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ガザ情勢:25時間後に停戦へ 2018.11.15

 2018-11-15
12日16:30に始まったガザとの戦闘は、約25時間後に停戦となった。この間、イスラエルへ発射されたロケット弾は約500発。このうち、アイアンドームが迎撃したのは約100発だった。

残り約400発のうち、多くは空き地に着弾したが、アシュケロン、ネティボット、スデロットでは、民間住宅に着弾して大きな被害が出た。これにより、1人が死亡。27人が負傷した。

これに対し、イスラエル軍は、ハマス関連軍事施設などへの激しい空爆を行った。予備役兵の徴集は行われていなかったが、ガザとの国境周辺には、増強された陸上・戦車部隊が待機。迎撃ミサイルの数も増やしていたことから、大規模な攻撃もありうると緊張が高まった。

こうした中、13日午後、アラブ系メディアが、エジプトと国連の仲介で、ハマスとイスラエルが”停戦”に合意したと伝えてきた。この時点ではイスラエルはこれを否定。

この日、7時間に及ぶ治安閣議を行っていたイスラエル政府は、イスラエル軍に対し、内容は明らかにしない形で「作戦継続」の指示を出した。しかし、夕方になり、南部住民には、通常に戻るようにとの指示。後にイスラエルも停戦に合意したことを認めた。

ネタニヤフ首相は、「ハマスは停戦を懇願してきた。」と語っている。イスラエルが本気になれば、ガザへの絨毯攻撃も不可能ではないことから、ハマスに、イスラエルの本気を見せ、戦わずして屈服させる手を使ったとも考えられる。ネタニヤフ首相は、以前にもこの手を使って大規模攻撃を直前でキャンセルしたことがある。

一方、ハマスは、ネタニヤフ首相のコメントとは違い、”シオニスト(イスラエル)”が平穏を守らないなら、ベエルシェバやもっと拡大した地域にまで攻撃範囲を広げると脅迫していた。停戦が成立した後は、いつもの「勝利宣言」を行っている。

https://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Escalation-enters-second-day-as-rocket-sirens-sound-across-southern-Israel-571789

<イスラエル国内の被害状況>

12日、戦闘がはじまってまもないころ、アシュケロンでは、大型バスにガザからの戦車砲が直撃し、バスは炎上して大破した。この時、イスラエル兵1人が重傷を負った。しかし、砲撃はイスラエル兵の一団が、このバスから降りた直後であったため、間一髪で大惨事をまぬかれた。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/254681

その後、アシュケロン、ネティボット、スデロットではアパートや家屋に、ロケット弾が着弾し、建物に大きな被害が出た。

現地報道によると、ロケット弾が屋根から飛び込み、小さな金属片が飛び散って、家の中が灰色で穴だらけとなった建物や、爆風で家の中がめちゃくちゃになった部屋。血まみれの床や、負傷しながらも逃げようとしたのか血まみれになったドアノブなどが報じられている。

https://www.timesofisrael.com/rockets-mortars-from-gaza-continue-despite-reports-of-330-p-m-ceasefire

アシュケロンでは13日、直撃を受けたアパートの中で、パレスチナ人男性1人が死亡。女性1人が重症。2人は、爆風でがれきとなった家屋から消防士が救出したのだが、男性の遺体を掘り出すのに1時間かかったという。攻撃を受けた他の町も含め負傷者は計27人。ショックや軽傷で病院に搬送された人々も多数いる。

<唯一の犠牲者はパレスチナ人>

今回、これほどのロケット弾攻撃を受けて、死者が1人だったというのは奇跡であったといえる。その1人は、皮肉なことにヘブロン出身のパレスチナ人だった。

犠牲となったのは、合法的な労働許可の下、アシュケロンで働いていたマフムード・アブ・アスバさん(48)。マフムードさんは、6人の子供(最年少は4歳)の父親で、ガザ情勢の悪化から、この朝、ヘブロンへ帰宅すると家族に伝えていたという。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5400646,00.html

<イスラエル軍:人は殺さず施設のみへの攻撃>

昨日からの攻撃を受け、イスラエル軍はガザ内部への空爆を実施した。攻撃対象は、地下トンネル、武器庫などの他、プロパガンダを流していたとみられるガザのテレビ局など。7階建ビルを完全に破壊するような激しい空爆を160箇所に対して行ったと伝えらえている。

しかし、今の所、ガザから犠牲者が出たという報道はないので、攻撃の前に周辺住民に避難を促してから攻撃するという、”人は殺さず、施設のみ破壊する”という方針を貫いたとみられる。

<ハマスは武力でたたくしかない!?:割れるイスラエル世論>

ハマスとこうした短期の武力衝突は、今にはじまったことではなく、何度も同じことが繰り返されている。今回も徹底的にハマスを打倒しない道を再び選んだことに、閣僚からも疑問の声があがっている。

特に今回は、ハマスにカタールの資金が入った直後の出来事であったことから、ハマスにはアメを与えても全く無駄だという意見も少なくない。相当な被害を受けた南部住民も数百人が、徹底的なハマスつぶしを今回も行わない政府に対して怒りを爆発させ、国境でタイヤを燃やすなどのデモを行った。

その一方で、テルアビブやハイファなどでは、逆にガザとの国境を閉じていることが争いの元だと訴え、国境を開くよう訴えるデモが予定されているという。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/254689

<石のひとりごと>

ハマスとの付き合いは本当に難しい。自分から攻撃をしておいて、堂々と停戦を申し出てくる。実際のところ、これは停戦ではなく、休憩にすぎない。次回の攻撃は、たんに時間の問題である。実際のところ、このような相手に、アメを用いることが有益とは考え難い。

とはいえ、イスラエルが、圧倒的な武力でもってガザへの総攻撃を行えば、自国民にも犠牲が出るし、戦闘の後、その後始末をさせられることもまったく部が悪い。ガザ市民を犠牲にすることで、さらなる憎しみをかう上、命を最も価値あるものとするユダヤ教の性質上、イスラエル自らも罪責に苦しまねばならない。

さらに、ガザの駐留を余儀なくされ、その復興に大金を使わされることも目にみえている。総攻撃をしても、ろくなことはまったくない。

しかしながら、ひっきりなしになり続けるサイレンの音は、まったくもって耐え難い。夜中に叩き起こされ、シェルターに走る。子供たちの多くはPTSDに苦しんでいる。いいかげんにハマスを一掃してほしいと訴える南部住民の政府への不満は十分理解できる。同時に政府が大規模にガザを一掃しない、できないことも理解できるのである。

「主よ。いつまでですか。」という聖書のことばが聞こえてきそうである。
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リーバーマン防衛相辞任:政府のガザ対応に合意できず 2018.11.15

 2018-11-15
リーバーマン防衛相が14日、記者会見を開き、今回のガザとの停戦は、テロへの降伏だったとして防衛相を辞任すると表明した。

リーバーマン防衛相は、短期的な視野での停戦は、長期的には敗北につながると主張する。これだけでなく、イスラエルが、カタールの「資金と燃料をガザへ搬入させたことなども含め、ここ数ヶ月の間、ネタニヤフ首相との間に不一致があったことを認めた。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5401885,00.html

<早期国会解散・総選挙の可能性!?>

リーバーマン防衛相の辞任は、48時間後に実効となり、そこからはネタニヤフ首相が兼任することになる。しかし、ネタニヤフ首相は、現在、外務相も兼任しており、防衛相まで兼任することは、少々難しいと思われる。

そこで浮上してきたのが、現在、教育相で、右派ユダヤの家党党首のナフタリ・ベネット氏。ベネット氏は、過去5年間、治安閣議のメンバーだったこともあり、リーバーマン氏辞任の後、防衛相を引き継ぐことを要望している。

もしそれが受け入れられないならば、ユダヤの家党は、現在の連立政権から離脱すると言っている。もし、ユダヤの家党が離脱すると、ネタニヤフ政権の議席は61と過半数を大きくわりこことになり、早期解散、総選挙になる可能性が出てくる。*任期満了総選挙の場合は、2019年11月

一方で、ネタニヤフ首相のリクード党所属の閣僚で、防衛相のポジションを引き継ぐことを希望している閣僚もいる。ネタニヤフ首相の政治的な地位は安定しているとみられ、今総選挙になっても、有利な結果を得られるとの見方もある。

エルサレムポストによると、野党勢は、総選挙の可能性がスタートしたととらえ、動き出しているとのことである。

いずれにしても、ネタニヤフ首相に、また一つ大きな問題がのしかかったことになる。

https://www.jpost.com/Israel-News/Bennett-threatens-to-leave-coalition-if-not-made-defense-minister-571900
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エルサレムにモシェ・リヨン新市長 2018.11.15

 2018-11-15
エルサレムでは、先の選挙で上位2位に残ったモシェ・リヨン氏、オフィル・ベルコビッチ氏による決選投票が行われた。結果、リヨン氏が、ベルコビッチ氏より、6526票(3%)多く得票して、次期エルサレム市長に決まった。

エルサレム以外で決選投票を行った市もあったが、ベテラン市長から若手新人になった市も多かった。

ラナナでは、ゲイであることを表明していた前市長が、新人ハイム・ブロイデ氏に敗北。ラマット・ガンでは、元ユネスコのイスラエル代表カーメル・シャマーハコヘン氏が当選した。キリアット・シモナでは、アビハイ・スターン氏(32)が当選。

マアロットでは、42年も市長であったシュロモ・ボフボト氏が、アルカディ・ポメランツ氏に敗北した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5401486,00.html
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緊急!ガザ情勢急速に悪化中:南部にロケット弾の雨 2018.11.13

 2018-11-13
12日夕刻(日本時間13日深夜ごろ)から、ガザからイスラエル南部にロケット弾が降りそそぎ、ハマスとイスラエルが戦闘状態になっている。このままイスラエル軍が、ガザへの大規模な攻撃に入る可能性もあり、ガザ情勢は急速に悪化しつつある。ことの流れは以下のとおりである。

ガザでは、エジプトの仲介により、ハマスとイスラエルの間になんらかの関節的合意が成立したと伝えられ、金曜のガザ国境での暴動も一応の沈静化を見せていた。

また、合意に基づき、先週8日(木)には、カタールからの資金1500万ドル(約20億円:スーツケース3つに入った札束)と燃料が、イスラエルの国境からガザに搬入された。とりあえず、ガザの市民生活改善をはかり、長期的には、エジプトとイスラエルの国境閉鎖を緩和していくという流れであった。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5398709,00.html

CNNによると、カタールの出資金は、長期間未払いになっていたガザの公務員の給与として支払われたとのことで、ガザからは、とキャッシュを並んでいるガザ公務員の群衆の様子が伝えられた。カタールからの資金は、9日、10日と48時間以内にすべて、市民らに支払われたもようである。

https://edition.cnn.com/2018/11/11/middleeast/gaza-qatar-humanitarian-intl/index.html

ところが、その一方で9日金曜には、再び暴動と国境破りが発生。12日(月)には、ガザ領内での極秘の作戦を行っていたイスラエル軍部隊が、パレスチナ人にみつかって、交戦状態になった。この時、双方の司令官が死亡したのだが、その後、ガザからはロケット弾が断続的にイスラエル南部に撃ち込まれ、バスや家屋にも着弾して市民に重傷者も出ている。

急速に悪化するガザ情勢は以下のとおり。なお、現在も進行中のニュースであるため、今後も注目し、一刻も早い沈静化を祈っていただければと思う。

<ガザ内部で交戦:イスラエル軍少佐1人死亡>

9日(金)、国境で12000人のパレスチナ人がデモを行う中、1人がガザからイスラエル領内500メートル入ったホフ・アシュケロン地域のモシャブに侵入。グリーンハウスに放火する事件が発生した。これを受けて、南部住民たちが、ガザへ燃料や食料などを搬入するトラックの列を妨害するデモを行った。

住民たちは、パレスチナ人が家屋からわずか数十メートルのグリーンハウスにまで侵入できたことに怒りと不安を訴えている。この日のパレスチナ人による国境のデモでは、イスラエル軍に爆発物を投げつけたため、催涙弾で対応。パレスチナ人1人が死亡。37人が負傷した。

https://www.timesofisrael.com/southern-residents-block-gaza-cargo-crossing-in-protest-of-violence/

続いて12日(月)夕刻、イスラエル南部ガザ地区周辺地域で、ミサイルの警報が連続して鳴り響いた。飛来したミサイルは17発。このうち、3発はアイアンドームが迎撃した。被害は報告されていない。

ミサイルが飛来していたころ、ガザ北部カン・ユニス(国境から3キロ内部)では、極秘に任務を遂行中であったイスラエル軍の特殊部隊が、パレスチナ人にみつかり、交戦状態となっていた。

この戦闘で、ハマス関係者7人が死亡。イスラエル軍では、”メム”少佐(41)が死亡。兵士1人が負傷した。この後、イスラエル空軍が空爆を行いつつ部隊を救出・負傷した兵士は病院に搬送され、容体は落ち着いているとのこと。*メム少佐の本名は、任務の性質上か、極秘のままにされている・

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5397926,00.html

この時の空爆で、ハマス戦闘員6人が死亡した。ハマスは、特殊部隊が、ハマスのカッサム部隊司令官ノウル・バラカの暗殺に来ていたと主張している。イスラエル軍は、これを否定。軍の報道官は、「暗殺や誘拐ではなく、情報収集が目的だった。」と述べている。

死亡した少佐については、名前は公開されていないが、2人の子供の父親だったという。このランクの司令官が戦死するのは2014年のガザとの戦争以来であった。月曜に行われたメム少佐の葬儀には、リブリン大統領他、大勢が参列した。

一方、ハマスも、その指導者イシュマエル・ハニエが出席し、ガザ地区で死亡した7人の葬儀を行った。葬儀では、数千人の群衆が復讐を叫んでいたという。

https://www.timesofisrael.com/lawmakers-offer-condolences-after-courageous-idf-officer-killed-in-gaza/

ネタニヤフ首相は、第一次世界大戦の終戦100周年でパリを訪問中であったが、急遽帰国した。

<ガザからのロケット弾でイスラエル人重症:スデロット>

12日の日中、ガザとの国境を走っていたバスが銃撃を受けた。これにより、男性(19)が重症。運転手もショックで病院に搬送されたもよう。*負傷の経過についてはメディアによってまだ混乱がみられる。

午後5時前(日本時間0時前)以降、午後7時現在で、まだイスラエル南部からシュケロンまでアラームが断続的に続いている。すでに200発以上がイスラエルに向けて発射され、1発は、スデロットの家屋を直撃。さらにスデロットでは、ガス管が破裂して火災が発生している。

また破片などで数人が負傷しているもよう。こうした事態を受けて、イスラエル空軍が、ガザのハマスを攻撃している。

https://www.jpost.com/Israel-News/More-than-50-rockets-fired-from-Gaza-to-Israel-571687

なお、12日(月)、ガザ周辺地域の学校は閉校とされ、市民はシェルターの近くで待機するよう指示されていた。現在、スデロットはじめ南部住民は、シェルターに入っている。ネタニヤフ首相は緊急治安閣議を行っている。

https://www.jpost.com/Israel-News/More-than-50-rockets-fired-from-Gaza-to-Israel-571687

<石のひとりごと:どっちがはじめたか>

戦争は、いつでもはじまりうるのがガザ情勢だが、今回、ハマスは、イスラエルが、先にガザ内部で作戦を行っていたことが原因だと怒り狂っている。しかし、イスラエル軍関係者によると、こうした極秘の情報収集作戦は、これまでからも行われていたのであり、今回が初めてではないという。

同じような状況で始まったのが、第二インティファーダであった。当時、アリエル・シャロン氏が神殿の丘の丘に入ったことが原因だとして、パレスチナ人はバスなどへの自爆テロを繰り返した。確かにタイミングは悪かったが、同氏が神殿の丘に上がるのはその時が初めてではなかったと聞いている。

今回も、パレスチナ人たちが、怒りを正当化し、イスラエル国内での怒りで恐ろしいテロを行うことのないようにと祈るばかりである。

しかし、その前にパレスチナ人が、イスラエルに侵入して、グリーンハウスに放火し、イスラエル人農家の長年の努力のすべてを奪ったということについては、どう考えているのだろうか。

また、ハマスは、エジプトの必死の仲介によってカタールから膨大な資金をもらい、それをイスラエルから搬入してもらったばかりなのであるが、それに対する感謝などは、まったくゼロということのようである。

被害をうけまくっている南部住民を納得させるためにも、この先、イスラエルができることとしたら、いよいよハマスの一掃しか残らない感じではあるが、そうなると、ハマスではない一般のガザ市民たちが多数犠牲になることはさけられない。イスラエルの指導者は今、大きな決断にせまられている。
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米イラン経済制裁再開:ネタニヤフ首相歓迎表明 2018.11.05

 2018-11-05
11月5日、アメリカのイランへの経済制裁が全面的に再開される。この中には原油の取引も含まれており、イラン経済に決定的な打撃を与えるとみられる。しかし、アメリカがこの方針を発表して以来、イランから手を引く会社が続出しており、イラン経済への打撃はすでに始まっていた。

アメリカは、経済制裁を全面再開する際には、日本はじめ8カ国(中国、インド、韓国、トルコなど)にもイランとの取引を全面的に停止するよう要請していたが、4日、これを180日まで延期することを容認すると発表した。しかし、180日(6ヶ月)以降の猶予はないとしている。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181104-00050053-yom-bus_all

関係国の制裁を半年延長するというのは、これから冬で最も石油を必要とする時なので、アメリカが配慮したのかもしれない・・・とは考えすぎかもしれないが、これから冬に突入する日本は特にイランの石油を必要としているところである。(輸入先としてはサウジ、UAEに続いてイランは3番目)

これについて、トランプ大統領は、イランの原油分についてはサウジアラビアがカバーするので問題ないと言っている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5389278,00.html

<ネタニヤフ首相がアメリカの制裁再開を歓迎>

世界では、イランへの経済制裁に懸念もある中、イスラエルのネタニヤフ首相は、制裁再開を全面的に歓迎するとするビデオメッセージを発表した。

https://www.timesofisrael.com/pm-praises-trump-for-iran-sanctions-renewal-were-already-seeing-results/

アメリカのイランへの経済制裁のねらいは、イラン市民による現イスラム政権の転覆である。しかし、イランでは、逆に反米感情が高まっており、4日には、アメリカ大使館前に数千人が集まって、「アメリカに死を」「イスラエルに死を」と群衆が叫ぶ様子が報じられた。この日は、1979年のアメリカ大使館占拠を記念する日でもあった。

https://www.timesofisrael.com/iranians-chant-death-to-israel-on-anniversary-of-us-embassy-takeover/

<あぶなっかしいトランプ政権>

1)中間選挙の結果次第で失脚もありうる

微妙なのは、これと同時期にアメリカで中間選挙があることである。6日の中間選挙で、トランプ大統領が勝利すれば、トランプ大統領の次期就任も確実な見通しとなり、イランへの態度も強化できるし、世界でのアメリカの態度は今より大きくなるだろう。

しかし、その逆であれば、トランプ大統領の議会での求心力が弱体化し、イラン政策についても混乱が始まるだろう。ならば、イランは、アメリカの制裁に同意しいないロシア、中国、EUなどとの取引を続けて、トランプ大統領の失脚までなんとか頑張れば良い。国々もイランとの取引を再開させるかもしれない。

*わかりやすいNHKの中間選挙解説: https://www3.nhk.or.jp/news/special/us_election_2018/

2)対イラン制裁のかなめとなるサウジアラビアの失脚もうすいながらもなきにしもあらず

中間占拠の結果以前に、サウジアラビアのカショギ「記者殺害に関するモハンマド・ビン・サルマン皇太子スキャンダルもアメリカには痛い要因だ。この件に関しては、まだカショギ記者の遺体がみつかっておらず、おそらくは、ばらばらに切断した上、酸性物質で遺体を溶解抹消した可能性が高いとされる。

サウジアラビアは、イエメンでイランと戦争中で、市民たちが飢餓に苦しむ中、批判が高まっている。おそらくはアメリカが丸め込むと思われるが、もし、サウジアラビアが失脚するようなことになれば、アメリカの対イラン政策は、大きな打撃を受ける。

3)中央アメリカ難民への対処次第で批判が高まる可能性

また、中央アメリカからアメリカの国境を目指して歩いている難民たちがいる。10月中旬、ホンデュラスからアメリカへの移住を目指して、百人ほどがメキシコとの国境を目指して歩き始めたのだが、途中のグアテマラなどからも人々が加わり、今では7000人以上に膨れ上がっている。

https://www.fnn.jp/posts/00379530HDK

トランプ大統領は、国境に警備隊を派遣し、これを徹底的に阻止する構えである。これは難民受け入れを阻止しようとするトランプ大統領に追い風になるとの見方もあるが、逆にもし難民に警備員が事故的にでも発砲するようなことになれば、トランプ大統領への批判は倍増するだろう。

このように様々なことがおこり、どちらにどうころぶのか、先行きが見えない中で、アメリカの中間選挙が行なわれているのである。

<石のひとりごと:イスラエルを支持するのは曲者ばかり?終末の匂い>

トランプ大統領は、これまでの国際社会の常識には逆らうことばかりをしている大統領である。その中でも最も大きな反逆がイスラエル支持であろう。トランプ大統領の登場以降、アメリカに従って、イスラエルを支持すると公に言う国々が現れてきてはいるが、どうも国際社会では曲者感の多い国々ばかりのようである。

9月にイスラエルを訪問したフィリピンのディトルテ大統領は、容赦せず麻薬関係者を次々に処刑していることで、国際社会からはひんしゅくをかっている。自分をヒトラーにもたとえて大ひんしゅくであった。イスラエルではこの大統領を受け入れるかどうかがすでに論議になっていた。

しかし、国連においては、フィリピンはイスラエルにフレンドリーな国の一つ。エルサレムへの大使館移動の可能性もうすいながらもある国である。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5339053,00.html

先週ブラジルで当選したヤイール・ボルソナロ大統領(63)は、大統領自身が福音派クリスチャンで、かなりの親イスラエル。ブラジルの大使館をエルサレムへ移動させることを公約に掲げている。来年1月の大統領就任式には、ネタニヤフ首相が参加するといった情報もある。

しかし、ボルソナロ大統領は、極右と目される人物でもある。

https://www.bbc.com/news/topics/cdr1vzk8ngvt/jair-bolsonaro&link_location=live-reporting-story

福音派クリスチャンといえば、福音派クリスチャンで神学者、国際政治関連で影響力のあるヨエル・ローゼンバーグ氏は、積極的にイスラエル支持を表明し、福音は代表団を率いてエジプトのシシ大統領に会った他、先週には、アブダビのザイード国王に会った後、サウジのモハンマド・ビン・サルマン皇太子にも面会した。

福音派の動きが、ここまで大きくなり表面化することは、トランプ大統領が出てくるまではありえなかったことだった。オバマ政権下でのアメリカは、ゲイや中絶を認めるといったポリコレ(ポリティカル・コレクト政治的な正しさ)の流れが主流であったため、福音派は宣教の自由を失いかけた。それがトランプ大統領の出現で、逆転したというのが今である。

イスラエルとしては、こうした味方たちが増えてくるのはありがたいことである。しかし、これに警戒感を持つ意見も少なくない。イスラエル支持を表明する国々や団体が、国際社会ではやはり、常識破りである場合が多いからである。

彼らへの評価がそのままイスラエルの評価になることと、最近のイスラエル支持表明の指導者たちは新参で、いつ失脚するかもわからないというあやうさもある。もし彼らの次に出てくる指導者が、同じ路線でない場合、反動でイスラエルの立場は、以前よりいっそう困難なものになるだろう。

アメリカでは今、福音派が勢いづいているが、中間選挙で共和党が破れ、トランプ大統領が弱体化することになれば、またポリコレが復活し、イスラエルとユダヤ人、福音派バッシングへと豹変する可能性もなきにしもあらずである。そうなれば、終末時代の聖書の神に従う者たちにとっての艱難時代の図式に近づいていくことになるのかもしれない。

もう一つ、注目される点は、アメリカの全面制裁に対し、イランは、ロシア、中国、ヨーロッパ(イスラム化進む)との取引で、なんとか何を逃れようとしている点。

前から指摘されていることではあるが、アメリカ、イスラエルという聖書価値観組と、それ以外組の対決という、終末論的図式にさらに近づいていくともみえなくもない。さらにもしアメリカでトランプ大統領が失脚し、ポリコレに制圧されてしまった場合、イスラエルは孤立する流れである。

国粋主義が世界中に蔓延し始めている中、トランプ大統領が失脚することはなさそうではあるが、何が起こるのかわからないというのが最近の国際情勢である。

イランは、アメリカの全面的な経済制裁にどう出てくるのか、イランと取引する8カ国はどう出てくるのか、世界市場はどう反応するのか、そして中間選挙でアメリカがどうなっていくのか、ニュースから目を離せない死1週間になりそうである。
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ガザ情勢:ハマスとの合意進行中? 2018.11.05

 2018-11-05
緊張が高まっていたガザ情勢だが、地元メディアが伝えているところによると、エジプトと国連の仲介で、ハマスとイスラエルの間に、長期停戦への動きが本格化しているもようである。

毎週金曜恒例になっているガザ国境での「帰還への行進」デモ(暴動)は、先週の金曜、4箇所数百人にとどまり、これまでで最も静かな金曜であった。

<エジプトのシシ大統領とアッバス議長会談>

エジプトと国連の仲介でハマスとイスラエルの間でなんらかの合意に至ることを快く思わないのが、アッバス議長であった。アッバス議長は、国際社会では”パレスチナ人代表”であるのに、この交渉については、蚊帳の外だったからである。

アッバス議長は、ガザ地区への送金を全て差し止めると脅迫することでハマスを追い詰め、イスラエルへの暴動を激化させて、エジプトの仲介への試みを妨害しようとしていた。これを鑑みてかどうか、3日(土)、エジプトのシシ大統領は、シナイ半島でアッバス議長と会談を行った。

その後、ハマスとの関連で知られるレバノンの新聞が伝えたところによると、ガザについて、今後3年の間に達成する目標が決められ、それが達成した場合に次の段階にいくということで、ハマスとイスラエルの間に合意が進んだもようである。その項目はまとめると以下の通りとなる。

①ハマスは、「帰還への行進」暴動を沈静化させる。平和的なデモは今年末まで継続する。

②イスラエルは、2検問所からの物資搬入を70%まで回復させる。

③国連がガザでインフラ整備を企画し、3万人の就業を実現する

④エジプトがラファの国境を開放する

⑤ガザの漁業海域を14マイルまで拡大する

⑥パレスチナ自治政府は、公職者の給与への支払いを80%にまで戻す(出資はカタール)

ロシアと国連がこれらを監視し、3年間これらが継続するなら、ハマスとイスラエルの間で、捕虜交換を行う。

https://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Abbas-Sisi-meet-as-Gaza-deal-in-the-works-571013

実施されるかどうかは別として、とりあえず、ハマスとイスラム聖戦は、先週金曜の暴動を沈静化させている。

<ガザへのアメ作戦は効果的か>

WHOの報告によると、ガザの電力は1日3−4時間、水道の95%はもはや食用に不向きで、下水は未処理のまま、ガザの通りや海に垂れ流し。病院は機能しておらず、学校もほぼ機能していない。若者の失業率は60%にのぼる。

こうした中で、イスラエルが軍事力を使ってガザを攻撃することが逆効果になることは目に見えている。

しかし、ミサイルを撃ち込まれ、火炎風船で田畑を焼かれ、地下トンネルを掘り続けて、イスラエル南部住民が継続して被害を受け続ける中で、その相手の生活改善をし続けることは、決して容易いことではない。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5387104,00.html

実際、イスラエル南部のティーンエイジャーたちが、ガザへの反撃を行わない政府に抗議するため、日曜、エルサレムまでの90キロを歩くマーチを始めた。デモ隊は木曜にエルサレムに到着するみこみ。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5388587,00.html
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全国市長選挙:エルサレムは13日決選投票へ 2018.11.05

 2018-11-05
10月31日、イスラエル全国で市長選挙が行われた。エルサレムでは、バルカット前市長が、2期10年間の任期を終え、国政へ移行することになったため、新しい市長を選ぶ選挙となった。

結果、ネタニヤフ首相が後押ししたゼエブ・エルキン氏の票が伸び悩み、トップは、モシェ・リヨン氏(57)が8万票(33%)、次にオフィル・バルコビッチ氏(35)が、7万票(29%)となった。

単独で投票率40%を獲得した候補者がいなかったため、エルサレムでは、11月13日、上位二者、リヨン氏とバルコビッチ氏で決選投票が行われる。

リヨン氏は、前回2013年の決選投票で、バルカット氏に敗北した経験を持つ。リヨン氏が敗北したのは、バルカット氏(世俗派)が、超正統派の宗派のひとつ、グルの指導者を説き伏せ、本来なら正統派のリヨン氏に投票するよう指示するべきところ、信者たちに好きなように投票させたことが原因だったとみられている。

https://www.timesofisrael.com/in-lion-berkovitch-runoff-rogue-hasidic-voters-could-hold-key-to-the-capital/

リヨン氏と決選投票にのぞむバルコビッチ氏は、バルカット市長と同じ世俗派ビジネス畑の人物で、バルカット前市長の元で、4年間(2013−2017)、副市長として働いてきた。自分は、厳しい財政にあえぐエルサレム市の現状を、より把握していると主張している。

エルサレムでは、超正統派の票がどちらへ動くかで勝敗が決まると言われる。現時点では、自身も正統派のリヨン氏の方が、超正統派の支持を得ているとみられるが、どうころぶかはまだ全く不明。ネタニヤフ首相がどちらに味方するかも注目されるとことろである。

テルアビブでは、ロン・フルダイ市長が5期目の当選を果たした。

<新に女性市長2人>

今回は史上最も女性市長が増えた選挙となった。特に話題となったのは、空気汚染が問題となっているハイファで、初の女性市長にエイナット・カリシュ・ロッテム氏が当選。超正統派と世俗派が対立しているベイト・シェメシュ市でも女性市長にアリーザ・ブロシュ氏が当選した。

ブロシュ氏は、正統派だが、教育者で同市の高校校長でもある。超正統派と世俗派の間をと持つことが期待されている。

https://www.timesofisrael.com/women-cheered-for-victories-in-election-though-over-95-of-new-mayors-are-men/

また、全国で汚職事件で警察のお世話になった市長が3人再選していた。イスラエルでは、汚職事件で刑務所に入っていた人物が、出所すると同時に財務大臣になったりしている。日本ではありえないことだが、イスラエルではおそらく、皆忘れてしまうのかもしれない。。
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1週間の間に交通事故死14人:90号線 2018.11.05

 2018-11-05
<ユダヤ人一家8人全滅:エン・ボケック周辺>

10月30日(火)、死海に沿った90号線で、子供達6人と両親の一家8人全員が死亡するという悲惨な交通事故が発生した。

調べによると、対向車のジープが車線を超えてきたことによる正面衝突だったもようである。正統派ユダヤ教徒のアタルさん一家の乗ったミニバスは、衝突直後に炎上したため、全員が死亡する事故になった。

事故を起こしたジープの運転手(52)は軽傷だが、同乗していた2人で、娘は呼吸器を要するほどの重症で、もう一人も中等度の負傷となっている。警察がかけつけた際、運転手は、「見ての通りだ。俺が殺した。もう車は運転しない。」と混乱状態だったという。

調べによると、運転手は、交通違反の記録が20回以上あり、事故のあった日は、麻薬の影響下にあった。重篤な過失致死にあたるとみられ、今もベエルシェバの留置所に入れられている。

裁判所は、運転手のあまりの過失の大きさと、おそらくは本人の精神状態をかんがみて、名前は公表しないよう指示したという。

今回死亡したのは、西岸地区入植地サゴットに住む正統派のアタルさん一家で、父親のヤリブさん(45)、母親のショシさん(47)、こどもたち、ヤアコブ・イスラエルさん(12)、アテレトさん(11)、アエレットさん(9)、モリア君(7)、イェディッドちゃん(5)、アビガイルちゃん(3)

この日は、市長選挙で学校、職場などが国民の祝日となったことから、選挙を終えたイスラエル人たちの多くが死海方面などへレジャーに訪れていた。

水曜に行われた葬儀には近隣の人々数百人が列席したが、一家が全滅してしまったことをまだ把握できていないと語っている。

https://www.timesofisrael.com/hundreds-attend-funerals-of-family-of-8-killed-in-car-crash/

<パレスチナ人6人死亡>

上記の大事故からわずか数日ごの11月4日、ヨルダン渓谷西岸地区の90号線で、パレスチナ人らが乗ったバンと、大型トラックが正面衝突し、6人が死亡。5人が重症となっている。

映像をみると、トラックが対向車線に入りそうになり、それを避けようとしたバンと衝突している。トラックの運転手は警察に身柄を拘束された。

犠牲者はみなパレスチナ人で、ルフツィさん、ラアジャイさんは同じザフダ一家の兄弟。負傷したうちの4人はエルサレムのイスラエルの病院で治療を受けている。

https://www.jpost.com/Israel-News/Second-mass-casualty-car-accident-in-a-week-as-six-die-in-Jordan-Valley-571020

<石のひとりごと>

若いユダヤ人一家が、一瞬にして消えていなくなってしまった。イスラエルでは、以前にも一家全滅に近い交通事故があったと記憶している。ここまで悲惨な事故を目前にするとき、ユダヤ人を憎むサタンは、ホロコーストの時代から今もなお、健在なのかもしれない。。と思わされる。

過失致死で一家を全滅させてしまった運転手とその家族たちのこれからの苦悩もまた計り知れない。名前の公表を裁判官が差し止めるほどだから、その苦悩は、すでにあまりにも大きいのだろう。

そのわずか数日後に、パレスチナ人家族も2人の兄弟を失った。重症で、エルサレムの病院にいる人は、17歳、18歳、31歳、50歳だという。それぞれに家族があるはずである。まさに一瞬先すらわからないというのが、私たち人間である。関係者全員の上に、ただ主のあわれみがあるようにと祈る。
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嘆きの壁(女性セクション)にへび現る 2018.11.05

 2018-11-05
11月1日、エルサレムの嘆きの壁で祈っている人々の頭上に蛇が現れた。一瞬鳩が飛び立ったあとに蛇がにょろにょろと壁に沿ってはう様子が映されている。蛇は専門家によって捕獲されたが、毒性はないとのこと。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/254133

エルサレムの嘆きの壁では、7月にも保守派の祈りのセクションの壁の石(約100キロ)が突然落ちて、下で祈っていた女性がぎりぎり助かったという事件が発生している。

いずれも女性セクションであったことから、アダムとイブとの関連や、メシア到来が近いとか、イスラエルは今年建国70年、昨年エルサレム統一50年といういわば分岐点を迎えていることから、霊的に何か意味があるのではないかとの記事がネット上をとびかっていた。

https://www.timesofisrael.com/snake-emerges-from-western-wall-cracks-halting-prayers/
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