静かに終わる過ぎ越し 2016.4.29

 2016-04-29
イスラエルでは、28日日没より、過ぎ越しの最終日(祭日)となり、そのまま安息日入りして、30日土曜、日没とともに、今年の種無しパンの例祭が終了となる。今日29日は、エルサレムは静かな朝を迎えている。

今年の過ぎ越しは、直前にバス12番の爆破テロがあり、エルサレムでは3500人もの治安部隊が警備にあたったが、幸い、エルサレム市内で、市民に害が及ぶようなテロ事件は発生しなかった。

エルサレムでのピークは、25日(月)。この日は、嘆きの壁で、ビルカット・コハニーム(祭司の祈り)が行われる日で、広場はユダヤ人だけでなく、東方教会のイースター週でエルサレムに来ているキリスト教徒も含めて、人で埋め尽くされた。

祭司の祈りとは、コーヘン一族を中心と刷る祭司の家系に属する男性数百人が、チーフラビとともに、民数記6章に書かれた3つの祈りを神にささげるもので、この時に祭司とともに嘆きの壁にいることで、大きな祝福を受ける考えられている。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4795865,00.html

<緊張の神殿の丘>

過ぎ越しの例祭期間中は、毎年、右派ユダヤ教徒らが、神殿に入ることを試みる。今年もユダヤ教徒数百人が、治安部隊に守られながら、神殿の丘を訪問した。

神殿の丘では、女性も含めてパレスチナ人らが、ユダヤ人に罵声を浴びせかけ、衝突になりかかったが、治安部隊が複数のユダヤ人を神殿の丘から排斥するなどして、大事にはいたらなかった。

<ヘブロンとナブルス>

過ぎ越しの期間中は、ユダヤ民族への思いが深まる時となる。右派系ユダヤ教徒たちは、神殿の丘に続いて、アブラハム夫妻、イサク夫妻、ヤコブ夫妻(ヤコブとレア)が葬られたとされるヘブロンのマクペラの洞窟、さらにシェケム(ナブルス)のヨセフの井戸とされる場所を訪れる。

1)ヘブロン

ヘブロンでは、25日と26日、右派系ユダヤ人たちが、群衆となってヘブロンへと押し寄せた。さらに、そこで六日戦争でヘブロンがイスラエルの手に戻った事を祝うイベントも行われた。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/211396

言うまでもなく、ヘブロンは、テロリストを最も擁するパレスチナ最大の町。上記のようなイベントは挑発になる。この両日は、マクペラの洞窟にはパレスチナ人は立ち入り禁止となり、厳重な警戒態勢がとられた。

*分割された町ヘブロン

ヘブロンは、パレスチナ自治政府が管理するA地区であるが、町の中にはイスラエルの治安部隊が警護するユダヤ人地区がある。つまり、ヘブロンは分割された町である。

問題は、アブラハムの墓があるとされるマクペラの洞窟。アブラハムはユダヤ・アラブ双方の父である。洞窟の上の建物は、ヘロデ大王時代からの者だが、建物の中は、ユダヤ側とアラブ側とに分割され、双方とも相手側には入れないようになっている。今回、ユダヤ教徒が祈りやイベントを行ったのは当然、ユダヤ側でということである。

ヘブロンと同様に、イスラエルとユダヤ人を憎むことでは札付きの町がナブルス(シェケム)である。ここには、ヨセフの井戸と呼ばれる場所があり、ヨセフの墓があると信じられている。ユダヤ教徒にとっては聖地の一つである。

2)ナブルス(シェケム)

ナブルスもパレスチナ自治政府管理のA地区だが、オスロ合意以来、月に一日だけユダヤ人がこの井戸を訪問することを許可するという約束になっている。しかし、昨年10月には憎しみにかられたパレスチナ人に放火された。

それでもユダヤ教徒たちは、今年も27日と28日、大挙してナブルスを訪問した。警護していた治安部隊に、パレスチナ人ユースのグループが、投石するなどの衝突もあったが、幸い、大きな事態にはならなかった。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Palestinians-clash-with-IDF-forces-as-Jewish-worshipers-visit-Josephs-Tomb-452620

<国立公園は超満員>

宗教的な人々は、エルサレムや、ヘブロン、ナブルスへ向ったが、一般の家族たちは、ビーチや国立公園に押し寄せていた。そこでバーベキューをしたり、キャンプやピクニックをしてくつろぐのである。一部の国立公園では、来る人数が多すぎて閉鎖するところもあった。

アルーツ7によると、ガリラヤ湖周辺ビーチだけで50万人が訪れ、そこからでたゴミは300トンだという。

普段はお行儀の悪く、そこらじゅうにゴミを捨てるイスラエル人だが、今年は、多くのゴミが、備え付けのゴミ箱からの回収だったらしく、昨年より公園内掃除が楽だと報告されている。

日本でも例年より暑い日になっているようだが、イスラエルでも、火曜日、エルサレムで34度。テルアビブでは39度。その少し南部のスデロットでは、なんと40度を記録した。この日は、テルアビブやガリラヤ湖のビーチに30万人の人出だった。(チャンネル10)

それから後は、例年の気温に戻り、エルサレムでは朝15度前後の非常に快適な気候となっている。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/211539#.VyMLnKUWnA8

ただし、例年のごとく、悲惨な交通事故は相次いだ。25日はヨルダン渓谷で発生した2つの交通事故で2人が死亡。3人目の妊娠中の女性も重傷。

26日には、南部へホリデーに出かけていた乗用車の事故で、40歳代の父親とその15才の息子の2人が死亡。同じ車に乗っていた12才の少女も重傷となった。

http://www.timesofisrael.com/topic/car-accidents/

<休みなし・治安部隊>

上記のように、イスラエル市民たちが、休暇を楽しんでいる間も、警察や治安部隊は休みなしだった。過ぎ越し期間中もナイフによるテロが2件発生した。

水曜、エルサレムとラマラの間のカランディア検問所では、パレスチナ人の男女が、ナイフを持って治安部隊に押し迫り、2人は制止への呼びかけにも応じなかったことから、その場で射殺された。治安部隊隊員らは無傷。

パレスチナメディアによると、死亡したのは23才の女性で2人の子供の母でさらには妊娠中だった女性と、その弟で16才の少年だった。無惨に地面に倒れている2人の様子が痛ましい。なぜ、こんな無謀を試みたのかは不明。

http://www.maannews.com/Content.aspx?id=771309

また昨日木曜夕刻には、ラマラ近郊の国道443号線の検問所に、女性テロリスト2人が治安部隊に近づいて来たが、怪しい動きですぐ察知され、撃たれた。

1人は重傷を負ってイスラエルの病院へ搬送された。もう一人は逃亡を試みたが逮捕された。2人は遺書を持っていたという。パレスチナ・メディアによると2人は未成年少女だった。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4797268,00.html

ガザ地区では、まだ5、6才の子供たちに、衣装もそろえて、テロ現場を再現するスキットをやらせている様子が報じられた。

そのストーリーとは、ナイフでイスラエル兵を襲い、逆に殺されて家族が泣く。しかしイスラエルの刑務所にいるヒーローが解放される、というものである。まだ何もわからない6才ぐらいの子供がおもちゃのナイフをふりかざして、イスラエル兵役の子供に切りかかるのである。

親たちはこれを本気で喜んでいるのか、ハマスにやらされているのかは不明。

http://www.timesofisrael.com/gaza-kids-put-on-play-about-stabbing-killing-israelis/

<正教徒のイースター>

今年の過ぎ越しは、東方教会(ギリシャ正教などのオーソドックス・キリスト教)のイースター週と重なっていた。25日(日曜)朝、ベン・グリオン空港には、平均年齢75才と思われる数十人の高齢者のグループが到着していた。

小さなちょっと小太りのおばあさんたちがアラビア語で何か書いてあるはっぴを来て、アラビア語で話しながら、うれしそうに並んでいる。聞くと、エジプトからだという。確認はとれなかったが、十中八九、コプト教徒(東方系キリスト教徒)

エジプトは現在、経済的にも政治的にも非常に困難に直面しているが、こうして、イスラエルに空路やってきて、エルサレムでイースターを祝う事ができるということにちょっと感動した。

パスポートの管理に当たっているイスラエル人係官が、大軍のエジプトのおばあさんたちを前に、にこにこと対処におわれているいるのが、なんともほのぼのだった。

アラブ諸国では、イスラエルのパスポート、もしくは、ビザのはんこがあった場合、入国させてもらえないが、イスラエルでは、アラブ諸国であっても、国交がある国ならば、観光客の入国は認める。

エジプトのコプト教徒は、本国では命もねらわれるほどであるのに、エルサレムでは、安全にイースターを祝う事ができる。これは特記すべきことではないだろうか。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4795212,00.html
タグ :

イスラエルはホリデー:隣のシリアは停戦崩壊寸前で地獄 2016.4.29

 2016-04-29
とりあえずは平和に過ぎ越しを楽しんでいるイスラエルだが、その真横(斜め上)にあたる隣国シリアでは、最後の望みとも言われた停戦が崩壊寸前となり、ますます地獄の沙汰となってきた。

28日、停戦中のはずが、シリア最大の都市アレッポが、シリア政府軍によるとみられる空爆を受け、国境なき医師団の病院が破壊された。

病院で、少なくとも27人が死亡。それ以外への爆撃で30人が死亡したとみられる。アレッポだけでなく、ダマスカス近郊などでも再び空爆や戦闘が再燃している。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-36162474

国連のミスチュラ・シリア問題特使は、「シリアでは、この48時間の間(28,29日)、24分に1人が死亡する事態となっている。問題は非常に深刻である。」と報告した。しかし、このまま放っておくわけにもいかず、あきらめずに停戦への試みを続けると言っている。

ミスチュラ特使は、5年間の内戦による死者は40万人との可能性もあり、とこれまでの予想(25万人)をはるかに上回るとの見方も示唆した。

BBCによると、シリアには今なお1800万人の一般市民がいる(かつての人口約2450万人)。そのうち600万人以上は、国内難民となって死に直面していると懸念されている。

住民の一人は、虐殺を続けるアサド大統領の政府軍と、ロシア軍の空爆に対して世界はなにもしていないと叫んでいる。

アメリカのオバマ大統領は、地上軍を本格的に送り込むことはできないとしながらも、先週、ISISと戦う地元反政府勢力(過激でなく、欧米に認められている勢力)を支援する軍事関係者250人をあらたにシリアへ派遣すると発表した。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-36162701

<ねばるアサド大統領>

イギリスのメディアによると、シリア問題の解決案として、アメリカとロシアは、アサド大統領がいったん第三国に出ることで同意したもようである。新しい政府を立ち上げるにあたり、アサド大統領がそこにおさまるとは思えないからである。

ISIS撃退のためにも、シリアの内戦をいったんおさめないと、事はややこしすぎるのである。

http://www.jpost.com/Middle-East/Report-US-Russia-come-to-agreement-on-Assads-departure-from-presidency-449829

レバノンのニュースによると、イランも、アサド大統領にイランへ亡命し、そこからシリアの軍事作戦を指導するよう提案したという。しかし、アサド大統領はこれを拒否したと伝えられている。

http://www.i24news.tv/en/news/international/middle-east/110770-160423-iran-offered-syrian-president-bashar-al-assad-and-his-family-asylum-report

<石のひとりごと:ゴシェンとエジプト>   

シリアは地獄の沙汰となっているが、そのシリアとイスラエルは隣り合っている。今週、50万人がホリデーを楽しんだガリラヤ湖から、地獄の沙汰のシリア国境までは、車で1時間もかからない。ダマスカスまで行っても3時間はかからないだろう。

それほど近い隣どうしであっても、両国の状態はまさに昼と夜。過ぎ越しで語られる出エジプトの話を思わされる状況である。

出エジプト記によると、モーセはイスラエルの民をエジプトから解放するようにパロに申し出た。しかし、パロがかたくなになり、それを拒絶するたびにエジプトに災難がふりかかった。結局パロが降参し、イスラエル人を解放するまでに、10の災難がエジプトを襲ったという。

聖書によると、この時、どの災難も、イスラエル人が滞在していた町ゴシェンにだけは及ばなかった。特に、災難の一つ、完全な闇がエジプトを覆ったときも、ゴシェンにだけは、光があったと書かれている。

天からみれば、今、完全な闇の中にいるシリアのすぐ隣で、ホリデーを楽しむほどの平和があるイスラエルの状況もちょうど同様ではなかと思わされる。エルサレムの静けさのすぐ隣で、地獄が展開していると思うとなんとも言えない思いがする。

かつて、神は、そのようにして、イスラエルを区別する事で一つの国となし、彼らを約束の地に導き上らせることで、その存在を、イスラエルとエジプト、そして地上の全人類に明らかにされたということである。

つまり、これは、イスラエルだけをひいきにすることが目的ではなく、イスラエルを用いて、天地創造の主であるご自分を明らかにすることが目的だったということである。

また、神は、出エジプトにおいて、エジプトが滅びる事を望んでいたわけでもなかった。

旧約聖書の研究で知られるラビ・フォールマンは、モーセに率いられて出て来たイスラエル人が約束の地に来た経路と、ヨセフが、その父ヤコブを葬るためにカナンの地にエジプトの壮大な葬列を率いてやってきた時のルートが基本的に同じであると指摘する。

出エジプトの時も、ヨセフの時と同様に、エジプトもこの神の存在を認め、イスラエルの民とともに約束の地に来るという選択肢もあったというのである。残念なことにそうはならなかったというのが聖書の記しているところである。

しかし聖書は、やがて終わりの時がくると、地上のすべての民がこの天地の創造主である主を神とあおぐ時がくると預言する。

終わりの日に、主の家の山は、山々の頂に堅く立ち、丘々よりもそびえ立ち、すべての国々がそこに流れて来る。多くの民が来て言う。「さあ、主の山、ヤコブの神の家に上ろう。主はご自分の道を、わたしたちに教えてくださる。私たちはその小道を歩もう。」それは、シオンからみおしえが出、エルサレムから主のことばが出るからだ。(イザヤ書2:2-3)

ここに至るまでには、イスラエルを含む私たち全人類がまさに神を拒否し続けた罪を認め、その神ご自身による赦しを受け取るへりくだりが必要になる。私たち人類は強情だから、それはまさに終わりの時になるのだろう。

今はまだインポッシブルでしかないが、立った今、地獄の中で究極の苦しみにあるシリアの人々や、どうしても暴力をやめられないISISやアルカイダ、アサド大統領の上に、主なる神のあわれみと介入があり、戦争が終わる事を、ただただ祈るのみである。
タグ :

明日から過ぎ越し 2016.4.21

 2016-04-21
イスラエルでは、明日22日日没(日本時間23日午前1-2時ごろ)から過ぎ越しの夕食(セデル)となり、29日まで種無しパンの祭りの週となる。

時差はあるが、ロシアからアメリカ、オーストラリアなど、世界中どこでもユダヤ人家庭なら、22日日没から、セデルを祝って出エジプトに思いを馳せる。セデルには家族、親族、また身寄りのない友人などが招かれる。日本で言えばお正月と思ってもらえばよい。

ヘブロンでの銃撃により、故殺罪で起訴された兵士も、レイプで収監されているカツァブ元大統領も、一時帰宅が赦され、家族とともにセデルの時を持つ。

長期休暇を利用して海外に出るイスラエル人は35万人と推察されている。テロが続くトルコだが、イスラエル人の多くがイスタンブール経由で第三国に出るという。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4792309,00.html

<エルサレムの治安体制>

今年は、過ぎ越しの祭りと、東方教会(正教会)のイースター週(22日から5月1日)が重なっている。このため、今週末から、エルサレム旧市街は、ユダヤ人とクリスチャン(地元民・観光客)で大混雑となる。

そのエルサレムで、18日、バスの爆破テロがあったこともあり、治安部隊は、エルサレム市内だけで、様々な特殊部隊を含む3500人体制で、旧市街を中心に、警備にあたることになっている。

最も大勢が旧市街に押し寄せる日は、25日(火曜)朝、嘆きの壁で行われるブリカット・コハニム(祭司の祝福)と、4月30日(土)に、聖墳墓教会で行われる東方教会(ギリシャ正教など)の復活・聖なる炎の祭典とみられている。

http://www.jpost.com/Israel-News/Police-finalize-security-preparations-for-Passover-in-Jerusalems-Old-City-451899
タグ :

ハマスが犯行声明:エルサレム・バス爆破テロ 2016.4.21

 2016-04-21
18日に発生したエルサレムの爆破テロ(バス2台と乗用車1台炎上・21人負傷)に関する情報は、今もまだ報道規制がしかれているので詳細は不明。しかし、パレスチナ・メディアなどから、徐々に事件の詳細が明らかになりつつある。

それによると、テロリストは、複数の車両が炎上するよう、ガソリンタンクのあるバス12番の後部に爆弾を仕掛けて、遠方から爆破する計画だったものが、想定外に早く爆発したとみられる。

このため、テロリスト自身が、重傷者2人のうち1人となり、イスラエルの病院で治療を受けていたが、水曜朝、両足切断、全身火傷などにより死亡した。

するとハマスが、バスを爆破したのはハマス戦闘員だったと犯行声明を出した。パレスチナメディアによると、爆破テロを行ったのは、ベツレヘム近郊のアイーダ難民キャンプに住むアブ・サルール(19)。

http://www.maannews.com/Content.aspx?id=771224

Yネットによると、サルールは殉教者として公表され、家族親族100人以上が、スイーツを配って”テロ成功”を祝ったという。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4794447,00.html

また、エルサレムポストによると、水曜、パレスチナ人数百人が、サルールの実家周辺で、爆破テロを支持するデモを行った。デモ隊は、「イスラエルがサルールの遺体を家族の戻して埋葬するまではいかなる慰めも受けない。」と叫んだ。

イスラエル当局は、調査中であるとしてまだ報道規制を解除しておらず、サルールがテロリストと認める声明は出していない。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Hundreds-of-Palestinians-march-in-support-of-Jerusalem-bus-bombing-suspect-451929

<エルサレム住民の様子>

今回のバスの爆破は、エルサレム住民に、2000年代の第二インティファーダのほうふつとさせる出来事だった。しかし、バスはエルサレム市民にとっては足である。乗らないわけにはいかない。爆破テロの翌日も、普段と変わらないバスの利用状況だったという。

ハマスは、テロはもっと続くと脅迫している。しかし、パレスチナ人の多くが、「第二インティファーダでの連続自爆テロでは、何も得るものないと学んだ。」と公式に語っていることと、治安部隊も以前より警戒しているので、以前のように爆弾テロが連続すると恐れる必要はないかもしれない。

しかし、一回発生した以上、爆弾テロはいつどこで発生し、だれが巻き添えになるかはまったく予測不能である。心理的な影響は大きい。今後、バスに乗る際には、一息考え、祈ることになりそうである。

<爆弾製造設備を摘発>

治安部隊は続けて西岸地区、東エルサレムでのテロ未然摘発作戦を行っている。その中で、水曜未明、東エルサレムのアブ・ディスで、パイプ爆弾や、武器を製造する設備と複数の武器を摘発し、容疑者1人を逮捕した。

治安部隊は、この数ヶ月の間に、同様の武器製造設備2台をヘブロンでも摘発している。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4794573,00.html
タグ :

ユダヤ過激派グループ7人を逮捕 2016.4.21

 2016-04-21
イスラエルの国内・西岸、ガザ地区で諜報活動・治安維持を行う組織シン・ベトは、水曜、西岸地区でパレスチナ人を狙ったテロ行為を繰り返していたとみられるユダヤ過激派グループ(ベニヤミン地方の入植地ナハリエル拠点)に関係する7人を逮捕したと発表した。

7人のうち2人は未成年で、最年長は19才のイスラエル軍兵士。シン・ベトによると、グループは2015年後半に、パレスチナ人が寝ている家に火炎瓶を投げ入れたり、走行車両への投石や、「アラブ人に死を」と落書きするなどの行為を繰り返したとみられている。

調べによると、このグループは過激で知られる西岸地区ユダヤ人ユースグループのヒルトップ・ユースとも関連しており、現在、刑務所で収監中のリーダー、メイール・エッティンガーの影響を受けていた。

ハアレツ紙によると、逮捕された7人のうちの1人は、昨年パレスチナ人ダワブシェさん一家の家に放火した事件(夫妻が死亡し、幼い息子だけが重傷で生き残った事件)に関わった疑いがあるという。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Shin-Bet-says-it-broke-up-Jewish-terrorism-cell-451779

http://www.haaretz.com/israel-news/.premium-1.715570

これらの過激右派ユースグループは、治安に混乱をもたらして、今の世俗的なイスラエル政府を転覆し、”純粋”にユダヤの国を立ち上げることをめざしている。

パレスチナ人過激派だけでなく、これらのユダヤ過激派も同様に、イスラエルの治安にとって大きな脅威である。

現在、ヒルトップ・ユースのリーダー、メイール・エッティンガーと20人が収監されているほか、31人は自宅謹慎か、西岸地区への立ち入り禁止となっており、シン・ベトは、ユダヤ過激ユースグループは一応、取り押さえたとの考えのようである。
タグ :

ヘブロン故殺罪兵士を支持する集会:テルアビブ 2016.4.21

 2016-04-21
ヘブロンで重傷のパレスチナ人を撃ったイスラエル軍のエロール・アザリア軍曹(20)が、故殺罪で起訴されることとなった事件について。

火曜夜、テルアビブでは、約2000人が集まって、「テロリストは、殺されるべきである。」「エロールはヒーロー」「殺すか殺されるか」といったスローガンで、軍・政府に、アザリア軍曹を釈放するよう訴える集会を行った。

デモには、アザリア軍曹の両親と家族、またテロ犠牲者家族らも参加した。集会には、人気の歌手やバンドが招かれたが、エイヤル・ゴランなどこれを拒否したミュージシャンもいた。

不参加を決めたミュージシャンは、「このことを政治的に利用するものがいるかもしれない。」「家族には同情するが、政府や軍に反するすることは、赦されないと思う。」と言っている。やはり意見は割れているもようである。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4793780,00.html

<石のひとりごと>

過激な一派はイスラエル、パレスチナ双方に存在する。両方に対応しなければならない治安部隊もなかなか骨折りである。しかし、その治安部隊の中にも過激右派がいるので、やっかいなことである。

イスラエルの治安部隊は、イスラエル軍と、警察(国境警備隊含む)、シン・ベトなど複数の組織で構成されている。日本では、警察、公安、自衛隊などの横のつながりが弱いと言われているが、イスラエルでも治安部隊内部では、組織ごとに、それぞれの考え方があり、協調は難しいという。

これらの複数の治安組織とともに、現時点ではネタニヤフ首相に対して反抗的な閣僚たちで国家治安委員会が構成されている。これを一つにまとめるのは、不可能に近いと言える。このため、通常、首相には治安アドバイザーというものが存在する。

しかし、Yネットによると、ネタニヤフ首相は、穏健な考えを持ち、エキスパートとしては弱いと見られる人物をアドバイザーに好む傾向があり、実際には次々と交代してしまい、実質アドバイザー不在状態だという。

イスラエルをとりまく外交・防衛情勢はいまだかつてないほど緊張し、国内世論も常に割れている。この国を導くネタニヤフ首相の肩の荷は相当重い。

非常に危なっかしい感じだが、とにもかくにも、約束のゆえに主が背後におられるということだけが、イスラエルを守っているのだろう。

しかし、日本でも熊本の地震対策に加えて、来月のサミットの準備、オバマ大統領の広島訪問、北朝鮮のミサイル問題、首相の靖国訪問問題など、安倍首相の肩に、問題はてんこもり以上だ。

安倍首相を批判するのではなく、首相を覚えるのためのとりなしが非常に重要であることを改めて実感させられる。
タグ :

エルサレムでバス爆発・炎上 2016.4.19

 2016-04-19
月曜午後、エルサレム南部・東タルピヨットのヘブロン通りからモシェ・バラム通り付近で、エゲッドの路線バス(公共交通機関)12番と、回送バス、乗用車1台を巻き込む爆発・炎上事件が発生。これまでに21人が負傷。2人が重傷(一人は瀕死の重傷)となっている。

警察は当初、テロによるものか、事故によるものか調査中と伝えていたが、午後8時すぎ、事件が爆弾テロであると認めた。

目撃者によると、大きな爆発の後、バス2台と乗用車1台が激しく炎上したという。幸い、負傷者を含む乗客はすべてバスの外に出ており、消防が消火を完了した時、全焼したバスと乗用車の中にはだれもいなかった。

エルサレム市当局によると、爆発したのは、回送中で乗客を乗せていなかったバスの後部で、爆発の後、付近にいたバス12番と乗用車が巻きこまれたとみられる。現在、しかけられた爆弾か、自爆テロによるものかの調査が進められている。

アルーツ7(地元メディア)によると、負傷者を受け入れた病院の医師は、搬送されてきた患者の体に、釘やねじが刺さっているという。

2000年代の第二次インティファーダでは、多数のレストランやバスが自爆テロにより爆破されたが、その時の爆弾には、釘やねじなどがしこまれ、爆発と同時にそれらが飛び散って、より多くの人間を殺傷する仕組みになっていた。

なお、バス12番は、東タルピヨット(アルモン・ハナチーブ)から、人気スーパー・ラミレビやハダッサ・ヘブライ大学病院、BFPのフードバンクにも続く市民の足である。筆者もラミレビや教会に行くのに利用している。

*現在進行中のニュース(現地月曜午後9時)。事情が明らかになり次第お知らせする。(負傷者の数がまだ上昇中)

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/211067#.VxUKVKUWnA8
タグ :

ハマスの地下トンネル:イスラエル領内で発見 2016.4.19

 2016-04-19
月曜、イスラエル軍は、ガザ地区からイスラエル領内へ数十メートル、エシュコル地方に続く地下トンネルを発見したと発表した。イスラエル領内にまで続くトンネルが発見されたのは、2014年のガザとの戦争以来である。

イスラエル軍によると、このトンネルは10日ほど前に発見され、構造などの情報収集が行われていた。情報がこれまで伏せられていたのは、うわさによるパニックを避けるためだったという。

今回発見されたトンネルは、ジグザグに掘られ、深さも30m。これまでにない技術が使われていると推察されている。

内部に武器は発見されなかったことから、大きな攻撃用ではなく、イスラエル領内でイスラエル兵を誘拐するといった作戦に使う予定だったのではないかとみられている。

トンネルが発見された事を受けて、ハマスは「それは大きなバケツの中の一滴だ。時がくればすべてが明らかになる。」と、トンネルがまだ他にも多数あることを示唆し、脅迫している。

今後の可能性としては、ハマスが、多数のトンネルを通じてイスラエル領内へ侵入してガザ周辺のイスラエル領地域を占領し、イスラエル兵や市民の人質をとる作戦に出ることも考えられる。

しかし、イスラエル軍は、ガザではトンネル建設中の事故が相次いでいることもあり、今の所ハマスは、イスラエルとの大きな衝突をする用意はないとみている。

ネタニヤフ首相も、イスラエル軍が、新しい技術で、トンネルを把握しているとして、ガザ地区周辺の住民には心配無用と語っている。

イスラエル軍は月曜、ガザ地区復興のために許可していた建築物資のガザへの搬入を停止した。それらがトンネル建設に使用されているからである。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4793038,00.html

<ハマスがガザ市民5人を処刑へ>

ハマスは、トンネル発見について、イスラエルがガザの市民をスパイとして利用したと非難していた。月曜、ハマスは、イスラエルに協力したとしてガザ市民(男性)5人に死刑を宣告した。

判決によると、4人は絞首刑、1人は銃殺されることになっている。5人はそれぞれ2008年や2010年から継続して、イスラエルにハマス高官の居場所やトンネルの位置に関する情報を流していたと訴えられている。

ハマスが、こうした”裏切り者”を処刑するのは初めてではない。2014年のイスラエルとの戦争中にも、イスラエルとの協力者だとしてガザ市民の処刑を行っている。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4793201,00.html
タグ :

ヘブロン銃撃の兵士:故殺罪で起訴 2016.4.19

 2016-04-19
ヘブロンで、すでに重傷となっているパレスチナ人テロリストの頭を撃って死亡させた兵士の軍法会議が月曜、再度行われた。結果、故殺罪と不適切な行動で起訴されることになった。

*故殺罪:計画的な殺人ではなく、一時的な感情などで殺害に及んだ場合などの殺人罪。過失致死も故殺罪に含まれる。

これにより、兵士の顔と名前が公開された。兵士は、ラムレ出身のエロール・アザリア軍曹(20)。従軍は1年8ヶ月前で、訓練を終えた後、戦闘部隊衛生兵としてシムション部隊に配属されていた。

犯罪歴はなく、優秀な兵士として表彰も受けていた。極右との証拠はないが、フェイスブックに、2年前に誘拐・殺害されたユダヤ人少年3人の復讐を支持する書き込みがあったと指摘されている。

父親は30年勤続の警察官で、皮肉にも犯罪暦のある兵士の回復を支援するボランティアをしている人物だという。

実際の懲罰についての判決は終わっていないため、身柄は続けてローシュ・ハアイン近郊の基地に軟禁となる。ただし、今週末の過ぎ越しの祭りの夜は家族とともに過ごすことが赦されることになっている。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4793155,00.html
タグ :

油断は禁物!?テロ減少傾向 2016.4.11

 2016-04-11
昨年秋から続いているテロや暴動だが、シンベト(治安諜報機関)は、4月に入り、減少の傾向にあるという見解を政府に伝えた。

報告によると、ナイフによるテロは、最も件数が多かった昨年12月で、117件だったのに対し、この3月は8件。

神殿の丘や西岸地区などでの暴動は、最も件数が多かった昨年10月で842件だったが、この3月は163件となっている。それでもまだ100件以上なのだが、これで通常レベルの件数に戻ったところだという。

この他、銃撃、投石などすべての分野で、件数が減少しているとのこと。こうした減少の傾向は4月に入った今も続いている。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/210280#.VwkVjqUWnA8

ネタニヤフ首相は今週冒頭の閣議において、事態が再燃する可能性はまだまあるとしながらも、ここまでの成果をあげた治安部隊を賞賛するコメントを述べた。

エルサレムポストによると、治安部隊は、この半年、西岸地区での緻密な諜報活動と、踏み込み捜査・未然逮捕を根気よく続け、ハマスなどの組織的なテロの計画を予防してきた。これがなかったら、大きな爆弾テロや銃撃テロが発生して大勢の犠牲者が出ていた可能性がある。

次に、一匹オオカミ系のナイフなどによる素人のテロ。これは、前触れがまったくないので、防ぎようがないのだが、イスラエル自身が、パレスチナ放送局などの煽動元を断ち切る作戦に出てから、減少してきたのではないかとみられている。

また、武力による対策一点張りでなく、逆に、パレスチナ人への労働ビザ発行を増やすなどの対策にも一定の効果があったとネタニヤフ首相は閣議で評価している。

また、最近では、パレスチナ自治政府が、イスラエルと協力してテロを未然に摘発しているとの記事もある。これについてはハマスが反発しているというから、実際に協力活動は行われているとみられる。

<今後の対策>

ネタニヤフ首相によると、今後も治安の維持を強化するため、特にエルサレムとアラブ人居住区での法遵守の強化を進めてそれらの地域での犯罪(テロ)発生率を低下させる4年計画(2020年に完了予定)を明らかにした。

それによると、新たに警察官2600人を雇用し、ユダヤ人・アラブ人共存の町に警察署10カ所を増設し、既存する警察署の補強も行う。また、ユダヤ系市民とアラブ系市民の経済格差の緩和なども盛り込まれている。

また、実際に何を意味するのかは不明だが、アラブ系市民とユダヤ系市民の間で、法律の基準が違っているらしく、その改善をすすめて、両者の摩擦を改善する計画とのこと。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4789536,00.html
http://www.jpost.com/Israel-News/Politics-And-Diplomacy/Netanyahu-explains-recent-ebbing-of-terror-wave-450762

<パレスチナ自治政府と電気代>

パレスチナ自治政府は、治安問題でイスラエルに協力しているが、電気代滞納においてもがんばっている。ニュースによると、これまでに滞納している電気代は17億シェケル(約510億円)に上るが、このたび2000万シェケル(約6億円)を支払ったという。

これにより、イスラエルの電力会社は、借金返済にはまだまだではあるが、とりあえず、停電の措置を解除するとした。
タグ :

過ぎ越しの祭りで海外旅行するイスラエル人 2016.4.11

 2016-04-11
今年の過ぎ越しの祭りは、4月21日に始まり、大学や、学校などの教育機関の他、大手企業でも1週間にのぼるゴールデンウィークとなる。しかし、過ぎ越し関連の海外旅行はすでに始まっている。

具体的な数字は不明だが、過ぎ越しの前に旅行をすませ、過ぎ越期間中はやはり、イスラエルで家族とともに過ごす計画という人々の話をいくつか聞いた。

渡航先は、平和な時であればトルコや、シナイ半島が近場で人気だった。しかし、3月にトルコに旅行中のイスラエル人グループがテロの犠牲となり、その後もテロが続いているため、イスラエル政府は旅行はもとより、今トルコにいるイスラエル人にも、早く帰国するよう、勧告している。

ヨーロッパでもテロの厳戒態勢が続いていることもあり、イスラエル人ツアーグループが向っている先の一つが日本である。特に今は、桜を見たいということで、複数のイスラエル人が多数来日していると聞いている。主な訪問先は、おなじみ東京、京都、奈良、たまに広島。

この他、ペルーなど中南米にトレッキングに出かけるイスラエル人も少なくないが、最近事故で2人が亡くなるというニュースが届いている。

これから本格的な過ぎ越し海外旅行シーズンにむけて、世界各地に出て行くイスラエル人ツアーや単独バックパッカーの若者たちが事故やテロから守られるようとりなしに覚えていただければと思う。
タグ :

エジプトがチラン海峡の島をサウジアラビアへ譲渡 2016.4.11

 2016-04-11
エジプトのシシ大統領は、今週末、カイロにて、サウジアラビアのリヤド国王と会談を行い、サウジからの経済支援の見返りとして、チラン海峡にある2つの島をサウジアラビアの主権下に移すと発表した。

チラン海峡は、イスラエルの唯一の紅海へのアクセスで、戦略的にも重要な場所。六日戦争はチラン海峡をエジプト軍は閉鎖したことが戦争開始への一歩となった。

六日戦争の後、イスラエルは、シナイ半島とチラン海峡、そこにある小さな2つの島(チランとサナフィル)の主権を獲得したが、エジプトとの和平交渉をもって、1979年にシナイ半島を、1982年には、米軍主導の多国籍軍が、イスラエル船籍の船の通過を保障することを条件に、チラン海峡の2つの島をエジプトへ返還している。

今回、そのチラン海峡の2つの島をエジプトがサウジアラビアの主権下へ移したというわけである。今後、エジプトとイスラエルの和平交渉になんらかの影響があるのではないかと懸念されている。

http://www.jpost.com/Middle-East/Egyptians-blast-Sisi-for-selling-Egypt-in-exchange-for-Saudi-money-450790

<サウジアラビアからエジプトへの大橋?>

サウジアラビアは、チラン海峡をまたいで、サウジアラビアとエジプトをつなぐ大橋を建設する構想を持っている。これが完成すれば、イスラエルを素通りしてアラビア半島からエジプトや北アフリカへ人や物資を運搬することが可能になる。

サウジアラビアがこの2つの島を獲得したことで、実際に大橋を完成した場合、世界最長の大橋になるという。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/210598#.Vwt1aqUWnA8
タグ :

ISISとシリア人難民 2016.4.11

 2016-04-11
<シリア難民の近況>

1)トルコとヨーロッパの難民協定その後

先月、トルコとEUが、ギリシャに流れ着いた難民についての取り決めを行ったが、その実施がはじまった。

4月初頭、暴動が発生するのではないかと懸念されたが、比較的静かにまず最初の難民200人がトルコへ送還された。送還されたのは、難民申請を出していなかった人々で、約130人はパキスタン人だった。

この様子を見て、現在ギリシャ(レスボス島)の難民キャンプにいた難民ら3000人が一斉に難民申請を出した。少なくとも、その内容が精査されるまでは、送還を逃れることが可能である。現在、400人の担当官が申請の精査にあたっているが、なかなか時間はかかりそうである。担当官は62人増員予定。

ところで、難民たちが、これまでギリシャで難民申請をしなかったのは、経済的に破綻しているギリシャではなく、ヨーロッパのどこかで難民申請をして、そこに落ち着くためである。しかし、このままではトルコに送還されると知って、ギリシャでの難民申請に踏み切ったとみられる。

しかし、あくまでもヨーロッパへ向いたい難民たちは、国境を破ってマケドニアへ移動を試みたり、別のルートを探したりする者もいる。マケドニアでは、こうした難民を追放するため、催涙弾を使うなどして国際的な問題となっている。

なお、多数の溺死者を出したトルコからギリシャへの密航ルートを利用する難民は、今回のトルコーEUの措置により、すべてトルコへ送還されることになっている。その効果は劇的で、今ではトルコからギリシャへの密航はほとんどないという。

しかし、この措置が、難民本人の意思を無視している点や、すでに270万人のシリア難民を抱えるトルコで、今後十分な難民対策がとれるとは思えない。

また北アフリカからイタリアへ移動するルートが再燃したり、新たなルートができてしまう可能性も懸念されているところである。

http://www.bbc.com/news/world-europe-35967351

*悲惨なトルコにいる250万人のシリア難民の様子

トルコは250万人にのぼるシリア難民を受け入れているが、住居施設は20万人分しか支給していない。当然、一つの体育館のような場所に数百人が文字通りゴミの山のようにぎっしり雑魚寝している。

子供たちは80%が教育を受けられないままで働かされている状態が続く。治安も悪く、過去4ヶ月でわかっているだけで16人が銃殺されている。

http://www.independent.co.uk/news/world/europe/pictures-of-life-for-turkeys-25-million-syrian-refugees-crisis-migrant-a6969551.html

*難民数字

2016年1月1日から4月7日までにギリシャへ到着した難民:15万2461人 うち子供37% トルコからギリシャへ移動中の死者数366人 (IOM調べ)

2)シリア・イラク国内

シリア、イラク領内では、ISISが領地を失う流れが続いている。

先週、ISISがまだ本拠地として維持しているモスル(イラク第二の都市)にはイラク軍がせまり、ISISが逃れ始めている。これに先立ち、モスルからは、市民たちが大きな衝突に備えて、数百人単位で逃れて出て来て、ISIS支配下での耐え難い生活について語っている。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-35942072

シリアではISISに占領されていたアル・カラティンの町(ダマスカスから北へ100キロ)がシリア軍によって奪回された。町には300人のシリア正教のキリスト教徒が取り残されていたが、そのうち21人が、イスラムへの改宗を拒否して虐殺されたと司祭が証言。5人がまだ行方不明だという。

またキリスト教徒の少女たちは奴隷に売るとISISに警告されていたと司祭は語っている。(少女たちは無事ということと思われる)

教会建物はじめ、町はかなり破壊されているが、シリア政府軍は、バスで住民を町に戻す作業を行っている。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-36011663

*戦うキリスト教徒

イラクでは、クリスチャンが武器を持って立ち上がり戦闘部隊「バビロン部隊」を形成している。司令官のライヤン・アル・キルダニ氏は、その人数は明らかにしていないが、かなりの数の戦闘員がおり、イスラム教徒の部隊とともに戦っているという。

キルダニ氏は、「イスラム国はデビルだ。」とし、「聖書が、右の頬を打たれたら、左を出しなさいといっていることは知っている。しかし、今、強い防衛力を持つことで攻撃されなくなった(戦わなくてよいという事)。家もとりもどした。キリスト教徒の苦しみは終わった。」と語る。

またルカ書22:36から、「イエス自身が剣を買っておくように言っている。」と語り、武器所有・使用は聖書的にも容認されていると言っている。これについては様々な神学的論議がある。

しかし、同じ聖書(新約以外)を基盤に持ち、「殺してはならない」と命じる神を信仰するユダヤ人も、無抵抗から武器を取って戦うようになった歴史的な時期があった。イスラエルの建国はそこから始まったのである。

中東のキリスト教徒もまた、無抵抗の時代から今、迫害の極地を経て武器をとる時代に至っているようである。キルダニ氏によると、キリスト教徒の戦闘部隊が活躍するのはイラク史上初めてだという。

http://www.bbc.com/news/magazine-35998716
タグ :

ヘブロンで発砲の兵士:「故殺罪」か 2016.4.1

 2016-04-01
プリム日の24日、撃たれて重傷となり、動けなくなっているパレスチナ人テロリストに対し、不要に発砲して死に至らしめたとして、「殺人」の疑いとも言われているイスラエル軍兵士(19)について。

この兵士は、29日に軍法会議にかけられたが、結論が出ず、さらに拘束を2日延長して木曜、再審が行われた。

http://www.jpost.com/Israel-News/IDF-prosecutor-There-was-no-military-need-for-Hebron-shooter-to-kill-Palestinian-449564

それまでの2日間、国内では、兵士に同情的な一般世論と、イスラエル軍の倫理にそぐわないとして厳しい処置をとると主張する軍や政府との間に、デモやメディアを通じた激しい論議が続いた。

<エイセンコット参謀総長から全兵士へ>

激しい論議になる中、エイセンコット参謀総長は水曜、全イスラエル軍兵士に、書簡を配布し、その中で、次のように述べた。

「軍は、国民や兵士の命をかけた戦闘の中でミスをした者のサポートはこれからも行う。しかし、倫理的な限度を超えた行動をした場合は、兵士でも司令官でも公正な裁きを行う事になる。

イスラエル軍が、ユダヤ人の民主主義国家における市民の軍隊として、その評価(存在価値)を維持するためには、高いモラルを維持することが不可欠である。」

また。エイセンコット参謀総長は、ベングリオン初代首相の言葉を引用し、「イスラエルの存続は、その力と義にかかっている。「兵器の潔さ」と「人命の尊重」は、昔からのイスラエル軍の基礎である。

作戦すべてにおいて、目的を見失わなわず、慎重に適度に兵力を使い、プロフェッショナルに行動しなければならない。」

http://www.jpost.com/Israel-News/Eisenkot-to-soldiers-IDF-will-bring-to-justice-those-who-violate-code-of-ethics-449699

<二転三転:もめる軍法廷>

こうして2日後の木曜、再審が行われた。審議の焦点は、殺意があったかどうかである。現場へ急行したMDA(救急隊)は、テロリストは、自爆テロの爆弾を体に巻き付けている危険性があったと、兵士の立場を支持する証言を行った。

しかし、兵士が発砲の前後に、「友達を刺した。テロリストはまだ生きている。彼は死ぬべきだ。」と言っていたの聞いたとする証言が複数明らかとなり、発砲の動機が、自爆の危険から自分と周囲を守るためではなく、殺意からだったとの疑いが強くなった。

最終的に軍裁判長は、①兵士が、緊急対応で発砲したのではない。②殺意があったことも否定できない。として、兵士は不要な銃撃を行ったと判断したと述べた。しかし、「殺人」ではなく、「故殺罪」での裁判に持ち込む見通しと伝えられた。

*「故殺罪」とは、一時の感情で殺してしまったなどで過失致死などもこの中に含まれる。殺人よりは若干罪は軽くなる可能性がある。

しかし、軍・検察は、兵士の身柄拘束をさらに9日間延長して、審議することを求めた。軍・裁判長はこれを認めず、昨夜金曜深夜1時、軍の拘置所から釈放し、基地内での軟禁拘束に切り替えると発表した。

ところが、その後、この兵士の主張や変化しはじめ、取り調べに協力せず、態度に「後悔」もみられないことから、基地内への釈放は延期。現在金曜朝も審議が行われている。

今後の流れとしては、死亡したパレスチナ人の検死解剖が日曜に行われる予定で、これにより、死亡の原因がどれぐらい、この兵士の発砲によるものかが判定され、量刑が決まるとみられる。いずれにしても、かなりの期間、軍刑務所に入ることになるみこみとYネットは伝えている。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4785836,00.html
http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/210187#.Vv4trKUWnA8

<ネタニヤフ首相:兵士の両親へ電話>

木曜の軍法廷では、兵士の家族や数百人の支持者らが集まり、「兵士を戦場で見捨てるのか。兵士を家族に戻せ。」と叫んだ。テレビでは、兵士の母親(顔は隠されている)が、兵士の頭を抱いて、「私の子を家に帰して。」と泣いている姿もあった。

*ベツァレルがネットに映像を流した時には、この兵士の顔は隠されていなかった。家族は、アラビア語なまりで、「死の警告」を受けたという。

ネタニヤフ首相は、木曜の裁判の後、兵士の父親に電話をかけた。「あなた方の訴えは聞きました。あなた方の心中をお察しします。

ここしばらく、テロリストの兵士への攻撃が続き、兵士たちが現場でとっさに判断し、射殺するという事態が続いています。こうした現状は単純に判断できるものではありません。

しかし、私は軍と国の検察を100%信じています。私たちは多くのチャレンジに直面しています。イスラエルは一致していなければなりません。

心から申し上げたいことは、取り調べの中で、すべてを隠さず出していただきたいということです。どうかご理解いただき、あなた方も、息子さんに対する調査が公正に行われていると信じてください。」

<パレスチナ人の視点>

死亡したパレスチナ人の遺体解剖については、木曜と報じられていたが、今日のニュースでは日曜となっていた。解剖するにあたっては、パレスチナ人の医師も立ち会うことになっている。死亡したパレスチナ人の家族がこれに同意していないなどの問題がまだあったとみられる。

これらの一件でまったく無視されているのが、死亡したパレスチナ人の家族である。確かにイスラエル兵を殺しに来たテロリストではあるのだが、家族にしては、やはりまだ若い息子である。家族が必ずしも息子のテロ行為に同意していたとは限らない。

ニュースが流れるたびに、地面に倒れている息子がこの兵士に頭を撃たれて死亡する場面が出て来る。パレスチナ人の知人は、「何回も息子が撃たれる瞬間を見る母親の気持ちも考えてほしい。」と言っていた。

http://www.jpost.com/Israel-News/IDF-prosecutor-There-was-no-military-need-for-Hebron-shooter-to-kill-Palestinian-449564

<論説:道徳的な軍隊などない?>

今回の論議について、Yネットの論説では、「イスラエル軍は、世界の中でも道徳的な軍隊になりたがっているが、そんなものはこの世界に存在しない。人を殺害する軍隊は、何が理由であれ、すでに道徳的ではない。」と論じている。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4785195,00.html

戦場という所は、人を狂気にする。昨年のガザでの作戦でも、イスラエル軍兵士が、民間人を殺害したとして国際的にも相当な非難を受け、イスラエルは自らも詳しい調査を行うという経過があった。

Yネットの論説によると、戦場でのことは、紙一重であり、西岸地区でイスラエル軍がやっていることはすでに道徳的とはいえないと言っている。戦場では、道徳など存在しないというのである。

そのように厳しい戦場。いつ自分も死ぬかもわからないような戦場において、わずか19才に、冷静な判断を要求すること事態、本来は、無理なのかもしれない。

これは、日本の19才が、本物のM16(ライフル銃)を責任を持って管理し、戦場下で正しく使用するだけの成熟が育っているかどうかを、想像していただければすぐにわかることである。

今回の19才の兵士が、事件から1週間近くも身柄を拘束され、こうした論議の的となり、今もうやけくそになっているのもなんとなく想像がつくところである。

IDF教育にかかわるエルアザル・スターン氏は、「これは、戦場において感情(恐怖と怒り)をどう処理するかの問題だ。」と言っていた。これを現代の19才に求めるところにどうしても無理がでるのだろう。

しかし、イスラエルの場合、国家存続のために、まだ20才にもならない息子たちをその狂気に満ちた戦場に送り出さなければならない。その点については選択の余地がない。

自らも兵役についたイスラエル人男性が次のように言っていた。「基本的に兵士になれる人となれない人がいる。本来は兵士はプロの職業でないと成り立たないのだが、イスラエルでは、普通の若者も皆が戦場に送られるところが、悲劇だ。」

しかし、それでもなお、イスラエル軍は、この高い理念を掲げる以外に道はない。この兵士に今甘い顔をすることはできないということである。

*注)イスラエル軍は、戦闘部隊に配属する場合、本人の希望と、まだ兵役以前から、適正をよくみて配属し、不適切な場合は、すみやかに移動させている。

他国の軍に比べれば、イスラエル軍が、個人個人の適正は相当見ていることは確かである。兵士志願でないものも含め、市民の大事な息子たちを徴兵していることと、適材適所が国の存続に関わる事にもなりかねないからである。それでもやはり戦場では限界があるということである。
タグ :

真偽のほどは?アッバス議長とイスラエルが治安協力 2016.4.1

 2016-04-01
上記のような悲惨な事件も、もとはといえば、テロリスト2人がナイフを持って現れなければ発生しなかった事件である。

木曜、チャンネル2が、アッバス議長に特別インタビューしたところ、パレスチナ自治政府とイスラエル軍が協力し、学校での持ち物検査を行った。それによると、ある学校では、70人の少年少女がナイフを所持していたという。

アッバス議長が述べたところによると、自治政府は子供たちのナイフを取り上げた後、「これは間違いだ。私たちは君たちが殺人をして、殺されてほしくない。君たちには生きてもらいたい。向こう側(イスラエル人)にも生きていてもらいたい。」と語ったという。

Yネットによると、イスラエルとパレスチナの表向きの交渉は、2年前から途絶えているものの、治安の維持に関しては水面下の協力が行われているという。

またいちいちニュースにはならないが、イスラエル軍は諜報機関の情報に基づき、家宅捜査に入って、”テロリスト”になる前のパレスチナ人を大勢逮捕するという作戦を続けている。

そのおかげで、エルサレム市内でのテロは確実に減っているとも考えられる。

アッバス議長はインタビューの中で、「私はネタニヤフ首相に会談を申し込んでいる。実現しないのはネタニヤフ首相の責任だ。

もし、彼(ネタニヤフ首相)と私が座って、2国家2民族の交渉を始めれば、それが私の民の希望になる。」と語った。これに関するネタニヤフ首相側からのコメントはなし。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4785953,00.html

<アメリカは手をひいた?>

オバマ大統領の任期が、1年を切り、キューバとの関係を回復するなど、最後の功績を残そうと、オバマ大統領が、精力的に動いている。

イスラエルとパレスチナの和平交渉再開もまたごり押しで来るのではないかと懸念されていたが、オバマ大統領は、先月23日、訪問していたブエノスアイレスでの会見で、次のように語った。

「この紛争は60年も続いている。私の任期が切れるまでの9ヶ月でなんらかの解決があるとは思っていない。」

また、1国家では解決がなく、土地と支配を2つに分けるしかないと言う考えを明らかにした。「双方それぞれに正当な恐れ(言い分)がある。平和は、私たちが彼らに変わって実現できるものではない。」と言った。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4782462,00.html
タグ :

イスラエルと中国が貿易自由化へ 2016.4.1

 2016-04-01
中国の副首相4人のうちの1人で女性副首相のリウ・ヤンドン氏が29日、イスラエルを訪問。エルサレムの外務省にてネタニヤフ首相と会談した。(両者の会談は2015年1月以来2回目)

両者は、貿易を自由化することは、双方にとって益になるとの合意に達したと発表。本格的な貿易自由化にむけた交渉が始まることとなった。

イスラエルと中国の貿易は現在、80億ドルで、自由化が実現すれば、倍になるとみられている。両国が関係を深める分野は、医療、遠隔教育(PCを使った教育)、農業、情報技術など多岐にわたる。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4784778,00.html
タグ :
≪ トップページへこのページの先頭へ  ≫