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エルサレム郊外で17歳ナイフテロ:1人死亡 2018.7.27

 2018-07-27
26日午後9時、エルサレムとラマラに近いイスラエル人入植地アダム(人口5000人)で、イスラエル人3人が、パレスチナ人にナイフで刺されるというテロが発生した。

このうち、ヨタム・オバディアさん(31)が、何度も刺されて死亡。もう1人(58)も上半身を刺されて中等度の負傷。3人目のアサフ・ラビッドさん(41)は、これを見て駆けつけ、銃を出そうとして右肩をさされたが、車に残してきた銃を取り、テロリストを3回撃って射殺した。

アサフさんによると、テロリストは、血まみれになりながら、銃をとりに走ったアサフさんを殺そうとして追いかけてきたという。自分が死ぬか相手が死ぬかだと思ったと語っている。

このテロが発生したとき、不審な車が走り去るのが目撃されたため、共犯者がいる可能性があるとして、イスラエルの治安部隊はアダムの家屋一軒一軒を回って捜査した。今後も、部隊の数を増強して、西岸地区への捜索に入るとみられる。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5317912,00.html

死亡したオバディアさんには、妻と2人の息子(2歳と7ヶ月)がいた。地域のセキュリティに、家族ぐるみで貢献していたという。

事件は、トゥービーシャバットとよばれるユダヤ人のバレンタインデーの夜であった。ヨタムさんは、妻のタルさんに愛を告白するサプライズ・ディナーを計画しており、そのために用意していたものを両親の家に取りに行く道中で、殺されていた。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5318010,00.html

またオバディアさんは、父のアブラハム・オバディアさん(66)にとっては、一人息子だった。アブラハムさんは、近年中に、両親と、3人の兄弟を失ったという。一人息子の死を聞いた時、「次は私だと思っていた」と完全なショック状態だという。

https://www.timesofisrael.com/settlement-in-shock-after-father-of-two-yotam-ovadia-killed-in-terror-attack/

本日行われた葬儀では、小さな息子が「お父さん、お父さん」と泣いていたという。

https://www.timesofisrael.com/eulogizing-terror-victim-yotam-ovadia-at-funeral-ministers-lay-blame-on-pa/

<テロリストは17歳パレスチナ人>

事件を起こし射殺されたテロリストは、エルサレム北部のパレスチナ人地区、コバル在住のモハンマド・タリーク・ユーセフ(17)だった。モハンマドは、アダムのフェンスを乗り越えて侵入し、公園近くでテロ行為に及んだ。

治安部隊はただちにコバルにあるモハンマドの実家に捜査に入り、これまでにパレスチナ人4人を連行している。家族親族のイスラエルへの入国許可は停止された。また、家屋を取り壊すための測定も実施された。

この時150人ほどが、治安部隊に火炎瓶をなげるなどして衝突があったが、負傷者はなかった。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/249639

<残る疑惑>

この事件は、ちょうど1年前、パレスチナ人がユダヤ人入植地ハラミシュに侵入し、安息日を祝っていたサロモン一家のうち3人を惨殺した事件に,犯行の経緯がよく似ているため、治安当局は関連がないかを調査している。

またモハンマドは、犯行に及ぶ前日、フェイスブックに、「イスラエル軍のガザへの対応に反対する。革命の時が来た。」などと、若干、17歳にしては深すぎるのではないかとも思える内容を投稿していることから、背景に関しても精査されることになる。

<イスラエルの対処:アダムにイスラエル人家屋400件増築へ>

リーバーマン防衛相は、こうしたテロへの最善の対策は、西岸地区ににもっとイスラエル人の家を建てることだとして、今回被害にあったアダムに、400軒のイスラエル人家屋建設を許可するよう指示した。

なお、この400軒は、すでに許可申請が出されているものであり、このうち150軒がすでに建設中である。今回、残り250軒の建設許可が出たということである。アダムには、今1000軒の家があるので、1.5倍の広さになるということである。

https://www.timesofisrael.com/liberman-advances-plans-for-400-new-homes-in-terror-attack-settlement/

<石のひとりごと>

一つの若い家庭がまた破壊された。この若い奥さんと小さな2人の息子のところに、ヨタムさんはもう二度と戻ってくることはない。こんなあまりにも唐突な別れに、この家族はいったいどう対応していくのだろうか・・。

イスラエルでは、残念ながら、こうしたテロは、今にはじまったことではない。また・・ということであり、昨日のこのテロも、明日までにはもう報じられなくなるだろう。

記事を書いた私自身も、申し訳ないことに、昨年のテロ事件はもうすっかり、あとかたもなく忘れてしまっていた。昨年の記事を見ると、本当に多くのイスラエル人がテロの犠牲になっている。逆から見れば、パレスチナ人の若者もまた多くが帰らぬ人になったということである。

今回テロリストとして名を挙げられたモハンマドは、写真をみると、かなりの美少年。生まれる場所さえちがっていたら、こんな人生の終わりかたはしなかったであろう。

だれが一番笑うのか。サタンであろう。憎むべきはサタンなり。
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トルコ:ブランソン牧師釈放に動き出すトランプ大統領 2018.7.27

 2018-07-27
トルコには、スパイ容疑で捕らえられたアメリカ人で、福音派牧師のアンドリュー・クレイグ・ブランソンさんがいる。

ブランソン牧師は、トルコのイズミール州に23年滞在し、クルド人に宣教していたが、2016年7月のクーデターの後に、トルコへの反抗を促しているされ、逮捕された。以来、18ヶ月、多くのクリスチャンたちが、ブランソン牧師の解放のために断食し、祈っている。

報道によると、7月に予定されていたブランソン牧師の裁判を前に、トランプ大統領は、トルコと、ブランソン牧師解放に向けて合意に至ったとして、イスラエルに対し、先月ハマス支援者として空港で拘束されたトルコ人女性エブル・オズカンを釈放するよう要請してきた。

ネタニヤフ首相は、これに応じ、7月15日にオズカンを釈放。トルコに送り返した。ところが、その後、18日に予定されていたブラントン牧師の裁判は行われず、10月に延期とされた。

ところがその後の25日、ブラントン牧師は、監獄からは釈放され、家屋内拘束とされた。

https://www.timesofisrael.com/report-us-asked-israel-to-free-terror-suspect-in-deal-for-pastor-held-in-turkey/

これを受けて、ポンペイオ国務長官が評価したものの、ペンス副大統領が予告したのに続いて、トランプ大統領が、ブランソン牧師の無実を主張し、「ただちに釈放されるべきである。」と主張。釈放されなければ、トルコに経済制裁を行うと発表した。

https://www.timesofisrael.com/trump-says-us-to-impose-sanctions-on-turkey-over-detained-pastor/

トルコは、「他国に命じられる覚えはない。」と言っている。ここからどうなるかは不明。。。

トルコで、彼のための祈りに参加している韓国人の友人に聞いたが、トルコ政府は急速にイスラム化を進めており、クリスチャンも以前のように安全に集まれなくなってきているという。
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北部:ガリラヤ湖にISのミサイル着弾 2018.7.26

 2018-07-26
シリア軍と反政府勢力の戦闘が、イスラエルとの国境付近で繰り広げられているのに合わせて、イスラエル北部にとばっちりが続いている。

昨日、ロシア製シリア軍の戦闘機が、イスラエル領内2キロにまで達して、パトリオット迎撃ミサイルに撃墜された。戦闘機は、反政府勢力を攻撃する中、あやまってイスラエル領内に入ったものとみられている。

戦闘機は、その後シリア南西部IS支配域に墜落。ISは、手足がなく黒焦げになったパイロットとみられる遺体と金属の破片を、墜落機だとして公表した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5316914,00.html

この翌日の25日午後、ガリラヤ地方で、シリアから発射されたロケット弾2発が、ガリラヤ湖に着弾。目撃者の証言によると、ロケット弾は湖岸から50メートルほどで、1発は爆発。もう1発はそのまま水中に直進していった。

ガリラヤ湖には、国内外からの旅行者が大勢いたが、負傷者も物損もなかった。今回、警報はなったが、迎撃ミサイルは作動しなかった。

https://www.timesofisrael.com/idf-shells-southern-syria-in-response-to-errant-rocket-fire-at-golan/

イスラエルは、ロケット弾が発射されたシリア南西部に空爆を行った。

<ロケット弾はIS>

湖面に沈んだ破片の捜索が行われたが、今の所発見されていない。作業は今日、再開される予定。

調べによると、ロケット弾は、ヤルムク地方の三角地帯(ゴラン高原南東で、イスラエルとヨルダンの国境に囲まれた地域)を支配するISが、シリア軍に対して発射したものが、イスラエル領内に入ったものとみられている。
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南部:ガザからの射撃でイスラエル兵負傷 2018.7.26

 2018-07-26
先週金曜、ガザ国境(イスラエル軍から400m)からの射撃で、イスラエル兵1人が死亡し、イスラエル軍による大規模な反撃が行われたが、25日夕刻、ガザからの射撃で、イスラエル兵1人が中等度負傷を負った。

射撃手は、子供達20人ほどの背後からイスラエル軍に向けて攻撃していたと指摘されている。

これを受けて、イスラエル軍は、ガザとの国境周辺のハマス拠点7カ所へ反撃を行った。一時交戦状態となり、ハマス戦闘員3人(27歳、28歳、29歳)が死亡した。

この後、ガザからイスラエル南部へロケット弾2発が発射され、警報がなったが、2発とも空き地に落ちて被害はなし。

https://www.timesofisrael.com/sirens-blare-across-south-as-pm-consults-security-chiefs-over-gaza-flareup/

この攻撃については、ハマスによるものではなく、その他の武装組織によるものとみられている。

<ガザ地区自殺増加中>

ガザでは、23日月曜だけで2人の市民が自殺を試みた。1人は女性(38)で、別れた夫のもとにいる子供に会えないことに悲観した自殺未遂。もう一人は男性で、要求された税金に抗議するための焼身自殺未遂。Times of Israelによると、ガザでは、7月に自殺者1人、3月には複数人の自殺未遂があったという。

https://www.timesofisrael.com/two-palestinians-in-gaza-attempt-suicide/

ガザ地区は、2014年のイスラエルとの戦争以来、国際社会の多額の支援にもかかわらず、いまだに復興が進んでいない。復興どころかむしろ、崩壊しかかっている。電気も1日3-4時間で、下水処理も不可能。もう人間が住める状態にないのではないかともいわれている。


しかし、それでも。武装勢力がイスラエルを攻撃し続けるので、イスラエルは国境を開けられない。200万人のガザ市民は、この地獄のようなガザ地区から出ることも許されない。もはや、若者たちが将来への希望をまったくみいだせない土地だという。

この状況について、BBCは、いつもながらではあるが、国境を閉鎖し続けているイスラエルにすべて責任があると非難する。

しかし、責任は、国境を閉じているイスラエルではなく、閉じざるをえない状況にイスラエルを追い込んでいるハマスではないだろうか。

2005年にハマスが来るまで、ガザ地区では、イスラエル人とパレスチナ人はそれなりに共存していた。ガザの崩壊は、2005年にイスラエルが撤退し、ハマスがガザの指導者になったからである。ガザを破壊したのは、イスラエルではなく、ハマスである。
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北米から232人移住 2018.7.26

 2018-07-26
南北国境が緊張しているが、イスラエルへの移住は続いている。25日水曜、北米から232人が、ネフェシュ・ベ・ネフェシュの特別機で到着。移住を果たした。

232人のうち、127人が子どもで、34家族、独身18人。最高齢は80歳。35人が南部地方へ、27人がその他の地方へ移住する。

北米からの移住者は増加傾向にあり、2017年だけで3633人のユダヤ人がアメリカから移住している。2002年にNBNが活動を開始してから16年で、北米から5万7000人がイスラエルへの移住を実現した。
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北部:ロシア製シリア軍戦闘機撃墜 2018.7.24

 2018-07-25
シリアの内戦が終焉に近づき、シリア政府軍の反政府勢力への攻撃が、イスラエルとの国境クネイトラ周辺で激しさを増してきた。

以下に述べるが、昨日、イスラエル北部で、警報が何度も鳴ったのに続いて、今日24日も午後1時半ごろ、再びゴラン高原、ヨルダン渓谷などで警報が複数回鳴った。

今日は、シリアから、ロシア製の戦闘機1機が、ゴラン高原からイスラエル領内へ2キロ侵入して来たことから、ツファットに配備されていたパトリオットが、迎撃ミサイル2発を発射して撃墜。戦闘機は、シリア軍とISが激戦中のシリア側ヤルムク地方に墜落した。イスラエル側に被害はなかった。

https://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Israel-fires-Patriot-missiles-against-Syrian-jet-in-Golan-Heights-563275

<23日:ダビデの石投げ迎撃ミサイル初始動>

昨日23日朝10時半ごろ、ツファットやエン・ゲブを含むゴラン高原からガリラヤ南部など広範囲に警報が何度も鳴り響いた。

警報は、シリア方面からイスラエルに向かっているとみられたミサイルに反応した中距離迎撃ミサイル、ダビデの石投げが発射されたことに反応したもので、イスラエル領内には危険が及ばない、いわば、間違い警報であった。

ダビデの石投げは、アイアンドームとアローの中間で射程40−300キロをカバーする迎撃ミサイルで、シリア領内から中距離弾道ミサイルが発射されたために、イスラエル領内へ到達すると計算したのである。

しかし、最終的に、イスラエル国境から1キロシリア側に着弾すると計算され、この時点で、ダビデの石投げは、発射した迎撃ミサイルに自爆を命じた。1発は無事自爆したが、2発目はどうなったのかわからない。

万が一に不発でシリア領内に着弾した場合、イスラエル防衛の情報が漏洩することになるが、その危険性は低いとのこと。

https://www.timesofisrael.com/syrian-missiles-with-half-ton-warheads-triggered-anti-missile-system-army-says/

今回は、ダビデの石投げの初始動で、失敗に終わったが、2−3日の間に修正される予定。しかし、ダビデの石投げミサイルは一発が70万から100万ドルもする。失敗で、最大200万ドル・・・後悔するより、危険な時は発射したほうがよいというのがイスラエルの考え方である。

なお、費用の一部はアメリカが支援している。

https://www.haaretz.com/.premium-why-does-israel-need-3-anti-missile-systems-1.5346632

現在、イスラエルは、パトリオット、アイアンドーム、ダビデの石投げ、アロー2、3と何重にも重なる迎撃ミサイルシステムで国を守っている。しかし、さらに10年計画で82億ドルをかけ、全国を守る新しいシステムを加える予定だという。

https://www.timesofisrael.com/government-said-set-to-launch-nis-30-billion-missile-defense-plan/

<石のひとりごと:小さい国に膨大な防衛費>

イスラエルの防衛費は、年間184億ドル(約2兆円)。調べてみると、日本の年間防衛費は約5兆円。中国は18兆4000億円。

イスラエルは人口わずか880万人であるのに、その防衛費は、人口1億2000万人の日本の半分にせまる勢いである。いかに防衛費が高いかがわかる。
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ロシアとの交渉:シリアのイラン撤退について 2018.7.24

 2018-07-25
<イランのミサイル基地を空爆:今月4回目>

上記事件の前日22日、シリア北西部ホムス近くにあるイランのミサイル製造工場とみられる設備が空爆を受け、破壊された。シリア国営放送は、イスラエルの空軍機によるものと報じた。イスラエルは、ノーコメントだが、おそらくイスラエルであるとみられる。

この設備は以前にも破壊されたことがある地域で、欧米が化学兵器工場ではないかと疑っていた地域でもある。攻撃により、ヒズボラ数人が死亡したとの情報もあるが不明。とりあえずは、工場が破壊され物損のみとされている。

ネタニヤフ首相は、シリア領内にイランの設備は容認しないと言っているが、今月に入って、シリアのイラン関連施設が破壊されるのは、4回にものぼっている。これについて、たたける時にたたいているという見方と、いよいよイランがシリアに進出しているとの見方と両方ある。

https://www.timesofisrael.com/israel-jets-said-to-strike-chemical-weapons-site-in-syria/

<イスラエル国境から100キロのイランも容認しない:ネタニヤフ首相>

23日、プーチン大統領が、ラブロフ外相とロシア軍長官をイスラエルに派遣してきた。ネタニヤフ首相がモスクワでプーチン大統領と会談してから2週間後である。ハイレベル外交であるにもかかわらず、申し入れからわずか数日後の訪問であった。

シリア西南部をアサド政権が、制圧し始め、ロシアとしてもイスラエルとの国境ゴラン高原に関する取り決めを、早期にしておかなければならなくなってきたのである。

ロシアは、シリアからイランを完全に退去させることは非現実的だと主張している。しかし、イスラエルの懸念もかんがみ、以前はゴラン高原から80キロまでイランは撤退するとしていたが、今回、100キロまでとして交渉にやってきたのであった。

これに対し、ネタニヤフ首相は、弾道ミサイルがあれば届いてしまうので、結局100キロでも不十分だとこれを拒否した。ラブロフ外相らの訪問は、ちょうと北部でダビデの石投げが発動した数時間後だったので、ロシアもなっとくせざるをえなかっただろう。

イスラエルはあくまでもイランの完全撤退を主張している。その他、イスラエルは次のことも要求した。

①イスラエル軍はシリア領内で自由に動くことができる(自国の防衛に危機がせまる事態になった場合) ②シリアから長距離弾道ミサイル、ハイテク武器製造停止 ③対空ミサイル除去 ④武器が出入りする国境の閉鎖(特にシリアからレバノン、イラクからシリア) 

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5315360,00.html

イスラエルが、強気に要求を出しすぎているようであるが、結局のところ、イスラエルが自国の防衛に関して妥協することはないということである。

<あらゆる戦争の母>

シリア内戦後、今最も危ないのは、イスラエルとイランがシリアをはさんで衝突することである。ロシアもこれはさけたいところであろう。

イランのロウハニ大統領は、核合意から離脱したアメリカと対立する中で、「イランとの戦争は、あらゆる戦争の母になる(つまりは世界戦争)」とアメリカに対する警告を発した。

https://edition.cnn.com/2018/07/22/world/iran-rouhani-mother-wars/index.html

イランにとって、イスラエルとアメリカは同盟国であるから、もしイスラエルがイランと戦争になれば、それはすなわちアメリカとの戦争でもある。

世界戦争の図式がだんだんととのい始めているようで、背筋が凍る思いである。
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シリアのホワイトヘルメッツ救出:イスラエル軍 2018.7.24

 2018-07-25
シリアの内戦で反政府勢力が劣勢となり、戦いがゴラン高原付近で激しくなってくる中、23日、シリアのホワイトヘルメッツとその家族ら400人以上が、イスラエルを経由してヨルダンに避難を完了した。救出作戦を実施したのはイスラエル軍である。

ホワイトヘルメッツは、シリアの内戦中、白いヘルメットをかぶり、激しい戦闘の中を走り回って、負傷者たちの救出にあたってきた市民グループである。世界は、英雄として彼らの働きを伝えてきた。このホワイトヘルメッツは、反アサド派である。

先週、シリア軍は、まずヨルダンとの国境ダラアを制圧、続いてゴラン高原のシリア側への攻撃を始め、南部で一部はイスラエルとの国境近くにいるISへの攻撃もはじめた。反政府勢力は、北部で唯一残っている支配域イドリブ地方へ行こうとしているが、その道路も遮断されかかっている。

このため、ゴラン高原クネイトラ地域にいたホワイトヘルメッツたちは、シリア軍に挟まれた形となった。アサド政権はホワイトヘルメッツを敵視しており、もし捉えられたら拷問、死刑になってしまう。

これを見て、カナダ、アメリカが、イスラエルとヨルダンに、隊員とその家族の救出を要請。イスラエルは、この時、ガザ国境で、自国の兵士一人を失い、ガザへの攻撃の真っ最中であったが、国際社会の要請に応じ、シリアからのホワイトヘルメッツ救出する役割を引き受けたのであった。

救出は、クネイトラ地域からイスラエルを経由して、ヨルダンに移送し、その後西側に移動させる計画であった。しかし、クネイトラも、ヨルダン国境も、今現在、戦闘が行なわれている地域であるため、非常に困難であった。

ヨルダンは当初、800人を受け入れると伝えていたが、23日、最終的にイスラエルを経由してヨルダンにたどり着いたのは、422人(隊員98人とその家族。

400人あまりは、途中で、シリア軍とISの戦いが激しくなり、ヨルダンまで到達できなかったものもいたようだが、最初の集合地に間に合わなかったり、どこへ連れて行かれるかわからないとして、イスラエル軍に身を任せなかった者もいたとのこと。

2度とないチャンスであったことを思うと、なんとも恐ろしい決断であったと思う。

https://www.timesofisrael.com/some-white-helmets-declined-to-evacuate-via-israel/ 

ホワイトヘルメッツの救出について、アサド政権は、「犯罪行為だ」と非難したが、国際社会はイスラエルの貢献に賞賛を送っている。

https://www.jpost.com/Middle-East/Inside-the-secret-and-unprecedented-rescue-of-the-White-Helmets-563216

これで、シリア領内で救急医療活動をしているのは、NGOでクリスチャンの団体FAI(アメリカの福音派で、世界の紛争地で医療支援活動を行っている)だけとなった。(FAIについてはオリーブ山便り7/19日記事参照)

<ホワイトヘルメッツはヨルダンから西側へ>

ヨルダンにたどり着いたホワイトヘルメッツ422人が、ヨルダンに滞在できるのは最長3カ月。カナダが、隊員50人とその家族で計250人近くを引き取ることが決まっている。その他は、イギリス、ドイツが引き取る予定とのこと。

<ホワイトヘルメッツはイスラエルの貢献を認めず>

国際社会は、イスラエルの貢献を認めているが、アラブ諸国ではやはりイスラエルはタブーである。ホワイトヘルメッツによる23日の公式の発表では、救出にイスラエルが関わっていたことは含まれていなかった。ヨルダンも同じである。

西側でもフランスの外務省も、報告の際、イスラエルが関わっていたという事実は報告しなかったという。

https://www.jpost.com/Middle-East/White-Helmets-fail-to-acknowledge-Israels-part-in-their-rescue-from-Syria-563253
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再起不能?ハマス反撃なし 2018.7.24

 2018-07-25
21日金曜、ガザ国境でのハマスとの衝突で、イスラエル兵1人が死亡し、イスラエル軍が空軍と戦車も連動させて、ガザ地区のハマス関連施設60箇所への激しい攻撃を行った。さらに、イスラエルが地上軍投入との情報も流れたことから、ハマスがあわてて、エジプト仲介の停戦に応じたとみられている。

ガザ国境では、その後日曜に、イスラエル軍との短い応酬があったが、それ以来、発火凧もひとつも飛来していない。その後、IDFが、ハマス関連施設の攻撃ビフォー・アフターというクリップを発表。ハマス本部などのすさまじい破壊が伝えられた。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/249303

これほどの破壊と打撃を与えたにもかかわらず、ハマス戦闘員4人が死亡したものの、物的被害だけで、民間人に犠牲者が出ていないということは驚きである。イスラエル軍の情報収集、攻撃技術が、4年前よりはかなり進歩しているということである。

停戦宣言から2日、イスラエルは、24日正午、静寂が2日守られたとして、ケレン・ショムロン検問所を部分的に解放し、食料、医療品とガソリンや燃料の搬入を再開すると発表した。

できるだけ人の命を奪わず、武器やその関連施設だけを破壊して、ハマスの能力を無能にする。その上で強さと容赦しないという信念をみせつけつつ、平穏を守るならその見返りはあるという、アメとムチを効果的に使っている。

また、迎撃ミサイルなどを効果的に使って、衝突を「予防」することに力を入れる。味方にも敵にも犠牲者が出ないようにすることが、戦争拡大を防ぐ手立てである。今のイスラエルは、この作戦のようである。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5315696,00.html

<ガザ国境で戦死したアビブ・レビ軍曹(20)>

選手末、ガザからの射撃を受けて死亡したイスラエル兵の名前が公表された。アビブ・レビさん(20)あと2週間で21歳になるところで、3カ月後には兵役も終わる予定だった。両親と弟2人が遺族となった。

23日、アビブさんの家族を慰問したリブリン大統領は、「慰めのことばもない。あなた方の子供が私たちを守ってくれた。私たちの治安は、こうした若い兵士たちに完全に依存しているのだ。」と語った。

https://www.timesofisrael.com/there-can-be-no-consolation-for-your-pain-rivlin-tells-slain-soldiers-family/

<イスラエル軍に志願:軍医37人>

若い兵士たちがいつ戦死するかもわからないのがイスラエル軍である。しかし、最近、特に医師になった若者たちのイスラエル軍志願者が増えているという。23日、イスラエル軍では、新しく加わった数人も含めて37人の若い医師たちが、階級を受け、イスラエル軍医療部隊への配属式が行われた。

https://www.idf.il/en/minisites/soldiers-of-the-idf/37-doctors-join-the-idf/ 
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いろいろあった神殿崩壊記念日 2018.7.24

 2018-07-25
1)神殿の丘へユダヤ人1440人

7月21日日没から22日は、ティシャ・ベ・アブ(アブの月の9日)と呼ばれる神殿崩壊記念日であった。この日は、宗教的な決まりではないが、2つの神殿が破壊されたことをはじめ、ユダヤ人の歴史の中で発生した様々な悲劇がこの日に重なったことを思って嘆く日とされている。

エルサレムの嘆きの壁は、日没から嘆きに来るユダヤ人でいっぱいになり、ユダヤ教シナゴグでは、断食して床にすわって、哀歌を読みながら嘆くというのがこの日である。しかし、統計によると、この日、断食すると応えたイスラエルのユダヤ人は36%だった。

https://www.timesofisrael.com/for-over-half-of-israelis-tisha-bav-is-just-another-day/

こうした中、第3神殿の建設をめざす右派勢力は、毎年、この日に神殿の丘へ入ろうとして、治安部隊にとっては、緊張の1日となる。

昨年は1293人、今年は記録更新の1440人が神殿の丘へ上がった。神殿の丘では祈ることも賛美も、宗教書の持ち込みも全部禁止であるが、それを破ったとして、今年は15人が拘束された。

https://www.jpost.com/Israel-News/Over-800-Jews-enter-Temple-Mount-on-Tisha-Be-av-two-arrested-563113

夜には若いシオニストたちが、嘆きの壁の前で”私は信じる”という、来るべきメシアを信じるという賛美を大合唱した。エルサレム・タルムードには、メシアが、ティシャベアブの日に生まれ、定められた時に来て、平和をもたらすと描かれているという。それを信じると歌ったということである。

http://www.jewishpress.com/news/israel/jerusalem/tisha-bav-at-the-western-wall-in-jerusalem-thousands-of-jews-sing-i-believe/2018/07/22/

2)LGBTのデモ行進

なぜこの日かとも思うが・・・ティシャベアブの日、テルアビブでは8万人が、ラビンスクエアに集まり、ゲイの権利を認めるよう訴えるデモを行った。

このデモは、性転換者が代理出産で子供の親になることを認める法案を、ネタニヤフ首相が支持すると約束したにもかかわらず、最終的に却下になったことに反対するものである。

参加者は、「人口800万人もいるのに、男性と女性だけか」とか、「政府は私を性別で差別する」「私が男か女かを決めるのは、私だけだ」などと叫んだ。

エルサレムでは、150人が同様のデモを行った。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5314631,00.html
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嘆きの壁の石1つだけ落下 2018.7.24

 2018-07-25
ティシャベアブの翌日、嘆きの壁南側で、第二神殿時代からのロビンソンアーチに近い部分の石が、一つだけ突然取り出したかのように、地上に落下した。幸いだれもいなかったので、負傷者は出なかったが、石は100キロはあるとみられ、もし1日早かったら、大事故になるところであった。

たまたま撮影されていた映像をみると、その石だけがぽろっと落ちるように落ちている。この石はヘロデ時代からの石で、考古学者によると、石が侵食により落ちたのではないかとみられている。

嘆きの壁では、2004年にも、大きな石が、ヨム・キプールの日に祈っている人々の上に落ちたことがあった。この時も軽傷者だけですんだ。その後、2009年に、トルコ時代の壁部分は補強がなされたが、その下のヘロデ時代の石はそのままである。

問題は、嘆きの壁が神殿の丘の一部であるため、イスラエルにアクセスがないということ。前回の補修もヨルダンが実施したため、どの程度の補修かは不明。今、嘆きの壁全体が危険な状態にある可能性があるという。

https://www.timesofisrael.com/archaeologist-says-entire-western-wall-a-danger-zone/

<嘆きの壁ラビがへりくだり呼びかけ>

石がおちた現場は、嘆きの壁、女性セクションより南の下方で、改革派が男女ともに祈ったり、女性ラビが祈ったりする祈りの場である。ティシャベアブの日は、男女の礼拝者でいっぱいになっていた。事故がもし1日早かったら、大惨事になっていたところだった。

嘆きの壁のラビ・ラビノビッツは、この出来事を覚え、それぞれ、魂に耳を傾けるよう呼びかけている。*Soul searching:へるくだりか、悔い改めか、いわば神の前に出て聞くということであろうか。

https://www.timesofisrael.com/western-wall-rabbi-urges-soul-searching-after-massive-stone-crashes-down/

<石のひとりごと>

科学的な説明はあると思うが、この石が落ちる様子を見ると、なんとなく、ダニエル5章の突然現れた指を思い出した。特に関連はないのだが・・・。
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イスラエル兵1人死亡:ガザへ大規模攻撃 2018.7.21

 2018-07-21
月曜、イスラエルは、いつまでも続く火炎凧・風船によるテロ行為に対し、ガザへの物流に加え、燃料も搬入を停止したが、ガザ地区国境では金曜午後、パレスチナ人とイスラエル軍の暴力的な衝突になった。この時、パレスチナ人射撃手により、イスラエル兵1人が死亡した。

加えて、エルサレム南東部のパレスチナ人地区ベイト・ジャラ近くで、ガザから飛来したとみられる火炎風船が発見された。

こうした事態を受けてイスラエル軍は、午後8時より、空軍機と戦車で、ガザ地区奥深くにまで至る広域への攻撃を開始。リーバーマン防衛相は、「ハマスは、我々に大規模な攻撃をせざるをえないようにしている。」と述べ、緊張が高まった。

テルアビブの防衛庁本部では、ネタニヤフ首相、リーバーマン防衛相、エイセンコット参謀総長らが入って、緊急の治安会議が行われた。

一方、ハマスのハニエ指導者も、イスラエルとの国境に現れ、「ガザの包囲が解かれるまでは、何人死のうがデモは続く。」と述べた。午後8時半、ガザからロケット弾が3発発射され、2発は迎撃ミサイルが撃墜。1発は空き地に着弾した。

周辺南部住民はシェルター近くにいるよう指示されている。しかし、今の所、先週末のような連続したロケット攻撃は報告されていない。

国境では、地下トンネルから、ハマスが領内へ入り込んでくる可能性にそなえ、特殊部隊が待機中。ガザ周辺、テルアビブ周辺に迎撃ミサイルが待機している。イスラエル軍報道官は、今後、ガザ内部へ地上部隊が入り、2005年の撤退以前の領地を奪回する可能性もあると語った。

しかしこの後、土曜深夜1時前に、エジプトと国連の仲介で、一応の停戦に両者が合意したと伝えられた。

その直後のイスラエル軍の発表によると、午前1時までに、ハマス本部を含む68箇所への攻撃でビル60棟を破壊したという。これにより、ハマス戦闘員少なくとも4人が死亡。120人以上が負傷した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5313633,00.html

https://www.timesofisrael.com/idf-soldier-killed-by-fire-on-gaza-border-sparking-wide-scale-israeli-strikes/

<ハマス:アメリカの提案を一蹴>

この激しい衝突の前の木曜夜、アメリカは、ワシントンポストの記事を通して、イスラエルへの攻撃を全面的に停止し、イスラエル人の人質を返還するなら、アメリカは巨額を投じてガザの復興を行うと提案した。

クシュナー大統領顧問中東担当、グリーンブラット中東特使、フリードマン米駐イスラエル大使は、「国際社会は、ガザを支援すべきか、するべきでないのか困惑している。

巨額の支援にもかかわらず、ガザ地区ではいまだに失業率は49%で、貧困率は53%のままだ。これまでの支援が、すべて武器に変わってきたからだ。」とし、これまでの外交努力やアメリカ自身を含む国際支援が失敗に終わってきたと指摘した。

グリーンブラット氏は、ガザには美しいビーチがあり、観光地になりうる。それをハマスは下水のあふれる場所にしてしまった。ハマスが資金をテロに費やしてしまったために、今や下水を処理する資金さえない。」と述べた。

3人は、「70年を経て、イスラエルの存在は、中東諸国の間でも覆しえない事実である。ハマスもいいかげんにこれを認めるべきである。そうでない限り、解決はない。もし、ハマスがこれを認め、口だけでなく、実際に行動で示し、イスラエルに対する戦闘を停止するなら、アメリカは、新しい機会を提供する。」と提案した。

https://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Trumps-mideast-peace-team-to-Hamas-Stop-terror-in-exchange-for-aid-563006

これに対しハマスは金曜夜になって、「アメリカはイスラエルの思いのままだ。」と言い、この申し出を一蹴した形である。

<ハマスは大規模戦争を望む?>

Yネットの軍事評論家ロン・ベン・イシャイ氏は、ハマスはイスラエルとの大規模な衝突を望んでいると分析する。イスラエルによる大規模な攻撃は、必ず国際社会のイスラエルへの批判となり、結果的に、国際社会はガザへ支援を送ることになるからである。

資金源が途絶えたハマスが、最後の手段に出たというところだろうか。しかし、すでにハマスは回復不能なまでに破壊されたようではあるが。。。いずれにしても、これまでのこのパターンにならないよう、この事態を効果的に乗り切るための知恵がイスラエルに必要となっている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5313733,00.html
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基本法で制定へ:イスラエルはユダヤ人の国 2018.7.20

 2018-07-20
19日、数年前から物議となっていた”Nation State Law”ー 基本法(日本の憲法に匹敵)にイスラエルはユダヤ人の国と明記する法案が、国会での審議3回目を通過し、基本法として制定されることが決まった。

これにより、イスラエルは、首都を統一されたエルサレムとするユダヤ人の国と基本法に明記されることになった。公用語はヘブライ語となり、アラビア語は公用語から格下げの公用語になる。さらに、ユダヤ人が居住する入植地が国に所属するとみなされる。

しかし、イスラエル総人口の20%、10人に2人はアラブ系市民である。この法案については、アラブ系市民は二級市民になるとして反発。ユダヤ系市民の間でも、イスラエルの民主主義に矛盾するのではないかとの意見も多く、論議になっていた。

イスラエルは、建国以来、ユダヤ人の国であると同時に、民主主義の国であるという2点を同等の位置付けで歩んできた。

イスラエルがユダヤ人の国であることは明白なので、それをあえて基本法に明記しないことで、民主主義を尊重し、アラブ系住民との衝突も避けてきたといえる。

今回の法案が出たとき、「あえて文字にして論争を引き起こす必要があるのか。」との意見もあった。アラブ系市民との友好関係を推進しているリブリン大統領は、文字にする必要はないとの立場をとっていた。

しかし、物議をかもしながらも法案は、国会審議を2回通過。昨日の最終論議は紛糾し、8時間に及んだが、結果的に賛成62、反対55で、可決されたのである。

今回の決定は基本法、日本でいうなら憲法を改正するということである。今後、これを基準に様々な法律が制定される。今後、実際にどのような影響が出てくるかは、時間とともに明らかになってくると思われる。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5312792,00.html

この基本法制定により、建国70年で、エルサレムを首都とするユダヤ人の国イスラエルの帰還が正式に完了したといえる。シオニズムにとって歴史的なできごとであると同時に、聖書のいう終末時代に向けたひとつのしるしでもあると思われる。

<パレスチナ人の反応>

パレスチナ自治政府は、「イスラエルの国家法は、パレスチナ人の土地、権利、アイデンティティ、言語に対する宣戦布告である。この法律は、イスラエルは、パレスチナ問題を平和的に解決しようとする2国家共存案を拒否すると世界に発信しているのだ。」と述べた。

ハマスも、イスラエルは人種差別を公式にしたと強く批判した。

https://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Palestinians-slam-nation-state-law-as-racism-apartheid-562961

<EUとトルコの反発>

このイスラエルの動きに対する海外の反応は、批判的である。特に問題視されているのは、エルサレムを南北統一されたユダヤ人の国イスラエルの首都と明記している点。ユダヤ人が住む入植地を国の一部とみなす点などである。

EUのモルゲニ外務長官は、2国家分離案を妨害するものとしてこの国家法案に反対すると発表した。

トルコは、エルドアン大統領は、イスラエルは人種差別国家を作ろうとしていると批判し、国際社会に反対するよう呼びかけた。エルドアン大統領は、この法律はイスラエルのパレスチナアラブ人の権利を無視していると批判した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5313189,00.html

*基本法に記載される項目:石堂による翻訳(正式にあらず)

本文:https://www.timesofisrael.com/final-text-of-jewish-nation-state-bill-set-to-become-law/

1)基本条項

①イスラエルの地は、歴史的なユダヤ人の祖国である。国家イスラエルは、その地に設立されたている。
②国家イスラエルは、ユダヤ人の祖国であり、その自然、文化、宗教、自己決定権が歴史的にも実践されてきた国である。
③国家イスラエルの決定権はユダヤ人に帰すものである。

2)国の象徴

①国家の名前は”イスラエル”
②国旗は、白地にふちに青のストライプ、中央にダビデの星
③国家の紋章は、7枝のメノラーとその両サイドにオリーブの葉、その下に”イスラエル”と記す
④国歌は”ハティクバ”
⑤象徴の詳細は法律で定める

3)国家の首都

統一されたエルサレムをイスラエルの首都とする

4)言語

①公式言語はヘブライ語
②アラビア語は国家において特別の地位を維持する。
公的機関でのアラビア語の使用については法律で定めることとする。
③この法律が適応される前のアラビア語の地位が害されることはない。

5)散らされた者の帰還

国家は、ユダヤ移民と散らされた者の帰還を受け入れる

6)ユダヤ人の連携

①国家は、ユダヤ人であることやその市民であるという事実のために、囚われるなどの困難にあるユダヤ人の安全保護のために働く
②国家は、ディアスポラにあるユダヤ人たちが、ユダヤ人の文化、歴史、宗教的遺産を維持できるよう働く

7)ユダヤ人入植地

国家はユダヤ人の入植活動を国家的な位置づけで判断し、入植と定着を奨励するものとする。

8)公式カレンダー

ヘブル式カレンダー(月暦)を公式カレンダーとし、並行してグレゴリー暦を公式カレンダーとして示諭する。

9)独立記念日と戦没者記念日

①独立記念日は、国の祭日とする。
②国の記念日は、戦没者記念日、ホロコースト記念日

10)安息日

安息日とイスラエルの例祭は、国家の休息日とする。ユダヤ人でない人々は、彼らの安息日や例祭を維持する権利を持つ
詳細は法律で定める。ユダヤ人以外もそれぞれの安息日や祝日を維持できる

11)改正

国会で別の基本法が適応されない限り、基本法の改正はないものとする。
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南北国境:続報 2018.7.20

 2018-07-20
<クネイトラの反政府勢力がシリア軍へ投降>

シリア南西部で反政府勢力が、ロシアの仲介で、武装解除に応じたが、19日、イスラエルと国境を接するクネイトラにいる反政府勢力も重火器の武装解除に応じた。

https://www.timesofisrael.com/syria-rebels-agree-to-surrender-zone-bordering-golan-monitor/

この地域には、イスラエルが支援しているシリア難民キャンプがある。Times of Israelによると、反政府勢力がシリアとロシア軍に投降する直前、イスラエルは食料72トン、燃料9000リットル、医薬品、衣料品とおもちゃを搬入したという。

https://www.timesofisrael.com/idf-delivers-aid-to-displaced-syrians-as-rebels-surrender-to-assad/

<ガザからロケット弾・イスラエル軍空爆>

もう毎度のことになってしまい、ニュースにも上がらなくなっているほどだが、ガザ地区周辺都市では、今日も昨日も警報が鳴り、ガザからのロケット弾が着弾した。幸い、道路など空き地に着弾しているので人的被害はでていない。

イスラエル軍はこれに対しガザ内部2箇所へ空爆を行った。この攻撃で、1人が死亡したと伝えられている。

https://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Four-injured-in-IDF-strike-on-Gaza-Strip-562943
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パリでイランの大規模テロを阻止:イスラエル諜報機関 2018.7.20

 2018-07-20
イスラエルの諜報機関モサドは、パリでイランによる大規模なテロ攻撃があるとの情報を入手し、フランス、ドイツ、ベルギーと協力して、これを阻止していたことが、モサドの情報開示によってわかった。

それによると、6月30日、イランの反体制派NCRI(National Council of Resistance of Iran)がフランスで開催される予定だった年恒例ラリーにおいて、イラン当局が、爆弾テロを計画しようとしているという情報をモサドが、事前にキャッチした。

この情報により、ベルギーでは、イラン系ベルギー人2人が、500グラムの爆発物と発火設備を車に所持していたところ逮捕された。また現場に向かう途中とみられた駐オーストリアのイラン大使(作戦指揮とみられる)が、拘束され、フランスでもイラン系の人物が1人逮捕された。

イランは、これを、偽の見世物だとして、いっさい否定している。しかし、この事件が発生する前に、イランは、フランスが、NCRIラリーのホストになっていることに苦情を訴えていたもようである。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5313291,00.html

モサドからこの情報が公開される前の7月初頭、ネタニヤフ首相は、この一件が未然に阻止できたこととイスラエルの関係をほのめかす演説を行っていた。ネタニヤフ首相は、ヨーロッパ諸国に対し、テロ支援国家イランへの甘い政策を思いとどまるよう訴えていた。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5304126,00.html

なお、NCRIは、パリの他、リヤド(サウジ)、ワシントンに支部を持っているという。元イラン政権の打倒を考えているイラン人はいるということである。
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大規模衝突を防げるか:ガザ情勢 2018.7.19

 2018-07-19
先週末、ガザから200発ものロケット弾がイスラエルに発射され、イスラエルもガザ内部のハマス関連施設40箇所を空爆破壊するという暴力の応酬があった。

その後、ハマスとイスラム聖戦が停戦を宣言(イスラエルの同意はなし)して、落ち着くかに見えたが、数時間後には、ガザからのロケット弾が飛来して、イスラエルが空爆するという攻撃の応酬再開となった。

また停戦に、焼夷凧は含まないと主張し、その後も焼夷風船がイスラエル南部に飛来し続けている。無人のドローンが上空で凧や風船を処理しているが、全部をキャッチすることはできていない。消防隊は、火曜だけで9箇所の消火に対処させられた。

https://www.timesofisrael.com/idf-using-autonomous-drone-system-to-intercept-gaza-kites-balloons/

17日火曜には、コンドームを風船のように膨らませて発火物を付けたものが、幼稚園の庭で発見された。子供達は幼稚園にいたが幸い、被害はなかった。
ガザ周辺で、発火物を足にくくりつけられて死んでいる野鳥もみつかった。・・・なんとも醜い事態になりつつある。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5311701,00.html

イスラエル軍は、火曜、ガザ地区内2箇所への空爆を行った。これを受けて、ガザからもロケット弾が飛来した。どっちが先か・・のようにみえるが、ガザからの凧攻撃が一番最初である。イスラエルはこれをれっきとしたテロ行為とみなしている。

凧攻撃をやめさせるため、イスラエルは現在、ガザへの検問所カレン・ショムロンにおいて、医療人道支援物資以外の物流を停止している。火曜からは、燃料、ガソリンの搬入も停止している。これは、ハマスにとっては致命的で、電気が1日数時間しかないガザ住民にとっても大きな痛手になるだろう。

ただし、あこの処置については、日曜までと期限が切られており、ハマスに出口を与えた形である。ぎりぎりまで、大規模衝突を避けようというイスラエル意図がうかがえる。

しかし、イスラエル軍は、新たな衝突に備え、すでに国境付近に軍司令部を設置。テルアビブ地域には迎撃ミサイルを配置した。

ネタニヤフ首相は、被害にあっているスデロットを訪問。続いて、今日は、リーバーマン国防相とともに国境の軍司令部を訪問し、イスラエル軍はいかなるシナリオにも対処する用意ができていると述べた。

<エジプトの最後通告?>

こうした事態のエスカレートを受けて、エジプトが動きはじめた。一時、国境を閉鎖し、ハマスに、凧や風船による攻撃を数日以内に停止するか、数を相当数減らすよう伝えたということである。背後にイスラエルとの協力があるとの見方もある。

18日朝のニュースによると、ハマスが、凧攻撃をしているグループにしばしの停止を伝えたとのことだったが、夕方になり、グループはその情報を否定し、凧攻撃は続けると強調するビデオクリップをアップした。ハマスはノーコメント。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5312093,00.html

<なぜハマスはしつこく攻撃をやめないのか>

明らかにイスラエルに勝てないことがわかっているのに、なぜハマスはイスラエルへの攻撃をやめないのか。

やめることで、ガザ市民と、イランやトルコなどの支援者に、ハマスはイスラエルに屈したというイメージを与えてしまうことが考えられる。イスラエルを攻撃することが、ハマスの存在意義なのである。

また、パレスチナ自治政府による経済制裁(給与支払い停止)、イスラエルによる物流遮断に加え、ハマス海外支部からの資金が途絶えたという。もはや、ガザは、失うものはなにもない。戦って死ぬ以外に道はないということである。

<なぜイスラエルは効果的な対処を行なっていないのか>

広大な畑地が焼失し、スデロットでは、家族が、自宅の居間でくつろいでいるときにロケット弾の破片が飛び込み、4人が顔などに負傷した。幼稚園に焼夷風船が飛来したり、シナゴーグがロケット弾を受けて破損したりしている。

しかし、先週末に大規模な空爆を行うまでの3ヶ月、イスラエル政府は、必死に消火にあたるばかりで、特になにもしてこなかった。今回も、空爆を途中で停止している。これについては、南部住民や、右派閣僚から痛烈な批判も出ている。

とはいえ、次の選択肢があるとすれば、ガザを一掃してしまうことである。これは、イスラエル軍にとって、けっして難しいことではない。

https://www.timesofisrael.com/army-told-to-prepare-for-large-scale-military-operation-in-gaza-report/

しかし、そうなると、ガザ市民が多数犠牲となり、国際社会の批判を買うばかりでなく、その後のガザ地区復興の責任を、イスラエルが負わなければならなくなる。これは避けたいところである。

また、今のガザ地区にイランが深く関わっていることが明らかになっている。もし南部でハマス、その背後のイランと対決することになれば、北部情勢にまで戦火が広がっていく可能性がある。

様々なことが関わりあっており、ガザだけで判断できないのである。

もう一点、イスラエルの国内事情もある。イスラエルでは火曜、開戦の決定は、首相と国防相だけに決める権利はなく、議会の同意が必要との法案が、国会審議を3回通過して、法律となった。これにより、戦争責任が首相と国防相に集中することはなくなるが、決定に時間がかかるという問題も指摘されている。

https://www.jpost.com/Israel-News/Prime-Minister-and-Defense-Ministers-can-no-longer-declare-war-562752
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イスラエル国境で保護を求めるシリア難民の声 2018.7.19

 2018-07-19
先週、シリア南部ダラアをシリア政府軍が奪回したことで、30万人とも言われる難民が発生。そのうちの5-6万人が、イスラエルとの国境に近いクネイトラ方面へ逃れてきたことはお伝えした通りである。

懸念された通り、シリア南部ダラアを抑えたシリア軍とロシア軍は、イスラエルとの国境クネイトラ周辺の反政府勢力への攻撃を始め、1974年に策定された国連ひきはなし軍が監視する非武装地帯からシリア側数キロの地点にまでせまっている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5311082,00.html

17日朝には、クネイトラを見下ろす戦略的要所であるアル・ハアラ高地を攻撃し、反政府勢力から4年ぶりに奪回している。この時の攻撃で、クネイトラの学校が被害を受け、子供達を含む少なくとも10人が死亡した。

これを見て、この地域に避難しているシリア難民たち100人ほどが恐れをなし、白旗をかかげて、イスラエルとの国境200メートルまで接近してきた。

イスラエル軍は、拡声器で、アラビア語にて、イスラエルは国境を開けられないことを説明。そこからイスラエルとの間には、地雷が多数埋められていることから、「無理に入ってくることはあなたがたのためにならない。」と伝えた。まもなくシリア難民たちは引き返していった。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5311566,00.html

<クネイトラのシリア難民の声:イスラエルに行けば安全>

クネイトラのアル・ブルカ・シリア難民とビデオ電話で、記者会見が行われた。代表はアブル・ハンマルさん。通常なら、安全のために、名前や顔は非公開なのだが、悲惨な状況をなんとか国際社会に知ってもらいたいと、顔を隠さない記者会見であった。

アブルさんによると、今、アル・ブルカにいるシリア難民は、イスラエル軍は1万~1万5000人と見ていたが、実際には3万人ぐらいいるようである。多くはシリア南部ダラアから逃げてきたか、ダマスカスから逃げて、クネイトラ周辺に来ていた人々である。

イスラエル国境に近いこの難民キャンプは、イスラエル軍とNGOクリスチャン団体が支援している。テントなどの必需品は、イスラエルが用意したものである。ダマスカスからクネイトラへ逃れてきた女性は、ここに来るまで、テントもなく、木の下で野宿であったという。助けてくれたのはイスラエルだったと語った。

アブルさんは、「ここ数年、人道支援をしてくれたのはイスラエルだけだった。イスラエルは良い国だ。イスラエルに入ることができれば、安全で助けてもらえるはずだ。」と叫ぶように言った。またイスラエルに、国際社会に私たちを助けてもらうよう、働きかけてほしいと叫んだ。

アブルさんによると、キャンプでは、テント一張りに10家族が寝起きしており、食料も医療も足りてないという。

しかし、「食べ物はいらない。とにかく安全な場所を用意してほしい。私たちは反政府勢力でもなんでもない普通の市民だ。人間だ。私たちは政治的な解決を望んでいる。」と悲痛な様子であった。

<これからどうなるゴラン高原?>

イスラエルの懸念は、シリアでの戦闘が1974年のラインを超えてイスラエルにまで影響が及んでくることであり、そのどさくさに紛れて、イランやヒズボラが、イスラエルに近づいてくることである。

18日深夜すぎ、ゴラン高原のイスラエル側の地域で警報が鳴り響き、人々がシェルターへ駆け込む騒ぎがあった。しかし、この警報は、同じゴラン高原のシリア側での激しい戦闘に反応したもので、イスラエル側には危険はなかったようである。

今後、戦闘が激しくなることが予想されるため、流れ弾などがイスラエル側に被害を及ぼすことのないように、また難民たちがなだれ込んでくることがないよう、イスラエル軍は目を光らせている。

難民はこの戦闘の間におり、逃げ場がないわけだが、イスラエルが難民を受け入れることはない。難民の中に非常に危険なテロリストが混りこんでくる可能性が高いため、ただ人道だけの視点で、受け入れることはできないのである。

また、近年、イスラエルは、アフリカ難民を不用意に受け入れ、テルアビブ南部が犯罪の巣窟になり、彼らの対処に相当な苦労をさせられた経験から、疑問の余地なく、シリア難民に門戸を開くことはない。

しかし、ホロコーストを経験したイスラエルが、難民を放っておけないはずで、知恵をしぼっていると思われる。

<石のひとりごと:戦場にいる人々とのテレビ会話>

この日の記者会見は、エルサレムで空調の効いた部屋にいる記者団と、いつ残虐に殺されてもおかしくない場所にいる人々をテレビ電話でつないだものだった。電波が切れていた間、記者たちは、コーヒーを飲むことも可能であった。

車でわずか数時間先に、いつ死ぬか顔がふきとぶかわからない人々がいるのに、私たちはエルサレムで安全そのものの快適な場所にいる。そこにいながらにして、この世の地獄にいる人々と普通に話ができている。

緊張しながら話を聞き、その場にいるような気にもなったが、話が終わると、急にいつもの平和な日常が目の前にあった。なんとも不思議な感覚だった。世の中は不公平なのだということを実感させられた。
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ヘルシンキ:米露首脳会談とイスラエル 2018.7.19

 2018-07-19
15日、ヘルシンキで、世界の2大超大国米ロの首脳会談が行われた。公式会談としては初めてであった。これほどの大きな会談であるのに、準備期間は2週間しかなく、したがって根回しもなく、議題も不明のままの会談で、メディアはかなりふりまわされていたようである。

予想された通り、特に具体的な成果や変化はなかったが、会談後記者会見において、トランプ大統領が、米大統領選挙時のロシアの介入容疑を追求しなかったことで、自国の諜報機関を愚弄したとして大騒ぎになった。

この容疑を不問に伏すことで、ロシアが今後も民主国家の選挙や政治に介入することを容認することになり、やがては民主主義がロシアの社会主義に飲み込まれてしまうというのが、懸念されたのである。

さすがに、ペンス副大統領とポンペイオ国務長官のすすめで、トランプ大統領が、記者会見での発言を撤回修正するに至っている。

また、この首脳会談に先立ち、特にクリミア問題でロシアと対立するNAT0首脳会議があり、トランプ大統領も出席。経費負担でアメリカとヨーロッパが衝突。その後、トランプ大統領が、クリミア問題にも言及せず、プーチン大統領に接近する様子に懸念を持ったEU首脳も多かったと思われる。

イスラエルでは、両首脳がシリア問題において、イスラエルの治安を守ることで一致したというニュースがトップで流されていた。

トランプ大統領によると、アメリカもロシアもイスラエルに協力していることを確認し、共に、1974年以来のイスラエルとシリアの国境を守ることでの合意を確認したとのことであった。余談だが、プーチン大統領はネタニヤフ首相のファンだとトランプ大統領は言った。

https://www.jpost.com/Israel-News/Trump-and-Putin-praise-Israel-in-Helsinki-diverge-on-Syria-and-Iran-562733

具体的な内容は不明だが、両首脳会談の前に、双方に周到に根回しをしたネタニヤフ首相は、結果に満足していると語っている。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/249087

しかしながら、シリアからイラン勢力を一掃してほしいというイスラエルの要請が、どこまで実現するのかは、まったく不明である。

<会談前日にシリア領内軍施設攻撃:イスラエルか>

なお、この会談の前日、シリア領内アレッポ郊外の空港に近い産業地帯が、空爆を受けて大破した。これにより、シリア人6人と外国人3人が死亡したと伝えられている。アルジャジーラは、死者は22人で、このうち9人はイラン人だったと伝えている。

シリア国営放送は、攻撃はイスラエルによるものと断定。被害は物損のみと伝えていた。

イスラエルはノーコメントだが、シリアでのイランの台頭を抑えたいロシアが、イスラエルの攻撃を黙認。アメリカも黙認したと考えられている。

イランがいつまで堪忍袋を保つのかは不明だが、アメリカの経済制裁が本格的に始まるのを前にすでに経済が打撃を受けていることから、反撃はできないのか、どうなのかは不明。イスラエルとしては、今のうちに、イランをできるdけ無力化しておこうということのようだが、米ロ両首脳もこれを黙認しているということである。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5312137,00.html

INSSの分析:http://www.inss.org.il/publication/trump-putin-summit-emphasis-dialogue-not-outcome/?utm_source=activetrail&utm_medium=email&utm_campaign=INSS%20Insight%20No.%201075

<石のひとりごと:米ロ首脳会談の目的>

今回の首脳会談では、特に具体的な変化はなかったと批判めいた報道が出ているが、両者が公式に出会ったということだけでも大きな成果と言えるのではないだろうか。憎み合っていた過去を忘れ、これからの地球の運営について、前向きに協力する道づくりの入り口を作ったということであろう。

ロシアのハッキング疑惑は、見過ごしてはならない重要な項目である。しかしながら、今世界が直面している問題は、シリア、イラン、北朝鮮、イエメン、ブレキシット(イギリスのEU離脱)、中国との貿易摩擦に、様々な地球気候変動による大災害・・・

トランプ大統領が、「これは良いことだ。」と言っているように、世界で最も核兵器をもつ2大超大国が、いつまでも冷戦もどきの関係を続けている場合ではない。トランプ大統領は、今、米ロ2国を頂点に、世界が秩序を取り戻すといった新しい世界の体制をつくるべきだと考えているという。

世界情勢は実際のところ、政治ではなく、結局のところ、お金の流れで決まるといわれる。こうした実質をかぎわけるビジネスマンのトランプ大統領の考えは、よく考えれば、一利あると思わされることは少なくない。

とはいえ、「予測不能」のトランプ大統領。この先何をしでかすのか、まったく目の離せない大統領である。
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エイラット国際空港開港 2018.7.19

 2018-07-19
イスラエルでは南北国境が緊張しているが、戦争が始まるまでは、日常生活に変わりはない。南北国境地域以外は、いたって平和にやっている。

こうした中、16日、イスラエル最南端エイラットに国際空港が開港した。*実際に観光客が降り立つのは、来年3月の予定。

エイラットは、紅海に面し、スノーケリングなどもできるリゾート地である。しかし、エイラットに行くには、小さな空港があるにはあるが、一般的には、長時間バスに乗るしかなく、観光客も伸び悩みであった。

国際空港ができたことで、特に、ヨーロッパなど近場からリゾートに来る旅行者を期待できるようになる。すでにドイツ系のルフトハンザが、乗り入れを決めている。

空港は、イスラエル発の宇宙飛行士としてスペースシャトルに乗り込み、帰還時の事故で死亡したイラン・ラモンさんと、その息子で、父親の死亡6年後に戦闘機事故で死亡したアサフさんの名前から、イランとアサフ・ラモン空港と名付けられた。

https://www.jpost.com/Israel-News/First-flight-lands-at-Ramon-Airport-as-Eilat-seeks-to-grab-more-tourists-562683
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ハマスとイスラム聖戦が停戦を宣言 2018.7.15

 2018-07-15
金曜夜から始まったガザとイスラエルの軍事衝突は、イスラエル市民4人が負傷したことから、戦火の拡大が懸念されたが、エジプトと複数の国々の仲介により、ハマスとイスラム聖戦が停戦を宣言。土曜午後11時現在(日本時間朝5時)、一応の静けさが戻っている。

ハマスとイスラム聖戦は、イスラエルの空爆が衝突の原因だと主張したとのことだが、エジプトが、「イスラエルは、容赦なくエスカレートさせる用意をしているから、もし戦火の拡大を望まないなら、ガザの方が先に攻撃を停止しなければならない。」と説得したもようである。

イスラエル軍によると、攻撃が始まってからの24時間で、イスラエルに発射されたロケット弾や迫撃砲は約160発(100発は土曜午後3時以降)。アイアンドームが約30発を撃墜し、その他は、空き地や道路などに着弾した。

スデロットでは、ロケット弾の破片が家屋に飛び込み、中にいたイスラエル人家族4人が負傷(軽傷から中東度)。続いてシナゴーグの建物も被害を受けたが、当時だれもいなかったため負傷者はなかった。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5309726,00.html

https://www.haaretz.com/israel-news/gaza-rocket-israeli-army-renews-strikes-on-hamas-targets-after-overnight-flare-up-1.6270173

ガザでは、死者は2人(15歳、16歳)で、負傷者は12人。イスラエル軍による空爆は40箇所と、規模は大きかったが、ターゲットが、ハマスの放火凧関連指令部や、訓練場などの施設であったことと、周辺住民には攻撃の忠告を出していたことから、人的被害が以前より少なかったとみられる。

https://www.aljazeera.com/news/2018/07/smoke-rises-gaza-israeli-military-renews-bombing-180714112426621.html

イスラエル政府は、日曜、今後の対策を協議することになっている。
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緊急:南部で警報鳴り通し:ガザへ大規模攻撃中 2018.7.14

 2018-07-14
土曜正午半から午後4時現在までに、50発以上が、アシュケロンなどを含む南部地域に向けてロケット弾、ミサイルが発射され、現在、警報がなりっぱなし。住民はシェルターから15秒のところで待機することや、屋外での100人以上の集会、ガザから7キロまでは500人以上の集会は中止するよう指示されている。

イスラエル軍は、白昼の攻撃では、2014年のガザとの衝突、ツック・イタン(境界の崖作戦)以来の規模となる空爆を、ガザ各地で行なっており、テレビでは、継続してニュースが流されている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5309726,00.html

https://www.mako.co.il/news-military/security-q3_2018/Article-ae58a3754a89461004.htm?sCh=31750a2610f26110&pId=948912327

<これまでの経過>

ガザからの焼夷凧などに攻撃がいっこうにやまず、焼失した農地は一つの市ほどにもなった。これを受けて、イスラエルは、10日火曜、ガザの主な貿易口カレン・ショムロンを閉鎖(人道支援物資は対象外)。いわば経済制裁にふみ切っていた。

それから3日後の金曜、ガザ国境では、パレスチナ人が凧だけでなく手榴弾などをイスラエル軍に向けて投げつけてイスラエル軍と衝突となり、パレスチナ人(15)が死亡。イスラエル軍司令官一人が中東度の負傷を負った。イスラエル軍関係者が負傷したのは初めてである。

夜中になり、イスラエル軍は、ハマスの攻撃拠点、地下トンネルへの空爆を実施。この直後から、朝6時までに少なくとも31発のロケット弾が、ガザからイスラエル南部に向けて発射された。このうち少なくとも6発をアイアン・ドームが迎撃している。

https://www.jpost.com/Israel-News/IAF-strikes-terror-tunnel-31-Hamas-rockets-fired-on-Israel-overnight-562473

ガザからの攻撃は土曜朝6時にいったんやんだが、正午半ごろから再びロケット弾が連続して飛来。ガザ周辺だけでなく、アシュケロン、スデロットなど南部の少なくとも16地域で警報が鳴り続けている。アイアンドームによる迎撃は、少なくとも10発。

今のところ、ロケット弾やその破片は、無人地帯に落下しており、被害は報告されていない。ガザ側でも今の所、負傷者の報告はない。

イスラエル軍は、ガザ住民に対し、アラビア語で、大規模な攻撃になること、軍事施設から離れるよう警告を出し、ガザ全体で大規模な空爆を始めた。白昼に行われる攻撃としては、2014年のガザとの衝突以来の規模となっている。

新しい情報が入り次第、お伝えする。
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シリア南部ダルア陥落:難民がイスラエルか国連に保護を要請 2018.7.13

 2018-07-13
シリア南部デラアでは、2週間に及ぶ激しい戦闘の末、ロシアが仲介した停戦合意が成立し、反政府勢力が武装解除するとともに、これに応じない者がイドリブ方面へ移動している。これを受けて12日、シリア政府軍が、ダルア市内で、勝利宣言とともにシリア国旗を掲げ、内外にその陥落が明らかとなった。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5309059,00.html

今後、シリア軍が、イスラエルとの国境ゴラン高原方面の反政府勢力掃討を開始することは避けられない見通しである。

<イスラエルはアサド政権容認を表明:ネタニヤフ首相モスクワ訪問>

内戦勃発の町ダルアがシリア政府軍にほぼ陥落した11日、プーチン大統領のワールドカップ外交の一環で招かれたネタニヤフ首相がモスクワを訪問していた。ネタニヤフ首相は、プーチン大統領に、イランとヒズボラをシリアから撤退させるなら、治安維持に支障とならない限り、イスラエルは、アサド政権がシリアを支配することを容認すると伝えた。

公式発表はないが、イスラエル政府関係者によると、ロシア、さらにはアサド政権も、イランの独走には閉口しており、イスラエルのイラン追放の要求が実現する可能性はおおいにあるとの楽観視を語っている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5308957,00.html

しかし、アメリカからは、イスラエルに対し、ロシアを信用しすぎないよう、警告する意見も出ている。

https://www.timesofisrael.com/top-us-senator-warns-israel-against-deal-with-russia-over-syria/

<戦闘を前に:シリア難民がイスラエルへ保護を要請>

イスラエル・メディアTPSによると、ネタニヤフ首相・プーチン大統領会談の翌12日、ゴラン高原周辺に逃れてきていたシリア南部からの難民たちが、シリア政府軍の攻撃が間近に迫ったことを受けて、イスラエルか、国連による保護を要請するデモを行った。

しかし、イスラエルは、シリア難民を領内へ受け入れることはないと表明、代わりにゴラン高原シリア側で医療・人道支援を行っており、今後もこの方針に変わりはない。シリア難民たちもこの点は理解しているようだが、今はイスラエルに頼るしかないというのが現状だろう。

今後、この地域でシリア政府軍と反政府勢力が戦闘に入った際、イスラエルに被害が及んだり、流れ弾が飛来しないかどうかに加え、難民たちが一斉にイスラエルに流入を試みないかどうか、またその際にどう対処するのかに備える必要があるだろう。

https://www.jpost.com/Middle-East/Open-the-borders-Syrians-appeal-to-Israel-calling-for-intervention-562366

<トランプ大統領とプーチン大統領会談予定:16日>

トランプ大統領とプーチン大統領は来週月曜16日、ヘルシンキで会談することになっている。内戦後のシリアについても話し合うとみられる。

イスラエルが懸念するのは、アメリカ軍の撤退の時期。ポンペイオ国務長官は、イラン軍が撤退を完了するまで、アメリカ軍は撤退しないと言っているが、どうもトランプ大統領自身の考えと一致していないのではないかとの懸念もある。トランプ大統領は、アメリカ軍を中東から撤退させることを公言しているからである。

そのトランプ大統領だが、プーチン大統領との会談に先立ち、現在、NATO首脳会談に続いて、イギリスを公式訪問中である。

NATOでは、アメリカだけが多額の費用を負担をしていると訴え、他の国々も資金負担を増額すべきだと主張して、交渉は難航した。トランプ大統領は、「ロシア(NATOの敵国)と交渉する方が楽だ。」と発言し、これまたヨーロッパ諸国のブーイングを買った。

イギリスでは、市民たち数千人が、反トランプデモを行っている。いうまでもないが、トランプ大統領はまったく気にしていないようである。

http://time.com/5334381/president-trump-putin-europe-nato/
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シリア南部からイスラエルへイラン製ドローン 2018.7.13

 2018-07-13
ネタニヤフ首相が、プーチン大統領に会っていた時、シリア南部から偵察用ドローンがガリラヤ方面へ侵入。イスラエル軍は、ロシア軍のものでないことを確認してから、約16分後、パトリオット迎撃ミサイルでこれを撃墜した。この間、ゴラン高原やヨルダン渓谷で警報が鳴った。

撃墜はガリラヤ湖上空であったため、破片はガリラヤ湖に落下。多くの住民が迎撃ミサイルがドローンを撃墜する様子や大きな爆音を聞いたが、被害はなかった。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/248849

これを受けて、イスラエル軍は、ゴラン高原クネイトラ周辺のシリア軍拠点3カ所を空爆した。物損はあったが負傷者等はなかったもようである。


https://www.timesofisrael.com/reports-of-israeli-strike-in-syria-hours-after-regime-drone-penetrates-airspace/

後にこのドローンがイラン製であったと報告された。イランは今年2月にも爆発物つきのドローンを送り込み、緊張が高まったという経過がある。
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西日本「激甚災害」イスラエルでも報道・支援活動開始へ 2018.7.11

 2018-07-11
西日本豪雨による被害が徐々に明らかとなり、死者数は150人を超えた。行方不明者もまだ多数あり、家族を失った人々の悲しいニュースが入り続けている。

この「激甚災害」のニュースは、イスラエルのテレビのプライムタイムニュースでも報じられた。

https://www.mako.co.il/news-world/international-q3_2018/Article-5159f23279d7461004.htm?sCh=31750a2610f26110&pId=1675883010

イスラエルの国際人道支援団体イスラエイドは、9日、岡山県に、その日本支部であるJISP(Japan IsraAID Support Program)を立ち上げ、現地で支援活動を開始した。

今回、イスラエルから岡山へ派遣された3人は、2011年の東日本大震災での支援活動を経験した後、さらに7年間、イスラエルで訓練を受けてきたという。必要に応じて救援・支援を増やしていくとのこと。

JISPは、2011年に東日本大震災で支援を行なった専門家たちからなり、2013年に設立されてから、ネパールや熊本での地震の際にも活躍している。

https://www.israel21c.org/israaid-trained-emergency-team-sent-to-flooded-japan-area/

昨夜、エルサレム・アッセンブリーでの祈り会でも日本の被災地のために祈られたが、その際、「日本では200万人もの人々が避難している。日頃イスラエルの問題は大きいと思っているが、日本の様子を見ると、我々の問題は小さいと思った」とのコメントも・・・。

<カナダでは熱波で59人死亡>

西日本で大雨が降っていたころ、カナダでは、6月末から、高い湿度とともに、気温が45度という、記録的な熱気にみまわれ、その関連で死亡した人が33人(のちのメディアでは59人)に上った。

http://www.abc.net.au/news/2018-07-06/canada-record-breaking-heat-wave-kills-33-people-in-quebec/9947370

熱波は、その後、アメリカ西海岸にも影響を及ぼし、ロサンゼルスでは、電気の供給が需要に追いつかず数万人の家庭で停電している。地球が変動していることは間違いなさそうである。。。

<世界が一致協力:タイの洞窟少年らの救出にイスラエルの貢献>

タイで、サッカー少年12人とそのコーチが、4キロも奥深い洞窟で奇跡的に発見され、彼らの救出のために全世界が国境を越えて協力し、働き、10日、ついに全員の救出に成功した。

この少年たちを発見するのに活躍したのがイスラエルが開発していた高度なコミュニケーション技術であった。洞窟ダイバーたちによる救出の方策は、イスラエルの海軍が提案したとの情報もある。ダイバーの国籍は明らかではないが、イスラエル人ダイバーもいたようである。

世界がイスラエルの技術を使って、一心に共に働く様子を見ていると、将来の大患難時代に、人類が一致して助けあう映画のような様子を思わされた。なお、この事件については、すでに映画化の話もあがっているという。

https://unitedwithisrael.org/israeli-navy-volunteers-work-to-rescue-trapped-thai-boys/
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イスラエルで続く小規模地震 2018.7.11

 2018-07-11
ガリラヤ地方では、先週水曜に地震があったが、それ以降も小さな地震が続いている。日曜夜にも小さな地震が4回、月曜にも同様の地震が観測された。

地震の規模はいずれもマグニチュード3−4程度(東日本大震災は9)で、一部壁が落ちるなどして、避難を余儀なくされたアパートもあったが、大きな被害はない。

https://www.timesofisrael.com/northern-israel-struck-by-earthquake-for-third-time-in-a-day/

イスラエルではほぼ100年ごとに大きな地震が来ると言われているが、次の大地震がそろそろくる時期。前回の大きな地震は1927年で犠牲者は500人。

イスラエルの建物は多くが石でできている。特に北部の多くのアパートは一階部分が、足だけで立っており、山の斜面に立ち並んでいる地域も多い。もし将来、大きな地震になれば、それらがいっせいに転がり落ちる様子は、容易に想像されるところである。

政府は1984年以降、耐震構造を含む設計基準を設けた。さらにここ数年は、年間6000万シェケル(約2億円)の予算で、補強などの措置を行なっている。

しかし、専門家たちによると、対策はまったく追いついておらず、このままでは、次回の大地震では8万戸が倒壊し、死者は1万人を超えると警告している。

https://www.jpost.com/Israel-News/Estimate-80000-buildings-in-danger-of-collapsing-in-face-of-earthquake-562054
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シリア南部停戦でアサド政権勝利への一歩 2018.7.11

 2018-07-11
7年目を迎えるシリアの内戦。2015年にロシアが軍事介入を始めて以来、アサド大統領率いるシリア政府が勢力を回復し、ISはじめ、各地の反政府勢力を鎮圧、領地を奪回しつつある。

こうした中、シリア政府軍がいよいよシリア南部、ヨルダンとイスラエルの国境付近の反政府勢力の掃討を開始した。

これにより、デラアを中心とした地域で6月19日から激しい戦闘となり、シリア難民32万人が発生。ヨルダンは、難民をこれ以上受け入れるのは限界だとして、受け入れを拒否したため、6万人ほどが、イスラエルとの国境、ゴラン高原クネイトラ方面へ近づいてきた。

イスラエルは、難民を受け入れない方針を決め、代わりにゴラン高原シリア側に、テント村を提供し、人道医療支援を行なっている。(以下に詳細)

その後、約1週間後の7月7日、シリア政府軍と反政府勢力が、ロシアの仲介で停戦に合意。反政府勢力が非武装に応じ、一部はシリア北部にかろうじて残っている反政府勢力支配域イドリブ地方へ移動したもようである。これで、シリア南部はアサド政権の支配するところとなった。

戦闘がやんだことを受けて、難民数万人が、デラア方面への帰還を始めている。

https://www.timesofisrael.com/thousands-head-home-in-south-syria-after-ceasefire-deal-monitor-says/

<シリア内戦終焉のはじまり?>

今回、シリア南部で反政府勢力が敗北したことで、いよいよアサド政権が反政府勢力鎮圧に成功し、内戦が終焉に向かう可能性が出てきた。

イスラエルとの国境、クネイトラ周辺にいる反政府勢力は、北部はすでにシリア政府勢力になっているので、南部のヨルダンからの補給に頼っていた。今回の南部での敗北により、反政府勢力は、いわばシリア政府軍に包囲された形になった。

クネイトラ周辺の反政府政府勢力が、シリア南部のように降参する日はそう遠くないだろう。今回のシリア南部でのアサド政権の勝利は、7年間続いたシリア内戦終焉のはじまりとの見通しになっている。

とはいえ、アサド政権は、多くの国民を殺戮しており、このまま平穏にシリアという国が回復するとはとうてい考えられない。反政府勢力、特にISやアルカイダなどが消滅したわけではなく、シリア国内では今後も恐ろしいテロは続くだろう。

また、国土は、今や北西部はクルド人勢力の独立を危惧するトルコが支配し、北東部はアメリカの支援を受けたクルド人勢力が支配する地域となっている。たとえ内戦が終焉を迎えても、シリアに平和が戻るとは考え難い。

<イスラエルの対処>

イスラエルと国境を接するゴラン高原のシリア側を再びアサド政権が支配するようになることは、アサド政権を支持するかどうかは別として、イスラエルにとって益になる可能性がある。

ただし、回復する(予定の)アサド政権が、1974年の合意を順守するなら、である。

イスラエルとシリアは、ヨム・キプール戦争後の1974年に定められた合意で、両国が接するゴラン高原に、非武装地帯を設け、それを監視する国連軍をクネイオラに置くことで、40年以上、衝突することなく、比較的平穏に過ごしてきた。

しかし、内戦で、反政府勢力がクネイトラ周辺を支配するようになり、国連の監視団はいるにはいるが、まったく無能状態でいるのかいないのかもわからないというのが現状だ。

もしアサド政権が、この地域の反政府勢力を掃討したあと、両国の間の非武装地帯を順守せず、ゴラン高原に迫ったきた場合、イスラエルはシリアとの国境に大規模な軍事力配備を余儀なくされるだろう。

シリア軍にまじって、ヒズボラやイランがその中に混じって迫ってくる可能性があり、戦争勃発の可能性は高まる。イスラエルは、今後のシリア情勢を注意深く見守っているところである。

<イスラエルがイラン基地T4を攻撃か>

9日、シリアのメディアは、イスラエルが、再びシリア領内のイラン軍が使用する空軍基地T4をミサイル攻撃したと伝えた。T4が攻撃されるのはこれが3回目である。

イスラエルはノーコメントを続けているが、おそらくイスラエルによるもので、シリアとイラン、そしてロシアに向けたイスラエルの「防衛のためには躊躇しない」という意思表示であると言われている。

https://www.haaretz.com/israel-news/syria-airstrike-hits-t4-airbase-near-homs-1.6248915

ネタニヤフ首相は、今週木曜、ロシアのプーチン大統領の招きで、モスクワを訪問することになっている。プーチン大統領は、ワールドカップ外交として、諸外国を招いているのである。このタイミングでのT4攻撃である。

ネタニヤフ首相は、プーチン大統領に、シリア領内のイラン勢力を、一掃するよう要請するとみられている。

https://www.timesofisrael.com/netanyahu-to-meet-with-putin-in-moscow-next-week/

<イスラエルに接近するロシア>

今週、ネタニヤフ首相がプーチン大統領を訪問するが、両首脳の会談は、6月15日に続いて2回目である。ところのロシアの様子をみると、どうもイスラエルに接近するような態度をとっている。

シリア領内でイスラエルが、イラン軍関連基地を攻撃できているのは、背後にロシアの暗黙の了解があると考えられている。

また、今回のシリア南部へのシリア政府軍の攻撃では、ロシア軍が大きな役割を果たしていた。これはイスラエルの要請に応じて、シリア軍の中にヒズボラやイランが加わらないよう要請したため、ロシア軍がカバーしたともみられている。(35万人いたシリア兵は今や3万5000人しかいない)

なぜロシアは今、イスラエルに接近していると思われる態度に出ているのだろうか。

シリア内戦終焉後のシリアでは、プーチン大統領が大きな影響力を持つことになるが、そのロシア影響下のシリアで、今後、問題を起こすとすれば、イランの台頭と、それと衝突するイスラエルである。

ロシアは、今、イスラエルのイラン軍施設への攻撃を黙認し、イラン勢力の台頭を抑えようとしていると考えられている。

一方、イスラエルとしては、今後、ロシアとの友好関係を良好に維持し、できれば、ロシアの一声で、今のうちにヒズボラとイランをシリアから追放してもらいたところである。

https://www.jpost.com/Israel-News/Football-diplomacy-Netanyahu-to-attend-World-Cup-meet-Putin-in-Moscow-561638
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イスラエル軍と協力するクリスチャン医療支援隊 2018.7.11

 2018-07-11
シリア南部での戦闘で難民がゴラン高原にまでせまったきたが、イスラエルは難民を領内に受け入れず、シリア領内でとどまるよう支援することを決めた。その上で、イスラエルとの国境付近に来た難民には、医療を提供する他、人道支援物資の搬入を行なっている。

イスラエル軍と協力し、シリア側で、医療活動をしているのは、AFI(Frontier Alliance International)と呼ばれる国際クリスチャン団体である。

AFIの医師、看護師らは、明確にイエスの名を全面に出しながら、自らの危険をかえりみず、難民たちの中に入って医療活動を行っている。献金だけでなく、実際に現場で働く彼らの働きは、イスラエル軍にも非常に高く評価されている。以下はシリアとの国境取材より。

<キブツ・アロネイ・ハバッシュ>

シリアとの国境に面するキブツ・アロネイ・ハバッシュは、シリア南部から逃れてきた難民たちのキャンプから500メートルしか離れていない。

しかし、両者の間には、非武装地帯があり、こちらかもむこうからも出入りはできない。キブツから、キャンプが見渡せる高台までは、ジープが必要であった。

高台からは眼下にフェンスがあり、そこから何もない緩衝地帯が数百メートルあり、その先に難民たちのテントがばらばらと見えた。10日前に、シリア南部からこの地域についたというモハンマド・ハリリさん(29)は、電話で記者団に対し、できれば、イスラエルに入りたいと言っていた。

<イスラエル軍の良き隣人作戦>

イスラエル軍は2013年から、シリア人で重症の負傷者を市民か武装勢力かの判別なしに、極秘で国内に搬入し、治療後、シリアに送り返すという人道支援を続けている。イスラエル軍医療部隊で医師のトメル・コラー少佐によると、これまでに子供1000人を含む負傷者3500人を治療したという。

2016年からは、医療ケアに加えて食料、医療物資などの人道支援物資も搬入するようになった。これに加えて、今回新しくこの地域(反政府勢力支配下)に、1万から1万5000人のシリア難民が来たということである。

この2週間、イスラエル軍は、食料、医療物資、ガソリンや発電機など生活のためのあらゆる必需品をほぼ毎晩届けているという。特に先のラマダン中には、多くの肉も支援した。イスラエルへ搬送した負傷者はこの2週間で30人に上っている。

物資の調達は、イスラエル軍だけでなく、イスラエル国内外の様々な支援団体がまかなっている。イスラエル軍は国連からの支援を期待したが、国連からの支援は今にいたるまでないとのこと。

近い将来、アサド政権がこの地方を支配するようになってからも支援を継続できるかどうかはまったく不明だが、できれば支援活動を続けたいというのがイスラエルの方針である。

イスラエルには、自国の防衛を最優先しながらも、苦しむ人々を放っておくべきでないという基本理念がある。

また、この8年ほど、この活動を通じて、シリア人たちの間で、イスラエルは危険な国ではないという概念が定着し始めている。これは長い目でみれば、将来、シリアとイスラエルの友好関係につながっていくと期待しているのである。

<シリア側での医療支援はクリスチャンが協力:AFI(Frontier Alliance International)>

イスラエル軍は、物資の調達をとりついだり、イスラエル側へ入った負傷者を助けることはできるが、非武装地帯へ入り、その先のシリアへ入ることはできない。その役割をになっているのが、AFIというクリスチャンNGOの医療部隊である。

AFIは、国際クリスチャン団体で、明確にイエスの名を全面に出し、聖書のことばに基づいて戦時下にある人々の間で医療を提供している。チームは医師、看護師など、世界中からボランティアで集まったクリスチャンたちである。

この窓口になっているのが、元イスラエル軍司令官退役軍人のマルコ・マレノさん。マレノさんは、クリスチャンたちがただ献金するだけでなく、実際にシリア人の中に入って活動していることに感動していると語った。

マルコさんとともに、イスラエル側で働くAFIの担当者によると、シリアでは最高65歳の看護師も働いているという。セキュリティの問題から、チームの人数や活躍の場所などはいっさい聞くことができなかった。

AFIでは、シリアに限らず、中東など紛争地帯で同様の活動を行っている。献金はネットからも可能で、スタッフになる医療関係者はいつでも応募できる。また映像による現実の紹介も行っている。

HP https://www.faimission.org/our-three-mandates/

フィルムサイト:”Sheep among wolf” https://www.faimission.org/film-library/

<ガリラヤ西部ナハリア・メディカルセンターより>

ナハリヤのこの病院は、一般の市民総合病院であるが、すすんだERや脳神経外科、整形外科があるため、市民の治療に加えて、重症のシリア難民の治療にあたってきた。これまでに治療したシリア人は2500人。このうち20%は子供だという。

最近のシリア南部での戦闘が始まってから13人が搬入され、現在、合計40人が入院中である。

顔面、頭頚部専門のエイヤル・セラ医師によると、シリアから搬入されてくる負傷者は、爆弾や機関銃などによる創傷で、相当重症である。また負傷後、治療がなされていないため、イスラエルでは未知の細菌に感染している場合があり、通常の抗生剤が効かないという。

ある患者は、銃弾が耳元から入り、顎を通過して胸につきささっていた。銃弾は入るときより、出るときに組織を破壊するという。この男性は顔半分がふきとんでなくなっていた。

セラ医師が、治療後として示す写真をみると、なくなっていた顔が再構築されていた。患者自身の足などの組織を使って顔を作り上げたのである。鼻は、3Dプリンターで作成したものを埋め込んだとのこと。

このように人間の形を失っていたような負傷者を人間の形に戻し、義足などで再び歩けるまでに回復させるのがこの病院の方針である。ただし、患者自身がそれぞ望むならばである。中には拒否する者もいる。

長時間かけて治療しても、シリア人たちは、まもなくシリアに戻っていく。セラ医師によると、その後については知るよしもないという。中には死亡したとの連絡を受けることもある。

イスラエルで治療を受けたのちに、回復を待たずにシリアへ戻り、また片手がふきとんで、戻ってきた少年がいた。手に持っていた手榴弾が爆発したのである。少年は、「あなたの国の子供たちは、コンピューターゲームをするのだろうが、僕たちはこれしか知らないんだ。」と怒って言ったという。

敵である人々を治療することについて、セラ医師は、

<イスラエルで治療を受けているシリア人の声>

顔面などに負傷して入院中のシリア人2人に話を聞いた。

ダマスカス近郊でシリア兵の銃弾を顔面に受けたグータさんは2年前にイスラエルに搬入され、破壊された顔面の再構築治療を受けている。シリアからイスラエルまでは極秘に馬に乗せられて3時間かかってたどりついたという。

イスラエルで治療を受けた人から話をきいていたので、恐怖はなかったという。グータさんは、15日おきに、シリアにいる家族と赤十字を通じて連絡をとれている。

クネイトラ周辺でやはり顔面に銃弾を受け、そのときに両手も失ったナウラスさん(22)は、今年6月2日にイスラエルに搬入された。イスラエルでよい治療を受けていると言っている。今両手の整形手術を待っているところだという。

グータさんは、シリアでは死というものが日常になっていると話す。シリアには、戦争とは関係ないマフィアのようなものもいて、あるとき、グータさんの友人を誘拐して父親に身代金を要求した。すると父親は、息子は5人いるから1人ぐらい殺しても良いといったそうである。

グータさんは、「はやくアサド政権が排斥され、シリア人がシリアに平和に暮らせるようになってほしい。イスラエルとよい関係になり、両国に行き来ができるようになってほしい。」と語った。
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ガザ焼夷凧への対処:カレン・ショムロン検問所閉鎖 2018.7.11

 2018-07-11
ガザ周辺に焼夷凧や風船が飛来して、イスラエルの畑で火災が発生する事件は今も連日続いている。この100日あまりで、焼失した範囲は、2万8000デュナムで、ネタニヤ市やレホボト市の大きさに匹敵するという。

イスラエルは、今ドイツなどを介して、ハマスと人質の交換交渉を行っていることから、焼夷凧攻撃への武力による反撃は行っていない。

しかし、イスラエルは、昨日から、焼夷凧への報復として、ガザへの最大の物資搬入の検問所カレン・ショムロンを閉鎖を開始した。これにより、ガザからの輸出入が停止する。これは、ガザのビジネスが麻痺することを意味し、ハマスに大きな打撃になるはずである。

ただし、建築物資以外の食料や医療物資、特別な必要のあるものについては制限しないとしている。

建築物資の搬入を停止するのは、ハマスがいまだに地下トンネルにそれらを使っているからである。イスラエルは、ガザとの国境に地上だけでなく、地下数十メートルにおよぶ地下バリアの建設を余儀なくされている。

ハマスは、イスラエルが非人道的なことをしていると国際社会に対して訴えている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5307164,00.html

<ガザからフロティーラ>

この2ヶ月の間に、ガザからパレスチナ人が船で、イスラエル軍の海上封鎖突破を試みて、イスラエル軍に止められるという事件が2回発生している。これに報復するためか、イスラエルは、漁業可能範囲を17キロから11キロに制約する方針も打ち出した。

ハマスがいなくならない限り、ガザの人々の生活に改善はない。悪化する一方である。イスラエルとしては、ガザ内部の人々によってガザ内部からハマスが妥当されることを望んでいるのだが、そのような動きは今のところなさそうである。

それにしても、ガザ地区との紛争はまったくながら終わりがない。逆にそこまでイスラエルを憎み続ける方が難しいのではないかと不思議に思わされるほどである。。。
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イラン情勢その後 2018.7.11

 2018-07-11
イランでは、アメリカが核合意から離脱し、8月から徐々にイランへの経済制裁を再開し、11月からはいよいよイランからの原油の輸出に制裁ををはじめると発表してからすでに経済への大きな打撃が始まっている。

国内では反体制のデモや、労働者のストも頻発しているが、これらは今の所、武力で鎮圧されている。

イランは、2015年の核合意ー包括的共同行動計画(JCPOA)を、維持するためには、アメリカの経済制裁による経済の打撃をヨーロッパに補うよう要求している。もしそれが実現しないなら、イランも合意から離脱する、つまり、イランは核開発を再開すると脅迫している。

2015年にイランとJCPOA核合意に至ったのは、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、中国、ロシアの6カ国である。アメリカ以外の5カ国は、イランとの合意が崩壊しないよう、打開案をイランに提示したが、イランのロウハニ大統領はこれを不十分だと受理しなかった。

フランスのマクロン大統領は、ヨーロッパだけで、11月までに、イランが要請するような経済の補填は難しいとの見解を述べ、イランに対し、(合意を離脱するといった)脅しはやめるべきだと逆に釘をさした。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5305096,00.html

今後のイランの出方に関する見通しについて、イスラエル国家治安研究所(INSS)の所長で元イスラエル軍諜報部長官のアモス・ヤディン氏の予想は以下のとおりである。

8月から始まるトランプ大統領の経済制裁が、イランへの圧力となって功を奏した場合、好ましい結果とそうでない結果が予想される。

好ましい結果は、①イランが、さらに確実な核放棄にむけた合意内容への変更に応じる。②今のイスラム政権が倒れ、民主的な政権に交代する。

好ましくない結果は、③アメリカの経済制裁耐えながら、アメリカ抜き5カ国と現在の合意を維持してトランプ大統領の任期が終わるのを待つ。④今の核合意の期限は10−15年なので、そこまでただただ耐えて、再びウラン等の濃縮を再開する。

最悪のパターンは、⑤イランが合意から離脱し、ウランの濃縮を強行的に再開する。ヤディン氏は、この最悪の可能性は5%以下だとしながらも、決して否定できないと警告する。

今後、イランがどのように出てくるのか。中東のいかなるエキスパートも予想できないようである。

<石のひとりごと:現実味おびてくるエゼキエル38章(聖書)>

エゼキエル38章には平和に住んでいるイスラエルに、ペルシャ(イラン)を含む多くの国々を従えて、北の果ての国(ゴグ)から大軍勢が攻めのぼってくることが預言されている。エゼキエル書はこの時、イスラエルに大きな地震が起こると書いている。

イスラエルは、今、南北に危機をかかえながらも、市民生活においては、建国以来、おそらく最も平和で繁栄した時をむかえている。

そのイスラエルが今一番、神経をとがらせているのが北部情勢で、その中でも、最も得体のしれない動きをしているのが、北の果ての国ロシアである。そのロシアは、シリアとイラン(ペルシャ)に大きな影響力を持ち始めている。

北の果ての国ロシアが、諸国を従えてイスラエルに攻め入る形や、イスラエルに大きな地震が発生する可能性まで重なって、いよいよエゼキエル38章が現実味を帯びてきているようである。まだ読んだことのない人はぜひ。
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