イスラエル南北国境で銃撃事件 2016.10.30

 2016-10-30
イスラエルでは長い秋の例祭も終わり、火曜から子供達は学校へ、役所や会社も通常に戻っている。非常にすごしやすい気候の中、木曜、全国的に新年明けてから最初の雨が降った。エルサレムでも夕方一時雷雨となった。

エイラットではいささか雨が降りすぎて道路が冠水。エイラット行きの飛行機はキャンセルになったりした。しかし、土曜日には、晴れ上がって、穏やかな安息日となった。

このように、イスラエル国内はいたって平和にやっているが、先週、南北国境ではそれぞれ、銃撃事件が発生し、南部では15歳ベドウィン少年が死亡した。

また西岸地区でも、走行車への銃撃や、車で兵士らに突っ込むなど、2件のテロ事件が発生したが、深刻な負傷者は出ていない。

<南部シナイ半島との国境で銃撃:15歳少年死亡>

南部シナイ半島とのイスラエルの国境では、25日、防護壁を点検、修理していたニメール・バッセム・アブ・アマールさん(15)が、突然の銃撃を受けて死亡した。

詳細はまだ明らかではないが、シナイ半島にいる過激派とエジプト軍の衝突の流れ弾にあたったのではないかとみられている。

アマールさんは、イスラエル南部に住むベドウィンの少年で、国防省下請けの民間会社に雇われて危険な場所での作業にあたっていた。15歳という未成年が危険地域で、しかも国防省下請けの仕事をしていたことについて、問題になったが、すぐに立ち消えた。

この地域では以前にもシナイ半島からの攻撃で死者が出ているが、こうした危険な場所での仕事をするのは、たいがい、最も貧しいベドウィン系市民たちである。

この問題も、おそらくうやむやのまま、片付けられる可能性が高い。

http://www.timesofisrael.com/israeli-worker-shot-moderately-injured-near-egypt-border/

<北部レバノン国境で銃撃:兵士1人負傷>

上記事件の翌日、北部レバノンとの国境メトゥラ付近で、警備にあたっていたイスラエル兵に向かって銃撃があり、兵士1人が金属片が手に当たって負傷。これを受けて、兵士らは銃撃し返した。

この付近はレバノンとの国境でも特に弱点とされる地域で、もし第3次レバノン戦争になった場合、ヒズボラがイスラエルに侵入してくるとみられる場所である。

イスラエル軍はヒズボラの侵入に備え、ローシュ・ハニクラからヘルモン山に至る120キロにも及ぶレバノンとの国境に防護壁の建設を予定している。

しかし、Yネットによると、今はガザからテロリストが地下トンネルを使って侵入してくる方が危険性が高いと判断されており、南部地下防護壁が優先され、レバノン国境の防護壁の工事までは、まだ数年はかかるとみられている。

とりあえずは、最も危険とされる30キロ分の防護壁の設置が急がれている他、地雷を埋めて、ヒズボラの侵入を防いでいる。

ヒズボラは、現在、シリアでイランとともにアサド政権の支援に兵を送っているが、対イスラエル戦用の兵力は温存しているとのこと。シリア情勢によっては、いつ何時、イスラエルを巻き込む戦争をしかけてくるかわからず、戦争はもはや時間の問題と言われている。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4871155,00.html
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シリア情勢:アレッポで反政府勢力が攻撃再開 2016.10.30

 2016-10-30
先週、イラクでモスルISISへの総攻撃が始まったことと、アレッポでのロシア軍による空爆が、一時停止していることもあり、シリア情勢の話題が隠れた感じになっている。

しかし、28日、反政府勢力が、アレッポで政府軍に包囲されている地域の解放を目指して、シリア政府支配地域への激しい爆撃を行った。

アレッポでは、10月18日から、ロシア軍とシリア軍が、人道支援目的で、アレッポの反政府勢力への空爆を停止しており、3日の予定だったが、20日以上たった今も空爆は再開されていない。

反政府勢力の攻撃を受けて、ロシア軍は、空爆再開の指令をプーチン大統領に要請したが、大統領は、「今はまだその時ではない。」として、これを受け入れなかった。

アル・ジャジーラは、アメリカの大統領選挙が終わり、来年1月に新大統領が正式に就任するまでの期間ーこの間はオバマ大統領が大統領ではあるが、引き継ぎ中であり、通常は大きな決断はしないーを待ってアレッポの反政府勢力への総攻撃を行うのではないかと分析している。

http://www.aljazeera.com/news/2016/10/aleppo-putin-reject-army-request-resume-air-raids-161029060933799.html

アレッポについては、10月17日に、アメリカ軍とロシア軍の戦闘機がニアミスを起こしていたことが明らかになった。もし衝突していれば、深刻な東西問題に発展しかねない危険な状況だった。

<ロシア軍が小学校を空爆か?>

これに先立つ水曜、アレッポから75キロ南西の町で、小学校が空爆を受け、子供20人を含む少なくとも35人が死亡した。ロシア軍かシリア軍と思われるが、双方とも、これを否定している。国連のバン事務総長は、戦犯の可能性があるとして精査を要請した。

反政府勢力が、アレッポで政府支配地域への攻撃を行ったのは、この事件への反撃であったのかもしれない。

http://edition.cnn.com/2016/10/27/middleeast/syria-civil-war/

<フランスのカライス・難民キャンプ強制撤去>

シリア他の難民たちは、その後も悲惨極まる歩みを強いられている。フランスのカライス難民キャンプは、7000人に上る難民がテントやバラックに住み、犯罪の巣になっているスラムキャンプのようなところだった。ジャングルとよばれていた。

このキャンプにいたのは、多くが保護者のいない14−17歳の未成年である。ニュースでみるからにほとんど全員男子。シリアやアフガニスタンだけでなく、アフリカ難民も多数のようである。

このキャンプは、フランスからイギリスへ向かうフェリーターミナルの近くで、少年たちは、トラックなどに便乗し、イギリスへ行こうとしていた。

しかし、暴力や犯罪など、キャンプが多くの問題を引き起こしていたため、フランス政府は先週月曜に、このキャンプを撤去することを決めた。

撤去予定前に、イギリスにすでに家族がいる子供たち250人はイギリスが受け入れ、家族との再開を果たしている。

それ以外の約5000人は、フランス各地に設けられた収容センターへ送られた。フランスから難民申請をする予定になっている。しかし、子供たちを収容センターへ移送するバスが足りないなど、フランス政府の対応のずさんさも指摘された。

撤去さわぎに紛れて、移送される前に多数が逃亡した他、今も付近で野宿を続ける少年たちが1500人もいる。

フランスは、イギリスが割り当てられた難民数を受け入れるよう、要請している。

http://www.bbc.com/news/world-europe-37811391
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モスル総攻撃:その後 2016.10.30

 2016-10-30
イラク第二の都市モスル(ニネベ)がISに支配されるようになってから2年。

この都市をISから奪回するべく、10月17日、総勢3万のイラク政府軍とクルド勢力ペシャメルガ、シーア派勢力、スンニ派勢力が、アメリカ軍(約1000人)の支援を受け、モスルに向かって総攻撃を開始した。それから約二週間になる。

これまでにイラク政府軍はモスルの南から、ペシャメルガは東から攻め、ISISを撃退して、町を解放しながらモスルへ向かっている。イラク軍によると、これまでに50の町を奪回したという。

作戦が開始されるとまもなく、モスルから避難する途中、ISISに捕まりかかって、命からがら逃げてきた住民らが保護される様子や、さらなる戦闘に備えて、イラク軍の軍用車で避難キャンプへ移送される住民の様子などが伝えられた。

町が解放されはじめると、住民らが、イラク軍兵士やペシャメルガを笑顔で迎える様子や、一様にISの非道ぶりを訴える住民の様子が伝えられた。

これまでの2年間、ISISは、髭を伸ばすことや、女性にはブルカを強要し、携帯電話を使ったり、テレビを見ただけで、殺害の口実にしたという。解放されてすぐに髭をそる男性もいた。「酷い方法ですべてを奪われた・・。」と苦渋の表情で泣く男性の姿もあった。

これまでに解放された村の中には、イラク最古のクリスチャンの村バルテラ(モスルの東15キロ)も含まれ、神父がISによって破壊された教会に必要なものを取りに入る様子も伝えられている。まだ戻ることはできないが、神父は教会の再建を誓っている。

<どう出るISIS?>

モスルへ向かっている軍勢は、まもなくモスルに達するとみられる。ISISは、最前線にいるイラク軍などに対して、車両で突っ込む自爆テロを繰り返している。

また撤退しながら、モスル周辺の村を襲撃し、住民を殺害するか、誘拐してモスルへ同行させている。すでに数千人から1万人が拉致された模様で、モスル決戦の時には人間の盾として使うとみられる。

また攻撃が始まってまもなく、ISISは、モスル南部の別の町キルクークを攻撃し、イラク軍の兵力を割く作戦に出た。キルクークでは、市民21人を含む116人が死亡した。この町ではISISが化学工場に火をつけ、家事によって毒物を排出するという”化学攻撃”も行なっている。

この他、最前線でないバグダッドのイラク政府関係の建物を狙ったり、補給路を断つなども行なっている。

http://www.nytimes.com/2016/10/30/world/middleeast/isis-counterterrorism-kirkuk-iraq.html?_r=0

また、モスルに近づくにつれて、地下のトンネル網や武器庫などが発見されている。

モスルは、イラクのISISにとっては最も重要な都市である。地下に、膨大なトンネル網を張りめぐらし、様々な罠もしかけているとみられる。モスルは人口150万人の大都市。日本で言えば京都市か神戸市レベルである。

戦闘になれば、かなりの犠牲者が出ると懸念されている。

ところで、ニュースに映し出されるISISのトンネルは、ハマスがガザからイスラエルに向かって造設しているものとそっくりである。また、イラク軍が、市民の犠牲を最小限にするとして、家屋一軒づつに突入していく姿は、まるでイスラエル軍である。

やはりイスラエルで起こっていることはやがて世界でも起こるという傾向をここでも見る感じがする。

<世界レベルの派閥争い>

今回のモスル攻めは、イスラムでも激しく敵対するシーア派とスンニ派がそれぞれ戦闘部隊を送り込んでおり、やがては、世界レベルのシーア派VSスンニ派の戦いになっていく可能性も出てきている。

①シーア派:イラク軍(イラン支援)、その他のシーア派勢力 *アメリカ軍(約1000人)がイラク軍支援

②スンニ派:モスル市民とその他のスンニ派勢力、クルド人勢力ペシャメルガ

モスル住民は、スンニ派であるため、シーア派が市内に入ることを拒否している。しかし、BBCによると、29日、モスル西側から、シーア派勢力がモスルに向かい始めているもよう。

ややこしいのはスンニ派のトルコ。トルコは、このどさくさに紛れて、20日、アレッポから北西へ40キロの町を空爆し、敵対するクルド人勢力(PKK)を数百人殺害している。

トルコのエルドアン大統領は、イラク軍にモスル攻撃への軍事支援を申し出たが、イラク政府はこれをきっぱりと断った。

トルコが参戦したいのは、エルドアン大統領に、過去に広大な中東を400年近く支配した大帝国オスマントルコの栄光を取り戻すという野望があり、ISISなきあとのモスル、ひいてはイラクに影響力を持ちたいと考えているからだと考えられている。

当然、これはイランやシーア派とは対立する立場である。シーア派がエルドアン大統領の写真を燃やす行為も目撃されている。

https://www.theguardian.com/world/2016/oct/24/fears-battle-for-mosul-open-new-front-wider-sunni-shia-conflict-iraq-turkey

<難民100万人の可能性も>

モスルから脱出する人々は、モスル南部へと向かっている。BBCによると、これまでに脱出したモスル住民は1万人あまり。国連等は、ここ数週間の間に20万人が難民になると予測している。

しかし、戦闘がはじまれば、一気に100万人が脱出してくる可能性もあり、支援できる範囲を大きく上回ると懸念されている。

戦闘が近づいている今、ISISは、通常と変わらない町の様子を伝えるプロパガンダのビデオを流しているが、実際には、モスル住民は家の中に潜んでいるようである。以下は、現在のモスル住民の声。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-37679923
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シリア・イラクのISIS撃滅へ王手!? 2016.10.19

 2016-10-19
日本でも報道されているように、16日より、シリア・イラクにおける対ISIS戦に動きが出ている。

16日、ISISの対欧米戦の象徴でもある町ダビック(ISISの機関紙の名前でもある)を、シリア反政府勢力がトルコの支援を受けて奪回に成功した。

続いて17日早朝からは、イラク軍を筆頭に様々な勢力が、一斉にISISの経済的要所、イラク第二の都市、モスル奪回への総攻撃を始めている。

今回、シリア・イラクのISISへの総攻撃が今になって始まった背景には、アメリカの大統領選挙が近づいていることと関係があるとBBCは解説する。

今のオバマ政権の方針のもとで、目標を達してしまわないと、時期大統領がまた別の方針を出してくるかもしれないからである。(来年1月の完全交代までは、基本的にオバマ大統領の方針が続く)

確かにシリア・イラクのISISは撃滅へと向かうかもしれない。しかし、この戦闘が、イラクに平和をもたらすとも考えにくく、相当な人道的被害も予測され、中東がさらなる混乱に進んで行く可能性が懸念されている。

<シリア:ダビック奪回>

ダビックは、トルコ国境から10キロに位置するシリア領内の町である。この町はイスラムにとって宗教的な意義を持つ町である。

中世7世紀、イスラムの預言者モハンマドが、当時、ビザンチン帝国(東ローマ帝国)との戦いにおいて、コンスタンティノープル(イスタンブール)制覇を目指す中、「ダビックか、アル・アマックでローマ(キリスト教勢力)を撃退するまでは、世の終わりは来ない。」と言ったと信じられているのである。

そのため、ダビックは宗教的にも重要な街で、ISの機関紙の名前にもなっていた。アメリカ人人質の斬首をダビックで行い、「アメリカ人十字軍を処刑した。」と宣言していた。ダビックの名前を出すことで、戦士たちの士気を高める効果があったとみられる。

しかし、ここ数ヶ月、トルコが本格的に介入し、トルコとの国境に近いISIS支配域の奪回を進める中、今回、ダビックの奪回にも至ったということである。ダビックを失ったことはISISにとっては象徴的な意味合いもあった。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-30083303

<イラク:モスルへの総攻撃>

ダビックを反政府勢力とトルコ軍が奪回した翌17日、イラク政府が、様々な勢力が、長い準備を経て、いよいよモスルへの総攻撃を開始すると発表した。

2014年6月、イラク政府軍は、アメリカの軍事支援や訓練を受けてモスルを守っていた。しかし、いざ、ISが来ると、アメリカにもらった武器をおきざりにして逃亡し、やすやすとモスルをISISに明け渡してしまったという経過がある。以来、モスルは、ISISに支配されてきた。今回をそれを奪回するということでもある。

兵力は、イラク政府軍にクルド人勢力ペシャメルガはじめ、様々な組織も加わり、全勢力あわせて、3万人にのぼる。これまでの攻撃では最大級である。

総攻撃開始から2日目に入る18日、イラク軍はすでに周辺の10つの村を制覇し、予定以上のスピードでモスルに向かっていると伝えられている。18日現在で、モスル中心まで40キロだった。

しかし、問題は、モスル総攻撃を行っているのがイラク軍だけではないという点だ。イラク軍(シーア派)の他に、クルド人勢力ペシャメルガ、シーア派勢力、スンニ派勢力がそれぞれが、一斉にモスルに迫っている。

イラク軍とクルド人勢力は、基本的には対立している。また、モスルの住民のほとんどはスンニ派なので、スンニ派への暴力もあるシーア派の武装組織が入ってくることに懸念もある。

仮にISISを撃退したとしても、その後に、シーア派主流の現イラク政府にこれらをまとめあげる力はない。

今はとりあえず、モスルをISISから解放すること、それだけが目標だが、ではその後平和になるのかといえば、その希望はかなりうすいといえる。

<戦闘による深刻な人道被害への懸念>

モスルをめぐる戦闘は、すぐには終わらず、数ヶ月かかるとみられている。モスルは、アル・バグダディが、自らカリフを名乗り、イスラム国を立ち上げた場所であり、ISが世界的な脅威として認識されるきっかけになった都市である。

油田や銀行があり、ISの主要な収入源、経済的な中心地でもある。ISとしても死守してくることは必須。モスルには現在、最大5000人のIS戦闘員がいると推測され、自爆テロの他、化学兵器を使ってくる可能性が高い。

モスルは、人口150万の大都市である。BBCによると、戦闘が始まれば、その時まで残留している70万人が、戦闘に巻き込まれると推測されている。ISが、市民を人間の盾に使ってくることも十分ありうる。

国連は、多数の住民が難民になるとみこして、すでにモスル郊外に20万人分のキャンプを準備しているという。モスル在住のイラク市民で、すでに脱出を始めている家族もいる。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-37699233

<ISIS撃滅のあとはどうなる?:シーア派VSスンニ派>

シリア、イラクからISISが撃滅することはアメリカと有志軍の目標でもあったことだが、では果たしてそれを達成した後、どうなるのかについては、明確な計画が見えていない。

まずは、今モスルにいるIS戦闘員の一部が逃れて他地域、特にトルコやヨーロッパで、テロを活発化させることが懸念される。

また、中東でのシーア派とスンニ派の対立に拍車をかける恐れがある。

現在、イエメンでは、サウジアラビアが支援するスンニ派のイエメン政府軍と、イランが支援するシーア派の反政府勢力、フーシ派がイエメンで戦闘状態にある。

先週、サウジアラビア軍が、葬儀に集まっていたシーア派の人々に向かって誤爆してしまい、140人が死亡した。これを受けて、サウジアラビアとイランの間の緊張が、これまでになく高まっている。

イエメンには、イランの指示でヒズボラが介入している。Yネットは、イランが、ちょうどレバノンのようにヒズボラを通じて、イエメンをその影響下にいれようとしていると解説する。

もしモスルからISが追放されたあと、スンニ派とシーア派の対立が、イラクにまで拡大していった場合、イラクにもイランが進出してくる可能性もある。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4867379,00.html

いずれにしても、中東では、予想外、想定外のことばかりがおこる。こうした専門家の予想や懸念が現実のものにならないよう祈る時だろう。
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アレッポでロシアが一時爆撃停止 2016.10.19

 2016-10-19
シリア政府軍とロシア軍からの激しい空爆を受けているシリアのアレッポ。こちらはISISがではなく、シリアの反政府勢力がターゲットになっている。ISISとは別問題である。

この攻撃では、市民も無差別に殺戮されていることから、アメリカ、イギリスを中心とする欧米陣営は、ロシアの行為は、戦犯にあたる可能性があるとして、激しく非難している。深い人道的な懸念から、アメリカはロシアとのシリアでの協力を一旦、保留にし、両者は決裂するに至った。

しかし、それでは何の解決にもならないため、ケリー米国務長官とラブロフ外相が、土曜にはスイスで、翌日にはロンドンで、会談を行った。言うまでもないが、なんの成果もあがらなかった。

ロンドンでの会談の後、アメリカとイギリスは、ロシアに対するあらたな経済封鎖を行う方針を発表した。しかし、この後に及んでは、経済制裁を強化したぐらいでは、なんの効果も期待できないといわざるをえない。

http://www.bbc.com/news/uk-politics-37670528

一方、ロシアは、シリアに最新式の対空ミサイルを配備し、国民に戦いに備えるようにといったメッセージを発している。これは明らかに欧米に対する対立姿勢を示したものである。

もちろん、本気で欧米が軍事攻撃することがないこと、ロシアもまた欧米と戦う気はないのだが、中東で今最も力をもつのはロシアであるという事実をみせつけているということである。

<アレッポで前倒し一時爆撃停止>

こうした中、ロシアは、20日木曜日に、アレッポでの8時間の爆撃停止時間を設けると発表。この間に、負傷者や住民、また反政府勢力のうちのアル・シャム(元アル・ヌスラ)はアレッポから出るよう、訴えている。

ロシアのねらいは、穏健派と過激派が混じっているところ、穏健派だけにして、シリア政府との交渉、和解へともちこむことである。これにより、アレッポ、またシリアでの内戦を停戦へと導き、アサド政権を温存するということである。

http://www.nytimes.com/2016/10/19/world/middleeast/syria-russia-aleppo.html

アル・シャムは、最近、アルカイダと決別し、過激派から穏健派へと鞍替えしたと言われている。アル・シャムが加わった穏健派は、以前より強くなり、アサド政権打倒へと力を動き始めていた。ロシアとは反対にアサド政権は打倒するしかないと考えているアメリカは、アル・シャムの動きを黙認するようになっていた。

このため、先のアメリカとロシアのシリア停戦に向けた交渉において、アル・シャムを穏健派として数えるアメリカと、過激派と考えるロシアの間の不一致が浮上し、米ロの決裂につながったのであった。

今、この一時爆撃停止でロシアは、アメリカの同意なしに、アル・シャム勢力(900人程度)にアレッポを去るよう要求し、穏健派からこれを排除しようとしているのである。これについて、今のところ、アメリカからのコメントはない。

こうした中、ロシアは、突然、18日に前倒しで爆撃を停止した。8時間の爆撃停止では時間が足りないと国際社会が叫んだことに対する”好意”だと言っている。その上で、上記のように、住民とアル・シャムにアレッポからの脱出を要求している。

しかし、実際には先月、人道支援目的の爆撃停止期間に、ロシアが人道支援の輸送隊を空爆した経過もあり、アレッポにいる反政府勢力の間には、「ロシアを信用できない。」という空気が広がっているという。

https://www.rt.com/news/363108-aleppo-syria-un-churkin-nusra/

これについて、アメリカからのコメントはないが、もしロシアの思う壺になれば、アメリカは完全に中東での面目を失う形になる。こうしたことをアメリカ大統領総選挙の数週間前に実施するというのも、プーチン大統領の計算だろうか?

いずれにしても、アレッポでは、先週、激しい爆撃で、同じ家族の中で14人が死亡するなど、虐殺が続いた。イスラエルではチーフラビが「ミニ・ホロコースト」だと評するまでの状態になっていることは知っておかなければならない。

まさに地獄をはうようにして生き延び、終末時代の先を行くアレッポの人々の上に主のあわれみがあるよう、祈るほかない。
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UNESCO:「イスラムのエルサレム」報告書を正式承認へ 2016.10.19

 2016-10-19
先週火曜、エルサレムをイスラムの名称のみで明記し、イスラムの聖地を”占領”政策を続けるイスラエルが、妨害しているといった報告書がUNESCOで承認された問題について。

昨日、それに関する2回目の決議がとられ、賛成多数で承認されることとなった。この報告書がUNESCOの正式な見解ということになる。

この結果、がエルサレムの今すぐの現状に影響を及ぼすことはないが、今後、様々な交渉で、イスラエルとエルサレムの歴史的関係が持ち出された場合に、引き合いに出される可能性がある。

先週、一回目の決議がなされたあと、UNESCOの事務総長や、理事長、国連のバン事務総長も、神殿の丘は、イスラムだけでなく、ユダヤ教、キリスト教、皆に重要な地と認識すべきであるとして、この報告に反対する意見を表明していた。

また、メキシコが、国内のユダヤ系住民の圧力で、賛成票を取り下げるなどの動きがあった。

こうしたことから、2回目の決議案は保留になるとも報じられていたが、結局実施され、承認される運びとなったものである。今回は賛成票が増えて33票、反対は、前と同じ6票、棄権が19票だった。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Analysis-Israel-wins-UNESCO-battle-but-not-the-war-470372

しかし、こうした物議の最中、エルサレムでは、ユダヤ教の仮庵の祭が例年のように盛大に行われ、嘆きの壁は、ユダヤ人でいっぱいとなっている。また様々なカンファレンスでクリスチャンたちも来ている。エルサレムがイスラムだけのものでないことは明らかである。

また実際には、暴動にならない限り、神殿の丘で、自由に礼拝を捧げられるのは、イスラムだけである。イスラエルがイスラムを聖地から締め出しているというのは、まったく事実ではないことは現地にいる者の目には明らかである。

激動の中東の中で、イスラム、ユダヤ、クリスチャンたちが、制限はあるものの、平和に巡礼に訪れれいる。こうしたことが可能であるのは、イスラエルが、自国民の息子、娘を徴兵して治安を守っているからこそである。世界は逆に、これに感謝すべきではないだろうか。

現状と事実が、まったく違う報告書が、国際機関で正式に承認されるというのも、不思議な流れである。聖書に書かれているように、世は聖書のいうことを受け入れないという基本的な性質があることを思わされる。
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秋の例祭:エルサレムの風景 2016.10.15

 2016-10-15
エルサレムでは、新年祭に続いて、水曜、ヨム・キプール(大贖罪日)が終わった。終わると同時に、来週日曜の日没からはじまる仮庵の祭の準備が始まっている。

家々のバルコニーに仮庵がたちはじめた。貧しい超正統派の地域では、道路脇に、ベニヤ板で四角い小屋がひしめくように立ち並んでいるところもある。

我が家のアパート前の駐車場は、青空駐車場なのだが、ちょうど車一台サイズのスペースぴったりの仮庵が一つ、駐車中の車たちの間に出現し、ちょっと笑えた。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4865779,00.html

町には、仮庵をかざるための飾り、たとえば、聖書の7種類の植物や、毎日代わる代わる仮庵に来るとされるアブラハムやエリヤの名前など、カラフルな飾りが、あちこちの店先に並ぶ。

マハネイ・ヤフダ(市場)前には、特別な大きなテントが立ち、レビ記録23:40にしたがって、仮庵に必要な4つのもの、エトログ(柑橘)、ルラブ(なつめやしの葉)、アラボット(川縁の柳)、ハダサ(茂りあった木の大枝)の即売をやっている。

敬虔なユダヤ教徒の男性たちが、混雑する中、虫めがねで傷がないか、神妙に確かめながら買い物をしていく。一つ300シェケルもするエトログはさすがに美しかった。超正統派の小さな子供たちも販売を手伝っている。

過ごしやすい気候もあいまって、エルサレムの町は、カフェもいっぱいで、活気にあふれている。加えて今週末からは、そろそろ毎年恒例の国際クリスチャンエンバシー主催、仮庵の祭カンファレンスに参加するクリスチャンたち(最大5000人)が、世界中から来始めた。今年も16日からの開催となる。恒例の市内パレードは20日。

エルサレムは国際都市である。様々な人々が、世界諸国からがエルサレムに集まってくる。こうした仮庵の祭の光景はおそらくイエス時代も同様であったと思われる。

<本来は厳粛な秋の新年行事>

イスラエルの秋の一連の例祭(新年、贖罪日、仮庵の祭)は、単なる楽しいだけの例祭ではない。悔い改めから始まり、神の赦し、審判、あがないと、ユダヤ教にとっては、多少重い厳粛な行事である。

まず、新年に吹き鳴らされる角笛は、「神の審判が近づいた。悔い改めよ。」という呼びかけである。この時から、ヨム・キプールまでの10日間は、神の審判を前に、人々が悔い改めをする最後のチャンスの時と考えられている。

この期間、旧市街の西壁(本来なら神殿)は、神の前に悔い改める人々で毎夜、ぎっしりいっぱいになる。これをスリホット(赦し)という。

ヨム・キプール(贖罪日)の前夜は最も混み合うスリホットで、深夜には、チーフラビが、えんえんと泣き叫ぶように神に赦しを乞い、群衆がそれに合意する。

そうしてヨム・キプール(大贖罪日)を迎える。この日、個々人やイスラエル、その他の諸国に対する神の審判がくだされ、それが神の書物に記され、署名(ハティマ)される。はたしてよい記録なのか、悪い記録なのかは神次第。恐ろしく厳粛な日ということである。

このため、ユダヤ人は、白い服を身にまとい、断食して、神の前にただひれ伏すのである。イスラエルでは、公共交通機関も完全にシャットアウト、一般車両もまったく走らない。また、新年からヨム・キプールまでの10日間、人々は「ハティマ・トバ(よい記録をもらえますように)」と挨拶している。


これで神の審判は終了したということになるのだが、しかし、秋の例祭での、赦し関係の行事は、ここでまだ終わらない。この5日後に7日間続く仮庵の例祭が始まるのだが、その最終日にホシャナ・ラバという日がある。

この日になってやっと、上記の神の審判を記した書物が、最終的に天に上げられると考えられている。したがって、このホシャナ・ラバまでなら、ヨム・キプールの審判の後に思い出した罪があっても、交渉すれば、なんとかまだ間に合う、赦してもらえて、書き直してもらえる、というのである。

ヨム・キプールまでの挨拶は、「ハティマ・トバ(よい記録になりますよう)」だが、その後からホシャナ・ラバまでは、「ガマル・ハティマ・トバ」という挨拶をする場合もある。つまり、最終的な記録がよいものでありますようにという意味である。

なんともイスラエルらしい発想だが、ユダヤ教では、一般的にそう信じられているようである。

<秋の例祭とユダヤ教の終末論>

仮庵の準備が進む昨日、エルサレムのナハラオットにあるアデス・シナゴーグを訪問した。このシナゴーグは、昔、シリアのアレッポにいたユダヤ人が、エジプトなどを経由してエルサレムに到着し、1901年に建てたシナゴーグである。

ヨーロッパ系アシュケナジではなく、アラブ系スファラディのシナゴグである。このシナゴーグのラビ・ヨム・トーブ・グルーナーが語ったことが、かなり終末論的で、興味深かったので紹介したい。

なお、キリスト教の中でも終末論は様々であるように、ユダヤ教の終末論も宗派やグループによって異なっている。終末論などとはまったく無関係なグループもある。このラビの言うことがすなわちユダヤ教とは考えないように注意されたし。

・・・新年は、ユダヤ人がまず裁きを受けることを意味している。その10日後のヨム・キプールでは、まずユダヤ人に判決が下り、ユダヤ人のための贖いがなされる。

その後に続く仮庵の7日間は、罪から聖められ、神に近づけたことを喜ぶ例祭である。これこそが、ユダヤ人の最高の喜びだとラブ・グルーナーは語る。しかし、今のこの時点では、喜びはいかに大きくても、まだ地上の仮の住まいー仮庵である。

仮庵最終日、7日目のホシャナ・ラバは、いわば最終の判決の時で、この日、ハルマゲドンの戦いが起こり、ユダヤ人関連問題で戦っていた異邦人の諸国が裁かれる。これが地上の最終日となる。神は、裁きを最後の最後まで引き延ばされ、人々の悔い改めを待ってくださるのだが、これで本当に最後になる。

その翌日にあたる8日目は、シムハット・トーラーと呼ばれ、通常は神のことばが与えられたことを祝う。しかし、同時に、自然の世界は終了し、その後に来る超自然の世界、いわば、”新しい天と地”を覚えて祝う。

この日には、ユダヤ人たちは、仮の住まいを象徴していた仮庵に、もはや入ることはなく(入ることを禁じられる)、シナゴグなどで、ただただ喜びのダンスを捧げる・・・

ラビ・グルーナーのシナゴーグでは、シムハット・トーラーの日に入る夜に5時間、翌日にも5時間、休みなくぶっとうしで踊るのだという。

福音派キリスト教の終末論では、ヨム・キプールの日にイエスが再臨するというものもあるが、ユダヤ教では、メシアがくるタイミングと、例祭には直接の関連はないとのこと。

ユダヤ教では、基本的にメシアは、いつ何時来てもおかしくない。明日にでも来て欲しいと思っているのだと言っていた。
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ユダヤ人は神殿の丘とは無関係!?:ユネスコ 2016.10.15

 2016-10-15
ユネスコ世界遺産のひとつであるエルサレム旧市街とその城壁に関する報告書が水曜、承認される流れとなり、物議を呼んでいる。

神殿の丘を含むエルサレム旧市街とその城壁は、1981年にヨルダンの申請により、世界文化危機遺産に指定された。

http://whc.unesco.org/en/list/&order=year#alpha1981

なぜヨルダンかというと、エルサレムは、1967年の六日戦争で、イスラエルがヨルダンから奪回したのではあるが、国際的には、今に至るまで、イスラエルの領地、所有地とは認められていないためである。

こうした複雑な事情から、エルサレム旧市街とその城壁は、世界”危機”遺産リストに挙げられている。

危機遺産であるため、時々に調査が行われ、報告書が提出される。今回、特に問題になったのは、提出された報告書が終始、神殿の丘を、”ハラム・アッシャリフ”というイスラム名を使って報告した上、イスラエルがこれを危機に陥れていると非難する内容になっている点である。

これでは、イスラムの聖地を、その地とは何の関係もないイスラエルが、危機に陥れていると言っているようなものである。

これを受けて、イスラエルからは、烈火のような怒りと抗議が噴出し、イスラエルはユネスコへの激しい抗議とともに、同団体への協力を保留にすると発表した。一方、パレスチナ自治政府のアッバス議長はこの決議を歓迎すると発表した。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4866468,00.html

その後、ユネスコからは、理事長のイリーナ・ボコワ氏が、「エルサレムは、イスラム、ユダヤそれぞれに権利がある。」と、ユネスコ理事長自らがその決議を非難する声明を発表するに至っている。

なお、今回の採択について、反対した国はアメリカ、イギリス、オランダ、ドイツ、エストニア、リトアニアの6カ国。

賛成は、エジプト、イラン、レバノン、カタール、パキスタンなどの中東アラブ諸国、マレーシア、ロシア、中国の他、ブラジルやメキシコなどの中南米など24カ国。

フランスなどヨーロッパ諸国すべてを含む29日カ国が棄権した。日本も棄権した。

http://www.timesofisrael.com/full-text-of-new-unesco-resolution-on-occupied-palestine/

<複雑な神殿の丘の歴史>

こうした問題が、今、秋の例祭が行なわれている真っ最中に話題となったのは皮肉なものである。ユダヤ教の例祭は、すべて神殿が中心になって行われていた。仮庵の祭はその中でもクライマックスとも言える、神殿行事である。

だからこそ、今この時期、ユダヤ人だけでなく、聖書を信じるクリスチャンたちもエルサレムに集結しているのである。

ユダヤ教が、幕屋にはじまり、エルサレムにソロモンが建てた神殿を中心に営まれていたことは、ユダヤ人の聖書(旧約聖書)だけでなく、キリスト教の新約聖書でも一目瞭然である。さらには歴史、考古学もこれを証明している。

しかし、神殿は、ローマ帝国によって70年に破壊され、ユダヤ人も2世紀までにはエルサレムから追放されている。その後638年には、すでにイスラムがエルサレムを支配するようになった。

現在見えている黄金のドームは、692年に完成している。日本で言うなら、飛鳥時代である。それから今にいたるまで、つまりは日本史の大部分の間、十字軍が来た100年ほどをのぞいて常にイスラムの聖地であったということである。

こうしたことから、ユダヤ人がその前にはユダヤ人の神殿があったと主張しても、イスラムとしても非常に長い間、イスラムの聖地であったのであるから、その所有はユダヤ人にあるといわれても納得しかねるわけである。
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アレッポは小さいホロコースト:チーフラビ 2016.10.15

 2016-10-15
シリアのアレッポで、ロシアとシリア軍が、激しい無差別攻撃を続けており、今も多数の犠牲者が出ていることは報じられている通りである。

これについて、スファラディのチーフラビ、ラビ・ヨセフは、この状態について、「私たちが座っているこの場所から、さほど遠くないシリア、特にアレッポで、毎日女性や子供たちが殺されている。

何百万人もの人が難民となり、包囲されている数十万人は、飢えている。彼らは私たちの友人ではないが、小さなホロコーストに苦しむ同じ人間だ。」と語った。

ホロコーストでユダヤ人が虐殺されているのを知りながら、世界は何もしなかったという悲しみを通ってきたユダヤ人は、特にこの状況に黙っていてはならないと訴えた。

スファラディ系のユダヤ人は、ナチスによるホロコーストを直接経験していないため、ホロコーストに関しては若干、蚊帳の外的に感じるというが、このコメントがスファラディ系のチーフラビから出たことは興味深いことである。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/218996

<アメリカとロシアがシリア情勢に関する対話を再開へ>

ロシアがアレッポを無差別に攻撃していることについて、戦犯にあたる可能性があるとして、アメリカがロシアとの対話をいったん保留にすると発表したが、両者は15日土曜、対話を再開するみこみとなっている。

<シナイ半島のISIS?:エジプト軍兵士12人を殺害>

シリアで、勢力を失いつつあるISISだが、イスラエル南部と国境を接するシナイ半島では、まだ活発に活動しており、エジプト軍と衝突している。

金曜、スエズ運河から東へ80キロの検問所を、イスラム武装集団が襲撃。エジプト軍兵士12人が死亡した。犯行に及んだ15人はその場で射殺された。

犯行声明は出ておらず、犯行グループを特定することはできていないが、ISIS関連のイスラム組織であるとみられている。

イスラエルのすぐ周りの諸国では、混乱を増しつつあるようである。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4866546,00.html
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エルサレムで銃撃テロ:2人死亡 2016.9.10

 2016-10-10
9日朝、東エルサレムの弾丸の丘、警察本部前の路面電車駅付近で、銃撃テロがあり、市民1人と特別警備隊員1人が死亡。5人が負傷(2人が中等度の負傷)。3人がショックで病院搬送された。

警察によると、テロリストは、車に乗ったまま路面電車駅で待っていた人々に向かって発砲した。この銃撃で、レバナ・マルヒさん(60)が死亡。もう一人もこの時に負傷した。

テロリストはそのまま走り去ったが、特別警備隊員2人が追跡。しばらく行ったシーカ・ジャラ交差点付近で、銃撃戦となった。

これにより、警備隊員は2人とも負傷し、ヨセフ・カルミ軍曹(29)が死亡。もう一人が最終的に犯人を射殺したとみられる。この銃撃戦で、付近にいた複数の市民も負傷した。

現場が東エルサレムのパレスチナ人地域付近であったため、一時暴動警備隊が、暴動の発生に警戒して出動し、路面電車も一時停止。現場付近は、一時騒然となったが、幸い暴動にはならず、まもなく通常にもどったもようである。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/218812

テロリストは東エルサレムシルワン在住のパレスチナ人アブ・サビ(39)で、イスラエル国籍を取得していた。

アブ・サビは、以前にも警察官に対する嫌がらせや公務執行妨害などで逮捕され、イスラエルの刑務所に5ヶ月服役していた。さらに、また同じ罪状で、この日、刑務所に戻ることになっていた。つまり、刑務所へ行く直前の犯行だったということである。

アブ・サビは、犯行に及ぶ前に、「アルアクサ(神殿の丘)を取り戻して自分も必ず戻る」といった高揚したメッセージを残している。まだ調査中で詳細は明らかではないが、最近ハマスが復活させたフェイスブックの扇動に乗せられた可能性があるという。

死亡したレバナ・マルヒさん(60)は、国会スポークスマンオフィスで30年勤続し、2010年に退職していた。夫と3人の子供たちと6人の孫が残された。

特殊警備隊員のカルミさんは、5ヶ月前に結婚した妻と両親が残された。カルミさんは、昨年、ナイフによるテロを未然に防ぎ、日本でいえば、警視総監賞を授与していた。

カルミさんは、死亡からわずか5時間後、墓の下の人となった。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4864512,00.html

<イスラエルの治安部隊隊員殺害で歓喜するアラブ人ら>

特殊警備隊の1人であるヨセフ・カミルさんを殺害したということで、アラブ人ら(の一部)が狂喜している。ガザのハマスはただちにこのテロ行為を賞賛すると表明した。

アルーツ7によると、事件発生数時間後には、ヨセフ・カルミさんのフェイスブックに、アラブ人らによるひどい中傷や、反ユダヤ主義的な書き込みが殺到した。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/218806

また、事件発生後まもなく、アブ・サビの娘が、自身が出演して、父の行為を讃えるビデオメッセージを公開した。父親とそのテロ行為を賞賛し、「私たちは幸せだ。」と語っている。

この家族は旧市街でスイーツ店を経営しており、祝いとして、皆にスイーツを配った。ガザ地区内部でもスイーツを配って、テロの成功を祝う様子が伝えられている。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4864859,00.html

イスラエルの警察は、祝いをするアラブ人、また現場の様子を「アラーアクバル(神は偉大なり)」と叫びながら撮影していたアラブ人などを逮捕した。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/218814

<石のひとりごと>

今日は、朝から現場からはそう遠くないエルサレムの旧市街周辺にいたのだが、テロ事件のことは、夕方になるまでまったくわからなかった。これほどの事件でもすばやく日常に戻る、というのがイスラエルのテロとの戦いである。

しかし、いつも思うことだが、朝、普通に出て行った元気な人が、夕方には墓に入っている。もう二度と帰ってこない。あまりにも突然すぎる別れで、家族の痛みは想像を絶する。

それを「祝う」人々がいる。その事件をおこした父親を、娘が賞賛するビデオを公開する。いくらイスラエルにうらみがあるとはいえ、人間とは思えない、異常事態である。
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ハイ・ホーリー・デー(秋の例祭)2016.10.8

 2016-10-08
イスラエルは、先週3-4日と新年祭だった。今週12日はヨム・キプール、仮庵の祭は、17日から24日。これらは秋のハイ・ホーリー・デー(ハイ・ホリデー)と呼ばれている。

エルサレムは、海外からユダヤ教徒やクリスチャンも大勢やってきおり、1年で一番こみあう時期。福音派クリスチャンの大きなカンファレンスは、今年も目白押しだ。

エルサレム市内はじめ、全国的非常に気持ちのよい気候で、新年祭には、10万人が国立公園で新年の休日を過ごした。

日本では正月にタコあげをするが、今年はイスラエルでも、カイザリアや、アシュドド、テルアビブなどの海岸で、親子連れなど2000人がタコ上げを楽しんだ。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4862702,00.html

<裁きと贖いを待つ週>

ユダヤ教の新年は、ただ新しい年を迎えて喜ぶだけではない。ラッパを吹き鳴らすこの日は、「神の審判の時が来近づいたので備えをせよ」とう呼びかけである。

新年祭からヨム・キプール(大贖罪日)までの10日間は、昨年してしまった罪、またするべきだったのにしなかった罪を振り返り、傷つけた人には謝罪するとともに主にむかって赦しを求める。

ラビによると、心から悔い改め、主に近づきたいと願えば、父なる神はそれらの罪を赦してくださるというのだ。

エルサレムでは、この期間中、「スリホット(赦し)」と呼ばれる習慣が始まっている。西壁は、特に夜間、悔い改める人々でいっぱいになっている。*必ずしもキリスト教的な悔い改めではなく、習慣としての悔い改めの場合ある

また、あえて夜間に、エルサレム市内に点在する古くからのユダヤ地区を回りながら、ユダヤ教とその歴史を学ぶツアーが行われる。ナハラオットや、メアシャリームは、多数のスリホット・ツアーのグループで毎夜いっぱいになっている。

イスラエル市民がこのように平和なハイ・ホリデーを満喫できるのは、休日返上の治安部隊が警備しているからで、今週は南部、北部、エルサレム市内でも、それぞれ深刻な治安問題や、テロが未然に防がれていた。
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ガザ:IS系組織のロケット弾がスデロットに着弾 2016.10.8

 2016-10-08
5日朝10時半ごろ、ガザから発射されたロケット弾が、イスラエル南部のスデロットの市街地、小学校のすぐそばの道路に着弾した。

学校のこどもたちはちょうど休憩時間だったが、サイレンで皆シェルターに駆け込んだという。幸い、大きな被害も、負傷者もなかったが、15歳と60歳がショックで救急搬送された。
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4862987,00.html

その後、スデロットより南部エシュコル地方でもサイレンが鳴り、ロケット弾が着弾した。被害はなし。なぜ迎撃ミサイルが発動しなかったか、調査がすすめられている。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/218688

<ガザへ報復攻撃のF16パイロット死亡>

ロケット弾の攻撃を受け、最初は戦車からの砲撃で、その後、イスラエル空軍が、ガザ地区ベイト・ハヌンのロケット弾発射地や、ハマスのロケット弾格納庫などを空爆した。

http://www.timesofisrael.com/idf-strikes-hamas-target-in-gaza-following-rocket-attack/

ところが、この報復空爆に出動した戦闘機F16が、ネゲブのラモン空軍基地に着陸する直前に、突然、炎上した。同乗していたナビゲーターは無事、緊急脱出したが、パイロットは、脱出できず死亡した。原因は調査中だが、爆撃後に機体がアンバランスになることからではないかとも言われている。
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4863318,00.html

死亡したパイロットは、オハッド・コーヘン・ノヴ大尉(34)。先週、フライト副司令官になったばかりだった。妊娠中の妻シャハルさんと小さな娘が父を失った。
http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/218671

<IS関係組織が犯行声明>

ガザからスデロットへのロケット弾攻撃について、犯行声明をだしたのは、小さなサラフィ(イスラム過激派)グループだった。犯行声明に使ったビデオに、ISのマークがあったことから、IS傘下にある組織(と自称?)であるとみられる。

イスラエルは、ガザの責任者はハマスであるとして、どの組織が犯行に及んだとしてもハマス関係の施設を破壊するのが常となっている。

今回のIS関係組織は、それを知っていて、イスラエルにハマスを攻撃してもらい、ガザの支配件をハマスから奪おうとしているとの見方もある。イスラエルにとっては、ややこしいことである。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4863468,00.html

<ガザへ:女性活動家13人が人道支援船>

2010年、イスラエルのガザ沖封鎖(イランからの武器供給がガザへ入らないようにするため)に反発して、トルコを出発した人道支援船マビ・マルマラ号事件でトルコ人9人が死亡するという事件があったが、それ以後も時々同様の試みが行われてきた。

今週水曜、女性ばかりの活動家13人が、“人道支援船”がガザ地区を目指して出発した。

イスラエルは、「人道支援は陸路を通じて行われており、海上封鎖が問題ではない。」と説明。船が近づいてくると、イスラエル軍の女性兵士たちを船に送り込み、無事アシュドド港へ誘導することができた。女性たちは送還される。

皮肉にも女性たちが船でガザへ向かったまさにそのころ、同じ地中海ではアフリカからの難民が、複数の船に分かれて、リビアからイタリアを目指し、途中で計11000人(これまでで最大)が、転覆しそうな船から救出されていた。*以下に詳細

世界には悲惨な難民問題が山積しているにもかかわらず、そちらには目をむけず、表立って抗議ができるほどの民主国家であるイスラエルに反発する。なんとも不条理な感じがした。

*先週の地中海・難民

先週、地中海で救出された人々は、複数の船に便乗してリビアからイタリアへ向かっていたという。乗っていたのはアフリカ難民ばかり。NYTによると、救出された難民船の中には1000人乗せていた大きいものもあり、NYTの記者は、「まるで奴隷船のようだった。」と報告している。

この中で、150人が救出された船からは、29人(男性10人、女性19人)の遺体が発見された。つまり、難民たちはこれだけの遺体とともに航行していたのである。一方で、船では3人の新生児もうまれていた。

http://www.nytimes.com/2016/10/06/world/europe/migrants-mediterranean.html?_r=0 

なお、国連によると、地中海を渡った難民は、今年だけで30万人。途中で溺死した人は3211人。

昨年の同時期までの難民数は、52万人であったため、今年は42%減少している。しかし途中で死亡する率は15%しか下がっておらず、死亡率は上がっていることがわかっている。

http://www.unhcr.org/news/latest/2016/9/57e12c564/300000-refugees-migrants-cross-med-far-2016.html
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北部:ヒズボラ関係テログループを摘発 2016.10.8

 2016-10-08
イスラエルの治安機関シン・ベトと警察は6日、北部ゴラン高原、レバノン、シリア、イスラエルの3国にまたがる国境の町ラジャーで、ヒズボラのエジェントとなっていたアラブ人6人を逮捕した。

ハイファなどでのイスラエル軍兵士をねらったとみられるテロが未然に防がれたと警察報道官は述べている。

この一件は7月に国境付近で、爆発物の入ったバッグが発見され、その袋にヒズボラのマークがあったことから、捜査がすすめられていたことによる結果である。

ヒズボラが、イスラエルとの国境を越境し、武器を運び込んでいることや、麻薬密輸ルートを通じてイスラエル国内に、エージェントをリクルートしているということが、また明らかになった。

http://www.jpost.com/Israel-News/Analysis-Hezbollahs-drug-trail-469616
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後継問題:アッバス議長が心臓カテーテル検査 2016.10.8

 2016-10-08
6日、アッバス議長(81)が心臓カテーテル検査を受けたと報じられた。結果は異状なしということだが、この検査をするということは、心臓に何らかの疾患があるということである。

アッバス議長は、先週、エルサレムでペレス元大統領の国葬に参列している。パレスチナメディアの情報としてチャンネル2が伝えたところによると、その翌朝、参列に反発するパレスチナ人がアッバス議長の自宅に銃撃している。(議長は無事)。

また、アッバス議長のペレス氏葬儀列席が原因で、ツルカレムでは、ファタハ系とハマス系の若者たちが暴力的に衝突した。

81歳の議長には重すぎるストレスであったのかもしれない。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/218593

<パレスチナ自治政府市議会選挙最大4ヶ月延長へ>

アッバス議長がパレスチナ自治政府の指導者になったのは2005年。以来、11年、周囲の要望にもかかわらず、アッバス議長は次期代表の準備をしていない。

ハマスの台頭の他、ISIS勢力もパレスチナ側に入り込む様相となっているため、万が一アッバス議長が死去した後に、大きな混乱になるのではないかと懸念されている。

パレスチナ自治政府では10月8日、次期議長の選出に関わるとされた市議会戦が予定されていた。しかし、現状ではハマスが逆転してしまう可能性もあるためか、延期になっていた。

これについてパレスチナ自治政府は、4日、改めて市議会選挙を最大4ヶ月延期すると伝えた。次回の市議会選挙には、ガザ地区は入らないという方針を発表している。当然ハマスは政治的だと反発している。

なお、次期代表として可能性があるのは、元ファタハの軍事指導者で、現在イスラエルの刑務所にいるマルワン・バルグーティ(57)。個人的にはイスラエル人7人を殺害したとされる。

ファタハ内部での候補として、元西岸地区治安部代表のジブリル・ラジョウブ氏(57)そのライバルのサエブ・エレカット元交渉担当(61)、モハンマド・ダーラン氏(55)などが考えられるが、どれもぱっとしない。

http://mtolive.blog.fc2.com/blog-entry-1456.html
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対アメリカ準備!?:ロシアがシリアに対空ミサイルシステムを配備 2016.10.8

 2016-10-08
<アメリカとロシアがシリア問題で決裂>

シリアでは、一時アサド政権が風前の灯火になった時期があった。しかし、その後、イランとヒズボラが加わり、ロシアが本格的に軍隊を派遣するようになると、情勢は逆転した。

アメリカは、アサド政権を支援するつもりはないのだが、ISを攻撃して弱体化することは、皮肉にもシリア政府には追い風になった。今は、ロシアを背景にしたシリア政府軍が優勢である。

こうした中、ロシアとアメリカの関係が悪化してきたことはお伝えしている通りである。先週、両国が協力して導き出した停戦案が座礁にのりあげ、その直後に、アレッポの反政府勢力を急激に猛攻撃しはじめたことで、アメリカとロシアの関係は、急速に悪化している。

アメリカは、ロシアに対し、アレッポへの無差別攻撃は戦犯にあたる可能性があると指摘した。

これを受けて、ロシアは、そういうアメリカは、約束した停戦の条件を守っていないではないかと非難した。すなわち、群雄割拠する反政府勢力の中で反政府勢力と過激派勢力を、アメリカが分離するという約束である。分離した上で過激派を撃滅する計画だった。

ロシアが具体的に指摘するのは、過激派と目されるアル・シャム(元アル・ヌスラ)をアメリカが、穏健派の一派であるかのように扱い、分離するつもりがないのではないかという点である。

アル・シャムは、もともとアルカイダの傘下にある過激派組織だった。現在、ゴラン高原のクネイトラ周辺からシリア政府軍と戦い、UNDOF(国連兵力引き離し監視軍)も追い出して、その地域を支配するようになっている。

しかし、今年に入ってから、アル・シャムはアルカイダから離脱した。一説によると、穏健派と協力している可能性がある。

アメリカにしても、これまで支援してきた穏健派勢力だけではシリア政府軍にたちうちできていないため、強力なアル・ヌスラが加わることを黙認しているということも大いに考えられる。

ロシアにしてみれば、反政府勢力を撲滅しようとしているのに、アル・シャムが加わることで、戦争がながびくことになるのは、ぬきさしならぬ事態というわけである。それで今、アレッポで無残なまでに反政府勢力への猛攻撃を行っているのである。

アレッポでの惨状が伝えられる中、3日、アメリカは、シリア問題においては、ロシアとの対話を一時凍結すると発表した。するとロシアは、アメリカとの約束—武器レベルのプルトニウムを一掃するという約束を凍結すると発表した。

つまり、シリア問題に核問題を持ち出したということである。

<ロシア:地対空ミサイルをダマスカス郊外などに配備>

この直後、ロシアは、シリアのタルススに、S300地対空ミサイルを配備した。S300は、複数のパーツからなり、それぞれが車両に乗っているために移動可能である。それらが連携して、複数の位置から複数のミサイルを発射して、戦闘機を撃墜するものである。しかし、反政府勢力もISISも戦闘機は持っていないことから、今回のS300の配備が、アメリカの攻撃に備えたものと考えるのが自然である。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-37557138

アメリカがすぐにもロシアを攻撃することはないが、アメリカの内部では、アサド大統領暗殺しかないという声もあった。この地対空ミサイルの存在は、それを困難にするだろう。

ロシアの地対空ミサイル配備が示しているのは、アメリカには、もう切るべきカードが残されておらず、今やシリア問題においてはロシアが鍵を握っているということである。

結局のところ、ロシアがアサド政権の存続を目標としているのに対し、アメリカはアサド政権を打倒して反政府勢力から新政府を立ち上げることが目標なのであるから、いずれは決裂するのは時間の問題であった。今後どうなるのか?それは主だけが知るところである。

<地獄の様相:アレッポ>

BBCによると、ロシア軍とシリア軍がアレッポの反政府勢力の支配域(東アレッポ)を激しく空爆しはじめてから、子供106人が死亡するという悲惨な状況に陥っている。

アメリカによると、ロシアが地下貫通爆弾(Bunker Buster)を使っているため、地下の防空壕が破壊されて、かろうじてかくまわれていた子供たちが多数犠牲になったという。

東アレッポの地下で勉強する子供たち
http://www.bbc.com/news/world-middle-east-37561618 

病院も容赦なく攻撃を受けており、アレッポの最大病院も爆撃を受けた。医療スタッフも犠牲になっている。ロイター通信によると、東アレッポの人口は120万人で、しかも負傷者が溢れかえっている状況の中で、生き延びている医師は、わずか30人ほどとみられている。
http://www.bbc.com/news/world-middle-east-37528260

アレッポからは、血まみで、ガーゼもごみも散乱する“集中治療室”や、手術台ではなく、床の上で、脳手術をしている医師らの様子の映像が届く。

東アレッポの中でも特にシリア政府軍に包囲されている地域には275000人がいるが、攻撃が始まってから人道支援物資は届いておらず、水道もとまっている。

アレッポはもはや地獄の様相である。

<イスラエルとの関係>

アメリカとロシアがシリアで対立を深めているということ、シリアでS300が配備されたことはイスラエルにとっても無関係ではない。

イスラエルは、シリアからヒズボラへ武器が搬入されそうになると、まだシリア領内にあるうちに、空爆して破壊するという作戦を続けている。これについては、ネタニヤフ首相が、モスクワまで出かけてプーチン大統領の黙認をもらうことで合意を得ている。

しかし、万が一、この関係が崩れた場合は、イスラエルの戦闘機も安全にシリア領内に入れなくなり、ヒズボラへの武器搬入が可能になってしまう。今後シリア情勢についてさらに、外交、諜報活動が重要になりそうである。

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