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過越2018:ガザ国境デモでパレスチナ人15人死亡 2018.3.31

 2018-03-31
イスラエルでは、30日日没から4月6日まで、過越の例祭に入った。聖書に記されている通り、初日と最終日は、聖なる日とされ、安息日扱いになる。今年も休日返上で、多数の治安部隊が治安を守っている。

西岸地区、ガザ地区では、30日日没から7日日没まで、一部の農業従事者をのぞいて、パレスチナ人のイスラエルへの入場は不可となる。またYネットによると、過越の先立ち、イスラエル国内に違法滞在していたパレスチナ人468人を逮捕した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5204864,00.html

こうした中、イスラエルで過越の第1日目、セデルが祝われる金曜になり、予告されていた通り、ガザ国境で、パレスチナ人とイスラエル軍との大規模な衝突が発生。夜までにパレスチナ人15人が死亡(パレスチナ側情報)。衝突はその後もまだ続いている。

<ガザで大規模デモ:イスラエル軍と衝突でパレスチナ人15人死亡>

ハマスは、3月28日(金)から5月14日のイスラエル独立記念日(西暦による)まで、イスラエルとの国境で、「偉大な帰還へのマーチ」と称する大規模な市民デモを計画し、広くガザ市民に参加を呼びかけていた。

ハマスは、イスラエル領は、あくまでもパレスチナ人のものだと主張しており、そこへ”帰還する”ことを決して諦めないと主張している。

ハマスのハニエ指導者によると、このデモの目標は、”パレスチナ全体(イスラエル領)への帰還”であり、今回はその始まりであると人々を先導している。ハマスは、トランプ大統領が、エルサレムをイスラエルの首都としたことにも激しく反発している。

ガザとイスラエル国境付近では、これまでからもデモで行われてきたが、大きな衝突にまでは発展しなかった。しかし、先週から、ガザからパレスチナ人の侵入が相次いぎはじめ(以下の詳細)、金曜、”土地の日”には、ガザ市民が群衆となってイスラエル領内へ入り込んでくる可能性も懸念された。

このため、イスラエル軍は木曜、武力衝突は望まないとしながらも、国境付近に100人以上の射撃手を配備し、必要時は実弾も使用すると警告。リーバーマン防衛相は、ハマスの呼びかけに応じて国境に来る者は、永遠にイスラエルへの入国を許可しないと釘もさし、後には、侵入しようとするものには、「命に危険が及ぶ」とも警告した。

ところが、金曜になると、これらの警告を無視した数千人のパレスチナ人たちが、イスラエルとの国境数100メートルの地点に集結。タイヤを燃やしたり、イスラエル軍に投石したりした。

これに対しイスラエル軍は、直ちに国境を封鎖。主に扇動者を標的に銃撃し、暴徒には催涙弾や、ゴム弾なども使って対処した。イスラエル軍が、無人のドローンで上空から暴徒の頭上に催涙弾を使っているという報告もある。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5211564,00.html

パレスチナ側情報によると、この衝突により、金曜午後10時の時点で、パレスチナ人15人が死亡。少なくとも2476人が負傷している。衝突はまだ続いており、死者はまだ増えつつある。

犠牲者のうち1人は、国境での衝突ではなく、朝8人に農作業していたとみられる人が、イスラエル軍の戦車砲で死亡したとのこと。

イスラエル軍スポークスマンによると、死亡したパレスチナ人は、1人を除いて皆、フェンスを越え、イスラエル側へ侵入を試みたもの達だという。混乱の中で、7歳の女の子がイスラエル側へ越境しようとしたが、イスラエル軍が保護し、両親に返したという一件も伝えられている。

Yネットによると、ハマスは、より多くの人々がデモに参加できるよう、国境までの送迎を手配するなどして、10万人の参加を予測していたが、実際にデモに参加したのは2万から2万5000人(メディアによっては3万人)とみられる。

参加者の中には、幼い子供達を伴う家族づれもいる。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5210347,00.html

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/LIVE-COVERAGE-Multiple-dead-and-hundreds-hurt-as-Palestinians-clash-with-IDF-on-Gaza-Border-547534

<過越に先立つ1週間:ガザからの侵入続発・軍事演習も>

過越に先立つ1週間の間、ガザ地区からは、パレスチナ人がイスラエル領内へ侵入する事件が4件も発生した。

25日(土)、ガザから4人のパレスチナ人が、イスラエルへ侵入し、建設中の防護壁工事現場の設備に放火しようとして逮捕。

27日(火)、ガザ地区から武装したパレスチナ人3人が、イスラエル領内南部20キロのゼエリムイスラエル軍基地周辺で逮捕された。3人は、手榴弾とナイフを持っていた。これについては、3人が侵入してから逮捕されるまで数時間かかったことが問題だとして、調査がすすめられている。

28日(水)、武器を持たないパレスチナ人1人が侵入した直後に逮捕。29日(木)、パレスチナ人2人が、ナイフとワイヤー切りを持って侵入し、逮捕された。

ハマスは、25,26日と、ガザ国境で、3万人の戦闘員が、ロケット弾やミサイルも登場するようなスケールの大きな軍事訓練を行った。

https://www.timesofisrael.com/hamass-defensive-drill-seen-as-a-warning-to-israel-abbas-and-trump/

急に南部情勢が悪化していることについては、今月、パレスチナ自治政府のハムダラ首相がガザで暗殺未遂になったことで、関係が悪化しており、だれが、パレスチナ人のボスかを証明する必要があったとの見方がある。

一方、ハマスがイランの指示でこうした動きに出ている可能性もある。イランは、先月、イスラエルにドローンを送り込み、イスラエルがシリア領内のイラン関連基地を複数空爆した。ロシアの介入で、大きな戦争には発展しなかったが、イスラエルとイランの対立は、徐々に深まりつつある。

<西岸地区でも衝突:パレスチナ人60人負傷>

金曜「土地の日」には、ガザだけでなく、西岸地区でも、ガザのソリダリティだとして各地で暴動が発生。イスラエル軍と衝突した。これにより、ナブルス近郊で27人が負傷。全体では60人が負傷している。

https://www.timesofisrael.com/over-60-palestinians-injured-in-scattered-protests-across-west-bank/

<イスラエル国内の様子:神殿の丘南側で過越の儀式>

ガザで深刻な事態になっているが、国内では、例年のように、安息日の静けさの中、家族、親族、友人たちが集まって過越のセデル(出エジプトのストーリーからなる式次第と食事)を行っている。

これに先立ち、26日(月)、神殿の丘すぐ南下、アルアクサモスクのすぐ下で、規定通りの白い祭司服に身を包んだコーヘン一族たちが、越の子羊を生贄いする儀式を行った。

これは、宗教シオニストたちによる毎年恒例の行事で、これまでは、エルサレム郊外、昨年は旧市街のユダヤ地区、今年は神殿南側と、徐々に神殿に近づいている。今年の参加者は、第3神殿推進派のユダ・グリック議員など数百人。

この儀式がこれほど神殿の丘近くで行われたのは、今年が初めてで、これを許可したイスラエル政府に対し、ヨルダンが、挑発的だと抗議の声をあげている。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Jordanian-Minister-slams-Israel-for-allowing-Jewish-ritual-near-Al-Aqsa-547415

https://www.timesofisrael.com/palestinians-to-protest-friday-after-jews-sacrifice-lambs-near-temple-mount/

<クリスチャンは復活祭>

クリスチャンは、25日、パームサンデーで、オリーブ山からエルサレム旧市街に向かって、今年も世界中からカトリックとプロテスタントの群衆が、やしの葉を手に、賛美しながらマーチを実施した。今週日曜はイースターである。

https://i24news.tv/en/tv/replay/news/x6gufih

東方教会(オーソドックス)クリスチャンのイースターウィークは1週間遅れで、パームサンデーが4月1日、復活祭が、4月6日。聖墳墓教会では、1000年以上続けられてきた聖火の儀式が行われる。

<過越を前に:”シオンの自由”コイン発見>

過越は、ヘブル人(イスラエル)の出エジプトを記念する祭だが、その直前、タイムリーにも、”シオンの自由”と彫り込んだ約2000年前のコイン多数が、神殿の丘南側オフィルエリアでみつかった。発掘はヘブライ大学のエイラット・マザール博士のチーム。

このコインは第一次ユダヤ戦争で、ユダヤ人がエルサレムに立てこもって戦ったが、最終的にローマ帝国に包囲されて滅ぼされ、神殿も破壊されたころ(69-70AD)のもの。

コインは銅製で、仮庵の祭にちなんだ4種の植物や、神殿祭司が使用した杯が彫り込まれている。

また興味ふかいことに、この時代前半には、「シオンの自由のために」と彫り込まれていたのに比べ、全滅寸前の今回発見されたコインには、「シオンのあがないのために」と彫り込まれている。

「自由」「あがない」といったことばは、まさに過越にふさわしいとマザール博士。博士によると。こられのコインが見つかった洞穴は、第二神殿時代から手付かずであったため、タイムカプセルのようだと語る。

https://www.timesofisrael.com/rare-trove-of-bronze-jewish-revolt-coins-unearthed-near-temple-mount/

この周辺では、預言者イザヤ本人のブラエ(印鑑のようなもの)もマザール博士のチームによって発見されている。

このブラエは、8世紀、第一神殿時代からのもので、「イシャヤフ(イザヤ)」という名前とともに、預言者を意味するナビと思われる文字が刻まれていた。

しかし、左上に欠けがあり、預言者を表すヘブライ御の最後の一文字が欠落しており、可能性はあるものの、はっきり預言者イザヤとは断定はできないという。

なお、この同じ場所では、ヒゼキヤ王のブラエも見つかっている。

https://www.timesofisrael.com/in-find-of-biblical-proportions-proof-of-prophet-isaiah-believed-unearthed/
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逆ギレアッバス議長:テロリスト給与正式続行へ 2018.3.31

 2018-03-31
23日、アメリカの議会では、検討されていたテイラー法案が通過した。

これは、2016年、イスラエルへ旅行中に、テルアビブでパレスチナ人テロリストに殺害されたアメリカ軍人テイラー・フォースさん(当時29)を覚え、パレスチナ自治政府が、テロリストやその家族への高額な報酬支給をやめない限り、アメリカからのパレスチナ支援を差し止めるとう法案である。

これを受けてアッバス議長は、表沙汰にはしていなかったこれまでテロリストへの報酬支給を、正式に行うと発表した。反発、または逆ギレと言ってもよいだろう。

パレスチナ・メディア・ウオッチによると、2018年度に自治政府がイスラエルの刑務所にいるパレスチナ人らに支払った報酬は、総額5億5000万シェケル(約170億円)。テロ行為で、死亡したパレスチナ人らへは、6億8700万シェケル(約210億円)

パレスチナ自治政府の年間予算が、155億シェケルで、そのうちの12億シェケル(約7%)がテロリストへの給与である。

アッバス議長が、アメリカに対して逆ギレできるということは、アメリカ以外にもパレスチナ自治政府を支援する国々がいるということなのであろうか。イランとか。。

<ハマスへガザ返還を要求:アッバス議長>

22日、ガザ地区へ入ろうとしたパレスチナ自治政府のハムダラ首相が、暗殺未遂にあったことはお伝えした通り。

以後、ハマスとパレスチナ自治政府の関係は非常に悪化している。アッバス議長は、ハマスに、「ガザを乗っ取った。すぐに返還せよ」と訴えている。アッバス議長はまた、ハマスが合意事項を履行していないとも訴えている。

・・が、この直後にガザでは上記記事のような混乱に陥ったわけである。アッバス議長は、ガザで多数のパレスチナ人が死亡したことを受けて、「国家的追悼」を宣言した。

https://www.timesofisrael.com/abbas-warns-hamas-hand-over-gaza-back-to-the-palestinian-authority/
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イランへの警告?シリア原子炉破壊(2007)はイスラエル 2018.3.31

 2018-03-31
20日、イスラエルは、2007年にシリアの原子炉が空爆で破壊されたことについて、イスラエルの攻撃によるものであったことを認め、攻撃映像を含む詳細を公表するに至った。

それによると、イスラエルの諜報機関は、2005年から、シリアが、北朝鮮の技術支援で、プルトニウム濃縮の原子炉を建設しているとの入手。

2年かけて確定したが、アメリカ(当時ブッシュ大統領)が攻撃を拒否したため、2007年11月5-6日の深夜、イスラエルの戦闘機8機が、シリア領内に入り、この施設を破壊した。

その後シリアが内戦に入ったことを思えば、もしこの時、この攻撃が実施されていなかったら、シリア内戦の混乱の中で、ISが、原子炉を持つようになっていた可能性も否定できない。いわば、中東、世界の運命を変えたとも言える。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5182507,00.html

イスラエルは、1981年にも、イラクの原子炉を電撃的に攻撃破壊し、その後起こりうる危機を阻止している。

<なぜ今?公表の意義>

今回の情報については、実際にはすでに海外メディアが報じていた内容で、それをイスラエルが確認し、認めただけということである。

なぜ、このタイミングで、空爆を認めると公表したかだが、イランへのメッセージであると考えられている。アメリカが、5月の期限を前に、イランの核合意からの離脱を検討していること、また、アメリカが、核実験を繰りかえす北朝鮮との対話を検討している中で、核問題の深刻性をアピールしたともみられる。

今回、イスラエルが破壊したと認めたシリアの核施設には、北朝鮮の科学者が関わっていたと伝えられている。

もし万が一、アメリカが5月、イランとの核合意から単独離脱し、これに反発したイランが、逆に核兵器開発へ動き出すことでもあれば、イスラエルは躊躇せずにこれを武力阻止する用意があると主張したとも考えられる。

こうした中で、ガザとの対立が発生しており、イランがガザのハマスを利用し、イスラエルとの発火点を作ろうとしているのかもしれない。

これに先立ち、クエート系メディアによると、イスラエルがアメリカから購入した最新式戦闘機F35、2機がイラン領空を飛行したとの情報もある。イスラエルとイランの関係は、いよいよ緊張してきたようである。

http://www.jpost.com/Middle-East/Report-Israeli-stealth-fighters-fly-over-Iran-547421

<アメリカがイラン人ハッカー9人を公表>

アメリカは、23日、イラン革命軍の要請により、世界230大学から、貴重な情報や資料を盗み出し、収益を得ていたとみられるイラン人9人の名前を公表した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5191945,00.html

なお、イランのリラはここ半年間、最安値を記録しているという。
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ボルトン新大統領治安補佐官:トランプ大統領の暗黙のメッセージ? 2018.3.31

 2018-03-31
イスラエルとイランとの溝が深まり、ガザなどイスラエル周辺でイランの影がちらついている。その中で、トランプ大統領が、5月、イランとの核合意から離脱するかどうかが、これからのイランの動きを大きく左右する。

イランは、もしアメリカが核合意から離脱すれば、イランも合意から離脱して、ただちに核開発を再開するといっている。メデイアによっては、もしかしたら、イランがアメリカより先に合意から離脱するのではとまでいうものもある。(違うとは思うが。。)

これと並行して、トランプ大統領と北朝鮮との対話の話も5月末までとなっている。この問題には今中国、続いてロシアが大きく関わり始めており、目が離せない状況である。

注目のこの2国、イラン(シリア)と北朝鮮は、核開発において協力活動にあると言われている。トランプ大統領が、5月、この2国とどう向き合うのかは、イスラエルにとっても重大事項である。

<強硬派ボルトン大統領補佐官:暗黙の警告?>

このように非常に危機的な状況にある中、トランプ大統領が、ホワイトハウスの非常に重要なポストの人事を何度も交代させている。

トランプ大統領は、3月22日、強硬タカ派と目されるジョン・ボルトン元国連米大使を、マクマスター氏に代わって、大統領治安補佐官に任命した。ボルトン氏は、2015年のイランとの核合意には最初から反対していた人物。

イスラエル支持派で、パレスチナ国家設立を含む2国家解決に反対する考えである。アメリカ大使館のエルサレムへの移動にも賛成の立場。しかし、福音派ではなく、ルーテル派クリスチャン。

これに先立ち、3月13日、マイク・ポンペオ氏が、レックス・ティラーソン氏に代わってアメリカの国務長官に任命された。

ポンペオ氏は、元CIA長官。軍人として、またビジネスのキャリアも持つ。イランとの核合意には反対しているということだが、Yネットは、その影響力には疑問視する記事があげている。

この2人の指名、特にボルトン氏の指名で、中東での戦争への可能性が高まったとみるメディアもあり、イランと北朝鮮への警告になっている可能性もある。

https://www.independent.co.uk/voices/john-bolton-donald-trump-mike-pompeo-middle-east-iran-a8281436.html

マイク・ポンペオ氏は、福音派クリスチャンであるという。副大統領と国務長官が福音派クリスチャンというトランプ政権。主がなにを計画されているのか。いずれにしても2人の兄弟のために祈られたし。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5166445,00.html

<ロシア神経ガス問題その後>

イギリスで、元ロシアスパイが、神経ガスで殺害された事件。イギリスは、ロシア政府が関係しているとして、ロシアに抗議し、ロシアの外交官23人を追放。ロシアも同じ23人のイギリス外交官を追放した。

この後、イギリスに同調するとして、アメリカ、ウクライナ、フランス、ドイツ、ポーランド、カナダなど29カ国もロシアの外交官を追放し、ロシアもそれぞれの国の外交官同数を追放した。NATOもロシア人10人を追放している。

このうち、アメリカは最大規模で、60人のロシア人外交官を追放。ロシアもアメリカ外交官60人を追放している。

今後、この問題に、ボルトン治安補佐官やポンペオ国務長官がどう対処されるのかも注目される。

http://www.bbc.com/news/world-europe-43596812
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エルサレム・バルカット市長今期で退任・国政へ進出か 2018.3.31

 2018-03-31
エルサレムのニール・バルカット市長(58)が、26日、時期市長選挙には出馬しないと正式発表した。近く、リクード(ネタニヤフ首相政党)から国会議員、政府高官をめざすと発表するとみられている。

バルカット市長は、元スタートアップのビジネスマンだが、2003年にエルサレム市長に当選。以後5年おきに3回当選を果たし、15年間、市長として勤め上げた。

バルカット市長は、宗教家だけでなく世俗派にもフレンドリーで、多様な国際都市エルサレムというイメージを作り上げた。

国際マラソンをスタートさせるなど、町は、以前より洗練され、スタートアップ企業も増えた。東エルサレム住民の生活改善にも努力し、バルカット市長を支持するアラブ人も少なくない。

また国との交渉をすすめ、来年度の国からのエルサレム予算はこれまでで最高額になったと伝えられている。

無論、多くの批判はあるが、エルサレム在住者としては、あきらかに、エルサレムがきれいに、洗練されたことは確かだと思う。個人的には、バルカット市長がエルサレム市長でなくなることは非常に残念であるが、国政でどう働くか、楽しみでもある。

https://www.timesofisrael.com/jerusalem-mayor-nir-barkat-announces-knesset-bid/
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テロの波再来か!?:エルサレム旧市街テロ:1人死亡 2018.3.19

 2018-03-19
18日午後、エルサレム旧市街内、イスラム地区、ハガイ通りで、ユダヤ人警備員男性(30)が背後からナイフで上半身を複数回さされるというテロが発生した。被害者はただちに病院に搬送されたが、死亡した。

テロリストは、近くにいた警察官に、その場で撃たれて死亡した。後にナブルス近郊に住むパレスチナ人アベッド・アル・ラフマン・バニ・ファアダル(26)と判明している。

西岸地区ではここしばらく、イスラエル軍との衝突が多発している。警察によると、まだテロが続く可能性があるという。チャンネル2は、テロの波再来かとのタイトルでニュースを流していた。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5177588,00.html

*パレスチナ・メディアによると、イスラエル軍は、17-18日、東エルサレムと西岸地区各地で、パレスチナ人少なくとも19人を逮捕したとのこと。ただし、この情報はイスラエルのメディアでは確認できない。

http://www.maannews.com/Content.aspx?id=779949
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西岸地区で死亡の兵士2人悲しみの埋葬 2018.3.19

 2018-03-19
16日の西岸地区でのテロで死亡したイスラエル軍兵士2人が、それぞれ家族と多くの人々に見守られて埋葬された。

<ジブ・デウス中尉(21)>

ジブ・デウス中尉(21)は、捜索救助部隊の司令官。ちょうど3年前のこの日に従軍し、以来、戦闘部隊の中の衛生兵司令官になるための訓練を受けてきた。国を守る強い意志があったという。

遺族は、両親と妹2人。デウス中尉の叔父は、1973年のヨム・キプール戦争で戦死している。ジブさんの父ロネンさんは、葬儀で「なぜこんなことが私たちに起こるのか」と泣きくずれていた。ロネンさんは、人々が彼のことを過去形で語ることに抵抗していたという。

葬儀で、祈りを捧げるあたっては、「私が彼のキドシュをしなければならないのか。彼が私のためにするべきなのに。自然に逆らっている。神は天使を私から取って行った。神は、良いものは取っていく。」と述べた。

<ナタナエル・カハラニ軍曹(20)>

カハラニ軍曹(20)の父、ダニーさんは、「まだ実感がない。お前を愛していたのに、突然、失ってしまった」としめくくった。

母のナオミさんは、「いつかは別れる日が来るとは知っていたけど、こんなに早くその日が来るとは思いもしなかった。20年間ありがとう。いつか永遠の中で会いたい。」と言った。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5176884,00.html

テロリストはまず、2人をはねて殺害してから、次の2人に向かってスピートをあげて突っ込んでいた。その間、兵士たちが対処できる時間はなかったとみられている。

重症の2人の兵士については、その後ニュースはないことから、なんとか持ちこたえているものと思われる。

<2人を助けようとしたパレスチナ人>

2人が犠牲となった現場では、目撃者が現場の撮影をしていた。それによると、付近にいたパレスチナ人がヘブル語で兵士に向かって、「助けは呼んだのか!何かできるか!」と叫び、後には、近づこうとする目撃者を「下がれ、下がれ」と救援を邪魔しないようにする様子も映されていた。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5177326,00.html
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新戦略!?:ハマスの地下トンネルを破壊 2018.3.19

 2018-03-19
ガザ地区とイスラエルの国境でも衝突が多発しているが、イスラエル軍はその度にハマス拠点などガザ地区へ空爆を行っている。そのような中、イスラエル軍は、土曜夜と日曜に、新たなテロ用地下トンネル2本を破壊した。

一本は爆破だが、もう一本はラファからイスラエル領内のエシュコル地方に向かっていたトンネルで、なんらかの物質を流し込んでの破壊であった。(ハイテクによる破壊で詳細は明らかにされていない。)トンネル破壊による人的被害は報告されていない。

後者のトンネルは、2014年のガザとの戦争の時に部分的に破壊されたもので、ハマスはそれを再利用しようとしていたとみられる。

ハマスは、破壊されたトンネルについて、「もう使用していないもので、イスラエルが破壊を、勝利的に宣伝するのは、イスラエル市民への誇張だ。」と述べた。

一方、イスラエル軍からは、「ハマスは、大量のセメントや鉄、電力など、膨大な投資をしてトンネルをつくる。しかし、いくらつくってもイスラエル軍が破壊する。これまでにピラミッドを作れたのではないか。世界的な愚の骨頂だ。」と言い返した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5177084,00.html

<イスラエル軍の新戦略?>

軍事評論家ロン・ベン・イシャイ氏によると、ガザにハマスとの戦争がますます懸念される今、南部のイスラエル軍が、新しい戦略を始めているとのこと。

それは、ガザ地区からの攻撃を受けて、報復の空爆を行う際、ハマスやイスラム聖戦の軍事施設だけを破壊し、人間は殺さないという戦略である。そういえば、最近、イスラエルが空爆しても、ガザ地区からの被害はほとんどあがってきていない。

もし、報復空爆の際に、ハマスやイスラム聖戦の戦闘員や司令官を殺してしまった場合、相手にイスラエル攻撃への大義を与えることになる。しかし、軍事施設だけを破壊した場合、大義にはなりえない。それらはもともと公にできないものだからである。

応戦して、そうした軍事施設が世界に明らかになることは、イスラエルの大義になっても、ハマスには逆に不都合となる。

イシャイ氏によると、イスラエル軍は、これを逆手にとり、ガザからの少しの攻撃であっても、大々的にハマスなどの軍事施設を破壊しているという。それは、もはや報復ではなく、先制攻撃といってもよいレベルである。

これにより、ハマスとの全面戦争を抑制し、仮に戦争になってもハマスには十分な武器がないという状況をつくる。いわば、戦争と戦争の間の作戦である。

これは北部においては、イランの武器がヒズボラの手に入る前にシリア領内で破壊してしまうという原則と同様といえる。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5177365,00.html

<石のひとりごと>

それにしても本当にどこからエネルギーが出てくるのかと思うほど、ハマスやイスラム聖戦は、執念を燃やしてイスラエルを攻撃し続ける。

イスラエル軍はハマスのトンネルを、愚の骨頂とあざ笑っているが、実はそれにハイテクで対処するイスラエル軍も相当な大金を使わされている。おそらくハマスより出費は多いであろう。

どちらが勝っているのか、負けているのか・・・ともかくも、このようなハマスの愚の骨頂は、早くやめてもらいたいものである。
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米エルサレム首都宣言から100日暴動:イスラエル兵2人死亡 2018.3.18

 2018-03-18
トランプ大統領が、昨年12月に、エルサレムはイスラエルの首都と宣言してから100日目となる16日金曜、ガザ地区、西岸地区各地で、パレスチナ人が、投石するなどの暴動をおこして、イスラエル軍と衝突した。

これにより、ツル・カレム付近でイスラエル兵2人が負傷(軽症)。パレスチナ人3人が負傷した。(パレスチナメディア情報)

ガザ地区国境付近では、約100人がイスラエル兵にむかって投石。この時少なくとも7人が、イスラエル軍の反撃で負傷している。

イスラエル各紙によると、トランプ大統領のエルサレム宣言以降、パレスチナ・ナショナルイスラム・フォースという様々なイスラム組織からなる武装勢力が、毎週金曜を”怒りの日”と呼んで暴動をおこし、イスラエル軍と衝突している。最近では、暴力がエスカレートする傾向にあるという。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Explosion-in-the-northern-Gaza-Strip-no-IDF-casualties-545163

<イスラエル兵2人死亡、2人重症:西岸地区>

暴動の中でではなかったが、金曜午後、西岸地区北西部のユダヤ人入植地マボ・ドタンに近い585号線上の見張り塔近くで、交代のために立っていたイスラエル兵4人に、パレスチナ人が運転する車が突っ込み、イスラエル兵2人が死亡。2人が負傷した。

負傷した1人は、深刻な頭部外傷で、命の危険がある。もう一人は中等度の負傷。

テロリストは、ワジ・アラ地方バルタア出身のアラ・カブハ(26)。いったん現場から逃げたが、負傷して逮捕された。後に、”パレスチナのためにやった”との動機を認めている。アラは、昨年4月、17ヶ月の景気を終えて、イスラエルの刑務所から出所していた。

https://www.timesofisrael.com/liberman-vows-to-seek-death-penalty-for-west-bank-car-rammer/

事件発生後、イスラエルは直ちにカブハ一族67人のイスラエル(入植地含む)での労働許可を剥奪。イスラエルとの貿易許可も剥奪した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5172565,00.html

また、この翌日、イスラエル軍は、アラ・カブハの出身村への踏みこみ捜査を行い、隠された武器の捜索や車両の捜索を行い、家族を尋問した他、アラの兄を連行した。

ハマスは、犯行を称賛。トランプ大統領のエルサレムはイスラエルの首都宣言から100日目のテロであったことを強調。「パレスチナ人の”抗議”は一時的なものではなく、今も継続しているということだ。」と言った。

リーバーマン防衛相は、「個人的なテロはない。すべてパレスチナ自治政府のアッバス議長の責任だ。」と語った。またテロリストへの死刑を主張した。

<ガザ国境で爆破事件続く:パレスチナ自治政府ハムダラ首相を暗殺未遂>

13日火曜、ガザのハマスを訪問しようとしたパレスチナ自治政府のハムダラ首相の車列近くで、仕掛けられていたとみられる爆弾が爆発。車3台が被害を受け、側近などに負傷者が出たが、ハムダラ首相自身は無事だった。

この後、ハムダラ首相は、予定通りガザに入って、汚水処理施設の開所式に出席している。負傷者は、イスラエル側で医療処置を受けた。

この事件の数の2日後、ガザとの国境、イスラエル兵のパトロールのルートでも、爆発が複数発生。イスラエル兵に被害はなかったが、イスラエル軍は、ガザ地区へ報復の戦車砲を撃ち込んだ。エルサレムポストによると、こうした事件は今月に入ってから2回目になる。

パレスチナ自治政府は、ハムダラ首相暗殺事件未遂事件とみて、ハマスに責任があると訴えた。しかし、ハマスは、犯行を非難し、ハマスとパレスチナ自治政府の和解を妨害しようとする一派の犯行だと主張した。

https://www.timesofisrael.com/explosion-reported-near-palestinian-pms-convoy-during-gaza-visit/

*ラミ・ハムダラ首相

ハムダラ首相は、元言語学者で穏健派とみられている。2013年、ファイヤド前首相の後継者として、アッバス議長から首相職に指名され、いったん受諾したが、2週間後に辞表を提出している。

パレスチナ自治政府は、議長が大きな権力を掌握しており、首相には、実質あまり権力はない。その中で、地味な内政を任される立場にある。辞表を提出したハムダラ首相の気持ちも十分わかるというものである。

しかし、結局、その3ヶ月後に、再びアッバス議長から内閣形成を任され、首相となった。トランプ大統領がUNRWAへの支援金を半減させてしまった昨今、特に厳しい対応に追われていると思われる。

なお、Times of Israelによると、ハムダラ首相は、2000年に事故で3人の息子を失っている。

https://www.haaretz.com/middle-east-news/palestinians/who-is-rami-hamdallah-who-just-escaped-an-attempt-on-his-life-1.5904533

<石のひとりごと>

過越を前に、若いイスラエル兵がまた2人死亡した。なんとも気が重い。息子たちを兵役に出し、そして失ってしまった家族は、どう思っているのだろうか。息子たちはもう2度と帰ってこないのである。あまりにも厳しい現実だ。

イスラエルの市民生活は今、実に平和だが、その平和がこうした兵士たち、その家族たちに支えられていることを改めて実感させられる。まさに平和は、あたりまえではないということである。

せめて重症の兵士が、回復してくれることを祈っていただければと思う。
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政府解散の危機回避:2019年度予算案国会通過 2018.3.18

 2018-03-18
ユダヤ教政党が、超正統派ユダヤ教徒の徴兵制に関する法案で合意できないとして、2019年度予算案に賛成しないと発表。ネタニヤフ首相と法案の表現を変えるなどの交渉が続けられた。

ところがこの改正バージョン法案については、リーバーマン防衛相とカフロン財務相が反対。あくまでもユダヤ教政党の立場を擁護するなら連立を離脱すると主張。ネタニヤフ首相は、国会解散。総選挙を余儀なくされるのではないかとの危機に立たされた。

しかし、その後、なんらかの調整が勧められたのか、14日(水)、カフロン財務相が準備した予算案が、賛成62、反対54で、無事国会を通過した。これで解散の危機は回避したことになる。

イスラエルの2019年度予算は、47兆9600億シェケルで、昨年度より、4.3%増えた。2015年と比べると24.9%も増えているという。

Times of Israelによると、予算のうち防衛費は728億シェケル、教育費640億シェケル、社会保障465.9億シェケル、健康保険424億シェケルとなっている。

ともかくも、これで政治家たちは、3月30日から1週間の過越の休暇をゆっくりと過ごすことができることになった。

https://www.timesofisrael.com/knesset-passes-2019-budget-putting-coalition-crisis-in-rear-view-mirror/
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ヨーロッパ3国:イランの対ミサイル開発制裁を検討 2018.3.18

 2018-03-18
トランプ大統領は、2015年に、アメリカを含む世界6大国とイランとの間で交わされた核兵器開発に関する合意内容の改正を要求している。

今のままの合意では、期間終了の10年後には、イランが合法的に核開発を再開できるだけでなく、通常兵器開発の制限が、この合意にもりこまれていなかったため、制裁緩和で得た資金で、近年、イランが堂々と弾道ミサイルの開発を行っているからである。

イランが、シリアのアサド政権を支援していることから、イランのミサイル開発は、そのままシリア内戦にまで関わってくる。また、イランはヒズボラ、ハマスにも武器を供給している。イランのミサイル開発は、シリア、イスラエルはじめ中東だけでなく、世界にとっても深刻な問題である。

アメリカは、2015年の合意について、4ヶ月毎に見直しを行うことになっている。トランプ大統領は、前回1月12日の見直しにおいて、制裁緩和の継続を決めたが、同時にもし次回5月12日の見直しまでに適切な改正が成立していなければ、アメリカは、この合意から離脱して、イランへの経済制裁を再開すると警告した。

当然ながら、イランは、いったん国際的な合意になっているのだからと、内容の変更にはいっさい応じない姿勢を示している。この5月には、また一悶着あることはもう目に見えていることである。

こうした中、イギリス、フランス、ドイツが、イランのミサイル開発に対する制裁に関する提案書を、合同でEUに提出したとロイターが報じた。アメリカをイランとの核合意の枠組みに止めておくことが狙いとみられる。

3国合同の書類によると、5月12日以降もアメリカを含む形での合意を継続することを目標に、イランの交渉を行うということがもりこまれているという。これについて、アメリカはコメントを控えるとしている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5173264,00.html

<シリア:東ゴータ地区から5万人が脱出避難中>

シリアでは、イランとロシアを後押しを受けているアサド政権が反政府勢力の支配域であった東ゴータ地区を包囲し、化学兵器を含む激しい無差別攻撃を行っている。しかし、いよいよアサド政権軍が、地域を掌握し始めているという。

これに合わせて、シリア市民たちが、東ゴータから脱出し始め、BBCによると、木曜、少なくとも12000人が脱出した。2月に東ゴータ地区が攻撃を受け始めて以来、死者はわかっているだけで、1100人に上っている。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-43414348

<シリア:トルコの攻撃で15万人が避難>

シリア北西部クルド人(YPG)地区のアフリーンは、この1月からトルコと反政府勢力の自由シリア軍の激しい攻撃を受けている。BBCによると、これまでに少なくとも15万人が避難したとのこと。シリア情勢は相変わらず、悲惨である。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-43441350
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ロシアと欧米の対立:元スパイ殺害をめぐって 2018.3.18

 2018-03-18
元二重スパイであったロシア人のセルゲイ・スクリパリ氏(66)が、3月4日、亡命先のイギリス、サリスベリーで、娘とともに神経剤とみられる武器に攻撃されたとみられ、意識不明の重体になっている事件。

ベンチで倒れている2人を発見した警察官ニック・メイリー氏も、重症となっている。この他市民46人が、病院で検査を受けた。BBCによると、2人と接触した可能性がある人は計131人だが、重症となっている3人以外は今の所全員無事。

事件後、サルスベリーでは、大規模な除染作業を強いられるなど、イギリスは大きな被害を受けた。

事件で使われた神経剤が、兵器レベルのものであったことと、ロシア軍が使う種類であったことから、イギリスは、ロシアが背後にいるとみて、ロシア政府に、期限つきで説明を求めた。

しかし、ロシアが期限までに返答してこなかったことから、メイ首相は12日、ロシア外交官23人を追放すると発表した。これを受けて17日、ロシアも、モスクワでイギリスの大使を呼び出し、イギリス人外交官23人を追放すると伝えた。

<フランス、ドイツ、アメリカはイギリスに味方>

こうした中、フランス、ドイツ、アメリカが、「これはロシアが背後にいると見るのが自然である。」とイギリスを擁護する立場を表明。NATO代表のストロテンバーグ氏は、「イギリスは孤立していない。ロシアはイギリスの同盟国を軽く見ている。」と語った。

この後、イギリスの要請で、国連安全保障理事会が開催されたが、アメリカのヘイリー代表は、「安保理では、化学兵器の使用を禁じている。にもかかわらず、それを他国で使用したロシアを無罪放免にするなら、この理事会の存在異議はなくなる。」と強くロシアを非難した。

対するロシアは、「目に見える証拠を出してもらいたい。証拠がない以上、ロシアが背後にいるとはいえないはずだ。」と言い返した。

今回のイギリスとロシアのやりとりにおいては、イギリスがロシアになめられたとみる分析を多くみかけた。

イギリスはEU離脱することになっており、ロシアにとってはもはや脅威ではない。プーチン大統領は、明日大統領選挙を控えており、この時期に事件をおこして、イギリスを軽くあしらうことで、強さを国民に強調したのではないかとの見方もある。

http://www.bbc.com/news/uk-43315636

<イスラエルは傍観の構え>

イスラエル外務省は、この事件を重く見るとしながらも、ロシアを名指しせず、介入しない立場を表明した。これを受けて、西エルサレムに大使館を置いているロシアは、「イスラエルはよい道を選んだ」と称賛するコメントを出している。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5174987,00.html

<裏切り者は決して赦さない?ロシア>

ロシアが元スパイや、反体制派を毒で暗殺するのは、今回が初めてではない。過去20年ほどの間に、ロシアが、イギリス領内で実行したとみられるロシア人の毒殺事件は14ケースもある。(ワシントンポスト)

これらの事件では、ロシアの毒殺が疑われたが、その度に闇に葬られてきた。理由は、ロシアの報復を恐れたとか、警察が無能だからとも考えらるが、イギリスは、ロシアがイギリスの銀行に保管している資金を確保したいという弱みがあったからではないかと言われている。

イギリスは今、EUからの独立の途上にあり、資金はこれまで以上に必要な時期である。今回もロシアに財産を引き上げられてしまうのは困る。しかし、面子も保たなければならず、今後イギリスが、どういう動きに出てくるのか、ロシアと欧米の溝が深まっていくのか注目される。

また、ロシアが、すでに退役したスパイでも殺害するということを暗に示して、現役のスパイたちの裏切りに釘をさしたのではないか、などとも言われている。メディアが騒ぎすぎる部分も確かにあるが、プーチン大統領、なかなかの曲者のようである。

https://www.washingtonpost.com/news/worldviews/wp/2018/03/06/the-long-terrifying-history-of-russian-dissidents-being-poisoned-abroad/?utm_term=.3cd842e12d18
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オリーブ山便りのウェブサイト開設のお知らせ

 2018-03-17
オリーブ山便りのウェブサイトを開設しました。http://mtolive.net

内容は同じですが、写真やビデオもアップしています。
なお、ニュースはこのブログサイトの方が早くなります。
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今年もエルサレム・マラソン 2018.3.11

 2018-03-11
エルサレムでは、今年も9日、毎年恒例、今年8回目になる国際マラソン大会が行われた。前日までは日中、暑いぐらいの春爛漫だったが、この日は、曇りがちで若干寒く、いわばマラソンびよりだった。

参加者はこれまでで最大の3万5000人。このうち4000人が中国、アメリカ、ドイツ、ポーランド、ポルトガル、リトアニアなど72カ国から参加していた。都市では香港からの参加者が最大、続いて北京となっている。

日本からは、わかっているだけだが、BFPJapanのボランティアで、エルサレムに滞在中の松田ゆうさんと、田畑望さんが、「テロ被害者支援基金」を募るキャンペーンとして、BFP現地本部のチームとともに走った。

マラソンコースはシオンの丘も含まれ、坂も多い。走るとなると、ニューヨークのマラソンなどよりよほどチャレンジである。優勝は今年もケニアの選手。ゲストとして、オリンピック金メダルも受賞したエチオピアの選手も招待で参加していた。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5151784,00.html

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/242930

<エルサレムはアメリカより安全:バルカット市長>

トランプ大統領が、アメリカ大使館をエルサレムに移動させると発表した後、ハマスをはじめパレスチナ過激組織が、今週中、特に金曜日には、テロに立ち上がるよう、呼びかけていた。イスラエルの日本大使館からも注意の呼びかけが来ていたほどである。

エルサレムでは、朝5時半からマラソンコース周辺の道路は閉鎖。要所に警察官たちが立っていたが、特に治安部隊が増強されていることもなく、いつも通りであった。マラソン大会は、朝6時45分に始まり、午後2時には終了。幸いテロも、事故もなく終了した。

エルサレムというと、特に日本では、危ないというイメージがあるが、バルカット市長は、アメリカよりはるかに安全だとアピールする。

少々悲しい数値ではあるが、町の治安を表す数値として、人口10万人中、殺される人の数というのがあるという。バルカット市長によると、アメリカは全国平均で5人。ワシントンDCは15人。南アフリカは40人。エルサレムは1人。

バルカット市長は、エルサレムはワシントンDCより、15倍安全だとアピール。市長自身もマラソンに参加した。

バルカット市長から日本の皆様へ:https://www.facebook.com/yumi.ishido.3/videos/1755121011205804/

<伸び続けるエルサレムの観光>

バルカット市長はビジネスマンで成功した人物。8年前に、このマラソンを始めたのはバルカット市長であった。市長はパリやニューヨークでのマラソンを見て、「これは町の宣伝になる!」と思い立ったという。

マラソンに参加した松田さんは、「イスラエル独特の風景や街並み、また春の温かくさわやかな気候を思う存分楽しめた。ユダヤ人が話しかけてきたりして、マラソンしながらとても盛り上がったのがイスラエルらしくていいなと思いました。」と感想を語っている。

確かにマラソンに参加することにより、エルサレムの町の良さを披露できているようである。エルサレムには、聖書遺跡という目玉はあるが、スポーツ、カルチャーを取り入れることでも観光を活性化できるとバルカット市長は考えている。

バルカット市長になってから、マラソン大会に限らず、イベントが目白押しで、海外からだけでなく、地方に住むイスラエル人もエルサレムに来るようになった。

意外かもしれないが、世俗的なユダヤ人の多くは、宗教的で政治的にもストレスの多いエルサレムを嫌う傾向にある。

しかし、今はそういう地方のキブツなどに住むイスラエル人グループが、エルサレムの聖墳墓教会とか、イースターのパレードをみるツアーで大型バスに乗ってやってくるようになっている。

時にはどこかの公民館であろう高齢者グループに遭遇することもある。そのひとたちに必死でイスラエル人ガイドが、キリスト教について説明する様子も時にみかける。

スタートアップ企業家の誘致にも積極的だ。エルサレム市では、最近、観光業に関係するスタートアップ起業家のための交流オフィスも設立。昨年、ホテルの部屋数を1000部屋増やしたが、4年以内にさらに4000部屋増やす計画だという。

エルサレム開発委員会のイラニット・メルクワイア氏によると、エルサレムでは2017年前半に、テロ事件が続いたことから、観光業は打撃を受けた。しかし、バルカット市長はあきらめず、様々な対策を取り続けたため、2017年後半、エルサレムを訪問した人の数は、前年に比べ、37%増加した。

観光省のエイヤル・カーリン氏によると、2016年中のイスラエルへの観光客は290万人だったが、2017年は360万人と100万人以上増えた。今年は、ローシーズンと言われる1−2月だけで60万人を記録しているので、年間記録をさらに更新すると期待されている。

イスラエルが、数年おきに大きな戦争やテロもある国であることを思えば、過去10年の間、観光業は伸び続けてきたというのは、驚きだととメルクワイア氏は語っている。

<石のひとりごと>

エルサレムというと、テロや問題も多く、人々は苦しみに打ちひしがれつつ、必死に祈りながら生活しているイメージもあるかもしれないが、どっこい。楽観的で、とにかく明るい町である。その強さの秘訣は、やはり多様性であろう。

ありとあらゆる人々がおり、ありとあらゆる考え方があるので、何があっても驚かない。多様であるがゆえに、起こってくる問題も非常に多様である。しかし、倒れてもまたすぐに起き上がり、さらにそこからまた新しいものを生み出し、世界に発信する。

私たちクリスチャンはエルサレムのためにとりなすのではあるが、ここに住んでいると、逆にエルサレムにとりなされているような気さえする。

とにかく学ぶことばかり。励まされることばかりである。結局のところ、エルサレムは強い。これが筆者の実感である。
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西岸地区での衝突多発中 2018.3.11

 2018-03-11
エルサレムは平和・・とはいえ、それは治安部隊が、市内に危険が及ばないように守ってくれているからということも事実。

エルサレムでのどかにマラソンをしていた背後、西岸地区ヘブロンでは、パレスチナ人とイスラエル軍が衝突。パレスチナ人一人(24)が死亡した。イスラエル軍は経過について、調査をはじめている。

最近は過激左派ら(ユダヤ人)が、西岸地区などに隠しカメラをしこみ、イスラエル軍兵士がパレスチナ人に暴行している様子だと摘発する事件が相次いでいる。

軍としても、死者が出た場合、なぜ死亡させたか、判断が正しかったのか、いちいち捜査することを余儀なくされている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5152405,00.html

さらに土曜、ナブルス近郊の入植地イズハル住民と、パレスチナ人が衝突。かけつけたイスラエル軍により、パレスチナ人1人(21)が死亡。1人(16)が負傷した。(パレスチナ側情報)Yネットによると、この数週間の間に同様の事件が10回発生している。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5154252,00.html
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AIPAC演説とイスラエル内政危機 2018.3.11

 2018-03-11
ネタニヤフ首相は、2日汚職問題(ベゼック関連*)で、先週、警察の尋問を夫婦そろって5時間も受けた。

しかし、首相業は続く。尋問の翌日の先週月曜、ネタニヤフ首相は、毎年恒例のAIPAC(アメリカ・イスラエル公共問題委員会/最強の親イスラエル・ロビー団体)での演説のため、サラ夫人とともにアメリカへ向かった。

*ベゼック汚職問題

ベゼック(電話通信会社)の筆頭株主であるエロノビッチ氏が、同じく株を保有していたメディアに、ネタニヤフ首相に都合のよい報道にするよう働きかけを行い、その見返りに、政治的経済的な利益を得ていたという疑い。

ネタニヤフ首相にはこの件を含め、4件の汚職疑いがかけられ、国内では不信感が高まりつつある。

<トランプ大統領と会談> https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5146126,00.html

本国では針のむしろのネタニヤフ首相だが、アメリカでは、ホワイトハウスでトランプ大統領夫妻に暖かく迎えられた。5月のアメリカ大使館のエルサレムへの移動式典の際には、大統領自身もエルサレムへ行く”かも”という発言も得ている。

また、AIPACでは、演説に先立ち、ベネズエラのモラレス大統領とも会談。モラレス大統領は、アメリカの大使館がエルサレムへ移動した2日後、つまりは、5月中にベネズエラの大使館をエルサレムへ移動させると約束した。

これについて、後にエルサレムポストが、パレスチナメディアの報道として伝えたところによると、アラブ同盟がモラレス大統領に、大使館のエルサレムへの移動をキャンセルするよう要請したとのことである。

しかし、アメリカに続いて大使館をエルサレムへ移動させると表明している国々は、グアテマラ以外にも10カ国ほどあるという。5月にならないとわからないが、米大使館が実際に移動すれば、いもづる式に次々と諸国の大使館が移動してくるかもしれない。

走り出した列車は、もう止められないといった様相でもある。

<AIPAC演説:世界を変えるイスラエル> https://www.timesofisrael.com/full-text-of-netanyahus-2018-address-to-aipac/

AIPACでネタニヤフ首相演説は、自分が汚職で警察の尋問を受ける立場にあることはまったく気にもしていない様子で、ますはアメリカの軍事支援やトランプ大統領のエルサレムへのコメ大使館移動について、はでに感謝した。

続いて、イスラエルの強い軍、強い経済など、ポジティブなイメージを連発。何度もスタンディングオベーションを受けた。またイスラエルのテクノロジーがアフリカやインドの農業を変えたことや、世界のサイバーセキュリティにおけるイスラエルの役割を強調。

アジアやアフリカ、南アメリカでイスラエルの技術が求められ、いまやイスラエルと関係を持とうとする国々が160以上あると地図を見せながら語った。イスラエルは孤立していると言われるが、そうではなく、逆にイスラエルを憎む国がボイコットされるだろうと豪語した。

危機については、イラン、イラク、レバノンが結びついて地中海に続き、イランがイスラエルを攻撃しやすくなっていると指摘。そうはさせないと強く語った。

同時にイラン国内では、イスラム政権と違って自由を求める市民たちがいる。彼らに敬意を表する。今の過激な政権が倒れたら、この人々とイスラエルはよい関係も可能だと語った。

イランは、かつてプリムの話の時代はペルシャであった。今のペルシャはハマンだが、やがて、クロス王もでてくるはずだと語った。

ネタニヤフ首相の演説では、首相自身が汚職問題で、刑事尋問を受けるほどあやうい立場にあるにもかかわらず、そのことには全く触れず、むしろイスラエルに関する良さを豪語したため、アラブメディアは「傲慢」と報じたという。

https://www.youtube.com/watch?time_continue=1119&v=tSgNYi8gzik

<ネタニヤフ首相の国内での立場:連立存続の危機>

アメリカで相当もちあげられたネタニヤフ首相だが、イスラエルへの帰国は、まさに針のむしろの中へ戻るようなものである。

今一番問題になっているのが、連立政権存続の危機。

現在、連立政権に加わっている超正統派政党の党首、ヤアコブ・リッツマン氏(統一トーラー党)、アリエ・デリ氏(シャス党)が、超正統派ユダヤ教徒のイシバ神学生には兵役を免除するという法案を通さないなら、2019年度の予算案を支持しないと発表した。

続いて、リッツマン氏は、「この法案を通さない政府は存続する意味がない。」として、連立を離脱する可能性まで示唆した。

なんとか折り合いをつけるため、超正統派側は、イシバ学生の従軍はないにしても、なんらかの妥協をもりこもうとしているが、リーバーマン防衛相は、これを一蹴。イスラエル軍が提出する法案しか認めないと言っている。

超正統派政党を失うと、今のネタニヤフ政権は立ち行かなくなり、国会を解散・総選挙するしかない。しかし、そうなると、政府は暫定政権となり、イスラエルは国会が不在であるために、1年近く、大きな決断はできないということになる。

これは5月にも米大使館がエルサレムへ移動しようという時であり、北部での戦争が懸念される今、総選挙はだれがみても、今は時ではない。金曜にアメリカから帰国したネタニヤフ首相は、土曜夜からさっそく、リッツマン党首など超正統派政党との交渉に入る。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5152625,00.html

しかし、国会解散以前に、ネタニヤフ首相自身が、汚職問題で、尋問を受けている最中であり、マンデルビット司法長官の決断しだいでいつでも逮捕されるかもしれないという状況にある。

イスラエルの内政は、なかなか厳しい状況にあるといえる。
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大忙し:トランプ大統領の5月 2018.3.11

 2018-03-11
この5月、アメリカは、大使館をエルサレムに移動させることになっているが、これは、それだけでも歴史的な一大事である。

ところがこの上、9日、北朝鮮のキム・ジョンウン総書記が、現政権を支持するなら、核開発をやめると言い出し、トランプ大統領に会談を申し入れた。トランプ大統領がこれを受け入れたことで、会談が5月にも行われる流れになっている。

トランプ大統領は、1999年の時点で、すでに北朝鮮の核問題について、かなり的を得た危機感を持っており、当時から、今のうちに交渉し、北朝鮮の核開発を止めなければならないと主張していた。

1999年のトランプ大統領へのNBCインタビュー https://www.facebook.com/raheemkassam/videos/785099035032766/ 

アメリカの危機としてとらえているので、全力をあげて、交渉にあたると思われる。ニュースによれば、今回も、交渉に入る前に、確実に核開発を停止することを証明するような、口だけでなく実際の動きを条件にしているとのことである。

当然、現時点では、制裁をいっさい緩めるつもりはない。この5月、トランプ大統領はまさに時の人ということである。

北朝鮮とアメリカの交渉について、中国はこれを歓迎するとの声明を出している。韓国の大統領は、北挑戦との和合をすすめているので、北朝鮮とアメリカとの交渉は歓迎している。この流れで困るのは日本であろう。

これとは別に、トランプ大統領は、公約の一つであった鉄鋼とアルミニウム貿易の関税を上げ、国内の産業を保護する動きに出た。

世界各国からは、「貿易戦争だ」との非難もある中、これが今後、大きな問題に発展していくかどうかもこれから数ヶ月、注目される点である。これについても、困るのは日本のようである。

こうした中だが、相変わらず、ホワイトハウスの人事は忙しい。しばらく、娘夫婦であるクシュナー夫妻が、ロシア関連問題から、政権から離れる可能性も報じられていた。

トランプ大統領が連発するコメントは、「確かにそうだ。」と感じさせることが多いと評する記事がある一方、「本当に大丈夫なのか・・・?」と懸念する記事も両方ある。日本語の記事はおおむね後者。いずれにしても、祈りの必要な人物であろう。
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不気味なロシアの動き 2018.3.11

 2018-03-11
プーチン大統領は、3月18日に大統領選挙(6年に1度)を控えている。しかし、プーチン大統領の人気は不動で、2期目再選はほぼ間違いないとみられている。

人気の秘密について、CNNは、①最強のサイバー能力:どこでもハッキング可能、②プーチン大統領が自由に動かせる軍隊と核兵器、③カリスマ性、をあげている。

そのプーチン大統領だが、3月1日、クレムリンで、防御不能とされる新しい核戦略を披露し、新しい核兵器のテストも終わったと発表した。

それによると、核兵器搭載の巡航ミサイル、核エネルギーによる海中ドローン、新型超音波ミサイルなどで、アメリカとNATOが構築しているミサイル防衛システムを無能にするものだという。

海中ドローンはハイスピードで、大陸間を移動可能。核弾頭を搭載でき、空母や沿岸施設も破壊可能である。ハイスピードなので、敵に察知されることもない。

2000キロ先の標的を攻撃できるという超音波ミサイルは、すでにロシア南部の軍に配備されたという。

プーチン大統領は、ロシアが武器開発を進めたのは、アメリカが、冷戦時代の約束から撤退し、ミサイル防衛構想を始めたからだと語っている。ロシアは異議を唱え続けたが、だれも耳を貸さなかったと言っている。

https://www.timesofisrael.com/putin-boasts-of-new-russian-nuclear-weapons-that-cant-be-intercepted/

イギリスでは、ロシアでイギリスのためにスパイ活動していて逮捕されたが、アメリカとスパイ交換で釈放されたスクリパリ氏が、化学兵器で殺害された可能性がニュースで懸念を読んでいる。ロシアをめぐってなぞめいたことがすすんでいるようである。

<アメリカ大統領選挙介入について:NBCインタビュー>

アメリカ大統領選挙へのロシアの関与について、プーチン大統領は11日、NBCのインタビューで、「わたしの知ったことではない。」としらばっくれた。(プーチン大統領が指示したことは間違いないとアメリカは見ている。)

このとき、プーチン大統領が、介入があったとすれば、「多分ロシア市民権を持つユダヤ人のしわざかも」と、とユダヤ人を挙げたとニュースが飛び交っている。しかし、この時プーチン大統領が例としてあげたのは、ユダヤ人だけではなく、世界の様々な人々とともに、ユダヤ人も挙げただけで、ユダヤ人だけをさしたのではない。

いずれにしても、プーチン氏は「わたしにはどうでもよいことだ。」と一笑にふした。

NBCインタビュー:https://www.nbcnews.com/news/world/putin-u-s-election-interference-i-couldn-t-care-less-n855151

中東においては、アメリカよりもロシアに軍配があがる。シリアで、激しい戦闘が報じられている東ゴーダ地区だが、アサド政府軍が優勢になってきているという。その背後にいるのは、イラン、そしてロシアである。イスラエルにとっても他人事ではない問題である。
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プリムの季節 2018.3.2

 2018-03-02
イスラエルでは、3月1-3日、プリムの祭りを迎える。プリムは、聖書エステル記を記念する例祭で、王妃エステルの働きにより、ユダヤ人がペルシャに逆転勝利し、絶滅の危機から救われたことを記念する祭りである。

この日、人々は仮装を楽しみ、家族皆で町へ出て様々なイベントやストリート・パーティに参加する。おもしろい仮装には順位をつけたりするのである。テロ防止の治安部隊には頭の痛い日である。

プリム中は、28日(水)から3日(土)まで、西岸地区からイスラエルへの検問所は原則閉鎖。ガザ地区国境では、27日(火)から3日(土)まで原則閉鎖されることになっている。

https://www.timesofisrael.com/idf-announces-west-bank-closure-for-duration-of-purim-holiday/

<現代のペルシャ・イラン:”イスラエル絶滅秒読み”フェスティバルを開催(4月)>

エステル記は、ペルシャ、今のイランでの出来事である。現代のペルシャ、イランもまた、公にイスラエルを滅ぼすと公約している国で、イスラエルにとっては、最大の脅威。

そのイランだが、4月に、砂時計をモチーフにした「イスラエル絶滅秒読み」フェスティバルを開催するという。

「パレスチナ人インティファーダ」を支持する国際カンファレンスの代表(上記カンファレンスの代表と思われる)アミール・アブドラヒアン氏によると、イラン政権は、25年以内に、イスラエルは絶滅すると予測している。その時まで、イスラエルは、地域を不安定にするために置かれたと考えられているとのこと。

4月に予定されている「イスラエル絶滅秒読み」国際カンファレンスには、世界中から2000にも及ぶ反イスラエルNGOが集まる予定。

主なテーマは、クッズ(エルサレム)占領国イスラエル、人権侵害、抑圧、テロ・プロモーション、子供殺しのシオニスト、がん細胞、植民政権・・・とずらりと並べられている。もっとも反イスラエルと判定されたチームには、1800ドル、2700ドルと賞金も出るらしい。様々なアニメや、アプリ、オンラインゲームなどなんでも反イスラエルをモチーフにした作品も受け付けている。

カンファレンス最終日は、クッズ・デーにあたり、かなり大きな反イスラエルラリーが予定されている。

http://www.jpost.com/Middle-East/Iran-to-host-Hourglass-Festival-to-count-down-to-Israels-destruction-543842

<石のひとりごと>

いったい何が悪くてそこまでイスラエルをダシにするのかわからないが、イランでこんな国際カンファレンスが行われるとは、ひんしゅくながら、ちょっとお笑い感すら感じる。

当のイスラエル人たちは、これをハナにもかけないほど、全く気にしていない。むしろこうしたイランの存在は、プリムの時期にユダヤ人たちが、イスラエルには、逆転勝利の神がついていることを思いだせせてくれる、よい教材になっているようである。
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国際紛争へ発展するシリア内戦:アモス・ヤディン(イスラエル国家治安研究所) 2018.3.2

 2018-03-02
イスラエルの隣国シリア情勢が悪化し、もはや誰も止められない状況になってきた。あまりにも多くの国や組織が入り混じり、シリアの内戦は終焉どころか、新しいチャプターに入ったとイスラエル諜報・治安のエキスパート、アモス・ヤディン氏が警告している。

<シリアで何が起こっているのか>

シリアの内戦は今年8年目に入る。(死者46万5000人以上・1200万人が難民化)。この数年の間にISが登場したことで、アメリカとロシアという2大超大国が介入するようになった。今、シリアのISは、著しく縮小しつつある。

すると懸念されていたとおり、IS撤退後の空白にイランが入り込み、ロシアも協力してシリアのアサド政権が、勢力を拡大するようになった。アサド政権は、全国で、反政府勢力を残虐に一掃する作戦を展開している。

今、特に問題になっているのが、シリアの首都ダマスカスから10キロと隣接する東ゴータでの激しい戦闘である。

東ゴータ地区は、反政府勢力支配域であったため、2013年からシリア軍に包囲された状態にあった。しかし、2018年2月19日(日)、シリア軍が、東ゴータを急に激しく爆撃しはじめた。爆撃にはロシア軍機も加わっていたと伝えられている。

その爆撃はこれまでになく残虐で、バレル爆弾など、違法なものまですべて使用し、下にいる住民たちを無差別に殺害している。攻撃がはじまってから10日の間に、すでに死者(主に市民)は500人を超えているという。

東ゴータの病院3箇所は完全に破壊され、救援物資を運び込むこともままならないほどの激しい空爆が続く。国連関係者は、「この世の地獄」と凄まじい空爆の様子を伝えている。

BBCは、埃で真っ白になっている瓦礫と爆撃の中、負傷者を抱えて走るホワイトヘルメッツ(シリア市民による救援隊)の様子が伝えている。

東ゴータの住民は40万人。その半分が18歳以下の子供だという。地下の防空壕に隠れている子供たちの様子や、多くの負傷した子供たち、食べ物がないと訴える老婆の様子などが伝えられている。

ダマスカス、ならびに東ゴータは、イスラエルのガリラヤ湖からわずか110-120キロ地点である。

https://www.aljazeera.com/news/2018/02/eastern-ghouta-happening-180226110239822.html

<シリアに化学兵器を調達しているのは北朝鮮か!?>

東ゴータからは、空爆だけではなく、化学兵器が使われているという兆候も報告されている。これについて、シリアもその化学兵器破棄を保証しているロシアも否定しているが、現地からの情報によると、化学兵器の使用は間違いなさそうである。

これについて、ニューヨークタイムスが、国連の極秘の報告書がリークしたとして伝えたところによると、2012年から2017年の間、北朝鮮が、シリアに、危険な化学物資を少なくとも40回、搬送していたもようである。

このほか、シリアのミサイルシステムの現場に北朝鮮人がいたことも目撃されている。シリアへの化学兵器、ミサイルの調達のみかえりとして流れた資金が、北朝鮮の核開発につながった可能性がある。

http://www.jpost.com/Middle-East/UN-report-links-North-Korea-to-Syrias-chemical-weapons-program-543849

<停戦ならず:国連安保理決議の無力化>

こうした状況を受け、国連安保理は緊急会議を招集し、23日(金)、シリアに停戦を要求する採択を行おうとした。しかし、ロシアがこれに難色を示したため、採択は24時間延期されることになった。

アメリカのニッキー・ヘイリー国連大使は、「ロシアが渋ったおかげで採択が遅れた。この間にいったい何人の母親が子供を失ったと思うのか。」と激しくロシアを糾弾した。

対するロシアは、停戦に反対した理由として、東ゴータにいる反政府勢力の中に、アルヌスラなど、危険なグループが多数紛れていることをあげた。停戦でこれらの組織に時間を与えるよりも、今のうちに一掃してしまうほうがよいと考えたのである。

しかし、最優的にはロシアも同意し、25日(土)、国連安保理は、全会一致で、シリアに停戦30日を命じることになった。

https://www.aljazeera.com/news/2018/02/security-council-votes-favour-30-day-syria-ceasefire-180224192352205.html

この後、数日間は日に5時間の停戦、人道支援の搬入がはじまったが、まもなく戦闘が再開し、28日現在、救援部隊は東ゴータに入ることができなくなっている。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-43208705

なお、国連の他にもシリアの内戦を停止させようとする動きがある。ロシア、イラン、トルコの3国による取り組みである。アメリカとロシアが合意の上で停戦地域を設定するといった動きもある。しかし、どれもばらばらで、十分に功を奏しているとはいえない。

国連安保理さえも無力となった今、シリアに関わっている多種多様な国際勢力は、それぞれの考えで動くしかなくなっている。

イスラエルの国家治安研究所でイスラエル軍諜報部幹部のアモス・ヤディン氏は、シリアは停戦どころか、新しい国際紛争のはじまりを迎えたと警告した。その図式とは次の通り。

<シリアをめぐる様々な対立の構図>

1)アメリカ対ロシア


ISとの戦いにおいて、アメリカは反政府勢力の中の自由シリア軍を支援した。2月8日、この自由シリア軍がアサド政権軍に攻撃をされたのを受けて、アメリカ軍が本格的に反撃したところ、ロシア兵を含むシリア軍戦闘員300人が死亡するという事態になった。

ロシアはこれを大きくとりあげなかったが、ISがほぼいなくなった今、それを大義にシリアに介入していたアメリカ軍が、まだ介入するとはいかがなものかと、アメリカの立場が追い込まれる結果になった。

ロシアは現在、シリアにステルス戦闘機を配備し、シリアでの影響力をグレードアップしている。ロシアが、ますますアメリカをシリアから追い出そうとしているとヤディン氏は分析する。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5098764,00.html

では、アメリカはこれからどうするかだが、2月に入って、シリアが化学兵器を再び使用しているとの情報があることから、今度はそれを大義に、アメリカが強行に出てくる可能性がある。そうなれば、ロシアとの対決は避けられないということである。

2)イスラエル対イラン、ロシア

前回お伝えした通り、イスラエルが最も恐れるのは、IS撤退後の空白に、イランが進出してくることである。2月中旬、イスラエルはすでに、シリアのイラン関係拠点を大規模に空爆するという作戦を実施し、大きな打撃を与えた。イスラエルとイランとの初めての直接対決であった。

しかし、その後、イランは、すでに新しい基地を再建していることが、航空写真から明らかになっている。イランのイスラエル打倒への意欲は衰えておらず、イスラエルも防衛に関しては躊躇しないことから、ここから火蓋が切られる可能性は高い。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5136524,00.html

イスラエル軍の予備役ベテラン司令官コビー・マロム氏は、北部で戦争になりかどうかは、アメリカが、イランとの核開発合意の見直しを行う5月が山場になると予想している。

もしアメリカが、5月にイランとの合意を破棄した場合、イランはどう出るのか。戦争になるか、戦争ではなく、アメリカがイランとの新しい交渉に入ることができるのかどうかが鍵になる。それまではとりあえず、イスラエル北部では何もおこらないだろうというのが、マロム氏の予想である。しかし、近い将来、北で戦争になるのは避けられないとイスラエルはみている。

もし戦争になった場合、イスラエルは、犠牲を最小限に抑えるため、できるだけ大規模に、短時間で戦いを終えると予想されている。しかし、その時にはイスラエルとイランの衝突のみに収まらず、ロシアもアメリカも関わって、すさまじい戦いになるだろう。

それこそゴグ・マゴグの戦いのようになってきても不思議はない。。。戦いが早く早く終わるように祈りなさいというキリストの言葉が思い出されるところである。

3)トルコ対アメリカ、ロシア

1月末、トルコは、トルコとシリアの国境近くで、シリア北部アフリーンのクルド人勢力(YPG)への激しい攻撃を始めた。クルド人勢力にはグルプがいろいろあり、YPGは、トルコが宿敵とするPKK関連のクルド人勢力である。

トルコは、シリアとの国境付近に新たなクルド人地域ができることを防ぐためにシリア領内での軍事行動に踏み切ったのであった。いわば、トルコ独自の事情で突然、シリア領内に侵攻した形である。トルコはこれを”オリーブの枝作戦”と呼んででいる。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5073672,00.html

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-43228472

突然のトルコの侵攻に対し、YPGを支援して対処したのは、シリア軍とイラン軍であった。ややこしいことに、トルコとイランはシリア問題で手を組んでいたはずである。それがここでは刃をむけあったということである。

さらに、YPGはアメリカの支援も受けている組織であった。つまり、YPGは、シリア軍とイラン軍、その2者が敵対するアメリカからも助けられる事態になったということである。

さらに、ロシアはというと、トルコの側についたとのことだが、ロシアは、シリアとイランの側にいるはずなのである。要するになにがなんだかわからない状況、とでも言っておこう。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5073672,00.html

トルコのエルドアン大統領は、かつてヨーロッパ、中東全域を支配した大オスマントルコ帝国(1299ー1922年)の復活と領土拡大を目標にしていると言われる。シリア侵攻後の演説でも、新たなトルコ・イスラム帝国を実現するといったメッセージを語っている。

今回のトルコの動きは、この目標に向けた動きであるともみえる。このため、同盟であるはずのイランだけでなく、トルコが所属するNATOやアメリカとの関係をもぎくしゃくさせる結果になったとみられている。

トルコは、終末の大混乱に大きな役割を担っていると思われる国の一つ。目を離せない国の一つである。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/242403

<戦いに備えるイスラエル>

シリアは、今、いつ何時、世界をまきこむ大戦争になっても不思議はない火蓋を山のように抱えている。そのすぐ隣にいるイスラエルは、今年中にも大きな戦争になると予想しており、準備を周到に行っているようである。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/242327
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ポーランドの本心:ホロコースト関連法案をめぐって 2018.3.2

 2018-03-02
ポーランド議会は、2月1日、ポーランドにホロコーストの責任があると思わせるような表現をすることを犯罪であるとし、3年を上限として禁固刑にするという法案を、賛成57、反対23で可決した。

ホロコーストに関して、ポーランドには責任はないと言い切るこの法案を、ユダヤ人が受け入れられるはずはない。イスラエル政府やヤドバシェム(ホロコースト研究機関)、ホロコースト生存者、様々なユダヤ人組織から抗議が相次いだ。

にもかかわらず、2月6日、ポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領は、この法案を承認して署名。立法化に向けて動き始める形となった。

しかし、イスラエルに加えて、アメリカのトランプ大統領もこの法案に反対する意向を表明したことから、ポーランドは、とりあえずこれを凍結すると発表した。しかし放棄したわけではなく、今後、イスラエルとポーランドのチームで、話し合いが進めるということになっている。

在イスラエル・ポーランド大使ジャック・コドロビッツ氏は、27日、イスラエルの国会での移民ならびにディアスポラ特別委員会に出席し、「イスラエルとの協調なしに、この法案が立法化することはない。」と約束したが、イスラエルが求めるのは、法案の破棄である。

http://www.jpost.com/Diaspora/Envoy-Polish-Holocaust-law-wont-be-enforced-without-Israeli-coordination-543741

<ポーランドの言い分とイスラエルの反論>

ポーランドが、「ホロコーストの責任がポーランドにある」と思わせる表現と指摘するのは、たとえば、「ポーランドの死の収容所」といった表現である。

確かにアウシュビッツなど死の収容所は、大半が現ポーランド領域にあったので、この表現は間違いではない。しかし、この表現では、まるでポーランドが死の収容所を運営していたようにとられてしまうというのが、ポーランドの懸念である。

ナチスの死の収容所が機能していた1941-1945年、ポーランドは、全域をドイツに占領され、ポーランドという国はなくなっていた状態にあった。またこの時代、ユダヤ人とともにポーランド人もまた300万人近くがナチスの犠牲になっている。

ポーランドとしては、ポーランドも犠牲者であり、あくまでもホロコーストの責任は、ポーランドではなく、ナチスドイツであると強調したいのである。今回の法案の冒頭には、「ポーランド共和国とポーランド国家の名誉を守るため」と記されている。

確かにポーランド人も犠牲者であり、義なる異邦人(命のリスクを負ってユダヤ人を助けた異邦人)は6700人とポーランド人が最も多い。しかし、ポーランド人に全く罪、責任はないのかといえば、そうとは言い切れないのも事実である。

ポーランド人の中には、ナチスに協力し、ユダヤ人を売り渡すか、殺戮に加わるか率先して殺戮を実施した者も少なくない。また大多数の人々は、自分を守るため、沈黙を守った。沈黙を守って、何もしなかった人々は、自分には罪はないと考えている。

しかし、はたしてそうであろうか。。。?この問題は、歴史研究の対象であるとともに、非常に繊細な倫理の問題であり、まだまだ研究、議論がなされるべき点である。

そうした中、もし今回の法案が実施された場合、ポーランドにも責任があるという意見は今後、出せなくなってしまうというのがイスラエルの懸念である。(一応、法案では、科学的な研究の場合は例外とするとされている)

ヤドバシェム(イスラエルのホロコースト記念館)のシニア歴史学者デービッド・シルバクラング氏は、「ヤドバシェムは、この法案は歴史的事実を歪曲するものであるとして抗議する。ポーランド人がユダヤ人虐殺に関わっていたことは事実である。

確かに”ポーランドの死の収容所”という表現自体には問題があるが、そこから、ポーランドの責任を論じた場合、犯罪とされることは歴史の歪曲であり、議論の自由を奪うことに他ならない。」とコメントした。

http://www.jpost.com/Israel-News/Yad-Vashem-Polish-law-jeopardizes-free-and-open-discussion-about-Holocaust-540422

<隠せないポーランドの反ユダヤ感情>

戦後ポーランドは、自国民で戦争犠牲になった人の数はは300万人と、ユダヤ人犠牲者の数は含めずに報告していた時期があった。ユダヤ人の多くはポーランド国籍であったにもかかわらずである。ナチスに植え付けられた反ユダヤ感情は深そうである。

今回の論議ががはじまってからも、ポーランドの政治家からは、反ユダヤ感情が現れる発言や出来事が続いた。

たとえば、ポーランドのモラビエツキ首相は、「ユダヤ人の中にもナチスに通じたうらぎりものがいたではないか。」と言って、イスラエルの激しいバッシングを受けた。

また、ポーランド与党は、動物保護の観点から、ユダヤ人の食物規定(コシェル)にかなった屠殺に制限をかけ、これに違反するものは、4年までの禁固刑にするとの法案を提出した。

この法案には、ユダヤ教律法にかなう牛の屠殺の禁止や、コシェルの肉の輸出入の制限も含まれている。ポーランド在住のユダヤ人が困るだけでなく、イスラエルもコシェルの肉をポーランドから輸入しているらしく、イスラエルの肉に価格にも影響する可能性があるという。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5108605,00.html

<ポーランドは危ない!?>

今回の法案をめぐる論議以降、ポーランドでは反ユダヤ主義運動が増大する傾向がすでに現れており、ポーランド在住のユダヤ人たっちが、恐怖を訴えている。

これまで、ポーランドは、他のヨーロッパでの反ユダヤ主義に比べると比較的安全で、反ユダヤ主義もインターネット上の嫌がらせであったのが、実際の社会生活でも反ユダヤ的な行為が目立つようになってきているとのこと。

http://www.jpost.com/Diaspora/In-open-letter-Polish-Jews-say-they-dont-feel-safe-in-Poland-543080

来月のホロコースト記念日には、今年もアウシュビッツでの特別記念イベントが行われる。世界中からの参加者が集まるが、イスラエルからは、大勢の高校生が参加することになっている。リスクはあるが、中止にはしないとのこと。
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アメリカ大使館エルサレム移動は5月へ 2018.3.2

 2018-03-02
2月23日、ホワイトハウスは、テルアビブにある米大使館を、今年5月、イスラエル建国70周年に合わせて、エルサレムへ移動させるという決定を公式に認めた。

まずは、現在エルサレムにあるアメリカ領事館に大使と少人数のスタッフが入り、来年までには、建物を拡大して、大使館専門の設備を建設する予定だという。その間、領事館業務は、今と変わりなく継続される。

http://www.jpost.com/Israel-News/US-confirms-Jerusalem-embassy-opening-in-May-543467

この領事館だが、筆者宅から歩いて10分のアルノナ地区にある。米領事館は、元ディプロマホテルで今は高齢者社宅になっている建物の隣。さらには、だいぶさびれているが、ダイヤモンド工場、販売センターにも隣接している。

この地域は、いわゆるノーマンズランドとよばれた地域周辺で、1967年の六日戦争でイスラエルが獲得した東エルサレムとの境目にあたる。領事館建物は、ユダヤ人居住地の中にあるが、谷をはさんで向かい側には、アラブ人居住区が広がっている。

この発表で、パレスチナ自治政府やハマスは怒りを表明したが、今の所、大きな紛争までは発生していない。しかしアメリカ政府は、アメリカ市民に対し、西岸地区にはいかないようになどと警告を発している。
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聖墳墓教会のスト 2018.3.2

 2018-03-02
エルサレムの聖墳墓教会は、イエスが十字架にかかり、復活したゴルゴダの丘に建てられたとされる教会である。中は、ギリシャ正教を筆頭に、カトリック、シリア正教、アルメニア正教、コプト教、エチオピア正教がそれぞれの持ち場を管理し、様々なスタイルで、祈りや礼拝が行われている。

入場料はなく、世界各国から巡礼者がやってくる、イスラエル最大の観光地である。その聖墳墓教会が、エルサレム市が新たに課税する対象に入る見込みとなったことに反発し、その扉を閉めてストを行った。

ストは、まる3日間に及び、一生に一度の巡礼に来た世界中のキリスト教徒に、深い落胆を与えることになった。この教会に立ち寄ることを最大の目的にしていた巡礼者の中には、泣き出したり、閉まっている扉の前で祈ったりする人もあった。

やがてヨーロッパ諸国からも懸念する声がではじめたため、ネタニヤフ首相、バルカット・エルサレム市長と、教会代表者が会談を行った。結果、課税については、とりあえず保留とし、双方で交渉を行っていくことで合意。3日目の28日、ようやく教会の扉が開かれることとなった。

エルサレム市の財政はひっぱくしている。税金を払わず、社会保障を必要とする超正統派ユダヤ教徒と、仕事につきにくいアラブ系住民が多いからである。国の予算を得るため、市がストを行い、ゴミ収集が滞るなどの事態にもなったこともある。

こうした中、税金をとれるところからはとるべきであると、バルカット市長は考えたのだろう。

教会は、日本で言えば、宗教法人のようなもので、原則的に非課税である。しかし、教会の中には敷地内にホテルや、カフェをおいて利益をあげているところもある。バルカット市長は、そういうところに課税しようとしたのである。

聖墳墓教会については、ホテルやレストランはないが、僧侶たちの居住区があり、そこが課税対象になるらしい。

これを受けて、教会側は、これは、「現状維持」の原則に違反するとか、イスラエルはクリスチャンを迫害するのかと、大きな論争になった。エルサレム市は、祈りや宗教的なことに使う建物は非課税のままだと強調している。

今後、交渉でどのような結果になるかが注目される。

http://www.jpost.com/Israel-News/Church-of-Holy-Sepulchre-to-reopen-after-decision-to-halt-tax-collection-543793

余談になるが、聖墳墓教会を聖地と考えているのは、正教系キリスト教とカトリックである。プロテスタントには、特定の場所にこだわる聖地という概念はあまりなく、今回の問題も直接関わっている様子はない。

<石のひとりごと>

教会の扉を税金を払いたくないといって閉めてしまうというのは、キリストの教えに即したものではない。キリストは、税金について、「払うべきものは払いなさい。」と教えた。

その上で、弟子たちに払う資金がないことを知っていたキリストは、払うべき資金をも備えてくださったと新約聖書に書いてある。教会は、むしろたくさん税金を納めて、エルサレム市の祝福になってほしいと思うところである。
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うやむや?ネタニヤフ首相汚職問題 2018.3.2

 2018-03-02
ネタニヤフ首相が今にも逮捕されそうなニュースがとびかっていたが、その後、その話題はあまり聞かれなくなった。あとはマンデルビット司法長官の決断にかかっているからである。

イスラエルでは、多くの首相がなんらかの汚職問題を追及されてきた。バラク首相は、汚職疑惑から辞任。シャロン首相の場合は、司法長官が、追及せずにケースを閉じた。

オルメルト首相は、ついに刑務所に入ることになった。どのケースも時間はかかっている。ネタニヤフ首相の場合も、時間をかけて、最終的に追訴になるのかどうかの決断がきまっていくもようである。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5136767,00.html
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