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イスラエル建国70周年:100周年にむけて 2018.4.21

 2018-04-21
ホロコースト記念日(12日)に続いて、戦没者記念日(17日)、建国記念日(18日)が、懸念されていたテロも戦争の勃発もなく、つつがなく終了した。市民たちは、今年もバーベキューを楽しみ、国をあげて70年を振り返り、あらためて国があることへの感謝を新たにしていた。

<人口統計:総人口884万2000人>

恒例の人口統計だが、今年のイスラエルの総人口は、中央統計局によると、昨年より1.9%、16万3000人増えて、884万2000人。建国時人口が80万6000人であったことから、70年で11倍になったということである。

昨年からの増減の内訳は、新生児が17万7000人。4万1000人が死亡。新移民は2万8000人だった。驚くべきことに、この70年で、イスラエルが受け入れた移民は約320万人だという。このままでいくと、2048年(100周年)には、1520万人になる見通しである。

しかし、イスラエルはユダヤ人だけの国ではない。総人口のうちのユダヤ人の割合は、74.5%で658万9000人(全世界のユダヤ人の43%)。アラブ人は20.9%で184万9000人。

平均寿命は、男性が80.7歳、女性は84.2歳。どちらも2000年からすると4年も伸びた。結婚平均年齢は、男性が27.6歳、女性が25.2歳。

http://www.jpost.com/Israel-News/As-Israel-celebrates-70th-birthday-population-grows-to-8842-million-550054

戦争やテロでストレスの多い国と思われているが、多様で人間関係が複雑でないせいか、イスラエル人は今年も自分が幸せだと感じると答える人の多さでは、世界11位。北欧やオーストラリアなどほとんど戦争がない国々に並んで高順位である。

https://www.timesofisrael.com/israel-is-11th-happiest-nation-in-the-world-for-fifth-year-in-succession/

建国70年を迎えた今、イスラエルは次の準備に入るという。これからの人口の増加に備えて、いよいよ北部、南部を開拓しなければ、住む場所がないのは明白である。建国100年を迎えるイスラエルはどうなっているのか。30年ぐらいすぐである。

http://www.jpost.com/Israels-70th-anniversary/Israel-at-70-Looking-ahead-at-the-next-chapter-in-Israels-history-551278

<17日戦没者記念日>

今年、1860年*からの戦死者、テロ犠牲者として数えられた人は、23645人。昨年から治安関係戦死、殉職者は71人、テロ被害市民12人がリストに加えられた。最後は、3月に旧市街で殺害されたアデリエル・コールマンさん(32)4人の父親の名前である。

国防省によると、イスラエル国内在住で、従軍中の子供を失った両親は、8929人。兵士であった夫を失った夫人は4849人。兵士の父を失った子供達は数え切れないほどいる。

テロで親を失った子供たちは3175人。うち、両親ともに失った子供たちは114人。夫を失った夫人は822人。子供を失った両親は926人。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5229185,00.html

*1860年というのは、ユダヤ人が、エルサレム旧市街から外へで始めた年で、すなわち近代イスラエルの始まりと考えられる時点以来の数。独立戦争の犠牲者は約6000人を含む。

①イスラエルの悲しみと国あげての墓参り

戦没者記念は、毎年、前日日没後のサイレンが全国に響き、黙祷して始まる。リブリン大統領、エイセンコット参謀総長が、嘆きの壁で公式の点火式を行い、戦没者記念日の開始となる。

今年、大統領とともに点火したのは、まだ幼い時に父を戦争で失い、父を知らずに育ったという女性兵士だった。

小さい頃から、人々が父親のことを話してくれたが、自分だけはまったく父を知らないということに痛みを感じてきたこと、また自分も兵士になった今、特に父にいて欲しかったとその心の痛みを語った。

リブリン大統領は、点火式のスピーチで、「遺族に面会するとき、いつも「沈黙」の交換になるような気がする。」と語り、イスラエルは国として、優秀な国民を失ってきたという痛みを抱えていると語った。

嘆きの壁以外でも、各地、各地域で、戦没者を覚える集会が行われた。だれかの演説があるわけでもなく、ただ戦没者の名前がスクリーンに映し出され、静かな歌でつないでいく。だれがリードするわけでもないのだが、人々がひとつになっている。

こうした集会には、家族に犠牲者がいる人に限らず、国民として参加している。テレビでも同様に、丸一日、戦没者の名前と写真が挙げられ、時々戦争のドキュメンタリーが流された。

今回、特に教えられたことは、息子を失った親たちの喪失の深さだった。

イスラエルの親たちが最も恐れるのは、息子が従軍していった後、自宅にやって来る3人の上官たちだという。イスラエル軍は、訃報の知らせをこのような形で家族に伝えるのである。3人の上官が来た・・・これは息子がもう二度と戻ってこないことを意味する。この国はこのようにして、今建国70年を迎えているのである。

戦没者記念の集会では、失われた人それぞれのエピソードと、その死によって家族が今もその中にある悲しみを短いアニメ映像にして、悲しみを分かち合っていた。この悲しみはおそらくイスラエルのユダヤ人にのみわかちあえる深い深い悲しみであろう。

アニメクリップ Gates of heaven他 :https://www.youtube.com/watch?v=ziM5q0yetfw

夜が明けると、人々は戦没者の墓へ行く。戦没者墓地は、各地にあるが、最大はエルサレムのヘルツェルの丘。

朝11時に行われる記念式典に合わせて、群衆が一斉に押しかけるため、町からヘルツェルの丘への路面電車は、増便しているにもかかわらず、ぎゅうぎゅう詰めの超満員。日本の朝の通勤列車なみだった。

ドアが閉まらないので、停車駅で10分以上、電車が立ち往生もしばしばであった。ひんしゅくながら、ホロコースト時代、家畜移送用の列車に100人以上つめこまれ、窓もほとんどなし。この状態で、しかも水なし、食料なし、トイレなし。途中で死んだ人も一緒に立ったままで移送されたユダヤ人たちがいたことを思い出した。10分でも耐えがたのに、1週間もこの状態・・・まさに耐えがたいを通り越した苦難であったことを思わされた。

ヘルツェルの丘に入ると、文字どおり群衆で動けないほどだった。現役の若い兵士が一人づつ家族とともに戦没者の墓に着きそうことになっている。墓がみえないほどの群衆が、不動の姿勢で墓の周りに立ったまま、スピーカーから流れてくる式典の祈りやカドシュ(祈りの歌)聞いていた。最後はハティクバの合唱で終わる。

戦没者の墓には埋葬されている人の詳細が彫り込まれている。ほとんどが18歳から30歳までになくなっている。「これは僕の兄」とか「僕のおじ」と教えてくれる人もあった。軍服の兵士が一人で静かに墓の前に立っている姿もあった。大切な友を失ったのだろう。

ユダヤ教では、普段は小さな石を墓の上に置いていくのだが、この日ばかりは、墓石に水をかけたり、花束を置いていく。墓地全体が、イスラエルの旗と花でいっぱいになっていた。

②戦没者、従軍兵士への敬意

こうした戦死者やその家族に、国とイスラエル軍は最大の敬意を払っている。同時に今、従軍している兵士とその家族にもである。

大統領官邸では、建国記念日の朝、リブリン大統領、ネタニヤフ首相、リーバーマン大統領、エイセンコット参謀総長が、勢揃いする中、よい働きをした兵士たちに、家族も招いて、表彰状を授けることになっている。その様子はテレビで全国にも放送される。

2年前に、アメリカからボランティアでイスラエル軍に従軍したというサギー・マチュー・マドニックさん(25)のお話を伺うことができた。サギーさんは、医療部隊に配属され、現在、ゴラン高原で、シリアとの国境で、シリア難民を病院へ搬送する救急隊のような働きをしていいる中で、今年、表彰を受けることになった。

サギーさんは、いわゆるローンソルジャーとよばれる単独、従軍目的でイスラエルに移住したユダヤ人である。表彰のこの日は、アメリカからご両親がかけつけていた。

サギーさんは、「日本は、戦う必要がないので、従軍したくない人はしなくてもいいと思う。でも、イスラエルは、戦わなければならない。だからその役割を担う必要があると思った。」と話す。

アメリカのご両親によると、サギーさんは一人息子。心配だし、イスラエルで何かあるとすぐにニュースをチェックするが、息子の働きには、敬意を表していると言われていた。

<70回目独立記念日>

戦没者記念日が日没を迎えると、戦没者記念を行ったヘルツェルの丘では、一気に祝いムードに早変わりする。今年も盛大に70周年記念の記念式典が行われた。今年は、シナイ山の麓にいる舞台セッテングで、イスラエルの歴史がダンスや歌で表現された。

https://www.youtube.com/watch?v=tRrfEorBIHQ (式典ハイライト)

記念式典が終わると同時に、盛大な花火があがり、深夜すぎまでビーチパーティや、ストリートパーティが続いた。今年は、例年より街で騒ぐ人の数がいつもより少ないような気がしたが、気のせいだっただろうか。。

夜があけて、昼過ぎになると、ファミリーが、いっせいに公園などでのバーベキューに出てくる。夏日和といえるほどの暖かさの中、子供達もはしゃぎまわっている。「アイスはいかが〜キャンデーはいかが〜」と売り歩く若者たちもいる。

その上空でイスラエル軍パイロットによる航空アクロバットが披露された。これもイスラエル独立記念日の風物詩だが、なんとも平和そのものの光景であった。

この他、国立公園、博物館など、各地で様々なイベントが行われ、どれに参加するのか、選ぶのが難しいほどである。筆者などは、二兎を追うもの一兎をも得ず状態であった。。。

独立記念写真:http://www.jpost.com/Israel-News/IN-PICTURES-Israelis-celebrate-the-Jewish-States-70th-birthday-551228

<近代イスラエルにあまり興味のない超正統派は。。?>

世俗派とは一線をおく超正統派ユダヤ教徒だが、イスラエルの民主主義研究所の調査によると、建国記念日を祝うべきと考えている人(18−24歳)はわずか17%であった。この数字は年齢が高まるについれて高く、55歳以上では23%となっていた。

余談になるが、ホロコースト記念日については、彼ら自身も被害を受けたせいか、若干、喪に服すと答えた人は多くなっているが、それでも34%にとどまっている。

https://www.timesofisrael.com/poll-only-17-of-ultra-orthodox-celebrate-independence-day/

<アラブ人は。。。?>

イスラエルがユダヤ人の国として建国記念日を祝うのだが、国民の約25%、4分の1はアラブ人である。彼らの祖父母たちは、イスラエルと戦い、そして敗北した人々である。イスラエルが国をあげて建国記念日を祝うこの日、イスラエルにいるアラブ人はどう思っているのか・・

「ナクバ(破滅)の日」と称してイスラエルへの敵意を記念したアラブ人や、逆にユダヤ人とともに、この日を過ごしたアラブ人もいたが、一般大衆のおおむねの反応は、沈黙、無視である。

イスラエルは国民の祝日で、学校も役所も祭日だが、アラブ人ばかりの学校はこの日も授業ありだった。アラブ人の学校では、この日がなんの日なのかも教えず、ただいつもの1日としてすごす。

建国記念日の朝、大統領官邸までタクシーに乗ったが、運転手は東エルサレムのパレスチナ人だった。独立記念日の夜深夜勤をしていたらしい。夜中中、タクシーを運転して、祝いこんでいたユダヤ人を家に送り届けた。

この日は、どう思うのか聞くと、「エン・マアラソット(まあしょうがないよ)。」との返事。気に入らないが、食べていかなければならないし、とりあえず無視するということらしい。

そういうこの運転手との会話は、イスラエルの言葉ヘブライ語である。「アラビア語も学んでね。」と言われたが、ヘブライ語をマスターしている東エルサレムのパレスチナ人は、半分イスラエルの住民なので複雑だろう。

こうしてみると、建国記念日は国をあげての祝いであるようで、実はそうでないというのもまた現状のようである。

<建国70年の意義と祈り:イスラエル在住牧師よりの示唆>

建国70年を迎え、その聖書的意義と、これからどのように祈るのか。福音派のメノー・カリシャー牧師と、聖霊派で祈りの家スカット・ハレルを導くリック・ライディング牧師に示唆を伺った。

1)メノー・カリシャー牧師(エルサレム・アッセンブリー)

建国70年を迎え、今年何か特別なことがあるかどうかはわからない。しかし、今、シリアをロシアとイランが支えている様子から、ゴグ、マゴグの終末の形が整いつつあることは間違いない。聖書は神のものであるから、必ず聖書に書いてある通りになる。

聖書によれば、世の終わりに完全な平和が来るが、その前にまずは恐ろしい時代がくと書いてある。地上の3分の1から2、つまり40億人が死ぬことになる。しかし、ノアの箱船の際、ノアたちは前もって救われた。ここに神の原則がある。

政治的なことは神の領域であり、私たちの手のうちにはない。しかし唯一の救いの道である福音を伝えること。これが、我々にできることであり、するべきことである。

イスラエルのために異邦人が祈るとすれば、イスラエルの救いである。またキリストの体の健康のために祈ってほしい。私たちが時を読み、キリストからぶれずに、福音を伝えられるように祈ってほしい。

2)リック・ライディング牧師(スカット・ハレル:IHOP祈りの家)

①70年の意味

イスラエルが約束の地に戻ってくるのは、近代イスラエルの建国で3回目になる。3は完全をさす数字なので、今回はアモス9:15がいうように、”二度と引き抜かれない”帰還にあたると考えている。

また70年という数字には意味がある。バビロンからの帰還が70年後であったように、70という数字が意味するところは解放、自由である。イスラエルは、今、約束の地から流浪していた時代からはっきり抜け出たということである。

70は、聖書によれば、モーセが70人の長老を選んだように、増殖の意味がある。建国70年を迎えたイスラエルは今、人口が増え、経済も発展し続けている。移民も来ているし、スタートアップで技術力も向上している。

イスラエルのための祈りは、今、物理的に帰還を果たしたイスラエルが、霊的に帰還することを祈るということ。国々に対して恥じることもなく、主の祝福を100%よろこぶこと。そうしてイスラエルの霊的な解放(救い)を祈る時である。

②時が引き延ばされるようにとりなす

世の終わりには、イスラエルに大きな戦争があると描かれている。その時が来れば、神はそれをゆるされる。それからキリストの再臨となる。これを妨げようとするサタンは、まだ時でない時に、イスラエルを巻き込む大きな戦いを起こそうとしている。

ここ数年、ロシア、トルコ、ペルシャであるイランが表面化してきて、この数ヶ月の間に大きな中東戦争になると言われている。しかし、今、中東地域では、多くの若者たちが救われている。今は収穫の時であってまだ終わりの時の戦いの時ではない。

第一次世界大戦の始まりに、収穫の時があった。イギリス、フランス、ドイツなどから宣教師が派遣されようとしていたのに、サタンは世界戦争という手でその機会をつぶしてしまった。だから同じことが起こらないようにしなければならない。

黙示録10:10に、「もう時が引き延ばされることはない。」と記されているように、その時までに何度か戦争が引き延ばされるということが示唆されている。私たちは、まだ時ではないのに、大きな戦争を起こそうとするサタンの働きに対し、時が引き延ばされるよう、祈らなければならない。

今、イスラエルの南部や北部で、小さな衝突が起きているが、まだ大きな中東や世界戦争になる時ではない。その前に、中東と世界中で大きな収穫の時があるはずだ。

*実際、何度も戦争のうわさがメディアを飛び交っているが、その度にとどめられているという流れが続いている。

③主に日々つながることの意義

イエスが来られたとき、シメオンとアンナは、それをはっきり示された。時を定めているのは、サタンではなく、神である。従って、私たちが日々、神に祈っているなら、私たちにはその時がわかるようになるはずである。

<石のひとりごと>

今年の建国記念日は、イスラエルのユダヤ人たちが今もなお支払っている犠牲について多く考えさせられた。この深い悲しみはユダヤ人にしか共有できないものである。その苦しみの上にある建国70周年の喜びもまた、彼らの間でのみ理解しあえる喜びだろう。

生きていくために、みずから子供たちを犠牲にしなければならない国。彼ら自身の神が背後におられるのにそうなのである。

それでも生きている間、せいいっぱい楽しんで生きる。それがイスラエルであり、ユダヤ人なのである。イスラエルという国と神との関係は、愛などと安易に言えるものではないほど深いことを思わされた。

ホロコースト、そして戦没者記念日を取材し、外国人である自分の立っている場所がないことを改めて実感した。

こうした中、異邦人としてその使命を、エルサレムでしっかりと果たしておられるライディング牧師の働きとその実に柔和な人柄にも感動した。ビザは不思議に与え続けられているし、祈りの家は、窓から神殿の丘とオリーブ山を見渡す絶景の場所にある。おそらくエルサレム一素晴らしい眺めだ。主が召された働きであることは明らかである。

このミニストリーでは、トルコやエジプトなど中東全域にいるアラブ人たちの祈りの家とも連絡をとり、イスラエルだけでなく、世界も視野に、とりなしを行っている。イスラエルと異邦人クリスチャン。主はそれぞれに立ち位置を与え、終わりの時に向けて時代を動かしておられるようである。
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ルーマニアが大使館をエルサレムへ移動決定か 2018.4.21

 2018-04-21
19日、ルーマニアの政府与党メンバーがルーマニアのテレビインタビューで、ルーマニア大使館をテルアビブからエルサレムへ移動させることに決まったことを明らかにした。

もし実現した場合は、これまでに大使館の移動を表明しているアメリカ、グアテマラ、ホンデュラスに続いて4番目ということになる。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/244704

ネタニヤフ首相は、19日夜、建国70周年記念で、大統領官邸に集まった100カ国の外交官たちへのスピーチで、他にも大使館をエルサレムへ移動させることを検討している国があると語った。

しかし、その翌日、ルーマニアのクラウス大統領が、これに反対する意向を発表し、なかなかすんなりとはいきそうもない。ともかくも来月、アメリカ大使館のエルサレムへの移動がスムースに運ぶかどうかで風向きを読んでいる国が多いのではないかと思われる。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/244733
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ガザ国境衝突4週目:パレスチナ人4人死亡 2018.4.21

 2018-04-21
ガザ国境で毎週金曜に暴力的な衝突になってから4週目になる。今回の死亡者は4人。このデモが始まってからの使者は38人となった。

デモへの参加人数は、毎週減ってきており、今週は3000人ほどだった。しかし、表現される敵意はだんだん凶悪になってきている。

金曜デモの前日木曜、イスラム聖戦は、イスラエル軍南方総司令官のヨアブ・モルデカイ大佐と数人の射撃手が、国境フェンスの近くにいるところを撮影したビデオを流し、その直後にパレスチナ人射撃手が、ライフルの照準を合わせる様子を付け加えて、あたかも彼らを殺すといわんばかりのクリップをネットに流した。

これを受けて、リーバーマン防衛相は、「もしこちらの上官を殺すことがあれば、ハマスの最高指導者が死ぬことになるのはハマスもよく知っているはずだ。」と脅迫しかえした。

その翌日の今日金曜朝、イスラエル軍は、国境付近にいるパレスチナ人の上に、次のように記したビラをまいた。ビラには次のように描かれていた。

”あなたがしようとしている行為は暴力だ。ハマスは、テロ行為をするようあなたを利用している。イスラエル軍はいかなるシナリオにも対処する。だから国境に近いたり、そのフェンスにダメージを与えるようなことはしないように。

イスラエルは、フェンスや軍用車両に傷つける行為に容赦はしない。だから、あなたを危険に陥れるようなハマスの命令に従わないように。」

これに対し、ガザのパレスチナ人は、ナチスの鉤十字をあしらった凧をあげ、イスラエル側へ飛来した。その凧には、火炎瓶がとりつかられていた。

ガザ側の情報によれば、この金曜に、イスラエル軍の銃撃によって死亡したパレスチナ人は4人。そのうち1人は15歳だった。

15歳の少年が死亡したことを受けて、国連の中東特使モラデノフ氏は、「憤慨だ。15歳の子供が殺された。徹底的な調査が必要だ。」との声明を出した。

これに対し、リーバーマン防衛相は、責任はハマスにあるとし、「ハマスは、女性や子供の背後に隠れている臆病者だ。ガザの人々に言う。フェンスには近づかないように。」と言った。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/4-Palestinians-killed-in-fourth-week-of-demonstrations-along-Gaza-border-551336

イスラエル軍の射撃手たちは、銃撃は、指導者的な動きをしている者に限るとともに、下肢を狙うよう指示されている。だれのどこを撃ったのかは、ライフルに記録、撮影されている。

前回、パレスチナ人を撃って大笑いしていたイスラエル兵のビデオがネットに流され、問題になったが、精査の結果、イスラエル兵は正確に判断し、下肢を撃っていたことがわかった。大笑いしていたのは、軍人ではないカメラマンであったことが判明。

イスラエル兵の対処は、適切とされ、罰はカメラマンが受けたと伝えられている。

<ナタリー・ポートマンがイスラエルをボイコット?>

オスカー女優ナタリー・ポートマンさんは、イスラエル人である。彼女の功績をたたえて、今年ジェネシス賞の受賞者に選ばれた。ジェネシス賞とは、ユダヤ人としてユダヤ人社会に貢献した人に送られる賞である。賞金は通常100万ドル。

ところが、先週、ナタリーさんが、エルサレムでの授賞式をキャンセルする意向を表明し、論議を呼んだ。時期的にも、イスラエルのガザでの対策に反対しているとか、BDS(イスラエルボイコット運動)にほだされたとかメディアは騒ぎ立てた。イスラエルからも驚きの声が殺到した。

このため、ナタリーさんは、「ネタニヤフ首相に同意できないので、ネタニヤフ首相がスピーチする授賞式には出ないことにした。」と自ら明らかにした。

ナタリーさんは、自分はイスラエルを愛しているのでBDSに同調していないことを強調。ディアスポラの多くのユダヤ人と同様、ネタニヤフ首相を指示しないという権利もあるはずだと語った。

なお、ジェネシス賞では、ナタリーさんが、女性の地位向上のために賞金を使うと表明していたため、同額の献金を募り、結果、倍の200万ドル(2億円以上)になっていた。

今回、ナタリーさんは、受賞しないが、賞金は、いずれにしても女性の地位向上のために使われるという。

決して一枚岩ではないというのがユダヤ人なのだが、その多様性がまたユダヤ人でもあるということである。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5236430,00.html
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米・英・仏のシリア攻撃:イスラエルは全面支持 2018.4.15

 2018-04-15
14日朝4時(現地)、アメリカ、イギリス、フランスが、共同で、地中海に駐屯する海軍からトマホークを含む巡航ミサイル、F15、F16戦闘機から巡航ミサイル、計103発を、ダマスカスとホムス郊外のシリア軍施設に向けて発射した。このうち71発は、ロシアがシリアに提供していた迎撃ミサイルが撃墜した。

BBCによると、この攻撃で打撃を受けたのは、ダマスカス郊外の化学兵器研究施設と、ホムス近郊の化学兵器倉庫、ならびに化学兵器機材倉庫の3箇所。人的被害は、市民3人が負傷したと伝えられたが、詳細は不明。

攻撃直後にトランプ大統領が出した声明によると、今回の攻撃は、シリアが今後化学兵器を製造しないようにすることが目的であり、「先週のドーマでの化学兵器使用」への対処に限局するもので、シリアの内戦に介入するつもりはないということであった。

イギリスのメイ首相は、政権の交代を求めるものではないと強調。あくまでも、イギリス国内や、シリア国内での化学兵器を容認できないということを知らせるものであるとの声明をだしている。

ロシアが、アメリカの攻撃には反撃すると言っていたため、攻撃直後は、緊張したニュースが続いた。イスラエルでは、シリアとの国境で、イランやヒズボラとも対峙するゴラン高原からの中継を行った。

しかし、事件発生から12時間後の現在、反撃はなく、ロシアは、「ただではすまない」と言いつつも、武力による反撃はなく、国連安保理の招集を呼びかけるにとどまっている。イスラエルのテレビも通常に戻り、午後には通常に戻っている。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-43767156

<攻撃の意味>

今回の攻撃は、シリアにもロシアにも備える時間を十分に与えて後の攻撃であった。シリア軍は、大事な施設は全部避難させ終わった後であったし、ロシア軍もイラン軍も現場にいなかったので被害は受けていない。

今回は、国際社会として、「化学兵器の使用は決して容認できない。」というメッセージを送るための象徴的な攻撃であったようである。

しかし、アメリカのマティス国防長官は、今回の攻撃は、昨年4月のシリア攻撃の時の倍であり、今回の打撃で、今後シリアが再び化学兵器を使えるようになるには何年もかかるとの見通しを成果として報告している。

つまり、攻撃は、とりあえずは、一回限りということである。しかし、もしまたシリアが化学兵器を使えば、もっと大きな武力で対応すると釘をさす効果はあったと思われる。

釘を刺したのはロシアに対してでもある。この攻撃に先立ち、ロシアの要請で、今日から、OPCW(化学兵器禁止機構)が、ドーマでの化学兵器使用の調査調査を開始する予定であった。

攻撃が、調査結果に先立つ形で行われたことで、アメリカはアメリカの判断で動くと威厳を示したことにはなるが、化学兵器は使われていない、もしくは、反政府勢力が自作自演したと主張するロシアを正面から否定したことになる。まさに米露の直接対決の図式である。

しかし、ロシア軍には被害を与えていないので、今米露が戦争に入り、第三次世界大戦になることは、なんとか避けた形である。

一方で、3国が、「化学兵器使用への対応に限局する」と強調していることについて、化学兵器以外なら使っても良いのかということになり、反政府勢力は反発している。

ドーマのある東ゴータでは、先月から反政府勢力がまだ地域に残っていた住民5万人を、バスを長々と並べて避難させている。その車列がシリア政府軍に空爆され、先月にも30人が死亡した。問題は、化学兵器に限っていないのである。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-43674329

しかし、トランプ大統領はアメリカ軍をシリアから撤退させる意向を表明しており、シリア内戦そのものには干渉しない立場である。シリアの問題であるが、実際は、まさに代理戦争がシリアで行なわれているということである。

副産物ではあるが、今回の攻撃は、来月北朝鮮との対話を控えるトランプ政権が、北朝鮮に対し、アメリカは必要な場合は、国際社会と協力の上で、軍事攻撃も躊躇なく使うということを見せつけたことにもなったと言われている。

トランプ大統領、その場その場で動いているのか、けっこう深くまで考えて動く賢明な大統領なのか、よくわからない人物である。

<世界の反応>

今回は、ドーマでの化学兵器使用への対応に限局し、アメリカ単独攻撃ではなかったこともあり、アメリカへの大きな批判はない。

ドイツは、イギリスや、フランスと違って、攻撃に参加しない道を選んだとみられるが、攻撃には賛同するとの声明を出した。NATOも、「化学兵器を使用した者はその責任を問われる。」と言っている。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-43767156

欧米は、軍事攻撃だけでなく、外交、経済でもシリアに圧力をかける予定で、EUは来週月曜にもシリアへの対処で外相級に会議を開く予定である。

http://www.jpost.com/Middle-East/EU-to-look-at-imposing-fresh-sanctions-on-Syria-549745

このほか、最近イスラエルや欧米に接近しているサウジアラビアもアメリカの攻撃を指示するとの声明を出したほか、日本の安倍政権も、指示を表明した。

中国は、攻撃に反対を表明している。あくまでも外交による平和的解決だけが効果的であるとし、国連安保理をスキップした攻撃には反対すると表明した。

<シリア側の反応:ロシア、イラン>

ロシアのプーチン大統領は、攻撃の後、「非常に深刻に受け止めている。正式な政府を支援するためにロシアが派遣している我が国の国民がいるところを攻撃されたのだ。」と言った。ロシアは、アメリカがOPCWの調査を待たなかったことを避難している。

なお、ロシアはすでに十分な迎撃ミサイルシステムをシリアに配備しているが、この上さらに、S300(飛行中の戦闘機を撃墜可能)を配備する可能性にも言及している。これについては、イスラエルが全力で阻止するものと思われるので、実現するかどうかは不明。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5230031,00.html

シリアのアサド大統領は、「国際法違反だ。アメリカとイギリス、フランスの試みは失敗する」と反論。シリアの日常に影響はないと主張するためか、普通に登庁するアサド大統領のビデオを流している。

アサド大統領が、支援国イランのハメネイ最高指導者に対し、「シリアはこれまでと変わらず、テロリスト(反政府勢力)の掃討を続ける。」と会話したとも伝えられている。

ダマスカス市内では、アサド大統領を支持する市民らが、シリアとロシア、イランの旗を振りかざしながら、迎撃ミサイルが効果的にミサイルを撃墜したとして喜び、「アメリカのミサイルなど怖くない」と叫ぶ様子が伝えらえている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5229996,00.html

イランのハメネイ最高指導者は、「これはアメリカとイギリス、フランスの犯罪である。世界になんの益ももたらさない。アメリカは中東での存在を正当化したいだけだ。」と語った。

イラン革命軍関係者は、「この攻撃で、地域情勢はより複雑になった。そのツケを払うのはアメリカである。イランは”前線”(通常イスラエルとアメリカをさす)を強化する。攻撃への対処能力を高める。」と語っている。

https://www.reuters.com/article/us-mideast-crisis-syria-iran-guards/irans-supreme-leader-says-western-attack-on-syria-a-crime-idUSKBN1HL0DO 

<イスラエルの反応:イランとの敵対関係を強調>

イスラエルは、今年2月に続いて、先週9日、シリア領内のその同じイラン軍基地を攻撃し、イラン軍関係者8人を含む14人を死亡させている。イスラエルでは、今週末、もしアメリカがシリアを攻撃したら、イランとイスラエルとの戦争に拡大する可能性があるとして、懸念が広がっていた。

https://www.timesofisrael.com/attack-drone-revelation-shows-grave-immediate-adjacent-threat-to-israel-iran/

今回、アメリカがシリアを攻撃するという流れになった先週水曜、ネタニヤフ首相は、プーチン大統領に電話をかけた。

プーチン大統領は、ネタニヤフ首相に、手出しはしないよう伝えたが、ネタニヤフ首相は、イスラエルは、これまでと同様、自国の防衛のためには、躊躇なく(予告なく)攻撃する旨を伝えたという。

さらにこのタイミングで、攻撃の前日、イスラエルは、今年2月、イスラエル領内に侵入してきたイランのドローンには、軍事攻撃をする装備があったことを明らかにした。

言い換えれば、イスラエルは、イランの動きによっては、躊躇なくシリアのイランと対決する理由があると主張したということである。ことによっては、イスラエルはシリア内部のイラン軍を攻撃するつもりだったのだろう。

イスラエルは、安息日開けの土曜夕刻になってから、ネタニヤフ首相が、正式に、トランプ大統領を支持する声明を出した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5230354,00.html 

<石のひとりごと:今後について>

今後どうなるかだが、残念ながら、予測不能な中東に加えて、予測不能なトランプ大統領が、世界を動かしている。専門家でも予測を述べられる人はいないだろう。

米露が戦争を始める可能性は、まだまだ残されているが、それ以上に、イスラエルとイランが戦争となり、ヒズビラが山のようにミサイルを飛ばしてきて、アメリカが介入。米露の戦争に発展していくシナリオの方が可能性は高いかもしれない。

そうなれば、ロシアとイランと同盟になっているトルコも介入してくるだろう。いよいよゴグ・マゴグの戦いの気配だが、そうなると、イスラエルにはまもなく大きな地震が発生し、中東は大混乱になるということである。(エゼキエル38章)

しかし、今は一応落ち着いている。今日の聖書箇所には次のように書いてあった。

神である主、イスラエルの聖なる方は、こう仰せられる。「立ち返って静かにすれば、あなた方は救われ、落ち着いて信頼すれば、あなた方は力を得る。」イザヤ書30:15
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ガザ国境デモ3回目金曜日:パレスチナ人1人死亡 2018.4.15

 2018-04-15
昨日は、ガザ国境での「機関へのマーチ」デモ3週目。早朝の衝突でパレスチナ人1人が死亡。この件に関するパレスチナ人の死者は33人となった。ガザからの情報によると、今回の負傷者は、少なくとも30人。

その後、一時、群衆がパレスチナの旗を掲げて、国境フェンスまで近づいてきて、緊張が広がったが、イスラエル領内に入ることはなかった。

今回の参加者は、これまでで最低の1万人。イスラエルの旗にトランプ大統領やサウジアラビアのサルマン王子をあしらった旗を燃やしたり、イスラエルの旗を踏みつけるなどが行われた。

デモの規模が縮小している理由として、世界がシリア問題で忙しく、ハマスが予想したような世界からの注目を得られないことがあげられている。西岸地区でもガザに同調するデモは発生しなかった。

https://www.i24news.tv/en/news/israel/172195-180413-idf-braces-for-gaza-flag-burning-protest-as-great-march-enters-third-week

<事故でパレスチナ人4人、イスラエル兵一人死亡>

ところがである。翌日の土曜、ガザ南部で爆発があり、パレスチナ人4人が死亡した。ガザの救急隊は、イスラエルの戦車砲だと言っているが、イスラエルは否定している。地元住人によると、死亡した4人は、イスラム聖戦の戦闘員であったとのこと。

http://www.jpost.com/Breaking-News/Palestinian-Health-Ministry-two-Palestinians-dead-in-Gaza-explosion-549786

イスラエル側でも、土曜深夜、イスラエル南部、シナイ半島との国境ニツァナで、ルチーンの地下トンネルに対処していた戦車が、数メートルのスロープを転がり落ち、戦車内部で火事が発生。戦車を運転していたイスラエル兵1人が死亡。2人が重傷となった。

戦車はメルカバ型で、本来ならこのぐらいのスロープでは横転しないはずだという。なぜ火災が発生したかも合わせて調査するとのこと。重傷の2人を覚えて祈られたし。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5229887,00.html
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73回目のホロコースト記念日 2018.4.15

 2018-04-15
12日、イスラエルと世界中のユダヤ人たち、またその友人支援者たちは、今年もホロコースト記念日を迎えた。アウシュビッツでは、毎年恒例の生者の行進(アウシュビッツからビルケナウまでの3.2キロ)が行われ、世界中から12000人が参加した。

イスラエルからは、リブリン大統領、エイセンコット・イスラエル参謀総長、アルシェイク警察長官が参加した。ちょうど、アメリカがシリアを攻撃し、イランがイスラエルを攻撃してくる可能性があった時で、防衛のトップが不在になることに懸念もあったが、予定は変更されなかった。

http://www.jpost.com/Israel-News/Police-Chief-in-Auschwitz-Were-not-coming-to-learn-were-coming-to-teach-549586

ポーランドといえば、最近、ホロコーストの責任がポーランドにあるかのような表現をした場合、刑事責任をとられるという法律が成立して論議を呼んだばかりである。

アウシュビッツでの式典には、その法律を成立させたポーランドのドュダ大統領も出席していた。リブリン大統領は、式典でのメッセージで、ポーランドもナチスの犠牲者であり、ポーランド人の中に、義なる異邦人が何千人もいたことを認めた上で、昨日まで友人であったポーランド人が、ナチスの存在なしにユダヤ人を殺害したことも事実であると訴えた。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5229105,00.html

イスラエルでは、11日夜、ヤドバシェムで記念式典があった他、12日には、ネタニヤフ首相に続いて様々な人や組織が献花した他、記念ホールで、遺族や友人らが、犠牲者の名前が読み上げ、ただ600万人ではなく、一人一人を覚えた。

イスラエルにいるホロコースト生存者は2016年末で、18万6500人。1年に2万人ぐらいは亡くなっている。中央統計局によると、2035年には2万6000人になっていると予測されている。

<今もまだ続くホロコーストの苦しみ>

今回、記念式典で、よく取材で顔を合わせ、立ち位置でももめたことのあるイスラエルのテレビのカメラマン、ベニーさん(60歳代?)に、ホロコーストに関係しているかどうか聞く機会があった。

ベニーさんのお父さんは、家族で唯一生き残った人で、その他の家族は一人を除いてみなアウシュビッツで殺害されたという。ベニーさん自身は、イスラエルで生まれている。典型的なホロコースト二代目である。

いつも機嫌の悪い人なのだが、この式典に集っている人々についても、「なにもわかってない。」とぼやいていた。

帰る直前、ベニーさんが、「日本はドイツとつるんでたんだぞ」と言ったので、すぐに謝った。「まあ君はまだ生まれてなかったからね。」との返答。「でも私たちの旗の下だったから」ともう一度謝った。別れるまえに、「そういってくれてありがとう。」と言われた。

翌日の記念ホールでは、90歳は超えていると思われる夫妻がいたので、話を聞いてみた。二人は、イタリアでホロコーストに巻き込まれた。戦後に結婚し、イスラエルに移住したという。奥さまの姉妹がアウシュビッツで殺されたらしく、涙で話が続けられなかった。

この人たちに出会い、ホロコーストが歴史なのではなく、今もなお経験者を苦しめている現在進行形なのだということを改めて実感させられた。

http://www.jpost.com/Israel-News/Only-26200-Holocaust-survivors-will-be-living-in-Israel-by-2035-539668
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シリア危機とイスラエル:イランとの対立再燃 2018.4.11

 2018-04-11
9日、シリアで、化学兵器が使用されたとみられ、50人以上が死亡した。この件をめぐって米露の対立が危機的となっている。

この直後、シリア中央部パルミラ近郊のシリア軍基地で、イラン軍とロシア軍も駐留するT4基地がミサイル攻撃を受け、大きな打撃を受けた。この基地は、今年2月にもイスラエルの攻撃を受けており、今回もイスラエルである可能性が濃厚だ。

イランは、イスラエルに報復を宣言している。

1)東ゴータでの化学兵器使用疑でシリア人50人以上死亡

シリアでは、2月ごろより、ダマスカス近郊東ゴータをアサド政権軍が包囲し、激戦になっていることが伝えられていたが、先月、政府軍がほぼ占領したとのことであった。

そうした中、4月8日、東ゴータで反政府勢力の最後の拠点であるドーマで、化学兵器とみられる症状を呈する患者500人に対処していると、現地のシリア・アメリカ・医療組織が伝えた。死者は49人から60人以上に上っているという。

シリアで化学兵器が使われたのは200回以上に上るといわれる中、昨年4月に、大きな化学兵器使用疑惑が発生し、アメリカが巡航ミサイルを地中海からシリアへ撃ち込んで牽制して以来の規模である。

その後しばらく化学兵器の使用は止まっていたが、今年2月ごろから再び、シリア軍が化学兵器を使っているという報告が出始め、今回の大規模な使用にいたったというものである。

トランプ大統領は、今回の化学兵器使用は、シリア軍によるものと断定。その背後にいるイランとロシアも関係しているとの見解を表明し、「超大国アメリカとしては、無視できない。」として、ここ一両日中になんらかの対処をすると発表した。現在、シリア軍は、アメリカからの攻撃に備えているという。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-43707023

https://www.timesofisrael.com/trump-vows-forceful-response-after-syria-attack/

アメリカからの名指しの非難を受けたロシアは、関与を否定。アサド政権が関わっていることすら否定し、反政府勢力の自作自演であると主張した。また、現場に塩素ガス等の痕跡はないとし、ただちにOPCW(化学兵器禁止機構)を派遣するよう要請した。

化学兵器については、イギリスで、元ロシアの二重スパイが娘とともに化学兵器によって暗殺されかけたことから、欧米各国は、ロシアを追求している最中であったため、ロシアと欧米との対立がさらに深まったともいえる。

9日、国連安保理はこの件について緊急の会議が招集。米露を中心とする激しい論争が報じられたが、非難決議を採択しても、ロシアが拒否権を発動するのであまり意味はないとみられる。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-43707023

イスラエルは、シリアでの化学兵器使用に関する警告をアメリカに対して行っていたという。隣国シリアで化学兵器が使われているということは、シリアにイランが進出していることもあり、イスラエルが放置できる問題ではないからである。

2)シリア軍事基地攻撃で14人死亡:イスラエルが攻撃か

上記化学兵器問題が発生した直後の9日夜明け前、シリア中央のパルミラ郊外にあるシリア最大の軍基地T4が、複数のミサイルによる攻撃を受け、少なくとも14人の死者が出たとシリアのメディアが伝えた。

この基地は、イランがドローンの発信基地として使っている基地で、今年2月、イスラエル領内にドローンを飛来させたことから、イスラエルが、空爆を行った基地である。

これまでに伝えられたところによると、多数のミサイル攻撃を受け、シリア軍が、迎撃ミサイルで数発は撃墜したという。攻撃は、トランプ大統領が、シリアでの化学兵器使用疑惑を受けて、厳しい対処を示唆した直後であった。

当然、アメリカが疑われそうなところだが、シリアとロシアは、ただちに、「攻撃はアメリカではない。」と主張。イスラエルによるものと非難した。ロシアは、イスラエルのF15戦闘機がレバノンからミサイルを発射し、5発は迎撃したと訴えている。

9日になり、レバノンも、イスラエルの空軍機4機が領空侵犯していったと証言している。また、ここ3日、イスラエルのドローンがひんぱんにシリアの様子を探っていたとも言っている。

そういうわけで、イスラエルがやったとの見方が濃厚だが、イスラエルは、これについて、コメントしていない。しかし、ネタニヤフ首相は、10日、住宅関係でスデロットを訪問した際、防衛を強調し、相手を特定しない形で、「我々を攻撃しようとする者は攻撃する。」と語っている。*スデロットは、かつてガザからのロケット攻撃で大打撃を受けたイスラエル南部の都市。

https://www.timesofisrael.com/after-syria-strike-netanyahu-says-israel-will-hit-all-those-who-seek-to-harm-us/

<イランの反応>

10日、シリアを訪問したイランのハメネイ最高指導者のトップアドバイザー、アリ・アクバル・ベラヤティ氏は、「犯罪が見過ごされることはない。」と将来のイスラエルへの報復を示唆した。

https://www.timesofisrael.com/iran-threatens-israel-over-syria-strike/

<ロシアには通告なし>

2月にイスラエルがT4を攻撃した際、イスラエルは事前にロシアに通告していた。このため、ロシアは、軍関係者を非難させ、だれも被害にあわなかった。しかし、今回は、事前通告がなく、ロシア軍関係者も被害にあう可能性があったことから、ロシアはイスラエルに憤慨しているとみられる。

一方、公式ではないが、アメリカ政府関係者2人は、T4基地攻撃はイスラエルによるものと考えているという。さすがにアメリカには伝えていたようである。

https://www.timesofisrael.com/us-said-to-confirm-israel-hit-syria-base-as-russia-complains-it-was-not-warned/

<タイミングについて>

今回のT4基地への攻撃のタイミングだが、シリアの化学兵器問題との関連で、アメリカが、シリアへのお仕置きをするぞといった直後であった。

つまり、イスラエルがやったことは濃厚ではあるが、アメリカがやったとも考えられなくもない時期であり、化学兵器使用で、国際非難もかわせる時期でもあったということで、イスラエルにとっては都合の良い時期であったとも指摘されている。

また、アメリカがシリアから撤退することを示唆している中、イスラエルが、イランに釘をさしたのではないかとも考えられている。

前回お伝えしたように、トランプ大統領は、ロシア、イラン、トルコ3国がアメリカ抜きでシリア問題を解決しようとしている最中に、シリアからのアメリカ軍撤退を言い出したことから、ロシアに百歩譲ったではないかとも言われた。

つまるところ、トランプ大統領は、ロシアの協力で大統領になった可能性もあり、イスラエルを支援するとはいえ、どこか、ロシアには頭があがらないのではないかとの疑惑もささやかれているのである。

このように、アメリカが、(ロシアとも組んで?)シリアから撤退する可能性が出てきたことから、「たとえ同盟国アメリカがどう出ようが、イスラエルの自衛の原則に変わりはない。必要な状況になれば、イスラエルは、すみやかに、躊躇なく行動に出る。」という強力なメッセージを発したのではないかということである。

<石のひとりごと>

あらゆるメディアの報道をリサーチしながら、記事を書いているが、実際のところ、いったいどこまでが、本当のことなのかは、わからなくなってくる。敵がやったようにみせかける、などの作戦が横行しているからである。

イスラエルも、生き残りのためには、嘘もつくし、あらゆる工作活動もするだろう。こうした中、どこまで有益な情報をお届けできるのか。日々、聖霊の知恵と導きなしには記事を書けないと実感している。
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イスラエル兵の冷酷射撃摘発か 2018.4.11

 2018-04-11
ガザ国境での紛争が2週続き、これまでに30人が死亡しているが、9日、ワッツアップ(ラインのようなもの)で、イスラエル軍兵士と思われる声で、ガザ国境にいるパレスチナ人を射殺しておもしろがるビデオが出回り、物議を呼んでいる。

ビデオによると、ガザ国境の有刺鉄線付近に近づいた非武装のパレスチナ人が撃たれて倒れたところ、「やった!」と叫び、「撮影したか」と笑いながら興奮して叫ぶヘブライ語の声が収録されている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5225469,00.html

イスラエル軍はこれについて調査を開始。撮影されたのは、最近の紛争中ではなく、昨年12月だとみて、すでに関係した兵士らを尋問中だとの情報もある。昨年12月のケースであった場合、この撃たれたパレスチナ人は死亡していない。

https://www.timesofisrael.com/idf-said-to-question-soldiers-filmed-celebrating-shooting-of-palestinian/

これは全くの筆者の個人的印象なのだが、この倒れたパレスチナ人が、このような場所に来るのに、どういうわけか赤い服を着て、周囲にはそそくさとしゃがんで動き回る仲間たちがいる中、のっぺりと立っている姿がどうにも不自然・・・イスラエルの極左組織にしくまれた可能性はないのかとも思うが、考え過ぎか。。

いずれにしても、問題の本質は、ヘブライ語で叫んでいる声が、人に危害を加えて楽しんでいるという残虐性である。

以前、ヘブロンで、すでに治安部隊に撃たれて重症になっているテロリストを不要に撃ったアザリヤ軍曹のケースでも、軍曹が、なんの躊躇もなく殺害していたことが最終的な問題とされた。

今回のビデオも人間を殺したかもしれない場面で、喜んでいたということが、最終的には問題になると思われる。

http://www.jpost.com/Israel-News/Has-the-next-Hebron-shooter-arrived-549317

これについて、ベネット教育相は、あくまでもイスラエル兵たちを擁護する立場である。「戦場とテルアビブの机上とは違う。(生死をかけた戦場で敵を倒したという)人間の自然な反応だと反論している。

https://www.timesofisrael.com/bennett-defends-soldiers-filmed-cheering-gazans-shooting/

<撃たれたパレスチナ人ジャーナリストはハマス戦闘員?>

先週金曜、パレスチナ人ジャーナリストのヤセル・ムタヤ(30)が、イスラエルの射撃で死亡したことで、イスラエルへの非難が高まっている。しかし、Yネットが、イスラエルのニュースエージェンシー・ワラに語ったところによると、ムタヤは、ハマスの戦闘員でもあったという。

2015年には、ドローンをハマスに届けたともみられている。リーバーマン外相は、今回、ムタヤは、現場でドローンを操作していたとして射撃されたもようである。しかし、昨今、フォトジャーナリストならドローンを使うことは十分ありうる。   

現場にハマス戦闘員として立っていたのか、ハマスのジャーナリストであったのか、そのどちらでもあったのだろうが、いずれにしても、死んでしまったことで、非難はイスラエルに集中するのである。言い訳はすべて、イスラエルに不利に働いている。

ハマスは、イスラエルへの国際非難を最大限に利用して、ハマスはイスラエルへの”帰還”運動を6週間、あくまでも継続する意思を表明している。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/244201

<ガザのハマス軍事拠点を空爆>

ハマスは、平和的な市民デモだと主張するが、イスラエル領内への侵入を試みたり、国境に爆発物をしかけるなどの武力行為は続いている。

イスラエルは、国境にプラスチックボトルの爆弾2つを発見したことから、「国境を戦場にさせない。」として、9日、ガザ北部のハマス拠点を空爆した。被害についての報道はない。

https://www.timesofisrael.com/israeli-jets-strike-gaza-after-palestinians-plant-bombs-on-fence/
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もめる建国70周年記念式典 2018.4.11

 2018-04-11
イスラエル北部、南部で、非常に危機的な状況になっているが、イスラエル国内では、着々と建国70周年記念(4/18)の準備が進められている。道路には、車に国旗をひらめかせて走る車が増えてきた。町には国旗を販売する店が目立ち始めている。

しかし、今年は、建国70周年と、記念が大きいために、もめ事もある。

イスラエルの建国記念日には、毎年、公式の点火記念式典が行われるが、これは市民行事であるとして、国会議長以外の政治家が演説しないことになっている。つまり、ネタニヤフ首相、リブリン大統領ともに出席しないということである。

しかし、今年は特別であるとして、文化担当大臣のミリ・レゲブ氏は、ネタニヤフ首相とリブリン大統領も出席する式典を計画した。これに、国会議長のユリ・エデルステン氏が反対を表明。「伝統を変えて、政治家を加えるなら、自分は参加しない。」と表明した。

その後、建国50周年の時の式典に、当時首相になったばかりのネタニヤフ首相が出席していたビデオがみつかり、エデルステイン議長も納得したという。10日のニュースで、ネタニヤフ首相も出席することが決まった。

今回は、どういうわけか、ホンデュラスのホルナンデス大統領が、点火のゲストに、外国首脳としてはじめて招かれていたが、野党メレツからの反対意見が出るなどして、もめているのを見てか、ホルナンデス大統領自ら、参加を見送ると申し入れがあった。

両国の友好関係に水を差すといった記事もあったが、まあしょうがないね。。といったところで、その後は、すぐに話はなくなっている。

https://www.timesofisrael.com/amid-controversy-honduran-president-backs-out-of-independence-day-event/

イスラエルでは、とにかく、いろいろなことでもめるのだが、その度にすわって交渉し、結果がでれば、うらみつらみなく、両者ともにさっさと前に進んでいる。このさっぱりした交渉術を身につけたいと思う。

なお、建国記念に先立ち、4/12はホロコースト記念日、4/18は戦没者記念日である。
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ガザ国境紛争再開:10人死亡 2018.4.8

 2018-04-08
先週金曜に引き続き、7日(金)にもガザ国境での衝突が発生。ガザ側の情報によれば、10人が死亡。500人以上が負傷した。*死者負傷者数は、情報がガザからのものであるため、メディアによって差がある。

先週の衝突では、17人が死亡。その後重傷者3人が死亡して20人となり、今週と合わせて30人が死亡したとみられている。

今回の死者の中には、パレスチナ人記者ヤセル・ムルタヤさんが含まれていた。土曜に行われた葬儀には、数百人とハマスのハニエ最高指導者も参列した。ハマスは、イスラエルが、記者を狙い撃ちしたと大きく訴えているが、イスラエルはこれを否定している。

https://www.timesofisrael.com/hundreds-at-funeral-for-journalist-killed-covering-mass-gaza-protests/

<7日(金)の様子>

ガザのパレスチナ人らは、先週金曜以降、国境防護壁から数百メートル周辺にテント村を形成し、踏みとどまっていた。

2回目の金曜が近づくにつれ、国境付近で燃やすためのタイヤを1万個ほども集め始め、イスラエル軍の射撃手を混乱させるための大きな鏡を持ちこんだり、野営病院の設営などをしている様子が報じられた。

イスラエル軍は、タイヤ燃焼で生じる黒煙を吹き払うため、大きな扇風機を用意するなどして衝突に備えた。

7日(金)は午前中から、パレスチナ人らが、タイヤを燃やして黒煙を上げ始めた。パレスチナの旗の間にナチスドイツの鉤十字の旗もあった。イスラエルは催涙弾も使い対処。時間が経つにつれて死亡の報せが入り始めたが、夕刻までに沈静化した。

デモの参加者は、平日よりは多い2万人と推測され、3万人が参加した先週より減っていたとイスラエル軍はみている。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/LIVE-COVERAGE-Standoff-resumes-Gazans-set-thousands-of-tires-ablaze-548997

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/In-pictures-20000-Palestinians-protest-in-Gaza-549055

<デモはフェイスブックからはじまった?>

このデモについては、ガザの政治活動家アブ・アイティマ氏(34)が、フェイスブックで数ヶ月前に、「もし何千人ものパレスチナ人が、国境破りをしたらどうなるだろうか。」と書き込んだことにヒントを得た結果ではないかと言われている。

アイティマ氏は、Yネットのインタビューで、あくまでも平和的デモを支持するものであり、実際に群衆が国境破りをするとは思えないと語る。

「イスラエルへの暴力に効果がないことは明らかだ。私は、イスラエル人を排斥しようとは思わない。ただ南アフリカのように人種差別の今の政府がなくなって、イスラエル人とパレスチナ人が、民主国家の元で、ひとつになって住むことだ。」と語ったている。

イスラエルは、アパルトヘイト国ではない。今もすでに民主国家である。人種差別がまったくないとはいえないが、ユダヤ人とアラブ人は今もすでに同居している。しかし、イスラエルは、ユダヤ人の国という性質を維持しなければならないため、今以上にパレスチナ人全部の帰還をイスラエルが受け入れることはないと表明している。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5221944,00.html

デモは、もしかしたら、フェイスブックから始まったかもしれないが、ハマスはこれを十分活用している。紛争の最中に、シンワル指導者が現場に来て応援して奨励している。

また、ハマス報道官によると、ハマスは、死亡した者の家族には3000ドル(約35万円)、負傷者には200-500ドルを支払っているとのこと。

https://www.timesofisrael.com/hamas-will-reportedly-pay-families-of-gazans-killed-in-israel-clashes/

<ガザ沖でイスラム聖戦の攻撃計画を摘発>

イスラエル諜報機関シン・ベトとイスラエル軍は、ガザ国境での紛争が始まる以前の3月12日、ガザ沖でイスラエルを攻撃しようとしたイスラム聖戦の計画を未然に防いでいたことを明らかにした。

それによると、漁船に見せかけた船が、イスラエル領海へ入りこみ、それを停止しに来たイスラエル海軍の船を2隻目が攻撃し、さらに3隻目が近づいて、イスラエル兵を誘拐する計画を遂行しようとした。

イスラエル軍は、これを未然に察知し、関係者とともに、首謀者マフムード・ジュマを逮捕した。ジュマは、この攻撃で5000ドルを約束されていたという。

ジャマは、2012年ごろ、漁船を使って、エジプトからハマスに300キロの爆発物を運搬している。2014年ごろには、武器製造のためのファイバー150パックをハマスに届けていた。また地下トンネルからライフルもハマスに届けていた。

ネタニヤフ首相は、これらはガザ国境でのデモが、ハマスの真の目的(イスラエル打倒)をカモフラージュするものだということだと語った。

https://www.timesofisrael.com/shin-bet-idf-thwart-islamic-jihad-attack-on-navy-boats-off-gaza-coast/

なお、イスラエル海軍は、近年、ハマスが、陸上では地下トンネルを使うように、海底からもイスラエルを攻撃しようとしているとの情報があり、警戒していたという。

<国際非難とイスラエルの反論>

先週17人が死亡したことを受けて、翌4月1日、まずはトルコのエルドアン大統領が、「イスラエルの非人間的な行為、ネタニヤフ首相はテロリストだ。」と非難した。

これを受けてネタニヤフ首相は、「世界で最も道徳的な軍隊は、市民(クルド人)を空爆する国から道徳を教えてもらう必要はない。」とやり返した。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-43611859

ヨルダンとエジプトは、イスラエルが過剰な武力を行使していると非難した。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/243881

国連は、先週金曜以降、イスラエル軍に実弾を使わないよう警告したが、イスラエル軍は、銃撃しているのは、国境から侵入してくる者たちで、多くはハマス戦闘員であると反発。侵入者のCCTV映像を流している。

しかし、多数の死者が発生しているのは事実で、その中にはティーンエイジャーも含まれていることから、イスラエルへの国際非難は高まりつつある。先週に続いて2回目となるこの金曜の紛争を受けて、EUは、本日土曜の会合で、イスラエルが過剰に武器を使用していると指摘した。

https://www.timesofisrael.com/idf-uses-tear-gas-live-fire-as-thousands-protest-at-gaza-border/

イスラエルのリーバーマン防衛相は、イスラエルは、ガザからイスラエルへ侵入しようとする者への厳しい対処は続ける方針だと語り、「国境に近づくことは命とりになる。愚かなことはしないように。」と、ガザの人々に呼びかけている。

また、「ハマスは、ガザと市民の復興に使うべき2億6000万ドルもの資金をすべて(トンネルなど)テロ施設に費やしている。ガザ市民は、イスラエルと戦うよりも、指導者を変えた方がよい。」と語った。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/gaza-news/Ahead-of-fresh-standoff-Hamas-reveals-payouts-to-injured-protesters-548990

<サウジアラビアの以外な反応:イスラエルには存在の権利がある>

ガザ国境での紛争について、同盟国アメリカは、「ガザの人々は、緩衝地帯に近づかないようにせよ。」と警告し、今回もイスラエルの側に立った。また国連安保理でのイスラエルへの非難決議はアメリカが拒否権を発動し、可決されなかった。

最近、イスラエルに近づいていると言われるサウジアラビアだが、2日月曜、ビン・サルマン王子が、アメリカの雑誌へのインタビューで、パレスチナ人が国を持つ権利があると同時に、「ユダヤ人は、少なくともその祖先からの土地に国を持つ権利がある。」と重大な発言をした。

湾岸アラブ諸国がイスラエルの存在を認めるのは始めて。

https://www.timesofisrael.com/saudi-crown-prince-recognizes-israels-right-to-exist-talks-up-future-ties/

<石のひとりごと:紛争と平和>

ガザ周辺で紛争になってはいるが、イスラエル国内はそんなこととは正反対。今日までの過越の1週間で、地中海のビーチやガリラヤ湖、国立公園で、休暇を楽しんだ市民は150万人にのぼっていた。

いわゆるゴールデンウイークで、どこへ行っても超満員。カイザリヤは4万8000人、エンゲディは3万4000人で、ダビデの滝など、文字どおり芋の子を洗う状態。ガザと目と鼻の先のアシュケロンのビーチですら3万2000人だった。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5223084,00.html

エルサレムも非常に気持ちのよい気候で、木々は緑も美しく、花を咲かせている木も多い。野の花は乾き始めてはいるが、まだ蝶がひらついている。今日土曜は安息日なので、走る車もなく、静まりかえっている。何種類もの鳥が美しい声を聞かせてくれて、なんとも気持ちが良い。

過越休暇の最後で、家族たちが集まっているのだろう。アパート前無料駐車場は、車でひしめきあっている。今午後3時。皆おいしいものを食べた後で昼寝でもしているのか、陽だまりの中でおだやかな静けさである。

昨日金曜午後、プロムナード付近を散歩した。ゆっくり散歩する人々や、家族づれ。子供たちは走り回っていた。赤いアイスクリーム売りのトラックがいる。世俗派もいれば、正統派の夫妻も歩いている。

芝生の上でくつろいでいる家族づれの女性はイスラムのヒジャブ姿だ。付近に住むパレスチナ人の家族である。その向こうにはエルサレムの旧市街とオリーブ山の光景がひろがっている。まさに世界一祝福されている町だと実感するような日であった。

しかし、この平和そのものにみえるエルサレムから、車でわずか2時間のガザ国境では、この日だけで10人が命を落とした。なんとも考え難い現実だ。イスラエルは、紛争と平和が同居する国なのである。

このように、全国のイスラエル市民が平和にしていられるのは、今日も休日返上でガザ付近に駐留し、まったくもってやりたくもない射撃手になってくれている治安部隊兵士たちのおかげである。

ハマスは、10年間、ガザ地区の管理を任され、結果、ガザを破壊しつくした。さらにまだ市民を死に追いやっている。それが今、イスラエルに戻るという。世界はそれに同情する。

しかし、それはありえないだけでなく、もし仮にありえたとしても、それこそ土地と平和を破壊することである。ガザの若者たちも世界も、この現状を知る由もない・・・いや知ろうともしなていないのかもしれないと思う。
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米シリア撤退宣言とロシア・イラン・トルコ3国サミット 2018.4.8

 2018-04-08
トランプ大統領が、先週金曜、またもや爆弾を落とした。2月にティラーソン元国務長官が約束したシリア復興のための支援金2億ドルを凍結するという。

同時に、「シリアのアメリカ軍(2000人)をすみやかに撤退させる。ISをすぐにも壊滅して撤退する。あとは他の国にやらせたらいい。」と言った。理由は、今まで相当な大金を使ってきたが、アメリカには何の益もなかったからということだが、実際には11月の中間選挙への対策ではないかとも言われる。

トランプ大統領のこの発言には、ペンタゴンはじめ、側近もすべてが反対を表明。ISはまだ壊滅したわけではないし、中東での影響を維持するため、たとえ小規模でもアメリカ軍を残留させるべきだと主張した。

これを受けて、トランプ大統領は、「いましばらくは駐留させる。」といい、今の所、具体的な撤退のめどは明示しなかった。

しかし、この一連のことで、アメリカが、シリアに関して明確なビジョンを持っておらず、近い将来、本当に撤退する可能性もあるということは、中東諸国と世界に、十分示した形になった。

<ロシア、イラン、トルコ3国サミット>

トランプ大統領のシリアからの撤退発言は、イラン、トルコ、ロシア3国の首脳サミットの直前であった。3国首脳は先週火曜、トルコのアンカラに集まり、シリアのこれからについて話し合った。

この3国がシリアに関するサミットを開くのはこれが2回目。前回も今回もアメリカはカヤの外だった。

アメリカは、軍事超大国であり、現在もシリア領内に2000人規模の軍隊を置いている。それにもかかわらず、このサミットに含まれていないということは、アメリカの足がすでに中東から半分出ているということであり、すでに影響力は失せていることを表している。

トランプ大統領のシリア撤退発言が、このサミットの直前のことであったことから、トランプ大統領は。これら3国にシリアを任せることに同意しているのではないかと疑う分析もある。

ややこしいのは、ロシアとトルコはシリアにおいては、立場上敵同士であるという点。ロシアが、シリアのアサド政権を支持しているのに対し、トルコは反政府勢力を支援する立場である。

しかし、トルコは今、シリア北部アフリーンのクルド人地区を占領するなど、独自の動きを始めており、アメリカやNATOからはみ出す傾向にある。このため、ロシアはトルコを引き込もうとしているのである。

Yネットによると、トルコは、先週、ロシアとともに原子力発電所建設を開始した。200億ドルの取引だという。ロシアは、トルコがアメリカとNATOと決別することを推進しようとしているとの分析もある。

http://www.jpost.com/International/Fallout-from-the-Turkey-Iran-Russia-meeting-549022

<ネタニヤフ首相がトランプ大統領と緊急電話会談>

シリアからアメリカが撤退し、ロシア、イラン、トルコの3国が支配するシリアの誕生は、イスラエルにとっては非常に危険である。Yネットによると、ネタニヤフ首相は、先週火曜、トランプ大統領に緊急の電話をかけ、電話会談を行った。

この3国の支援を受けて、シリアのアサド政権は、勢力を急速に回復しており、もうすぐシリア南部やゴラン高原(シリア側)にいる反政府勢力の制圧にかかるとみえ、ゴラン高原の非武装地帯に戦車を並べはじめたという。

これは、ヨムキプール戦争後の1974年に、イスラエルとシリアが合意した内容に反するため、イスラエルは、これについてUNDOF(国連兵力引き離し監視軍)に申し立てをすると予想されている。

https://www.timesofisrael.com/assad-regime-places-tanks-artillery-in-buffer-zone-with-israel-report/

またイランは、テヘランから、シリアを通って、地中海へ抜ける高速道路の建設を行っているが、シリアに駐留するアメリカ軍の存在が妨害となり、イランは、道路のコースを変更を余儀なくされた。

しかし、もしアメリカが撤退すれば、この道路も一気に完成してしまうだろう。これはイスラエルにとっては非常に危険である。

https://www.theguardian.com/world/2017/may/16/iran-changes-course-of-road-to-mediterranean-coast-to-avoid-us-forces

ネタニヤフ首相とトランプ大統領の電話会談の詳細は明らかではないが、トランプ大統領はイスラエルの治安維持には必ず協力すると約束したとのこと。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5222104,00.html
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アフリカ人不法入国者問題で二転三転 2018.4.8

 2018-04-08
<イスラエルにいる異邦人アフリカ人たち>

2000年代後半、イスラエルにはアフリカから違法に入国するアフリカ人が急増。約6万人になった。当時内戦状態にあったスーダン人など、正式に難民と認められた人もあるが、多くは経済的な理由での違法な入国だった。

アフリカ人たちは、いったんエジプトに入国し、そこからイスラエルに住むベドウインが、イスラエル内部に侵入する手引きをしたのであった。この際、強姦されたり、誘拐して身代金を要求されるなど極悪な犯罪も行われた。

当初イスラエル政府はこれを放置したため、多くは南テルアビブに住み着いた。しかし、やがて、ビザもなく、働くことも許されないアフリカ人たちは、生きるために犯罪へ走るようになった。2012年ごろには、南テルアビブ住民らが、政府の無策に対し、激しいデモを行うようになった。

しかし、同時にイスラエル人の中から、アフリカ人たちを支援するNPO団体も生まれた。アフリカ人の中には、クリスチャンたちも多くいて、テルアビブに独自の教会も形成された。エルサレムアッセンブリーは、スーダン人クリスチャンたちを支援し、数名に進学教育を授ける支援を行った。

やがてスーダンの内戦が一段落すると、イスラエルはこれとばかりに、スーダン人たちをなかば強制的に南スーダンに送還しはじめる。イスラエルで訓練を受けたクリスチャンの兄弟とその家族は、この時、スーダンに戻ってから教会を立ち上げ、今、多くのスーダン人を救いに導いている。

また、ネタにヤフ首相は、進入路になった南部エジプトとの国境地域に壁を建設。壁と並行し、南部エジプトとの国境近くに、侵入を試みるアフリカ人や不法滞在で捕まったアフリカ人を収容するサハロニーム収容所を建設した。以後アフリカからの侵入者はほとんどなくなっている。

<アフリカ人送還への経過>

しかし、今も南テルアビブには、相変わらずアフリカ人がたむろし、イスラエルで子供たちが生まれるようになった。サハロニーム刑務所にいるアフリカ人はそのまま放置され、なんの対策もないまま時だけが過ぎた。やがて、いつまでもそこで人々を収容し続けることは違憲だとして、対策が求められた。

そこで2015年、送還を受け入れるアフリカ人には、一人あたり3500ドルを支給し、当時受け入れに合意したウガンダへ送還した。こうして、イスラエル国内のアフリカ人は約4万にとなった。

2017年、イスラエルは、2018年3月までに、サハロニーム刑務所にいるアフリカ人を全員国外へ強制送還すると発表した。

しかし、ユダヤ人は、1938年、ナチスドイツの危機に直面しながら、世界のどの国にも難民として受け入れてもらえなかったという苦い経験がある。そのユダヤ人が、アフリカ人の強制送還するわけにはいかないと、強制送還に反対するユダヤ人も少なくなかった。

3月の期限が近づくと、イスラエル国内では、アフリカ人の強制送還に反対する大規模なデモが、テルアビブなど各地で行われた。このため、イスラエルのマンデルビット最高裁は、ついに、強制送還するという政府の決定を差し止める決定を出した。

これを受けて、イスラエル政府は、UNHCR(国連難民人権保護団体)と交渉を続け、4月4日、合意に至ったと発表した。それによると、現在イスラエルにいる約4万人のアフリカ人のうち、1万6000人を、欧米諸国に移動させる。行き先の決まったアフリカ人1人につき、1人はイスラエルの在住ビザを出すというものであった。

イスラエル国内のアフリカ人は、これを喜び道路では祝いの声を上げた。ところがその数時間後、ネタニヤフ首相は突然、これを凍結すると、合意を翻す発表を行ったのであった。

理由は、政府閣僚から一斉に反対意見がでたためである。もしこの案が実施された場合、今後、イスラエルに行けば、欧米諸国に行く道が開かれると考える難民がイスラエルへ押し寄せると懸念されたのである。

また、アフリカ人を受け入れると思われていたルワンダが、そんな覚えはないと拒否したことから、イスラエルは、期限切れとともに、サハロニーム収容所にいる58人を釈放せざるをえなくなった。

チャンネル2が、この人々にインタビューしていたが、結局テルアビブに行くといっていた。収容所で学んだのか、流暢なヘブライ語を話していた。見た目は、どうみてもエチオピア系ユダヤ人であった。

まだサハロニーム収容所に残されているアフリカ人で、ウガンダに送還されることになっている人々もいるが、まだ行き先は決定していない。

イスラエルという国の運営は、本当に難しい・・・と実感させられている。

https://www.timesofisrael.com/israel-says-highly-probable-african-migrants-will-be-deported-to-uganda/
カテゴリ :イスラエル外交・防衛 トラックバック(-) コメント(-)
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