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2017年 聖地イスラエルのクリスマスから 2017.12.26

 2017-12-26
エルサレム問題で、世界に物議となっているエルサレムも、12月24日-25日。今年もクリスマスを迎えた。

イスラエルにいるキリスト教徒は、総人口の2%である。住民のほとんどがユダヤ人である西エルサレムにクリスマスの気配はまったくないが、旧市街のクリスチャン地区では、クリスマスツリーや、サンタクロースの人形などもみられた。

エルサレム市は、”すべての宗教にオープン”であるイスラエル支配下のエルサレムをアピールするため、今年も旧市街にて、キリスト教徒に、クリスマスツリー用の木(約2m)150本を無料配布した。

スポンサーは、エルサレム市だが、実際に配布するのは、エルサレム在住のパレスチナ人クリスチャン、イッサ・カシシアさんである。

カシシアさんは、サンタクロースに紛争し、らくだに乗って、エルサレム旧市街でツリーの木を配布した。なお、同様のクリスマスツリーは、ユダヤ機関自然保護団体でも1本20ドルで販売されている。

http://www.jpost.com/jerusalem/Camel-riding-Santa-offers-free-Christmas-trees-to-Jerusalem-residents-519671

<ベツレヘム>

ベツレヘムでは、ここ3週間ほどパレスチナ人とイスラエル軍との衝突が続いたが、今年も生誕教会広場前に巨大なクリスマスツリーが飾られ、市をあげてのパレードやクリスマス・バザールが行われた。夜には、例年のごとく、アッバス議長も参加して、生誕教会でのミサが行われた。

観光客はやはり例年より減少した。しかし、巡礼として来ることを計画にしていた人々はキャンセルしなかったため、今のところ、特に大きな影響はでていないもようである。しかし、今後1月にかけてキャンセルが相次ぐことが、懸念されている。

西岸地区国境では、サンタに紛争したデモ隊とイスラエル軍がもめあいになったり、イスラエルとの防護壁前でサンタが写真を撮ったりした。ベツレヘムでは、”エルサレムはパレスチナの首都”と訴えるビラが、配布された。

ガザ地区との国境では、金曜、2000人ほどのパレスチナ人とイスラエル軍が衝突し、パレスチナ人が2人死亡した。サンタの扮装をしたパレスチナ人も負傷した。

https://www.timesofisrael.com/bethlehem-christmas-celebrations-kick-off-under-shadow-of-trump-tensions/

<ナザレ>

イスラエル国内最大のアラブ人の町ナザレでは、イスラム教徒のアリ・サラム市長が、トランプ大統領のエルサレム宣言に抗議するとして、市をあげてのクリスマスのイベント(パレード)をキャンセルすることを検討していた。

しかし、最終的には、パレードは行われ、数千人のアラブ人、ユダヤ人がイベントを楽しんだ。

http://www.jpost.com/Israel-News/Thousands-turn-out-for-Christmas-parade-in-Nazareth-519828
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アメリカに続く?:エルサレムへ大使館移転検討の国は10カ国以上か 2017.12.26

 2017-12-26
12月6日、トランプ大統領が、エルサレムはイスラエルの首都と宣言して以来、アメリカとイスラエルが非難の的となり、国連安保理(19日)、国連総会(21日)、双方で、アメリカはエルサレムに関する宣言を撤回すべきとの採択がなされた。

ところがその4日後の25日、南米のグアテマラが、アメリカに続いて大使館をエルサレムへ移動する準備を始めたと正式表明。

続いて、イスラエルのネタニヤフ首相が、CNNのインタビューの中で、イスラエルは同様に複数の国から、大使館の移転に関する打診を受けていると語ったが、夜になり、イスラエルのホットベリー外相が、大使館移転を検討している国が10カ国以上にのぼっていることを明らかにした。これまでの経過は以下のとおり。

http://www.jpost.com/Israel-News/More-than-10-countries-mulling-embassy-moves-to-Jerusalem-says-Hotovely-520019

<反米・反イスラエルの国連決議案採択>

12月19日、国連安全保障理事会(15カ国)は、エジプトの要請により、トランプ大統領のエルサレムはイスラエルの首都と発言したことについて、発言を撤回するべきと考えるかどうかの採択を行った。

結果、日本を含むアメリカ以外の14カ国全員が賛成票を投じた。アメリカが拒否権を発動することはわかっていたことなので、これは、安保理とその加盟国の意思をアメリカとイスラエルにつきつける意図で行われたようなものである。この安保理会議は日本が議長であった。

続いて、21日には、緊急の国連総会(193カ国)が開かれ、安保理と同様の採択を行った。結果は、128カ国(66.3%)が賛成。反対はアメリカを含む9カ国。棄権は、35であった。

パレスチナ自治政府は、この結果は、パレスチナの勝利だと表明した。しかし、イスラエルは、実際には、イスラエルの国際社会での立場は改善してきたとみている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5060274,00.html

賛成票が128カ国(66.3%)というのは、厳しい結果ではあるが、2012年11月の国連総会で、反イスラエル票を投じた国は、138カ国(71.5%)であった。実際には、国際社会でのイスラエルの立場は改善傾向にあるとの見方もある。

イスラエルは、こうした国連総会決議の時に、少しでも反イスラエルの票を減らすため、南アメリカや、アフリカ諸国などで、支援活動を展開してきた。その結果なのかどうか、イスラエルから支援を受けている南アメリカ諸国、アフリカ諸国は、今回、反対票を投じるか、棄権に回っていた。

ネタニヤフ首相は、今後、反イスラエル票を投じる国はどんどん減っていき、14年後までには、過半数を割るだろうとの見通しを語っている。国名は明らかにしなかったが、大使館の移動について、水面下でイスラエルにアプローチしている国がいくつかあるとネタニヤフ首相は語っている。(CNNインタビュー)

<グアテマラがエルサレムへの大使館移動を表明>

国連決議から4日目の25日、国連決議には反対票を投じていた9カ国の一つグアテマラが、アメリカに続いて、大使館をテルアビブからエルサレムに移転する準備を指示したと発表した。

グアテマラのモラレス大統領は、25日、フェイスブックへの投稿で、グアテマラは、イスラエルが誕生して以来、よい関係を続けてきたとし説明。「ネタニヤフ首相と話し、大使館をエルサレムへ移すことにして、準備を指示した」と発表した。

国連総会での採択に先立ち、トランプ大統領は、怒りを込めて、「(国際社会)はアメリカから何十億ドルもとりながら、アメリカに敵対する採択を行うという。どの国が賛成するかみようではないか。我々には節約になるだろう。」と、賛成する国への支援は差し止める可能性を示唆するかのような意思表示をした。

https://www.timesofisrael.com/trump-threatens-to-slash-aid-to-countries-backing-un-jerusalem-vote/

これが原因かどうかは不明だが、グアテマラは、アメリカからの多大な支援を受けている国の一つである。

<反イスラエル票を投じた直後:河野太郎外務大臣がイスラエル訪問>

国連での決議で賛成票を投じた日本。日本のメディアによると、日本が棄権しなかったのは、賛成票でも棄権票でもアメリカの心証を壊すことに変わりはないと判断し、賛成票を投じたのだという。

背景はどうあれ、日本は、国連総会で、エルサレムがイスラエルの首都であることは認めないという決議案に賛成票を投じ、イスラエルの心証を大きく傷つけたことになる。

にもかかわらず、国連総会のわずか3日後の25日から、全く何もなかったかのように、日本の河野外務大臣が、イスラエルを公式訪問し、ネタニヤフ首相、リブリン大統領と会談。ホロコースト記念館も訪問するなど、イスラエルとの友好関係をアピールした。国連総会後のイスラエルへの公式訪問は、日本が初めてである。

日本は、ここ数年、サイバー技術関連などで、イスラエルへの投資と協力関係の強化へのりだしている。河野外相によると、日本からイスラエルへの投資は、この3年で20倍になっているという。(以前が0に近かったということ)

近く日本からイスラエルへの直行便を実現したいとか、2019年には両国の国交65周年には、天皇がイスラエルを訪問するとかの話にもなっているようである。

単に無神経なのか、イスラエルにとってのエルサレムの重要性を十分理解していないのか、いわば、日本らしく、「立場上反対できなかった」と、苦しいフォローしているのか・・・。ネタニヤフ首相も、あえて、国連でのことは話題にあげず、両国の経済文化交流だけを話し合ったという。しかし、リブリン大統領は、「東京が日本の唯一の首都であるように、エルサレムは、我々の首都です。」と河野外相に伝えたという。

日本のメディアによると、河野外相は、改めて、エルサレムをイスラエルの首都とすることに同調できないと伝えるとみられていたが、イスラエルのメディアによると、その話はなかったようである。

河野外相はこの後、パレスチナ自治政府も訪問し、ヨルダン、オマーン、トルコを訪問する予定。

https://mainichi.jp/articles/20171226/k00/00m/010/116000c (毎日)
http://www.jpost.com/Israel-News/Japans-foreign-minister-visits-days-after-Tokyos-anti-Israel-UN-vote-520032(エルサレムポスト)

<トランプ大統領:国連への拠出2億8500万ドル削減へ>

アメリカは、国連が、多額の拠出金を受けているにもかかわらず、アメリカがエルサレムを首都と認めることについて、撤回すべきであるとアメリカに反対したことについて、激怒している。

国連総会での決議から、3日後の24日、アメリカのヘイリー国連代表は、国連決議との関連は述べなかったが、「国連の予算の使い方に問題がある。これ以上容認できない。」として、アメリカの国連への来年度(2018-2019)拠出金から2億8500万ドルを削減すると発表した。(国連予算のアメリカの拠出金が占める割合は22%(33億ドル))

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5061535,00.html

トランプ大統領は、世界最強の国の大統領としての上品さなどには、まったく興味のない、実利本位のビジネスマンである。「アメリカから金や支援をもらっているくせに、アメリカを孤立させるとはどういうことだ。もう金を出すいわれはない。」というわけである。

政治以外の世界では、いかにももっともな話かもしれないが、これで最終的に困るのは、戦争で医療も食料もなく死んでいくシリアやイエメンの難民であり、正しく管理されなくなる世界遺産である・・・と懸念されるとこころでもある。

<イスラエルはユネスコ脱退へ>

ネタニヤフ首相は、国連総会での決議の翌日金曜、ユネスコのイスラエル代表に、イスラエルはユネスコから離脱すると表明するよう指示した。これにより、2018年1月から、イスラエルもアメリカとともにユネスコを離脱する。

アメリカはすでに10月の時点で、イスラエルに対する不当な決議を続けているとして、ユネスコからの離脱を表明しており、2018年1月1日からこれが発動する事になっていた。イスラエルもこれに加わる形である。

http://www.jpost.com/Israel-News/In-gratitude-to-US-Israel-to-announce-UNESCO-exit-519860

<石のひとりごと:国連決議の意味>

エルサレムはイスラエルの首都かどうか。この質問は、現状だけでなく、歴史的、考古学的にも明らかであることはいうまでもないが、究極のところ、聖書が真実であると信じているかどうか。もっというなら、聖書の神が神であると信じているのかどうか、というのと同じ問いかけになる。

なぜなら、聖書には、神が明らかにエルサレムを選んで、そこにイスラエルの神の名を置き、そこにイスラエルの王ダビデを立てた、つまりは、イスラエルは神が定めたイスラエルの首都であると言っているからである。(第二歴代史6:6)

聖書を持たないイスラム諸国が、トランプ大統領の宣言に反対しても不思議はない。しかし、イギリス、フランス、ドイツなどは伝統的に聖書を信じるキリスト教の国である。それが、たとえ表向きだけであったとしても、国としてにエルサレムがイスラエルの首都とは認めないと、”公式”に意思表示したということは、よく考えれば非常に恐ろしいことである。

それにしても、国連はどうなってしまったのだろうか・・・日本の動きを見てもあきらかなように、諸国は今、自分の国の発展のために、実際には、イスラエルに近づいているのに、国連という場においては、ポリティカルコレクトの顔を維持するか、アラブの機嫌をそこねないために、反イスラエルの立場を優先する。それが、たとえ、明らかに事実に反しているとしてもである。

国連は、それぞれの国が自分の立場を守ることに集中する単なる外交の場になり、本来の世界の平和と繁栄を守るという目的を見失ったということである。

結果、世界で最も資金を供給してきた国アメリカを怒らせて、資金を削減されてしまい、聖書関連の世界遺産をおそらく最多管理しているイスラエルが、ユネスコから離脱する。国連は、もう正しく機能しなくなっていると言ってもよいだろう。

トランプ大統領がしていることを見るとき、はだかの王様を見ているのに、はだかではないふりをしている人々前で、「王様ははだかだ。」と言っているようにみえてならない。皆、実はそれに気づいているのだが、公に認めないだけである。本当のことより、国益や関係重視という、日本人なら、十分理解できそうな悪循環に陥っているようである。結果アメリカは孤立するのである。

聖書には次のように書かれている。いかにも現状を表しているである。

見よ。わたしはエルサレムを、その回りのすべての国々の民をよろめかす杯とする。ユダについてもそうなる。エルサレムの包囲されるときに。その日、わたしはエルサレムを、すべての国々の民にとって重い石とする。すべてそれをかつぐ者はひどく傷を受ける。地のすべての国々はそれに向かって集まってこよう。(ゼカリヤ書12:2-3)

アメリカはいわば、今イスラエルをかついだ状態のようになっているが、確かに傷を受けたようである。

この聖書箇所によると、この後、エルサレムをイスラエルの首都と認めず、アメリカの宣言に反対する国々がエルサレムを包囲し、攻めてくることになる。

その時多くの国々が戦いの中で、盲目となり、混乱に陥る。しかし、聖書の神、すなわち、イスラエルの神に依り頼むエルサレムは、元のところにそのまま残ると聖書は預言している。

今後は、いかにポリティカルに間違っているようにみえても、エルサレム、イスラエルの背後におられる神を、たとえ信じなかったとしても、あなどったり、否定することは、決して益にはならないだろう。
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パレスチナ世論:カリード・シカキ博士/統計学者 2017.12.26

 2017-12-26
パレスチナ世論:カリード・シカキ博士/Palestinian Center for Policy and Survey Research (ラマラ)

イスラエルや国際社会の話しになっているが、パレスチナ人はどう考えているのだろうか。

パレスチナ人の世論調査で知られるシカキ博士が、トランプ大統領のエルサレム首都宣言以降、パレスチナ世論がどう変わったのか発表した。それによると、エルサレムがイスラエルの首都になることに否定的な考えを持つ人は91%にのぼる。

興味深いことは、国際社会ではパレスチナ人の指導者とみなされているアッバス議長の支持率が、これまでからも低かったのではあるが、トランプ発言でさらにさがり、今では、パレスチナ人の70%が、辞任を望んでいるという。

その原因をシカキ博士に聞いたところ、まずは、パレスチナ自治政府の中では、あたりまえになっている汚職。それから、これまで長年議長をしてきたにもかかわらず、なんのよい変化ももたらさなかったばかりか、いよいよエルサレムを失いそうになっているからである。

なぜ、辞任に追い込まれないのかというと、ハマスとファタハが分裂したままになっているので、総選挙ができないからだという。

パレスチナ人は、またサウジアラビア、エジプト、ヨルダン、カタールなど、スンニ派諸国への信頼も失っている。特にサウジアラビアは、イスラエルに接近しているとも言われているせいか、これらのアラブ諸国が、パレスチナ人の益になるような和平案を提示することはないと見るパレスチナ人は、75%と高い数値になっている。

これらのことから、パレスチナ世論は、暴力に訴えることが、国家設立につながると考える人が、35%から44%にまで増加した。これを反映してか、もし、今総選挙が行われた場合、ハマス指導者のハニエが楽勝するとの結果になっている。

ところで、東エルサレムでは、イスラエルの市民権を申請するパレスチナ人が急増している。ということは、エルサレムが、イスラエルの首都になることを、パレスチナ人も、実際には喜んでいるのではないかと質問した。

シカキ博士はこれを否定した。エルサレムがイスラエルの首都になった場合、イスラエルが自動的に東エルサレム在住のパレスチナ人を自動的に市民として迎えるとは考えられないからである。

シカキ博士によると、東エルサレムのパレスチナ人が、イスラエルの市民権を取ることは、非常に難しい。「イスラエルは、パレスチナ人にはいってきてもらいたくないのだ。これが真実だ。」と語った。

シカキ博士は、西岸地区のパレスチナ人も東エルサレム在住のパレスチナ人も、今、国を2つに分け合う2国家案が、本当に可能かどうかを見極めようとしていると説明する。

パレスチナ人の国が立ち上がり、東エルサレムが首都になれば、その支配下に入ることが望ましいと考える東エルサレムのパレスチナ住民は少なくとも70%はにのぼる。しかし、今はまだそれが叶いそうもないので、とりあえず、イスラエルの市民権をとってパスポートを得ようとしているだけだということである。

余談になるが、これはイスラエル在住のアラブ人とは違っている点である。イスラエル国籍アラブ人は、たとえ、パレスチナ国家が立ち上がったとしても、その支配下へ入ることは拒否している。その場合でもイスラエルに残留することを望んでいるということである。

http://www.pcpsr.org/en/node/715
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記録的干ばつで政府が祈り要請 2017.12.26

 2017-12-26
クリスマスイブの24日夕方から25日にかけて、イスラエルでは、待ちに待った雨が降った。しかし、降ったり止んだりの降ったとは言い切れないようなミゼラブルな雨であった。

現代イスラエルは、海水を淡水化するなどの技術があるため、日常生活にはほとんど影響がないのだが、実際には、ここ5年間、ずっと干ばつが続いている。これは、過去40年で最悪の事態だという。

イスラエルでは、通常、仮庵の祭りが終わった頃から雨が降り始めるのだが、今年も、まだ弱い雨が2回ぐらいしか降っていない。しかも例年より気温は暖かい日が続いている。気象学者によると、今年もイスラエルの農業が必要とする雨量の47%にとどまる見通しだという。

Yネットによると、豊かな湧き水で人々が渓流歩きを楽しむゴラン高原、テル・ダンの美しい渓流が干上がっている。

イスラエル国立公園ゴラン教育センターのナアマ・マンスフィールド氏によると、テル・ダンでは、渓流の流れが弱くなったことで、ゴラン高原にいる牛(バシャンの牛)など動物たちの糞が流れきらず、夏の暑さで危険な大腸菌が繁殖した。そのため観光客たちには、水のあるところには入らないよう、指示が出されたという。これは異例の事態である。

この影響が、イスラエルで最も肥えた地であり農業の中心であるフラ・バレーなど北部の農家が影響を受け始めている。この地方では、まだ海水から淡水化された水の供給が十分ではなく、自然の雨とゴラン高原からの湧き水、地下水が不可欠である。

雨が降らない上に、水の価格が上昇しはじめており、対策が急がれている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5060767,00.html

<イスラエル政府農業相が断食と祈り集会よびかけ:嘆きの壁>

雨だけは、人間の努力でどうにかなるものではない。ラビたちは、「神はユダヤ人に対して怒っておられる。」として、断食と悔い改めをして神に雨をふらせてくださるよう祈れと呼びかけている。

ラビだけではない。イスラエル政府農業省のウリ・アリエル農業相が、21日木曜、嘆きの壁で、神に雨を求める祈り会を行うと発表し、広く市民たちにも参加するよう、呼びかけている。

祈りを導くのは、チーフ・ラビ局から、ラビ・ダビッド・ラウ、ラビ・イツハク・ヨセフで、農業従事者や、開拓入植者の指導者たちが参加する。そこに市民たちにも参加するよう、呼びかけているのである。

ウリ農業相によると、政府は、農家を助けるため、これまで、水道料金を下げたり、少ない水で育つ作物の研究に投資するなどしてきた。それでも干ばつは続いている。人間にできることは、もう祈りしかないということであろう。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5061051,00.html
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エルサレム:ハヌカの祭り始まる 2017.12.14

 2017-12-14
イスラエルでは、12日夜から20日までハヌカの祭りとなる。エルサレムでは、嘆きの壁をはじめ、町のあちこちに電気式の大きなハヌキアが設置されており、12日から毎日、8日目まで1本づつ光が灯される。

トランプ大統領のエルサレム首都宣言以降、イスラエル、特にエルサレムは危ないと思われているようだが、市内はいつもとかわらず、平和なハヌカを迎えている。

エルサレム市内では、この時期特有のスイーツ、華やかな色とりどりのスフガニヤ(揚げパン:ドーナツ生地ではなくパン生地)が町を楽しい雰囲気にしている。日本ではクリスマスイブにケーキ屋さんがはやるが、エルサレムでも、夕方、スフガニヤを購入する人で列ができるほどだった。

エルサレムにあるミュージアムや、国立図書館などでは、ハヌカの間中、中庭で宝探しをするなど、家族連れで楽しめるプログラムが用意されている。

https://www.itraveljerusalem.com/article/hanukkah-in-jerusalem/

しかし、中には偶像礼拝的なものもあり、懸念されるところである。たとえば、バイブルランドミュージアムでは、ギリシャ神話から、人間を作ったとされるプロメテウスが、ゼウスから火を奪って人間に与えたといった、設定で子供達がゲームを楽しむ。

イスラエルは、聖書を基盤とした国ではあるが、世界に普通にある偶像のたぐいも普通にある。イスラエルを壊そうとするものは、外側だけでなく、内側にもあることを覚えて、とりなしていただければと思う。

*ハヌカ

この祭りは、紀元前175年に、アレキサンダー大王の時代の後、イスラエルを含むシリア地域を支配していたセレウコス朝シリアを、マカビー一家が撃退し、エルサレムの神殿を聖めたことを記念する例祭。

聖書的な例祭ではないが、イエス時代にも祝われていたことが新約聖書から伺える。(ヨハネの福音書10:22−23)宮きよめということで、主への再献身する時でもある。

<ホワイトハウスのハヌカ>

世界に歴史的なエルサレムはイスラエルの首都との宣言を出し、世界中に混乱を巻き起こしているトランプ大統領もホワイトハウスでハヌカの祝いを行った。

トランプ大統領は、ユダヤ人の兄弟姉妹にと呼びかけ、ハヌカの祝福を述べた。また、ハヌカの歴史を振り返り、「アメリカは、国々の光として輝くユダヤの人々とともに立つことを誇りに思う。」と述べた。

ただし、トランプ大統領と敵対する民主党党員や、保守派ユダヤ教徒は祝いの席に招いていなかった。祝いの席が喧嘩になるからである。トランプ大統領は、オバマ前大統領とは対照的である。ポリティカルコレクトネスはかけらもない、全くの実質主義者のようである。

https://www.timesofisrael.com/trump-melania-wish-our-jewish-brothers-and-sisters-a-happy-hannukah/

<アレンビー将軍のエルサレム入城100周年>

1917年12月11日、第一次世界大戦中の中で、イギリス軍のアレンビー将軍が、エルサレムを、400年に及ぶオスマントルコの支配から解放した。今年はそれから100年になる。

エルサレム旧市街では、11日、ヤッフォ門に隣接するダビデの塔博物館が主催して、アレンビー将軍はじめ、当時の様子に仮装した人々が、当時のようにヤッフォ門から入るというイベントが行われた。

このイベントには、イギリスからアレンビー将軍のひ孫の孫にあたる家族、ニール・バルカット・エルサレム市長が参加した。

http://www.jpost.com/International/Jerusalem-celebrates-a-century-since-Allenby-entered-the-capital-517751

*3宗教のためのエルサレム

第一次世界戦争中、オスマントルコは、それまで開いていた欧米との国交と貿易を遮断してしまったため、イスラエル国内、特に海外からの支援に頼っていたユダヤ人たちは、非常な苦難に陥った。多くが餓死するような苦しい時代であった。

アレンビー将軍の勝利は、当時のエルサレム住民にとってはまさに解放の時であったという。それがちょうとハヌカの時であり、クリスマスの2週間前であったことから、ユダヤ人にとっては、ハヌカの奇跡、クリスチャンにとっては、最高のクリスマスプレゼントととらえられた。

実質的には、アレンビー将軍の入城は、十字軍の勝利とも言われるところである。しかし、当時のイギリス軍には、アラビアのロレンスの働きにより、トルコ打倒に協力した地元アラブ人イスラム教徒たちが多数含まれていた。

このため、アレンビー将軍は、この勝利が、「十字軍の勝利」としてとらえられないよう、かなり配慮したという。勝利宣言の際には、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教、3宗教が自由に礼拝できる街になるといういうことを強調した。

今年のイベントでも、この宣言を読み上げる際、英語、フランス語、イタリア語、アラビア語に加え、今年初めてヘブライ語が使われた。読み上げたのは、カトリック、正教会司祭、ユダヤ教ラビ、イスラム教司祭であった。

しかし、最後には、アレンビー将軍に扮した人が、バルカット市長にエルサレム城門の鍵を「100年たったのでお返しする」といって手渡し、会場の喝采を得ていた。

本来なら、もっと大きな祝典になったはずだが、ちょうどトランプ大統領のエルサレムはイスラエルの首都宣言を受けて、少々、微妙な雰囲気のなかでのイベントになったようである。しかし、不思議なほど、警備にあたる警備員を見なかった。

ダビデの塔の前にあるみやげもの屋の主人は、アラブ人である。イベントの正面に位置するところにあるのに、筆者に、「なにごとか」と聞くので驚いた。イベントが何か知らされていなかったのである。

「この出来事は私達イスラムにとっては心地よいものではない。しかし、まあしかたがないよ。」と言っていた。

<ラビ・シュテインマン(104)の死去と葬儀>

ハヌカの第1日目であったが、ラビ・シュテインマンが早朝、心不全で死去し、同日昼ごろ葬られた。葬られたのは、テルアビブに近いブネイ・ブラック。

葬儀には、見渡す限り黒服といった大群衆の超正統派たちが集まった。これを守る治安部隊も相当な数であったようである。この人々は、テロの危険などまったく意に介さずというところだ。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/239208

ラビ・シュテインマンは、リトアニア系超正統派ラビで、トーラーの天才とも言われていた。それでも質素な暮らしをしていたということで、リトアニア系以外の超正統派の人々にも敬愛されていたようである。リブリン大統領、ネタニヤフ首相も哀悼のメッセージを発信している。
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反米・反イスラエルの波:その後 2017.12.14

 2017-12-14
<イスラエル国内・西岸地区>

1)エルサレム中央バスステーションでテロ


10日午後、エルサレムの中央バスステーション入り口で、パレスチナ人が、警備員の男性の胸部を刺すテロ事件が発生。犯人は、市民にとり押さえられ、警察に連行された。

被害にあった警備員はアシェル・エリメレクさん(46)病院に搬送されたが、重賞でまだ命の危険がある。犯人は、西岸地区ナブルス在住のヤシン・アブ・アル・クラ(24)。「アラーのためにやった。」と言っている。

西エルサレムの中心、しかも市民が日常最も出入りの激しい中央バスステーションでのテロであったため、市民らはショックを受けている。しかし、そこはイスラエル。現場は直ちに通常に戻っている。

https://www.timesofisrael.com/doctors-stabilize-security-guard-wounded-in-jerusalem-attack/

2)北部アラブ人地域ワジ・ワラではイスラエル人へのリンチ未遂

トランプ大統領のエルサレム首都宣言から4日目。今日は東エルサレム、西岸地区は若干落ち着いたが、国内で上記の事件が発生した他、北部アラブ人地区ワジ・ワラで、アラブ人系の若者らが、治安部隊に投石するなどの暴力的なデモが発生した。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/239105

警察が対処していたが、取材に来ていたイディオト・アハロノトの記者ジル・ネフュスタンさんが、ふいに警察が撤退したため、暴徒側に取り残された。記者は危険を察して逃げたが、暴徒はジルさんのバイクを破壊した。

3)西岸地区での衝突

西岸地区では、トランプ騒動から5日目になるが、まだ各地で投石するパレスチナ人とイスラエル軍との衝突が続いている。

パレスチナメディアによると、月曜から火曜にかけて、イスラエル軍による踏み込み捜査があり、西岸地区各地と東エルサレムで17人が連行されたもよう。(この数字はメディアによって格差あり)

http://www.maannews.com/Content.aspx?id=779613

◉ ハマスの息子の父ハッサン・ユーセフ逮捕

水曜深夜、イスラエル軍は、西岸地区でのハマスの最高指導者シーカー・ハッサン・ユーセフ(62)を自宅のあるラマラ郊外で逮捕した。この時の踏み込みでパレスチナ人32人を逮捕したとのこと。このうち少なくとも6人はハマス。

ハッサン・ユーセフは、ハマスの息子モサブ・ハッサン・ユーセフ(39)の父として知られる。モサブ氏は現在アメリカ在住。父の救いのために祈っていると思うが、まだその結果はでていないようである。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/239255

この他、西岸地区ナブルス近郊でイスラエル人の誘拐を計画していたハマス2人が諜報機関により、未然に摘発された。

エルサレム市内はいたって平和だが、その背後でこうした治安部隊の危険な任務が夜な夜な行われているということである。その中でも、兵士たちは高い軍の倫理も守らなければならない。西岸地区では2件の残念な事件が発生した。

一つは、ヘブロンでの作戦中、イスラエル軍司令官が、自分と部下2人のために、パレスチナ人のりんご3こを盗んでいる様子が、ビデオに撮影されたこと。この兵士は、任務から外され、処罰されることになった。

https://www.timesofisrael.com/soldier-dismissed-after-being-filmed-stealing-fruit-from-palestinian/

12日には、西岸地区入植地アリエル付近で、イスラエル兵を襲ったみられるパレスチナ人にイスラエル兵が発砲。重傷を負わせた。しかし、その後、武器を持っていなかったことがわかった。

パレスチナ人はイスラエルの病院で手当てを受けている。こちらも調査が進められている。

https://www.haaretz.com/israel-news/.premium-1.828584

パレスチナはこれからクリスマスシーズンで、ベツレヘムのホテルは、今のところ満員である。しかし、こうした状況を受け、ぼちぼち旅行者のキャンセルが出始めている。

また、イスラエル人ガイドが、西岸地区に入ることが全面禁止となった。友人がガイドを務めていたグループは、ガイドなしという危険な状況で、運転手のみでベツレヘム入りしたという。

イスラエル軍の防衛省コーディネーターのヨアブ・モルデカイ大佐は、パレスチナ人に対し、神殿の丘の状況には全く変わりはない(イスラム教徒は自由に出入り可能)と強調。「クリスマスを妨害して、観光客を失わないようにしたほうがよい。」と警告している。

https://www.timesofisrael.com/idf-warns-further-gaza-rockets-will-be-met-with-severe-response/

<ガザ地区>

1)ガザからイスラエルに続くトンネル発見・破壊

10日、ガザ北部カン・ユニスからイスラエルに続くトンネルが新たに発見され、イスラエル軍はこれをイスラエル領内で破壊した。

イスラエル軍によると、地下トンネル対策の新しいテクノロジーにより、掘り進んでくるトンネルを監視。イスラエル領内へ数メートル入ったところで、爆破せず、静かにトンネルを使用不能にしたとのこと。

10月にもガザからの地下トンネルを大規模に破壊したが、この時にはパレスチナ人12人が死亡した。今回は死者は出ていないもよう。前回はイスラム聖戦のトンネルであったが、イスラエルは、基本的に責任はハマスにあるというスタンスである。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/IDF-neutralizes-cross-border-Hamas-terror-tunnel-second-in-recent-weeks-517583

2)ガザからのミサイル攻撃・イスラエルの反撃

ガザ地区からは、トランプ大統領がエルサレム首都宣言を出してから、金曜、土曜とロケット弾がイスラエル南部へ10発飛来。空き地に落ちたり、迎撃ミサイルが撃墜したが、1発は、スデロット市内の幼稚園の入り口に着弾した。幸い夜で無人であったので、物的被害だけで、人的被害はなかった。

これに対し、イスラエル軍は、ミサイルが発射される都度、ハマス関連の基地や武器庫を空爆。ハマス指導者2人が死亡。子供を含む多数が負傷している。

https://www.timesofisrael.com/idf-warns-further-gaza-rockets-will-be-met-with-severe-response/

11日夜には、ガザ周辺を超えて、アシュケロン方面へミサイルが発射され、迎撃ミサイルが撃墜した。住民たちは、2014年以来となるサイレンに起こされた。エルサレムポストによると、住民は、「ミサイルは数年ごとに飛んでくるのでもう慣れた。今回はトランプ(のエルサレム宣言)以来だ。」と言う人もいるようである。

12日午後、ガザで、バイクに乗っていた2人が、突然の爆発で死亡した。ハマスはイスラエルのピンポイント攻撃だったと非難したが、イスラエルはこれを否定している。

このように、ガザ情勢が徐々に悪化しており、また戦争になる可能性も懸念されている。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/239214

*ガザ情勢でニューヨークの爆破テロ

11日ニューヨークで発生した爆弾テロの犯人は、ガザ地区でのイスラエル軍の攻撃に抗議するものだと、犯人のアカイド・ウラ(27)が自白した。ウラは、ISISの影響を受けていたようだが、直接のコンタクトはなかったとみられている。

この事件では、ウラが自爆テロを決行しようとしたが、失敗し、自分と3人が負傷した。

https://www.timesofisrael.com/new-york-bombing-suspect-was-reportedly-angry-at-israel-over-gaza/

<ペンス米副大統領のイスラエル訪問:17−19日>

大変な反米の渦の中だが、来週日曜からは、福音派キリスト教徒で、親イスラエルで知られるペンス・米副大統領がイスラエルを訪問する。

すでに、パレスチナ自治政府、エジプトへの訪問も断られるなど、反米の渦の中でのイスラエル訪問である。それでも日曜には、嘆きの壁を訪問する予定と発表された。相当な治安部隊が出動すると思われるが、要とりなしである。

http://www.jpost.com/Israel-News/Vice-President-Pence-to-visit-Western-Wall-on-Sunday-517888

<パレスチナ自治政府:ペンス副大統領との面会を拒否>

トランプ大統領が、エルサレムはイスラエルの首都と宣言してから1週間。次のステップとして、今月17日−19日、アメリカのペンス副大統領が、イスラエルを訪問し、18日にはベツレヘムでアッバス議長を面会する予定だった。

しかし、アバス議長はこれを拒否。エルサレムをイスラエルの首都と認めたアメリカは今後中東和平の仲介者ではありえないと表明した。ペンス副大統領は、「パレスチナ人は、また和平へのチャンスを失った。」と語っている。

http://www.jpost.com/Israel-News/Pence-an-architect-of-Jerusalem-recognition-plans-triumphant-visit-517803

中央バスステーションでパレスチナ人がイスラエル人に瀕死の重賞を負わせ、ガザでは、底知れない執念で、イスラエルへの地下テロ・トンネルを掘る。このようなことをしていても、パレスチナ側はこれをいっさい悪いこととは認めようとしない。

前にも書いたが、これはイスラエルの存在自体が悪いと言っているということである。これでは和平交渉がうまくいくはずがない。

このため、トランプ大統領は、まずイスラエルがおり、エルサレムを実質支配していることを認めて、そこから交渉していこうと提案したのだが、アッバス議長はこれを断った。今後は、アメリカ以外の国際社会との連携で、エルサレムはパレスチナ人のものとして独立をめざすということのようである。

<アラブ連盟:アメリカにエルサレム首都宣言撤回を要請>

アラブ同盟は9日、エルサレム問題について、エジプトのカイロで、外相級緊急サミットを行った。参加国は、サウジアラビアなど20カ国で、トランプ大統領に一方的な宣言を非難する声明を出した。

またこのサミットにて、エジプトで最大のキリスト教教会と、スンニ派イスラムの最高指導者は、ともに、20日にエジプトを訪問する予定のペンス米副大統領には面会しないと表明している。

https://www.timesofisrael.com/arab-foreign-ministers-blast-trump-over-jerusalem/

しかし、声明だけで、実質的なアクションは発表されなかった。10日、ヨルダンが、1ヶ月後ぐらいにまたアラブサミットを今度はアンマンで招集すると発表している。

*アラブ連盟

1945年に政治的な地域協力を目的として結成されたアラブ諸国の同盟。現在シリアを除く20カ国とパレスチナ自治政府が加盟している。サウジアラビアなど湾岸アラブ諸国。イラクは入っているが、イランは非加盟。

<バハレーンの超教派NGOイスラエル訪問>

このややこしい時期に、バハレーンが興味ふかい動きを見せている。土曜から「これがバハレーン」と称する24人のグループ(NGO)がイスラエルに5日間の滞在予定で訪問しているのである。

グループは、スンニ派、シーア派、クリスチャン、ヒンズー教、シーク教それぞれの指導者を含んでおり、バハレーンがオープンな国であることをアピールしている。ただし、政府関係者は政治家は1人も含まれていない。

エルサレムでは、今、イスラエルの首都であっても、すべての宗教にオープンであることを必死でアピールしているので、バハレーンからこのようなグループが来るのは、助かるというところかもしれない。一行は、エルサレムでハヌカの祝いにも参加したとのこと。

これを受けて、PLOハナン・アシュライ氏は、「次期的に最悪。はなはだしい無神経だ。」との怒りを表明している。しかし代表団は、これは前から計画されていたことであり、それを実行しただけだと反論している。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Bahraini-delegation-visits-Jerusalem-to-talk-about-peace-517664

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5056269,00.html

なお、来月には、イスラエルのビジネス団一行が、バハレーンを訪問することになっている。バハレーン側は受け入れを承認しているということだが、実現するかどうかはまだ不明。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Israeli-business-leaders-to-travel-to-Bahrain-in-next-normalization-step-517877

両者の違いの訪問を主催したのは、シモン・ビーゼンタール・センターで、政治的な意図はなく、両国の直接の対話の場を作ることが目的だと主張している。

*シモン・ビーセンタール・センターは、反ユダヤ主義を監視することで有名。寛容を促進するアメリカの組織。
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トルコの逆襲:緊急イスラム協力機構(OIC)会議 2017.12.14

 2017-12-14
トランプ大統領のエルサレム宣言に対し、最もしんらつに非難していたのは、トルコのエルドアン大統領だった。

エルドアン大統領は、トルコの町シバスでのスピーチで、「パレスチナ人は罪なき犠牲者だ。それにひきかえ、イスラエルは、テロ国家だ。エルサレムを子供を殺す無慈悲な国に引き渡すことはない。」と語った。

https://www.timesofisrael.com/turkish-leader-israel-a-terrorist-state-that-kills-children/

そのエルドアン大統領の呼びかけで、13日、イスタンブールにて、エルサレム問題に対処するとして、IOC(イスラム協力機構)の特別会議が開かれた。参加したのは、イランも含む50のイスラム諸国である。先のアラブ連盟よりも規模は大きい。

参加国の中には、ヨルダンのアブダラ国王、イランのロウハニ大統領はじめ、マレーシア、インドネシアなどのアジア諸国、北アフリカ諸国、イスラエルとの交流をはじめたカザフスタンやアゼルバイジャンも出席していた。

<世界は東エルサレムはパレスチナの首都と認めるべき:エルドアン大統領>

エルドアン大統領は、まず、パレスチナを国として認めていない国々はそうするべきであると呼び掛けた。また東エルサレムは、パレスチナの首都として認めるべきだと主張した。

<アメリカは中東和平の仲介者ではない:アッバス議長>

この会議にてアッバス議長は、トランプ大統領は、エルサレムを、まるでアメリカの一都市であるかのように、シオニストに、”ギフト”として与えてしまったと非難した。

「今後、エルサレムが、パレスチナの首都になるまで、平和はないだろう。エルサレムは永遠にパレスチナ国家の首都である。」と警告した。

アッバス議長は、パレスチナ自治政府は今後、アメリカを中東和平の仲介者として受け入れないと宣言。今後は、国連が新しいシステムで仲介することを望むと語った。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/239262
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プーチン大統領:1日でシリア、エジプト、トルコ訪問 2017.12.14

 2017-12-14
プーチン大統領は、エルサレム問題について、トランプ大統領は名指しせず、エルサレムをイスラエルの首都と呼ぶことに益はなく、地域を不安定にすると批判した。なお、ロシアは、これまでに、西エルサレムだけをイスラエルの首都と認めている。

プーチン大統領は先週、大統領4期目を務めると宣言。いよいよ中東へ本腰を入れ始めた。11日、シリアへのサプライズ訪問に続いて、エジプト、トルコと3カ国を1日で巡回した。

1)シリアで勝利宣言:シリアのロシア空軍基地をアサド大統領ともに訪問

11日、プーチン大統領は、シリアをサプライズ訪問。まずはシリア領内のロシア空軍基地を訪問。そこで、ロシア軍の撤退を命じた。しかし、この空軍基地と、地中海に面するタルトゥスの軍港はそのまま運行を継続するという。したがっていつでもロシア軍は戻ってくるということである。

これは、正式にシリアからISISを撃墜したというサインでもある。この空軍基地訪問には、アサド大統領も同行しており、まさに世界に、シリアはこれからロシアの庇護のもと、アサド政権が復活するとでも宣言しているようである。

ワシントン・ポストによると、プーチン大統領は、アサド大統領に、「約束した通りになった。シリアは独立を維持した。」と言ったという。ロシアは、シリアへの介入で兵士40人を失っている。

2)エジプトと原子力発電所建設の契約

カイロでは、シーシ大統領と会談。エジプトに原子力発電所(210億ドル)の契約を取り交わした。

3)夕方にはトルコのアンカラに到着:OICの会議を前にエルドアン大統領と会談

このように、中東アラブ諸国の動きに、アメリカはまったくかかわっていない。中東の覇者は、今やロシアということである。

https://www.washingtonpost.com/world/putin-makes-first-visit-to-syria-lauds-victory-over-isis-and-announces-withdrawals/2017/12/11/f75389de-de61-11e7-8679-a9728984779c_story.html?utm_term=.8aeb2023e181
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ヨーロッパ:反ユダヤ・反イスラエル主義再燃の懸念 2017.12.14

 2017-12-14
トランプ大統領のエルサレム宣言以降、現地エルサレムや西岸地区では、特に異常なほどの暴力には今の所なっていないようであるが、むしろ、アラブ諸国や、ヨーロッパで、反アメリカ、反イスラエル主義が急速に悪化しているようである。

<クリスタルナハトを思わせる恐怖>

土曜夜、スウェーデン第二の都市ゴテンベルグで、シナゴーグに火炎ビンが投げ入れられた。中にはユダヤ人たちがいたが、火はそのまま消えたため、負傷者なかった。タイム紙によると、これまでに、この事件に関わったとみられる3人が逮捕されている。

スェーデンでは、トランプ大統領のエルサレム宣言の後、第三の都市マルモでも大規模な反ユダヤ主義デモが行われたことから両都市のシナゴーグ周辺で、警備が強化されているという。

http://time.com/5057805/sweden-synagogue-attack-arrests/

これに先立つ7日、トランプ大統領の宣言の翌日、オランダの首都アムステルダムでは、ユダヤ人のコシェルのレストランに、パレスチナの旗を掲げるアラブ人の男がパレスチナの旗を持って単身、店のガラスを破壊して店に入り、中もむちゃくちゃにした。

警官が2人、外にいたが、見ていただけで、何もしていないのだが、これについては、警官らは、男が爆発物を持っている可能性があるとして、手をだせなかったと説明している。

しかし、警察官が、ユダヤ人の店の破壊に手をこまねいている様子は、やはりユダヤ人には、クリスタルナハトに通じるものを彷彿とさせる。ちなみに、アムステルダムは、アンネ・フランクが隠れていた家がある。

*クリスタルナハト

1938年11月9日夜、ヒトラー率いるナチ政権下のドイツで、住民たちが暴徒化し、ユダヤ人ビジネスのガラスを粉々に破壊し、シナゴーグには火を放って焼き討ちにした。これをクリスタルナハトと呼ぶ。この時、警察はただ暴徒を見ているだけで、ユダヤ人を助けなかった。シナゴーグの火災もだれも鎮火するものはなかった。

この時のポグロムでユダヤ人300が死亡。シナゴーグ1400件が破壊され、ユダヤ人3万人が強制収用所へ送られた。

ホロコーストの時代、オランダでは、ユダヤ系住民の75%が虐殺された。これはヨーロッパでは最大のユダヤ人死亡率である。

<EUの立場:エルサレムはイスラエルとパレスチナ双方の首都>

EUのモゲリニ外交担当は、7日、「唯一の解決は、国が2つになり、エルサレムは、イスラエル、パレスチナ双方の首都であるべきだ。」と語った。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5053694,00.html

続いて8日、フランス、イギリス、ドイツ、イタリア、スェーデンが、「エルサレムは、イスラエルとパレスチナ双方の首都であるべきである。それが実現するまでは、エルサレムにだれの主権も認めない。」とする共同声援を出した。

この後、チェコ共和国が、ロシアと同様、西エルサレムをイスラエルの首都に認めると発表したが、大使館の移動については、世界の動向に合わせるとの意向を示した。注目はされたが、認めるのが西エルサレムだけであるので、イスラエルにとっては、それほど有益ではないとの見方が優勢である。

https://www.timesofisrael.com/czech-republic-recognizes-pre-1967-jerusalem-as-capital-of-israel/

<ネタニヤフ首相ヨーロッパ訪問>

ネタニヤフ首相は、上記のようなヨーロッパの動向を少しでも和らげる目的で、11日から2日間、ヨーロッパを訪問した。

まずはフランスのパリで、マクロン大統領と会談。エルサレムがイスラエルの首都であるということは、過去、現在においても否定できない事実であると訴えた。

ブリュッセルでは、EU外交担当モゲリニ氏と会談。「エルサレムに来たことがある人ならだれでも。そこがイスラエルの首都であることは明らかだ。建国以来、国会も最高裁判所もエルサレムにある。」と説明した。

また、パレスチナ人が、エルサレムがイスラエルの首都であるという”事実”を早く受け入れるほど、早く平和へ進める。パレスチナ人がエルサレムは彼らの首都だと思うのは幻想だ。と主張した。

外相も兼任するネタニヤフ首相は、ハンガリーなど東欧諸国、アフリカ諸国、アジア諸国、南アメリカを幅広く巡回し、イスラエルのスタートアップ企業により、イスラエルがいかに貢献できるかをアピールしてきた。

実際、アフリカ諸国など多くの国々にとって、パレスチナ問題はほとんど問題になっておらず、イスラエルの技術力を喜んで受け入れているため、イスラエルがそれらの国々の発展に貢献できている。

同様にパレスチナがイスラエルを認めるなら、パレスチナ人の生活の向上にも貢献できると主張しているのである。

しかし、モゲリニ外交担当は、あくまでもエルサレムは、イスラエルとパレスチナ双方の首都であるべきだと強調した。

https://www.timesofisrael.com/in-netanyahus-eurotrip-fantasies-clash-with-reality/
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テルアビブで続く反ネタニヤフ政権デモ 2017.12.14

 2017-12-14
ネタニヤフ首相がヨーロッパへ出発した土曜、テルアビブでは、反汚職、反ネタニヤフ政権デモが行われた。参加者は1万人。先週の土曜にも同様のデモが行われたが、先週は5万人である。

このデモは、首相自身の汚職疑惑が調査される中で、現政権が、首相は刑事追訴されないという法案を出したことから、市民の怒りが爆発して始まったものである。

今の所、国会で法案が通過したとしても、最高裁のマンデルビット司法長官がこれを退けるとみられているのだが、市民の怒りはどうにも治らないようである。

https://www.timesofisrael.com/thousands-protest-in-tel-aviv-against-corruption-likud-slams-division/

さらに、ネタニヤフ政権の幹事で、ネタニヤフ首相の右腕とも見られていた国会議員のダビッド・バイタン氏(57)の詐欺、収賄、背信などの罪で、刑事尋問が始まり、ネタニヤフ首相への支持も大きく揺らいでいるのである。

バイタン氏は、リション・レチオンの市長を務めていたこともあるが、収賄の他、暴力団関係とのつながりも指摘されている。リション・レチオン市では、根深い汚職が掘り返され、先週、関係者20人が逮捕された。バイタン氏の妻も長い刑事尋問を受けている。

テルアビブの群衆は、ネタニヤフ首相に辞職を求めているが、今、ネタニヤフ首相は外相も兼任しており、中東情勢が大きく変化する中、今、ネタニヤフ首相をおろしてしまっても大丈夫なのかと懸念されるとことろである。

このデモは左派勢力が指導しているとみられるが、右派政権側は、ネタニヤフ首相が、ヨーロッパで、国のために奮闘している背後で、市民たちが、リコールを叫んで大規模なデモを行うのは、いかがなものかと、左派勢力を非難している。

・・・が悪いものは悪く、複雑なところである。この状況で、外交をここまでこなすネタニヤフ首相の精神は、かなり強靭といえそうである。

https://www.timesofisrael.com/coalition-whip-faces-third-police-interrogation-sunday/
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パレスチナ人怒りの日:ガザからロケット弾着弾 2017.12.9

 2017-12-09
木曜夜にトランプ大統領がエルサレムはイスラエルの首都と宣言したことで、パレスチナ人たちは、明日までの3日間を「怒りの日」と宣言。ハマスやヒズボラが、イスラエルに対するインティファーダ(テロ攻撃)を呼びかけている。

今日、金曜夜、ガザからロケット弾が、イスラエル南部に飛来し、アイアンドームが2発は迎撃したものの、1時間後の2発はスデロットに着弾。駐車中の車両が被害を受けた。負傷者いないが、2人がショックで治療を受けた。

西岸地区各地でもイスラエルの治安部隊との衝突が多数発生し、パレスチナ人2人が死亡。300人が負傷したと伝えられている。

<ガザ地区>

金曜、ガザ地区では、通りを埋め尽くすようなデモが行われた。イスラエルとの国境でも、多数の若者が集まり、国境にいるイスラエル軍に投石するなどのデモ行為をおこなった。イスラエル軍が実弾で反撃。パレスチナ人2人が死亡し20-30人が負傷した。

死亡した1人は、ハマス幹部のマハル・アタラだと伝えられた。この後、ハマス指導者ハニエが暴力のエスカレートを宣言した後、ロケット弾が発射され、ガザ周辺からスデロット、アシュケロン、ネゲブでもアラームが鳴り響いた。

一回目の攻撃では、アイアンドームが2発を迎撃し、1発はガザ内部に着弾したが、2回目は、スデロット市内に着弾した。イスラエル軍は、攻撃があるごとに、ガザへ空爆や国境に駐屯する戦車が砲撃を行っている。

2回目は、スデロット市内に着弾し、被害も出たことから、イスラエルは報復攻撃を拡大する恐れがある。パレスチナ側情報によると、イスラエルの空爆でこれまでに子供6人を含む25人が負傷しているという。

今夜、住民は、シェルター近くにいるよう指示されている。

http://www.jpost.com/Israel-News/BREAKING-Iron-Dome-intercepts-rocket-fired-from-the-Gaza-Strip-517486

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5054033,00.html

<西岸地区各地と東エルサレム>

西岸地区では、昨日から今日にかけて、ベツレヘム、ヘブロン、ラマラと、東エルサレム旧市街周辺など30箇所で、パレスチナ人群衆デモ隊とイスラエル治安部隊との衝突が発生した。負傷者が多数でたが、死者は出ていない。

東エルサレムでは、ダマスカス門で、デモ隊と、治安部隊との衝突があった。しかし、こちらは、予想したより、規模は小さかったとの判断がなされている。*現場の様子は以下の石のひとりごとに記載

知り合いのパレスチナ人記者に聞くと、「今回は神殿の丘には影響がないので、それほど深刻ではない。こんな(子供達のデモ行為)は、間違った反応だと思う。でもガザでは大きなデモをやっている。ここ数日の様子をみないとまだわからない。

でも自治政府はアメリカを恐れていると思う。オバマならともかく、トランプはクレイジーだから、何をするかわからない。実際にパレスチナへの支援金を止めた。

(来々週来る)ペンス米副大統領もたぶん自治政府は迎えると思う。トランプには逆らえないだろう。」

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5053922,00.html
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中東諸国で反トランプ・イスラエルデモ 2017.12.9

 2017-12-09

トランプ大統領のエルサレムはイスラエルの首都という宣言は、ガザ、西岸地区以外にも広がった。

隣国ヨルダンでは、7日につづき、8日にも、千人規模のデモが行われ、アメリカとイスラエルの旗が燃やされた。群衆は、ヨルダン政府はイスラエルと断交すべきだと訴えた。ヨルダンは市民の70%がパレスチナ人である。

https://www.timesofisrael.com/jordanians-rally-against-trump-recognition-chant-jerusalem-is-arab/

レバノンでは、レバノン人5000人が、パレスチナ難民キャンプ付近でデモを行った。ヒズボラのナスララ党首は、「トランプの決定は、何十億のイスラム教徒とキリスト教徒に対する侮辱だ。」として、諸国はパレスチナ人の蜂起を支援すべきだと語った。

http://www.jpost.com/Israel-News/Nasrallah-calls-for-support-of-new-Palestinian-Intifada-517373

この他、アフガニスタン、パキスタンのカラチ、インドのカシミール地方、インドネシア、マレーシアでも、アメリカとイスラエルの失脚を叫ぶデモが行われた。

イランでは、トランプ大統領がエルサレムに関する宣言を出す前から、イスラム最高指導者のハメネイ師が、「アメリカはイスラムとキリスト教徒に戦争をしかけた。」といい、パレスチナ人たちが反発して、やがてパレスチナは解放されるだろうと語っていた。

8日、テヘランでは、イスラム専門家会議(最高指導者を選出する組織)メンバーで、イスラムの祈りの日にメッセージを語る保守派のアフマド・ハタミ師が、モスクに集まった人々に対し、「インティファーダだけが、占領政権、シオニストの政権を打倒できる。」、「占領する犯罪国家への攻撃は、いかなるものでも神を喜ばせることになる」と語った。

また、「イランにはイスラエルに届くミサイルがある。」とも言っている。テヘランでは、数百人が、デモを行い、「アメリカに死を」「イスラエルに死を」と叫び、両国の旗を燃やしたと伝えられている。

https://www.timesofisrael.com/top-iranian-cleric-calls-for-palestinian-violence-vows-to-level-tel-aviv/

https://www.i24news.tv/en/news/international/middle-east/162023-171206-iran-s-supreme-leader-vows-palestine-will-be-liberated

<中東情勢との関連>

エルサレムの一件について、ロシアのプーチン大統領は、「トランプ宣言は常軌を逸している。深く懸念している。」との声明を出している。

プーチン大統領は来週月曜、トルコのエルドアン大統領の招きで、トルコを訪問する予定である。基本的には黒海のパイプラインに関する会談を行うのだが、シリア情勢とともに、エルサレムについても話し合われるとみられる。

トルコのエルドアン大統領は、トランプ宣言を受けて、イスラエルとの国交を断絶する可能性もほのめかしているほど、イスラエルへの敵意をむき出しにしている。エルドアン大統領は、13日、エルサレムの問題を話し合うとして、イスラム協力組織(OIC)の特別サミットをイスタンブールで開催する予定とのこと。

ロシア、トルコ、イランは、先月にもシリア問題解決に向けて合意に至っているが、エルサレム関連問題においても3国がさらに近づくとみられる。

トランプ・エルサレム宣言以後、そのトルコとヨルダンが接近しており、注目されるところである。

https://www.timesofisrael.com/russia-says-trumps-jerusalem-declaration-defies-common-sense/

一方、中東では、イランの台頭を懸念してサウジアラビアが、同じ敵をもつ関係になったイスラエル、アメリカにこれまでになく接近しているとみられ、注目されていた。

しかし、エルサレムはイスラエルの首都とはっきり宣言されては、サウジアラビアとしても、そのままそれを受け入れるわけにはいかないだろう。

サウジアラビアは、トランプ大統領の決断について、「大使館をエルサレムへ移動させると危険な結果になる」との懸念を表明し、アメリカに、国際社会の意思を尊重し、決断を撤回するようすすめている。

https://www.reuters.com/article/us-usa-trump-israel-saudi-capital/saudi-arabia-condemns-trump-decision-to-recognize-jerusalem-as-capital-of-israel-idUSKBN1E103Y
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国連安保理:アメリカとイスラエルが孤立へ 2017.12.9

 2017-12-09
日、トランプ大統領の宣言を受けて、国連安保理は、15カ国代表を招集した。会議を要請したのは、イギリス、フフランス、スェーデン、ボリビア、ウルグアイ、セネガル、エジプトである。

安保理では、パレスチナ代表、イスラエル代表もそれぞれの言い分を語った。アメリカ代表のニッキー・ヘイリー氏は、イスラエルが建国以来、70年間、エルサレムがイスラエルの首都として機能してきたと強調。

今回の宣言は、アメリカは議会にて、すでに決定されていたが、これまでの大統領が先延ばしにしてきたことを、トランプ大統領が実行に移しただけだと語った。しかし、アメリカは、エルサレムに関して、最終決断を下したわけではなく、あくまでも当事者たちが交渉で決めることであると認識を強調した。

神殿の丘についてはこれまでとなにも変わっていないこと。またアメリカは2国家案を放棄したわけではなく、イスラエル、パレスチナ両国が合意するなら、アメリカはこれに同意する用意があることを強調した。

また、ヘイリー代表は、国連はこれまで不条理にイスラエルへの非難決議を出してきたと厳しく批判した。これ以上、イスラエルがいじめられるべきではないと語った。

イスラエルのダノン国連代表は、70年前、イスラエルの建国を認めるかどうかの決断を迫られた時も世界は、アラブ諸国からの暴力を懸念した。

今回も同じだが、当時のトルーマン米大統領と同様、トランプ大統領は、勇気を持って世界に先駆け、エルサレムはイスラエルの首都宣言したのだと述べた。

今回の安保理会議では、決議はとられなかった。アメリカが拒否権を行使することは明らかだからである。しかし、イギリス、フランス、ドイツ、スェーデン、イタリアが次のような共同声明を出した。

「この度のエルサレムをイスラエルの首都とみとめ、大使館をエルサレムに移動させるというアメリカの決定は、地域の平和に貢献するものではない。我々は、国際社会で合意された2国家案を目標にした和平交渉の再開を支持するものである。」

これはつまり、パレスチナ代表の主張に同調し、アメリカの決断を拒否するものである。この他の国々も同様の意向を表明した。アッバス議長は、パレスチナを支持する国際社会に感謝を表明している。

アメリカとイスラエルは極めて孤立したとも言えるが、アメリカに続く国が出てくる可能性もあり、まだまだ先行きは不明というところか。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Security-council-members-push-Trump-for-detailed-Mideast-peace-proposal-517496

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Abbas-praises-international-condemnation-of-Trump-Jerusalem-announcement-517501

<日本は賛否表明せず>

朝日新聞によると、イギリスやフランスが即時にトランプ大統領の宣言について、ただちに反対を表明したのに対し、日本は賛否を表明していない。

日本はアメリカと同盟国であるし、北朝鮮問題で、今はアメリカとはもめたくない。またイスラエルとも最近友好を深めているところである。とはいえ、アラブの石油は必要という、複雑な事情がある。朝日新聞は「日本はフリーズしている」と書いている。

その中立的な立場からか、今回のエルサレム問題のための安保理会議での議長は日本が務めた。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171208-00000107-mai-int

<今後の課題:アメリカの和平案とは?>

イギリスのBBCは、反イスラエル的で知られるメディアだが、アメリカは、これほどの混乱をもたらしているのだから、早急にどんな和平案を持っているのか、提示すべきだと述べている。

BBC報道:http://www.bbc.com/news/world-middle-east-42287429
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石のひとりごと:怒りの日でも親切!? 2017.12.9

 2017-12-09
トランプ大統領の一言で、これほど世界が動くとは、やはりアメリカ大統領の影響力は相当なものである。またエルサレムという町がやはり人類にとって、最大の震源地であるということも改めて実感させられた。

しかし、その震源地に住む人々の思いや現状は、あまりニュースにはあがってこないもので、現地エルサレムの人々は、紛争にはもうなれていると見え、何があってもたんたんと生きているものである。

「怒りの日」金曜午後、西エルサレムから東エルサレムに続く路面電車に乗ってみた。西エルサレムの金曜は、安息日入りで、午後にはすでに人出は少なくなっている。バスが3時前には終わってしまうからである。

車内では、帰宅を急ぐユダヤ人たち。太りすぎて長い黒のジャケットが閉まらない白ひげの大きな超正統派の老人。ダマスカス門駅からは、神殿の丘での祈りを終えたばかりとみられるイスラム教徒の男性3人が乗ってきた。

車内には、ユダヤ人もアラブ人も、老いも若きもごく普通に乗っている。そのうち、黒のサングラスをかけた警備員が、爆弾がないか椅子の下などをにらみつけながら、ちょこまかと車両の中を歩きまわりながらやってきた。

車内では、切符の挿入の仕方がわからないパレスチナ人を、エチオピア系ユダヤ人が助け、降りる方向を間違えているユダヤ人女性を、パレスチナ人イスラム教徒の男性が助ける一面も。ユダヤ人もパレスチナ人も困っている人は普通に助ける人々なのである。

東エルサレムを超えて、エルサレム北端ピスガット・ゼエブからまたUターン。路面電車から旧市街のダマスカス門周辺に人々が固まっているのが見えた。

ダマスカス門の前の広場には、500−600人ぐらいの人々と、銃を構える緊張した面持ちのイスラエルの国境警備隊が50人ぐらいはいただろうか。女性警備員もけっこういた。けが人が出た場合に備え、蛍光色のチョッキを着て、あちこちに2-3人づつ立っているのは、パレスチナの救急隊である。

ちょっとした群衆になってはいるのだが、パレスチナ人のティーンエイジャー十数人が叫んでいるだけで、どうみても周囲に構えるテレビカメラのクルーなど、メディア勢の方が多かった。テレビカメラに加えて、パレスチナ人たちもスマホで撮影していた。

しばらく見ていると、わーと言う声群衆の声が聞こえ、騒然となった。デモを解散させようと時々治安部隊が多数で乗り込んでいくのが見えた。一瞬人々が蜘蛛の子をちらしたようになったと思ったら大きな石が飛んできた。

やばいと感じ背後に逃げた。数メートル前にいたカメラクルーに石のかけらがあたったようで頭を抱えている。わらわらとパレスチナ人の救急隊がかけつけたが大したことはないようだった。ダマスカス門から道をはさんだ反対側の通りでは、大勢のパレスチナ人たちが、いっせいに深刻な顔で混乱する方をみつめていた。

と、だれかが高価そうな三脚を忘れたようである。混乱の中で、小さな女の子をつれていた誠実そうなパレスチナ人の男性がみつけて、「これあなたの?」と聞くので、違うと答えると、すぐ前を歩いていってしまいかけていたカメラマンに、急いで声をかけていた。そのドイツ系のテレビクルーのものだった。

”怒りの日”の中で見たパレスチナ人の親切が新鮮で声をかけてみた。日本から来たというと、笑顔で「ウェルカム」という。暴動現場で、なんともミスマッチな感じだった。彼らにとってはこんな衝突は日常なのだろう。

トランプ大統領とネタニヤフ首相は、エルサレムはイスラエルの首都と認める事が平和への一歩だと言っている。イスラエルがエルサレムの市政を運営した方が皆が安定し、繁栄し、両者が共に平和になる考えているのである。

それはまだまだ無理かもしれず、ひょっとしたら聖書にある終末時代以降のことかもしれないのではあるが、現実的にもそうであると思う。きちんとした社会制度があり、扇動する者がいなければ、一般のパレスチナ人たちはユダヤ人ともけっこう仲良く共存できるのではないかと思う。PLOが出てくる前は、そうだったのである。

確かにイスラエルには、ユダヤ人の国とうところを第一にするが、同時に非常に多様な国でもある。様々な文化背景の人々とおりあいをつけて共存している。おそらく民主国家として世界で最も鍛えられている国だろう。これはここに住んでいての実感だ。

また、イスラエル人はパレスチナ人を痛めつける鬼のような存在だと思われがちである。しかし、この国の住民は、ごみ捨て場が汚くなっても野良猫に餌を与える方を選ぶような人々である。

エルサレム市では最近、地域のゴミ収集所を清潔にするため、地下にゴミが入るしくみを作ったのだが、そうすると、野良猫がゴミをあさることができなくなった。しばらくすると、住民たちが、その周辺に猫用に食べ物を置いていくので、結局ごみが地表に散乱するようになっている。それに苦情を出す人はいない。

暴動管理を終えた屈強な治安部隊が、弁当をたべているところに野良猫がくると、大きなフライドチキンを投げてやり、一緒に食べている様子にも遭遇した。

イスラエルには、基本的に、人間であれ動物であれ、命を最優先に尊重する文化がある。それはイスラエルが、神に創られた命という概念とともに、ホロコーストという死の谷を歩いた人々だからではないかと思う。

パレスチナ市民に、死んでもいいから立ち上がってイスラエルと戦えという指導者とどちらがよいか明白ではなかろうか。

実際、東エルサレム在住のパレスチナ人の多くは、イスラエルの国籍を申請している。もし東エルサレムがパレスチナの首都になれば、生活のレベルは今より確実に落ちるということを、多くのパレスチナ人が感じ取っているのである。

不条理感が残るかもしれないが、これが、パレスチナ人の指導者も含め、皆が認めようとしない、トランプ大統領の言葉を借りると、”明らかな”現実である。

なにやら1国家案支持者のような書き方になってしまったが、トランプ大統領が、目指しているのは、結局そこに行き着いてしまうのだろうか。。?ともかくもアメリカがどんな和平案を提示してくるか注目するところである。
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アメリカの決断:エルサレムはイスラエルの首都 2017.12.7

 2017-12-07
トランプ大統領が決断した。トランプ大統領は、6日夜、ホワイトハウスの公式発表通り、「エルサレムを正式にイスラエルの首都と認める時が来た。」と宣言した。

トランプ大統領は、「今日、明らかな事実、エルサレムがイスラエルの首都であることを認める。これはただ事実を認めるということである。」と語り、これまでの大統領は避けてきたが、自分はこの事実を認めると語った。

トランプ大統領は、イスラエルとパレスチナの和平は、これまでと同じやり方では解決しないとして、まずは、否定できない事実として、エルサレムをイスラエルの首都と認めることが平和への道だと語った。

現実直視主義のトランプ氏らしく、まずは”現実”を認め、そこから現実的な道を模索しようと示唆したものと思われる。しかし、具体的な和平案の提示はなかった。

アメリカは今月17-19日までペンス副大統領をイスラエルとパレスチナへ派遣する予定で、その時になんらかの提示があるかもしれない。

トランプ大統領は、神殿の丘など聖地とされる場所のステータス・クオ(現状維持)は守ること、また2国家案を放棄したわけではないと強調した。

しかし、2国家案(国を2つに分割する)については、国際社会が2国家案にしか解決はないと言っているのに対し、トランプ大統領は、イスラエル、パレスチナ両者が合意するなら、2国家案を支持するという表現を使い、それだけにこだわらないというこれまでのスタンスを語った。

大使館をエルサレムに移動させる件については、その準備をすすめるよう指示したことを明らかにした。実際の移動までにはまだ何年かはかかるみこみで、その時に、まだトランプ氏が大統領かどうかもわからず、確実な異動時期は不明のままである。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5052940,00.html

<歴史的タイミング>

エルサレムはイスラエルの首都とするの宣言を、12月6日に行うということは、イスラエルにとっては大きな意味がある。

今年、エルサレムは東西統一50周年を迎えた。来年は建国70年である。また、今年はイギリスが、世界に先駆けてユダヤ人の祖国をパレスチナ地方に建設することを支援すると約束したバルフォア宣言から100年目にあたる。

そのバルフォア宣言の約1ヶ月後にイギリス軍を率いていたアレンビー将軍が、エルサレムをオスマントルコの手から解放したのだが、それが、トランプ大統領宣言の5日後の12月11日である。

この時期のエルサレム解放は霊的な意味もある。

アレンビー将軍は、敬虔なキリスト教徒で、エルサレム入城の際は、軍人ではなく、巡礼として入るとして馬を下り、徒歩で入城を果たしたほどの人である。ユダヤ教徒キリスト教は、どちらも聖書の神を信じ、同じ倫理観を共有する兄弟のようなものである。

アレンビー将軍のエルサレム解放は、ユダヤ人にとっても、イスラムの手からの解放を意味した。

さらにこの時は、紀元前167年、ユダヤ人をシリアの暴君からたった5人でエルサレムを解放したマカビー一家を覚えて祝うハヌカの祭りの時期だった。アレンビー将軍は今もハヌカの英雄と重なるイメージをもつほどもある。

トランプ大統領が、「エルサレムはイスラエルの首都」と宣言したのは、ちょうどこの時期で、タイミングはこれ以上にないと思われるタイミングであった。

*ユダヤ教とキリスト教

キリスト教は単独宗教ではない。キリスト教は聖書の神、すなわち、イスラエルの神を天地創造の神と認めている。その神が、かつてイスラエルに、「罪人は死罪にあたるが、その身代わりとなる犠牲(雄牛など)を捧げることで赦され、命を得る。」と約束をしたのであった。

キリスト教は、その最終的な身代わりとなったのが、イエスだと信じる。イエスが、十字架上で全人類の罪をあがなう犠牲になったというのがキリスト教である。従って、基本的にユダヤ教とキリスト教は同じ神を信仰していることになり、両者の倫理観は基本的に同じである。

キリスト教徒にとって、エルサレムがイスラエルの首都と言われることに特に違和感はない。むしろペンス副大統領ら福音派キリスト教徒は、それを目標としているほどである。

<イスラエルの反応>

トランプ大統領の宣言の後、ネタニヤフ首相はただちにビデオでトランプ大統領の宣言は歴史的だと述べ、「ユダヤ人の70年にわたる祈りが聞かれた。」と感謝を述べた。

また、エルサレムをイスラエルの首都と認めることが平和につながるとの認識を語った。また、トランプ大統領の動きに反対する周囲の国々に対し、イスラエルは現状維持に減速を維持する。エルサレムが、ユダヤ教徒だけでなく、イスラム教徒、キリスト教徒、またすべての人々のとって開かれた町であることを約束するとも語った。

最後に、ネタニヤフ首相は、トランプ大統領に対し、「歴史とユダヤ人は、いつもあなたの勇気ある決断を覚えるでしょう。」と感謝を述べた。

リブリン大統領も、「建国70年を前に、これほどの贈り物はない。」と感謝のコメントを出した。

エルサレムのバルカット市長は、「トランプ大統領の宣言は歴史的だ。世界にアメリカはユダヤ人、イスラエルと共に立つとのメッセージを明確にした。」と述べた。

エルサレムでは、旧市街の城壁に大きなイスラエルとアメリカの旗を並べて映し出し、アメリカに感謝する意思を表明している。

現在、各国大使館を受け入れているテルアビブのフルダイ市長は、「世界諸国の大使を歓迎するが、すべての大使館が、私たちの首都エルサレムに移動することを願っている。」と語った。

強行右派とされるユダヤの家党ナフタリ・ベネット氏は、「しばらくは衝突があるかもしれないが、長い目でみれば、平和につながると信じている。」と語った。ベネット氏は、イスラエルが主権を持つことで、パレスチナ人たちの経財の回復を助ければ、争いが減ると考えている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5053069,00.html

しかし、よろこんでばかりではない。これがアラブ人たちの怒りをかうことは明白である。右派やシオニストたちが狂気している一方、一般の普通の世俗派で、実際に現地に住むイスラエル市民たちに聞くと、突然のトランプ大統領の動きにとまどっているようであった。

「エルサレムがイスラエルの首都となるのは良いこととは思うが、今とりあえず、平和を維持しているなら、それを壊さないでほしい。」と言った。

また、「オバマ大統領ぐらいがいうならよかったかもしれないが、トランプ大統領は、これまでからも無責任なコメントばかりだった。そのような人にエルサレムは首都だと言われても信用できない。

トランプもネタニヤフも、それぞれ私生活を暴かれて火中にある。エルサレムはそれを紛らすためだろう。迷惑だ。」と言う人も複数いた。

トランプ大統領は、違法ロシア関係疑惑。ネタニヤフ首相は、連立政権代表のバイタン氏が汚職疑惑で刑事聴取を受けており、ネタニヤフ首相の汚職は決定的になりつつある。土曜にはテルアビブで大きな反汚職デモがあった。

<パレスチナ人、アラブ諸国、国際社会の反応>

1)パレスチナ自治政府の反応

アメリカは、この宣言には、政治的な意図はなく、歴史的な事実として、エルサレムをイスラエルの首都と認めるだけだと言っている。

アメリカの言う歴史的事実というのは、エルサレムが紀元前1000年ごろから紀元後70年に至るまでの間(日本では弥生時代)、イスラエルの首都であったということ。また、現代イスラエルが建国して以来70年間、イスラエルの政府機関はエルサレムにあり、事実上、イスラエルの首都として機能してきたということである。

これは、言い換えれば、東エルサレムはパレスチナの首都として国家建設をめざすパレスチナ人に向かって、「現実として、エルサレムはイスラエルの首都だ。そろそろ東エルサレムはあきらめて、別の場所で考えよう。」と言っているのと同じである。

エルサレム市は、その境界線がまだ定まっていないことも問題である。イスラエルはマアレイ・アドミムも含めた大エルサレム構想を進めようとしているが、これが実現するとパレスチナ人の領域が分断されるため、衝突の原因になっている。そのあいまいなエルサレム市を、イスラエルの首都と言い切ってしまうことはやはり歴史的認識だけではすまない。

パレスチナ自治政府は、「今後、アメリカはイスラエルとパレスチナの和平交渉を公正に行うとは思えない。」として、和平交渉は終わったと言っている。

アッバス議長は、ハマス指導者ハニエに電話をかけ、トランプ大統領の発表にすぐにも協力して対応しなければならないということで合意した。両者の和解は暗礁にのりあげているが、トランプ大統領の一件で、共通の敵と戦うということで対話ができたようである。

アッバス議長は、アルジャジーラを通して、「トランプ大統領の決断は、パレスチナ人、イスラム教徒、自由な世界の怒りを呼び起こすものだ。これから何が起こるのかはだれにもわからない。

今後イスラエルが存在するかどうかわからない。エルサレムはパレスチナの首都なのだ。」と不気味なコメントを語っている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5052862,00.html

東エルサレムでは、アメリカの公式発表を受け、大統領を非難するビラが出回っている。ラマラやベツレヘムの通りでは、若者たちがトランプ大統領の顔写真やアメリカの旗を燃やすなどして、トランプ大統領への怒りを訴えている。

ガザ地区では、ハマスが、「アメリカは、地獄の門を開けた。」といい、イスラム諸国にアメリカとの経済関係を断ち切るよう、呼びかけた。(ありえないと思うが)

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5053082,00.html

しかし、一方で、エルサレムポストが伝えたところによると、旧市街イスラム地区のパレスチナ人からも、「トランプは何者だというので、こんな問題を持ち込むのか。」と言っている人もいるようである。

メディアや国際社会がヒートアップする中、現地のユダヤ市民、パレスチナ市民ともに、実際のところは平穏に暮らせるならそれでいいと考えているようである。

2)近隣アラブ諸国の反応

東エルサレムも含めたエルサレムをイスラエルの首都と宣言するということは、旧市街、神殿の丘がイスラエルのものということになる。

神殿の丘に今見えている黄金のドームはイスラム第三の聖地とされてからすでに1400年以上になる。これがイスラエルの主権下に入ると宣言するとなると、これは、イスラム全体を敵に回すことになる。

ホワイトハウスは、上記のように、これは歴史的認識であり、政治的な意図はないとし、神殿の丘のステータス・クオ(現状維持)はそのままで、エルサレムの境界線を広げようとするイスラエルの試みには反対する立場であると主張している。

しかし、神殿の丘は、おそらく、トランプ大統領が思うよりはるかに大きな震源地である。

アメリカの公式発表の後、ヨルダンのアブダラ国王は、トルコのアンカラにエルドアン大統領を訪問。両首脳は、「パレスチナ人は絵東エルサレムを首都として国を立ち上げる権利があるという点で合意を確認した。

またアブドラ国王は、イスラムとクリスチャンの権利を無視する事は許されることではないと語った。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5052902,00.html

エルドアン大統領は、アメリカがエルサレムをイスラエルの首都とするなら、トルコはイスラエルとの国交を遮断すると警告している。

エジプトは、アメリカの宣言を拒否すると言っている。アメリカ・イスラエルよりとも言われるサウジアラビアは、パレスチナ人を支持する立場に変わりはないとし、エルサレムをイスラエルの首都と認めることは深刻な結果を招くと警告した。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Saudi-Arabia-hopes-US-will-not-recognize-Jerusalem-as-capital-of-Israel-517043

イランのハメネイ最高指導者は、「アメリカは失敗者だ。」として、イスラエルの治安を守るために、中東で戦争をしようとしていると語った。

http://www.jpost.com/Israel-News/Iran-Supreme-Leader-US-intention-to-move-embassy-sign-of-incompetence-and-failure-517164

3)国際社会の反応

フランスなど、西側諸国は、トランプ大統領のエルサレムに関する”一方的な宣言”が、暴力を招くのではないかと懸念を表明している。

トランンプ大統領の声明の直後、国連のグテーレス事務総長は声明をを出し、「エルサレムの帰属は、2国家案をもとに、両者がきめることである。」とトランプ大統領の宣言に反対する意向を表明した。

しかし、これまで2国家案での和平を試みてきたのだが、すべて失敗してきた。もはや道はないというのが現状である。それで、トランプ大統領は、思い切って新しいアプローチを考えようと言っているのである。

トランプ大統領はいかにも実質主義者の考え方である。しかし、今後の状況によっては、イスラエルとトランプ大統領は世界を敵に回すことになる可能性もある。

<トランプ大統領のエルサレム首都宣言の本質>

今回のトランプ大統領の宣言はイスラエル史上、歴史的な出来事として、100年先、200年先も覚えられることだろう。しかし、これはバルフォア宣言のときと同様、まだ実現していないビジョンの提示のようなものである。

実際の大使館の移動には少なくとも3-4年、10年はかかるとの見通しもある。そのころにトランプ大統領がまだ大統領かどうかの保証はなく、次の大統領が、また見直し、中止するということも十分にありうる。

ということは、冷静に考えれば、現時点では、まだアメリカ一国、もっと言えばトランプ大統領が、エルサレムを首都と認めると言っているだけのことで、今の所、特に何かが変わるというものでもないということである。

<エルサレムはどのぐらい危険か>

6日、エルサレムの町中は、東エルサレムのパレスチナ側も含めて、今の所、いつもと変わらない様子であった。幸い、雨と風で天気が悪いので、大規模なデモやテロは起こしにくい夜を迎えた。しかし、アッバス議長が言うように、これから何が起こるのか予想がつかない。

ホワイトハウスからの公式発表があってから、実際のトランプ大統領の演説までの間に、パレスチナ人たちは、6日から3日間の「怒りの日」と宣言した。特に金曜礼拝日が危ないとされ、エルサレムでは治安部隊が警備を強化している。

東エルサレムでは、煽動が始まっているので、若者が単独テロを繰り返すか、大きな暴動からハマスや、ヒズボラが関わってくる可能性もある。日本大使館からも警戒の指示も届いている。

一方で、実際のところ、エルサレムがイスラエルの首都と言っているのはイスラエル以外ではアメリカ一国であり、国際社会全体が言っているわけではない。実際には何も変わらないということである。

また、中東では、アメリカの影響力が落ちていることから、もしこのまま、暴力事件もなく時が過ぎて行けば、今回は、「アメリカが言っているだけ」でとアラブ人達が気づき、そのまま下火になっていく可能性もありえないことではない。

ローゼンタール警察スポークスマンによると、ソーシャルネットワークも監視しているが、今の頃、深刻なテロや、暴動の情報はないとのこと。しかし、警戒は強化しており、何かあれば対処する用意はあるとのこと。

エルサレムポストによると、旧市街イスラム地区のパレスチナ市民もユダヤ市民と同様、「トランプ大統領がいったい何者だというので、混乱を持ち込むのか。」と迷惑がる声もあるようである。

アメリカは、イスラエル在住の大使館職員らにエルサレムの旧市街に行かないよう警告している。17日から来るペンス副大統領はパレスチナ側にも行く予定だが、かなり厳しいと思われる。

<石のひとりごと>

トランプ大統領は、ジャイアンである。ごり押しでなんでも実行してしまう。しかしそれで、普通の大統領なら絶対避けて通るこのエルサレム首都宣言が実現したわけである。

聖書によると、終わりの時、エルサレムにユダヤ人が住んでいて、そのエルサレムを憎む全世界が攻めてくるということが預言されている。(ゼカリヤ12章)

今、アメリカ一国がエルサレムはイスラエルの首都と宣言しただけで、世界はイスラエルをもっと憎む気配である。トランプ大統領は意識してなかったかもしれないが、終わりの日の世界情勢に向けて、一コマすすめたようである。
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シリア情勢:イスラエルがイラン基地を攻撃か

 2017-12-03
様々なアラブ系メディアが報じたところによると、金曜夜、ダマスカス郊外にあるイランの軍事基地とみられる施設が、イスラエルの空軍機によって攻撃された。大きな爆発があり、ダマスカスでは一時停電になったという。

アラブ系メディアの報道によると、イスラエルは、レバノンで偽の空爆を行い、その攻撃がシリアのイラン基地にまで及んだといった設定で攻撃したもようである。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5050707,00.html

また、イスラエルからは地対地ミサイルが発射され、何発かは、迎撃ミサイルでで撃墜されたとの報道もある。 なお、この攻撃による被害は、今のところ、物的被害だけで、人的被害は報告されていない。

これらは皆、アラブ系メディアの報道で、イスラエルからの情報ではない。イスラエルは、沈黙し続けていたが、土曜、ネタニヤフ首相が「イスラエルは、イスラエルを滅亡させると公言しているイラン政権が、核兵器を持つことを許さない。

また、イラン政権が、スラエルを滅亡させることのために、シリアに軍事基地を定着させることをけっして許さない。」というビデオ・メッセージを発表した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5050841,00.html

<今後のシリアはイランが主役になる!?>

先月、ロシアとアメリカは、ISISの弱体化を受けて、特にシリア南部、ヨルダンとの国境において、イスラエルから7-20キロまでは非武装地帯にするということで合意したことはお伝えした通り。

これはイスラエルが最低でも国境から40キロと要求しているのをまったく無視した形で、特にヘルモン山では、国境から7キロの地点にまでイランがやってくる可能性を温存する形になる。

ロシアとアメリカの合意ー明確には明らかにされていないが、米露は撤退し、シリア領内では、今後イランが大きな影響力を持つということでの合意であったともみられている。実際、アメリカは、ISIS拠点の一つラッカが陥落したことを受けて、海兵隊400人以上をシリアから撤退させた。

これが示す意味は、今後イスラエルは、これまでのように、シリア内戦には不干渉とばかりは言っていられなくなったということである。

これからは、自分の防衛は自分で行うしかない。必要とあれば、早めにたたくようにし、イランが本格的な軍事基地を作らないようにしなければならない。

今回のダマスカス郊外への攻撃について、イスラエルはまだ攻撃を認めていないが、ネタニヤフ首相のコメントからも、イスラエルはいかなる方策によってもイランのシリアへの進出を許さないという決意は本物であると釘をさした形である。

http://www.jpost.com/Opinion/Israels-Red-Lines-on-Irans-Foothold-in-Syria-515685

クウェート紙によると、これに先立つ先週日曜、アサド大統領は、「もしイスラエルがアサド政権の存続を認めるなら、ゴラン高原から40キロの地点までを、非武装地帯にしてもよい。」との妥協案をプーチン大統領を通じて、ネタニヤフ首相に打診した。

ネタニヤフ首相は、「承諾してもよいが、シリア領内から、イランとヒズボラ勢力を追い出すという目標は継続する。」と伝えたという。

http://www.jpost.com/Middle-East/Report-Israel-vows-to-destroy-Iranian-positions-within-40-km-of-Syrian-border-515209

ISISが弱体化したシリアに関しては、今後に関する国際会議が今月中にも開かれる予定になっている。イスラエルとしては、この和平に乗じて、ゴラン高原をシリアに返還せよというようなことにならないかとの懸念もあがっている。

こうした流れを受け、イスラエルのチャンネル10の取材に応じたアメリカ政府高官は、「シリアの内戦が完全に終焉するまでは、イスラエルを見捨てることはない。イランを国境からできるだけ引き離す努力をする。」とフォローした。しかし、いうまでもなく、イスラエルがこれをあてにすることはない。

https://www.timesofisrael.com/us-has-reassured-israel-it-wont-abandon-syria-to-iran/
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エルサレムはイスラエルの首都?:どうするトランプ大統領 2017.12.3

 2017-12-03
アメリカでは1995年の議会で、イスラエルの首都をエルサレムと認め、大使館をエルサレムに移動するという法案が通過し、これを1999年までに実施するということになった。

しかし、エルサレムについては、肝心の現地イスラエルとパレスチナがまだ合意しておらず、アメリカが、先にエルサレムを首都と認めて、大使館を移動すると、著しい治安の悪化を招く可能性がある。

このため、歴代大統領は、期限切れごとに、これを延期するという大統領令に署名するというのが、伝統になっている。期限は半年ごとに来るため、トランプ大統領もすでに6月に署名している。

その半年がまたやってきたたらしく、先週から、ペンス副大統領が、トランプ大統領は、イスラエルのアメリカ大使館をテルアビブからエルサレムに、近々移動させること検討していると語るなど、この問題に動きがあるとして、メディアが騒ぎ始めた。

トランプ大統領は、アメリカ大使館のエルサレムへの移動を公約にあげていた。また、大統領が代表を務める共和党と、福音派キリスト勢力からの圧力もある。

さらに今年、4月に、ロシアのプーチン大統領が、突然、西エルサレムについては、イスラエルの首都に認めるとの認識を、明らかにしたこともあり、トランプ大統領としては、先を越された形で、アメリカがこの問題に何もしないわけにはいかないという流れにもなっている。

https://www.timesofisrael.com/in-historic-first-russia-recognizes-west-jerusalem-as-israels-capital/

しかし、イスラエルの同盟国アメリカとしては、ロシアのように、無難に西エルサレムだけを首都と求めるわけにはいかず、東西統一したエルサレムを首都として認めることが求められている。無論、これは、パレスチナだけでなく、アラブ社会全体を敵にまわすことを意味する。

世間が騒ぐのを受けて、トランプ大統領は、大使館は移動せず、「アメリカはイスラエルの首都はエルサレムと認める」という認識を発表することを検討しているという流れになっている。

しかし、たとえ大使館は移動しなくても、この宣言をすることは、現地の当事者どうしが決める事だとするアメリカの立場を大きく変える事になり、大きな動きになる。最終的な結論は、早ければ、今週水曜にも発表があるとみられる。

<パレスチナ・アラブ社会の反応>

これを受けて、まっさきにパレスチナ自治政府の交渉担当エレカット氏が、「アメリカがイスラエルを首都と認めることは最後通告になる。危険な火遊びだ。」とコメント。アッバス大統領府スポークスマンは、「和平交渉を破壊する行為だ。」と述べた。

アッバス議長については、3日、ヨルダン、エジプト、フランス、カタールに、トランプ大統領にエルサレムに関する発表をとりやめるよう圧力をかけるよう要請する動きを始めたとの情報が入っている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5050918,00.html

アラブ同盟も、「このアメリカの動きは、平和ではなく、過激派の暴力につながる。」とのコメントをHPにアップした。このコメント通り、ハマスは、「インティファーダを再燃させる。」と豪語した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5050831,00.html

<国連総会:イスラエルのエルサレムへの権利を否定>

上記のような事態を受けて、ニューヨークの国連総会(193カ国)では、イスラエルとエルサレムの関連を否定する採択が行われ、賛成151、反対6、棄権9で、可決された。

http://www.jpost.com/Israel-News/UN-disavows-Israeli-ties-to-Jerusalem-515730

<それどころではない!?トランプ政権の違法ロシア接触疑惑>

大事な決断を迫られているトランプ大統領だが、足元には火がついている。

トランプ政権は、政権担当前にロシアと接触していた疑いがかかっていた件で、この度、その中心人物とみられるフリン元大統領補佐官が、自らの虚偽罪を認め、捜査当局にロシアとの接触に関する証言に応じていることが明らかとなった。

アメリカでは、政府関係者以外が他国政府関係者と接触することは違法なので、もしこれが証明された場合、トランプ政権が違法行為をしていたということになる。これが、トランプ大統領に実際に、どう影響してくるかは不明だが、大きなスキャンダルには違いない。

トランプ大統領は、こうした疑惑をまっこうから否定している。このようなときに、トランプ大統領は、エルサレム問題のような重要な問題について決断するということである。

http://www.bbc.com/japanese/42202810
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ベツレヘムのクリスマスシーズン開始 2017.12.3

 2017-12-03
ベツレヘムでは12月に入ると、様々なクリスマスのイベントが続く。2日、そのかわきりとして、まぶね広場の巨大ツリーの点火式が行われた。3日より、ベツレヘムは、クリスマス・マーケット、子供のためのイベントなどが毎日のように行われる。1年で最もにぎやかな時期となる。

クリスマスイブには市が主催する聖歌隊のコンサートが行われ、夜には、アッバス議長も出席して、生誕教会でのカトリックのミサが行われる。

しかし、言うまでもなく、ベツレヘムはクリスチャンの町ではない。クリスチャンはどんどん出て行ってしまい、今は、イスラムの町である。パレスチナ自治政府をあげてクリスマス行事をやるのは、キリスト誕生の町としての世界への責任、宣伝というところである。

https://www.al-monitor.com/pulse/originals/2016/12/palestinians-bethlehem-christmas-municipality-tree.html

<分離壁とイスラエルへの憎しみの町>

ベツレヘムは、パレスチナ国家設立を目指すことで合意したオスロ合意により、1995年からエリアA、パレスチナの完全自治の地域となった。ところが、その後、ベツレヘムから多数のテロリストが、イスラエルで、深刻なテロ事件をするようになった。

その対処として、イスラエルは、ベツレヘムとの間に、高さ8mのコンクリからなる防護壁を立てて、テロリストが入ってこないようにした。

ベツレヘムのベラ・バブーン市長は、今やベツレヘム管区には,19箇所ものユダヤ人入植地があり、防護壁や、入植地を結ぶ新しい道路によってベツレヘム管区は分断。防護壁建設のための土地の一部はイスラエルが、パレスチナ人から搾取したと訴えている。

https://www.youtube.com/watch?v=Uab2yTjt-qs&t=17s

国際社会は、この防護壁こそが平和への障害だとして、いっせいにイスラエルを非難する。ベツレヘム側の防護壁には、世界中のアーティストが、平和運動の一環として絵を書いて観光客が来るほか、壁の前にホテルを建てて、「世界で最も景色の悪いホテル」と称して訴えている。

しかし、壁ができるまでに、多くのテロリストがイスラエルで、自爆テロなど深刻なテロ事件を起こし、多くのイスラエル人が死亡したことは誰も語らない。イスラエルの存在自体がすでに悪いと考える人が多いので、イスラエルへのテロはどういうわけか正当化されてしまうようである。

一般のパレスチナ人がこの分離壁でおおいに迷惑していることは確かである。しかし、だからといってテロを行う一部のパレスチナ人のことは棚にあげ、イスラエルだけを一方的に責めるのは、これもまた不条理ではないだろうか。

ベツレヘムの防護(分離)壁前ホテル:BBC取材
http://www.bbc.com/news/av/world-middle-east-39157856/banksy-hotel-the-walled-off-opens-in-bethlehem

今年もクリスマスがやってくる。世界中がベツレヘムでの出来事を祝う。この時、今現在のベツレヘムに住む一般の非常に貧しいパレスチナ人たち、そこにひそむテロリストたちの憎しみで凝り固まった思想、また、このクリスマス期間中も、ベツレヘム周辺で護衛にあたるイスラエル兵たちを覚えてとりなしていただければ幸いである。
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イスラエルとパレスチナの衝突・続発 2017.12.3

 2017-12-03
イスラエルでは、今週、西岸地区とガザ周辺で、互いに死者が出るという深刻な衝突、またガザとの軍事衝突も発生した。

1)西岸地区でパレスチナ人1人死亡:正当防衛か否か

30日木曜、西岸地区ナブルス南部のパレスチナの町クスラ近くの空き地で、ユダヤ人入植者(引率の大人2人と小・中学生グループ)とクスラ住民が衝突。最終的にクスラ住民のマフムード・ウダさん(48)が、入植者の1人の銃撃で死亡した。入植者大人2人は軽いけがだった。

この一件について、イスラエル側とパレスチナ側の証言が大きく食い違っていることが、問題になっている。

入植者の証言によると、子供達の1人のバル・ミツバ(成人式)を祝うためにハイキングに来ていたところ、パレスチナ人の一団が、石や岩を投げつけて近づいてきた。

リンチされると思い、子供たちを洞穴へ避難させ、大人1人は子供たちとともにいて子供を守り、1人は外でパレスチナ人が近づいてくるのを威嚇射撃などで防ごうとした。しかし、止められなかったので、パレスチナ人への一団へ向けて銃を発射した。正当防衛だったと主張している。

一方、クスラ住民によると、外で畑仕事をしていたウダさんが突然、入植者に撃たれ、意識を失った。そばにいた息子(6歳?)が町に通報したため、住民たちが駆け付けた。それで入植者と衝突になったということである。

つまり、パレスチナ人の一団が来たので、銃撃に及んだというのが、入植者側の訴えで、銃撃で住民が撃たれたので、皆が出てきて入植者と衝突したというのがパレスチナ側の訴えということである。

軍は、入植者側が誤った判断で、パレスチナ人を死亡させた可能性があるとみて、調べを急いでいる。

これについて、左派イスラエル人の弁護士会「イエシュ・ディン」は、パレスチナ側の主張を取り入れ、入植者を非難する声明を出した。

すると、捜査がまだ終わっていないにもかかわらず、金曜、リーバーマン外相が、「これは正当防衛にあたる」との見解をツイッターに書き込んだ。

http://www.jpost.com/Breaking-News/Report-Palestinian-rioter-shot-after-attacking-schoolchildren-in-W-Bank-515661

*イエシュ・ディン

左派ユダヤ人の弁護士からなる団体で、パレスチナ人の権利を守ることを目的とし、西岸地区での入植者や、イスラエル軍兵士らのパレスチナ人に対する行為を監視し、法的措置による訴えを支援するグループ。

西岸地区の土地に関する入植者との争いでは、パレスチナ側の弁護士として、(イスラエルの)裁判所に訴え、弁護する。イエシュ・ディンは、ヨーロッパからの支援で成り立っており、イスラエル国内では問題視されている存在。

2)アラッドでテロか?:イスラエル軍兵士(19)死亡

木曜夕方、イスラエル南部アラッドのモール前バス停で、若い男性が上半身を刺されて倒れているのが発見された。救急隊が駆け付けたときにはすでに呼吸も意識もなく、死亡とされた。

後に、イスラエル軍から、男性は、イスラエル軍ナハル部隊所属のロン・クキヤさん(19)と発表された。軍はテロとみて、付近の捜索を行っているが、今の所、新しい情報はない。葬儀は日曜予定。

http://www.jpost.com/Israel-News/Police-in-hunt-after-two-suspected-terrorists-after-Arad-stabbing-515724

3)イスラム聖戦の砲撃:イスラエル軍ガザへ報復

イスラエル軍の発表によると、木曜、ガザとの国境に駐留しているイスラエル軍に向かって12発の迫撃砲が撃ち込まれた。現場では、農作業に当たっていたイスラエル人たちがいたが、幸い皆無事に避難した。

これに対し、イスラエル空軍は直ちにガザ内部のハマス拠点2カ所、イスラム聖戦拠点2カ所、さらに2カ所への空爆を行った。パレスチナ側の情報によると、この空爆でパレスチナ人2人が負傷したもようである。

イスラエル軍スポークスマンによると、この攻撃は先月のトンネル破壊への報復とみているという。

https://www.haaretz.com/israel-news/1.825940
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ガザ地区ハマスとファタハ和解10日延期へ 2017.12.3

 2017-12-03
エジプトの仲介で、ガザのハマスとファタハの和解が進められ、まずはガザとエジプトの間の検問所の管理がハマスからファタハ(パレスチナ自治政府)への移行が行われた。

これに続いて、12月1日、ガザ地区の行政が、全面的にパレスチナ自治政府に移行するはずであった。しかし、両者は、まだそれを実施するための手続きが完了していないとして、エジプトに12月10日まで延期することで合意したと伝えた。

主な問題の一つは、職員の問題。今回。ガザに行政がパレスチナ自治政府に移行するにあたり、自治政府のハムダラ首相は、自治政府の職員で、ハマスがガザを支配するようになって移行もガザにい続け、仕事がないにもかかわらず、給料を受け続けていた6万人を、ガザの行政の職に復帰させるつもりであった。

ところが、ハマスは、10年前にパレスチナ自治政府からガザの支配権を奪回した際、この6万人に変わり、新たに5万人をガザの職員として5万人を雇用していたのであった。この5万人を前の6万人と入れ替えることにハマスは合意していない。

また、ハマスは軍事力については、パレスチナ自治政府の軍事力の下に入れることには初めから合意していないことはお伝えしている通りである。

ハマスとファタハの和解はこれまでからも、何度も試みられたが、すべて失敗してきた。専門家たちは、今回も同じだと分析している。

https://www.timesofisrael.com/palestinians-agree-to-delay-gaza-handover-as-unity-deal-founders/
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大手日本企業イスラエルへ大型投資へ 2017.12.3

 2017-12-03
11月30日、東京ホテルニューオータニにてサイバーテック東京が行われた。これは、サイバーテックでは世界の最先端を行くイスラエルが行っているカンファレンスで、イスラエルのスタートアップ企業会社がブースを出し、出資者を募るカンファレンスである。

通常テルアビブで行われるが、海外でも開催されている。東京では初めて。http://tokyo.cybertechconference.com/program

これに合わせて、イスラエルのエリ・コーヘン経財相が、11のサイバー関連企業代表を伴って日本を訪問し、今後、さらに技術協力を行っていくことで、様々な合意が進んだ。

サイバーセキュリティでは、日本はかなり遅れているといわれる。Yネットによると、今回、日本のオリックス、三菱が、イスラエル企業に大口の投資を決めたという。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5050562,00.html

<文春オンライン:イスラエルのビジネスエリートが語る「日本の企業はここが残念」>

友人がFBにアップしていた記事だが、イスラエルのビジネスマンから日本がどうみえているのか、興味ふかい記事であったので、紹介させていただく。

記事では、日本はサイバー関係については「先進国」ではないということに驚かされたと指摘している。

以前、イスラエル人の知人が家族とともに日本へ旅行に来た際、「ネットがつながらない。」とあわてて助けを求めてきたことがある。町中、どこででもネットがつながり、利用料金も格段に安いイスラエルから日本に来ると、きわめて不便な「サイバー後進国」であることに驚かされるのである。

以前にも指摘されたことがあるが、日本は、日本だけできわめて完結しているのだという。そのため、海外の動きにどうしても無頓着になりやすい。ビジネスにおいても、日本国内での対応と同じ対応をしようとする、つまり、「日本可」しがちなので、グローバルなビジネスには失敗しやすいのだという。

しかし、物作り日本には、非常によきものがたくさんあるので、これは残念な傾向、ということである。

ネガティブな記事ではないので、ぜひどうぞ。http://bunshun.jp/articles/-/5009?page=3

また最近、日本の戦争を調べることが多いのだが、日本がロシアに大敗したと言われるノモンハン事件。俳優の武田鉄矢氏が実にわかりやすく、おもしろく、またそこから、今の日本にも通じる弱点、改善点をポジティブに解説している。時間がある方はどうぞ。

ラジオトーク・ユーチューブによるまとめ: 負けることにも失敗した日本:https://www.youtube.com/watch?v=VvmiX3Jeq-I
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