物。4人の子供の父親だった。

犯行に及ぶ朝、自撮り写真と「この世には生きがいというものがある。しかし、占領が私たちの首をしめ、兄弟姉妹が日々殺されている状況では、生きる目的を見いだせない。神が殉教者を顧み、傷ついたものを癒してくださるように。」といった内容のコメントを残していた。 

しかし、パレスチナ側のメディアが伝えたところによると、スカリには、かなりの借金があり、それが自殺の原因でもあった可能性もある。給料はわずか2200シェケル(7万円程度)で、一家を養っていくにはまったく足りない額だった。写真の顔には、深い絶望が読み取れる。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4759943,00.html

ベイト・エルでのテロがあった同日、日曜午後には、エルサレムから西へ出る国道433号線の検問所で、立っていたイスラエル兵らに向って突っ込んで来る車があった。テロリストは、実際に兵士らをはねる前に撃たれて負傷し、病院に搬入された。

<西岸地区防護壁を超えて侵入・イスラエル兵襲う>

本日月曜朝、パレスチナ人が、西岸地区の入植地サリトの防護壁を超えて侵入しようとしていたところ、イスラエル兵が発見。男はナイフを出して兵士に襲いかかってきたため、その場で射殺された。

パレスチナ側の情報によると、射殺されたのはツルカレム近郊在住のアフマド・トバー(19)だった。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Initial-report-Attempted-stabbing-attack-in-Salit-settlement-assailant-shot-and-killed-443457

また旧市街では、14才のパレスチナ少年が、ユダヤ人宅周辺を徘徊していたため、職務質問したところ、大きなナイフを所持していた。少年は保護され、犯行は未然に防がれた。

月曜朝、イスラエルはラマラからの道路を部分的に閉鎖する措置をとった。ラマラへ入るのは住人と自治政府関係者のみ、ラマラを出るのは、基本的にラマラ住民以外に制限し、状況を見るというものである。

この措置により、車両100台が渋滞となり、仕事に出かけようとするパレスチナ人たちが大迷惑をこうむった。パレスチナ人たちは、これは、パレスチナ警察官がテロを起こしたことへの報復だとも言っている。

この措置は、夜10時半に解除された。http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4760510,00.html

<被害者家族の訴え>

テロの波はまだまだ続いているが、日曜、これまでにテロで愛する家族を奪われた遺族ら18人が、政府に陳情書を出した。

それによると、「イスラエルに、死刑はないのだから、せめて、テロリストを産み、育て、ユダヤ人を憎む教育をした家族らをイスラエルから永遠に追放する処置をとってほしい。」と要請した。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4760229,00.html

多くの子供たちが父母を失った。ようやく育て上げた子供たちを突然失った親もいる。遺族たちは、その人々がいないくなった家で、その後、どのように日々を送っているのだろうか。

社会はどんどん忘れ去って行く中、この人たちが今後、一生抱えていく大きな穴を思うと、ただ主に祈るしかない。。。
タグ :

嘆きの壁:男女同席のセクション設置へ 2016.2.2

 2016-02-02
嘆きの壁は、男性と女性にセクションが区切られている。しかし月曜、イスラエル政府は、男女が混じってもよい3つ目のセクションを新たに設置する方針を固めたことを明らかにした。

新しいセクションは、神殿の丘への通路、ムグラビゲートの南側で、既存の嘆きの壁プラザよりは低い位置にある。入り口は一つになるものの、既存のプラザとはつながっておらず、別の場所という感じになるみこみ。

嘆きの壁は、これまで、政府の保護の元、正統派が独占で管理してきた。そのため、男性と女性が同席して礼拝したり、女性のラビも認める改革派や保守派は、嘆きの壁で、独自の儀式をする事ができなかった。

最近では、Woman on the Wall(女性でキッパをかぶり、トーラーを読んだりする教派)と呼ばれる一派の女性ラビが、デモもかねて、嘆きの壁でトーラーを読み、警察に連行されたりする事件が発生していた。新しいセクションができれば、こうした衝突もなくなる。

今回、政府がこの方針を発表したのは、国会において、ユダヤ教政党(正統派)が、拒否権を発動せず、これが最善ということで受け入れたからである。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4760088,00.html

<イスラム・ワクフは反発>

しかしながら、イスラムはこれに反発している。3つ目のセクションができた場合、ユダヤ人が祈る部分の壁の範囲が拡大することになる。

イスラエル政府の発表を受けて、パレスチナ自治政府は、「ハラム・アッシャリフ(神殿の丘)への侵害にあたる。」として反発した。

エルサレムのグランド・ムフティ(エルサレムのイスラム教トップ)シーカー・モハンマド・フセインは、「その拡張する部分は、アルアクサモスクに属する部分で、イスラムの土地だ。これは、イスラムの聖地に対する敵対し、エルサレムをユダヤ化しようとする行為だ。」と訴えている。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Grand-Mufti-condemns-Israels-decision-to-create-new-prayer-section-at-the-Western-Wall-443493

*神殿の丘とユダヤ人は無関係か?

イスラム教は、ハラム・アッシャリフ(神殿の丘)は常にイスラムのものであり、ユダヤ人には何の関係もないと主張している。しかし、歴史的にも考古学的にも、聖書に書かれてるユダヤ人の神殿が、そこにあったことは明らかである。

また、1967年の六日戦争で、予想外にもアラブ5カ国軍がイスラエル軍に敗北し、神殿の丘は、いったんユダヤ人の手中にあった。にもかかわらず、当時のイスラエル軍総司令官モシェ・ダヤンが、あえて彼の方からイスラムのワクフに譲り渡したことで、今、イスラムの管理するところとなっただけである。

いわば、イスラエルの政策上そうなったということであって、神殿の丘とユダヤ人には何の関係もないとはいえないはずである。

しかし、テロが頻発している昨今、今回の措置が火に油を注ぐ結果にならないかとも思う。実際のところ、この案が実現するかどうか、注目するところである。
タグ :

地獄の沙汰のシリア:国連・調停への挑戦 2016.2.2

 2016-02-02
シリアが内戦状態になってから4年半。死者は、推定25万人。難民となったシリア人は1100万人(国民の半数近く)で、国外に逃れた人は450万人以上、国内で難民になっている人は650万人である。(BBC)

2015年は、ISISが大暴れし、国際社会の空爆も強化された。そのため100万人がヨーロッパへ逃れたが、シリア国内でも、昨年だけで120万人が新たに難民となった。

問題は、ヨーロッパへ逃れた難民のうち、54%(昨年1月の国連データ。後には70%というデータもある)が、テロリストにもなりうる屈強な独身男性だったということである。女性はわずか17%で、こども29%だった。

http://data.unhcr.org/mediterranean/country.php?id=83

パリで130人が犠牲となったテロ犯の中に、難民として入りこんだ者が関わっていたり、またドイツでは大晦日に多数の女性が各地で暴行される事件が発生した。同様の性犯罪被害は、ドイツ以外でも発生していることがわかってきている。

最近では、各国の住民が怒って、難民キャンプを襲ったり、難民が暴行を受けるなどの事件に発展して来ている。このため、ヨーロッパでは、ドイツも含め、スェーデンなども難民受け入れを制限する方針を打ち出している。

<極寒の冬でも海を渡る難民>

それでも、IOM(国際難民組織)によると、今年1月だけで、地中海を渡った難民は5万5568人、ボートが転覆し、地中海で溺死した難民は244人。土曜30日にも、40人の遺体がトルコの海岸に打ち上げられるという悲惨な状況が伝えられている。

http://www.bbc.com/news/world-europe-35450290

<行方不明の難民の子供たち1万人>

ロイターによると、トルコの衣類工場で働かされている幼い子供たちが発見されたが、トルコで違法に働かされている小さな子供たちは、推定25万から40万に上るとみられている。
https://www.rt.com/uk/330849-syrian-refugee-children-factories/

また、EU警察インテリジェンスによると、子供1万人が行方不明だという。どこかの家庭へ引き取られた可能性もあるが、多くが性的搾取でどこかへ売り飛ばされた可能性が懸念されている。
http://www.bbc.com/news/world-europe-35453589

<餓死するシリア国内難民>

国連によると、シリア国内では人道支援の手が届かない地域が15カ所あり、そこで40万人が餓死している。やっと国連の支援が届いた町マダヤでは、支援隊が到着してから16人が餓死。あらたに33人が餓死寸前だという。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-35449107

<国連の仲裁調停への挑戦>

国連は、この悪の根源である、シリアの内戦に終止符を打とうとして、何度も当事者を含む和平交渉を行って来た。しかし、そのどれもが失敗に終わっている。

しかし、このまま放置するわけにもいかない。今年1月末に、再度争っている両者を同席させての和平交渉が計画された。

アサド大統領の代表団がまずジュネーブに来る事に合意。反政府勢力の代表勢力は、いったんは会議出席を断ったものの、日曜、代表団をジュネーブに派遣した。

両者はそれぞれ、別に国連特使スタファン・デ・ミスチュラ氏との会談を行っていると伝えられているが、そのままその情報はない。両者の間には相当な溝があり、そのどちらも譲歩する気はまったくないため、何も動いていないのかもしれない。

そうした中、ダマスカス近郊の町でシーア派(ISISはスンニ派)のモスクを爆破した。少なくとも45人が死亡した。ISISが犯行声明を出した。

この問題に対して、人間ができることはだんだんなくなりつつあるようである・・・

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-35459323
タグ :
≪ トップページへこのページの先頭へ  ≫