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ペンス副大統領:アメリカはイスラエルと共に立つ 2018.1.23

 2018-01-23
ペンス米副大統領が、エジプト、ヨルダンを訪問後、20日夜、イスラエルに到着した。

迎えはレビン観光相とフリードマン駐イスラエル米大使が担当し、空港での歓迎式典はなかった。翌朝の首相官邸でも盛大な歓迎のイベントは催されず、ペンス副大統領のコメントもないなど、控えめな歓迎となった。

国会では、ペンス副大統領が講壇に上がり、話し始めるや否や、アラブ系議員らが、「エルサレムはパレスチナの首都」と書いた大きなポスターを複数掲げて叫び、全員セキュリティに退室させられるという1幕もあった。

ペンス副大統領は、この後、すぐれた民主主義の前にへりくだる思いだとコメントし、スピーチをはじめた。

30分あまりのスピーチは、全体的に聖書を土台としたイスラエル理解に満ちており、クリスチャン・シオニストの考えを100%伝えた内容となった。

また昨日の公務に続いて23日の帰国前の訪問先も、ヤドバシェムと嘆きの壁となっており、”クリスチャンであるのに”聖墳墓教会を含めなかったとして、ペンス副大統領は、キリスト教の中でも福音派であることが改めて世界に報じられた形となった。

*聖墳墓教会は、ギリシャ正教などの正教会、カトリック、コプト教が運営するゴルゴダの丘とも目される場所にある教会。福音派は、中に多数のイコンがなどがあるため、偶像礼拝と位置付ける人も少なくない。トランプ大統領夫妻は、キリスト教の代表と位置づけ、聖墳墓教会にも訪問している。

ペンス大統領のスピーチの要点は以下の通り。

1)アメリカ大使館:2019年末までにエルサレムへ移動

ペンス副大統領は、まず、「イスラエルの首都であるエルサレム」の国会でスピーチする初めての副大統領になるのは光栄なことだと述べ、喝采をあびた。

ペンス副大統領は、エルサレムが首都であるということの根拠として、アブラハムからダビデが首都としてことをあげ、ユダヤ人はエルサレムに確かな深いつながりがあると述べた。

またエルサレムがイスラエルの首都であることは事実であるとし、事実に基づいてはじめて平和は実現すると述べ、トランプ大統領が直ちに大使館の移動準備を始めるよう指示したので、2019年末までには、アメリカ大使館はテルアビブからエルサレムへ移動すると宣言。国会全体が、スタンディングオベーションとなった。

しかし、同時に神殿の丘(ハラム・アッシャイフ)を含むエルサレム市の「現状維持」の原則は守ること、アメリカが最終的な合意(エルサレム市の境界線など)を決めるのではないという原則も強調。イスラエルとパレスチナ双方が合意するなら、アメリカは2国家を指示するとのトランプ大統領の立場も強調した。

2)悪の政権イランを核保有国にはさせない

ペンス大統領は、臆すことなく現イラン政権を悪と呼び、アメリカは、イランが核保有国にさせないと断言。スタンディングオベーションとなった。

ペンス副大統領は、現在のイラン政権が、市民を抑圧していると指摘。イランへの経済制裁を訴えるのではあるが、イラン市民に対しては、残酷な現政権が終わり、自由な国になった時には、アメリカはあなたがたの友人だと述べた。

3)アメリカはイスラエルと共に立つ

ペンス副大統領は、23日、ヤドバシェム(ホロコースト記念館)を訪問することになっているが、国会でのスピーチでも、ユダヤ人の苦しみについて述べ、それからわずか3年後にイスラエルが建国したことをあげ、神がそれを実現したのだが、ユダヤ人が希望を失わなかったからだとユダヤ人への敬意を述べた。

今年建国70年を迎えることに言及した際には、「天地創造の神に祝福あれ。神は私たちに命を与え、今日に至るまで生かしてくださった。」という伝統的なユダヤ教の祈りをヘブル語で述べ、再びスタンディングオベーションとなった。

また、今エルサレムでは、アブラハムを父祖とするユダヤ人、クリスチャン、イスラム教徒すべてが平和に生きているとし、ユダヤ人の信仰が、エルサレムを再び立て直し、強くしたと指摘。

イスラエルは、奇跡の証人であり、世界へのインスピレーションだと述べた。そのイスラエルと、その人々と共に友として立つことは、アメリカの誇りだと語った。

これまでのアメリカの大統領や高官と違い、イスラエルの「入植地」への非難はいっさい含まれていなかった。

4)エルサレムの平和のために祈る

ペンス大統領は、詩篇122編から引用したと思われるが、私たちはエルサレムの平和のために、その城壁のうちに平和があるように祈る。あなたがたを愛する人々に、その城壁の中には平和があるようにと述べ、以下のように締めくくった。

私たちは、この古くからの町を祖国と呼ぶ人々のために、神のいちじくの木の下に座る人々の平和のために働いていく。

私は心から申し上げる。神がユダヤ人を、イスラエル国家を祝福されるように。そして、アメリカ合衆国を祝福され続けるように。

ペンス副大統領スピーチ全録画(アメリカ大使館による):https://www.youtube.com/watch?v=eHqKpCvCMlI

<祈りきかれた!?>

ペンス副大統領が、中東歴訪のためにアメリカを発った日、アメリカ政府は、暫定予算案が失効したことにより、政府機関が一部閉鎖になる、いわば部分的シャットダウンに陥った。

イスラエルでの国会でのスピーチでの後、ペンス副大統領はトランプ大統領と電話で連絡を取ったが、つなぎ予算が可決されたために、政府の閉鎖は3日で終わる見込みになったと報告した。

http://www.bbc.com/news/world-us-canada-42785678

<懸念を表明する意見も>

ペンス副大統領のメッセージは、イスラエル人の心をおおむね温めるものではあるが、現ネタニヤフ政権と一致するもので、完全にシオニスト、言い換えれば右派の考え方である。

かつてパレスチナとの対話を担当したこともある中道左派よりと思われる議員ツィッピー・リブニ氏は、「ペンス副大統領の今回の中東歴訪が、中東和平への死亡証明書にならなければよいが。」といったコメントを出している。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5074688,00.html

確かに、アメリカの動きで、パレスチナ自治政府はアメリカを見限り、和平交渉への道のりは、これまで以上に遠のいている。また、今回のペンス副大統領のメッセージで、絶望、または怒ったパレスチナ人に、テロに走る大義を作ったとも考えられる。

実際、ペンス副大統領のスピーチを受けて、アルカイダは、ユダヤ人とアメリカ人を狙えとユダヤ人を先にあげ、攻撃の標的にするようにと指令を出している。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/241055

またイスラエルの国会でアメリカとイスラエルが一緒になって悪といわれたイランが、今後どう出てくるかも気になるところである。主の介入がどう出てくるのかが注目されるところでもあるが。。。

また、トランプ政権が、イスラエル支持であることから、全世界で、反ユダヤ主義が激増しているとの報告もある。これから祈りとりなしがさらに深刻になる時代を迎えることは十分予想されることである。

<石のひとりごと:エルサレムを背負う者>

昨日朝、首相官邸での地味なペンス副大統領歓迎式典に行ってきた。朝6時に家を出て、首相府についてから中に入るまでに2時間。それからさらに2時間、カメラの立ち位置で他のテレビカメラやカメラマンらと争いながら待ったあげく、ペンス副大統領とネタニヤフ首相の歓迎式典はわずか3分たらずであった。スピーチもなしであった。

必死に撮影している間に終わってしまったため、ペンス氏をよく見る時間もなかったが、ネタニヤフ首相と並んで歩いているペンス副大統領を見ながら、ユダヤ人とクリスチャンの関係がいよいよここまで回復したかと感動する思いだった。

明確に福音派クリスチャンであると告白しているペンス副大統領が、ユダヤ人の国、イスラエルの国会で公式のスピーチをし、ネタニヤフ首相と同じところに立って、硬い握手を交わす。これは、ユダヤ人とクリスチャンの関係の癒しが大きく前進した歴史的なできごとであるといえるだろう。

また、ペンス副大統領が、聖書理解に基づいて、エルサレムをイスラエルの首都と認めると宣言し、「神がユダヤ人とイスラエルを祝福されるように。」と、ゆっくり心をこめて語り、続いて祖国を覚え、アメリカに神の祝福があり続けるように。と述べて、自分のおかれている立場を正しく認識している姿にも感動した。

しかしキリスト教は一枚岩ではない。同じプロテスタントでも、パレスチナ系ルーテル派教会の司祭は、「イエスを政治的なイエスにしている。」と、ペンス副大統領に反対するコメントを出している。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5074816,00.html

また根強い反ユダヤ主義は、キリスト教会が育て、ホロコーストという惨状にまでなったたのであるが、その根が今、特にヨーロッパで、反ユダヤ、反イスラエル主義の暴力となって激増傾向にある。

自分の理解や感情、利益ではなく、聖書に立つのか。そのために、テロの標的になる覚悟はあるのかどうか。今回、ペンス副大統領が、明確にクリスチャンとして、イスラエルを祝福する立場を明確にしたことで、今後、この点においてもキリストの教会が、ふるいにかけられていくのかもしれない。

またペンス副大統領が、エジプトとヨルダンも訪問したことも覚えたい。これらの国々は、エルサレムはパレスチナの首都であるとの立場を、改めてペンス氏に伝えたのではあるが、実際にはどんな話になったのか、この訪問のインパクトは不明である。

キリスト教会と同様、イスラエルと国境を接するこれらの国々も今後、エルサレムについて、どうするのかを考えざるをえないだろう。前にも書いたが、聖書には次のように書かれている。エルサレムとそれを支持する者たちは攻撃されるが、最終的には主によって救い出されるということである。

見よ。わたしはエルサレムを、その回りのすべての国々の民をよろめかす杯とする。ユダについてもそうなる。エルサレムの包囲されるときに。その日、わたしはエルサレムを、すべての国々の民にとって重い石とする。すべてそれをかつぐ者はひどく傷を受ける。地のすべての国々はそれに向かって集まってこよう。

その日ー主の御告げーわたしは、すべての馬を打って驚かせ、その乗り手を打って狂わせる。しかし、わたしはユダの家の上の目を開き、国々のすべての馬を打って盲目にする。

ユダの首長たちは言おう。エルサレムの住民の力は彼らの神、万軍の主にある、と。(ゼカリヤ書12:2-8)


今はまだ世界最強を誇るアメリカだが、これから国際社会の風当たりはさらに強くなってくるだろう。福音派クリスチャンへの迫害もお懸念される。ペンス副大統領とトランプ政権、アメリカを覚えて祈る必要とともにキリストの教会のためにもさらに祈る必要を覚えた。
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アッバス議長はブリュッセルへ 2018.1.23

 2018-01-23
ペンス副大統領がイスラエルを訪問した同じ日、パレスチナ自治政府のアッバス議長は、ブリュッセルのEU本部を訪問。EU諸国の外相たちに対し、東エルサレムを首都とするパレスチナの国をただちに承認するよう要請した。

アッバス議長は、トランプ大統領、ペンス副大統領といった名前はださなかったものの、ペンス副大統領の訪問と同じ日であったことから、アメリカに反発していることを明確にした形である。

しかし、アッバス議長が要請したように、EUがアメリカに対抗してただちにパレスチナを国家として認めることはないとの見通しである。

EUのモルゲニ外相は、エルサレムは大きな課題であると認識していると語り、「EUは、エルサレムをシェアする形での2国家案を支持する。」との立場を強調した。

<EUがグループとしてパレスチナを国と認めることは可能か?>

Eu加盟28カ国の中で、スウェーデンとポーランドを含む9カ国はすでにパレスチナを国と認めているが、グループとしてのEUは、まだ認めていない。

EUのルールとして、いかなる合意も、独立国のみが対象となるので、今のままで、イスラエル(独立国)とパレスチナの仲介はできないとする意見もある。

これについて、フランスが、パレスチナに関しては、「組合合意」という一段下がったレベルでの合意は可能なのではないか持ち出しているという。

いずれにしても、EUとしては、イスラエルやアメリカとの交易を犠牲にするわけにはいかないという事情もある。

アッバス議長は、仲介者としてのアメリカを見限り、今、EUと並行し、中国とロシアにもその役割を担うようアプローチをはじめているところである。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Abbas-wins-EU-backing-for-Palestinian-capital-in-East-Jerusalem-539462
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厳戒態勢:ペンス副大統領来訪21-23日 2018.1.20

 2018-01-20
昨年末以来、2回延期になっていたアメリカの副大統領の中東訪問が始まる。20-21日にエジプト、ヨルダンを訪問後、21日日曜から23日までイスラエルを訪問する。

イスラエルでの予定は、21日夕刻に到着し、翌朝、首相府でネタニヤフ首相と会談し、国会で演説。リブリン大統領面会、ヤドバシェム(ホロコースト記念館)で献花して、23日に帰国する。

昨年に訪問が計画された時点では、パレスチナ自治政府のアッバス議長とも会談する予定であったが、トランプ大統領が、エルサレムが首都であると発表したため、アッバス議長がペンス副大統領には会わないと表明したのであった。今回もアッバス議長に会う予定はない。

エルサレム問題に加えて、UNRWA拠出金削減で、特にパレスチナ人の間で反米感情が高まっている中での訪問となるため、警備も厳戒態勢になるとみられる。エルサレム市内もあちこち道路が閉鎖されることになる

http://www.jpost.com/Christian-News/Comment-Mideast-Christians-eyes-turn-to-Pence-538184

ペンス副大統領護衛作戦”Blue Shield 2”の訓練を行うイスラエル警察の様子:
http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/240913

ペンス副大統領訪問をとりまく近況は以下の通り。

1)アメリカのUNRWA支援65億ドルへ削減

トランプ大統領が予告していた通り、アメリカは木曜、UNRWA(パレスチナ難民支援基金)への拠出金を、半額以下の6000万ドル(約67億円)にまで削減して支払いをすませた。支払い期限は1月1日であった。

UNRWA予算の25-30%は、アメリカからの拠出金でまかなわれていたことから、UNRWAにとってはかなり大きな打撃である。

さらに、金曜、これとは別に、昨年中、UNRWAに西岸地区とガザ地区への食料支援としてアメリカ政府が約束していた4500万ドル(約50億円)も凍結すると発表した。

https://www.timesofisrael.com/us-state-department-withholds-additional-45-million-from-unrwa/

これについて、アメリカ政府は、「永遠に凍結するとは言っていない。削減分は他国でカバーしなければならないだろうが、UNRWAが組織改善をするまでのことである。」と発表し、パレスチナ人テロ組織と癒着しているUNRWAの体制を改善するよう要求した。

UNRWAについては、支援金が、市民の生活改善だけでなく、テロ・トンネルの建設費用に流れたり、UNRWA運営の学校にミサイルが仕組まれるほか、パレスチナ人の子供達への教育内容にもイスラエルとの戦闘を促す内容があると様々な問題が指摘されてきた。しかし、国際社会はこれまで何の措置もとってこなかったのである。

トランプ大統領は、口にしたことは急に実施するとパレスチナ人の間でも恐れられるようになってきているが、まさにそうなったわけである。

ネタニヤフ首相は、アメリカの動きを歓迎し、パレスチナ難民支援は、いったんUNCHR(国連難民高等弁務官事務所)に戻すよう、主張している。

しかし、当初は70万人で始まったパレスチナ難民支援対象者は、今やひ孫の世代になって、530万人にまで膨れ上がっている。

特にガザ地区の200万人は、UNRWAからの食料や教育活動に頼っている人がほとんどである。またUNRWAの支援を受けるパレスチナ難民は、西岸地区とガザだけではない。ヨルダンやシリアなど中東全体にまで及んでいる。

理屈はどうあれ、70年も、あって当たり前になっていた支援が急に差しとめられることが、混乱をもたらすことになることは大いに懸念されるところである。

グテーレス国連総長は、深い懸念を表明し、最終的には、アメリカが、気を変えて、残りの拠出金も支払うことを願うとのコメントを出している。 

アメリカの拠出削減を受けて、17日、ベルギーが、2300万ドル(約25億円)をUNRWAに拠出すると約束した。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/240822

2)PLO中央委員会:オスロ合意破棄で可決

前回、ラマラで開かれているPLO中央委員会での特別カンファレンスで、アッバス議長が、エルサレムをイスラエルの首都と認め、UNRWAへの拠出金を削減すると言っているアメリカとイスラエルへの怒りを炸裂させたことはお伝えした通り。

さらに月曜、PLO(パレスチナ解放機構でパレスチナ自治政府の母体)の中央員会は、最終的にクリントン前米大統領を仲介し、アラファト議長とラビン首相が1993年に交わしたオスロ合意を破棄するかどうかの採択を行い、破棄することで合意した。

オスロ合意の主要項目は、パレスチナ自治政府を立てて、将来、パレスチナ国家を設立しようとする合意のことである。この合意以来、25年になるが、目標達成どころか、混乱はますばかりである。

今回、PLOが決めたのは、もはや、この合意は失敗であると認識するとともに、今後アメリカの仲介は拒否するということである。パレスチナ国家設立のためには、まったく違う道を歩むと言っているのである。

PLO中央委員会は、「国連決議の基づき、イスラエルの占領をやめさせること。1967年6月4日の時点(1967年六日戦争以前)の境界線から東を首都とするパレスチナ国家の独立を認めることを国際社会に要請する」と公式発表した。

http://english.wafa.ps/page.aspx?id=eJbuMka96057575031aeJbuMk

この後、水曜、カイロではアラブ諸国のカンファレンスが開かれた。その席で、アッバス議長は、改めて、アメリカと湾岸諸国が提示したとみられる新しい和平案を拒否すると表明した。

この和平案では、パレスチナの国家を認めるが、エルサレムが首都ではない上に、自治権はあるものの、防衛は認められないなど、完全な主権のない国家ということである。イスラエルはこれを受け入れているようだが、アッバス議長には認められないということである。

この時のスピーチでアッバス議長は、聖書にも出てくるカナン人を引用し、「我々は、イスラエル人より前からいるカナン人だ。」と主張。エルサレムを首都とする完全な主権を持つパレスチナ国家の独立をめざすと主張した。

https://www.timesofisrael.com/abbas-jerusalem-is-the-gate-of-peace-and-war-trump-must-choose/

<ヨルダンとイスラエルの外交関係回復へ>

ヨルダンは、国民の7割近くがパレスチナ人である。エルサレムはイスラエルの首都と宣言しているアメリカのペンス副大統領の来訪は、パレスチナ人の機嫌を損ねたくないヨルダン王室にとって歓迎できるものではない。

しかし、ヨルダンはシリア、イラクの難民を受け入れていることもあり、アメリカの支援に大きく頼っている。2016年の支援額は16億ドル(約1800億円)である。ヨルダンとしては、ペンス副大統領を断るわけにもいかず、難しい外交をせまられている。

またヨルダンは、昨年7月、イスラエル大使館職員が、ヨルダン人に襲われたとして反撃し、結果的にヨルダン人2人を銃殺したことで、イスラエルの大使を追放し、イスラエル大使館を閉鎖させていた。

ヨルダンは、ヨルダン人2人を殺害して帰国した大使館職員が、ネタニヤフ首相にまるで英雄かのように歓迎される様子を見て立腹していたのである。

実際になにが起こったのかが明らかでないため、イスラエルは、これまでのところ、謝罪はせず、遺憾を述べるにとどまっていた。

しかし、木曜、ヨルダン政府によると、ネタニヤフ首相が謝罪を申し入れたもようである。ネタニヤフ首相は、まもなく新しい大使をアンマンへ派遣することになると発表し、両国の外交関係が回復すると発表した。

ペンス副大統領の来訪を前にした圧力があったか動きともとれるタイミングである。

https://www.timesofisrael.com/israels-new-envoy-to-jordan-to-be-named-in-coming-days-netanyahu-says/

<エジプトも複雑・・・>

エジプトは、昨今、パレスチナ自治政府のアッバス議長を支援し、ハマスとの和解を仲介していた国である。そこへ、パレスチナ自治政府が関係を断固拒否を表明しているアメリカの副大統領が来るわけである。

かつてはアラブの盟主を務め、イスラエルと戦った大国エジプトが、エルサレムはイスラエルの首都と言っているアメリカの副大統領を迎えることは、エジプトにとっても大問題である。

しかし、こちらもヨルダンと同様、経済的にも大きくアメリカに依存している以上、断るわけにはいかない。

エジプトのシシ大統領は、水曜、アッバス議長に、ペンス副大統領が来ても、エジプトは、エルサレムがパレスチナの首都ということは妥協しないと約束したという。

https://www.timesofisrael.com/pence-visit-exposes-dilemma-facing-egypt-jordan-over-jerusalem-recognition/

<福音派クリスチャンとして>

ペンス副大統領は、トランプ大統領と違って、敬虔な福音派クリスチャンであることを明確にしている人物である。

キリスト教徒12人に1人は迫害の対象にあるとも報告されている中東で、世界最強の国のクリスチャン副大統領が何を言うのかもまた、注目されている点である。

<石のひとりごと>

アメリカがUNRWAの支援金を半部以下にした。そんなニュースが流れているが、エルサレムでは相変わらず、市内の道路をパレスチナ人が掃除しているのをみかける。

イスラエル、ユダヤ人の原点ともいえるヤドバシェム(ホロコースト記念館)でさえ、パレスチナ人が掃除している様子に、いまだに違和感を感じる。

ニュースでは、様々なことが報じられるのではあるが、現地で生きている一般のパレスチナ人たちは、おそらく何が来ても驚かず、すかさずなんとか生き残る道を探し出すことだろう。

国際関係でいえば、結局のところ、お金とはよく言われることであるが、結局のところ、アメリカがゴリ押しを通すという姿がペンス副大統領の中東訪問から伺える。

それでも、そういう人間のアグリーないとなみを超えたところに、歴史を動かす神がおられるということなのである。
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ジェニンで銃撃戦:犯人はまだ外にいる 2018.1.20

 2018-01-20
先週ラビ・ラジエル・シャバック(35)を銃撃して殺害したテロリストを捜索していたイスラエル軍は、18日夜、西岸地区北部パレスチナ人の町ジェニンで、パレスチナ人からの銃撃を受け、イスラエル兵2人が負傷した。1人は重症である。

ジェニンでは直ちに銃撃戦となり、パレスチナ人1人が死亡。イスラエル軍は2人を逮捕した。

当初、死亡したのは、ハマス所属のアフマド・ナセル・ジャラール(22)とパレスチナ自治政府は発表したが、その後家族から、彼はまだ生きているとの情報があった。

死亡したのは同姓同名のいとこであった可能性がある。イスラエル軍は、今も捜査を継続している。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5073275,00.html

今も捜査が続けられているマフマド・ナセル・ジャラール(22)の父は、1958年生まれで、パレスチナ武装闘争の開拓にかかわっていたとみられる人物。

2001年には爆弾を製造中に誤爆し、両足を切断。2002年に、テロ計画中との情報で、イスラエル軍に爆撃されて死亡した。その息子で筋金位入りのテロリストが、まだ自由に動いているということである。

リーバーマン防衛相は、負傷した兵士らを見舞った後、ジャラールを「今借りた時間で逃げている犬」だと称し、必ず逮捕し、協力した者も明らかにするとコメントした。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5073275,00.html

リーバーマン防衛相に先立ち、リブリン大統領も負傷兵2人を搬送先のハイファの病院に訪問。ラビ・シャバックの遺族も、訪問し、負傷した兵士に感謝を伝えた。

<石のひとりごと>

イスラエルは、やられたら倍返しを行い、逃げるテロリストを決してあいまいにはしないという原則を守っている。何年たってもツケはきっちり返している。復讐に同意するわけではないが、中東ではそれが、防衛を意味するからである。

イスラエルは、たとえ犠牲者はすでに死んでいても、また取り返す人物がすでに遺体になっていたとしても、今生きている兵士のリスクも覚悟の上で、敵の只中に兵士を送り込む。息子たちを軍隊に送り出す国民はそれを理解している。

アメリカから移民してきた男性が、「アメリカでは、国に必要とされていると感じたことはなかった。しかし、イスラエルでは、いるだけで、国に必要とされていると感じる。だから、国のために何かしたいと思う。」と言っていた。

イスラエルは、ホロコーストという特殊な事情を抱え、また国自体が小さいということもあり、国民一人一人の価値は大きい。国民一人一人もそれはよく知っている。国外にいると、そういうイスラエル人をうらやましく思えることがある。
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インドはどこまで信頼できる?:ネタニヤフ首相インド訪問4日間 2018.1.20

 2018-01-20
先週、ネタニヤフ首相夫妻がインドを訪問し、4日間も滞在した。国内状況、首相不在自身の身辺ざわついていた中で、イスラエルを離れ、手厚い歓迎を受けて、首相夫妻にはちょっとした休憩になったのではないかと思われる。

インドは、先の国連総会で、エルサレムはイスラエルの首都と言っているアメリカに、日本と同様に反対する票を投じた。イスラエルとしては、残念なことであった。

しかし、インドのモディ首相は、ネタニヤフ首相夫妻を、自身で空港に出迎えるというサプライズ歓迎をした他、相当な国賓の歓迎式典を行い、タージマハールなどのツアーにも案内している。

インドとしてもイスラエルとの関係は維持したいところなので、機嫌をとったということかもしれないが、今回のネタニヤフ首相のインド訪問で、両国の関係は、かなり深まったといえる。

1)貿易拡大へ

今回のネタニヤフ首相のインド訪問の大きな目的は、両国の貿易を成長させることである。ネタニヤフ首相は、ビジネスマン130人を同行し、イスラエルの産物200のリストをモディ首相に手渡すなど、貿易の促進を図った。

イスラエルとインドの貿易収支は、現在50億ドル程度で、その中身はほとんどが武器関係とダイヤモンドだという。

訪問に先立ち、インドは、イスラエルの武器会社ラファエルに、5億ドルの対戦車砲の注文をキャンセルすると申し入れていたが、ネタニヤフ首相の訪問後、キャンセルを取り消し、再交渉を始めることとなった。

https://www.timesofisrael.com/netanyahu-says-500m-israel-india-arms-deal-back-on-the-table/

2)ムンバイ・テロ現場に遺族モイシェ少年訪問

インド訪問の最終日、ネタニヤフ首相は、2008年にムンバイで発生した同時たてこもりテロ事件の現場の一つとなったユダヤ教ハバッド派の施設を訪問した。

この事件は、インドのイスラム主義者らが、ムンバイの10箇所で人質を取り、最終的には170人以上の犠牲者と出した重篤なテロ事件で、ハバッド・ハウスでは、ラビ・ガブリエル・ホルツバーグとその妻リブカが犠牲となった。

この時、2歳であった夫妻の一人息子モイシェ君は、死亡している両親のそばに立っているところを、インド人ナニーのサンドラさんに発見され、救出された。両親を失ったモイシェ君は、サンドラさんとともにイスラエルの祖父母のところで暮らし、今に至っている。

今回、ネタニヤフ首相は、ムンバイのハバッドハウスを訪問する際、モイシェ君(現在11歳)を同行した。モイシェ君にとっては、両親が死亡した現場への9年後の訪問である。

モイシェ君は、現場で、命が助けられたことを感謝すること、ネタニヤフ首相が、約束を守って、ムンバイの現場に連れてきてくれたことを感謝する祈りを捧げた。現場には記念碑が準備されていた。

今回の訪問は、モイシェ君とその祖父母、サンドラさんも一緒であった。

http://www.jpost.com/Israel-News/India-Israel/At-site-of-terror-attack-11-year-old-Moshe-Holtzberg-thankful-for-life-537105

<インド:モディ首相2月にアッバス議長訪問へ>

ネタニヤフ首相が帰国してまもなく、インドのメディアが伝えたところによると、モディ首相は、2月、パレスチナ自治政府のアッバス議長を訪問するという。

アラブ側との”バランスをとる”ことが目的とみられているが、イスラエルとの関係が深まったとしても、インドとしては、それとパレスチナ自治政府やアラブ諸国との関係とは別であるというスタンスである。

パレスチナ自治政府を訪問するということは、イスラエルを通過しなければならないのだが、その時にネタニヤフ首相との再会談があるかどうかは不明。

国連での動きも含め、いったいどこまでインドは友人なのか・・・と思わされるが、イスラエルはおそらくその上手をいっている。そんなことは、まったく驚きではなく、すべて計算積みであろう。

実直マジメ過ぎる日本人の頭には理解しがたい国際社会事情である。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5073306,00.html
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ガザからのトンネル破壊4回目 2018.1.15

 2018-01-15
イスラエル空軍は、13日夕刻、イスラエルとガザ、シナイ半島の接点に位置するカレンショムロン検問所付近に掘削中の地下トンネルを空爆。数時間後の14日早朝までに、トンネルの破壊を完了した。

今回のトンネルは、ガザとエジプト(シナイ半島)の検問所ラファ付近から発し、エジプトとの国境にそってすすみ、イスラエルとの検問所カレン・ショムロンの真下を通過。イスラエル領内に180m掘り進んでいたもので、全長1.5キロに及んでいた。(地図参照)

トンネルは、一部エジプト側を通っており、シナイ半島からも戦闘員や、武器の搬入を可能にしていたみられる。これは、ガザのハマスやイスラム聖戦が、シナイ半島のISISとも協力していたことを証明するものである。

また、トンネルが、カレン・ショムロン検問所という、まさかのガザ地区への物資搬入口の下を通っており、ガザの命綱さえ破壊する計画をも示唆していることから、ハマスとイスラム聖戦が、ISISとも協力して、大規模なイスラエル攻撃を計画していたのではないかとの見方もある。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5070606,00.html

<どう出る!?ハマスとイスラム聖戦>

イスラエルが、ガザから続くトンネルを破壊するのはこれで4回目である。イスラエルのメディアによると、毎回、違うハイテクの技術でトンネルを発見し、特殊な方法で破壊しているという。つまり、次回に備えることが不可能ということである。

また、トンネルの掘削には厖大な費用と人材を要するが、今回のトンネルの破壊は、特にハマスやイスラム聖戦にとって甚大な被害となったとみられる。

さらには、エジプトの検問所と国境をまきこんで、ISISとの協力も示唆するトンネルであったことから、エジプトの信頼も失ったと考えられる。

エジプトは、ハマスが、その宿敵ムスリム同胞団の一派であるにもかかわらず、パレスチナ自治政府との和解の仲介の労をとっていたのである。今後、エジプトがどう出るか注目される。ちなみに、ハマスとファタハ(パレスチナ自治政府)の和解は今回も頓挫したに等しい状況である。

こうしたことから、もはや、先がなくなったハマスとイスラム聖戦が、イスラエルに攻撃をしかけてくる可能性があると分析する専門家もいる。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5070739,00.html
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トランプ大統領パレスチナ支援削減か:アッバス議長の怒り炸裂 2018.1.15

 2018-01-15
トランプ大統領は、すでにパレスチナ自治政府への経済支援削減を実施しているが、3日のツイッターで、次のように述べ、さらなる削減を示唆した。

「パレスチナに何百万ドルも支援しているが、感謝も敬意もない。エルサレムを交渉からはずしてやったのに(エルサレムはイスラエルの首都であり交渉の余地なし)、交渉に応じる様子もない。今、彼らに大金を支払う必要はあるのか。」

アメリカは、毎年UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機構)に3億5000万ドル(約390億円)程度の支援を行っており、1月中に、その一部である1億2500万ドル(約140億円)が送金される予定となっている。

報道によると、その送金額が、今年は半分の6000万ドル(約70億円)にまで削減される可能性がある。(正式発表は今週中)

UNRWAについては、資金がパレスチナ難民の生活改善や自立支援だけなく、テロ組織にも使われていることが明らかになっている。次の記事で述べるが、イスラエルは、巨額の資金が、テロリストへの給料になっていると訴えている。

UNRWAが設立されたのは、イスラエル建国超後の1949年。本来、難民支援は難民が立ち上がるまでであるはずなのだが、70年も”難民”支援を続けていることになる。これでは、内部癒着が発生しても不思議はないだろう。

アメリカのヘイリー米国連大使は、パレスチナ自治政府への支援をすべて打ち切るべきとの強行案を主張したが、ティラーソン国務長官、マティス国防長官は、すべて打ち切ると中東、先ずはヨルダンが不安定になると反論。その妥協案が60億ドルになったというわけである。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5071026,00.html

アメリカの極端なやりかたは、現地情勢を悪化させるだけだと懸念するイスラエル人もいる。ネタニヤフ首相は、古い体制のUNRWAは解散し、支援金はいったん国連難民機関に戻して、あらたな組織を立ち上げるべきと主張している。

<アッバス議長の怒り炸裂>

パレスチナ自治政府のアッバス議長は、14日からトランプ大統領が、エルサレムはイスラエルの首都と認めた件で、2日間のPLO中央委員会のカンファレンスをラマラで開催している。

その席でのスピーチで、アッバス議長は、トランプ大統領が、ツイッターでパレスチナへの経済支援削減を示唆したことについて、「おまえの家は滅びるように」とのろいのことばを出し、電話でもないツイッターでほのめかしたことに怒りを表明した。

また、例年のように、パレスチナをユダヤ人の祖国と認めたバルフォア宣言を犯罪のルーツだとし、「ヨーロッパは、保身のためにユダヤ人をここへ送り込んだ。イスラエルは植民地活動であり、ユダヤ人との関連はない。」とこれまでにないほどの怒りを叫んだ。

アッバス議長は、1948年のイスラエル独立戦争は、パレスチナ人のホロコーストだとして、アラブ同盟に、バルフォア宣言を出したイギリスと訴えるよう要請している。

アメリカが、エルサレムをイスラエルの首都とし、パレスチナにはアブ・ディスを提案していることについては、断固拒否すると表明。アメリカの駐イスラエル大使フリードマン氏に会うことはないと会談要請を一蹴した。

イスラエルとの和平交渉については、平和を求めるとして者として継続する意思を表明したが、交渉を拒否しているのはネタニヤフだと非難した。

なお、このカンファレンスには、ハマスとイスラム聖戦も出席する立場にあったが、両者ともに「いちじくの葉っぱにはなりたくない。」として出席しなかった。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5070977,00.html
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憎しみの連鎖続く西岸地区 2018.1.15

 2018-01-15
西岸地区の入植者とパレスチナ人の間で憎しみと衝突が繰り返されている。先週火曜、西岸地区の前哨地(まだ認可されていない開拓地)ハバッド・ギラッドで、ラビ・ラジエル・シャバック(32)が銃撃された。

ラビ・シャバックは、自ら警察と家族に連絡し、病院に搬送されたが、その後、死亡した。妻と6人の子供たち(最年少は8ヶ月)が父を失った。

ハバッド・ギラッドは、入植地として政府に認可されていない前哨地の一つ。電気も水道もない開拓地であったという。

ラビ・シャバックは、そのような場所に住みながら、マーゲン・ダビッド・アドン(イスラエルの救命救急隊)のボランティアを務め、ラビの資格をとり、若者たちの教育にあたっていた。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/240462

テロの翌日行われた葬儀は、故人の要望により、ハバッド・ギラッドで行われた。無認可の前哨地であるためか、政府からの出席は、スファラディのチーフラビと、ナフタリ・ベネット教育相だけであった。

ベネット氏は、葬儀にて、ハバッド・ギラッドを新しい入植地として認可すること、パレスチナ自治政府のテロリストへの支払いをやめさせるよう、ネタニヤフ首相に訴えた。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Rabbi-Raizel-Shevach-buried-near-Havat-Gilad-outpost-533358

リーバーマン外相は14日、ハバッド・ギラッド住民のために新しいイスラエル人居住区を西岸地区に設立するよう、政府に要請を出した。もし許可された場合、昨年から新しく認可されるユダヤ人入植地は、アモナ住民のための地域に続いて2つ目となる。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/240655

<パレスチナ自治政府のテロ給与:350万ドル/2017>

イスラエルの防衛相が火曜、国会に提出した資料によると、パレスチナ自治政府が、イスラエルの刑務所に入っているテロリストに支払われた報酬の総額は、2017年だけで、3億4700万ドル(約385億円)にものぼっていたことがあきらかとなった。

イスラエル人を殺傷して、イスラエルの刑務所に入ったテロリストは、その犯行や収監期間によって報酬が決められ、給与として、パレスチナ自治政府から家族に支払われている。子供の数に応じて手当まであるという。

中には月2900ドル(30万円以上)も受け取っている者もあり、貧しいパレスチナ人にとって、イスラエル人を殺傷するほどよい収入源はない。

イスラエルにとっては赦しえない犯罪でも、パレスチナ人の視点では、イスラエルと戦った戦士へのいわば「遺族年金」なので、容易には止められない。海外からの支援金が、この悪循環を助長させているといえる。

現在、アメリカが、UNRWA(国連パレスチナ難民支援機関)への拠出金を見直す動きにでているところである。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/240598

<復讐する極右ユダヤ人入植者>

西岸地区では、イスラエル政府の対応に満足しなくなってきた極右の入植者たちのパレスチナ人への暴力が、イスラエルのメディアでも時々報じられるようになっている。(パレスチナメデイアは、以前より逐一報じている)

ラビ・シャバックが殺害されて以降、極右入植者50人が、付近のパレスチナ人のオリーブの木100本以上を破壊している様子が報じられた。付近にいるイスラエル軍も上から眺めているだけで、止めようとしていない様子も撮影されている。撮影したのは、パレスチナ人の権利を法的に守ろうとするユダヤ人法律家組織イエシュ・ディン。

極右ラビに導かれた100人ほどが、イスラエル軍にパレスチナ人地域に恒久的な検問所を再建するよう訴え、ナブルスへの道路を一時閉鎖するなども行った。

https://www.timesofisrael.com/settlers-filmed-destroying-100-palestinian-olive-trees-as-idf-appears-to-look-on/

<パレスチナ人とイスラエル軍の衝突で若者2人死亡>

西岸地区では11日、複数の地域で投石するパレスチナ人とイスラエル軍との衝突が発生した。これにより、パレスチナ人の少年(16)2人が死亡。1人は、上記ラビ殺害犯を捜索中のイスラエル軍との衝突で死亡していた。

この付近では、1週間前にも同様の衝突で17歳のフィラス・タミミ(17)が死亡。その葬儀にあった英雄視されているタミミの写真にイスラエル兵が、イタヅラ書きし、ヘブル語で、のろいの言葉を書いていた。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5069843,00.html

<石のひとりごと>

西岸地区(ユダヤ・サマリア地区)の暴力の応酬は、まさに終わりのない怒りと憎しみで、徐々に恐ろしいことになりつつある。この上、アメリカの支援が止まったらどうなるのだろうか。。

トランプ大統領の言うことは最もではあるが、あまりにも単純で、それをそのまま実施することへの結果を、どこまで考慮しているのだろうかと考えさせられることがある。ビジネスの世界と政治、特に国際関係とは全く違うのである。

とはいえ、あまり考えすぎると何も動かず、結局、次世代にもっと悪い状況を引き継ぐけである。今、普通ならとうてい考えられないような人物が大統領に立てられたということは、いよいよ時代が動く時に来ているということなのだろう。

世の終わりには恐ろしい時代が来ると聖書は預言しているが、その入り口に立っているような気配もするところである。。
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苦境に立つネタニヤフ首相:息子のスキャンダル 2018.1.15

 2018-01-15
治安情勢がかなり緊張しているが、ネタニヤフ首相の国内での立場は、微妙な状況になりつつある。様々な汚職問題が明るみに出て、テルアビブでは、毎週土曜夜、数万人の大群衆が、辞職を要求するデモを続けているのである。

その上、先週、ネタニヤフ首相の2人の息子のうち長男ヤイール(26)が、2年前に、友人とともにテルアビブのストリップ劇場を訪れた際、車内で交わされた卑猥であるだけでなく、国にとっても重大と思われる会話の録音が、チャンネル2のプライムタイムニュースで流された。

その友人とは、天然ガス田にもかかわるイスラエルの石油王、コビ・マイモン氏の息子オーリーである。会話の中で、ヤイールは、オーリーに、「俺の父親はおまえの父親に、200億ドル(2億円以上)の道をつけてやったのに、おまえは、俺に400シェケルの女も紹介できないのか」と笑って言っていた。2人は泥酔していたようである。

泥酔していたとはいえ、これは、ヤイールたちが売春を認めているだけでなく、ネタニヤフ首相が、ガス油田の権利について、マイモン氏に便宜をはかったともとれる内容である。

これについて、ネタニヤフ首相は、会話は酔った若者の意味のない会話だと一蹴し、「どこの親が夜に外出する子供達を完全に管理できるというのか。酔っているときの会話を録音される若者の身にもなってもらいたい。

メディアは、2年前の泥酔した若者の会話を記事にする暇はあるのに、パレスチナ自治政府が350万ドルもテロリストに給与として払っていることは報じていない。」と、いわば逆ギレ状態であった。

ヤイールは、この会話は酔っていたときのもので、本来の自分ではない。だれかを傷つけたなら謝罪するとのコメントを出した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5068118,00.html

現在、会話内容が捜査されると同時に、こうしたプライベートな会話を録音することの違法性が捜査されている。録音したのは、ヤイールのボディガードであった。

今日になり、そのボディガードの雇用主である警備会社が、首相家族の警備を任されるという信頼を失ったとしてこの警備員に対する訴訟を起こしている。

なんとも、みにくい話である。が、そこはイスラエル社会。こうしたことはすぐに忘れるので、ネタニヤフ首相もヤイールも人生が終わったわけではないと思う。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5070985,00.html
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イランとアメリカの対立 2018.1.15

 2018-01-15
アメリカは、イスラエルにとって最大の敵対国イランとも対立路線を強めている。

<核合意延長も交渉期限は120日:トランプ大統領>

トランプ大統領は、昨年10月、2015年にオバマ大統領が筆頭となりイランと交わした核合意は、悪い取引だったとして、アメリカは、次回の合意延長には署名せず、厳しい経済制裁の再開を示唆していた。

アメリカ議会は、2015年に交わされたイランとの合意について、3ヶ月ごとに見直しをすることになっている。昨年10月から3ヶ月後を1月11日に迎え、世界の注目が集まった。

予想通り、トランプ大統領は、これを延長すると発表した。ただし、次回120日後までに、合意内容に変更がなければ、次回は延長しないという最後通告つきであった。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5070019,00.html

*2015年イランとの国際合意

2015年のイランとの核合意とは、「イランは核(兵器)開発を停止するかわりに、課されていた経済封鎖を大幅に緩和する。」というもので、オバマ前米大統領が筆頭となり、ロシア、中国、イギリス、フランス、ドイツという世界6超大国とEUが交わした合意である。

しかし、この合意では、イランに核開発を10年保留にすると約束させただけで、開発開発再開の施設類は、そのまま温存された形となっている。その状態で経済制裁が緩和されて資金が流入するようになっているのである。

期限切れの10年が来れば、イランは、大手をふって、核開発を始めることが可能となる。その上、この合意は、通常兵器、つまり核兵器以外の兵器の開発には触れていなかった。

このため、経済制裁緩和で大量の外貨がイランに入るようになった今、イランは、ミサイル開発を行っており、弾道ミサイルの発射実験まで行っている。

トランプ大統領が出てくるまで、この合意は危険だと叫んでいたのはイスラエルだけであった。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-33521655

<イランへの経済制裁再開への必要性と回避の条件:トランプ大統領>

トランプ大統領は、公式の発表の際、イランが、ヒズボラやハマスなどのテロ組織を支援していること。武器支援の他、10万人以上のテロリストを育成して、中東全体を不安定にしていると指摘した。

また、イランが核兵器以外の危険な武器を開発していることをあげ、これまでに弾道ミサイル開発にかかわっているといられる100人以上を制裁措置に置いたと語った。

さらに、アメリカはイランの14の組織や人物を新たに制裁措置におくという。その中には、ハメネイ最高指導者に関係する裁判官も含まれている。

トランプ大統領は、国際社会との合意により、イラン経済に回復した金額は1000億ドル(12兆円)、うち現金は18億ドル(2000億円)にのぼると指摘。それらが、国民のためでなく、武器開発に使われていると訴えた。(以下に述べるが、12月末からイラン国民の反体制デモが発生した)

これらのことから、トランプ大統領は、次の4点をあげ、イランに関する3点が実施されないならば、次回3ヶ月後に、アメリカはイランとの国際合意から離脱し、イランへの経済制裁を再開すると宣言した。その4点とは以下のとおり。

①国際監視組織(IAEAなど)の要請に応じ、ただちに全核施設の査察に応じること。

②核兵器の開発に近づくことすらしないと約束すること。

③核開発保留の期限を10年とせず、永遠に放棄すること。

これらをイランが承服しないなら、アメリカは、国際合意から離脱し、経済制裁を再開する。

④(アメリカ自身について)アメリカは法律にて、長距離ミサイルの開発と核兵器開発とを別扱いしないということを法律に盛り込む。

*長距離ミサイルの最終目標は、弾頭に核を積み込み、遠距離の敵国を攻撃することにある。近年、長距離弾道ミサイルと核兵器開発は平行して行なわれている。アメリカは、北朝鮮の核弾頭つき弾道ミサイルの懸念に直面している。

https://www.timesofisrael.com/full-text-of-trumps-statement-on-iran-nuclear-deal/

トランプ大統領の言っていることは、イスラエルの言い分を代弁したかのような内容であり、まさに「裸の王様」的に、真実を網羅しているといえる。

しかし、いったん国際合意になってしまっている以上、アメリカの合意離脱はよほどうまくやらないと、逆にイランに核開発再開に口実を与えることになる。

実際、昨年10月にトランプ大統領が離脱を示唆すると、イランのハメネイ最高指導者は、「そうなれば、イランも離脱する。イランは核開発を行う。」と言っていた。

国際社会、特にヨーロッパは、イランとの合意の意地を主張している。したがって、アメリカが合意から離脱すれば、アメリカは、いよいよ国際社会から孤立することになるだろう。そのアメリカの支援を受けているイスラエルも今以上の憎しみをこうむることになる。

とはいえ、アメリカがイランの核問題にどう出るかは、北朝鮮問題にも大きく影響することになる。トランプ大統領、世界を背負って、相当な知恵を必要とする立場に立たされている。(自ら招いたともいえるが。。。)

<イランの反応:合意内容に変化はありえない>

トランプ大統領の上記公式発言に対し、イランのザリフ外相は、イラン国営放送を通じて、「合意のいかなる変更も受け入れない。」と発表。”イランと同様”、アメリカは約束を守るべきだと語った。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5070225,00.html

イランのロウハニ大統領は、アメリカが、今回も合意を延長したことを評価し、イランの勝利だと語った。また、弾道ミサイルの開発については、「核開発ができなくなっているイランにとって、弾道ミサイルは、不安定な中東で生き延びるための唯一の方策だ。」として、ミサイル開発は続けると語った。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/240631

また、アメリカが、イランの裁判官を制裁対象にしたことについて、報復すると発している。

<イスラエルの反応>

イスラエルのネタニヤフ首相は、フランスのマクロン大統領に電話をかけ、「トランプ大統領の訴えを真剣に受け止め、イランとの核合意の見直しをおこなうよう、訴えた。

特にマクロン大統領に電話したのは、トランプ大統領の発表の前に、核合意に変更はないと主張していたのが、同大統領であったからである。トランプ大統領は上記演説にて、ヨーロッパ諸国に対し、アメリカとともに、イランとの合意を見直すよう呼びかけていた。

<イランの反体制デモ:今回も沈静化>

イランでは、12月28日、イラン第二の都市マシュハドで反政府デモが発生した。デモは数日の間に、北西部各地の都市に広がり、やがては、テヘラン大学にまで広がった。

BBCによると、デモの規模は、都市によって、数十人から数千人で、2009年に発生した反政府デモほどの規模にはならなかったが、それ以来では最大。また、今回は、最高指導者ハメネイ師への非難まで出てきたことが注目されている。

今回のデモ隊は、最初は食物の価格高騰など、経済問題だった。イランのロウハニ大統領は、国際社会のイランへの経済制裁緩和を獲得し、経済の改善を約束していたが、今に至るまで、イランの経済は回復せず、教育を受けている若者でも仕事がない状況が続いている。(15−29歳の失業率は、公式の統計によると24%)

デモ隊の叫びは、やがて、「レバノンではない。ガザではない。私はイラン人だ。」と、内政よりも、シリアやイエメンの内戦に介入し、ヒズボラやハマスを支援する政府への怒りに変わっていった。

やがて非難の的はロウハニ大統領から、ハメネイ最高指導者へと拡大していった。警察が対処していたが、やがてイラン革命軍が出動し、デモ隊と衝突して全国で、少なくとも21人が死亡。1000人以上が逮捕された。うち90人が大学生だという。1人は獄中で自殺した。

1月に入ると、大規模な親政府デモが発生した。反政府デモの参加者の様相は、ごく普通の人々だが、こちらは、男性の多くはターバン姿、女性たちはみな黒のヒジャブ姿で、イスラム教とそのものといった様相である。

反政府デモ隊が叫んでいたのは、「ロウハニに死を」であったが、親政府デモ隊は、「アメリカに死を。イスラエルとともに滅びよ。」であった。この親政府モが発生して4日目の1月7日、反政府デモは沈静化した。

以後、反政府デモの写真はネット上、ほとんど出なくなった。顔がわかると逮捕されるような恐怖の日々に戻ったとみられる。この後、イラン政府は、小学生への敵国の言語であるとして英語教育を禁止すると発表。ソーシャルメディアの監視とコントロールを強化すると伝えられている。

https://www.timesofisrael.com/anti-government-protests-break-out-in-iran-over-economic-woes/

イランの人々は高学歴であり、民主国家を望んでいると思われる。しかし、強力なイスラム政権が、国をがっちりと支配しており、デモは発生するのだが、毎回取り押さえられている。しかし、可能性は十分あるとアメリカとイスラエルは期待するところである。

トランプ大統領は、今回のデモ隊を応援し、適切な時にアメリカが支援するなどと日々ツイッターに書き込んだ。イスラエルのネタニヤフ首相は、イランの人々の自由への挑戦に成功を祈るとのコメントを発表した。

これに対し、イランは、このデモは、イスラエルとCIA(アメリカ情報局)が仕組んだものだなどと反発した。

http://edition.cnn.com/2017/12/30/politics/donald-trump-iran-protests/index.html

<自然災害にみまわれるイランとアメリカ>

緊張が続くイランとアメリカだが、双方とも自然災害に見舞われている。イランでは、昨年11月12日、マグニチュード7.3の地震が、イランとイラクの国境付近で発生。530人が死亡した。この余震とみられる地震が今年1月11日、同じ地域で8回、記録された。

http://www.aljazeera.com/news/2017/11/iran-iraq-earthquake-happened-171113064624001.html

アメリカでは、昨年から、巨大なハリケーンや、山火事など、深刻な災難が続いているが、1月11日、カリフォルニアで、激しい雨の後に地滑りが発生し、少なくとも17人が死亡した。

http://www.bbc.co.uk/newsround/42632376

<石のひとりごと>

イランとはペルシャのことである。かつて、バビロンによって祖国を追われたユダヤ人を今のイスラエルの地に帰還させたのは、ユダヤ人を支配していたいわば、敵ともいえる、ペルシャの王であった。(エズラ記1:1−4)

まさかそのペルシャの王から突然、祖国への帰還を命じられるとは、当時だれも考えていなかっただろう。神のなさることは、私たちにはとうてい信じ得ないことが多いのである。

バルフォア宣言しかり。イスラエルはイスラエルだけで独立するのではなく、異邦の国々が用いられて、それが可能になるというのがパターンのようである。

聖書には、世の終わりにエルサレムにもう一度ユダヤ人の神殿が建てられると預言されているが、ひょっとして、まったくの予想外に現在のペルシャであるイランがそれを可能にするのでは!?と、状況が不可能になればなるほど、期待してしまうところである。
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