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シナゴーグ乱射事件で11人死亡:アメリカ反ユダヤ主義の実態 2018.10.30

 2018-10-30
27日土曜朝、アメリカ・ペンシルベニア州、ピッツバーグびあるいのちの木と名付けられた保守派ユダヤ教シナゴーグ(最大で1250人収容)で、朝10時ごろ、銃の乱射事件が発生。20分に及ぶ犯行で11人(男性8人、女性3人/54−97歳)が死亡。警察官4人を含む6人が負傷した。警察官1人は重症とのこと。

ADL( アメリカの反ユダヤ主義監視団体)によると、アメリカ史上最悪の反ユダヤ主義事件となる見通しである。

https://www.timesofisrael.com/for-20-minutes-synagogue-shooter-turned-a-brit-milah-into-a-bloodbath/

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5381315,00.html

最初に犠牲者として発表されたダン・ステインさん(71)は、このシナゴーグの男性部リーダーで、皆に愛されていた人だった。

バーニス(84)とシルバン(86)・シモン夫婦、デービッド(54)とセシル(59)ローゼンタールさん兄弟と一家から複数の犠牲者を出した家族もいる。いずれも中高年で、だれかの親、祖父母である人々ばかりである。

土曜夜には、すでに葬儀が行われたが、ユダヤ人以外の人々も含め数百人が参列した。イスラエルからもネタニヤフ首相、リブリン大統領から犯行を非難する声明が出された他、教育相で、ディアスポラ担当のナフタリ・ベネット氏が葬儀に列席した。

エルサレムでも日曜夜、中心地シオン広場にて、数百人が追悼の集会を行った。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/253859

https://www.timesofisrael.com/a-married-couple-2-brothers-victims-of-pittsburgh-synagogue-shooting-named/

なお、現場となったシナゴーグは、100年以上の歴史を持つ大きなシナゴーグだが、高齢化がすすみ、メンバーはそう多くないとのこと。また、ユダヤ教では、土曜朝だけでなく、金曜日没後にも礼拝がある。いずれに出席するかは本人次第で、キリスト教会のように、決まった時間に全員が集まって礼拝するという形式ではない。

今回、金曜に出席していて助かった人もいる。事件発生時土曜日の朝にシナゴーグにいたのは、複数の階に分かれて100人ぐらいだったとみられる。事件発生時には、ユダヤ人のゲイカップルが、養子にした子供の割礼式を行っていたとの情報もある。

<ネオナチ的反ユダヤ主義思想:犯人ロバート・バウアー>

シナゴーグで銃を乱射した男は、ロバート・ボウワー(46)。犯行時、ライフルと銃3丁を所持しており、「ユダヤ人は皆死ぬべきだ。」と叫んでいたとう。警官にとりまかれて負傷し、逮捕されたが、その後も「ユダヤ人は皆死ぬべきだ」と言っていたという。

バウワーは犯行に及ぶ直前、極右のソーシャルメディア”Gab"に、「*HIAS(ユダヤ移民支援団体)は、侵入者を取り込んで我々を殺そうとしている。(アメリカの)市民が虐殺されるのを黙ってみすごすわけにはいかない。楽観はよくない。俺は行く。」と、過激なコメントを書き込んでいた。

またこれ以前のコメントによると、ユダヤ人をサタンの子だと呼び、グローバリストのトランプ大統領は、ユダヤ人の(害虫などの)蔓延を放置しているとも書いていた。コードネームは”1488”で、白人至上主義と、「ハイル・ヒトラー」を象徴しており、ネオナチ的思想者であったことがわかっている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5381506,00.html

https://www.washingtonpost.com/national/suspected-synagogue-shooter-appears-to-have-railed-against-jews-refugees-online/2018/10/27/e99dd282-da18-11e8-a10f-b51546b10756_story.html?noredirect=on&utm_term=.524f9532a038

*HIAS(Hebrew Immigrants Aid Society)ユダヤ人による移民支援団体

HIASは、1881年、主に東ヨーロッパの反ユダヤ主義に苦しんでいたユダヤ人を支援するために、ユダヤ人自身によって立ち上げられた。そのルーツは、マンハッタン東側に住み始めたユダヤ移民にはじまっている。

1923年には、エリスアイランドで立ち往生させられていた3000人のユダヤ人難民を助けるよう、米政府に訴えたり、第二次世界大戦中は、ナチスから逃れてくる数千人のユダヤ難民を支援した。六日戦争の時は、アラブ諸国で危機的状況に置かれていたユダヤ人、特にリビアにいたユダヤ人を救出した。

HIASは、ホロコースト関連の東ヨーロッパのユダヤ人だけでなく、リビアや、イラン、シリア、エジプト、モロッコなどのアラブ諸国のユダヤ人がアメリカに定着するのも助けている。

近年では、ユダヤ人以外の難民を支援する働きもしていたという。ロバート・バウアーは、過激な反ユダヤ主義者だが、同時に白人至上主義でもあるといえる。

https://www.jpost.com/American-Politics/What-is-HIAS-and-why-did-it-draw-the-hatred-of-the-Pittsburgh-shooter-570523

<反ユダヤ主義暴力が指摘されていた町>

事件のあった地域はピッツバーグの中心から10分のところにある”リスの丘”と呼ばれる地域で、ユダヤ人1万5000人(ピッツバーグ在住ユダヤ人の30%)が住んでいる。様々な宗派のユダヤ教のシナゴーグが10以上あるユダヤ人居住区である。

ADL( アメリカの反ユダヤ主義監視団体)によると、ピッツバーグでは、2018年に入って9月までの間に50以上の反ユダヤ主義が報告されていた。
事件のあった地域に住むユダヤ人の一人は、「そのうち何かあるかもしれない」とは思っていたが、ここまでひどいことになるとは思っていなかったと語っている。

なお、ADLによると、2017年は、アメリカ全国で反ユダヤ主義事件が急増した年で、2016年には1267件だったのが2017年には1986件になっていた。

https://www.timesofisrael.com/synagogue-massacre-follows-over-50-anti-semitic-incidents-in-pittsburgh-in-2018/

<ヤド・バシェムの公式コメント>

今回の犯行が、ホロコーストにも関連していることから、エルサレムの世界ホロコースト記念センターは次のような公式のコメントを出した。

・・・ヤド・バシェムは、この前代未聞の反ユダヤ主義暴力を非難する。・・・ヤド・バシェムが痛みを持って学んだことは、民主主義がいかにもろいかということだ。多様性への寛容と人権保護を断固保持するためには、常に教え続ける必要がある。ヤド・バシェムでは、現代の反ユダヤ主義に対抗する教育活動をすすめているところである。・・・

https://trailer.web-view.net/Show/0X614940933A525FBCA2BF8D330999CF722CAB38EACB82627B9DCD7092109BB2579984675BDDB0AF1B.htm

ヤドバシェムが懸念している通り、ヨーロッパでは難民の流入で、国粋主義、白人至上主義が台頭している。

今月ドイツで、2回行われた地方州議会選挙において、アンジェラ・メルケル首相が党首を務めるCDU(与党キリスト教民主同盟で中道右派)が大敗に終わった。

メルケル首相は、シリアなどからの難民を受け入れ、その後、治安が悪化したことを受けて、支持率は落ちていた。今回の敗北を受けて、メルケル首相は、首相職は、任期終了の2021年までは続けるとしながらも、来月のCDU党首選挙には出馬を見送ると発表した。

近い将来、メルケル首相がいなくなれば、ドイツのネオナチなど極右勢力が台頭してくる可能性も懸念され、今後世界はますますユダヤ人にとって厳しい時代を迎えそうである。

https://www.bbc.com/news/world-europe-46016377

<複雑なユダヤ人の社会事情:イスラエルとディアスポラの隔たり>

事件とは余談になるが、近年、イスラエルとディアスポラ、特にアメリカ在住のユダヤ人との隔たりが深刻化していることが問題となっている。イスラエルが、国としては、正統派のみを正式なユダヤ人と認める立場をとっているからである。

これは言い換えれば、正統派以外のアメリカのユダヤ人は、ユダヤ人ではないと言われているようなものである。このため、近年、アメリカのユダヤ人、特に若年層ユダヤ人のイスラエル離れが、問題になっていたところである。

イスラエルのアシュケナジ系チーフラビのデービッド・ラウ氏は、今回の事件について、「犯人にとって明確にユダヤ人とみられた場所での暴力」として非難しながらも、「シナゴーグ」という言葉は使わなかった。

これに対し、ネタニヤフ首相は、「ユダヤ人がシナゴーグで殺されたのだ。我々は一つであることを忘れてはならない。」と一喝を入れた。

宗派で争ったとしても、実際のところ、最終的にユダヤ人が、安心できる場所があるとすれば、イスラエルだけなので、この事件以降、アメリカのユダヤ人にどのような変化が出てくるのか注目されるところである。

https://www.timesofisrael.com/israels-chief-rabbi-wont-call-pittsburghs-tree-of-life-a-synagogue/

<石のひとりごと>

こうした事件は、連鎖するものであるから、今しばらくは、アメリカのシナゴーグやユダヤ人学校などが守られるよう祈りが必要だ。特にネオナチ思想が絡んでいるので恐ろしい。

かつてホロコートの時代、ヒトラーが権力を持った1933年から1938年のクリスタルナハトで、ドイツ社会が、ユダヤ人ボイコットから虐殺へと以降するまで5年間あった。ユダヤ人は、この間に逃げようと思えば逃げられた。

しかし、当時のドイツにおいて、ユダヤ人は上流階級者が多く、反ユダヤ主義が、まさかそこまでになるとは思わなかったので多くのユダヤ人が逃げるチャンスを逃したのであった。

今、アメリカでは、BDSボイコットが盛んになりつつある。今回のような事件がきっかけとなり、アメリカ全国で、ユダヤ人への暴力事件がさらに深刻にならなければよいがと懸念される。

イスラエルは戦争があって危ないとおもわれがちだが、エルサレムでは、金曜と土曜朝、毎週のように、温暖な気候と明るい太陽の下、平和にシナゴーグからのんびりと歩いて帰宅するユダヤ人の家族連れをみかける。車もほとんど走らず、安息日は法律で守られている。

アメリカで、いや、世界のどこででもイスラエルへの移住を迷っているユダヤ人がいれば、早く決断できるようにと思う。

それにしても、たとえば日本の50−100人ぐらいの中高年中心の教会で、中高年男性たちを導くリーダーの兄弟を含め、11人ものメンバーを一気に失ったと想像してみてほしい。しかも礼拝中の襲撃である。このシナゴーグは、今後はたして立ち上がれるのかどうかとの声があがっている
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エスカレートするガザ情勢:背後にイランの影響か 2018.10.30

 2018-10-30
ガザ情勢は、戦争と紙一重ではあるが、イスラエルにはガザを一掃する予定は今の所ない。ガザの一掃は難しいことではないが、それにより、最終的には、ガザを占領した形になり、イスラエル軍が駐留しなければならなくなるからである。

それを逆手にとり、ガザからは、イスラエルを挑発する攻撃行為が続いている。さらにはレバノンのヒズボラまでが、挑発するような行為に出始めている。その背後には、どうもイランの動きがあるようである。週末から今に至るまでの経過は以下の通り。

1)11/26(金)イスラエル南部へロケット弾40発:イスラム聖戦がイランの命令で実施:イスラエル軍発表

エジプトの仲介により、先週木曜、ついにハマスとイスラエルが停戦の合意にいたったようだなどとの情報もでていた。しかし、その翌日の金曜には、先週より多い1万6000人が暴動に参加(イスラエル軍発表)。この時の衝突でパレスチナ人4人(いずれも20歳代)が死亡した。

その夜、22−23時半にかけて、スデロットを含むガザ周辺広範囲の多数のキブツでサイレンがひっきりなしに発動。ガザから、ロケット弾約40発がイスラエル南部地域へ向けて断続的に発射された。アイアンドームが17発を撃墜。2発はガザ領内に着弾。それ以外は、空き地に着弾し、被害はなかった。

サイレンを聞いてあわててシェルターへ駆け込むときに怪我をした人や、ショックで病院へ搬送された人もいたが、いずれもごく軽傷だったとのこと。これに対し、イスラエル空軍は、土曜早朝にかけてガザ内部87箇所へ空爆を行った。

今回のイスラエルへのロケット弾攻撃は、時期的にハマスとイスラエルが合意に至ったと発表された直後であったことから、ハマスには不本意なものであったとみられた。案の定、イスラム聖戦が、ロケット弾を発射したとの声明を出し、その後、独自でイスラエルとの合意に至ったと発表した。
(合意に至ったということへの信憑性はない)

この流れからわかることは、イスラム先生は、もはやハマスには従わないということ。さらに、イスラム聖戦がイランからの軍事支援を受けているだけでなく、イランの命令に忠実な犬になっているということである。

イスラエル軍スポークスマンは、27日(土)朝の記者会見にて、「攻撃はシリアと、ダマスカスにいるイラン革命軍からの指令であった。」との見解を発表。必要なら、イスラエル軍は、ガザに限らず、どこでも攻撃すると、シリアにいるイラン革命軍への攻撃も辞さないと釘をさす声明を出した。

https://www.jpost.com/Israel-News/IDF-Islamic-Jihad-Rockets-were-directed-from-Iran-Syria-570422

2)11/28(日)ガザ国境で14歳2人、13歳1人死亡:イスラム聖戦が復讐を警告

その2日後の28日日曜、若いパレスチナ人3人が、防護柵付近に爆弾らしきものを仕掛けようとしているのをイスラエル軍が発見。上空からこの3人への攻撃を行い、3人は死亡した。

パレスチナ側の情報によると、死亡した3人は、2人が13歳、1人が14歳であった。3人の遺体の写真がソーシャル・メディアに出回った。この後、ガザの群衆数百人が、29日(月)、イスラム聖戦幹部の家周辺で、イスラエルへの復讐を叫び、テルアビブを攻撃するよう要求した。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/253932

これを受けて、イスラム聖戦は、3人の死に対する復讐を行うと警告している。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5382932,00.html

<イランがイスラエルへの挑発を行う理由:Yネットの中東専門家ロン・ベン・イシャイ氏の分析より>

なぜ、この時期にイランがイスラエルへの挑発を行っているのかについては、以下の理由が考えられる。

①エジプトの仲介によるハマスとイスラエルの合意を妨害するため

エジプトの仲介でハマスとイスラエルが本当になんらかの平穏に戻った場合、エジプト、ならびにアメリカの中東でのリーダーシップが明らかになるため、これを妨害しようとした可能性が考えられる。

アメリカのトランプ大統領は、エジプトの仲介により、ハマスとイスラエルの間に平穏が戻ったのを見届けた後に、皆が待ち望んでいるトランプ式中東和平案を発表するとみられている。

②イスラエルと湾岸スンニ派アラブ諸国の接近を妨害するため

以下に述べるが、26日(金)、イスラエルのネタニヤフ首相が、オマーンからの招きで公式訪問を行っていた。

この直前には、パレスチナ自治政府のアッバス議長がオマーンを訪問しており、オマーンのスルタンカブースは、中東和平の仲介に意欲を示している。 エジプトに加えて湾岸アラブ諸国が、イスラエルとアメリカとの関係を回復した場合、イランが問題児になってしまう構図になるためである。

③アメリカのイランへの経済制裁(11/6)を阻止、または軽減させるため

イスラエルが挑発に乗って大きな戦争へと発展させることでもあれば、アメリカの中東での正当性が失われ、イランへの経済制裁も正当性をなくす可能性が出てくる。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5381560,00.html

イランからの声明は出ていない。アメリカは、もし本当にイスラエルがイランを攻撃した場合、これは本当に中東全体が戦争になるため、懸念を表明している。

<怒るイスラエル南部住民>

イスラエル軍は、土曜早朝のガザ内部への空爆の後、イスラエル南部の住民に対し、通常の生活にもどってよいとの指示を出した。しかし、南部周辺住民は、土曜夜に集まり、日曜に子供を登校させないと訴えた。

南部住民たちは、毎週のように、サイレンでシェルターに駆け込む日々を送っているのだが、イスラエル政府が、断固とした対策を取らないことに不満を訴えている。

29日(日)には、一部の南部住民がテルアビブにおいて、「兄弟たち。目を覚ましてほしい。南部は炎上している。」と訴え、政府に何か行動するよう訴えるデモを行っている。

スデロットに住むミリ・アスリンさんは、息子たちの登下校中、シェルターのない道が500mあると訴える。ある時、その道中でサイレンが鳴り、逃げる場所もないまま、頭の上で、アイアンドームがロケット弾を撃墜したこともあるという。

南部住民は、こうした中でも続けられているガザへの燃料や人道支援物資搬入を阻止しようとして、一時、ケレン・ショムロン検問所への道路を閉鎖する動きにも出ている。

住民たちは、こうした抗議行動に政治的な背景はなく、あくまでも住民みずからの訴えであると強調している。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5382381,00.html

しかしながら、イスラエル軍は、何手も先を読む中で、今は大きな戦いにしないほうがイスラエルの益になると考えているわけなので、すでに被害を受けている住民の声を聞くわけにもいかないだろうと思われる・・・
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ネタニヤフ首相がオマーン電撃訪問:湾岸アラブ諸国との国交正常化に期待 2018.10.30

 2018-10-30
ガザとの衝突が続いていた26日(金)、ネタニヤフ首相が極秘にオマーンを公式訪問していた。訪問の公式発表は、ネタニヤフ首相が、帰国してから行われた。

https://www.jpost.com/Israel-News/Netanyahu-makes-historic-visit-to-Oman-570388

イスラエルの首相がオマーンを公式訪問するのは、これが初めてではない。1996年にシモン・ペレス当時首相がオマーンを公式訪問し、一時はイスラエルの貿易事務所がオマーンに置かれた。しかし、4年後の第二インティファーダで閉鎖され、以後両国の経済関係は発展していなかった。

今回、特記すべきことは、ネタニヤフ首相のオマーン訪問が、オマーンのスルタン(国王のようなもの)、カブース・ビン・サイード・アル・サイードからの公式の招待によって実現したという点である。

ネタニヤフ首相の訪問の数日前、スルタン・カブースは、パレスチナ自治政府のアッバス議長を公式に招待しており、イスラエルとパレスチナの仲介にも一役買う意気込みがあるとみられる。

オマーンのユーセフ・ビン・アラウィ外相は、同時期に開催されていたバハレーンでの治安サミットにおいて、「イスラエルは中東に存在している。中東の皆はそれを理解している。世界も同様だ。そろそろイスラエルを国として認め、その義務を果たしてもらう時がきたのではないか。」との認識を語った。

https://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Oman-says-time-to-accept-Israel-after-Netanyahu-historic-visit-570480 

<オマーンでの国際道路・交通議会にカッツ交通相招待:イスラエル閣僚の招待は初>

オマーンは、ネタニヤフ首相に続き、来週開催される国際道路・交通議会に、イスラエルのカッツ運輸交通相を招待した。この会議にイスラエルの交通相が招かれるのは初めてである。

カッツ交通相相は、地中海からイスラエルとヨルダンを通過して、ペルシャ湾に至る鉄道のビジョンを持っている。カッツ交通相はこのビジョンを中東での国際交通会議でプレゼンすることになっている。

この他、29日には、ドバイで開かれる国際メディア・カンファレンスにイスラエルのアユーブ・カラ・コミュニケーション相が参加する。

アブダビでの国際柔道トーナメントには、イスラエルの文化・スポーツ大臣のレゲブ氏が、アブダビ入りし、訪問中にアブダビ最大のモスコを訪問した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5382508,00.html

<ネタニヤフ首相には渡りに船>

ネタニヤフ首相は、湾岸アラブ諸国との関係改善が、パレスチナ人とのなんらかの和平にもつながるか、逆にパレスチナ人との和平が先になって、湾岸アラブ諸国との国交回復につながっていくとの関係を語っている。

オマーンからの公式招待は、ネタニヤフ首相には渡りに船であった。ネタニヤフ首相とともに、オマーンへ同行したのは、モサド長官のヨシ・コーヘン長官他、国家治安アドバイザー、首相府長官、首相府軍事秘書であった。ネタニヤフ首相のリキが感じられる。

オマーン以外にもイスラエルの閣僚を招く湾岸アラブ諸国が出てきたことも、ネタニヤフ首相には朗報である。このような流れになってきたのは、両者が、イランという共通の敵をもつようになってきたからである。

湾岸アラブ諸国の代表はサウジアラビアだが、今、自国民のジャーナリスト、ジャマル・カショギ記者を、領事館にて拷問の上、殺害したというスキャンダルで立場が危うくなっている。これはまたアメリカをもピンチに追い込むスキャンダルであった。

その中での今回のオマーンの動きである。オマーンは、アメリカに経済いおいて大いに依存しているため、この背後にアメリカが動いている可能性もうかがえる。

ところで、アメリカは、イスラエルとパレスチナとの和平案を発表するといいながら、なかなかそのよき時期を見出せず、今もなお発表されていない。湾岸諸国がイスラエルに敵対しないということを確認してから、発表するのではないかとの見方もある。

ただし、アメリカが発表する予定の中東和平案が、イスラエルに好意的かどうかは、まだ不透明である。
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アラブ首長国連邦でハティクバ:イスラエル柔道選手金メダル 2018.10.30

 2018-10-30
オマーンに続いて、湾岸アラブ諸国とイスラエルの関係改善を思わせる出来事がもう一つあった。

29日(日)UAEのアブダビで開かれていた柔道の世界トーナメントで、イスラエル人のサギ・ムキ選手が金メダルを獲得。アラブ諸国で、イスラエル国歌ハティクバが流れた。このトーナメントに同行したレゲブ・文化・スポーツ大臣が、ハティクバを聞きながら舞台上で涙する様子が伝えられている。

イスラエルは2017年にもこのトーナメントで金メダルを受賞したが、アラブ諸国でハティクバを流すことは拒否され、代わりに大会歌が流されたのであった。この件については、後にイスラエルとの交渉が行われ、国歌は流すということで合意されていたもようである。

この大会では、ムキ選手の他にも、3人のイスラエル選手が銅メダルを獲得している。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5382307,00.html

こうしたイスラエル人柔道選手のめざましい活躍があるせいか、イスラエルでは柔道を習う子供達が多い。練習では、インストラクターも小さなこどもたちも、そろって、「いち、に、さん、し」などの日本語による数字や、なんとなく変な日本語が飛び交う中で、練習が行なわれていてほほえましい。

先日、ガザ周囲のキブツを訪問したが、そこにも子供達のための柔道教室があり、道場で、こどもたちが日本語を叫びながら、わいわいと楽しげに訓練に励んでいた。
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ヨルダンとの和平を守れるか:和平条約の延長に影 2018.10.30

 2018-10-30
10月21日、ヨルダンのアブダラ国王は、1994年に締結された和平条約の一部であったヨルダン渓谷の2箇所の土地のイスラエルへの借款契約を延長しないと申し入れてきた。2箇所の土地は、ヨルダン渓谷にそったガリラヤ湖から南方に位置するナハライム、もう1箇所は、死海の南部に位置するゾハルである。

この2箇所は、イスラエルとヨルダンが和平条約を結んだ時点で、ヨルダン側に含まれる地であったが、すでにイスラエル人農家が農地にしていたことから、それ以後、25年間は平和の印としてヨルダンがイスラエルにリースする形で合意がなされた。これらの土地は「平和の小島」と呼ばれた。

来年その25年目がくるにあたり、ヨルダンが約束通り、期限の1年前にイスラエルに土地の返還を求めた形である。実際に返還するのは1年先になるため、イスラエルは交渉することを考えている。しかし、ヨルダンは、交渉には応じないと言っている。

ただし、この2箇所については、イスラエルの農家が農地として使用しているだけで、ヨルダンにとって、戦略的に重要な土地でもない。これらを取り戻したとしてもほとんど意味はないと思われる土地だという。ではなぜ、今土地の返還を要請しているのだろうか。

<苦しいヨルダンの現状:INSS イスラエル国家治安研究所解説より>

ヨルダンが、このようなことを言い出したのは、国内の王室への不信を払拭するためと考えられている。ヨルダンは今、厳しい経済の不振に苦しんでいる。失業率は18%で、大学卒の若者の失業率はさらに悪く25%に登っているという。

ヨルダンは、シリア難民という重荷も背負っている。これまでにシリア難民を110万人以上受け入れているが、国連の難民指定を受けることはできたのは67万人。(ABCNews) 難民支援は、日本を含む国際支援に大きく頼っているところである。

また、国民の70%がパレスチナ人であることから、イスラエルとパレスチナの和平が、長らく暗礁に乗り上げていることや、アメリカがエルサレムをイスラエルの首都と認めるなどの動きを受けて、ここ6週間ほどの間、イスラエルとの和平継続に反対するデモが発生していたという。

このため、今のままでイスラエルとの和平条約を延長することができなかったのである。

しかし、イスラエルとヨルダンは、経済、治安などあらゆる点において平和であることが両国にとっても大きな益であることは理解している。これまでの25年間の間には、何度も危機的状況が発生したが、両国はなんとか乗り切ってきたのであった。

特に1997年、今回話題に上っているナハライムに遠足に来ていた少女たち7人とその教師を、ヨルダン兵が銃殺するという事件が発生したことがあった。この時、当時のフセイ・ヨルダン国王は、自らイスラエルに来て、遺族を訪問し、問題を解決へと導いた。

2000年代に入ると神殿の丘にシャロン首相が訪問を断行したことで、イスラエル国内でのテロの波、アルアクサ・インティファーダが発生。2014年、2017年には神殿の丘での暴動も続いた。ヨルダンのイスラエル大使館内で、イスラエル人警備員がヨルダン人2人を射殺したこともあった。

いずれもかなり危機的であったが、両国にとって、和平を維持することがいかに大事か、お互いがわかっているので、なんとか危機を乗り切ってきたのだった。

こうした過去を鑑み、INSSは、両国がこの1年の間になんらかの打開策を導き出せるのではないかと期待している。しかし、ヨルダンが、この2箇所に関する契約を延長しないと言っていることについては、変更はないと思われるので、問題の地にいる農夫たちへの代替地や補償について、準備を進めることを政府に進言している。

http://www.inss.org.il/publication/challenge-israel-jordan-peace-treaty/?utm_source=activetrail&utm_medium=email&utm_campaign=INSS%20Insight%20No.%201102

*ちょっと余談:日本のヨルダン支援

日本はヨルダンにとって大きな支援国である。日本のODAは、ヨルダン国内の難民キャンプへの様々なインフラ整備などを行っているだけでなく、2014年には、ペトラ博物館の設立に6億円以上の支援を行っていた。

日本外務省ページより:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/gaiyou/odaproject/middleeast/jordan/index_01.html

<鉄砲水で流された子供達の救出へイスラエルが協力>

イスラエル、ヨルダンでは、23日(火)、今年始めてとなるまとまった雨が降った。これにより、25日(木)、死海に向けて鉄砲水が発生。これに巻き込まれてイスラエルでは、4歳児が死亡。

ヨルダンでは、死海に来ていた14歳以下の子供たちを乗せたバスが流され、最終的に18人が死亡するという大惨事になった。

イスラエルはヨルダン政府の要請により、669エリート救出部隊を派遣し、子供達の救出にあたった。生還できたのは35人。

https://www.timesofisrael.com/at-least-10-killed-in-jordan-flooding-idf-joins-rescue-effort/

雨の時期になると、エルサレムの山々から、地球で最も低い死海に向かって、鉄砲水が発生し、死海方面への通行が遮断されることが時々発生する。この4月には、鉄砲水で、イスラエル軍従軍前のティーンエイジャーたち10人が死亡している。

いずれの場合も、政府の注意喚起を無視して、死海方面へ向かっていたことが指摘されている。

https://www.timesofisrael.com/principal-instructor-arrested-after-10-students-killed-by-flash-floods-on-trip/

ヨルダンに関しては、和平条約の一部をキャンセルという話題で持ちきりだったが、そのわずか4日後には、この大惨事の話題に変わり、イスラエル軍が救出に協力していたことがニュースで取り上げられるようになった。
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ガザ情勢リンボー状態 2018.10.21

 2018-10-21
戦争と紙一重のガザ情勢。17日夜、グラッドミサイルがベエルシェバに着弾し、イスラエル空軍がガザへの空爆を行い、19日金曜に向けて緊張が高まったが、戦争に突入することはなかった。

イスラエルもハマスも大きな戦争にはしたくないためか、どっちつかずのリンボー状態が続いている。しかし、来週、パレスチナ自治政府が、ガザへの送金を完全に停止するかどうかを決めることになっており、今一度危機が来る可能性が懸念されている。

<ベエルシェバ家屋にミサイル着弾:奇跡の脱出で負傷者なし>

17日(水)早朝4時前、ガザからグラッドミサイルがベエルシェバに向けて発射された。サイレンが鳴ったため、家の1階で寝ていたミリ・タマルさん(39)は、2階のそれぞれの部屋にいた子供達3人(8歳、9歳、12歳)を連れて、防護室に駆け込んだ。

防護室に駆け込んだ直後、この家にミサイルが着弾。家は防護室のみをのこして全壊した。ミリさんと3人の子供達は、まさに間一髪で助かったことになる。4人は、のちに警察によって防護室から救出された。

大きなミサイルであったため、ミリさんの隣にも破片が飛び、ベランダを破壊した。道路にも破片が散乱していたという。

この攻撃で、ミリさんと3人の子供たちを含む7人が、一時病院でショックの経過観察を受けたが、負傷者もなかったのは奇跡であった。

この直後、イスラエル空軍が、ガザのハマスとイスラム聖戦拠点を攻撃したが、ガザでも負傷者の報告はない。もしこの時、ベエルシェバで負傷者や犠牲者が出ていたら、今頃戦争になっていたことは間違いない。

なお、大破したミリ・タマルさんの家は、国が全額、再建を保証するが、数ヶ月かかるみこみ。一家は現在、ホテルに滞在している。ホテル代やしばらくの生活費は、ユダヤ機関などからも献金されている。

3人の子供達を守りきったミリさんは「メスライオン」とも言われ、その行動が賞賛されているが、ショックは大きく、あとに心理的トラウマを残さないか懸念されるところだ。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5372931,00.html

<ガザ国境にイスラエル軍戦車部隊派遣>

ベエルシェバへのミサイル攻撃を受けて、イスラエル軍のエイセンコット参謀総長は、アメリカ訪問の予定を繰り上げて帰国した。

リーバーマン国防相は、ただちにガザへの通路ケレン・ショムロンとエレツ検問所を閉鎖。これにより、電気の配給を大幅改善するためのカタールからの出資による燃料が差し止められた。ガザの漁業海域を3海里縮小するよう命じた。

ネタニヤフ首相はただちに治安委員会を開催。会議は5時間半にわたって行われたが、内容に関するメディアへの発表はない。しかし,反撃のレベルを上げたと漏れ伝えられている。

18日、十数代の戦車を含むイスラエル軍の攻撃部隊が、ガザ国境に配置された。日中堂々と戦車を配置することで、19日の国境でのデモをけん制するねらいがあったとみられる。

ベン・グリオン空港では、木曜、念のため、フライトがガザ上空を飛ばないようルート変更したとのこと。ベン・グリオン空港は、今、観光のピークを迎えており、チェックインが長蛇の列をなしている。フライトが停止するような戦争にならなかったのは幸いであった。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5374311,00.html

<ハマス:金曜デモで国境に近づかないよう指示>

ベエルシェバへのミサイル攻撃について、ハマスとイスラム聖戦は、「この攻撃はイスラエルの包囲網解放の益になるものではない。」として、攻撃の責任を否定する共同声明を出した。

またハマスは、19日金曜、毎週行われている「帰還」へのデモに先立ち、パレスチナ人らに国境に近づかないよう指示をだした。

これは、エジプトと国連が、必死にハマスとイスラエルとの交渉を続けている中で、エジプトが圧力をかけたとみられる。

しかし、実際には19日金曜には、先週の1万5000人からは減少したものの、1万人がデモに参加。タイヤを燃やしたり、イスラエル軍に投石するなどして、イスラエル軍が反撃、ガザの健康局によると、    人が負傷。2人が死亡した。

アルーツ7によると、ガザの暴徒は、イスラエルからガザへのガスのパイプを破壊したという。自らの首を絞めるような行為である。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/253509

さらに20日土曜朝、国境の有刺鉄線を破ってイスラエル側へ侵入し、イスラエル軍が放棄した監視拠点に、デモで死亡したパレスチナ人の写真を立てるという行為を撮影し、ネットに勇ましい音楽とともにアップしたりした。

また土曜午後には、多数の放火風船が飛来し、安息日であるのに、地元の消化チームが出動させられた。イスラエル軍は、風船を飛ばそうとしているパレスチナ人に攻撃を行った。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5375728,00.html

<イスラエル南部住民の声>

リーバーマン防衛相は、国境に戦車を派遣してはいるが、もしガザでの暴力が沈静化するようなら、21日日曜にも、カタールからの燃料のガザへの搬入を再開するとも示唆している。

ガザの市民生活が崩壊寸前であることから、人道支援というアメをムチとともに使うことがイスラエル政府の今の所の方針なのである。

しかし、これについて、イスラエル南部の市民たちは、満足していない。ミサイルは、17日夜中に着弾したが、南部地域では、16日にもサイレンが鳴り響いて、住民は防護室シェルターに駆け込んでいる。

可愛らしい風船の塊に取り付けられた発火物や爆弾は、前にもましてイスラエル南部に飛来し、いくつかはエルサレムにまで飛んできている。これらによる火災で焼き尽くされた畑地は広大である。

スデロット住民のバス運転手ボリスさんは、「アラブ人はアラブ人どうしでも平和に暮らすことができてない。イスラエルと和平が成り立つわけがないということを政府はわかっていない。」と不満を述べていた。

とはいえ、イスラエルがガザを一掃しても、何の得もない。攻撃によってガザの多くの市民が犠牲となるのことは避けられず、国際社会からはイスラエルが非難されるだろう。さらに一掃したのちのガザの復興をイスラエルが背負わされることになる。

とはいえ、ガザ情勢はリンボー状態だが、「仏の顔も三度まで」ならぬ、イスラエルの堪忍袋がいつまでもつかは、もはや時間の問題かもしれない。

<ぎりぎりの仲介:エジプト>

ハマスとイスラエルの間を仲介しているのは、主にエジプトである。仲介にあたるのはエジプトのアッバス・カーメル諜報部長官。

カーメル長官は、17日水曜ハマスを訪問。金曜のデモを縮小するようハマスに圧力をかけ、国境から500メートル離れるよう要請したが、ハマスはエジプトのこの要請を拒否したとのこと。(エルサレムポスト)

この後、カーメル長官は、木曜、ラマラでファタハ幹部と会談する予定であったが、ベエルシェバへのミサイルでキャンセルとなった。来週、ラマラを訪問する可能性がある。

ファタハは、パレスチナ自治政府を主要な立場で運営している組織だが、自治政府そのもではない。エジプトは今回、あえて、ファタハにアプローチしようとしている。

ファタハは、ハマスが、ファタハとの和解よりも、イスラエルとの合意を目指していることについて、トランプ大統領のまだ明らかにされていない中東和平案の片棒を担ごうとしていると非難している。

来週、ファタハでありパレスチナ自治政府のアッバス議長が、ガザへの送金を差し止めるかどうかが今、焦点となっている。

https://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Hamas-rejects-Egyptian-demand-to-stop-Gaza-border-protests-569846

<これからどういう道が考えられるのか:元イスラエル軍作戦部門長官・国家治安委員ギオラ・エイランド氏電話会見より>

実際のところ、イスラエルもハマスも大きな衝突を望んでいないのは確かである。今後どういう道があり得るのか、元イスラエル軍作戦部門長官で、国家治安委員でもあるギオラ・エイランド氏によると次の3つが考えられるという。

①何もしないで、ハマスからの時々の小さな攻撃に耐え、大きな衝突にはしない。

②積極的にハマスを攻撃する。

③ハマスを一つの国と考え、その指導者をハマスとは別に、一つの独立国の指導者と考えて、ガザの復興に向けて協力する。

エイランド氏の考えでは、ガザの市民生活が崩壊することは、ハマスにとっても好ましいことではない。イスラエルにとっても、ガザ市民が人間らしく生活することで、テロへの意欲も削がれると考えている。したがって、市民生活の復興は、両者の共通の目標であるから、ハマスとイスラエルが、その点にむかってなんらかの(合意ではなく)”アレンジメント”にいたる可能性はある。

この場合、資金が武器等に使われないよう、復興プロジェクトに応じて送金するシステムにすれば、支援金の不正使用は防ぐことは容易であるとエイランド氏。

しかし、パレスチナ自治政府とファタハであるアッバス議長が、ガザへの送金を完全に停止して、ガザの復興を妨害するとしたら、①か②の悪い道しか残らない。エイランド氏は、アッバス議長のみが交渉の相手とみなす野党の考えには同意できないと語る。

つまり・・・今ハマスとガザがなんらかのアレンジメントに到達し、両者の間の平穏が長期間続くことが最善の道であるということである。

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西岸地区も混乱:過激入植者がパレスチナ人女性殺害か 2018.10.21

 2018-10-21
西岸地区でもパレスチナ人とイスラエル人の衝突が続いている。9月には、グッシュ・エチオンで、男性が1人、10月に入って、アリエル近郊のバルカンの産業パークで、2人のユダヤ人が、パレスチナ人テロリストに殺害された。

バルカンでのテロ容疑者アシュラフ・ナロワ(23)は武器を持って逃走していたが、西岸地区のパレスチナ地区シュウェイカの建設中の学校に立てこもっていたところ、イスラエル軍に包囲され、逮捕されたと伝えられている。(まだイスラエル軍の正式発表ではない)

なお、この捜査には、パレスチナ自治警察も協力していた。

https://www.timesofisrael.com/idf-troops-operate-in-village-of-barkan-terrorist-as-manhunt-continues/

<過激入植者がパレスチナ人女性を殺害か>

先週12日、西岸地区ナブルス近郊の悪名高いタプアハ交差点付近で、パレスチナ人夫妻とその娘(9)の乗った車が、投石に会い、車内にいたアイーシャ・アル・ラビさん(45)が負傷。後に死亡した。車内で9歳の娘が号泣していたという。

https://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Police-probing-charge-Palestinian-woman-killed-by-Jewish-stone-thrower-569312

パレスチナ自治政府は、アイーシャさんとともに車内にいた夫の証言とともに、このテロ行為は、過激なユダヤ人入植者によるものであるとして、国際社会に訴える構えである。

イスラエルの警察は、パレスチナ人テロリストが、ユダヤ人の車と間違って投石した可能性もまだ完全には捨ててはいないが、ユダヤ人入植者たちが、パレスチナ人テロリストにユダヤ人を殺されたことへの逆襲である可能性が高いとみて捜査を進めている。

イスラエルのニュースでは、あまり取り上げられないが、パレスチナ人たちによると、過激なユダヤ人ユースの入植者による暴力が、日常茶飯事であり、非常に恐れられているという。

こうしたパレスチナ人をユダヤ人の人権保護弁護士グループ「イエシュ・ディン」が弁護する働きを行っている。
https://www.yesh-din.org/en/

「イエシュ・ディン」が撮影し、ネットに公表したクリップをみると、15人ほどの白いシャツで揃えた過激なユダヤ人ユースが、パレスチナ人農夫に向かって投石し、パレスチナ人たちが逃げる様子や、入植者らが、投石したあと、車に乗り込んで逃げる様子が、ネットに上げられている。(今回の事件とは関係はない)

なお、イエシュ・ディンは、ヨーロッパ諸国諸団体からの支援で成り立っている。(つまり、反イスラエル関連)

<石のひとりごと:大人のけんか>

ガザ国境での衝突はまさに大人の喧嘩にみえる。ガザのパレスチナ人が、イスラエルの”陣地”に忍び込んで、紛争で死亡したパレスチナ人の写真を立てて戻ってきて喜ぶなど、まさに命のかかった鬼ごっこである。イスラエルとしては、まったく迷惑な話としかいいようがない。

世界は、喧嘩の原因は、イスラエルのガザ包囲が原因だと非難するが、だいたい、ガザからの攻撃がなければ、合理的なイスラエルが、ガザの包囲のようなお金のかかる無駄を続けるはずはないのである。ハマスが先に攻撃をやめないかぎり、イスラエルが先に包囲を解くことはない。

一方、ハマスはガザの支配権を握ってから12年。すべてを犠牲にしてイスラエルと戦ってきたのであるから、今更それをやめるわけにはいかない。ガザの住民は、今更イスラエルと戦っても「帰還」などありえないことを知っているが、彼らには、今はそれ以外にすることすらない。要するにハマスの方でも、戦っている目標がはっきりしない戦いなのかもしれないが、今更やめられないのだろう。

西岸地区では、テロに対してテロでやり返すという憎しみと暴力の応酬が続いている。

大部分のユダヤ人入植者は、隣にいるパレスチナ人との平和な交流を願っている。パレスチナ人もユダヤ人の工場で働いて安定した暮らしをすることを喜んでいた人も少なからずいた。しかし、双方に過激な者たちがいて、殺し合いをするので、大多数の人々は、互いに仲良くしようとしても引き裂かれてしまうのである。

要するに、一握りの過激派が大部分の人々をふりまわしているということだが、この問題は、年月が経って、いまや卵が先か、鶏が先かというレベルになってしまった。もはやだれにも解決できない問題である。

人の命がかかっているだけに、大人の喧嘩は、実にやっかいである。
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アメリカが大使館と領事館を合併へ 2018.10.21

 2018-10-21
アメリカのポンペイオ国務長官は18日、東エルサレムの米領事館と、今年5月にエルサレムに移動した米大使館を合併すると発表した。これからは、フリードマン米大使が、領事も統括することになる。

エルサレムのアメリカの大使館は、同じくエルサレムにあった領事館の建物に入ったのであるから、合併することで仕事の効率化を図るというポンペイオ国務長官の発表は、道理にあっているわけである。

しかし、アメリカをはじめパレスチナを国と認めていない国々は、領事館をパレスチナとの直接の連絡路にしている。東エルサレムにあった米領事館も、これまでパレスチナ自治政府との連絡窓口になっていた。

ポンペイオ国務長官は、この政策が、アメリカはどちらの側にも立たないとする方針に変わりはなく、領事館が大使館と合併した後にもパレスチナ部署は継続するので、今までとなにも変わらないと今日c上している。

しかし、このアメリカの動きは、イスラエルとパレスチナという2国家に分割する案からイスラエルという1国家支配にアメリカが向かい始めたともとれる動きである。

パレスチナ自治政府のエレカット交渉担当は、「これは効率化ではない。アメリカはイスラエルの犯罪を助けるために、アメリカの外交方針と国際社会の外交の基礎を壊そうとしているのだ。」と非難した。

https://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/US-merges-Jerusalem-embassy-and-consulate-breaking-another-tradition-569740

https://www.timesofisrael.com/in-blow-to-palestinians-us-places-jerusalem-consulate-under-embassy/
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世界を揺るがすアメリカの近況 2018.10.21

 2018-10-21
イスラエル最大の友好国アメリカだが、型破りな方針が続いており、一理あるともいえる動きではあるが、国際社会ではどうも批判される傾向にある。その冷たい風向きは、友好国イスラエルにも流れてくるので、注目しておく必要があるだろう。

1)INF(中距離核戦力全廃条約)から離脱を表明

トランプ大統領は、冷戦中の1987年、当時のレーガン米大統領と、ソ連のゴルバチョフ書記長が交わした軍縮条約で、500−5500キロの中距離弾道、巡行核ミサイルの廃棄を目指すものである。

トランプ大統領は、ロシアがこれに違反して中距離核戦力を開発していると指摘、アメリカも対等に核開発をすすめるべきだとして、条約からの離脱を表明した。

アメリカはイランの核開発には厳しことから、イランの反発とともに、米露、世界の核開発競争が始まる可能性が懸念される。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181021-00000002-jij-n_ame

2)サウジアラビアのスキャンダルでアメリカピンチ?

まだ発展中の話題だが、サウジアラビアのジュアマル・カショギ記者が、トルコのイスタンブールにある同国の総領事館で死亡した件。残虐な拷問を受けた上、死亡したとの情報がある。

サウジアラビアは、当初カショギ記者が死んでいることも不明だとして関与を否定していたが、19日になり、サウジ総領事館内で口論の上殺害されたと発表した。しかし、カショギ氏の遺体はみつかっておらず、遺体をばらばらにして処分し、殺害を隠した可能性もあり、世界はサウジアラビアの発表に疑念を抱く傾向にある。

問題は、この件に、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が関わっているとみられる点である。場合によってはムハンマド皇太子の即位も危ぶまれるスキャンダルだが、それだけにとどまらず、アメリカやトルコも巻き込んで、国際的な問題に発展する可能性がある。

ムハンマド皇太子は、厳しいイスラム教国として知られるサウジアラビアで、女子も車の運転を認めるなど様々な改革を進めながら、イランという同じ敵を持つアメリカとイスラエルにも接近している。

ムハンマド皇太子の失脚はアメリカとイスラエルにとっても好ましいことではない。とはいえ、民主国家として、政権に歯向うジャーナリストを拷問の上、殺害したとなると、これを見過ごすわけにはいかず、アメリカはジレンマに陥っている。

ここで登場してきたのが、殺人事件の舞台となったトルコである。トルコは、事件に関する重要な証拠をを持っているとして、すべてを明らかにするといっている。トルコは、イランとロシアの陣営に近づきつつある国であることから、この事件が、中東の勢力図を変える事態に発展する可能性も全く否定できなくなっている。

サウジアラビアを擁護したいトランプ大統領だが、現在のところ、サウジアラビアの事件に関する説明には満足しておらず、ムハンマド皇太子の関与を全く否定していないといっている。

トランプ大統領は、可能性としてサウジアラビアへの経済制裁はありうるが、中東情勢にかんがみ、武器売却は、継続する意向を語っている。

3)トルコで拘束されていたブランソン牧師、アメリカへ帰還 

トルコのイズミール地方で23年間、宣教師としての働きを続けてきたアンドリュー・ブランソン牧師が2016年から18ヶ月、スパイの容疑で収監されていたが、10月12日釈放され、アメリカへ帰国した。

釈放前の8月には、テロ容疑で軟禁状態に置かれ、一時アメリカがトルコへの経済制裁も示唆して、トルコリラが暴落するといったこともあったが、結局、ブランソン牧師夫妻が帰国できたことから、アメリカとトルコの関係を改善するものと評価されている。

http://time.com/5426818/us-turkey-relations-brunson/

帰国後、落ち着き始めたブランソン牧師は、CBSニュースに出演。「私は、オープンにイエスに関する福音を宣べ伝え、難民の支援をしてきただけだったので、なぜ逮捕されたのかすらわからなかった。」と語っている。幸い、厳しい取り調べや拷問などはなかったが、妻とは週に35分間ガラス越しに電話で話が許されるだけだったという。

しばらくして聖書を手にいれることができたが、獄中生活を支えたのは第二テモテだったとのこと。

トルコ政府がブランソン牧師をスパイとの疑いをかけた理由は、ブランソン牧師が、トルコ人にイエスを信じさせることで、イスラム国家トルコから離反させようとしていているとみられ、その裏にはエルドアン大統領が宿敵と目すアメリカに亡命中のギュレン師との関係も疑われていたからであった。

しかし、このことで、世界中がブランソン牧師の働きに注目したことで、福音が広がり、また世界の人々がトルコのために祈る機会になったとブランソン牧師は語る。まさに、福音のために投獄されたということである。

ブランソン牧師夫妻は、アメリカに帰国後、トランプ大統領にホワイトハウスに招かれた。この時、トランプ大統領に祈りを申し出たところ、トランプ大統領は、「おそらくこの部屋で最も祈りを必要としているのは私でしょう。」といって笑いをとり、ブランソン牧師の祈りを受け入れている。その祈りは世界中に報道されることとなった。

https://www.bbc.com/news/world-europe-45842735

この特別な機会について、ブランソン牧師の妻、ノーリーンさんは、以前にトランプ大統領に会うというビジョンを与えられていたという。その時にあたえられたみことばをそのまま大統領に伝えたとのこと。

https://www.youtube.com/watch?v=wjcSkUf_3Hw
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イスラム主義国からのクリスチャン難民を助けるイスラエルのメシアニックジュー 2018.10.21

 2018-10-21
イスラム主義国では、クリスチャンであるというだけで、迫害を受け、信仰を放棄しない場合、拷問を受けるなどして難民になるケースが多い。

こうした人々に直接会うことはなかなかないのだが、記者の友人でイスラエルに在住するユダヤ人ビリーバーのロッテム姉は、アラビア語を学び、時々現地に行って、これらの人々を助ける働きを行っている。イスラエル人としては非常に勇気のいる働きである。

そのロッテム姉が、今特に支援を呼びかけているのが、あるイスラム主義国から逃れ、第二の国で難民として第三国に移動することを待っているベンジャミン(仮名)兄(30)である。

ベンジャミン兄は、祖国で救われてから当局に捕まり、投獄され、ひどい拷問を受けた。釈放後に第二国に逃亡。今は、難民キャンプで、現地の牧師とともに献身者として難民支援と、福音を伝える働きをしている。

ロッテム姉は、そこでベンジャミン兄に会い、その働きを共にし、今は息子のように思っているという。

ベンジャミン兄は今年夏、同じ祖国から信仰のために難民となった姉妹と結婚した。その時、結婚式を行うために、仲間の難民たちからお金を借りなければならなかったという。ロッテム姉は、この若い献身者も負債を解消するとともに、次のステップへの支えをしたいと考え、自らもアラビア語教師として彼を雇って支援しつつも、協力者を探すことにしたという。

記者はベンジャミン兄を直接知っているわけではないが、ロッテム姉はよく知っている。彼女は、イスラエルの教会では子供を教え、熱心に教会に仕えながら、アラビア語をマスター。

イスラエルのユダヤ人であるにもかかわらず、アラブ諸国を含む海外に出かけて行って、宣教師たちを助ける働きをしている。イスラエルの教会でも信頼されている姉妹で、これほど信頼のできる姉妹はいないと思っている。

記者は、ベンジャミン兄を支えるロッテム姉の働きを支えたいという思いで、彼女のプロジェクトをオリーブ山便りにとりあげることにした。以下のサイトから簡単に送金は可能。手数料は、送金者自身が決められるシステムで、献金自体は100%ロッテム姉に、そしてロッテム姉は100%、ベンジャミン兄に送金する予定だという。(プロジェクト期間10/16-12/17 2018)

ベンジャミン兄に証に加えて、ロッテム姉自身からのビデオレターもあるので、ぜひサイトを開いてみてくださればと思う。

https://chuffed.org/project/let-him-know-we-care

<ベンジャミン兄の証と祈り(訳・抜粋)>

ベンジャミン兄は、厳格なイスラム主義国で、成功したビジネスマンだったが、酒や女性におぼれ、すさんだ生活をしていたという。ある時、アメリカ人クリスチャンに出会い、彼らの家で飲んでいたところ、聖書をがあるのを見つけて開いてみた。山上の垂訓(マタイ5−7)の箇所だった。

ある夜ワインに酔って寝ていたところ、夢にイエスが現れて「私についてきなさい」といった。それで上記アメリカ人の友人のお父さんからイエスが何者なのか聞いた。

イエスは罪から解放する者であると聞いた。イスラムが人々をクリスチャンから遠ざけているということは、サタンが私たちを光から遠ざけているのだと悟った。

それから聖書を読み始めた。2000年前のことであるのに、今現在のことを語っているかのうようだった。これはいくらよんでも理解できないコーランと大きく違っていたという。

またイスラムの神は怒っていて、イスラムを憎む者を敵とみなし、天国へ行くには聖戦を戦って敵を殺さなければならないと教えるのに対し、聖書によると神が、どれほど私を愛してくれているのかが語られていた。やがてそれを理解するようになった。

ベンジャミン兄はイエスを信じて救われ、地下教会に通い始めた。やがて家族友人にそのことを知られ、当局に逮捕された。「お前はクリスチャンか」と聞かれた。「そうだ」と答えると、「だれにそれを聞いた」と聞かれた。

「フェイスブックからだ」と答えたが、仲間の居場所があるはずだとして、独房に入れられ、白状するよう、拷問された。もちろん白状しなかったが、16日目に釈放された。知り合いが当局の知り合いだったからである。

釈放されたのち、2015年の10月に祖国を離れ、第二国で難民となった。難民として国連に登録し、第三国に移送される日をまっているのだが、3年たってもまだその日は来ていない。

しかし、その第二国で、ベンジャミン兄は今、その国の牧師とともに、非常な貧しさの中で、同じ境遇の難民を助け、福音を宣べ伝える働きをしている。この7月には、同じ祖国からクリスチャンとして難民になった姉妹と結婚もした。

ベンジャミン兄は、世界のクリスチャンに向かって次のように語っている。

”一番伝えたいことは、聖書はコーランと正反対ということ。聖書に何が書いてあるのか注意深く読み、理解し、それについていくこと。そうするとき平安があり、神の御手が私の上にあるというのが、父なる神の約束です。

イエスは、たんに天国へのパスポートと永遠の命を与えただけではありません。私たちの罪を取り除いただけでなく、加えて義の衣で覆ってくださっているのです。

私は、これまでの歩みとめぐみ、祝福に感謝しています。私には値打ちはありません。ただ十字架だけです。

兄弟姉妹たち。イエスから目を離さないようにしてください。イエスこそ私たちを罪から救い出し、サタンの悪から解放してくださるお方です。どうか強くあってください。主が共にいてくださるからです。

みなさんが世にあって塩であり、光であることを祈ります。世界がそれで平和になるからです。

それから、恐れないでください。警察に逮捕されたとき、とても怖かったです。それで祈りました。「主よ。あなたのみこころなら私を助けてくださいます。あなたご自身を現してください。あなたこそ真の神だから、囚われ人を助けられるのです。」そうして16日で釈放されたのです。

すべての兄弟に言います。信仰があるなら、イエス様があなたを愛し、すべてのしばりや圧政から解放してくださると、主に信頼してください。

祖国から離れて悲しみ、閉じ込められ、難民となっているすべての人を、愛します。主イエス・キリストが、あなたの心に慰めと癒しをもたらしてくださいますように。そうして、あなたが王の王、イエスとともに喜びと平安のうちに生きることができますように。

最後に言います。父なる神はあなたを永遠の愛で愛しておられます。”

私たち平和な国にいるものには、想像もつかない苦難の道を通っている人だけに、彼のいうことには力がある。英語が読める方は、ぜひサイトの本人による証を読んでみられたし。

彼を通して、中東アラブ諸国にいるクリスチャン難民と彼らの間で働いている働き人を覚えてお祈りいただければ幸いである。
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西岸地区産業パークでテロ:2人死亡 2018.10.8

 2018-10-08
7日早朝、西岸地区のアリエル市近郊にあるバルカン・産業パーク内で銃撃テロが発生。ユダヤ人2人が死亡。1人が中等度の負傷を負った。

テロリストは、軽機関銃を持ったまま逃走中で、現在、イスラエル軍が、2部隊と特殊部隊も動員して捜索を続けている。

https://www.mako.co.il/mako-vod-channel2-news/main-newscast-2e371988a43b0610/8aca01c89ff26610/VOD-1a4c864648f4661006.htm?sCh=ee06c13070733210&pId=1859923711

死亡したのは、アロン・グループCEOの秘書キム・リーベングランド・イェヘジケルさん(28)と、同会社の会計士ジブ・ハジビさん(35)。防犯カメラの映像などから、テロリストは犠牲者2人と同じ会社で電気技師として働いていたパレスチナ人、アシュラフ・ワリード・スレイマン・ナロワ(23)と断定された。

調べによると、ナロワは、まずキムさんを後ろでに縛り上げた後、近距離から銃殺。もう一人の女性(50代)の腹部を撃って重傷を負わせ、続いてジブさんを銃殺した。

ナロワは、犯行に及ぶ朝、フェイスブックに「(アラー)を待ち望む」と書き込んでいた他、友人たちに遺書を託していたとチャンネル2は伝えた。これまでにナロワの家族と友人知人らが拘束され、犯行に関わったかどうか、取り調べを受けている。

なお、犯人の自宅はすでに破壊することが決まり、その準備が進められている。イスラエルの怒りがいかに大きいかが察せられる。

現時点では、犯行は単独犯とみられているが、ガザのハマスとイスラム聖戦は、このテロ行為を賞賛する声明を出した。

https://www.timesofisrael.com/idf-names-palestinian-suspect-in-deadly-terror-attack-as-manhunt-persists/

<破壊された2つの家族>

このテロで犠牲になった2人は、まだ若い母親、また父親であった。キムさんには夫と1歳4ヶ月の息子。ジブ・ハジビさん(35)には妻と幼い3人の子供がいた。あまりにも突然に、2つの若い家族が破壊されてしまった。

キムさんの母親は、号泣し、「犯人はみな死ぬべきだ。彼らの家族は苦しむべきだ。」と訴えている。キムさんの葬儀は、自宅のあるローシュ・ハアインで7日の夜行われ、数百人が参列した。ジブさんの葬儀は8日午後に行われることになっている。

今朝まで元気でいたお母さん、お父さんが、もう二度と戻らない。家族たちのもとにこの人々が帰ってくることは二度とない。いつも思うが、あまりにも唐突すぎる別れである。残された子供達や親族がこれをどう整理していくのか、想像に絶する苦しみがこれから始まっていく。。。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5365612,00.html

<バルカン産業パーク:消えゆく共存の夢>

バルカン産業パークは、テルアビブから内陸へ30キロ、いわゆる”グリーンライン”を超えて、西岸地区に深く入り込んだ場所にある。近くには、1978年からユダヤ人たちが開拓して、今や市になったアリエル(人口約2万人)がある。

バルカン産業パークは、アリエル市に続いて1982年に設立された。産業パークとして企業に参入を呼びかけた。家賃がイスラエル領内の半分近いこともあり、今はフムスなどの食品、繊維、プラスチックなど164社が工場を置いている。バルカン・ワイナリーもあり、良質のワインを製造している。

労働者は約7200人で、50%は近隣に住むパレスチナ人である。パレスチナ人でも、ユダヤ人より給料が安いということはなく、休暇や、労働時間はもちろん、福利厚生もユダヤ人とまったく同等だという。

西岸地区には、こうしたユダヤ人による産業パークが20箇所あり、労働者28000人のうち18000人がパレスチナ人である。

数年前にバルカンセンターを取材したが、パレスチナ人労働者も、「パレスチナの会社の場合、給料をはらってもらえないこともあるが、ここでは、確実に払ってもらえるし、労働時間や休暇、福利厚生もあるので感謝している。」と安定した暮らしを楽しんでいるようだった。アラブの村から産業パークまでの送迎まであるということだった。

しかし、世界はバルカン産業パークに冷たかった。バルカンの土地は、西岸地区であり、まだ国際的にイスラエルの土地と認められていないにもかかわらず、ユダヤ人が工場をたてて収益をあげていると訴え、退去を求めてきた。

産業パークによって安定した暮らしを得たのはパレスチナ人でもあるのだが、これを主張すると、国際法を反故にしようとして既成事実を作ろうとしていると言われた。さらには、イスラエルが産業パークのせいで、西岸地区のパレスチナ人ビジネスが育たないとも訴えられた。

実際のところ、アリエル市もバルカン産業パークも、西岸地区の高台で、テルアビブを見下ろす位置にある。イスラエルの防衛戦略上、非常に重要な土地であることは確かである。イスラエルがこの地を戦略上奪ったのだというパレスチナ人の言い分には一理ある。

しかし、取材をする中、産業パークに参入した企業主たちは、たんにビジネスマンであり、そうした国家的な戦略とは関係なく、ただシンプルに、自分の収益とともに、パレスチナ人の生活も潤せていること、彼らと共存できていることを心から喜んでいたと感じた。

イスラエルのユダヤ人は、基本的に人好きで、多様性を排斥するのではなく、楽しむ人々である。それは、ユダヤ人自身が多様だからでもあろう。このイスラエルのユダヤ人の性質は、世界ではあまり理解されていないように思う。

現地のパレスチナ人も、内心、微妙であるかもしれないが、それよりも家族を平安に養えるほうを喜んでいたように見えた。

パレスチナ人労働者をどのようにしてみつけるのか、ユダヤ人経営者に聞くと、先に雇用したパレスチナ人労働者の紹介だと言っていた。互いに、ある程度の信頼関係もあったということである。

チャンネル2のニュースでは、事件後、襲撃んされたアロン・グループのCEOラファエル・アロン氏がインタビューされていたが、「パレスチナ人労働者には、ユダヤ人と同等かそれ以上のことをしてきたつもりだ。これからどうしたらいいのかわからない。まだ頭で理解できてない。混乱している。」と涙声で語っていた。

事件後、西岸地区の入植地では、「共存など夢物語にすぎない。結局のところ、占領する者とされる者。上にたつか下にたつかしかない。」という右派勢力の声が高まっている。今後、産業パークではパレスチナ人の雇用を減らしていくか、ユダヤ人労働者との働き場を分離するかなどの声もあがってきている。

https://www.timesofisrael.com/settler-leaders-insist-industrial-zone-shooting-wont-sink-isle-of-coexistence/

パレスチナ人たちは、このテロをどうとらえているのだろうか。イスラムのイデオロギーをとれば家族も親族も滅ぶ。現実をふまえて、イデオロギーを棚に上げ、家族の平安をとるか。両方とることはできない。どちらを選択するかはパレスチナ人それぞれに委ねられている。

<石のひとりごと>

今回のテロで、ユダヤ人がパレスチナ人社会にさしだしていた手が、切り落とされたような痛みを感じる。

故アリエル初代市長のロン・ナフマン氏は、真剣にパレスチナ人とのよき隣人関係を求め続け、対話を続け、その死の直前まで、その夢を追い続けていた人だった。

世界は彼をどうとらえようが、彼は必死に近隣のパレスチナ社会の指導者たちのところに行き、話し合いをし、友人として手をさしのばしていた。取材でナフマン氏に会ったことがあるが、それは表向きの戦略だけではなかったと筆者は思っている。

世界は、西岸地区の産業パークを非難し、撤去を要求するが、では世界は何をしているのか。UNRWAで支援だけを続けて依存させているだけではないか。それならば、雇用を生み出し、働いて、誇りを持って生活の糧を得る場所を提供しているイスラエルの方がはるかにパレスチナ人にとって有益な支援を提供していたのではないか。

イスラエル、またユダヤ人は神の選民と言われる。それにあこがれ、みずからもユダヤ人になろうとするクリスチャンもいる。しかし、選民であることの厳しさは半端ではない。今回のようなテロ事件が発生するたびに実感させられる。
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戦争まで紙一重:ガザ情勢緊迫 2018.10.7

 2018-10-07
ガザ国境の情勢が緊迫してきた。5日金曜も、ガザ国境では2万人が暴動に参加。多数のタイヤを燃やしたり、イスラエル軍に手榴弾を投げるなどの暴動となった。

群集は一時、イスラエル側への侵入を試み、武装した者ら10人が、防護フェンスを破ってイスラエル側へ入ったが、イスラエル軍がこれを制止した。イスラエル空軍がガザへの空爆も行った。パレスチナ側情報によると、12歳の少年を含む3人が死亡。142人が負傷した。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/252822

これと並行して、暴徒らは、火炎物をつけた風船をイスラエル領内に向けて飛来させ、イスラエル南部の農地7箇所で火災が発生した。

6日(土)夜には、モシャブ・エイン・ハベソル付近で大規模な火災が発生。火はグリーンハウスに届きそうだったが、消し止められた。住民らは、発火直前に、ガザからの風船を見たと言っている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5364482,00.html

<ガザ情勢緊迫の背景>

今のガザ情勢緊迫の背景にあるのは以下の3点。ガザがいよいよ崩壊に向かい、ハマスに残された選択肢がイスラエルとの戦争という道だけになりつつあることが考えられる。

①エジプト仲介のハマスとイスラエルのと関節的”停戦”交渉が頓挫した。
②ガザ地区の経済が破綻する中、アメリカのUNRWA撤退で、支援が大幅に削減され、UNRWAのパレスチナ人スタッフも ガザだけで113人が解雇された。(ガザの失業率40%以上) 
③西岸地区、パレスチナ自治政府のアッバス議長が、送金の全面停止を予告した。

<アッバス議長:ハマス崩壊へ本格的に圧力>

アッバス議長は、ここ数年、ハマスとの和解を試みてきたが、いずれも不成功に終わった。アッバス議長は、和解を諦め、ガザの支配権をパレスチナ自治政府に戻すようハマスに圧力をかける政策へと方向転換したとみられる。

ガザの市民生活が崩壊すると戦争になるため、カタールが、急遽6000万ドル(約65億円)をガザ地区生活改善のために支援すると申し出た。これにより、発電状況が改善され、ガザ市民は、1日8時間電気を受け取ることになるとみこまれた。

国連とイスラエルにより、発電のための燃料が準備され、4日、ガザへの運搬が予定された。しかし、これは実現しなかった。

パレスチナ側の報道として伝えられたところによると、アッバス議長が、イスラエルのガス会社に対し、「もしカタール出資による燃料をガザへ送るなら、今後パレスチナ自治政府はガスをヨルダンから購入する。」と脅迫したという。ガザでこの燃料の運搬にあたる予定であった国連職員には、仕事に出てこないよう、脅迫したとのこと。

パレスチナ自治政府では、約2週間後に、指導者による総会が予定されており、この時に、自治政府からガザへの送金、一月9600万ドル(100億円以上)を停止するかどうかが決められることになっている。もしこれが実施されたら、ガザ地区の生活は完全に崩壊し、いよいよ戦争しかないということになる。

https://www.timesofisrael.com/pa-prevents-gaza-from-receiving-qatari-fuel-aid-increasing-danger-of-violence/

こうした中、4日、ハマス指導者のヤヒヤ・シンワル(56)は、イタリアとイギリス紙の新聞記者(イスラエル紙イディオト・アハロノトにも関係)とのインタビューに応じ、「イスラエルとの全面戦争は望まない。しかし、今の状況では、大きな戦争はさけられないだろう。」と語った。

シンワルは、すべての悪の根源はイスラエルのガザ封鎖であるから、これを解いてくれるなら、イスラエルは攻撃しないと言っている。本音としては、イスラエルとの全面戦争ではなく、なんらかの和解に持ち込みたいと考えているとも受け取れる。

実際のところ、今、ハマスとイスラエルが戦争になって笑うのは、アッバス議長である。全面戦争になれば、ガザは崩壊する。ハマスが大打撃を受けて、指導者も交代となり、最終的にはアッバス議長の手にガザが戻ってくるよいう流れである。ハマスもこれを理解していると思われる。

ところで、このインタビューに応じたシンワルは、記者がイスラエル紙にも関係していることは知らなかったと言っている。しかし、実は知っていて、このインタビューを通してイスラエルに対し、「戦争にしないよう、パレスチナ自治政府に送金を止めないよう、働きかけてほしい。」とイスラエルに訴えているのではないかとの分析もある。

なお、ヤヒヤ・シンワルは、イスラエルと通じているとされるパレスチナ人を殺害して終身刑となった。イスラエルの刑務所に22年服役したところで、ギラッド・シャリートさんとの交換で、釈放された約1000人のパレスチナ人の1人として、釈放された。それが今、ハマスの指導者である。イスラエルのことも相当よく理解していると思われる。

https://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Whats-behind-Hamass-message-to-Israel-568710

https://www.timesofisrael.com/topic/yahya-sinwar/

<死こそすべて:ガザのイスラム聖戦指導者>

一方、ガザで、ハマスのライバル組織、イスラム聖戦は、1週間前に新しい指導者ジアド・アル・ナクハラを迎えた。ナクハラは、「死が、我々と我々の子供達にとってすべてだ。降参はありえない。ガザ周辺(イスラエル南部)は、いのちにふわしい場所ではなくなった。」と、ガザ周辺のイスラエル人をのろうようなコメントを出している。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5364482,00.html

<イスラエル軍防衛体制強化:リーバーマン防衛相が最後通告?>

緊迫するガザ情勢の中4日、イスラエルのリーバーマン防衛相は、ツイッターに「ガザ国境の暴動で苦労させられたが、戦争にならずに例祭期間を終えた。しかし、今、休暇は終わった。ハマスはそれをよく心得るべきである。」と書き込んだ。

秋の例祭シーズンを終え、イスラエル軍は今やいつでも戦闘態勢に入れるということで、ハマスはそれをよく理解して、イスラエルを攻撃しないようにと言っているのである。ハマスは、「口だけだ」と一蹴したが、決して口だけではない。

イスラエル軍は、イリーバーマン防衛相の指示により、”あらゆるシナリオ”に備えての防衛体制を強化させた。ガザ国境での歩兵隊の増加、射撃手の増加や、使用する武器も一段上のレベルになっている。ガザ方面に続く4本の道路は閉鎖され、ガザ周辺は、軍関係者以外侵入禁止の軍用地域とされた。まさに戦争の準備である。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5364307,00.html

<ガザ国境周辺住民はどうしているのか>

2日、ガザ周辺、エシュコル地方のキブツ、キスフィムを取材した。このキブツは、ガザから4キロほどしか離れていない。遠くにガザ地区の建物を見ながら、ガザとキスフィムの間に広がる広大な農地で働いている。ということは、ガザからもすべてがみえているということである。

キスフィムの農地で働く労働者たちは、毎日、何時にだれがどこで働くかを軍に報告するという。取材中も、タイ人労働者が運転する大きなトラクターが通りかかった。

この地域は、ガザに近すぎるので、ミサイル発射とほぼ同時に着弾してしまう。サイレンは鳴らないし、アイアンドーム(迎撃ミサイル)にも守られていない。ガザに近いので、テロリストの侵入もありうる。そのため、ことが起こった場合に備え、それぞれのキブツに自衛団が設置されている。

有事には、近くにいる自衛団がかけつけ、軍の到着を待つ。自衛団は、火炎風船による火災にも真っ先に対処し、消防車の到着までにも消火を開始する。この時に活躍するのが、小型の消防車両である。福音派団体ICEJ(国際クリスチャンエンバシー)による献金で、こうした小型消防車両を寄贈したりしている。

遠くでときおり、大きな爆音も聞こえた。自衛団の男性によると、シナイ半島で、エジプトがISと戦っている音だという。

このように非常に危険な場所ではあるが、住民たちは、「我々はここから動かない。ガザはそれを知るべきだ。しかし、ガザがなくなることもない。なんらかの解決をみつけなければならない。」と語った。

ガザは地中海に面するビーチである。本来なら、多くの観光客を迎えるような楽園になれる場所である。

かつては、ガザ地区にユダヤ人も住み、パレスチナ人労働者とともに豊かな農園を運営していた時代があった。ユダヤ人もガザのビーチで楽しんでいた時代があったのである。そのガザを破壊したのは、ハマスである。
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東エルサレムのUNRWAを閉鎖へ:バルカット市長 2018.10.7

 2018-10-07
アメリカが9月、UNRWAから完全に撤退したことを受けて、エルサレムのバルカット市長が4日、東エルサレムのUNRWA施設を閉鎖して、エルサレム市による福祉、医療、教育に移行する計画を準備したことを明らかにした。

現在エルサレムの総人口約90万人のうち30%を超える34万人がアラブ人。この中で、UNRWAによる学校で学ぶ生徒は1800人。今学期末で閉鎖となるとのことだが、その後、生徒たちがどうなるなどの具体的な計画はまだ明らかにされていない。

バルカット市長は、アメリカがUNRWAから撤退したことで、計画を前進させることにしたことを認めている。

バルカット市長によると、これまで、UNRWAはイスラエルの定めた免許なしに学校やクリニックを運営していたという。これまで、イスラエル市という権威の中で別の権威がある状態であったとして、”パレスチナ難民”という不条理を解決する時が来たと語る。

なおバルカット市長は、今月末で市長職を辞任。国政へと移行する。UNRWAの閉鎖は市長としての最後の仕事になるとみられる。

<UNRWAの問題点>

UNRWA(パレスチナ難民救済事業機関)は、イスラエルが独立したことによって行き場をなくしたアラブ人を対象に1949年に設立された。以来70年。今も支援を続けている。

最初に支援対象とされたアラブ人(のちにパレスチナ人と自称)は、70−80万人だったが、その子孫も難民として登録されたため、今では500万人が支援を受けている。居住地も、西岸地区、ガザ地区に限らず、ヨルダンやレバノンにいるパレスチナ人も支援の対象とされる。

これは、UNRWAの活動は、イスラエルの”占領”が終わるまで継続するという考え方が基盤になっているからだが、明らかに当初の目的からはずれていることになる。

さらに、社会活動の陰でハマスなど過激派との癒着がすすみ、UNRWAへの支援金の一部がテロ資金になっていることが問題となっていた。

アメリカは、UNRWAの運営資金の3分の1にあたる年間11億ドルを負担していた。海外支援の見直しをすすめているトランプ大統領は、「UNRWAは、パレスチナ人の自立ではなく依存させている。テロ組織との癒着で平和にも貢献していない。」として、今年9月、完全に拠出金を差し止めた。

UNRWAは今、学校やクリニックの閉鎖など活動の削減を余儀なくされている。また現地パレスチナ人スタッフ(西岸地区154人、ガザ地区113人)が解雇され、職を失った。

この影響を最も大きく受けるのが人口200万人のうち130万人がUNRWAの支援を受けているガザ地区である。

ガザ地区では、こうした厳しい削減に反発したパレスチナ人がUNRWA事務所に詰め寄り、脅迫もあったため、UNRWAは急遽、職員ほとんどにあたる10人をイスラエルへ避難させた。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5361615,00.html

<パレスチナ人かつイスラエル人の言い分:Nas Daily>

少々、話はずれるが、「パレスチナ人」がだれかという問題。パレスチナ人は、西岸地区や、ガザ地区だけでなく、イスラエル国内にもいる。一般的に、アラブ系イスラエル人と呼ばれている人々である。

この人々は、自分はパレスチナ人でありイスラエル人と考えている。イスラエルで自立した生活をしているので、UNRWAのお世話になっている人は一人もいない。

その一人が、世界を旅行しながら、フェイスブックに1分間のビデオクリップ"Nas Daily"を投稿し、大ブレイクしているヌセイル・ヤシンさん(26)である。最新のフォロワーは900万人に届きそうになっている。

ヤシンさんは、カナダ在住だが、ガリラヤ地方の出身。メディアのイメージと違って、イスラエルでは、一般のユダヤ人とパレスチナ人は敵対していないと訴えている。一方で、互いの間に、盲目的に作り上げられたイメージがあり、平和を妨害していることもまた訴えている。

ヤシンさんは、イスラエル、パレスチナの問題は白黒はっきりしたものではないので、どちらか一方にのみ味方するのが間違いだと訴えている。

パレスチナ問題だけでなく、様々な情報も楽しく発信するヤシンさんの作品を見れば、パレスチナ人のイメージも変わる!?

https://nasdaily.com/videos
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独メルケル首相イスラエル訪問:ホロコーストは人類未曾有の”犯罪” 2018.10.7

 2018-10-07
3日、ドイツのメルケル首相がイスラエルと2日間訪問。ネタニヤフ首相と会談し、イラン問題、パレスチナ問題と特にイスラエルが計画中のベドウィン村強制撤去など、意見が対立する問題について話しあった。

同時に、ビジネスマンらも同行させ、テクノロジーでの協力など、ホロコーストを乗り越えての両国の関係強化を図る訪問でもあった。戦後、ドイツは、イスラエルにとっては最大の友好国である。

その前に、メルケル首相は、ヤド・バシェム、ホロコースト記念館を訪問し、記憶のホールで献花を行った。メルケル首相がヤド・バシェムを訪問するのは3回目になる。

最後の記帳では、以下のメッセージが書き込まれ、注目された。

「80年前の11月。ドイツのユダヤ人は、クリスタルナハトで未曾有の憎しみと暴力を経験した。その後に来るホロコーストは文明市場比べものにならないような犯罪であった。ドイツには、この犯罪を永遠に覚え、反ユダヤ主義と戦い、移民排斥他あらゆる憎しみと戦う責任をおっている。」

*クリスタルナハト

1938年11月9日にドイツで発生したユダヤ人に対する暴動。シナゴグやユダヤ人焦点が襲われ、ガラスが破壊されて破片が月明かりに輝いていたことからこの名がつけられた。ホロコーストが始まっていく分岐点とされる。

<石のひとりごと>

ドイツは、すさまじい犯罪とその結果、負わなければならなかった戦後の国の完全な崩壊から、みごとに立ち上がった。経済的にも祝福され、今やヨーロッパのリーダーである。

イスラエルのユダヤ人に限るが、ドイツはおおむね悔い改めたというのが、イスラエルでは一般的な見方のようで、ドイツへの感情的な憎しみは感じられない。多くのイスラエル人はドイツに旅行し、ビジネスでの関係も非常に深い。

この背景にあるのは、ドイツが、国として戦争中の犯罪を明確に認め、ユダヤ人とその国イスラエルに膨大な補償を、延々と今も続けていること。またその責任は終わることなく、「永遠」に続くと言い切る姿であろう。

これが言えたからこそ、過去の罪から解放され、犠牲者と加害者の間に新しい関係が構築できたのである。その関係は、加害者側が、被害者の下になり、謝り続ける姿ではない。対等に立って意見の違いも論じ会える信頼関係の回復を意味する。

そういう意味ではナチスドイツの罪が、誰の目にも明らかであったことは、ドイツにとっては、不幸中の幸いであったかもしれない。

ドイツの姿からは福音の原則を考えさせられる。神の前に自分の罪を認め、その責任は永遠に続くと認めることがまず前提となり、神との関係が回復が始まる。

問題は、罪を認めた後、その補償をどうやって支払うのかということ。その額は計り知れなく、自分で支払うことは不可能である。福音(ゴスペル)とは、キリストが、十字架でその補償、罰の支払いを私たちの代わりに負ってくださったということである。

これを信じ、受け取る時、神との関係が回復する。これは具体的にいえば、死んで神の前に出た時の心配がなくなるということを意味しており、聖書ではこれを「救い」と言っている。

これはまた神の前に、犯罪者として小さくなって歩むことではなく、神との愛に基づく信頼関係に戻ることを意味する。

福音は死んでからの話だけではない。過去の罪から解放されるとき、残りの人生、本来の使命を果たし、祝福の道を歩むことになる。多少言い過ぎかもだが、この原則は、イスラエルとドイツの関係を見る時にも少し理解できるように思う。
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