エルサレムのヨベル:再統一50周年記念 2017.5.25

 2017-05-25
トランプ大統領が出国して2日後の24日、エルサレムでは今年も統一記念日となった。今年は特に1967年の六日戦争で、神殿の丘を含む東エルサレムを奪回し、街が再統一されてから50年目(ヨベル)にあたる。

<城壁にエルサレム3000年の歴史>

統一記念日に先立つ21日には、旧市街ヤッフォ門を中心とする城壁一面をスクリーンに、エルサレム3000年の歴史から、六日戦争の時の様子が、豪快な花火とともに映し出された。

その後、著名な歌手らが、イスラエルで愛されてきたエルサレム関連の歌を、多数のクワイアとともに披露。また多数のドローンを使って、空に大きくダビデの星や、エルサレム、50などと光の点で描かれた。

https://www.youtube.com/watch?v=T0ydBtPUhss (エルサレム市による紹介ビデオ)

https://www.youtube.com/watch?v=-8FfPUcXi8Y&t=2s (3000年の歴史:後半六日戦争当時:youtubeより)
https://www.youtube.com/watch?v=fUnDtftu8Nw (ハレルヤコーラス:youtubeより)

このイベントには、群衆とともに、ネタニヤフ首相夫妻、リブリン大統領夫妻、新しく着任したアメリカのフリードマン駐イスラエル大使も参加。

ネタニヤフ首相は、「世界に伝えたい。エルサレムはこれまでもこれからもずっとイスラエルの首都である。神殿の丘と嘆きの壁はこれからもイスラエルの手にある。」と挨拶し、かっさいを受けた。

花火やドローン、歌手の出演はないが、城壁でのプレゼンの一部は、7月17日まで、続けられる。

https://www.jerusalem.muni.il/en/Municipality/Municipal%20info/Pages/AllcelebrationsJerusalem.aspx

<フラッグ・マーチ>

24日の統一記念日には、日中の様々な公式や民間、地域イベントの後、夕方からは、恒例のフラッグ・マーチが行われた。

これは、若いシオニストたちの大群衆が、エルサレム統一を祝って、イスラエルの旗を振りながら、西エルサレムから嘆きの壁へ行進するというイベントである。

イスラエル全国のみならず、アメリカなど海外からもシナゴーグや、シオニスト団体のユースグループが、それぞれのTシャツを着て、それぞれの旗を持って参加する。今年は統一50周年ということで参加者はいつもより多く、75000人と伝えられている。

ユダヤ教に根ざしたシオニズムのイベントなので、女子は、女子ばかりがヤッフォ門から嘆きの壁へ向かい、男子は、ダマスカス門から嘆きの壁へ向かう。

http://www.jpost.com/Israel-News/Politics-And-Diplomacy/Tens-of-thousands-from-across-globe-march-in-Jerusalem-for-jubilee-493820

若者といってもほとんどがティーンエイジャーである。日本人であれば、たとえ若者でも、たとえ喜んでいても、これほどのエクサイトとカオスにはならないだろう。全員がきんきんの金切り声で笑い、叫び、動き回って列などはまったくない。

先生とか引率者が、いたのかいなかったのか不明であるが、いてもおそらく、子供達と共に騒いでいたのだろう。

群衆に一緒にまぎれていると、あまりのやかましさと突き飛ばされるのとで、どこからそんなエネルギーが出てくるのかと、あきれはて、疲れ果ての状態だった。

到着地点の嘆きの壁は、文字どおり超満員。立っている隙もないほどである。もちろん前にもすすまない。しかし、苦痛の顔はまったくない。混んでいることなど全く意に介していない。皆、ここにいるだけで最高に喜んでいる。

さらには、こんなややこしい状況なのに乳児を伴っている若い家族達も多い。夜10時をまわって赤ちゃん連れから3歳、5歳児もまだ群衆の中にいた。

嘆きの壁横には大きなステージがあり、バンドがイスラエルの音楽(東方系)をがんがん奏でている。若者達が歌い、反応し、数え切れない旗を振っている。男子たちは互いに肩車しながら旗をふっている。

女子達もワイルドである。おそろいのTシャツで輪になって踊り、疲れると、そのまま地べたに輪になって座って、叫ぶようにしておしゃべりしている。服が汚れるとかどこに座るとかまったく意に介していない。

ステージからはチーフラビが、「主はただ一人」「主だけが神である。」とメッセージを語り、強行右派で知られるユダヤの家党ナフタリ・ベネット氏が群衆に向かって叫んだ。「神殿の丘は我々の手に!」群衆も「おー」と反応した。

嘆きの壁上のユダヤ地区に入ると、ピザ屋、ファラフェル屋、アイスクリーム屋はすべてきゃあきゃあと叫びまくる子供やティーンエイジャーで超満員。ごみはさんらんしっぱなし。それでも皆の顔は喜びしかなく、嫌な顔やもんくは一切見なかった。

ところで、祝い事といえばアルコール無しにはすすまないのが日本文化だが、ここでは、アルコールはいっさいなし。それでも心底、全身全霊で喜び楽しんでいた。

http://www.timesofisrael.com/tens-of-thousands-march-around-old-city-to-celebrate-jerusalem-day/

<パレードに反対する左派もいる>

一方、イスラエルには、急進的なシオニズムに同意せず、右派勢力に反対する左派のユダヤ人も多数いる。

今年もフラッグマーチを妨害しようとして、ダマスカス門から左派らが紛れ込んでいたが、イスラエルの治安部隊が、これを取り押さえて、追い出している。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4967185,00.html
http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/230166

<神殿の丘で強行右派ユダヤ人15人逮捕:ヨルダンが非難>

エルサレム統一記念日でいつも問題になるのが、この日に神殿の丘に上がろうとする強行右派ユダヤ人である。

今年もグループが神殿の丘に入り、禁止とわかっているのに、ハティクバ(イスラエル国家)を歌ったり、跪いて祈るなどした。イスラエルの治安部隊は、この15人を逮捕した。

これについて、ヨルダンのアブダラ国王が、「アル・アクサ(イスラム名の神殿の丘)を冒涜する行為」であり、これを制止しなかったのは、「占領者」イスラエルの責任だと公式に非難声明を出した。

アブダラ国王は、「アル・アクサは、絶対的にイスラムのみの聖地であり、その他の考え方は受け入れられない。」と強い語調で訴えた。

この強気の語気は、これまで以上である。やはりユネスコの神殿の丘はイスラムの聖地という採択に力つけられているのかもしれない・・・。

*神殿の丘でユダヤ人が祈れないのはなぜか?

神殿の丘は、確かに神殿があった場所だが、西暦70年にローマ帝国に破壊されて以来、ユダヤ人は自由に入ることができなくなった。638年からはイスラムの聖地の一つとして認識されていた。(十字軍時代を除く)

50年前の六日戦争で、イスラエル軍は神殿の丘を奪回したが、今や”イスラムの聖地”に数えられている神殿の丘をいきなりユダヤ人の聖地と宣言することはできなかったのである。(実際はできたはずとの意見が最近優勢になっている)

そのため、1967年以降も神殿の丘はヨルダンのワクフ(イスラム組織)が管理し、治安だけはイスラエルが守るという微妙な約束となった。管理がイスラムなので、ユダヤ人もクリスチャンも神殿の丘で祈ることも聖書を持ち込むことも許されていない。

<テロ対策世界最強!?イスラエル>

22夜日、イギリスのマンチェスターでの自爆テロで、若者22人が死亡し、まだ多数が重症となっている。子供たちが犠牲となったこの事件のショックはまだまだ世界を震撼させている。

このような時に、イスラエルは、シオニストの若者の大群衆が集まるイベントを、ISISを含むイスラム過激派がうようよする東エルサレムで実施したことになる。

イスラエルの治安部隊はやはり世界最強といえるだろう。

<石のひとりごと>

私ごとになるが、今年は、筆者にとってもエルサレムに最初に到着してからちょうど30年になる。

不思議な付き合いがつづいて、つかず離れず、今まだここにいる。エルサレム50年の歴史のうちの30年。ふりかえれば、この町も大きく変化したと思う。

私自身も、この町で聖書に出会い、この町で信仰を得た。私はユダヤ人ではなく、市民権もないのだが、ここは、私に取っても、やはり第二の故郷と思う。エルサレム・ヨベル、再統一おめでとう!
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人口流出と貧困増加:エルサレム 2017.5.25

 2017-05-25
統一50周年を迎え、華やかなイベントが行われたエルサレムだが、その実情は、課題満載である。

エルサレムでは、人口流出が止まらなくなっている。中央統計局によると、毎年、8000人あまり(流入者と流出者の差)が流出しているという。問題は流出しているのが、世俗派で、若く教育も行き届いた、つまりは税金を払うユダヤ人であるということである。

エルサレムでは、ユダヤ教超正統派の人口が増えて、居住地が世俗派エリアにも入り込んできている。IT産業など大手の会社はほとんどテルアビブやベエルシェバにある。世俗派にとっては、エルサレムにとどまる利点はあまりないのである。

そういうわけで、エルサレムの人口は、現在約90万人だが、その45%は貧困線以下である。全国平均は20%であることから、エルサレムは、突出して貧困者が多いということになる。

原因は、まず、エルサレムの総人口の30%以上が、パレスチナ人であるということ。この人々は、エルサレム統一により、イスラエル主権下のエルサレム住民に加えられた人々である。

この人々は、イスラエルの国籍がなく、エルサレム住民というステータスなので、働き場がどうしても少ない。パレスチナ人を雇うイスラエル人雇用主も、どうしても少ない。

そういうわけで、エルサレムのパレスチナ人で就労している人は40%に過ぎず、エルサレム在住のパレスチナ人の80%は貧困線以下とされる。この人々は、海外に出ている子供が家族に仕送りするなどして、なんとか生き延びている場合が多い。

一方、エルサレムのユダヤ人で、就労している人口も、全国平均が64%のところ、58%にとどまっている。これは、基本的に働かず、国などの社会的支援で生活するユダヤ教超正統派の人口が、年々増えているからである。

これに対し、エルサレム市は、バルカット市長が、東エルサレムへの投資開発を進めているのに加え、昨年からは国も、予算を投じて、エルサレムにIT産業を誘致したり、観光業の開発に力を入れ始めた。しかし、まだ明確な結果はでていない。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4966952,00.html
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アメリカはイスラエルと共に立つ:トランプ大統領訪問 2017.5.23

 2017-05-24
トランプ大統領が、昨日22日正午すぎ、直前の訪問国、イスラエルとは国交のないサウジアラビアから、エアフォースワンの初の直行便でイスラエルに到着。2日間の公式訪問を終え、翌23日の今日夕方、もうまもなく空港からバチカンへ向けて飛び立とうとしている。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/229992

トランプ大統領については、外遊直前に、イスラエルのスパイからの機密情報をロシアに漏洩したとのスキャンダルが報じられ、両国の関係が懸念される動きもあった。

しかし、イスラエル政府は、就任後初めての外遊でイスラエルを訪問先に含めたというこの訪問自体が、それを否定するよい証になっていると主張。今回のの訪問を、”Ever Stronger”(これまでよりも強い(友好関係))と名付けて、トランプ大統領を迎えた。

トランプ大統領もまた、イスラエルでは、ユダヤ人にとって大事な場所である嘆きの壁、ヤドバシェム、そして、最後の記者会見を、イスラエルにおけるユダヤ人の3000年の歴史を裏付けるイスラエル博物館で行い、イスラエルへの友好関係の深さを証しした。

イスラエル博物館での最後の記者会見は、ネタニヤフ首相との共同会見で、政府閣僚、チーフラビや各宗教指導者が集められる中で行われた。

トランプ大統領は、ユダヤ人の聖書時代以来の長い歴史と、苦難の中から帰還した経過への理解と感動を語るとともに、治安情勢においても、理解を示し、「このドナルド・トランプは、イスラエルの滅亡を言い続けるイランに、絶対に核兵器保有を許さない。」と宣言した。

最後には「アメリカはいつもイスラエルと共に立つ」と約束。何度もスタンディングオベーションを受けた。具体性には欠けたが、イスラエルのユダヤ人にとっては、非常に心温まるメッセージであったと言える。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4966290,00.html

滞在28時間という非常に短い訪問であり、特に具体的なことが決まったわけではなかったが、注目点は多数あり、イスラエルでは”歴史的”と評される訪問となった。イスラエル滞在中のトランプ大統領の動きと、特に注目された点をまとめた。

<イスラエルでの行程>

1)22日(月曜)


到着した22日、空港での歓迎式典(約45分)の後、そのままヘリコプターでリブリン大統領官邸を訪問(約45分)。その後、プライベートで、旧市街へ。

歩いて聖墳墓教会(キリストの墓とされる地の教会)を訪問。同教会では、6つの宗派が常に争っているので、どのようにトランプ大統領を案内するのか注目されたが、そこからユダヤ地区まで歩いて出て、駐車場から、車で嘆きの壁へ向かった。

夜には、キング・デービッドホテルで、ネタニヤフ首相と会談、記者会見の後、首相官邸に移動して、ネタニヤフ夫妻との夕食会となった。

http://www.jpost.com/Israel-News/Hours-before-Trump-arrives-updated-visit-schedule-released-492495

2)23日(火曜)

翌日は、午前中に、ベツレヘムでアッバス議長と約1時間面会し、記者会見を終えると、ランチもそこそこに、メラニア夫人や家族たちとともに、ヤド・バシェムの記憶のホールでの献花と記念式典(30分)に出席した。

トランプ大統領は、ここで、家族でただ一人生き残ったマーゴット・ゴールドステインさんから、その妹(16歳でナチの犠牲で死亡)エステルさんのアルバムのコピーを授与された。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4966252,00.html

そこからイスラエル博物館へ直行し、まとめの記者会見を行い、そのまま空港へ直行。バチカンへ向かった。

<注目された点>

1)現職米大統領では史上初:嘆きの壁訪問

現職のアメリカ大統領として、嘆きの壁を訪問したのは、トランプ大統領が初めてである。

旧市街は、東エルサレムであり、国際社会ではまだイスラエルの領地とは認められていない。そこをイスラエル公式に訪問した際に訪問すると、旧市街はイスラエルの領地と認めたととられる可能性がある。

このため、これまでの大統領は嘆きの壁を訪問しなかったのである。

さすがにネタニヤフ首相の同伴は断ったものの、トランプ大統領はキッパをつけて、嘆きの壁に手をおいて、しばらく立ち、願い事を書いた紙を残した。トランプ大統領は後に、この時、「神の知恵」を祈ったと語っている。

メラニア夫人も女性セクションで一人で壁の前に立った。上級顧問のクシュナー氏とイバンカさんや、同伴のティラーソン国務長官ら政府高官も同様に嘆きの壁に立った。

その後、トランプ大統領は、西壁専属のラビ・ラビノビッツと、西壁遺産基金のモルデハイ・エリヤブ氏から、歴史的な説明を受け、ラビたちとともに、詩篇122編「エルサレムの平和のために祈れ。おまえを愛する者が栄えるように。」と、詩篇121編を朗読した。

ラビたちは、トランプ大統領の名前と、「この古代の書が、あなたを守り、全世界を守れるようにしてくれます」と記入した詩篇の書を贈答した。

この嘆きの壁への訪問について、トランプ大統領は、ネタニヤフ首相との共同記者会見において、イスラエルは「美」と「神の霊」に満たされている国だと語り、嘆きの壁で受けた印象は一生のこるものとなったと語った。

これは、実質、トランプ政権は、嘆きの壁は、ユダヤ人の聖地であると認めたということである。昨今、ユネスコが「ユダヤ人と神殿の丘、嘆きの壁」とは無関係、さらには「エルサレム」自体がユダヤ人とは無関係と示唆するような採択をしたことに反する動きである。

そういうわけで、イスラエルでは、トランプ大統領の嘆きの壁訪問は、イスラエルでは、歴史的訪問と高く評価されている。ネタニヤフ首相も、感謝を述べた。

http://www.jpost.com/Israel-News/Politics-And-Diplomacy/An-historic-day-at-the-Western-Wall-493588

2)イランについての共通の認識を表明

リブリン大統領、ネタニヤフ首相との共同声明の中で、トランプ大統領は、明確に対イラン政策で、イスラエルと共通の認識であることを明らかにした。

「イランには核兵器を絶対に持たせてはならない。2015年に、オバマ政権が主導して導いたイランと世界諸国との合意は危険である。」と語っている。

合意によって、経済制裁が緩和され、多額の資金がイランに流れた上に、合意期限が切れた際には、イランは自由に核兵器開発を再開できる可能性が残されているからである。

トランプ大統領は、イランについて、また過激派勢力との戦いにおいて、アメリカとイスラエルとの深い友好関係を強調するとともに、平和は実現できると信じていると語った。

https://www.youtube.com/watch?v=7iBV3iAek1M

3)中東和平において2国家解決へのこだわり表明せず:平和の実現への希望的楽観を表明

トランプ大統領の中東和平への意気込みは、米大使館のエルサレム移動が先送りになるなど、就任当初よりはかなり尻すぼみになったが、それでも、両者の会話再開への意欲がなくなったわけではない。

トランプ大統領は、ネタニヤフ首相との共同会見において、イスラエルとパレスチナの問題を解決するのは世界で最もタフな問題だとしながらも、「今、和平推進への変化のチャンスの時が来ていると期待する。」と、解決に向けた楽観的希望を述べた。ネタニヤフ首相もこれに同調した。

何をもって、チャンスの時と言っているのかだが、まずは、トランプ大統領が、これまでになかった新しいタイプの大統領であるという点があげられる。

実質優先、柔軟変化、何をするのか予測不能ということから、リスクがあるものの、何か新しい手を出してくるかも。。との期待感もなきにしもあらず。。。である。

その一環か、トランプ大統領は、オバマ前大統領のように、2国家共存を目指すということはいっさい言わず、成功するならなんでもよいという態度である。

また、イスラエルの前に訪問したサウジアラビアで、イスラム諸国指導者50人と対話し、トランプ大統領が、歴代大統領よりもイスラム社会に受け入れられ始めている・・・と考えられる点である。(後述記事参照)

イスラエルにとっては、トランプ大統領が”触媒”となり、湾岸イスラム諸国との国交が正常化することは、有益なことであるし、そうなれば、パレスチナ人も、経済的にも依存しているアメリカや湾岸諸国の手前、イスラエルとの妥協に応じる可能性がないとも言い切れない。

トランプ大統領の楽観スピーチが、ただの楽観で終わるのか、本当に事が動くのか。イスラエルでは、懐疑的ながらもとりあえず今は、期待の空気になっている。
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ベツレヘム:アッバス議長訪問 2017.5.23

 2017-05-24
23日朝、トランプ大統領は、メラニア夫人ら家族を同伴せず、単独でベツレヘムへ向かった。予定通り、ムカタ(政府関係施設)で、約1時間の会談の後、両指導者は、共同の記者会見を行った。

アッバス議長は、パレスチナは、東エルサレムを首都として、イスラエルと平和に共存することを望むという従来の立場を強調。平和の障害は、宗教ではなく、占領と入植地、パレスチナ人の国を認めないイスラエルだと語った。

またイスラエルの刑務所に言及し、イスラエルは、人道的かつ合法的な待遇をするべきだと主張した。(イスラエルは、刑務所の環境は国際法上、合法的と主張している)

一方、トランプ大統領は、まずは、22日夜に発生したイギリス、マンチェスターで子供達20人以上が、自爆テロ(ISISが犯行声明)で殺害されたことをあげ、テロは絶対に終わらせなければならないと強調。

テロリストは「ルーザー(敗北者)」と呼ぶことにする。国々が協力しあえば、テロとの戦いに必ず勝つと宣言した。

中東和平については、アッバス議長もネタニヤフ首相も、平和な共存にコミットすると言っているので、アメリカはその実現のためにできるだけの支援をしたいと語った。

そこにパレスチナの国を立ち上げるとか、2国家解決案といった言葉は含まれていなかった。トランプ大統領の場合、当事者どうしがよいと思うなら2国家解決でも1国家解決でもなんでもいいのである。

トランプ大統領は基本的に、中東和平は当事者同士がディール(取引)をもって、実現するものと考えており、大国アメリカの主導で解決する、また解決させるべきものとは考えていない。

<パレスチナはテロの奨励をやめるべき:イスラエルと同じ視点>

しかしながら、トランプ大統領は、「テロ行為を見逃したり、報酬を与えたりすると、平和は実現しない。こどもに憎んで殺すことを教えるのをやめなければならない。」と、パレスチナ自治政府をけん制する発言を加えた。

ネタニヤフ首相は、トランプ大統領のこの発言に注目し、「確かにトランプ大統領が言うように、テロを成功したテロリストの家族の報奨金を払うのはパレスチナ自治政府の法律にある。平和のためには、これを排除しなければならない。」と、強調した。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4966107,00.html

<会談前の西岸地区の現状>

トランプ大統領は、「アッバス議長は、平和を求めており、イスラエルとの平和な共存を望んでいる」と理解したようだが、実際のパレスチナ社会をアッバス議長が代表しているとは限らない。

アルジャジーラ(アラブメディア)によると、パレスチナ人たちは、「トランプ政権がイスラエルに好意的である限り、和平交渉はすすまない。」と考えている。

特に将来、パレスチナの国になると考えられている西岸地区、また東エルサレムにユダヤ人の入植地が増え続けていることが、和平を妨害する根源だと訴えている。

しかし、トランプ政権になってから、イスラエルの入植地建設が急速にすすんでいること加え、先週着任したフリードマン米駐イスラエル大使が、強力な入植地支援者であることから、トランプ政権は、真剣にパレスチナ国家設立を認めていないのではないかと考えるようになっている。

*22日:ベツレヘム検問所でナイフテロ:犯行パレスチナ人射殺

トランプ大統領が到着した22日月曜、 西岸地区各地で、またイスラエルの刑務所でハンストを行っている囚人らを支持するデモが発生した。

エルサレムとラマラの間にあるカランディア検問所付近でのデモでは、パレスチナ人らが、道路を封鎖したり、車のタイヤを燃やすなどの暴動となり、イスラエルの治安部隊は催涙弾などを使って対処している。

午後には、ベツレヘム付近の検問所で、パレスチナ人がナイフで、イスラエルの国境警備隊を襲い、その場で射殺された。トランプ大統領は、そこからそれほど遠くないエルサレムの旧市街にいたころである。

このような呼びかけから、西岸地区、東エルサレムでは、学校は休み、店は閉店していた。昨日、トランプ大統領一行が歩いた旧市街でも、店がほとんど閉店していた様子が防犯カメラに映っている。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4965919,00.html

マアン(パレスチナ・メディア)によると、パレスチナ人の間では、トランプ大統領が、パレスチナ自治政府のアッバス議長に会うためにベツレヘムを訪問する火曜、”怒りの日”として、パレスチナ人に反イスラエル行動に立ち上がるよう呼びかけが行われた。

そうすることで、トランプ大統領に、イスラエルの刑務所でハンストを行っているパレスチナ囚人の現状を知ってもらおうという動きもあった。これについては、幸い、衝突は発生しなかった。

http://www.maannews.com/Content.aspx?id=777228

*ハンスト者数十人病院へ搬送

前回、ハンストが始まって1ヶ月を超えたとおしらせしたが、やはり人間の体の限界がきているようである。昨日、数十人がイスラエルの病院に搬送され、搬送者はさらに増えるとみられている。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4965360,00.html

<ハマスのトランプ大統領への反応>

ガザのハマスも、トランプ大統領はイスラエルに友好的だと理解し、反トランプであることを表明している。

23日朝には、ハマスかどうかは不明だが、シナイ半島からロケット弾がイスラエル領内に向けて発射された。幸い、空き地に落ちたため、被害はなかった。

(参照)以下のサイトには、アルジャジーラが、ハマス高官への興味深いインタビューがアップされている。

インタビューしているのはアラブ人だが、「結局のところ、ハマスは(イスラエルを認め)2国家案を受け入れるのか?」「自爆テロは推奨しているのか」など、イスラエルの聞きたいところを確認する形で質問しており、ハマスの矛盾が明らかになっている。

http://www.aljazeera.com/indepth/features/2017/05/palestinian-basic-rights-agenda-trump-170521063950915.html

非常に複雑な中東和平だが、今後具体的にどうするのかの示唆は、今の所ない。今後の動きが注目される。

<石のひとりごと:大統領は育つ?>

今回、外遊において、トランプ大統領は過激な発言は控え、少しは世界の指導者アメリカの大統領の顔になりつつある印象を受けた。

しかし、同時にあまりにもイスラエルに関する理解が深く、イスラエルに友好的な発言で、ユダヤ人たちの拍手喝さいを受ける姿からは将来、このように、反キリストがイスラエルを取り込んでいくかもしれないとも思わされた。

余談になるが、今回、特にメラニア夫人(46)の完璧なまでの美貌が印象的だった。白いボディコンのスーツを着こなす小顔のモデルなので、横にならぶネタニヤフ首相夫人や、リブリン大統領夫人がかわいそうなぐらいだった。

空港到着時、手をつなごうとするトランプ大統領の手を叩き返す様子が映されるなどのハプニングはあったが、夫に同行中は、ほとんど話さず、突出して美しく立っているメラニア夫人は、トランプ大統領の花にもなっていたように思う。

トランプ大統領の「アメリカを偉大にする」との公約が少し見えてきつつあるような気がした。

<石のひとりごと2:イスラエル最悪の恥>

ひとりごと・・ではないのだが、今回、トランプ大統領訪問で、イスラエルの最悪の恥となったけっさくな事件を一つ紹介する。

若手議員(リクード)のオレン・ハザン氏は、賭博上経営の経過などが発覚するなど、様々なスキャンダルで、ひんしゅくかいまくりの議員である。

ハザン氏は、トランプ大統領の空港での歓迎式典にもぐりこみ、なんとジェレッド・クシュナー氏の席に座っていたという。

その後、トランプ大統領が、記念式典を終えて、政府閣僚たちに握手しに来ると、今度は閣僚の列にもぐりこみ(ハザン氏は当然、そこにいるべきでない)、トランプ大統領が来ると、セルフィを撮らせて欲しいと申し出る暴挙に出た。

しかもその瞬間、彼のスマホがうまく働かず、トランプ大統領を、一瞬待たせるというおバカ事態になった。さすがにネタニヤフ首相が、ハザン議員の手をつかんでやめさせようとしたが、その手をふりはらって、まんまとトランプ大統領とのセルフィに成功。

わずか十数分後にはフェイスブックにアップしていた。この写真が、なんとワシントンポストの「トランプ大統領イスラエルに到着」のヘッドライン写真に使われていたという。

日本では、非難轟々の一大事件になり、こんな議員は即刻クビになりそうだが、イスラエルでは、そんなことにこだわっているヒマはないため、そのまま放置のもよう。

実際のところ、ハザン議員の他にも、バト・ヤム市長など、招かれていなかった人も何人か、トランプ大統領と握手する閣僚の列に紛れ込んでいたという。よほどトランプ大統領に興味があったとみえる。そういうところがイスラエル人である。

それにしても閣僚の列の中に知らない顔を見たネタニヤフ首相は、何を思ったのだろうか。ハザン議員がセルフィを取っている横に立っているネタニヤフ首相は、作り笑い。。という感じである。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4966185,00.html (ハザン氏のトランプ大統領とのセイフィ見れます)
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テロへの挑戦:トランプ大統領@サウジアラビア 2017.5.23

 2017-05-24
イスラエルに来る前、トランプ大統領は、メッカがあり、イスラム世界の代表としてのサウジアラビアを訪問。史上最大額ともいわれる武器売買取引を行ったほか、リヤドにアッバス議長を含むイスラム教国の指導者50人を招いて、演説を行った。

アメリカ大統領として、ここまでイスラム諸国との対話に臨んだのは初めてである。

このトランプ大統領に対し、サウジアラビアは、オバマ大統領の訪問では、迎えに来なかったサレマン国王(81)が、直々に空港で出迎えたほか、上空では、戦闘機の噴射で青空に星条旗を描くなど、破格の歓迎でトランプ大統領を歓迎した。

1)イスラム諸国に”過激派追放”で一致よびかけ

サウジアラビアは、イスラムの聖地メッカを有する国である。そのサウジアラビアで、トランプ大統領は、イスラム諸国の指導者50人との会議に臨み、演説を行った。

この会議には、ヨルダンのアブダラ国王や、パレスチナ自治政府のアッバス議長も出席している。

オバマ大統領が就任後、カイロで行った演説と比べられるところであるが、トランプ大統領は、今回、民主主義といった欧米独特の価値観はいっさい語らず、お互い違うもの同士、敬意をもって、テロ撃滅を目指して協力しようという切り込みだった。

トランプ大統領は、過激派が残虐な行為に及んでいることをやめさせるためには、アメリカが立ち上がるのを待たず、それぞれが、それぞれの国から過激派を一掃し、互いに協力することで可能になると訴えた。

集められたイスラム諸国の指導者たちは、トランプ大統領が、ほんの最近まで「アメリカはイスラムに憎まれている」と叫び、特定の国々の人の入国制限をしたりして、イスラムに明確に敵対する発言をしていただけに、どうもけげんそうな顔で、トランプ大統領の話を聞いていた。

しかし、ここでさすがビジネスマンである。トランプ大統領は、サウジアラビアに、1100億ドル(約12兆円)もの武器輸出の取引を行った。今後10年で計3500億ドル(約36兆円)に上ると、イスラム諸国指導者たちに語った。

これにより、トランプ大統領は本気であり、本気でテロと戦う者のためには、実質の支援を行うということを指導者たちに示すことになった。

また、アメリカとの取引を成立させたサウジアラビアが、両手を上げてのトランプ大統領支援を見て、他のイスラム諸国も、将来、テロ一掃で、協力一致する可能性もなきにしもあらずという雰囲気のようである。

https://www.washingtonpost.com/politics/us-and-gulf-nations-agree-to-crack-down-on-terror-financing/2017/05/21/e1222b34-3dfd-11e7-9e48-c4f199710b69_story.html?utm_term=.758907718edf

トランプ大統領は、サウジアラビア訪問について、イスラム諸国との間になんらかの会話の糸口ができたとして、「大きな成果だ」と、自ら高く評価し、イスラエルでも何度もこの話をアピールした。

2)米史上最大計36兆円の武器取引成立の意味

トランプ大統領は、到着したその日のうちに、サウジアラビアとの武器取引に署名している。これはアメリカの武器輸出では市場最大だという。ここまで話が早いのは、上級顧問のクシュナー氏が手回しをしておいたからだという。

https://www.vox.com/2017/5/20/15626638/trump-saudi-arabia-arms-deal

トランプ大統領は、この取引がアメリカ産業の活性化と雇用の促進につながるとも語った。

この一件は、サウジアラビアと敵対するイランをけん制することになるため、イランと敵対するイスラエルも歓迎する流れになっている。しかし、この動きに警戒する声もある。

イスラエルのエネルギー相ユバル・ステイニッツ氏は、イスラエルが今後も中東では最強というポジションを保持できるのかどうか、よく監視しなければならないと警告した。

サウジアラビアは、基本的にイスラエルと国交のないイスラムの国である。過去には、スンニ派過激派組織アルカイダを生み出し、その支援を行っていた。将来、イスラエルに牙をむくようになる可能性は否定できない。

そのサウジアラビアが、今回の取引で、アメリカから購入することになったのは、最新式の戦車や戦艦4隻、サイバー関係の武器や、THAAD(弾道ミサイル迎撃システム)を含むかなり最先端の武器が含まれている。将来、万が一にもイスラエルに敵対するようになれば、危険なことにもなりうる。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4965141,00.html

また、サウジアラビアは、今実際に戦争をしている国である。イエメンで、イランが支援する過激派フーシ派が暴れ始めたため、イエメン政府軍を支援しているのがサウジアラビアである。つまり、イエメンを舞台にイランとサウジが戦争をしているのである。

そういう中で、サウジアラビアに相当な武器支援をするということは、今後、イエメンでそれらが使われ、結局、市民の犠牲が増えることになる可能性が高い。イエメンではすでに市民1万人以上が死亡し、300万人が難民になったとみられる。

さらに、WHOによると、イエメンでは、極悪な生活状況から、現在、コレラが爆発的に急激に広がっており、19日までに242人の死亡が確認され、2万3000人以上が感染した疑いがあるとして、問題になりはじめているところである。

http://www.asahi.com/articles/ASK5J560FK5JUHBI01P.html

ステイニッツ氏は、「トランプ大統領は、この取引でアメリカの雇用につながると言っているが、武器の取引は、もっと慎重であるべきであり、雇用促進を目的にするものではない。」と警告している。

<石のひとりごと:実質優先>

アラブ諸国との関係の糸口は、トランプ大統領が、サウジアラビアに口だけでなく、実質の武器輸出の取引を実現したことによる。結局のところ、中東では、実質だけがものを言う。

また、トランプ大統領は、まさにビジネスマンである。到着のその日に、さっさと超大口の取引にサインしてから、その後に、友好関係を深める行事には入っている。実質がない友好関係はないからである。

以前、イスラエル人ビジネスマンが言っていたが、日本ではその逆で、先に友好を深める行事があって、関係ができてからはじめて取引に入るという。帰国当日になってようやく取引の話になることに当初はとまどったと言っていたのを思い出した。

ビジネスマンは、実質をみきわめ、結果と収益を最優先し、柔軟に考えを変える。相手にどうみられるかなどはほとんど意味がない。「よい人」ジェントルマンであったオバマ大統領とは正反対である。

今のトランプ大統領の中東政策がどのようになっていくかは、まだまだ不明だが、中東における「アメリカの存在感」は、確かに以前のそれに戻りつつあるようである。

<石のひとりごと2:世俗ビジネスマンの強み?>

今回、メラニア夫人は、サウジアラビアという敬虔なイスラム国訪問に際し、髪のおおいをつけなかった。

トランプ大統領は、以前、オバマ前大統領夫人が、サウジアラビアを訪問した際、髪におおいをつけていなかったことについて、「相手国に対する侮辱だ。」と非難していたので、これいかに、とメディアは鬼の首をとったように指摘した。

トランプ大統領は当然、「相手国から求められなかったから」と全く気にしていない。しかし、逆に被らなかったことで、サウジアラビアとアメリカが、お互い違った文化であることを認めあうという対等関係のアピールになったかもしれない。

トランプ大統領は、日曜に教会に行かずにイスラム教国で公務にあたり、娘一家のクシュナー家は、ユダヤ教徒であるといいながら、安息日に、公務を優先して飛行機に乗っている(ラビの許可はあったとのこと)。

宗教にそこまでこだわらない世俗ビジネスマンであるからこその、今回の3宗教聖地訪問の動きであろうが、アメリカは一応、キリスト教の国であったはずだがな・・・とちょっと頭を掻いているところである。(敬虔なクリスチャンのペンス副大統領は留守番か、同行していない)
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イランの大統領選挙:ロウハニ現大統領再選 2017.5.23

 2017-05-24
19日、イランでは、大統領選挙が行われた。結果は2350万票(57%)を獲得した現職のロウハニ大統領の勝利となった。

ロウハニ大統領は、「イランの市民たちは、古い体制ではなく、新しく開かれたイランを期待していることが明らかになった。今後も世界との関係を改善していく。」と語った。

http://www.aljazeera.com/news/2017/05/iran-election-president-hassan-rouhani-takes-lead-170520042625946.html

そんな中、トランプ大統領が、イランと敵対するサウジアラビアに膨大な武器の取引にサインし、イスラエルでは、イランの核兵器開発には断固反対すると発言したわけである。

ロウハニ大統領は、「サウジアラビアこそ、中東で過激派を支援するテロ支援国家である。その国に武器を輸出することはきわめて危険である。中東の和平はイランなしには実現しない。」とのコメントを出した。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-39999051
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トランプ大統領のための”ブルー・シールド作戦” 2017.5.20

 2017-05-20
トランプ大統領の就任後初となる外遊が始まった。昨日からサウジアラビアのリヤド(5/20,21)、エルサレム(5/22,23)、バチカン(5/24,25)、続いてブリュッセルでNATO首脳会議、シシリー島でのG7に出席する。

後にまとめるが、この訪問に先立ち、ロシアへの機密情報漏洩問題など、トランプ大統領に関しては、実に深刻で重要なことが連発している。

イスラエル・パレスチナ中東和平問題に関しては、”カオス”と評されるほど混乱したメッセージがホワイトハウスから、発せられ続けた。

このため、エルサレムで、トランプ大統領が何をするのか、どのように滞在するのか、ホワイトハウスからの要請は二転三転し、政府プレスオフィスが、滞在スケジュールを送ってきたのは、わずか数日前の昨日である。

いろいろ問題の多い大統領だけに、暗殺やテロの可能性は高い。アメリカ、イスラエル両国の治安部隊は、トランプ大統領一行の安全を確保するため、綿密な計画を立て、共同訓練も行ったという。名付けて”オペレーション・ブルー・シールド”である。

<大統領ご一行護衛作戦ブルーシールド>

トランプ大統領は、メラニア夫人はじめ、大統領上級顧問で、娘婿のジェレッド・クシュナー氏とその妻イバンカさんを同伴している。

ホワイトハウスからは、ティラーソン国務長官、マティス国防長官、プリーバス大統領首席補佐官、スパイサー報道官に、タカ派で知られる首席戦略官スティーブ・バノン氏とそうそうたる面々が同伴する。護衛も入れて大統領様ご一行は1000人以上に上る。

エルサレムでの宿泊はキング・デービッドホテル。そこから、大統領官邸、首相官邸、ヤドバシェム、旧市街の嘆きの壁、キリスト教地区、おそらくはベツレヘム(アッバス議長と会談)へと移動することになる。

このため、この2日間、エルサレム市内は、広範囲に、長時間、道路が封鎖される。エルサレム上空は、この2日間、飛行禁止になる。

閉鎖になる地域や道路は、町の目抜き通りであるため、エルサレム市はこの2日間、非常に不便なことになる。治安部隊は、市民に対し、乗用車の使用を避け、「できるだけ家から出ないように」との叫ぶような要請を語っている。

チャンネル2によると、配置される治安部隊は、4000人以上で、特にキング・デービッドホテル周辺は、”無菌状態”、つまりは、ホテル全館だけでなく、周辺も幅広く封鎖状態になるという。

ホテルは、イスラエルがRBG(ロケット弾防護設備)や化学兵器に備えるシステムを準備したのに加えて、アメリカも同様の防護システムを持ち込むという。

大統領が泊まる部屋は、旧市街を見渡す見事な眺めがあるが、それほど大きな部屋ではない。しかし、上記のような護衛システムが配備されているせいか、一泊5700ドル(約60万円)もする。

*来週は過密スケジュールのエルサレム

トランプ大統領が来る来週、エルサレムは統一50周年で40以上の市民イベントが予定されている他、イスラムのラマダン開始日も迎える。治安部隊には非常に頭の痛い週である。

①5/21(日) 旧市街でエルサレム統一50周年イベント
城壁に映像を映すスペクタクルショーの開始日で、ネタニヤフ首相がヤフォ門で演説(ショーは7月まで継続)

②5/22(月), トランプ大統領訪問(空港到着13:00)ー大統領官邸、ネタニヤフ首相と夕食

③5/23(火) トランプ大統領訪問(空港出発16:00)ー旧市街・ベツレヘム訪問?ヤドバシェム、イスラエル博物館でスピーチ
エルサレム市内各地で統一50周年記念関連のイベント 
日中、市内でシオニスト関連の学生イベント、ダビデの塔で特別イベント、夜は町の中心や公園などでコンサートや徹夜パーティなど

④5/24(水) シオニスト群衆によるフラッグ・パレードと嘆きの壁での祝典、弾薬の丘での公式式典(ネタニヤフ首相、リブリン大統領)

⑤5/26)金) イスラムのラマダン開始

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4964436,00.html
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針のむしろのトランプ大統領:ロシアへの機密情報漏洩問題 2017.5.20

 2017-05-20
トランプ大統領は、この8日間、文字どおり世界中を回ることになるのだが、本国アメリカでは大統領弾劾の可能性との声もあり、まさに”針のむしろ”に座る中での外遊となりそうである。

発端は、トランプ大統領が、ロシアのラブロフ外相に、ISISに関する高度な機密情報を伝えていたとアメリカのメディア(ニューヨークタイムスなど)が伝えたことからである。

その機密情報は、イスラエルがISIS内部に忍ばせているスパイからのものとみられ、アメリカ行きの飛行機を、手荷物のPCに仕込んだ爆弾で爆破するという情報であったと伝えられた。

アメリカはこれを受けて、一時機内へのパソコンの持ち込みを禁止するなどの対処を行なっていた。トランプ大統領はこの情報をロシアに漏らしていたというのである。

トランプ大統領にすれば、治安維持のためにロシアも知っておいて欲しかったという動機であったようだが、問題は、この情報を提供したスパイ、さらには、そのスパイを、ISIS内部に送り込んでいるイスラエルに危害が及ぶのではと懸念されたことだった。

ロシアに情報が流れたということは、イスラエルの宿敵であるイランにも情報が流れた、または今後も流れる可能性があるということも示唆する。

これについて、イスラエル政府は、不思議なほどに沈黙を守り、数日後、リーバーマン国防相が、「イスラエルとアメリカの親密な信頼関係は今後も続く。」とのコメントを発表し、全く意に介さず、との態度をとった。

その後、ヨルダンが、その情報をもたらしたのは、ヨルダンのスパイであると、真実かどうかわからないようなコメントを出し、この問題は、イスラエルにとっては、どうもうやむやに終わった感じである。

<微妙な状況>

この問題についての本質を言えば、イスラエルにとって、唯一の同盟国アメリカをもはや信頼しないという選択肢はない。

アメリカは、中東情勢に詳しい同盟国のイスラエルから情報を得、そのお返しにイスラエルに軍事支援を行っているわけで、今回のようなことで信頼関係が、若干崩れたとしても、両国がそれで関係を破棄することは、お互い不可能である。

しかしながら、今後どの情報をどのようにアメリカに伝えるのかについては再考を余儀なくされるとみられる。

Yネットによると、こうしたスパイからのテロに関する治安問題に関わる情報は、特にロシアが危機にある場合は、しかるべきルートで、ロシアにも伝わっていたという。そこには、各国の情報網の間に暗黙のルールがあるらしい。今回、トランプ大統領はそれを崩したのである。

この件で、危機感を最も強めたのはロシアと直接対峙するヨーロッパNATOである。今後、アメリカをどこまで信用し、どこまで情報を共有するのか、これからは二度考えざると得ないという。トランプ大統領は今回、NAT0首脳会議に出席することになっている。

<弾劾の可能性?> http://www.bbc.com/news/world-us-canada-38966846

この問題は、アメリカでは、ウォーターゲート事件以来の出来事と非常な衝撃となった。いまや、トランプ大統領がロシアに情報を漏らしたことにとどまらず、大統領自身のロシアとの関連が疑われるようになっている。

トランプ大統領は、今年2月、当時大統領補佐官(国家安全保障担当)のフリン氏をとロシアとの関連で、解雇したが、その際、その調査を行なっていたFBI長官のコミー氏に、調査をそこで中止するよう、大統領自身が、指示していたことが明らかになった。

トランプ大統領は、5月9日に、そのコミー氏もまた突然、解雇したことで、今度は大統領自身のロシアとの関連が疑われることになったのである。

アメリカでは、「ウォーターゲード事件」以来の重大事だとして、大騒ぎとなり、この件に関する特別の調査が行われることになっら。その責任者に、歴代大統領に仕えたベテランFBI長官のロバート・ミューラー氏が指名された。

ミューラー氏は、アメリカ国民からは、どの派閥からも影響を受けない極めて公正な人物と目されているようである。今後、ミューラ氏を中心に、大統領選挙中にロシアが介入しなかったかなどからトランプ大統領の身辺が調査されることになる。

つまり、トランプ大統領は、可能性は低いとしても、ひょっとしたら、大統領を下されるかもしれない・・というような状況下で、今回の外遊を始めるということである。

http://www.bbc.com/news/world-us-canada-39961732

<石のひとりごと>

トランプ大統領が、ビジネスマンとは違う、大統領という立場を十分わきまえていないのではないかというアメリカ人たちの反応は理解できるところである。

一方で、トランプ大統領が、就任以来、相当あからさまにメディアに敵対していたことを思えば、今、メディアが、いっせいに反撃しているといえなくもないようにも思う・・。
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錯綜するトランプ政権の中東和平政策 2017.5.20

 2017-05-20
トランプ大統領の中東訪問を受けて、各国はそれぞれ以下のような要請を出していた。加えて、本国アメリカでも上記のような状況となり、トランプ大統領の中東和平への意気込みはどうも尻すぼみのようである。

トランプ大統領への各国からのメッセージとトランプ政権の中東和平への姿勢は以下の通りである。

<アラブ諸国からトランプ大統領へ>

1)サウジアラビアー入植地建設をやめれば国交正常化

トランプ大統領の中東訪問に先立ち、サウジアラビアと、URE(アラブ首長国連邦)は、イスラエルとアメリカに対し、「もしイスラエルが、西岸地区入植地建設中止、ガザ地区封鎖解除、パレスチナ人との和平交渉再開を受け入れるなら、イスラエルとの国交を正常化する。(上空通過や、電話線など開通など)」と伝えた。

これについて、イスラエルは、正式なコメントは出していないが、水面下で、アラブ首長国連邦に係官が派遣されたという報道もある。

トランプ大統領は、サウジアラビアにて、サウジやUREなど、スンニ派の湾岸アラブ諸国の指導者たちと会議を行うことになっている。なお、これらの湾岸諸国は親米、対イラン(シーア派)である。つまり、イスラエルとも共通の敵を持つということ。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4963033,00.html

2)エジプトとヨルダン、パレスチナ自治政府ー東エルサレムはパレスチナの首都

トランプ大統領の中東訪問に先立ち、エジプトとヨルダンの代表、パレスチナ自治政府のサエブ・エレカット氏がアンマンで会合を持ち、「東エルサレムは、パレスチナの首都である。」との共同宣言を行った。

つまり、統一された東西エルサレムは、イスラエルの首都であるから、アメリカの大使館は、エルサレムにあるべきというイスラエルの主張、またトランプ大統領の公約に反対すると宣言しているということである。

これについて、Ynetによると、イスラエル首相府は、「米大使館のエルサレムへの移動は平和への妨害にはならない。むしろ、そうすることで、平和を推進する。

なぜなら、(エルサレムはイスラエルの首都であった)という正しい歴史の認識に立ち戻ることで、エルサレムがイスラエルの首都でないと信じるパレスチナ人の夢物語に終止符を打つことになるからだ。」とのコメントを発表した。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4962314,00.html

<現時点でのアメリカの姿勢>

1)アメリカ大使館・エルサレムへの移動宣言はなし


今回、最も憶測が飛び交っていたのが、アメリカ大使館をテルアビブからエルサレムへ移動させることを宣言するのではないかという点だった。

訪問が近づくにつれて、ホワイトハウスは、大使館の移動についてはまだ結論が出ていない。。。と言っていたが、最終的には、「大使館を移動させると混乱を及ぼす。今は時ではない。」との結論に達したと伝えられた。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/229836

*親イスラエル入植地派の駐イスラエル米大使:5月になりやっと

トランプ大統領は、就任早々から、アメリカ大使館をエルサレムへ移動することを公約に掲げ、その第一歩として、親イスラエル、特にユダヤ人入植地を支援することで知られるデービッド・フリードマン氏を指名した。

ところが、フリードマン氏が明らかに入植地支持者であることから、米議会から反対意見が相つぎ、実際に就任し、仕事に着手したのがほんの先週になったということである。

http://www.nbcnews.com/news/us-news/david-friedman-trump-s-pick-israel-ambassador-regrets-past-comments-n721761

フリードマン氏は、大統領がイスラエルを訪問する前に、大使館移動にメドをつけることを期待されていたが、もはやその時を逸したといえる。

フリードマン氏自身はトランプ大統領に、イスラエルとパレスチナの間に平和を実現する可能性は低いと伝えたと伝えられている。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/229550

フリードマン米大使は、エルサレムに在住し、テルアビブの米大使館へ通勤する予定。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/229142

2)トランプ大統領とネタニヤフ首相、アッバス議長が同席しての会談はなし

今回、トランプ大統領は、ネタニヤフ首相とアッバス議長を引き合わせる可能性もささやかれたが、最終的には、それぞれとは別々に会談することになった。

パレスチナ自治政府訪問は、当初ラマラになるとも報じられたが、最終段階で、ベツレヘムに変更になった。

トランプ大統領は、ネタニヤフ首相、アッバス議長に個別に会い、3者会談(米、イスラエル、パレスチナ)の再会を提案するとみられている。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/PA-President-Abbas-reportedly-ready-for-Netanyahu-Trump-meeting-490386

*ホワイトハウスの意向はどこに??:入植地問題

失言なのかどうか。。。ホワイトハウスからは混乱したメッセージが発せられ続けている。

その最初が、エルサレムで嘆きの壁を訪問するにあたり、トランプ大統領は、ネタニヤフ首相同伴ではなく、単独で訪問するというものである。理由は、嘆きの壁が、「東エルサレム」であり、正式なイスラエルの領地ではないからという。

これについて、トランプ大統領は、ホワイトハウスの発表とは別に、「ネタニヤフ首相とともに行くかどうかは、まだ決めたわけではない。」と言っている。

http://www.timesofisrael.com/trump-hasnt-ruled-out-netanyahu-joining-him-at-western-wall-report/

さらにホワイトハウスが発表した、今回の8日間のトランプ大統領の外遊についての紹介ビデオの中で、訪問先イスラエルを紹介する場面で、「パレスチナを訪問」といい、西岸地区とゴラン高原が削除された形での地図で紹介がなされていた。

つまり、ホワイトハウスは、エルサレムを統一したイスラエルの首都と認めておらず、西岸地区とゴラン高原は、イスラエルの領地ではないと言っているのであり、これはイスラエルの主張を受け入れていないことを意味する。

問題のビデオは、メディアがこの件を報じた数時間後には、ネットから削除された。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/229886

親イスラエルと目されるトランプ大統領だが、ホワイトハウスには、そうでない勢力も相当多く、大統領一人の一存で決められることではない。トランプ大統領が言うように、アメリカは今2分しているということであろう。
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西岸地区各地で大暴動:リンチ危機の入植者がパレスチナ人1人殺害 2017.5.20

 2017-05-20
18日、ナブルスに近いパレスチナ人の町ハワラの国道60号線周辺で、パレスチナ人約200人が、現在もまだイスラエルの刑務所でハンストを行っているパレスチナ人を支持するデモを行った。

そこへイタマル在住のイスラエル人入植者の車両が通りかかったところ、パレスチナ人らに投石されて窓ガラスが割れるなどして命の危険を感じたため発砲。パレスチナ人のモアタズ・フセイン(23)が死亡。APのジャーナリスト1人が負傷した。

同情していた発砲者の妻が、夫は車の外に引きづり出されてリンチされそうだったと証言している。なお発砲は人間に向けてではなく空中に放ったと入植者は言っているもよう。「リンチされて死ぬと思った。」と語っている。

この日は、イスラエル人入植者の車両が投石され、発砲する事件がもう一件発生している。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4963987,00.html

上記事件の後、死亡したモアタズ・フセイン(23)の葬儀が行われたが、怒りに支配された群衆数千人が参列したとパレスチナ系メディアが伝えた。

http://www.maannews.com/Content.aspx?id=777150

<ユダヤ人の復讐>

この翌日、ナブルス地区のパレスチナ人の村のトラクターが放火された。そこにダビデの星とともにヘブライ語で、「復讐」との書き置きがあったことから、ユダヤ人過激派が、上記リンチ事件に対する復讐としてやったこととみられる。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4964366,00.html

<西岸地区、ガザ地区で暴動>

19日金曜、イスラエルの刑務所にいるハンストのパレスチナ囚人を支持するパレスチナ人数千人のデモが19日、西岸地区各地で発生し、イスラエルの治安部隊と暴力的な衝突となった。

これにより、パレスチナ人数十人とイスラエル兵2人が負傷した。

ガザ地区では、デモ隊がイスラエルとの国境に向かって近づき、無人地帯にまで及んできたため、イスラエル軍が催涙弾や銃撃で、おい散らそうとした。ガザ保険省によると、銃撃で8人、催涙弾で30人が負傷したという。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4964489,00.html

イスラエル刑務所でのハンストは4月17日にはじまったため、すでに1ヶ月が経過したことになる。首謀者のバルグーティは、おやつを食べていたところを撮影され、問題になったが、他の者も何かを食していなければ、医療的にも限界に達しているのではないかと思う。(筆者の予想でしかないが、多分食べている)
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ヘブロンで3少年誘拐・殺害の報酬を押収 2017.5.20

 2017-05-20
2014年、ヘブロン近郊で、ユダヤ人入植者の少年(16)3人が誘拐され、殺害された事件があったが、この犯人の家族はハマスから、車2台とコンピューター2台、またその後も多額の報酬金を受け取っていたようである。

イスラエルの治安部隊は17日、ヘブロンに在住するこの家族の家に乗り込み、その報酬金(5000シェケル/約15万円)を押収した。ハマスがこうした報酬金を払うのは、他のパレスチナ人に同様の犯行をそそのかすためである。

この夜、イスラエルの治安部隊は、ヘブロンや西岸地区のテロ組織壊滅に向けて、多数の地点への踏み込みを行い、22人を逮捕した。こうした踏み込み調査と押収は、ニュースにはならないが、時々行われているもよう。

イスラエルにとっては、これでテロを未然に防ぎ、イスラエル市民は安心して生活できるわけだが、当然、パレスチナ人たちの間では、さらなる憎しみを募らせることにもなっているのは言うまでもないことである。

とはいえ、イスラエルがこれを止めることもできない。両者の憎しみは、軽減するどころかますます深まっていく。終わりのない悪循環そのものである。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4963864,00.html

<ヘブロンの新市長は元テロリスト>

ヘブロンは人口約22万人の西岸地区最大の都市である。ヘブロンには、アブラハムの墓とされるマクペラの洞窟がある。アブラハムは、ユダヤ人には父祖だが、アラブ人にとっても父と考えられている。

このため、ヘブロンにはアラブ人とユダヤ人が混じり合って住んでいた。ところが、1929年には、アラブ人がユダヤ人67人を虐殺。1994年には、ユダヤ人による銃乱射でアラブ人29人を殺害。

以来、ヘブロンは、ユダヤ人側とアラブ人側と、2つに分割されて、互いに行き来がない状態になった。

マクペラの洞窟は1つの建物だが、それも2つに分割され、アブラハムの墓をユダヤ側と、アラブ側と2つに分けて礼拝している。いわば、父アブラハムの墓の前で、2人の息子がいがみあっているというなんとも悲しい状況である。

ヘブロンに、ユダヤ人(右派宗教シオニスト系)が在住していることから、ヘブロンはパレスチナ自治区ではあるが、B地区とされ、基本的に、治安はイスラエルが守るを守る形となっている。

そのヘブロンに新しい市長が選出された。ファタハに所属するタイシル・アブ・スネイネ市長である。問題はこの人物が、1980年に、ファタハの戦闘員として、ヘブロンのイシバ学生を6人殺害した人物であるという点である、

就任にあたり、アブ・スネイネ市長は、ヘブロンがイスラエルとの共存状態であることから、過去のことは忘れ、イスラエルとの対話を続け、住民の生活を改善したいと述べている。

しかし、6人のユダヤ人殺害に関しては、当時は、戦闘であったのであり、今は状況が違うと述べ、悔い改めの様子はないとYネットは伝えている。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4963377,00.html
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トランプ大統領の中東和平政策 2017.5.8

 2017-05-08
トランプ大統領が、イスラエルとパレスチナの中東和平問題解決に乗り出している。まずは、アメリカが仲介または、きっかけ作り役となり、2014年に頓挫して以来になる両者の対話を再開したい考えである。

トランプ大統領は、イスラエル、パレスチナ双方が納得する案であれば、2国家案(国を2つに分ける)でも1国家案でもどちらでもよいと発言しており、2国家案に固執したこれまでの大統領の考えとは異なった立場を明らかにしている。

しかし、実際にトランプ大統領がどのような将来像をもって和平を目指すのか、具体的なことはまだ明らかではない。

なお、1月20日の大統領就任の時点では、義理の息子で、現在、大統領上級顧問のジェレッド・クシュナー氏(ユダヤ人・36歳)が、中東政策の担当となっている。

http://www.jpost.com/American-Politics/Jared-Kushner-will-broker-Middle-East-peace-at-the-White-House-says-Trump-478554

<トランプ大統領:アッバス議長会談>

3日、トランプ大統領は、ホワイトハウスにて、パレスチナ自治政府のアッバス議長と会談した。

アッバス議長は、昔からの変わらぬ方針、①エルサレムをパレスチナの首都とし、②1967年の軍事ラインを国境線にしてパレスチナ国家を設立する(神殿の丘を含む東エルサレムがパレスチナになる)という主張をトランプ大統領に伝えた。

結局のところ、この2点は、まさにイスラエルが受け入れられない究極の2点である。要するに狭い路地で対面した車2台が、どちらもが後ろにも引けず、かといってゆずり合う隙間もなく、ただにらみあったままになっているという状況なのである。

この会談において、トランプ大統領は、アッバス議長に、イスラエルへの敵意を緩和するため、イスラエルの刑務所にいるテロリストの家族への経済支援を停止することや、イスラエルへの憎しみを増長するような発信をやめるように要請したと伝えられている。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4957090,00.html

この会談について、アラブ系メディアのアル・ジャジーラは、具体性のまったくない、ただ「無駄」としかいいようのない訪問と、かなり手厳しく伝えた。

http://www.aljazeera.com/indepth/features/2017/05/trump-abbas-meeting-exercise-futility-170505124344776.html

<トランプ大統領のエルサレム訪問予定>

アッバス議長との会談の後の5日、トランプ大統領は、正式にエルサレムを今月22日、23日と一泊2日で訪問するという予定を発表した。

エルサレムに滞在中には、ネタニヤフ首相に会う他、ベツレヘムでアッバス議長にも会う方向で、調整が進められている。

エルサレムでの宿泊はキング・デービット・ホテル。同伴者やセキュリティ関係者、マスコミも世界中から来る。トランプ大統領がホテルから移動するたびに、道路が封鎖され、エルサレムは相当な混乱となる。

この翌日が、エルサレム統一50周年記念日で、様々なイベントの他、若い右派シオニストたちが市内から旧市街までをパレードする日になっている。治安部隊にとっては、悪夢のような3日間になりそうである。

イスラエル政府は、ホワイトハウスに対し、訪問を6月に延期するよう要請したが、トランプ大統領が、これを拒否したと伝えられている。その背景には、時期的な重要性が考えられる。

トランプ大統領は、アメリカ国家祈りの日*であった5日に、「自由は政府が与えるものではなく、神が与えるものだ。信教の自由を保障する。」と語る中で、エルサレム訪問を公式に発表した。

日程は、5月19日にアメリカを出て、イスラムのメッカがあるサウジアラビア(20−21日)、次にエルサレムがあるイスラエル(22−23日)、続いてキリスト教のバチカンがあるローマ(24日)を訪問するという、3宗教を等しく回る予定である。

またこの直後の25日には、ブリュッセルでNATO首脳会議にあわせて、EUのトゥスク大統領と、ユンケル欧州委員長 に会うことになっている。その翌日26日からは、イタリア、シシリー島でのG7に出席する。

なかなか忙しそうだが、これでトランプ政権の外交方針がだいたい見えてくるのではないかと思われる。

http://www.jiji.com/jc/article?k=2017050500735&g=int

<そもそも・・ヨルダン・オプション>

イスラエルとパレスチナの問題が、どこにも解決がないかのような事態になっているが、そもそも、パレスチナ人の国はすでにあるではないか、というのが、昔からある、”ヨルダン・オプション”である。

オスマントルコが崩壊したのちのイギリス委任統治の時代、1917年から1922年(トランスヨルダン設立)までは、今のイスラエルだけでなく、ヨルダンを含めた地域全体が「パレスチナ地方」と呼ばれていた。

それを1922年に分割してイスラエルとヨルダンにしたのだが、ヨルダンの国民は今も70%以上がパレスチナ人であり、今の王妃ラーニアもクエート生まれではあるが、パレスチナ人である。

いわば、この最初の2国家分割案の時に、イスラエルはユダヤ人の国、ヨルダンがパレスチナ人の国、ということで落着してもよかったわけである。

ところが、1960年代にアラファト議長率いるPLOが登場する。1993年のオスロ合意の時には、このアラファト議長率いるPLOが、正式にパレスチナ人の代表となり、第二のパレスチナ人の国ともいえる国を立ち上げることになった。

その新しいパレスチナになる予定の国も2007年に、西岸地区のファタハと、ガザ地区のハマスが分裂した。今では、ガザという第三のパレスチナ人の国ともいえるものができはじめた。問題は徐々に複雑化をたどっているというのが現状である。

今になって、そもそもの話を出してももう、まったく意味はないのだが、今になってこの理論を再度持ち出した記者は、「パレスチナ人の国を論じるなら、イスラエルだけが、そのために領土を差し出すのではなく、ヨルダンにもその一端をになう責任があるのではないか。」と訴えている。

理論的にはまったくその通りといえるかもしれない。しかし、そうはならないというのは、イスラエルにはエルサレムがあるからである。

結局のところ、パレスチナ問題の究極の到達目標地点は、「エルサレムからユダヤ人を追放する」という一点につきるというイスラエルの指摘は、残念ながら正しいといえるだろう。

さてトランプ大統領、これにどう介入するのだろうか。。。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4957389,00.html

*アメリカの国家祈りの日

アメリカでは、1775年に初代の議会が、国家をあげて神の前にへりくだりって悔い改め、祈る日を設けた。1863年には、リンカーンが、国のために断食の祈りを呼びかけている。

1952年、トルーマン大統領が、毎年恒例の国家行事とし、1988年、レーガン大統領が、5月第一木曜を、国家祈りの日に定めた。

http://www.nationaldayofprayer.org

しかし、アメリカでは、年々リベラル化がすすみ、同性愛者の結婚式を拒否する教会は、法廷に訴えられ、宗教法人としての税金控除の特権を剥奪されるなどして、破産する教会や、神学校が相次いでいる。

今年の国家祈りの日、トランプ大統領は、教会の発言力を強化する、牧師のメッセージも監視されることはないと語り、いわゆる”ジョンソン・アメンドメント”(政教分離のため、政治に口出しする教会は税金控除を剥奪されるなどの法案)を破棄するとの方針を語った。

一見、よいことのようにもみえるが、アメリカの有力な福音派メディア、クリスチャニティ・トゥデイは、ジョンソン・アメンドメントの廃止だけでは、政治的な発言に関することだけであり、ほとんど意味がないとして、落胆の反応をしている。

http://www.christianitytoday.com/ct/2017/may-web-only/trump-religious-liberty-order-johnson-amendment-ndop-prayer.html
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パレスチナ組織関係のニュース 2017.5.8

 2017-05-08
1)ハマスの新リーダー誕生

ガザ地区のハマスは、新しいハマス憲章を発表したと前回お伝えしたが、続いて、ハマスをまとめあげる新しいリーダーを選出したと発表した。

これまで政治部門リーダーとして、主にガザの外で外交活動を行ってきたカリッド・マシャアルが退任するのを受けて、長くガザ地区内部で軍事部リーダーであったイシュマエル・ハニエ(54)が、マシャアルの責任を引き継ぐことになったという。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4958193,00.html

ガザ地区では、2月、ガザ地区のリーダーとして、ヤッヒャ・シンワルを選出している。シンワルは、ギラッド・シャリート兵士との交換でハマスに返された約1000人のテロリストの中でも最もシニアの人物で、過激度も高いとみられる。

ハニエは、そのシンワルの上に立ち、ハマス全体のリーダーということになる。両指導者がともにガザ地区にいることから、今後軍事的な決断がしやすくなる可能性があるとの分析がある。

ややこしいが、ハマスにはもう3人指導者がいる。

イスラエル刑務所服役ハマスメンバーのリーダーは、終身刑を36回も受けているモハンマド・アルマン(42)と、西岸地区ハマスのリーダー、ガザ外海外ハマスのリーダーで、後者2人のIDは伏せられている。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4958354,00.html

2)断食中のバルグーティ(ファタハ):密かにクッキーを食す!?

イスラエルの刑務所でパレスチナ囚人たちが断食によるストライキを行っているが、これまでにすでに多くが脱落している。

さらに、7日、イスラエルが、今回のハンストを指導しているマルワン・バルグーティが、密かにクッキーやスナックを食べているところとする映像を、世界にむけて公開した。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/229255

国内治安担当のギラッド・エルダン氏は、「パレスチナ囚人たちは、イスラエルの刑務所は非人道的だと訴えているが、その訴えはまったくの嘘である。イスラエルの刑務所は国際的な基準に合致している。

バルグーティは、このハンストで、パレスチナ囚人の待遇改善を目指しているのではなく、自分の政治的な立場を高め、アッバス議長の座をねらっているだけだ。」と訴えた。

これに対し、バルグーティの妻は、このビデオは、イスラエルのでっちあげたと訴えている。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/229267
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ロシア、イラン、トルコが合意:シリアに4安全地帯設置へ 2017.5.8

 2017-05-08
4日、ロシア、イラン、トルコの首脳が、カザフスタンのアスタナに集まり、シリア内戦解決に向けて、4つの安全地帯を設ける方向で合意に署名し、6日、6ヶ月の予定で開始した(実際に開始したかどうかは未確認)。

安全地帯は、イドリブ県やアレッポ周辺などの激戦地域の近くで、4つとも反政府勢力エリアに指定されているが、3国は6月4日までに、正式な境界線を策定することになっている。

安全地帯とは、上空をいかなる戦闘機も飛行せず、原則として戦闘が行われない地域のことで、難民となった市民たちが避難できる場所のことである。

しかし、これまでの停戦協定と同様、ISISやアルカイダなどの過激派に対する攻撃は続行される上、保証国となるのが、すでにシリアで残虐な行為を行っているイランであるため、どこまで実効力があるのかは疑問視されている。

反政府勢力は、これに同意しないと言っている。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-39830307

<ロシア、イラン、トルコ>

この案はロシアが、シリア政府側代表として提言し、反政府勢力側代表としてトルコが合意。それをイランが、保障するという形となっている。

アメリカはここに加わっていないが、安全地帯の設立は、トランプ大統領も提案していたことでもあり、この会議に先立つ2日、ロシアのプーチン大統領はトランプ大統領が電話会談を行っている。

ロシア、イラン、トルコ、といえば、エゼキエル38章を思い出させる3国。今後のこの3国の動きが注目される。

<トランプ大統領の執念!?:アフガニスタンのISIS主謀者死亡か>

トランプ大統領がISISの撃滅に置く優先度は高い。先月モアブという最大爆弾をアフガニスタンで使用し、ISIS戦闘員少なくとも36人が死亡している。

アフガニスタン国内では、アメリカ軍の動きが活発になっていると伝えられていたが、8日、アフガニスタンISISのトップと目されるアブドゥル・ハシブが死亡したと伝えられた。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/229269

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カルメル・アッセンブリーのデービッド・デービス師昇天 2017.5.8

 2017-05-08
7日付けカルメル・アッセンブリー(ハイファ)のニュースレターによると、この教会の開拓者で主任牧師であったデービッド・デイビス師が、長い闘病生活の後、天に召されたという。葬儀は9日16:00の予定とのこと。

デービッド師は、ニューヨークの故デービッド・ウィルカーソン師とも親交が深く、1991年、カルメル山でカルメル・アッセンブリーを立ち上げた。

薬物中毒者のための家、House of victory を立ち上げて、多くの薬物中毒者を救いに導いた他、教会では、ユダヤ人と異邦人、ロシア人ビリーバーや、アラブ人ビリーバーも共に、現地で霊的な家族となっていた。

また、デービス師夫妻は世界中にもメッセージを届けて、多くの人々の祝福になっていた。

これまでデービッド師がもたらしてくださった祝福に感謝するとともに、ともに歩んでこられた妻のカレンさんや、スタッフの先生方、教会の兄弟姉妹を主がささえ、9日の葬儀の上に大きな祝福をおいてくださるように祈る。

カルメル・アッセンブリーHP http://carmelcongregation.org.il
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UNESCO:反イスラエル決議採択の内訳 2017.5.3

 2017-05-03
先にお伝えしたように、2日、イスラエルの独立記念日に合わせて、ユネスコは、アラブ7カ国が要請した、エルサレム市に対するイスラエルの主権を否定する決議案の採択を行った。

決議案は、エルサレムは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教にとって重要であるとし、「エルサレムに関して”占領者”イスラエルが定めた、立法、運営に関する基本法は、聖なる都エルサレムの性質をゆがめるものであり、ただちに無効にされるべきである。」と述べられていた。

"all legislative and administrative measures and actions taken by Israel, the occupying Power, which have altered or purport to alter the character and status of the Holy City of Jerusalem, and in particular the “basic law” on Jerusalem, are null and void and must be rescinded forthwith.”

結果は予想通り採択されたが、賛成国は22カ国にとどまり、ヨーロッパ諸国の多くは反対票を投じて、イスラエルの側に立った形となった。

<賛成22カ国>

アルジェリア、エジプト、レバノン、モロッコ、オマーン、カタール、スーダン(決議案提出7カ国)とイラン、マレーシア、モーリタニア、ナイジェリア、セネガル、南アフリカ、バングラディッシュ、パキスタン、ベトナム、スウェーデン、ロシア、中国、ブラジル、ニカラグア、チャド

<棄権23カ国>

日本、韓国、フランス、ハイチ、ドミニカ共和国、メキシコ、スペイン、聖キッツとネビス、ケニア、トリニダード、トバゴ、アルバニア、カメルーン、エストニア、アイボリーコースト、スロバニア、ガーナ、モザンビーク、ウガンダ、アルゼンチン、エル・サルバドール。スリランカ、ネパール

<反対10カ国>

アメリカ、ウクライナ、イタリア、ドイツ、イギリス、オランダ、ギリシャ、パラグアイ、リトアニア、トーゴ

ネタニヤフ首相は、2日、聖書クイズ大会においてコメントし、「イスラエルはユネスコを否定する。ユダヤ人の歴史を通じてエルサレムは常に中心的存在であった。今年イスラエルはエルサレム統一50周年を祝う。また、シオニズム(ユダヤ人がシオン(エルサレム)に戻るための運動)120周年を祝う。」と述べた。

またネタニヤフ首相は、ユネスコにおける反イスラエル決議に賛成する国の数が回を重ねるごとに減っていると指摘した。1年間にユネスコでの反イスラエル決議に賛成した国々は32カ国、半年前は26カ国、今回は22カ国である。

今回、ドイツは、決議案の内容表現を緩和することをアラブ諸国に合意させ、代わりにヨーロッパ諸国に賛成または棄権するよう説いて回ったと伝えられていた。

ところが、蓋をあけてみれば、そのドイツ自身が反対票を投じていた。フランス以外のヨーロッパ諸国も多くが反対票を投じていた。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4956465,00.html
http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/228995
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第69回独立記念日:痛みを乗り越えて 2017.5.2

 2017-05-02
5月1日、日没とともにイスラエルは、第69回目の独立記念日を迎えた。

ヘルツェルの丘での国家記念式典を皮切りに、2日の今日は、国民の祝日で、様々な国家イベントが行われる。人々はバーベキューや、ビーチに行って楽しみ、イスラエル空軍機の編隊が、全国の上空を飛んで国民を励ますことになる。

大統領官邸では、特に貢献した兵士たちが賞を受ける。毎年恒例の聖書コンテストがエルサレムで行われ、全世界のユダヤ人の若者たちが、ネタニヤフ首相の前で聖書の知識を競うことになっている。まさに国をあげてのお祝い日である。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4956150,00.html

<増える”近代ヘブル人”>

イスラエルの中央統計局によると、人口は、昨年より15万9000人増えて(1.9%増)868万人。昨年度に生まれたイスラエル人の赤ちゃんは17万4000人。新移民が約3万人。死亡は44000人となっている。

このうちのユダヤ人人口は、総人口の74.4%にあたる648万4000人。(アラブ人人口は20.8%にあたる180万8000人)。全世界のユダヤ人の数は1441万1000人であることから、地上にいる全ユダヤ人の43%がイスラエル在住ということになる。

また、イスラエルが建国してから、純粋にイスラエルで生まれ育った次世代イスラエル系ユダヤ人、いわば、”近代ヘブル人”が可能になったわけだが、その割合は、年々増えて、今年75%となった。

神への信仰については、総人口のうち9%が超正統派、11%が正統派、12%が保守派、24%がそこそこ保守派、44%は世俗派と答えている。

<繁栄し続けるイスラエル国家>

1948年に独立宣言がなされたときの総人口は80万6000人であったことから、今年はその10倍以上を数えた。少子高齢化の進む日本に比べ、イスラエルは相変わらず多産で移民も来ていることから、建国100年を迎える30年後の総人口は1520万人と推測されている。

独立当時の最大の都市は、10万人が住んでいたテルアビブであった。現在イスラエル最大の都市は、エルサレムで、人口86万5700人。現在、人口20万人以上の大都市は、8都市になっている。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4955139,00.html

*ユダヤ人の国イスラエルを熱烈に愛するイスラム女性

イスラエル在住のアラブ人でイスラム教徒の女性サラ・ゾアビさんが、大胆にもネットに、ユダヤ人の国イスラエルへの熱烈な愛を宣言するビデオを投稿した。

この女性は、神がユダヤ人にイスラエルを与えたことは正しいことであったと認める他、4分にわたってシオニズムを支持すると述べている。また、イスラエルは、イスラム教徒である自分をそのまま受け入れるとして大絶賛している。

女性は最後に「アム・イスラエル・ハイ。イスラエル国家が永遠に生きますように」と宣言している。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/228920

<戦没者記念日:昨年からの戦没者は97人>

ただし、こうした繁栄はタナボタではない。今年も独立記念日に先立ち、1日、イスラエルでは、戦没者記念日が行われた。市民たちは、今年も厳粛に国家のために失われた命と、その遺族たちの痛みを共有する1日をもった。

独立記念日を祝う前に来るのは、戦没者記念日である。昨年1年で戦死、殉職した治安部隊兵士は60人。負傷した傷が原因で死亡した治安部隊兵士が37人。テロで亡くなった市民11人が、戦没者に新たに加えられた。

これで、1860年に旧市街から出てユダヤ人国家への道のりが始まってから、犠牲となった人の数は、23544人となった。また、テロで亡くなった市民は、3117人となった。(イスラエル国内のテロで死亡した外国人122人と、海外でのテロで死亡したイスラエル人100人を含む)

http://www.jpost.com/Israel-News/WATCH-LIVE-Israel-honors-fallen-soldiers-at-Western-Wall-ceremony-489396

国の式典としては、エルサレムのヘルツェルの丘、嘆きの壁で、リブリン大統領、ネタニヤフ首相も出席する記念式典が行われた他、全国各地で、戦没者を覚える式典が行われた。

*新しい記念ホール公開:ヘルツェルの丘

1日、ヘルツェルの丘では、ネタニヤフ首相が参列する中、新しく作られたメモリアルが一般公開された。メモリアルは、ヘルツェルの丘の入り口にあり、戦没者の名前が書かれたブロックでできている。

http://www.timesofisrael.com/israel-unveils-remembrance-hall-for-fallen-soldiers-ahead-of-memorial-day/
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UNESCO:イスラエル独立記念日に反イスラエル決議採択か 2017.5.2

 2017-05-02
イスラエルが69回目の建国記念日を祝っているその日、ユネスコでは、イスラエルのエルサレム、ヘブロンのマクペラの洞窟、ベツレヘムのラケルの墓に対する主権を否定するともとれる決議案に対する採択が行われることになっている。

加盟国58カ国の過半数がイスラム国であることから、採択される見通しとなっている。

この決議案は、アルジェリア、エジプト、レバノン、モロッコ、オマーン、カタール、スーダン(全部イスラム国)が提出したもので、昨年12月に、神殿の丘とイスラエルの関係を否定したかのような決議案が採択されたが、それと同様の動きである。

<ドイツによる介入は裏目?>

今回は、これに対し、ドイツが、上記アラブ諸国と交渉をすすめ、エルサレムに対する「ハラム・アッシャリフ」という名称を取り下げるなど、表現に緩和と妥協をすれば、ヨーロッパ諸国に対し、この決議案に賛同するか棄権票を投じるとして働きかけを行った。

アラブ諸国はこれに応じ、文面から神殿の丘に対する「ハラム・アッシャリフ」という名称や、嘆きの壁に対して使っていた「アル・バラック」というイスラムの名称を取り下げた。

また、エルサレムは、「ユダヤ教、キリスト教、イスラム教にとって重要である。」とイスラムを突出させない文面にするなど、大幅な譲歩を行ったとしている。

しかし、いくら表現が緩和されたとしても、この表現によれば、エルサレムは3宗教に等しく重要なのであって、イスラエルがその上に主権を行使するのはおかしいとイスラエルは反発している。

実際、エルサレム、ヘブロンのマクペラの洞窟、ラケルの墓は、歴史的に見れば、明らかにイスラエルが最大の関係国であり、考古学的にみても、遺跡となっている建造物は、すべてイスラエルが建築したものである。主権をとっても当然だとイスラエルは考えている。

ドイツは、頑張って譲歩を導き出したつもりであったかもしれないが、イスラエルとしては、この案にヨーロッパ諸国にが賛成、または棄権票を投じることによって、これが国際社会の認識になってしまうことは承認しがたいことである。

投票前の現段階で、イタリアが、これに反対すると表明しているが、ユネスコ加盟国58カ国の過半数が、イスラム諸国であることから、この決議案は前回と同様、承認されるみこみとなっている。

・・で、それでどうなるのか?・・・だが、前回と同様、今すぐ何かが変わるということではないだろう。

しかし、こうしたことの積み重ねが、全世界の反イスラエル感情に、正当性を与えることになり、将来、全世界がイスラエルを攻撃しに行くということも可能になっていくのかもしれないと思われる。

http://www.haaretz.com/israel-news/.premium-1.786406 
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ハマスが新憲章を発表:アッバス・トランプ会談を前に 2017.5.2

 2017-05-02
ハマスが支配するガザ地区(人口200万人)は、常に「人間が住みえない地になりつつある」と言われながらも、いまだにそのまま続いているという悲惨が続く。

特に問題は電力。ガザ地区への電力の最大供給国はイスラエルで、その支払いは、ハマスのライバルであるパレスチナ自治政府が担っていた。これで1日8時間の電力供給をなんとか保っていたところである。

ところが、2日、パレスチナ自治政府のアッバス議長が、ガザ地区への電気代を差し止めると言ってきた。もしガザ地区の電気代が支払われず、イスラエルが電気を止めた場合、ガザ地区には1日1時間程度の電気しかなくなるという。

これに限らず、アッバス議長は最近、ガザ地区に対して、ハマスつぶしとも思えるような経済的圧力を行っている。

このままガザのハマスが崩壊することはイスラエルにとっても益になる部分はある。しかし、同時にガザ住民の人間生活を崩壊させることを意味しており、イスラエルにとっては人道上からも放置することは難しい。

また、もはや今以上に落ちるところのなくなったハマスが、逆ギレしてイスラエルに大規模な攻撃を仕掛けてくる可能性も大いにありうる。アッバス議長から決断のボールを投げられたイスラエルは困った事態になった。

今のところ、以後のニュースがないところをみると、イスラエルはとりあえずはまだガザ地区に電力を供給していると思われる。エルサレムポストによると、カタールが、1200万ドルを緊急支援したとの情報もあるが、今後が注目されるところである。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Palestinian-Authority-says-stopping-Gaza-electricity-payments-to-Israel-489106

<ハマス新憲章>

こんな情けない事態に陥っているハマスだが、2日、団体の新憲章、つまりはハマスの存在理由の基本姿勢なるものを、世界にむけて発表した。発表は、カタールのドーハで、海外流浪中のハマス政治部門指導者カリッド・マシャアルによって行われた。

それによると、広くアラブ世界を視野に入れているムスリム同胞団の一部としてのこれまでの立場を削除し、イスラム国家主義運動 (Islamic National Movement) としての立場を重視する形になっている。

その中で、団体の存在目的を「イスラエルを滅亡させること」ではなく、「歴史的パレスチナ人の土地を解放する」という言葉遣いに変えている。多少言葉遣いは緩和したかのようではあるが、イスラエルを滅亡させるという最終目標に変わりはない。

ハマスが今、この時点でこうした憲章文の変更を打ち出してきた背景には、アッバス議長のハマス潰しともいえる最近の厳しい対ハマス政策の中で、国際社会のハマスへの印象を変えようという点が考えられる。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4956334,00.html

<3日:アッバス・トランプ会談予定>

トランプ大統領は、就任当時から、パレスチナ問題への解決に意欲を語っている。その一環で、明日3日、アッバス議長が、ホワイトハウスでトランプ大統領と会談することになっている。

これに先立ち、アッバス議長は、自分こそパレスチナ市民の代表であることを強調付けるためか、ハマスに対する経済的困窮を誘発させるなどハマスに非常に厳しい政策をとり続けていたのである。

またアッバス議長は、ヨルダンのアブドラ国王、エジプトのシシ大統領とも会談を済ませており、イスラエルが1967年のラインまで撤退するしか解決はないとの合意をもってトランプ大統領に会うものとみられる。

対するトランプ大統領は、「両者(イスラエルとパレスチナ)が合意するなら、アメリカとしては二国家分割案でも1国家案でもどちらでもよい。」との立場を表明している。これは二国家案に固執したオバマ前政権とは違う立場である。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Abbas-Jordanian-king-affirm-support-for-serious-talks-on-Mideast-peace-489381

トランプ大統領は、エルサレム統一50周年記念日の5月24日の直前、22、23日とエルサレムを訪問する予定との情報がある。

その際に、トランプ大統領が、独自の中東和平案を明らかにするか、公約のアメリカ大使館のエルサレムへの移行を発表するのではないかとの憶測も飛び交っている。

http://www.timesofisrael.com/israel-us-eyeing-trump-visit-on-may-22-23/
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パレスチナ囚人ハンスト:300人断念 2017.5.2

 2017-05-02
イスラエルの刑務所にいるパレスチナ囚人約1200人が、17日にいっせいにハンガーストライキを始めてから2週間目にあたる日曜、先にハンストを断念した186人に続いて、さらに300人が断食を断念した。

まだ920人が断食を継続しているが、イスラエルは交渉にはいっさい応じていない。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/228860

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北朝鮮がイスラエルを脅迫 2017.5.2

 2017-05-02
北朝鮮とアメリカの緊張が続いている。こうした中、イスラエルのリーバーマン国防相が先週土曜、北朝鮮のキム・ジョンウンを「狂人」と評し、「イランとシリアとともに、国際社会の平和を乱す異常なギャングだ。」と述べたことを受けて、北朝鮮が、イスラエルを脅迫し返した。

北朝鮮は、「イスラエル国防相が述べたことは、非常に悪いことで、北朝鮮に対する非常に重大な挑戦だ。」と言った。

またイスラエルについて、「アメリカの協力者で、中東で唯一、違法に核兵器を持つ国」とし、「アラブの領地を占領して中東の平和を乱している。」と言った。

これに先立ち、イスラエル軍高官は、「北朝鮮はイスラエルからは遠いのではあるが、万が一、アメリカと北朝鮮が戦争になった場合、アメリカ軍の戦力がそちらに回されるため、イスラエルにとっても脅威になりかねない。」とコメントしていたとも報じられた。

北朝鮮情勢が、実際にイスラエルにまで影響するかどうかは不明だが、少なくとも、北朝鮮が霊的にはイスラエルに敵対しているということは間違いなさそうである。

http://www.jpost.com/Israel-News/Politics-And-Diplomacy/Israeli-politicians-pan-Liberman-for-provoking-North-Korea-489390
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ローマ法王がエジプト訪問 2017.5.2

 2017-05-02
4月28日、ローマ法王フランシス(80)が、先月、受難週に発生した2回の爆破テロ(ISIS犯行声明)で、コプト・クリスチャン45人が死亡したエジプトを訪問した。

エジプトは現在、3ヶ月の国家非常事態宣言下にあるが、警戒態勢の中、法王は、国賓としてエジプトのシシ大統領に迎えられた。

訪問の目的は、迫害を受ける中東のクリスチャンたちを励ますことと、テロへの反対を訴えるためである。

BBCによると、法王は、1000年続くイスラム教の伝統的な学舎アル・アズハルのイマームに迎えられ、その地でスピーチも行った。

しかし、この訪問が、どの程度コプトクリスチャンを励ましたかどうかは不明。エジプトの総人口の10%を占めるコプト教徒は、東方教会に由来する正教会である。コプト教徒たちは、最近のテロ事件に関して、エジプト政府は十分な対策を講じていないと不満を訴えている。

ローマ法王は、世界13億人のカトリックの代表だが、エジプトのカトリックは、BBCによると15万人以下。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-39743162
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