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エジプト・北シナイ半島テロで305人死亡 2017.11.26

 2017-11-26
エジプト・シナイ半島北部ビル・アル・アベッドのモスクで、爆弾ならびに銃撃によるテロがあり、子供27人を含む305人が死亡。128人が負傷した。エジプト近代史上最悪のテロとなった。

エジプトの調べによると、犯行グループは25-30人。モスクの入り口と12の窓から、マシンガンで中にいた500人ほどの礼拝者たちに向かって乱射した。手榴弾も投げこんだ。

BBCによると、銃撃は30分に及び、かけつけた救急車にまで銃撃をあびせていたという。モスク外に駐車中の車両も複数爆破された。

エジプト軍はただちにドローンを使って逃走する2台の車を追跡し爆破、事件に関係していたとみられる15人が死亡した。エジプト軍は、今もシナイ半島で、イスラム武装勢力の追跡を行っている。

まだ犯行声明は出ていないが、犯行グループがISISの旗を掲げていたという証言が出ている。シナイ半島北部では、先月にも、エジプト軍兵士6人が死亡するテロ事件が発生。9月には18人が死亡するテロが発生している。いずれもISISが犯行声明を出していた。

エジプトのシシ大統領は、緊急治安会議を開き、犯人を徹底的に裁くとの声明を出し、国民には3日間の喪に服すようにと語った。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5047723,00.html

<まだまだ健在か:シナイ半島のISIS>

今回、犠牲になった人々の多くは、地元サワルカ部族に属する人々で、ISISには協力しないと表明していたという。またスーフィ派と呼ばれるイスラム教の一派で、聖人を拝む習慣があるため、イスラム過激派には偶像礼拝者とみられていた。

エジプトではコプト教キリスト教会が標的となってきたが、同じイスラム教徒のモスクでこれほどの被害が出たのは初めてで、エジプト人には大きな衝撃となっている。

シリア・イラクでは、ISISが勢力を失いつつあり、イラン、ロシア、トルコが、ISISに対する勝利は近いとの見解を述べているが(以下の記事)、ISISは、撃退されたのではなく、シリア・イラクの外では十分健在だということを誇示したのかもしれない。

<エジプトとイスラエルへの影響>

シナイ半島は、ISISとイスラム同胞団の巣窟となっており、エジプト軍が、兵士や警察官に多くの犠牲者を出しながら、これらと戦ってきた。しかし、その戦闘が十分ではなかったということである。

また今回のテロでは、銃撃が始まってからエジプト軍や警察が来るまでにだいぶ時間がかかっていたことから、今後、シシ大統領に批判が出てくる可能性もある。

また、ガザのハマスは、イスラム同胞団傘下の組織で、ISISに協力していることは、エジプトもイスラエルも把握している情報である。

エジプトは、ガザとの国境の管理権をハマスからパレスチナ自治政府に移譲させたところで、モスクでのテロがあった翌日から3日間、ガザとの国境を解放する予定だったが、エジプトはこれを延期した。

https://www.haaretz.com/middle-east-news/egypt/1.824854

シナイ半島のISISには、現エジプト政権が弾圧するムスリム同胞団が協力している。ムスリム同胞団の傘下にあるガザのハマスは、武器搬入などISISに協力している。ISISとムスリム同胞団、ハマスは、イスラエル打倒という目標では一致しているのである。

元イスラエル軍司令官のヨム・トーブ・サミア氏は、「ISISの最終目標はイスラエルの破滅である。エジプトはその前段階にすぎない。イスラエルは今後も、エジプトと緊密に協力し、最大限の警戒を続ける必要がある。」と警告している。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5047576,00.html

イスラエルでは、テルアビブ市が、支庁庁舎にエジプトの旗を投影し、哀悼を表明した。

http://www.jpost.com/Israel-News/Tel-Aviv-City-Hall-lights-up-in-solidarity-with-Egypt-515134

<エジプトの故サダト大統領:電撃エルサレム訪問から40年>

1977年11月19日、エジプトのアンワル・サダト大統領が、アラブ諸国では初めてイスラエルを訪問。エルサレムの国会で演説し、イスラエルと和平条約を結んだ。この歴史的な事件から今年40年である。

サダト大統領は、エルサレムの国会で、「私は平和を確立し、新しい時代を築くために来ました。私たちは皆、この地上にいます。神の地です。私たちは皆、イスラム教徒、キリスト教徒、ユダヤ教徒は皆、ただ神をほめたたえるのです。」と語った。

この後、イスラエルとエジプトは和平条約を締結するのだが、この時イスラエルは、シナイ半島にいたユダヤ人コミュニティをすべて撤退させ、シナイ半島をエジプトに返還したのであった。

シナイ半島の現状を見ると、この時の返還がよかったのか悪かったのかは不明だが、この和平条約があったからこそ、これまでイスラエルとエジプトは互いの敵意を心配せず、内政を充実することができた。

しかし、その後の1981年10月、サダト大統領は、イスラム過激派に暗殺されてしまった。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5047042,00.html

今、エジプトのシシ大統領は、イスラム過激派との戦いを展開し、イスラエルともよい防衛において、よい協力関係を維持している。先日は、アメリカの福音派代表団も迎えたばかり。今、非常に難しい立場に立たされているシシ大統領のためにとりなす必要がありそうである。
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激動の中東:2大勢力の対立 2017.11.26

 2017-11-26
エジプトで、ISISとみられる大きなテロが発生したが、シリアでは、ISISの勢力が小さくなってきた後へ、予想通り、イランが定着し始めている。これにともない、中東では、サウジアラビア率いるスンニ派と、イラン率いるシーア派の対立が徐々に明確になってきている。

<スンニ派勢力:カイロで緊急アラブ同盟会議:反イラン声明>

11月初頭、中東では、内戦中のイエメンから発射された、イランのものと思われるミサイルがサウジアラビアで迎撃され、続いて、レバノンのハリリ首相が、突然、サウジアラビアに来て、レバノンがヒズボラとイランに支配されていると証言し、辞任表明するなど、国際的な事件が相次いだ。

こうした状況を受け、19日日曜、サウジアラビアの呼びかけで、緊急アラブ同盟(21カ国)が、エジプトのカイロで開かれた。会議には、レバノン代表も含まれたが、シリアは加盟資格停止中、イランは初めから加入していない。アラブ同盟は、スンニ派の集まりである。

加盟国中、バハレーンは、少数派のスンニ派が多数派のシーア派を治めているため、シーア派イランの進出はとりわけ深刻な問題である。会議では、サウジアラビア以上にイランを非難する発言をしたもようである。

一方、開催国エジプトは、急進的な対策には同調しない傾向にある。

最終的に、アラブ同盟は、「イランは、ヒズボラやフーシ派(イエメン)などテロ組織を支援して、地域を不安定にしている。」と厳しく非難する声明を出した。しかし、同時にイランと戦争をするつもりはないとし、まずは国連に報告するところから始めるとして、実質的な対策はなにも発表されなかった。

https://www.timesofisrael.com/arab-league-delivers-harsh-criticism-of-iran-and-hezbollah-but-little-action/

<シーア派勢力:イラン・レバノンの反応>

アラブ連盟の声明に対し、イランは、サウジアラビアの虚偽、プロパガンダだとして、拒絶すると表明した。レバノンのアウン大統領は、レバノンの政党であり、最大の防衛になっているヒズボラをテロ組織と非難されたことに反発を表明した。

アウン大統領は、レバノンは長年、イスラエルの”挑発”に直面しているが、そのイスラエルを2000年に南レバノンから撤退させたのはヒズボラだとして、レバノンにとってヒズボラは国の防衛力だと語った。アウン大統領は、シーア派ではなく、クリスチャンだが、ヒズボラ・イランよりの立場をとっている。

https://www.washingtonpost.com/world/middle_east/iran-says-arab-league-condemnation-full-of-lies/2017/11/20/7341a218-cded-11e7-a87b-47f14b73162a_story.html?utm_term=.d61cb2531b7c

ところで、サウジアラビアで、辞任表明をしたハリリ首相(スンニ派)だが、22日、レバノンに帰国し、辞職は延期と発表した。しかし、レバノンがヒズボラとイランに支配されていることに変わりはなく、ハリリ首相の立場は非常に難しい。

もしハリリ首相の身に何かあった場合は、サウジアラビアとの衝突になりかねないと思われる。*ハリリ首相の父ラフィーク・ハリリ首相は、2005年、親シリア派(ヒズボラの可能性大)に暗殺されている。
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サウジアラビアとイスラエルの接近はありうるか 2017.11.26

 2017-11-26
サウジアラビアが敵視するイランは、イスラエルの最大の敵である。かつて敵対していたサウジアラビアとイスラエルは、今や同じ敵を持つものとして、接近する傾向にある。現実にはまだ国交もないが、両国の動きは以下の通り。

1)イランのハメネイ師は中東のヒトラー:サウジアラビア皇太子発言

サウジアラビアのモハンマド・ビン・サルマン皇太子は、ニューヨークタイムスのインタビューに応じ、その中で、イランのイスラム最高指導者ハメネイ師について、「中東のヒトラーだ。」と語った。

ハメネイ師は、イランの最高指導者で、ロウハニ大統領やザリフ外相の上で指令を出す人物。実質的にイランをうごかhしているのはハメネイ師である。サルマン皇太子は、イランが中東で拡大政策をとっていると懸念する。

サルマン皇太子は、「ヨーロッパから融和政策は無駄だと学んだ。中東に現れた新たなヒトラーには、ヨーロッパで起こったようなことはさせない。」と語った。

20世紀、ヒトラーは、近隣ヨーロッパ諸国からポーランド、ソ連に至るまで次々に侵略し、膨大な犠牲者を出した。サルマン皇太子は、イランが今それと同様のことを、中東で行おうとしている。止めなければならない。」と指摘した。

https://www.timesofisrael.com/saudi-heir-to-the-throne-khamenei-is-the-middle-easts-new-hitler/

2)イスラエルと同様の立場:サウジアラビアの外相がイエメンについて発言

サウジアラビアは、イエメンからイラン製とみられるミサイルを空港付近で迎撃して以来、イエメン国内のフーシ派にイランのミサイルが持ち込まれないよう、海上封鎖を行っている。

これにより、人道支援物資がイエメンに届かなくなり、イエメンの人々が飢えに苦しんでいるとして、サウジアラビアに国際非難が高まっている。

BBCのインタビューを受けたサウジアラビアの外相は、「ロンドンのヒースロー空港に弾道ミサイルが打ち込まれたら、どうするのか。」と反論した。こび反論は、ガザの海上封鎖をしているイスラエルに向けられるのと似た非難である。ただし、イスラエルは、ガザへの人道支援物資は搬入させている。

http://www.bbc.com/news/av/world-middle-east-42020737/yemen-blockade-saudi-foreign-affairs-minister-defends-sanctions

3)機密情報交換の用意ある:イスラエル軍参謀総長インタビュー

先週、イスラエル軍のエイセンコット参謀総長は、サウジアラビア紙のインタビューに応じ、「イランとその枢軸を考える時、穏健派アラブ諸国とイスラエルの国益は一致する。

協力して、イランがイラクからシリア、レバノンへ影響力を拡大することを防がなければならない。」と語った。その上で、穏健派アラブ諸国との機密情報の交換に応じる用意があると述べ、注目された。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5043869,00.html

サウジアラビアは、”パレスチナ問題が解決するまで”イスラエルとの接触はないと、イスラエルとの協力関係は否定している。

しかし、サウジアラビアの駐フランス大使が、パリのグランド・シナゴーグのラビの招待に応じてシナゴーグを訪問するなど、これまでならありえなかったような事も報じられている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5047289,00.html
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ロシア主導のシリア和平会議開催へ:ロシア、イラン、トルコ3首脳会談 2017.11.26

 2017-11-26
サウジアラビアのスンニ派勢力と、イランのシーア派勢力の対立が深まる中、ロシアが登場してきた。ロシアは、破滅の危機にあったシリアのアサド大統領を、軍事介入によって存続させ、地域での影響力を独占している。

オバマ大統領は、反政府勢力を支援したが十分ではなく、地上介入はほとんどしなかったため、中東でのアメリカの影響力は著しく落ちた。現時点では、ロシアこそが、アサド大統領を支援するイランとその配下のヒズボラを動かす立場にあるということである。

プーチン大統領は、22日、黒海沿岸の町ソチで、イランのロウハニ大統領、トルコのエルドアン大統領と3人で会談し、来月、シリア内戦後の和平会議を開催すると発表した。

この3者会談の前日には、ソチにて、シリアのアサド大統領にも会談している。ということは、ロシア、イラン、トルコ主導のシリア和平会議にアサド大統領は協力するということである。

アサド大統領は、多くの人々に憎まれいつ殺されてもおかしくない人物。この会談は、20日に数時間で極秘に行われ、発表は21日になってからであった。映像では、アサド大統領は、プーチン大統領に助けられたとばかりに、笑顔で感謝でいっぱいといった様子である。

https://www.reuters.com/article/us-mideast-crisis-putin-assad/russias-putin-hosts-assad-in-fresh-drive-for-syria-peace-deal-idUSKBN1DL0D5

<サウジアラビアの反政府勢力会議>

ロシア、イラン、トルコの3国が、集まったと同じ日、サウジアラビアのリヤドでは、シリアの反政府勢力の指導者たちが集まり、これからのシリアについての会議が行われた。こちらは、国連のシリア問題担当ミスチュラ氏が参加した。

反政府勢力を統一することが目的だが、やはり一致には至らなかったようである。会議の声明としては、アサド大統領は退陣することを要求しており、ロシア、イラン、トルコの意見とは相変わらず対立している。

シリア問題については、来月、ジュネーブで、国連主導の国際会議が開かれる予定で、ロシア、イラン、トルコのソチでの会議はその前ということになっているようである。

この問題にアメリカは不思議なほど沈黙である。シリアの和平に関しては、国連などより、地元で実際に戦ってきたロシア、イラン、トルコの方が影響力があることは明白なので、負け戦さには加わらないというところだろうか。アメリカ不在の現実が、今後の中東にどう影響してくるだろうか。

https://www.timesofisrael.com/russia-iran-turkey-agree-to-advance-syrian-peace/

https://www.nytimes.com/2017/11/22/world/europe/russia-turkey-iran-syria-war-peace-talks.html

<今後の注目点はトルコの動き:バル・イラン大学/エフライム・インバル博士> 

インバル博士は、中東は、いまやロシアの流れになっていると指摘する。シリアの内戦、ISISとの戦いなどをうまく利用して、ロシアは、イラン、シリア、レバノンを味方につけ、目標としていた地中海へのアクセスを手にいれたと指摘する。

また、ロシアとイランの目標は、中東からアメリカを追い出すことであり、オバマ大統領、トランプ大統領らが、中東への野望が低下したことで、その目標もいまや実現したと分析する。インバル博士は、アメリカはもう完全に不在だと語る。

シーア派勢力の背後にいるロシアの支援に比べ、反政府勢力を一応支援すると言っていたオバマ大統領のスンニ派勢力への支援はお粗末だった。そのため、現状において、スンニ派はシーア派より弱いという。サウジアラビアは大国だが、軍事レベルはまだまだ低いのである。

中東情勢において、今、アメリカはロシアとイランに遅れをとってしまったということである。加えて、今のトランプ大統領も中東介入への意欲はあまりないとわかる動きをしているとインバル博士。

そうなると、今後注目される点は、トルコとイランの関係である。トルコは、スンニ派で、大きな軍事力を持ち、シリア・イラクにも拠点がある。最初は、アメリカ主導のISIS空爆チームにいたが、アメリカが、トルコの宿敵クルド人勢力を支援しはじめたために、シーア派イランチームに寝返ったのである。

しかし、トルコはスンニ派で、エルドアン大統領は、シーア派とは徹底的に対立するムスリム同胞団。今はイランチームに寝返ってはいるものの、片足はまだ、欧米NATO軍に入っている状態である。トルコは最終的に、いったいどちらにつくのか。トルコに出かたによって、中東は大きく左右される。

少々専門的になるが、インバル博士は、トルコが今後、国として動くのか、ムスリム同胞団として動くのかで流れはまた変わってくると注目している。ムスリム同胞団は中東全域にメンバーをもつ非常に大きな組織なので、こちらの立場が全面に出てきた場合、中東全域に影響が出てくるのである。

聖書には終末時代にゴグ・マゴグの戦闘があり、イスラエルが攻撃されると預言されているが、それにかかわるのが、地理的な場所でいえば、トルコ、ロシア、そしてペルシャ(イラン)である。そこに北アフリカが加わる。

エジプトとサウジアラビア、ヨルダンもこの戦いには関わらないとみられる。なにやら、そういう図式にやはり近づいているようである。

https://www.m-central.org/video/#lg=1&slide=0
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ホロコースト生存者:102歳で親族を発見 2017.11.26

 2017-11-26
人間にとって、家族とはなんだろうか。先週、ホロコーストを生き延びた102歳の男性が、ヤド・バシェム(ホロコースト記念館)のデータベースから、ナチスに殺されたと思っていた弟が生き延びていたことがわかり、その息子(おい)と初めて会い、心からの感動の涙を流した。

エリヤフ・ピエツルスカさんは、ポーランドのワルシャワ生まれ。1939年にドイツがポーランドに侵攻してきた際、両親と双子の弟たちと別れ、1人、旧ソ連方面へ落ち延びた。その後、イスラエルへたどりついたが、両親と双子の弟の一人は、ワルシャワ・ゲットーから移送され殺されたことがわかった。

双子のもう一人ウォルフさんは、一度連絡はあったが、それっきりで、エリヤフさんは天涯孤独だと思っていたという。そこへ、ウォルフさんの息子にあたる人がヤド・バシェムの犠牲者のデータベースから、エリヤフさんにたどり着き、面会が実現したのであった。

残念ながら、ウォルフさんは2011年にカナダで死亡していたが、おいのアレキサンドルさん(ロシア)に面会できた。心から涙しているエリヤフさんの様子は感動である。エリヤフさんは、アレキサンドルさんに、「今はイスラエルに家族がいる。もう一人ではないよ。」と語っている。

http://www.yadvashem.org/events/20-november-2017?utm_source=social&utm_medium=fb&utm_campaign=reunion_en

面会の様子: https://www.theguardian.com/world/video/2017/nov/20/102-year-old-holocaust-survivor-reunited-with-family-video 

エルサレムのヤド・バシェムでは、ホロコーストでいなくなってしまった人のデータを集め、ネットで公開している。これまでに470万人の名前がデータベースに収めらているが、まだ100万人以上が不明のままだ。

時間がたつごとに高齢となっているホロコースト経験者は死亡する。今回のような再会は今後、あまり期待できないだろう。ヤド・バシェムでは、犠牲者の情報を、ユダヤ人だけでなく、その周辺にいた人ならだれからでもいいからと、情報収集を急いでいるところである。

<旧ソ連域で定着するナチス時代の習慣:トーチマーチ>

ウクライナやラトビアなど旧ソ連地域では、ナチス時代の習慣であるトーチマーチがある。群衆がたいまつをもって行進するというものである。このイベントは1930年代、ナチス時代に導入された習慣で、現在は、独立記念日に行われる。

RTによると、ラトビアでは、19日、首都リガで、数千人が参加してトーチマーチが行われた。普通の独立記念のイベントとされているが、イベントの背景には、右派勢力が働いているという。

https://www.rt.com/news/410342-latvia-independence-torchlight-march/

同様のトーチマーチは,10月、ウクライナのキエフでも行われたが、こちらは、ナチスに協力して殺戮を行った極右75周年を記念するイベントで、まともにネオナチといえるだろう。

ナチスの大量虐殺は、1941年のソ連侵攻とともにエスカレートして行った。ウクライナなど旧ソ連圏では、ナチスとともに、地元民も参加してユダヤ人の大量虐殺が行われた。これらの地域で、一夜にして、再び残酷な反ユダヤ主義に陥ることは十分ありうる。

https://www.rt.com/news/406705-ukraine-nationalists-upa-march/

今のヨーロッパは、1930年代のヨーロッパに似ていると懸念されているが、それは本当のようである。ユダヤ人は早くイスラエルへ戻ったほうがよい。移住が加速するように。移住を助ける諸団体が祝福されるように。
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ガザ情勢緊張:イスラエル国内に迎撃ミサイル配備 2017.11.15

 2017-11-15
10月末、ガザからのテロ・トンネルをイスラエルが破壊し、最終的にイスラム聖戦、ハマス指導者それぞれ2人づつを含む計12人が死亡した件。最初にガザ側入り口から発見された7人の遺体に続いて、5人の遺体は、イスラエル領内地下で発見され、今もイスラエルが保管している。

イスラエルでは、この5人の遺体と、2014年のガザとの戦争で戦死し、ハマスに囚われたままになっている2人のイスラエル兵の遺体との交換に期待が高まった。しかし、予想通り、そのような流れにはなっていない。パレスチナのテロ組織にとって、仲間の遺体はそれほど価値のあるものではないからである。

イスラエルは、イスラム聖戦(イランの支援組織)が宣言しているように、近く報復に出る可能性が高まったとして、テルアビブ近郊などイスラエル中央地域にアイアン・ドーム(迎撃ミサイルシステム)を配置した。*ただし、これについては、一応の対応で特別なことではないとの見方もある。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5042389,00.html

また西岸地区では、ジェニン近郊で、イスラム聖戦指導者の一人タレック・カダンを逮捕した。

一方、アラビア語紙アル・ハヤットが伝えたところによると、ガザのイスラム聖戦の方でも、イスラエルが先制攻撃をしてくる可能性があるとみて、最大限の警戒態勢に入っているという。双方とも最大の警戒態勢で、いわば、一触即発の状態といえる。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/238046

1)ハマスとファタハの和解にイランの影

ガザ情勢は、上記のように緊迫しているが、エジプトの仲介ではじまった、ハマスとファタハ(パレスチナ自治政府)の和解は、予定通りすすめられている。

先週、ガザ地区の検問所を管理する権威がハマスからパレスチナ自治政府アッバス議長へ移行したが、このままガザの行政に関しては、12月1日までにすべてアッバス議長のパレスチナ自治政府が担うことになる予定である。

これが何を意味するのかといえば、これからは、ハマスが、ガザの行政から解放されて、イスラエルとの闘争に集中できるということである。このためか、今、ハマスが、イスラエル打倒という同じ目標を持つイスラム聖戦に近づいていると思われる動きが伝えられている。

その一つが、破壊されたトンネルの中に、イスラム聖戦戦闘員に混じって、ライバルで対立しているはずのハマス戦闘員もいたという点である。

イスラム聖戦は、イランの支援を受けていると知られているが、最近、ハマスもイランのシーア派勢力に近づいいているようである。

ハマスは、シリアの反政府勢力の側についたことから、イランにはいったん見捨てられていたのだが、ハマスの副長官サリ・アロウリが、10月末、テヘランでイランの高官と会談。継続した支援の約束をとりつけた。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Deputy-Hamas-Chief-Iran-to-continue-support-for-resistance-508187

続いて、11月1日、レバノンで、イランの傀儡、ヒズボラのナスララ党首とも会談したことが伝えられている。

https://www.timesofisrael.com/hamas-leader-talks-resistance-with-hezbollah-chief-in-beirut/

こうしたイランの影がガザで色濃くなる中で、パレスチナ自治政府(ファタハ)とハマスが和解・一致することは、イスラエルにとってはきわめて危険なことだが、イランと対立するサウジアラビアにとっても穏やかなことではない。

2)サウジアラビアがアッバス議長を召喚

サウジアラビアのサルマン国王と、モハンマド皇太子は、11月7日、アッバス議長をリヤドへ召喚した。

会談の内容は明らかではないが、ハマスとの和解にあたっては、イランとの関係を完全に排除することを改めて強調したとみられる。

加えて、サウジアラビアは、まもなく提示されるとみられるアメリカの中東和平案に同意するよう、圧力をかけたとイスラエルのメディアは報じた。しかし、これについては、後にパレスチナ自治政府は否定するコメントを出している。

中東では、今、サウジアラビア率いるスンニ派と、イラン率いるシーア派の対立が深刻になってきている。この中で、サウジアラビアは、同じイランを敵とする者であるイスラエル、またアメリカに近い動きになってきていると注目される点である。

https://www.timesofisrael.com/top-pa-official-says-no-us-peace-plan-yet-rebuffs-report-of-saudi-ultimatum/

<ハマス・ファタハ和解への動き:その後>

上記のような課題がある中、ガザ地区では、和解に向けたイベンドが行われた。深刻な課題がまだ残されているにしても、パレスチナ人の統一が成立すれば、国際社会からの支援なども期待でき、一般ガザ市民にとっては、喜ばしいできごとなのかもしれない。

1)ハマス・ファタハの和解イベント

今回、アッバス議長が、ガザの行政管理に乗り出している背景には、ライバルの政治家モハンマド・ダーラン氏のガザへの介入に乗り出してきたことへの対処であったともいわれる。アッバス議長は、今、行政を担うことで、ダーラン氏より先にガザの支配者になっておこうとしたのである。

そのダーラン氏が、豊かな経済力を利用し、11月9日、ハマス・ファタハの社会的和解のイベントを開催した。このイベントは、2007年、ハマスがガザの支配権をファタハから力で奪い取った際の戦闘で、愛する息子や兄弟を失った双方の家族が集まり、和解するというものである。

このイベントは、仲介者のエジプトが賛同し、ダーラン氏とハマスがアラブ首長国連邦の支援を受けて開催したもので、遺族が、イスラムの教えでは義務付けられている報復を放棄し、ハマスとの和解と表明するなら、慰謝料が支払われることになっている。このための準備された金額は5万ドル(約600万円)

Yネットによると、これに応じて9日、和解すると宣言した100家族は支払いを受け取った。この他にもすでに140家族が支払いを受け取っており、今後も報復しないと宣言する家族には支払いを続けるという。

ダーラン氏と主催側は、これが、ハマスとファタハの真の和解につながっていくと信じると語っている。・・・が、貧困で苦しむガザの住民が、支給金目的で、これに参加しただけという可能性もおおいに考えられるので、どのぐらい意味あるイベントかは疑わしい感じである。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Social-reconciliation-moves-forward-in-Gaza-513845

2)アラファト議長没後13周年イベント

アラファト議長は、現在のパレスチナ自治政府を立ち上げた人物で、ハマスとは敵対するファタハ所属であった。したがってハマスが支配権を奪って以来、ガザで、アラファト議長の没後を祝うことはなかった。

今年は命日の11月11日、ハマスとファタハの和解をアピールする意味でイベントが開催され、ガザ市民の群衆が参加した。会場では、パレスチナの旗や、アラファト議長の写真をふりかざすパレスチナ人でいっぱいとなった。

これに先立つ10日には、ガザ・マラソンも開催されたとのこと。

https://www.timesofisrael.com/tens-of-thousands-commemorate-arafat-in-hamas-run-gaza/

<イスラエルの反応>

イスラエルは、パレスチナ人たちがどういう動きになろうが、国民に危機が及ぶかどうかが焦点である。イスラエルに、ポリティカル・コレクトネスを論じる余裕はない。

9月、エルサレム近郊ハル・アダールのテロで、イスラエルの国境警備隊ら3人が殺害されたが、15日、イスラエル軍は、この事件を起こしたテロリストの家をはでに爆破した。アパートの最上階であったためである。(一軒家ならブルドーザーで破壊する)

アパートのその部屋の部分だけぽっかり穴のあいた爆破の跡形が、イスラエルの怒りを表しているようである。

https://www.timesofisrael.com/top-pa-official-says-no-us-peace-plan-yet-rebuffs-report-of-saudi-ultimatum/
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イスラエル国境へ近寄るイラン軍事力 2017.11.15

 2017-11-15
イランとイラクの国境付近で12日夜9時ごろ、M7.3の大地震が発生したことは日本でも報じられている通り。400人以上の死者、8000人以上の負傷者が確認されている。イラク側の死者は9人。被災して家を失った人は7万人以上だという。イランの冬は厳しい。

日本と同様、イランの下にはアラビア半島とユーラシア大陸のプレートの接点があるため地震が多い。昨年だけで16回、その前年には19回の地震が発生している。今回の地震による被害はすでに今年最大だという。

いつもはにこやかなロウハニ大統領の表情の厳しさが印象的だ。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-41988176

イスラエルは、赤十字を通じて、イランとイラクに支援活動の申し入れをしたが、速攻で拒絶されたという。

https://www.timesofisrael.com/israel-offers-medical-aid-to-iran-iraq-after-quake-rocks-region/

そのイランだが、じわじわとイスラエルとの国境近くにイラン軍を配置しはじめている。

1)シリア南部停戦合意でイスラエル国境に接近の可能性

アメリカとロシア、ヨルダンは、ヨルダンの要請により、シリア南部を停戦地帯にする案で協議が行われていたが、今週月曜に発表されたところによると、イランを含むすべての外国勢力は、シリア南部から撤退するということで、3国は合意したと伝えられた。

しかし、この合意によると、撤退義務とされる境界線のラインが、イスラエルからわずか5-7キロ地点であることが明らかになった。いいかえれば、イスラエルからわずか5-7キロ地点に、イラン軍が近づいてくる可能性を含んでいるということである。

イスラエルが要求していた撤退ラインは、イスラエル国境から50-60キロだったのだが、これは受け入れられなかったということである。この他にも、撤退期限が定められていないことなどから、イランを地域から排斥するという点では、つめの甘さがあるとイスラエルは指摘した。

すると、ロシアのラブロフ外相は、「イランには、シリアに軍事基地を設置する権利がある。イランがシリアから撤退することをイスラエルに約束した覚えはない。」とのコメントを出した。

ネタニヤフ首相は、「ロシアには、前から伝えてあるが、イスラエルは自分の防衛は自分で対処するだけだ。」との言い返した。(イスラエルは、防衛のためなら、手段をえらばないだろうということ)

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5043231,00.html

2)ダマスカス近郊にイラン軍基地か

BBCが西側諜報すじとして伝えたところによると、衛星写真で、ダマスカス南部に、新しいイランの軍事基地とみられる施設が確認された。ゴラン高原からわずか50キロ地点である。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-41945189

イランはシリア領内に多数の軍事基地をすでに建設済みで、今回発見されたものもその一つ。8月にもバニヤスの東方に、イランのミサイル施設と同様のシリアのミサイル基地が確認されている。

シリア領内にイランが軍事基地を多数、建設するということは、イランが、恒久的にシリアに居座ることのしるしであるとして、イスラエルは警戒を強めている。リーバーマン防衛相は、「イスラエルは、シリアがシーア派枢軸国の拠点になることは容認できない。」と語った。

http://www.jpost.com/Middle-East/Report-Iranians-built-a-new-military-base-in-Syria-513973

Yネットのコメンテーターで、アラブ世界に詳しいやアロン・フリードマン博士によると、まだメディアの関心はないが、シリアの反政府勢力の情報によると、イランの革命軍が、ゴラン高原から30キロのクリスチャンの村に拠点を置き、シリア人少年たちを兵士として雇っているという。(月200ドル)イランがシリア人を雇うのはこれが初めてになる。

この新しい部隊は「第313部隊」と呼ばれている。この数字には特別な意味がある。シーア派イスラムの伝統によると、救い主マフディは、313人の兵士を連れて来臨すると考えられているのである。

シーア派からするとスンニ派のISISはサタンであり、これをシリアからほぼ排斥した今、勝利ムードにあり、メシアへの期待となっているのではないかとも考えられる。それが、イスラエルまで30キロの地点にまで迫っているということは、次なる敵は「シオニスト」イスラエルということであろう。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5042133,00.html
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不気味なレバノン情勢:サウジアラビアVSイラン 2017.11.15

 2017-11-15
レバノンのハリリ首相が、4日、サウジアラビアで突然、「レバノンはヒズボラとイランに乗っ取られた。自分はヒズボラに暗殺されそうだ。」として、辞任表明してから10日になる。

ヒズボラ(イラン)とレバノン政府は、「サウジアラビアが、ハリリ首相を拉致して、無理やり辞任表明させたのだ。」とサウジアラビアを非難した。レバノンのアウン大統領は、「サウジアラビアはハリリ首相をすぐにも帰国させるべきだ。」と述べた。

一方、サウジアラビアは、ハリリ首相は自分の意思で、辞任宣言したのだと反論。レバノンにいるサウジアラビア市民は、すぐにもレバノンから退去するよう通達した。

するとヒズボラは、「サウジアラビアは、イスラエルにレバノンを攻撃させようとしている。」と言った。無論、イスラエルは、こんなコメントが出ても、完全無視状態だった。

https://www.timesofisrael.com/nasrallah-says-saudi-arabia-imposed-lebanon-pms-resignation/

ハリリ首相本人は、上記のようなやり取りがある中、沈黙を保っていたが、1週間ほどして、「サウジアラビアに拉致されたのではない。辞任表明は自分の意思であった。」とのコメントを出した。

https://www.timesofisrael.com/lebanon-saudi-arabia-must-clarify-why-hariri-hasnt-returned/

アメリカのティラーソン国務長官は、ハリリ首相がサウジアラビアに拉致されたのではなく、自分の意思で辞任宣言をしたと認識しているが、ハリリ首相は、いったん帰国し、きちんと辞任すべきだとも語った。この後の動きはまだ伝えられていない。

<代理戦争のイエメンが悲惨>

イエメンでは、イエメン政府を支援するサウジアラビアと、シーア派反政府勢力フーシ派を支援するイランとが、代理戦争を繰り広げている。

10日ほど前、イランがイエメンからサウジアラビアへ弾道ミサイルを発射し、サウジアラビアの迎撃ミサイルが撃墜するという事件があったが、それ以来、サウジアラビアは、イエメン包囲網を強化している。これにより、国連などの支援物資(食料や薬)が、難民たちに届かなくなってしまった。

イエメンでは、内戦勃発から2年、これらが発生し、すでに2000人が死亡。子供達27000人が深刻な栄養失調だという。サウジアラビアとイランの戦争でツケを払っているにはイエメンの子供達である。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-41932807
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米福音派クリスチャンがエジプト・ヨルダンの首脳と会談 2017.11.15

 2017-11-15
お伝えしているように、中東は、パキスタンなど例外はあるが、おおむねサウジアラビア率いるスンニ派とそれにつく国々、イラン率いるシーア派とそれにつく国々、団体という2派に分かれつつある。

スンニ派チームについているのはアメリカなので、このチームはこれまでになくイスラエルに近づく傾向にある。一方、シーア派チームについているのはロシアである。

この背景の中、10月から11月にかけて、トランプ政権は、アメリカの福音派クリスチャン牧師12人からなる代表団をエジプトとヨルダンへ派遣した。代表団は、トランプ大統領付きの福音派牧師らからなるアドバイザーチームである。

チームを率いるのは、ニューヨークタイムスに執筆した聖書予言の視点での中東世界情勢関連の小説で人気の高いヨエル・ローゼンバーグ氏。このほか、保守派家族調査評議会のトニー・パーキンス氏、スカイライン・チャーチ(サンディエゴ)のジム・ガーロー牧師など。

https://www.washingtonpost.com/news/acts-of-faith/wp/2017/11/03/president-trumps-evangelical-advisors-meet-with-egyptian-leader-al-sissi-in-cairo/?utm_term=.a36b062e9875

FOX newsによると、ビリー・グラハム氏(99歳)も加わっていたもようだが、他のメディアは同氏の名前は出していない。

http://www.foxnews.com/opinion/2017/11/07/billy-graham-has-many-spiritual-descendants-as-turns-99.html

トランプ大統領がこの代表団を派遣した目的は、派遣先のアラブ諸国とより関係を深めるということらしいが、派遣された牧師たち自身も、イスラムが多数派で、まだクリスチャン迫害の声も聞く国の首脳との会談で、最初はとまどったようである。

http://www.christianitytoday.com/news/2017/november/what-trump-evangelical-advisers-took-out-of-egypt-sisi.html

<エジプトにて>

代表団は3日、エジプトにて、エジプトのプロテスタント代表ら40人も交えて、シシ大統領と3時間にわたって会談。クリスチャニティ・トゥデイの記事によると、シシ大統領は、うちとけていた様子だったという。

代表団は、大統領がテロ撲滅に真剣であることなどを確認している。

続いて代表団は、故アンワル・サダト・エジプト大統領の自宅を訪問し、夫人に面会した。サダト大統領は、アラブ諸国では初めてイスラエルを訪問し、和平条約を締結。その後、暗殺された大統領である。

代表団は、エジプトのムフティ(イスラムのトップ)と面会した後、エジプトのプロテスタントの代表など60人とのミーティングを行った。

クリスチャニティ・トゥデイがエジプトの情報として伝えたところによると、エジプトのクリスチャンは1500万人で、このうちプロテスタントは200万人。

エジプトのプロテスタントの総代表であるアンドレア・ザキ氏は、「このミーティングを企画した中心人物(ローゼンバーグ氏)がイスラエルに住んでいると聞いて落ち着かなかった。」と語っている。エジプトでは、ザキ氏を含め、多くが置換神学のようである。

しかし、ローゼンバーグ氏が、「アメリカの福音派の多くが、親イスラエルか親アラブで、どちからを排斥する傾向にあるのは残念だと思う。私たちは、信じるところ(神学)は維持しながらも、双方を愛せるということを忘れている。」と語ったことで、今回のミーティングを決めたという。

http://www.christianitytoday.com/news/2017/november/what-trump-evangelical-advisers-took-out-of-egypt-sisi.html

<ヨルダンにて>

エジプトに続いて8日、代表団はヨルダンでアブダラ国王とその家族に面会した。アブダラ国王は、ローゼンバーグ氏の書籍を読んでいるとのことで、同氏との面会は、これで2回目になる。

代表団は、この後、シリア難民のキャンプの一つを訪問した。ヨルダンは、2011年のシリア内戦勃発以来、難民200万人を受け入れた。今やヨルダン国民の25%はシリア難民だという。

http://www.jordantimes.com/news/local/king-receives-us-evangelical-leaders

<石のひとりごと>

こうしたアラブの指導者が福音派クリスチャン指導者たちに面会する背景には、当然、政治的な計算があると思われる。

世界のクリスチャン人口は22億人(世界人口の31.2%)で、このうち13%にあたる約3億人が福音派とみられる。その最大はアメリカである。(米ピュー研究所2015データ)

アメリカのトランプ大統領は、大統領自身の信仰は不明だが、ペンス副大統領が福音派で、そばに福音派牧師たちからなるアドバイザーチームを置いている。それが、今回派遣された代表団だった。アメリカと仲良くするには、この代表団を丁重に受け入れる必要はあったと思われる。

こうした流れは、イスラエルにもある。10月中旬、イスラエル政府が、世界のクリスチャン・メディアのリーダーたちを集めて、サミットを行った。福音派クリスチャン代表たちを迎えたのはネタニヤフ首相、リブリン大統領をはじめ、閣僚たちだった。こんなことは今までありえなかったことである。

理由はなんであれ、イスラエルが、首相、大統領をあげて福音派クリスチャン指導者を迎え、エジプトとヨルダンの首脳が、アメリカに近づき、福音派牧師たちと、直接会談したことは、特記すべきことだろう。

やはり、アメリカの影響力は、まだまだ予想以上に大きい。ヨエル・ローゼンバーグ氏は、アメリカのトランプ大統領を覚えて祈る必要を強調する。

http://nrb.org/news-room/articles/nrbt/delegation-american-evangelical-leaders-travels-egypt-jordan/

聖書(エゼキエル書38章)には、世の終わりに、”イスラエルが安心しているときに”、ロシアと中東諸国、アフリカ諸国からイスラエルを攻めてくることが描かれている。その攻めてくる国々を地図でみると、エジプトとヨルダンは含まれていない。

エジプトとヨルダンは、今すでに、イスラエルと平和条約を維持している国である。しかし、今回、クリスチャンシオニストである福音派代表団がこの2国の首脳を訪問したこともまた、この終わりの時の一コマにつながるものを思わせる出来事であった。
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ガザ・トンネル爆破続報:テロリスト5人の遺体をめぐる問題 2017.11.7

 2017-11-07
先週月曜にイスラエル軍が、ガザからイスラエル領内にまで掘り進んでいたテロ目的の地下トンネル爆破したことはお伝えした通り。これまでに、イスラム聖戦2人、ハマス2人を含む7人の死亡が確認されている。しかし、この他にも、まだ5人の遺体が現場に残っていると考えられた。

ハマスは、赤十字を通して、イスラエルに5人の捜索活動をするため、現場に入ることを要求。イスラエル国内からも、左派少数アラブ系市民組織が、高等裁判所に対し、ハマスに現場を捜索させるようにとの訴えが出された。

現場は、ガザ地区ではない。イスラエル領内へ300mも入ったところである。イスラエル軍は、高等裁判所に対し、テロリスト5人はすでに死亡していると宣言。イスラエル軍もまだ一帯で作業中だとして、これを拒否した。

この後、5日夜、イスラエル軍は、イスラム聖戦5人の遺体を発見したと発表した。イスラエル軍は、遺体がイスラエル領内にあったこと、すなわち、テロ用トンネルが、イスラエル領内にまで至っていたことを強調した。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Israel-says-its-holding-bodies-of-Gaza-terrorists-killed-in-tunnel-blast-513413

<遺体をめぐる対立>

ハマスは、2014年のガザとの戦争の際、ガザ内部で戦死した2人の兵士、ハダール・ゴールィンさんと、オロン・シャウルさんさんの遺体をまだイスラエルに返還していない。

2人の家族は日曜、記者会見を行い、2人の遺体返還がないならテロリスト5人の遺体は返還しないでほしいと訴えるとともに、政府を高等裁判所に訴える構えであると発表した。

兵士2人の家族によると、2人の遺体をとりもどすために強硬な姿勢に出ることを求める家族に対し、政府指導者らは、「次の戦争では、アシュケロンやアシュドドにミサイルが降ってくる。そうなればあなたがのせいだ。」と逆に脅されたという。

また、先の神殿の丘テロ事件のテロリストの遺体を交渉なしに返還したこと、今もガザからイスラエルに収監されているテロリストの面会を許可していることなどをあげ、政府は、ハマスに屈服していると非難した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5038816,00.html

なお、ガザ地区には、この他にも自らガザに入ったとみられる精神的弱者のベドウイン男性など3人が捕虜になったままとなっている。

ネタニヤフ首相は6日、ハマスに対し、「ただの贈り物はない。」と、2人の兵士の遺体、3人のイスラエル人の返還がない限り、5人の遺体をただで返すことはないと示唆した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5039192,00.html

<イスラム聖戦の反応>

イスラム聖戦は、イスラエルが5人の遺体を収容したとの発表を受け、遺体に関する交渉はないと宣言。「戦いは終わっていない。イスラム聖戦の”自由の”トンネルは、まだ他にもまだ多数ある。」と豪語した。

実際のところ、パレスチナ人たちの文化に、仲間の遺体を取り戻すために代価を支払うという概念はない。これが交渉になるとは考え難いところである。

https://www.timesofisrael.com/idf-says-it-has-the-bodies-of-5-terrorists-buried-in-gaza-tunnel-demolition/

ところで、執拗なまでにトンネルを掘って、テロリストを送り込もうとする困った隣人に対し、イスラエルはとほうもない代価を払わされている。ガザとの間には、特殊な地下(数十メートル)、地上(6メートル)のバリアが建設中で、完成までにはまだ2年かかるという。

これにかかる費用はなんと30億シェケル(約100億円)。当初は20億シェケルと伝えられていたが、最近の報道によると、30億シェケルになった。

この作業は、単にバリアを建築するだけではない。地下を掘っている最中に、ミネラルの水を流しながら掘っており、もしトンネルにぶつかった場合は、その存在を知ることができるようになっている。

また、地下に設置されるバリアには、センサーが仕組まれており、新たなトンネルが掘り近づいてきた場合、すぐに察知できる。イスラエル軍はこのシステムをガザ沖の海中にも設置を計画中だという。

イスラエルがこれだけの資金を使うのは、それだけ市民を守ろうとする意志の表れであろう。しかし、隣が平和であってさえいれば、使わなくてもよい100億円・・・。

余談になるが、ハアレツ紙が、イスラエル軍からの情報として伝えたところによると、ガザとの国境にはセメント工場が建てられ、スペインや、モルドバ、アフリカ難民など外国人1000人ほどが雇われて、24時間体制で建築にあたっている。

外国人が雇われるのは、当然、危険地帯での作業だからであるが、これもまた、なんとも虚しい点である。。。

https://www.haaretz.com/israel-news/1.806052
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レバノンのハリリ首相辞任表明:サウジでイランの危険性を証言 2017.11.7

 2017-11-07
中東情勢が大きく動く可能性が出てきた。4日土曜、レバノンのサード・ハリリ首相(スンニ派)が、サウジアラビアの首都リヤドにて、首相職を辞任すると発表した。理由は、レバノンでシーア派が急速に増強しており、暗殺の危険性を察知したからだと述べている。

サード・ハリリ首相は、辞任表明において、レバノンでのイランとヒズボラの台頭がいかに危険であるかを述べていた。これは、イスラエルが日頃から発している警告と同調するものである。

イランは中東を掌握しようとしているー。ハリリ氏の辞任演説から、イランを警戒するのがイスラエルだけでなく、サウジアラビアなどスンニ派アラブ諸国も同じであるということが明らかになった。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5038232,00.html

*最近のレバノン情勢

レバノンは、1975年以来、スンニ派、シーア派、クリスチャンが泥沼状態の内戦を続けた。この間、PLOがレバノンから攻撃してきたことで、イスラエルもレバノン戦争にまきこまれている。これを終結させたのはシリアだった。シリアは1990年に軍をレバノンに送り込み、力で、内戦を終結させた。

この時、反シリア派でマロン派クリスチャンのミシェル・アウン氏はフランスに亡命。以後、レバノンでは、イランと関係の深いシリアが、事実上の支配者となり、一応の平和を維持した。この間に、シーア派の過激派組織ヒズボラが生まれ力をつけるようになっていった。

シリアが事実上の支配を続ける中、レバノンを指導したのが、ラフィーク・ハリリ首相(今のサイード・ハリリ首相の父)である。ハリリ父首相は、サウジアラビア国籍も持つ大富豪であったことから、自らの財産を投資して基金を作り、内戦で破壊されたレバノン復興に勤めた。

しかし、スンニ派であったために、シーア派を支援するシリア軍に反対する立場をとっていたことから、2004年に暗殺された。暗殺はシリア軍によるものとみられた。これを受けて、レバノン市民が激怒。反シリア運動を展開(杉の革命)し、シリア軍を撤退させたのであった。

この時以来、父の意志を継ぎ、政治家になったのが、今のサード・ハリリ氏(47)である。ハリリ氏は、2009年に選挙で首相に就任したが、強くなったヒズボラの政界への進出を受け、政権は崩壊させられてしまった。その後は、ヒズボラ系のミカーティ政権が政権を担った。

2014年、前スレイマン大統領が任期満了となると、レバノンでは、だれを大統領にするかでもめるようになった。この時、サード・ハリリ氏は、フランスへ亡命していたアウン氏を呼び戻して大統領にすることを認め、その代わりに首相の座を求めた。これが実現し、サード・ハリリ氏は、2016年にレバノン首相に返り咲く。

ところがである。このアウン大統領(マロン派クリスチャン・81歳)は、かつてレバノンを支配していたシリア軍とシーア派に反対したからこそ、国外へ亡命させられていたにもかかわらず、今はイラン、シーア派を支持する立場に変わっていたのである。

レバノンでは、アウン大統領により、急速にイランの影、ヒズボラの力が強くなり、サード・ハリリ氏はまたもや暗殺を危惧する立場におかれるようになったといいうわけである。

<中東情勢:スンニ派諸国、シーア派諸国の対立>

現在、中東では、スンニ派諸国とシーア派諸国に分かれて、争う形になりつつある。おおざっぱではあるが、サウジアラビアを代表とするスンニ派諸国にはアメリカがつき、イランを代表とするシーア派諸国にはロシアがつくという図式である。

この二者の直接の対立地点はイエメン。サウジアラビアは、イエメン政権を支援し、イランはそれと戦うシーア派のフーシ派を支援して、激しい戦闘が続く。イエメンでは、コレラも蔓延しており、今も悲惨な内戦状態にある。この戦いは、イエメン人どうしではなく、サウジとイランの戦いである。

4日、イエメンから、サウジアラビアに向けて弾道ミサイルが発射され、サウジアラビアの迎撃ミサイルがこれを打ち落とした。幸い被害はなかったが、フーシ派が、このようなミサイルを保持しているわけはなく、明らかにイランがサウジアラビアを攻撃したものであった。

http://english.alarabiya.net/en/News/gulf/2017/11/04/Saudi-Arabia-intercepts-missile-from-Yemen-northeast-of-Riyadh.html

このように、イランとサウジアラビアの対立が激化する中で、ハリリ首相のイランを非難しながら辞任表明となったため、サウジアラビアが、イランとの対決姿勢を明らかするために計算して行ったことではないかとも言われている。

これを裏付けるかのように、ヒズボラは、「暗殺の計画などない。サウジアラビアがハリリ首相を強制的に辞任させたのだ。」と反論している。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-41878364

*サウジアラビアの権力集中と近代化?

シーア派との対立が深まっていく中、スンニ派のサウジアラビアは、これまでになくアメリカに接近している。トランプ大統領が就任早々にサウジアラビアを訪問し、スンニ派諸国の首脳たちを集めて、一致してシーア派に対抗するよう、たきつけたことは記憶に新しいところである。

この後、サウジアラビアは、アラブ首長国連邦など、スンニ派諸国と組んで、イランにつくカタールへの厳しい経済制裁を開始した。

また、サウジアラビアの副皇太子からの昇格で、次期国王に指名されているモハメッド・ビン・サルマン皇太子(32)は、ライバルとなりうる王子たちを失脚させながら権力の集中をはかりながら、サウジアラビアでは厳禁であった女性の車の運転を認めるなど、近代化、欧米よりの路線に舵を切っている。

また、石油にのみ頼らない国づくりを目指して経済改革を模索し、厳格なイスラム教国サウジアラビアの近代化をすすめているようである。

サルマン皇太子は5日、サウジアラビアではあたりまえになっている汚職を一掃するとして、有名なアルワリード・ビン・タラール王子を含む王族と大富豪ら11人を拘束し、世界を驚かせた。

目的は、欧米との貿易を活性化させるため、国のクリーンアップを図ったということらしいが、当然、権力集中という目的もあると思われる。

ハリリ首相の辞任演説は、この11人拘束の直前であった。さらにその少し前には、アメリカのクシュナー中東関係補佐官が、突然、サウジアラビアを訪問していたことから、これら様々なことの背後で、アメリカがなんらかの糸を引いている可能性も考えられると分析する記事もある。

http://www.jpost.com/Opinion/Skeptical-of-Saudi-Arabia-508219

サウジアラビアなどスンニ派諸国がアメリカに接近し、イスラエルにも接近していることは、イスラエルには有利な展開と言えるが、どこまで信頼できるかはわからず、イスラエルとしては、あらゆる想定を予測しながら、注意深く状況を見守っているというところである。

<ハリリ首相辞任:イスラエルにはどう関係する?>

レバノンからハリリ首相がいなくなれば、今後、レバノン内部で、シーア派のヒズボラとイランの台頭を防御する力がなくなる。アウン大統領がイラン支持派である以上、レバノンは急速にイラン傀儡になっていくと考えられる。当然、イスラエルには非常に危険な状態である。

11月1日、シリアのホムス近郊、レバノンのヒズボラへ搬送されるとみられた武器庫が空爆され、一時シリア軍と応戦状態になったことはお伝えした通りである。

イランからとみられる武器は、レバノンに入る前にシリアで排除しておかなければ、レバノンに入ってからでは、ヒズボラとの対決になってしまう。イスラエル軍とみられるこうした攻撃は頻度をましており、この数週間で、これが3度目である。今後、こうした武器搬入への警戒はますます必要になっていくだろう。

ヒズボラとイスラエルの対戦は、いつかは発生するものとは誰もが考えているが、この流れからすると、次回の戦争は、イスラエル対ヒズボラではなく、イスラエル対レバノン、背後のイランとの戦争という構図になっていくとみられる。北部情勢の緊張は高まったといえる。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Report-Israel-attacks-Syrian-weapons-depot-Arab-media-claims-512102
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ゴラン高原のドルーズ村での危機 2017.11.7

 2017-11-07
北部情勢が緊張する中、3日、ゴラン高原のドルーズの町マジダル・シャムスと、国境をはさんで向かい側、シリア領内にあるドルーズの町ハダールで自爆テロが発生し、9人が死亡。これに続く銃撃の流れ弾で、イスラエル側、マジダル・シャムスのドルーズ1人が負傷した。

これを受けて、ハダールにいる家族を助けようと、マジダル・シャムスの住民10人ほどが、国境フェンスを超えて、シリア側へ行こうとした。イスラエル軍があわてて連れ戻したという。

ハダールはシリア政府側の拠点のひとつである。そのため、今回、ハダールで、反政府勢力のアル・シャムス(アル・ヌスラ)が自爆テロ、ならびに戦闘を展開したのである。

マジダル・シャムス住民は、これまで、自分はシリア人だと主張し、暴力には出ないまでも、静かにイスラエルに反抗する態度を続けていた。しかし、シリアが内戦となり、信頼していたアサド政権の残虐な行動が報じられる中、複雑な立場におかれるようになっていた。今は、家族を救えるのはイスラエル軍しかない。

マジダル・シャムスの指導者は、「イスラエルにシリアを攻撃してほしいとは要求しない。しかし、IDFは、ヘルモン山から、監視して必要ならシリアへ入らずに攻撃もできることを知っている。ハダールを守ってほしい。」とイスラエルに要請を出した。

これを受けて、イスラエル軍は、「イスラエルはドルーズの人々を守る。」約束する声明を出した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5038041,00.html

*ハダールとマジダル・シャムス:シャウティング・ヒルの悲劇

ハダールとマジダル・シャムスは、どちらもドルーズの村だが、1967年の六日戦争で、シリアとイスラエルに分断され、行き来ができなくなった。このため、分断された家族は、かつて谷をはさんで叫びあって安否を確かめるしかなくなった。マジダル・シャムスには、「シャウティング・ヒル(叫ぶ丘)」と呼ばれれるスポットがある。この様子は映画のドラマにもなっている。

今は、電話やインターネットで連絡がとれるので叫ぶ必要はない。また必要であれば、第三国で家族が顔を合わせることも可能である。しかし、イスラエルとシリアに国交がないため、今も家族は分断されたままである。

このため、今回、向かい側のハダールで自爆テロと聞き、マジダル・シャムスのドルーズたちは、家族を助けようと、国境を超えてハダールへ助けに行こうとしたのである。

<複雑な立場のイスラエル>

この事件について、イスラエルは若干複雑である。今回、ハダールで自爆テロを決行したゴラン高原の反政府勢力アル・シャムスと、水面下で取引をしているとみられるからである。

イスラエルに隣接するゴラン高原周辺は、シリア政府軍ではなく、反政府勢力アル・シャムスが優勢である。このため、地域の治安を守る為、水面下で、彼らと取引をしたとみられるのである。

その取引とは、シリア人負傷者(戦闘員含む)を一時的に引き取ってイスラエルで治療するかわりに、イスラエルには手出ししないよう約束させたとも言われているのである。*負傷者は、治療が一段楽すればシリアへ返還される。

Times of Israel によると、2013年以来、イスラエルが治療したシリア人は3100人に上るという。同紙は、この10月にもろばに乗せられて、ヘルモン山のイスラエル側へ搬送されてきた負傷者についての記事を出している。

https://www.timesofisrael.com/arriving-on-donkeys-syrian-war-wounded-seek-israeli-help/

今回、イスラエルは、ドルーズを守るために、ハダールの住民を守ると約束したが、それは、アル・シャムスを攻撃するということであり、約束を破るということにもなりうるのである。ドルーズを守るか、イスラエル市民を守るか。難しい状況である。

なお。シリアでは、ISISの拠点ラッカが陥落し、支配域はかなり小さくなったが、今も自爆テロで、難民を75人も殺害するなど、あいかわらず危険な存在である。また、ISISが撤退した空白に、イランが入り込んでいるとの情報もある。

イスラエル軍は、日々、様々な方法を駆使して、情報収集を行っている。エージェントたちが、必要な情報を得ることができるようにと祈る。

https://www.timesofisrael.com/druze-break-into-syria-from-israel-idf-brings-them-back/
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ガザからのテロ・トンネル破壊とパレスチナ情勢 2017.11.2

 2017-11-02
月曜、ガザからイスラエル領内に続いていた地下トンネルが崩壊。イスラム聖戦武装兵ら少なくとも7人が死亡。12人が負傷した。死亡した7人の中にはイスラム聖戦の高官2人、ハマスの高官2人が含まれていた。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5036250,00.html

これについて火曜、イスラエル軍は、トンネルを破壊したことを認める声明を出した。イスラエル軍によると、トンネルは、ガザ地区カン・ユニス難民キャンプからすでにイスラエル領内10数メートルまで入り込んでいたという。イスラエル軍は、ガザに入って破壊したのではなく、イスラエル領内からこれを破壊していた。

領内とはいえ、現場に最も近いイスラエル人居住地キブツ・キスフィムまではまだ2キロの地点であり、危険が市民に及ぶまでに十分な地点で作戦を実行したということである。

イスラエル軍は、以前よりガザからのトンネル対策として、ハイテクを駆使した新技術を開発中と言っていた。ネタニヤフ首相によると、今回それを初始動させたとのこと。

https://www.timesofisrael.com/palestinians-say-at-least-5-dead-9-injured-as-israel-blows-up-gaza-tunnel/

イスラム戦線は、トンネルを破壊されたのち、「このトンネルは、イスラエルに収監されている仲間の釈放と交換するイスラエル人を誘拐するものであった。」と発表した。

その上で、「トンネル破壊はイスラエルによる虐殺行為だ」「我々の安全を脅かす行為は断じて受け入れられない。」として、イスラム聖戦は、「目には目を。血には血を。」との原則を強調し、イスラエルへ報復すると宣言した。

*イスラエルの存在そのものへの挑戦

イスラム聖戦は、あくまでも、トンネルを攻撃したイスラエルを非難する。しかし、トンネルは、自らも認めているように、イスラエルに対するテロに用いられるものであり、すでにイスラエル領内にまで掘り進んでいたからこそ攻撃されたのである。さらにトンネルの破壊そのものは、ガザ内部ではなく、イスラエル領内で行われた。ガザに脅威となるものではなかったはずだ。

にもかかわらず、トンネルが破壊されたからには、「防衛のために戦う。反撃する。」というのは、どうにも理解に苦しむ態度である。今にはじまったことではないが、先に攻撃しておいて、イスラエルが反撃、または対処をしたら、それをもって被害者の顔をするのである。

これは要するに、イスラエルの存在自体が悪だと言っているということである。その悪と戦う自分たちへの攻撃は、なんであれテロ行為であり、たとえ自分達からしかけた争いであっても、それに反撃された場合、「防衛」ということになるのである。

この争いに終わりがあるとすれば、イスラエルが、消えることしかない。いうまでもなく、これはありえないことである。

<ガザからの報復はあるか?>

トンネルの破壊から2日目、今の所、反撃はない。今回のトンネル破壊については、綿密に計算されていた可能性が高い。

イスラエル軍は、トンネルの破壊は、それ自体を目的として実行したのであって、イスラム聖戦の指導者が死亡したのは予想外だったと発表した。

しかし、実際には、トンネルがイスラエル領内にまで掘り進められていたことをイスラエルが知らなかったはずはなく、ちょうどハマスとファタハが和解へと踏み出し始めたころあい(以下に詳細)や、司令官らが、トンネルの中にいたことも踏まえて爆破に踏み切ったのではないかとの見方もある。

反撃についても計算されているはずだが、今はイスラエルと事を構えたくないハマスの意向に反して、イスラム聖戦が、勝手にイスラエルにロケット弾を撃ち込んでくる可能性はある。このため、一応、イスラエル南部には迎撃ミサイルアイアンドームが配備された。しかし、イスラエル国内に緊張感はあまりない。

https://www.timesofisrael.com/idf-chief-warns-gaza-terrorists-not-to-retaliate-for-attack-tunnels-destruction/

<アッバス議長には頭痛のタネになる?:ガザ国境の主権ファタハへ移行>

10月12日、ハマスとファタハ(パレスチナ自治政府)は、カイロにて統一政府を立ち上げることで合意。契約に署名した。それによると、11月初頭、ハマスは、エジプト、イスラエルとの国境の支配権をパレスチナ自治政府に移譲する。さらに、12月初頭には、ガザ全体の支配権をパレスチナ統一政府に移行することになっている。

この合意により、本日水曜、エジプトとEUが見守る中、エジプトとガザ、イスラエルとガザの間の検問所のガザ側支配権がハマスからパレスチナ自治政府に移行された。検問所にはアッバス議長とエジプトのシシ大統領の巨大な写真が掲げられ、主権はいまやハマスではなくアッバス議長であるということを誇示する形になっている。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-41830114

この流れからいくと、今後、ガザで起こる不都合は、ハマスにかわってアッバス議長が全部被ることになるが、アッバス議長には頭痛のタネになりそうである。

現在、ガザ地区の一応の支配者であるハマスは、市民の間でも権威を失い始めている。ハマスが、ガザの実効支配を始めてから10年になるが、市民の生活は悪化する一方だからである。今年1月には停電に関する大規模な市民デモが発生した。

Times of Israelがガザ市民に聞いたところ、今回のイスラム聖戦のトンネルが破壊された件について、「事件はイスラエル領内のことであり、ガザ市民には脅威ではないと言っていたという。ガザ市民たちは、もはやイスラエルとの闘争よりも、ファタハとの和解とそれによる生活改善を望んでいるようである。

つまるところ、ハマスは、めんどうな市民の世話をするという政治の部門をファタハに丸投げし、あとはイスラエルとの武装闘争に集中するという形になるということである。実際、ハマスは、ファタハとの統一政府には合意したが、まだ武装解除に応じるとは約束していない。

その上に、イスラム聖戦のトンネルが破壊された。国際社会にパレスチナ人統一を強調したいアッバス議長の前で、「たとえ、ハマスとファタハが和解してもイスラム聖戦は、それに加わらない。」と爆弾宣言したようなものである。

https://www.timesofisrael.com/islamic-jihad-doesnt-want-to-rain-on-the-reconciliation-parade/

幸い、今のところ、イスラム聖戦からの反撃はない。これは、ハマスとファタハの統一政府を仲介しているエジプトが、その威信にかけて、邪魔立てされないよう、イスラム聖戦の反撃を抑えているとみられている。この点からもイスラエル軍のトンネルの破壊の時期が絶妙であったことがうかがえるところだ。

*イランの関与?

今後懸念されることは、ガザとイランの関与である。今回破壊されたトンネルで死亡した7人のうち、2人はイスラム聖戦、2人はハマスの指導者だった。ライバルで、互いに敵対しているにもかかわらずなぜ、トンネルの中に指導者たちが一緒にいたのか。

ハマスは、おそらく、このトンネルがイスラム聖戦によって掘られていたことを知っていたが、なんらかの理由で黙認していたと考えられる。その際の考えられるのがイランの関与である。

イスラム聖戦がイランの支援を受けていることは周知だが、ハマスも、最近イランに近づき始めている。もしかしたら、イランがレバノン政府のもとで、ヒズボラというテロ組織をあやつっているように、ガザ地区でも、パレスチナ自治政府のもとで、イランがあやつるテロ組織を形成しはじめているのではないかと懸念もある。

実際、トンネル破壊の後、ハマスの副指導者で、現在レバノン在住のサレ・アル・アロウリがヒズボラのナスララ党首を訪ねた様子が伝えられた。ハマスが、2011年に、ヒズボラとの関係を遮断して以来、始めてのことである。

Yetによると、このアロウリは、親イラン派として知られており、今回のハマス・ファタハの合意にも大きな役割を果たした人物。ハマス、イラン(イスラム聖戦支援)、ヒズボラ、そしてロシア(以下の詳細)の不気味なつながりがうかがえるできごとである。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5037111,00.html

<アメリカの中東政策継続中?>

アメリカのトランプ政権は、イスラエルの主張と同様、パレスチナ問題は、国際社会が関与するのではなく、両者の直接対話が必要だと考えている。そのため、なんとか両者を交渉のテーブルにもどそうとしているようである。

しかし、イスラエルは10月、パレスチナ自治政府がハマスとの和解を進めているのに対し、統一政府を認める条件として、ハマスの武装解除を主張。それが実現するまでは、いかなる交渉にも応じないという方針を発表した。

ところが、30日、イスラエル閣僚で経財相のカフロン氏を含む政治家のグループが、ラマラを訪問し、パレスチナ自治政府のハムダラ首相に面会。

この他にも、イスラエルの国会議員らがラマラを訪問し、アッバス議長に面会。この時アバス議長が、「次期統一政府の閣僚になる者は、イスラエルの存在を認めている人物に限る。」と言ったと伝えてニュースになった。

政府間の直接対話は途絶えてはいるのだが、実際には、日常レベルの協調や、水面下でのコンタクトは続けているようである。

この背後には、なんとかしてイスラエルとパレスチナの直接対話をすすめたいアメリカのテコいれがあると考えられている。トランプ大統領は、中東特使グリーンブラット氏を10月初頭、エルサレムとラマラに派遣したほか、中旬には、クシュナー顧問をサウジラビアにサプライズ派遣している。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Abbas-Any-minister-in-future-unity-govt-must-recognize-Israel-510886
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イスラエルがシリア領内を攻撃か:プーチン大統領イラン訪問中 2017.11.2

 2017-11-02
1日夜、レバノンのニュースが、シリアとレバノンの国境(シリア側ホムス)の工場が、イスラエル空軍機の空爆を受けたと伝えた。ロシアのニュースによるとこの工場は、ヒズボラに関係する工場であった。空爆を受けて、シリアは地対空ミサイルで反撃したという。

イスラエル空軍は、2週間前にもダマスカス近郊のミサイル発射地を空爆している。このほか、流れ弾がシリアから着弾するたびにきっちりシリア領内への報復攻撃も行っている。

関係があるかどうかは不明だが、1日、ロシアのプーチン大統領がテヘランを訪問し、ロウハニ大統領と会談。アメリカがイランと超大国と結んだ核兵器開発に関する条約から離脱した場合に備えてどうするのかの話し合い、またロシア、イラン、シリアの結びつきを確認する機会になったという。

BBCによると、イランはロシアにアメリカの振る舞いに釘をさすよう要請したとのこと。

http://www.jpost.com/International/Russias-Putin-arrives-in-Iran-to-discuss-nuclear-deal-Syria-512020

<テルアビブ広域でサイレン:間違い>

北はシリアからの報復、南は、ガザのトンネル破壊に対するイスラム聖戦の報復と、イスラエルは、いつどう爆発するかわからない状態となっているが、2日夜中2時48分、テルアビブ広域にミサイルのサイレンが鳴り響き、住民を恐怖に陥れた。

数分後に間違いであったことが判明。原因は調査中とのこと。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5037454,00.html
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ベエルシェバの戦い・バルフォア宣言から100年 2017.11.2

 2017-11-02
イスラエルでは、今年、建国の大きなきっかけとなったイギリス政府の公式文書「バルフォア宣言」が出されてから今年11月2日、ちょうど100年を迎える。

これに先立ち、イギリスがパレスチナ地方の委任統治をはじめる大きな転機となったベエルシェバの戦いから100年を記念する国家行事が10月31日、ベエルシェバにて執り行われた。

なぜイスラエルがこれを祝うのかといえば、結果的にはこの戦いが、パレスチナ地方のトルコによる支配を終わらせ、イギリスが支配権をとったことで、ユダヤ人の移民が進み、建国への大きな足がかりになっていったからである。

ベエルシェバの戦いは、世界にとって、またイスラエルにとってのターニングポイントになったのである。

ベエルシェバの戦いは、イギリスを中心とする連合軍と、ドイツ、オスマントルコとの戦いであった。ここで連合軍として戦ったのが、アンザックとよばれるオーストラリア・ニュージーランドの将兵である。このため、ベエルシェバには、大きな十字架を掲げたアンザック将兵たちの広大な墓地がある。

31日には、この墓地で、ネタニヤフ首相、オーストラリアのターンブル首相、ニュージーランドのレディ総督が出席する中、国家記念行事が盛大に執り行われた。

http://www.bbc.com/news/world-australia-41826602

式典では、ネタニヤフ首相たちが参列する中、クリスチャンであった兵士たちのために様々な賛美歌が流れ、詩篇23篇が朗読された。一方で、オーストラリアのアボリジニが伝統の楽器を奏でたり、ニュージーランドのマオリ族の祈りがささげられるなど、若干霊的戦いを思わせる場面もあった。

100年前を彷彿とさせるアンザックの騎馬隊が再現され、人々はこの歴史的なできごとと、そこで命を落とした兵士たちに思いをはせていた。

<第一次世界大戦勃発からベエルシェバの戦い>

1914年、オーストリアの皇太子が暗殺されるというサラエボ事件が発生。これを機に、ドイツ、オスマントルコと、連合軍(イギリス、フランス、ロシア)が戦争を始めた。これが人類初の世界大戦である。

この時代、パレスチナは、オスマントルコの支配下にあったが、1882年から始まった、ヨーロッパからのユダヤ人のアリヤ(移住)の波は2度目となり、テルアビブの開拓がはじめられたころだった。エルサレムは、まだ城壁の中だけにしか人がいない時代である。

この当時、オスマントルコが徐々に勢力を失いはじめていたため、イギリスは、アラブ人をあおってオスマントルコに反乱させることを考えた。そうして1915年、イギリスは、メッカの太守でベドウィンのフセイン・イブン・アリーに協力を求め、トルコ崩壊時はアラブの帝国を設立することを約束する。これがマクマホン・フセイン協定である。

その翌年1916年、イギリスは、フランスと中東をどう分割するかについて話しあった。これをサイクス・ピコ協定という。この時期、石油の重要性が注目され始めたころだった。ロシアは、ボルシェビキ(ユダヤ人)が主導する内戦が勃発したことから、世界戦争から身をひかざるをえなくなっていた。

この流れの中、まだ国を持たないユダヤ人シオニストたちが、国家設立に向けて動き出すのである。当時はまだイギリスにつくのか、オスマントルコにつくのかで判断が難しい時代だった。トランペリドールと、ジャボティンスキーは、イギリスに道を選び、イギリス軍の中にユダヤ人部隊を立ち上げるよう奔走する。

ユダヤ人は1915年のガリポリの戦い(イギリス、フランスなど連合軍がトルコのガリポリ半島へ上陸しようとして失敗した作戦)において、ろばによる輸送隊として貢献したことから、正式なユダヤ人部隊がイギリス軍の中に立ち上がった。

その翌年2017年、イギリスは、北アフリカからパレスチナ地方へとオスマントルコをおいつめたが、ガザをどうしても攻め落とすことができなかった。トルコはドイツとともに、ガザとベエルシェバを結ぶラインを固辞しており、イギリス率いる連合軍はそれより北へは進めない状態が続いた。

ここで登場してくるのがアレンビー将軍である。アレンビー将軍は、連合軍はガザへ攻め込むと見せかけ、ベエルシェバと奇襲。続いてガザも攻め落とし、そのわずか6週間後の12月、ついにエルサレムを陥落させることになったのであった。

このベエルシェバでの戦いを戦ったのは、アンザックとよばれるオーストラリア軍、ニュージーランド軍であった。アンザックは、騎馬隊で、塹壕から銃撃してくるドイツ軍、トルコ軍を前に、正面から突撃し、その頭上を飛び越えてベルシェバに突入。町を奪回したという。

この戦いで戦死したオーストラリア人兵士は173人、ニュージーランド人兵士は31人。ベエルシェバには、この戦いの面影を残す場所が多数残されている他、ここで戦死したトルコ軍兵士を記念する石碑も残されている。

http://www.kkl-jnf.org/tourism-and-recreation/israeli-heritage-sites/anzac-trail/sites/anzac-sites-beersheba/

<バルフォア宣言>

ベエルシェバでの勝利の数日後の11月2日、イギリスのロイド・ジョージ内閣のバルフォア外相が、シオニズム運動を支えていた第2代ロスチャイルド卿に、ユダヤ人のホームランドを設立することに全力を尽くすと書いた書簡が送られた。これがバルフォア宣言である。

この書簡は、先の2つの協定とは違い、イギリス政府の公式書簡であった。このため、戦後、パレスチナ地方でイギリスによる委任統治が始まると、イギリスは、ユダヤ人移民がパレスチナ地方(ヨルダン川より西に入ってくるのを許したのであった。

一方、アラブ側はフセイン・マクマホンの約束が守られないことに立腹する。このため、イギリスは、フランス領シリアから追い出されたフセインの息子ファイサルをイラクの国王にすえ、フセインのもう一人の息子アブドラをヨルダン側東岸んトランスヨルダンに据えた。チャーチル英首相はこれでフセイン・マクマホン書簡の約束は果たせたと考えたのであった。

いずれにしても、このバルフォア宣言は、ユダヤ人の祖国イスラエル再建への大きな一歩になったということである。

このバルフォア宣言が出されてから今年100年になる。ネタニヤフ首相は11月2日にイギリスで行われる記念式典に出席するため、1日、イギリスへ向かった。イスラエル国内での記念式典は11月7日の予定。

BBCは、バルフォア宣言は、イスラエルにとっては祝いかもしれないが、同時にパレスチナ人にとっては、解決不能な中東問題の原因になったと伝えている。

http://www.bbc.com/news/uk-41819451

<イスラエルとクリスチャンシオニストの関係>

イスラエルが建国するまでには、祈りだけでなく、実際的な面においても様々な形でクリスチャンが大きな影響を及ぼしてきた。バルフォア宣言は、通常、アセトンを発見して、第一次世界大戦中でのイギリスの勝利に貢献したユダヤ人化学者ワイツマンの功績とされている。

しかし、それだけでなく、当時の英ロイド政権に多数のクリスチャンシオニストがいたことも注目される事実である。

イスラエル人歴史学者アビ・ベン・ハー氏によると、当時の首相ロイド・ジョージ、その外相で、バルフォア宣言を書いたアーサー・バルフォアもクリスチャン・シオニストであった。

この分野を専門とするシャロム・ゴールドマン博士も、バルフォア宣言の背後には、聖書に基づくプロテスタントたちのクリスチャンシオニズムの考えが大きな影響を及ぼしたと強調する。

このことから、イギリスのクリスチャンの多くは、この時代のイギリスは、近代のクロス王(バビロン捕囚以来、ペルシャにいたユダヤ人にイスラエルへ帰るよう指示した王)だったと考えている。バルフォア宣言100周年を記念し、イギリスではクリスチャンたちによるイベントも企画されている。

クリスチャンシオニズムはユダヤ人のシオニズムより100年も遡るという。もっとも古い例は、デンマークのホルガー・パウリ(1644-1714)のケース。パウリは、突然、ユダヤ人の王、メシアであると自称し、ユダヤ人をキリスト教に改宗させ、イスラエルの地に連れていく召しを受けたと主張した。

パウリはちらし配りをしていたほか、少人数のユダヤ人を集めて家庭集会などをしていたようだが、最終的には、デンマークの政府からこれを差し止められた。パウリは、いわばクリスチャンシオニストの走りのようなもので、ユダヤ人の歴史には、「宗教ファナティック(極端)」と記録されている。

近年においては、福音派クリスチャンがクリスチャンシオニストとして、イスラエルをサポートしている。これについて、今のイスラエルのユダヤ人たちは、「ユダヤ人がイエスを信じることで再臨があると考えているからだ。」と懐疑的になっている。しかし、それも少しづつ変わってきているようでもある。

バルフォア宣言100周年にあたり、エルサレムポストがクリスチャンシオニストたちに関する記事をだしていたが、それによると、今の福音派クリスチャンは、パウリほどユダヤ人改宗に熱心ではない。中には、純粋にイスラエルの再建をただただよろこんでいる者もいるとも書いている。

そのまま喜んでいいのかどうなのか複雑なところだが・・・

イスラエル政府も、これからの時代、クリスチャンしか見方はいないと判断。先日もクリスチャンメディアサミットを政府みずから開催し、イスラエルへの支持を求めたところである。イスラエルとクリスチャンの関係が今、新たな時代に入りつつある空気を感じ始めている。

http://www.jpost.com/Opinion/Christian-Zionism-and-the-Balfour-Declaration-508034

*イスラエル建国当時にもいた現地アラブ人のクリスチャンシオニスト

筆者の友人にナザレに住むアラブ人クリスチャンの家庭に生まれた女性がいる。彼女の父カルメル・マターさんは、すでに召されたが、生きていれば100歳になる。プロテスタントの牧師で、非常に福音的でどこへ行っても福音をのべつたえるような人だった。

マター牧師は、昔からナザレに住むアラブ人だが、聖書を読んでいて、やがてユダヤ人が帰ってきてイスラエルを再建されると確信していたという。そのため、ほかの祈りは忘れても、イスラエルの再建のための祈りは欠かしたことがなかった。そんなマター牧師を、アラブ人の友人は疎んじていたという。

しかしやがてユダヤ人の軍隊がナザレにもやってくる。マター牧師とその妻は、預言が成就したと大きなよろこびに満たされ、なんの抵抗もなく白旗をあげてユダヤ人たちを迎え入れた。マター牧師の話を受け入れなかったアラブ人の友人は、イスラエルを受け入れることができず、今もヨルダンに行ったままだという。

地元アラブ人は、通常はユダヤ人に土地を奪われ、そこから追い出されたという歴史があるので、通常は、クリスチャンであってもイスラエルに苦い思いを残す場合が多い。しかし、ただ聖書ゆえにイスラエルの再建のために祈り続け、その実現を見て、心から喜んだアラブ人クリスチャンがいたとは驚きだった。

マター牧師のように、白旗をあげたナザレのアラブ人たちは、イスラエル建国後もそのままナザレに住むことができた。

しかし、残念なことに、今に至るまでの間に、経済や治安の悪さからクリスチャンはどんどんナザレから出て行きつつある。かつてはクリスチャンが多数派であったナザレだが、今はムスリムが多数派のイスラムの町になっている。しかし、少数派ながら福音派の教会もあるという。
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一致へのよびかけ!?:故ラビン首相暗殺22周年 2017.11.2

 2017-11-02
1日水曜、1995年に故イツハク・ラビン首相が、過激右派ユダヤ人に暗殺されたから22周年を迎えた。エルサレムでは、ヘルツェルの丘で国家記念式典が行われた他、リブリン大統領官邸でも特別なイベントが行われた。

さらに、今週土曜、安息日あけには、毎年恒例、ラビン首相暗殺の現場となったテルアビブの、今は”ラビン広場”と呼ばれているところで、市民たちの大きな記念ラリーが行われる。

ラビン首相がなぜこれほどまでにイスラエルに大きな影響を今も与え続けているのか。それは、ラビン首相が、真実に平和への深い願いを持ち続けていたことを市民たちが感動しているからである。

しかし同時に、ラビン首相が、平和をもたらすと信じて、1993年に決行したオスロ合意(宿敵アラファト議長との和解)が、逆にテロを増加させ、多くのイスラエル人を犠牲にしたという現実は否定できない。このため、右派たちはラビン首相を支持しない傾向にある。

いうならば、ラビン首相は、それでも平和のためにパレスチナ人との対話を続けるべきだとする左派と、パレスチナ人との対話は無駄であると主張する右派との決別を作り出したとも言えるのである。

右派と左派の対立は近年、増強する傾向にある。現ネタニヤフ政権は、明らかに右派で、トランプ大統領がイスラエルよりということもあいまって、左派の主張とは反対に、パレスチナ人との対話を遮断し、西岸地区の入植地拡大や、エルサレム拡大と次々に論争となる政策を打ち出している。

強硬な路線を実施するため、ネタニヤフ首相の権限が増し、反対者の意見は握り潰され、首相は刑事訴追を免れるという法案まで出るようになっている。この国家の分裂、民主主義が危機に陥り始めていると懸念する発言を繰り返しているのが、リブリン大統領なのである。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5037140,00.html

<右派左派融和への動き?:テルアビブでの大記念ラリー 11/4予定>

水曜にヘルツェルの丘で行われたラビン首相追悼記念式典において、故ラビン首相の息子ユバルさんは、名前こそ出さないまでも、今のイスラエルは、分裂がすすみ、政府と違った考えを持つものは、すぐに「裏切り者」のレッテルをはられると批判した。

これに対し、ネタニヤフ首相は、ラビン首相は国に忠実であり裏切り者ではなかったが、その政策は誤りであったと語り、「私は私の判断で進む。」と答えた。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/237518

ラビン広場でのイベントは、基本的には左派が行ってきたイベントである。しかし、オスロ合意から確かにテロが増えたことなどから、徐々に左派が左派色を失いつづあるのかもしれない。

今年のテーマは、「私たちは記憶する:私たちは一つの民」となっており、暗殺そのものが強調されていないということである。さらに今年は、西岸地区入植地に住む右派たちのスピーチも予定されている。これは、イベント始まって以来のことである。

また、国の一致がテーマになるならと、これまでは参加したことのない右派議員たちが、イベントへの参加を考えている。右派ユダヤの家党で、農業相を務めるウリ・アリエル氏が参加を表明している他、大三神殿推進派で知られる右派リクードのユダ・グリック議員は、イベントに参加すると思われる。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/237549

左派議員などからは、こうした右派との迎合傾向が、過激右派に暗殺されたラビン首相の追悼式典にふさわしいかどうかと疑問を投げかけている。「このイベントの本来の目的はなんだったか。ラビン首相は右派に暗殺された。一致は大事だが、歴史を歪曲してはならない。」と訴えている。

http://www.jpost.com/Israel-News/Left-wing-politicians-angered-by-settlers-planned-speeches-at-Rabin-memorial-service-512041

https://www.haaretz.com/israel-news/.premium-1.819841
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