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ガザ紛争:一夜明けて 2019.3.26 7:00(日本14:00)

 2019-03-26
<イスラエル軍による反撃空爆>

25日早朝5時20分に、テルアビブ北部、モシャブ・ミシュメレットの民家にロケット弾が直撃したことを受け、訪米中のネタニヤフ首相は、「責任はハマスにある」と断定。容赦ない武力による反撃を行うと宣言した。

その後、アメリカからイスラエルの治安関係者との会議を実施。ガザ国境へ2部隊を派遣し、空軍関係を中心に予備役兵1000人の招集を開始した。ハマスとイスラエルの交渉を仲介しているエジプト政府関係者はガザから脱出した。

イスラエルが、ガザへの空爆を開始したのは、ミシュメレットへの攻撃からちょうど12時間後の26日午後17:30(日本時間夜中2時半)。ガザのハマス指導者イシュマエル・ハニエのオフィスや、イスラエル軍いわく、”ハマスの極秘基地”を含む施設を断続的に空爆した。(写真出展:ynet)

イスラエルの空爆が始まると、ガザから、イスラエル南部、ネゲブ地方ににむけてロケット弾が30発撃ち込まれ、数千人の住民が、夜中、サイレンが鳴り響く中、シェルターに駆け込むことを余儀なくされた。スデロットで、民家が被害を受けたが、人的被害はなかった。

ハマスは、「テルアビブを攻撃しようと思っているものはいない。ロケット弾は事故。悪天候による。」などと苦しい言い訳を出したが、イスラエルはとりあわず、攻撃を続けた。

https://www.timesofisrael.com/hamas-investigating-rocket-fire-official-cites-bad-weather-as-possible-cause/

空爆開始から約5時間後の午後10時ごろ、パレスチナメディアが、「ハマスがエジプトの仲介で停戦に応じた」と伝えた。しかし、この時点では、双方とも攻撃は停止しなかった。

https://www.timesofisrael.com/tense-calm-in-gaza-periphery-after-night-of-rocket-barrages-idf-strikes/

結局、双方とも攻撃をやめ、静かになったのは、朝3時15分ごろ(日本時間朝10時すぎ)からで、現在朝7時(日本時間14時)、とりあえず、平穏が戻った状態となっている。

今回の武力衝突では、イスラエルが空爆を始める前にハマスは、関連施設から逃亡していると伝えられていた。一般住民もおそらくハマス関連施設から離れたのであろう。激しい空爆にもかかわらず、ガザでの死者負傷者の報告は、今のところない。

イスラエル側も公営シェルターを準備するなどしていたため、負傷者の報告はない。ロケット弾の多くは空き地に落ちたと伝えられている。朝までには60発が撃ち込まれたとのこと。

https://www.timesofisrael.com/hamas-says-ceasefire-reached-after-heavy-barrage-from-gaza-pounds-south/

<今後のみこみ>

まだ予断を許さないことは言うまでもないが、ハマスは、4月30日の”土地の日”から、国境で、大規模なデモを行うと宣言していることから、まだまだ高い警戒態勢は、続くだろう。

しかし、今回の攻撃で、国境警備への言い訳もできたし、ハマスのミサイルはかなり破壊されたと思われるので、イスラエルにとっては好都合、ハマスにとっては確かに、「失敗」であったかもしれない。そう願いたいところである。

右派で教育相のナフタリ・ベネット氏は、「ハマスとの停戦に応じてもすぐに戦闘になる。」と攻撃続行、打倒ハマスを訴えている。しかし、今のイスラエル政府は、ハマスとガザ地区を一掃してしまうことは避けたいと考えている。

一掃したら、その後の復興をイスラエルが責任を負わなければならなくなるし、もしそうしなかった場合、ISやトルコ、イランが入ってくるだろう。けっしてハマスを歓迎するわけではないが、なんらかの合意で、ハマスを縛ってガザの管理者という立場を維持させておくほうが、イスラエルとしては、まだ”まし”なのである。

今後も、サバイバルと尊厳をかけた水面下での駆け引きは、ますます狡猾で、厳しくなっていくだろう。そうなると、やはり、軍参謀総長の経験しかないガンツ氏より、海千山千の政治家、ネタニヤフ首相に投票する国民が増えるだろう・・・ということは容易に想像できる。

<一瞬の奇跡>

モシャブ・ミシュメレットで直撃を受けた家族の父親、ダニエル・ウオルフさんは、家族が今生きているのは、本当に奇跡であった。指示されたことをしていなかったら、今頃、家族を葬っていただろうと、恐怖をたたえた表情で語った。

ダニエルさんによると、朝5時20分は、通常はベッドで爆睡している時間だった。しかし、たまたまこの日は、ダニエルさんが、スマホをみながら、ソファで寝入ってしまったために、サイレンの音を聞いて起きることができたという。

それからあわてて子供たち、妊娠中の妻、母親を起こして、シェルターに駆け込んだ。駆け込みながらロケット弾が、家に直撃したという。シェルターにあ入りきっていなかった母親は負傷したが、部屋にいたら、大変な大怪我をおっていたはずである。

この攻撃で家は大破。家の前に停車していた車もめちゃめちゃになっていた。

イスラエルにいると、サイレンの訓練もあるし、今回、攻撃を受けた地域は、2014年以来、攻撃がなかった地域である。早朝でもあり、そのまま逃げなかった人も多かったことだろう。ダニエルさん一家が、ちゃんと逃げたのはまさに奇跡であった。

ダニエルさん一家は、30年前にイギリスからイスラエルに移住していた。このため、イギリスの駐イスラエル大使ダビッド・クオレイ氏は、「イギリス人家族が無事でよかった。こんな攻撃にいかなる理由もありえない。」とツイッターでつぶやいた。

https://www.timesofisrael.com/father-says-its-a-miracle-family-survived-gaza-rocket-that-leveled-their-home/

<石のひとりごと>

ガザから70キロ以上も離れた地域で、しかも、無数にある家の中で、ダニエルさん宅にのみ直撃である。日本でいうなら、たとえば、富士山あたりから東京の住宅地へ飛ばされた1発のミサイルが、たまたま加藤宏さん宅を直撃したということである。

たまたまとはいえ、まるで狙われたかのような攻撃である。家族のショックは、いかばかりか・・・
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ゴラン高原・イスラエル主権:トランプ大統領署名完了 2019.3.26 

 2019-03-26

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ガザとの衝突が続く中、ワシントンのホワイトハウスでは、トランプ大統領が、ネタニヤフ首相、ペンス福大統領、ポンペイオ国務長官が見守る中、ゴラン高原はイスラエルの主権下にあると認めるとする公式文書に署名した。 (写真出展:ynet)

トランプ大統領は、ガザからのミサイル攻撃をあげ、「イスラエルは、日々このような危機的状況に立たされている。特にゴラン高原は、シリア、イラン、イラン指揮下のヒズボラに直面するため、防衛上非常に重要な地域。イスラエルは、主権国家として、自国の防衛の権利を持つものである。

それを支援するために、アメリカは、ゴラン高原におけるイスラエルの主権を認めると語った。また、記者らに向かい、「私の政権下で、アメリカとイスラエルの関係はこれまでになく強固になった。それを忘れるな。」と言った。

トランプ大統領は、またイランについても言及し、(経済制裁により)イランは、今や前のイランとは違う国になったと、イランに対するアメリカの国策を自評。イランに「アメリカに死を。イスラエルに死を。」などとは言わせないと語った。

これを受けて、ネタニヤフ首相は、この署名を歴史的と述べた。また、「トランプ大統領のこの宣言は、ちょうどイランがシリアに進出をすすめ、国境からはドローンやミサイルを飛ばしてくる中で行われた。」としてその重要性を強調し、「今のアメリカほどイスラエルにとっての友はない。」と感謝を述べた。

https://www.timesofisrael.com/trump-signs-proclamation-recognizing-israeli-sovereignty-over-golan-heights/

<シリア、ロシア、イランの声明>

シリアの国営放送は、ゴラン高原は、シリアの領地であると強調。アメリカのこの動きを、「シリアの主権へのずうずうしい攻撃だ。」と避難。

ロシアは、アメリカのこの動きは、中東にあらたな緊張を生んだと警告を発した。

イランからは不気味に声明はない。アメリカは、3月22日、イランに対する新たな経済制裁を発している。トランプ大統領の発言通り、イランは、もはやイスラエルどころではなくなっているのかもしれないが、逆に本当に恐ろしいことを計画している可能性もある。

いずれにしても、アメリカとイスラエルが、これまで以上に敵を増やしたことは間違いなさそうである・・・。

<AIPAC年次総会:アメリカ・イスラエル強し>

アメリカとイスラエルが、敵を増やしている流れではあるが、一方で、ネタニヤフ首相と、トランプ大統領は今、波に大乗りの感じである。

ネタニヤフ首相は、アメリカとの強力な友好関係をアピールすると同時に、ガザ問題で強力な対応に出たことで、総選挙において好スタートを切ったといえる。トランプ大統領も、ロシアとの共謀疑惑が終焉し、時期大統領選再選の可能性に大きく近づいたと言われている。

こうした中での、AIPACである。AIPACとは、The American Israel Public Affairs Committee(アメリカ・イスラエル公共問題委員会)の略で、親イスラエルのユダヤ人ロビー団体のこと。年次総会には、1万8000人が参加する。

ネタニヤフ首相は、明日火曜に演説予定であったが、ガザでの紛争を受け、急遽、帰国の途についた。

1)エルサレムへの大使館移動予定表明2カ国

AIPAC年次総会において、ルーマニアの首相とホンデュラスが、大使館をエルサレムへ移動する計画を発表。これに先立ち、ホンデュラスの大統領が、エルサレムに外交施設をすぐにも移設すると発表した。

https://www.jpost.com/Diaspora/Romania-announces-it-will-move-its-embassy-to-Jerusalem-584449

とはいえ、実際に移動させるまでは、イスラエルのメディアは、あまり大きくはとりあげなかった。

2)ポンペイオ国務長官、ペンス福大統領声明:反シオニズムは、すなわち反ユダヤ主義

ポンペイオ国務長官、ペンス副大統領は、福音派で知られる。ポンペイオ国務長官は、過去の調査からすると、「反シオニズムと反ユダヤ主義は同じである」と述べた。

ペンス福大統領は、「イスラエルを批判することは民主主義として認められる。しかし、反シオニズム、いいければイスラエルの存在を認めないということは、すなわち反シオニズムと同じことである。」と述べた。

また、民主党勢力が、パレスチナに同情的になっていく可能性がみえるとし、アメリカ議会は、伝統的にイスラエル支援の立場というのが、バイパルチザン(党を超えて一致)であったが、今はずいぶん変わってきていると述べた。

https://www.timesofisrael.com/pompeo-at-aipac-says-anti-zionism-is-anti-semitism/

トランプ政権は、それを支える福音派キリスト教勢力に支えられて、親イスラエルの旗印が、ますます明白になってきたようである。しかし、肝心なのは、イスラエルの総選挙後に、トランプ政権がどんな中東和平案を持ってくるのか・・・であろう。今後、注目される点である。
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緊急!ガザのロケット弾・民家直撃で負傷7人:テルアビブ周辺 2019.3.25(日本時間17:00)

 2019-03-25
直撃を受けた家(出展:ynet)


月曜朝5:20(日本時間午後14時20分)、ガザから発射されたミサイルが、テルアビブ北、シャロン平原のクファル・サバ近郊のモシャブ:ミシュメレットの民家を直撃した。(写真出展:ynet)

これにより、民家が大破。避難を促すサイレンは鳴ったが、間に合わず、中にいた少なくとも7人が、ロケット弾から飛び出した破片や火炎などで、負傷した。負傷したのは、59歳女性、30歳男性が中等度。

12歳少女、3歳少年、18ヶ月の赤ちゃんが軽傷。この他、ショックで搬送された人もいる。また、犬4匹が死亡しているのが見つかっている。

https://www.timesofisrael.com/rocket-sirens-wail-in-central-israel-amid-reports-of-explosions/

今回、アイアンドーム(迎撃ミサイルシステム)が稼働していなかった。その原因として、飛来したロケット弾が、125キロの弾頭を装着したJ80という射程100キロのミサイルで、飛来する経路が読みにくいものであったと捜査官が伝えたとエルサレムポストは伝えている。

なお、その後の被災現地の様子としては、今の所、周辺地域でも学校は予定どおりで、教育省の指示により、特に避難するなどの措置には出ていない。

<訪米中のネタニヤフ首相緊急帰国へ>

ネタニヤフ首相は、まもなくトランプ大統領と会談する予定になっている。それが終われば、訪米を中断して緊急に帰国すると述べた。AIPAC(親イスラエルユダヤロビー団体)での演説はスキップすることになる。

https://www.timesofisrael.com/rocket-sirens-wail-in-central-israel-amid-reports-of-explosions/

<イスラエルの反撃に備えるハマス>

ハマスは、今回も、ミサイルの発射を「不本意な事故、間違い」と言っているとの情報がある。

またパレスチナメディアによると、これで今、イスラエルが、ガザへの強力な反撃を行った場合、総選挙直前のネタニヤフ首相の株がまた上がることになるため、ハマスは、ミサイル発射の時期を「最悪」と呼んでいるという。

https://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Why-did-the-Iron-Dome-not-intercept-the-rocket-from-Gaza-Monday-morning-584537

いずれにしても、イスラエルの強力な反撃が予想されるため、ハマスは、本部から避難するなどの措置を始めているという。

<混迷続くガザ情勢>

ガザ地区では、15日にもテルアビブ周辺にロケット弾2発が発射された。この時ハマスは、ガザ内部の反ハマスの市民デモの対処に追われており、その緊張を紛らすために、テルアビブへロケット弾を撃ち込んだとみられる。

このため、イスラエルは、ガザのハマス関連地域100カ所への空爆を行ったが、「間違いだった。」というハマスの表明を暗黙に受けいれる道を選び、それ以上の措置は控えた。エジプトの仲介による、イスラエルとハマスとの交渉を続けるためである。

しかし、それ以降、ハマスは、イスラエル国境での暴動を激化させており、昨日日曜朝にも、国境を破ろうとしたパレスチナ人が、イスラエル軍によって射殺された。ハマスは、3月30日の”土地の日”に、イスラエルとの国境で、これまでになく大きなデモ(暴動)を計画していることを明らかにしている。

こうしたイスラエルへの暴動を実行しなければ、市民の怒りはハマスへ向くことになると思われるが、ガザの内部情勢のために、イスラエルが利用されるなど、あってはならないことである。

また2回目のロケット弾で、市民に負傷者も出たとあっては、イスラエルとしてもだまっているわけにはいかないだろう。今、ガザとの大きな紛争に拡大する可能性が高まっている。

https://www.timesofisrael.com/rocket-sirens-wail-in-central-israel-amid-reports-of-explosions/

しかしながら、実際のところ、ガザ、ハマスの実情はどうなのかは、なかなか読みにくい状況にある。ネタニヤフ首相らイスラエルの指導者たちに正確な情報が、タイムリーに届き、的確な判断と決断ができるよう、とりなしが必要である。
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ゴラン高原はイスラエル領:トランプ大統領のねらいは? 2019.3.25

 2019-03-25
PM Netanyahu and POTUS Trump のコピー 2 写真出展:Amos Ben-Gershom (GPO)

イスラエルでは、今年も20,21日と、仮装した人々でにぎわうプリムの祭が行われた。この例祭は、ペルシャ(イラン)のイスラエル絶滅計画を女王エステルが阻止したことを記念する例祭である。聖書のエステル記が詳細を記録している。

こうした中、トランプ大統領が、また爆弾を落とした。21日、ツイッターに、「ゴラン高原をイスラエルの領地と認める時だ。」と投稿したのである。トランプ大統領は、この件について、明日月曜にも、ネタニヤフ首相の訪米中に、正式な書類に署名するみこみとなっている。

イスラエルのネタニヤフ首相は、トランプ大統領の発表について、感激した様子で、「アメリカは、まず①イランとの核合意から離脱し、続いて、②エルサレムをイスラエルの首都として、大使館をエルサレムに移動させた。

さらに今回は、③特にイランがシリアからイスラエルを攻撃しようとする最中に、ゴラン高原をイスラエルの領地と認めるという。(イランからイスラエルへの攻撃を阻止する上で重要)。

はっきりしていることは、アメリカが今、イスラエルとともに立っているということだ。」と語った。

https://www.aljazeera.com/programmes/insidestory/2019/03/outcome-trump-golan-heights-tweet-190322180620302.html

<シリア、ロシア、イラン、トルコが反発>

ゴラン高原をイスラエルの領地と認めることは、中東においては、いわばタブーといってもよいほどに、繊細なことであり、大きな戦争への発火点になりうる。トランプ大統領の声明を受けて、ただちに、シリア、ロシア、イラン、続いてトルコがこれを、「無責任」、「国連決議に反する」などと非難した。

EUも22日、ゴラン高原がイスラエル領とは認めないとする立場に変わりはないと強調。UNHRC(国連人権保護委員会)は、トランプ大統領の声明直後に、パキスタンによって、イスラエルのゴラン高原での領地拡大を非難するかどうかの決議が行われ、賛成26、反対16、棄権5という結果になった。

https://www.reuters.com/article/us-usa-israel-syria-un/un-rights-body-calls-for-halt-to-israeli-expansion-in-syrian-golan-idUSKCN1R31VD

23日土曜には、ゴラン高原(イスラエル側)、マジダル・シャムスのドルーズ、シリア側では、クネイトラのドルーズたちが、シリアの側を掲げるなどして、これに反発するデモを行った。イスラエル軍は、暴動に発展する可能性に備え、北部国境の警備を強化している。

https://www.timesofisrael.com/druze-protest-in-golan-against-trumps-recognition-of-israeli-sovereignty/

しかし、エルサレム首都宣言と同様、実際には、トランプ大統領が、ゴラン高原はイスラエルの領地だと正式に認めたとしても、何も変わらないわけで、逆に、シリア、イラン、トルコ、ロシアを結束させ、イスラエルへの攻撃を早める可能性も出てくる。

イスラエル軍は、北部での衝突発生の可能性に備え始めている。

*何が問題なのか?:ゴラン高原の歴史的背景

ゴラン高原は、平均標高400mの長い高台で、5つの火山(休)を擁する。その北端には、標高2814mのヘルモン山が続く。広さは、1150平方メートルで、現在、このうちの3分の2をイスラエルが支配し、3分の1は、シリアの領地とされる。

ゴラン高原は、1967年の第三次中東戦争で、イスラエルが3分の2を取るまでは、すべてがシリア領だった。ゴラン高原からは、ガリラヤ湖から遠くイスレエル平原を見下ろすことができるため、かつては、シリア軍が、キブツや、ガリラヤ湖で漁をするイスラエル人を攻撃したものだった。

ゴラン高原は、イスラエル、シリア双方にとって、戦略上非常に重要な地域である。このため、シリアは、1973年の第4次中東戦争で、これを奪回しようとしたが、イスラエルに撃退された。

この戦争後の1974年、イスラエルとシリアは、現在の国境線で合意し、その間に、国連が監視する非武装地帯を設けた。この地域に駐留する国連軍をUNDOFといい、かつては日本の自衛隊も協力駐留していたことがある。(自衛隊はシリア内戦が激化した2013年に撤退)

この後、1981年、イスラエルは、ゴラン高原のイスラエル側を合併すると発表した。国際社会はこれを認めていないが、この後、イスラエルは、ゴラン高原の住民に正式な市民権を授与している。

これにより、ゴラン高原のドルーズは、分断されたが、イスラエル市民権を持つものも少なくなく、その人々は、イスラエル国内で、イスラエル人と同じ権利を有する形になっている。

ゴラン高原については、2010年から、水面下で、シリアとの交渉が行われ、全面的にシリアへ返還する話も出ていたようだが、2011年にシリアで内戦が勃発したため、この話はお流れとなった。

交渉が成立し、イスラエルがゴラン高原を返還していたら、今頃はイスラエルもまた戦場になっていた可能性もある。

<アメリカの動きで何が変わるのか>

トランプ大統領が、大変な場所を持ち出して、世界を揺るがしているわけだが、実際には、たとえアメリカが、ゴラン高原をイスラエルの領地と認めたとしても、現地では実際にはなにも変わらないというのが現状である。

国際社会は認めないとはいえ、ゴラン高原のイスラエル人たちは、世界でも高く評価されるワイナリーを設立しているし、実際のところ、ゴラン高原がイスラエルであることは、だれもが否定しえない状況である。わざわざ、ゴラン高原はイスラエルの領地と言わなくても、そうなのである。

これは、わざわざ、エルサレムをイスラエルの首都と言わなくても、実際には、そうなのであって、だれもが、知っている事実であるのと同じである。

トランプ大統領の爆弾宣言は、ただ論争をかきたてただけとの批判もあるが、しかし、いつか、どこかの時点で、正式に決めなければならないことであるのかもしれない。トランプ大統領は、やはり、「はだかの王様」であり、今、本当のことを本当と指摘したということである。

<なぜ今か?:総選挙でネタニヤフ首相続投支援?>

現地では、論争を巻き起こすだけとの批判を受けているトランプ発言だが、時期的にみると、イスラエルの総選挙2週間前という点が注目されている。

ゴラン高原をイスラエルの領地として、まずはアメリカに認めてもらうことは、ネタニヤフ首相が長年アメリカに働きかけてきた懸案である。それを今、ネタニヤフ首相は、とうとうこれを実現させたということになる。

さらに、トランプ大統領のこの件に関する正式な署名は、ネタニヤフ首相が、ワシントンで、トランプ大統領と会談することになっている明日月曜に行われるとみられる。さらに、この訪米期間中、強力なユダヤ・ロビー団体AIPACの年次総会でのネタニヤフ首相の演説も予定されている。

ネタニヤフ首相にとって、「アメリカをバックにもつ首相」という、これ以上華々しい選挙アピールはないだろう。

ネタニヤフ首相は、現在、汚職問題で起訴されており、中道左派からの強力なライバル、ブルーアンドホワイト党のガンツ党首と、厳しい接戦になっている。その総選挙2週間前の、トランプ大統領の動きは、時期的にはあまりにも、ネタニヤフ首相に好都合といえる。

どうみてもトランプ大統領が、ネタニヤフ首相を後押ししているとみられるが、トランプ大統領自身は、これを否定している。

<トランプ大統領は神がイスラエルをイランから救うために遣わされた:ポンペイオ国務長官>

ポンペイオ国務長官は、神が、女王エステルを通して、イスラエルの民をペルシャ(イラン)から救ったことを記念するプリムの例祭中に、イスラエルを公式訪問し、ネタニヤフ首相、フリードマン米大使とともに、嘆きの壁と、その地下トンネルを訪問した。最近できた神殿の3Dプレゼンテーションも楽しんだ。

嘆きの壁は、国際的には、まだイスラエルの領地とは認められていない。このため、各国公職者の場合は、私的な訪問に限られている。そうした中、ポンペイオ国務長官は、現職の役職のまま、しかも、ネタニヤフ首相とともに、嘆きの壁を訪問した。

元トランプ政権が、親イスラエルであることはもはや明白といえる。

https://www.timesofisrael.com/pompeo-says-trump-may-have-been-sent-by-god-to-save-jews-from-iran/

ポンペイオ国務長官は、エルサレムで、CBN(Christian Broadcasting Network)のクリス・ミッチェル氏のインタビューに応じ、「トランプ大統領は、神がイスラエルをイランの脅威から救うために遣わされたと思うか」と聞かれ、「クリスチャンとして、その可能性は、おおいにあると思う。」と答えた。

また、イスラエルが中東で、民主主義国家として存続していることについて、「神が働いておられることを確信している。」と語った。

https://www.bbc.com/news/world-us-canada-47670717

そのポンペイオ国務長官だが、今週末、イランの動きを阻止する目的で、中東を歴訪している。まずは、クウェート。ポンペイオ国務長官は、国際テログループとの戦いにおいて、クエートは重要な国と語った。

アメリカは、中東を不安定にする根源をイランとして、現在もイランへの経済制裁を継続している。ポンペイオ国務長官によると、イランからヒズボラへの支援金は、年間7億ドル(約800億円)。しかし、アメリカの経済制裁を受け、イランからヒズボラへの支援が滞っているとの考えを明らかにした。

ポンペイオ国務長官は、クエートの後、イスラエルを訪問。その後、レバノンのベイルートに飛び、アウン大統領ら政府高官たちと会談し、ヒズボラに対し、厳しく対応するよう求めた。

しかし、アウン大統領らは、ヒズボラを擁護する立場である。「ヒズボラは、テロ組織ではなく、レバノンのれっきとした政党である(国会128議席中70議席)。」と強調した。

https://www.jpost.com/Middle-East/Pompeo-US-sanctions-on-Hezbollah-Iran-are-working-584310

<いつまで続く?米福音派政権時代>

今のアメリカのトランプ政権は、福音派クリスチャンの声が反映しやすく、恐ろしいほどに親イスラエルだが、この時代がいつまで続くのかと思うと少々恐ろしい気もする。

実際、来週、トランプ大統領に弾劾の可能性まで出てきた。トランプ大統領には、2016年の大統領選に際し、ロシアと共謀した疑惑があり、この2年、捜査が続けられてきた。その捜査を行ってきたロバート・ミューラー氏が、捜査を完了したとして、バー司法長官に、そのまとめを提出。バー司法長官が議会に提出後、すぐにも一般公開されるみこみとなった。

ミューラー氏は、この件に関して、すでに、元国家治安顧問マイケル・フリン氏など、元トランプ政権関係の大物5人を含む34人の政治家を起訴している人物。いいかえれば、トランプ大統領は無罪として、この件から解放されるか、逆に国を裏切ったとして弾劾されるかのどちらかであった。

https://www.bbc.com/news/world-us-canada-47683309

アメリカ内外の注目を集めたが、26日、アメリカ議会に提出されたバー司法長官の報告は、「トランプ大統領のロシア共謀疑惑に関する証拠はない。」であった。民主党は、さらなる調査を行うと反発している。

しかし、当のトランプ大統領は、「まったくの無実であったことが証明された。」と述べ、ホワイトハウスは、「22ヶ月続いたホワイトハウスの雲が、取り除かれた。」との見解を発表した。

https://www.timesofisrael.com/trump-declares-total-exoneration-after-mueller-report-finds-no-collusion/

まったくもって、世界をふりまわす大統領である。しかし、どうにも、主に動かされているようでもあり、もしそうならば、定められた時までは、いかに反対者が出てきても、大統領の立場に置かれるのだろう。

問題は、その後である。トランプ大統領の、聖書を重んじる福音派政権の後にどんな政権になるかによっては、今が良すぎるだけに、その反動で、いよいよイスラエルが孤立し、世界に囲まれる状況になるかもしれない。そうなれば、いよいよ世界は聖書の言う終末時代に大きく前進することになる・・・
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シリアのIS壊滅宣言とイスラエル 2019.3.25

 2019-03-25
シリアでは、13日、ISの最後の拠点、バグスで、IS戦闘員とその親族ら3000人が投降したと、アメリカが支援するクルド人からなるシリア民主軍が発表した。

https://www.afpbb.com/articles/-/3215475?pid=21071099

これに続いて22日、トランプ大統領が、シリアのISは終了したと宣言。続いて23日、アメリカが支援するシリア民主軍(クルド人勢力)が、「シリアのISを撃滅」と発表した。

<IS後のシリア:最大の危機はクルド人自治区>

確かにISの支配域はなくなったが、多数のIS分子は、離散しただけで、付近に潜んでいるため、復活は時間の問題と指摘されている。

シリア民主軍によると、1月からのバグスでの最終戦闘で、ISのジハーディスト5000人とその親族2万4000人が散らばったていると推定される。(推定数・メディアによって数字は異なる)

シリアより先に、モスルを制覇してISを撃滅させたイラクでは、今やISの地下ネットワークができているもようで、シリアでも同様になると懸念されている。

また、現地のシリア民主軍クルド人勢力によると、外国から来て行き場を失い、現地で捕縛したIS戦闘員とその家族たちが、あまりにも多く、これを抑えきれるのか、危険な状態だと警告している。

さらにクルド人たちには、他にも懸念事項がある。クルド人を天敵として絶滅させたいと考えているトルコがすぐ国境まで近づいている点である。

シリアからISの支配域がなくなった今、シリアの3分の2を支配するアサド政権が、まだ残っている反政府勢力の討伐に乗り出し、国を統一しようとすることは明らかである。

その場合、アメリカとイスラエルとも友好関係を維持するクルド自治区のクルド人人勢力とその地域にいるクリスチャンたちを、アサド政権が、トルコと協力して取りかこみ、虐殺に及ぶ可能性があるのだ。

トルコやクルド自治区などのクリスチャンたちとも交流を持つエルサレムの祈りの家・リック・ライディング牧師が訴えている。

https://www.youtube.com/watch?v=ntAEIc4SgSg

<アメリカ軍撤退との関連>

トランプ大統領は、当初、シリアの主に東北部、クルド自治区にいるアメリカ軍2000人をすべて撤退させると言っていた。しかし、ユーフラテス川東側にあたるクルド自治区から、米軍が姿を消すと、たちまち、ロシア、イラン、トルコに至るシーア派の回廊ができあがり、イスラエルにとっても大きな脅威になる。

シリアからの米軍撤退については、アメリカ国内外からの懸念が殺到したことから、今は、アメリカ軍400人は残すとし、そのうちの半分にあたる200人は、シリア南部、ヨルダンとシリア、イラクの国境付近に残留させることになっている。

https://www.nytimes.com/2019/03/23/opinion/isis-defeated.html

しかし、トランプ大統領は今、IS復帰をけん制するためにも、2000人のアメリカ軍撤退を延期するとみられている。

https://www.france24.com/en/20190323-syria-kurd-autonomy-under-threat-after-caliphate-falls
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ガザ最新情勢:内部で何がおこっているか 2019.3.25

 2019-03-25
<対ハマス・市民デモ:その後>

ガザ地区では、電気が1日数時間となり、アメリカのUNRWA支援打ち切りに加え、パレスチナ自治政府が、ガザへの支払いを停止したことで、人々の暮らしは一気に悪化をきわめた。若者の失業率は70%とだという。もはや人が住める状態ではないと言われ始めてから久しい事から、限界に近づいているのだろう。

こうした中、カタールが大金の現金をガザへ搬入しはじめ、イスラエルもこれを容認したのだが、その金はどうやら、一般民衆ではなく、ほとんどがハマスのポケットにはいっていたらしい。先週14日、ガザの人々が、「私たちは生きたい。」とのスローガンをもって、対ハマス・デモを開始した。

https://www.bbc.com/news/world-middle-east-47616809

数百人規模のデモ隊が、ガザ地区9箇所でデモを行い、最終的には、ハマスとの暴力的な衝突となった。ハマスは、ジャーナリストら数十人を逮捕し、負傷者も多数出た。人権保護活動家の中には、ひどい暴行を受けたあげくに逮捕された人もいる。

テルアビブへのロケット弾2発が、ガザから発射されたのはこの直後の15日であった。明らかに、デモ隊の注意をそらすものであったと考えられる。

しかし、その翌日16日には、アパートの賃貸を払えないでいた32歳の男性が、ガザ地区カン・ユニス難民キャンプの自宅で焼身自殺した。

https://www.jpost.com/Israel-News/Palestinian-Gaza-resident-set-himself-on-fire-in-protest-over-Hamas-rule-583656

この後、ハマスがデモを取り押さえたもようで、この関連ニュースは途絶えている。しかし、ガザでは、4月10日に、カタールからの最後の現金搬入が行われることになっており、この金がどう取り扱われるかによって、市民の対ハマス・運動が再燃する可能性もある。

その場合、ハマスが統一のために、イスラエルとの戦争を誘発させる可能性がある。いい迷惑といえば迷惑だが、ガザとの戦争は時間の問題と懸念されている。

<イスラエルの方針は?>

イスラエルは、テルアビブへのロケット弾について、「間違いであった」というハマスの弁解をそのまま受け入れ、ガザ100カ所への空爆以上のことはしなかった。これは、現在、水面下で、エジプトの仲介で進められているハマスとの交渉を維持するためとみられる。

イスラエルとしては、ハマスが崩壊しその後へ、IS関連、またはイランが進出してくることを避けなければならないので、むしろ、ハマスを温存し、合意で縛る方が好都合である。

しかし、ハマスは、さらなる現金の投入を求めるなど、交渉は難航しているという。結局のところ、イスラエルの崩壊という理念が存在根拠のハマスと、イスラエルがなんらかの合意に至るはずはないわけである。

結局、北部が先か、南部が先か、夏にいずれかで戦争になるのではないか・・というのが、現状である。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5478670,00.html

別件になるが、26日は、1979年にエジプトとイスラエルが和平条約に調印してから40周年を迎える。一時ムスリム同胞団が政権を取った際には、和平条約の継続が危ぶまれたが、今のシーシ大統領は、イスラエルとの平和な協力を維持する方針のようで、両国の関係は、これまでになく良好である。

<金曜国境デモ:今週もパレスチナ人2人死亡>

ガザ内部は、分裂、混乱しているようだが、イスラエルへの攻撃は相変わらずである。

21日木曜、発火物搭載の風船が、イスラエル南部キブツ・ニール・アムなどに複数飛来。野に火災を誘発させた。これを受けて、イスラエル軍戦車が、ガザ南部に戦車砲を撃ち込んだ。

https://www.timesofisrael.com/fresh-fires-sparked-by-flaming-devices-flown-from-gaza/

また22日金曜から土曜夜、数千人が、イスラエルとの国境付近で暴徒と化した。このため、イスラエル軍が実弾で対応し、パレスチナ側の情報によると、パレスチナ人2人(18歳、29歳)が死亡した。

https://www.timesofisrael.com/thousands-riot-on-gaza-border-fire-balloon-launched-into-israeli-kibbutz/

ハマスは、以後、夜間の攻撃を毎夜7日続ける作戦を開始したもようである。

<イスラエル国内刑務所でハマス反乱>

イスラエル南部のケツィロット刑務所では、日曜、ハマス受刑者らが反乱を起こし、イスラエルの刑務官2人をナイフで刺した。1人は首をさされて重症だったが、その後、中等度との報告になっている。

反乱を取り押さえる中で、ハマス受刑者11人も負傷した。

この反乱は、イスラエルが、刑務所での携帯電話の使用や、外部との回線を制限しようとしたことに端を発している。これに対し、ラモン刑務所では、ハマス受刑者らが、ハンガーストライキを行う中、ベッド14床に火をつけて燃やす事件も発生している。

公共治安相のギラッド・エルダン氏は、「刑務所からの携帯電話使用制限は、刑務所内部から、テロの指示を出さないようにするためであり、重要な措置だ。」と述べている。

https://www.timesofisrael.com/prison-guard-stabbed-seriously-hurt-by-hamas-inmate/

<石のひとりごと>

以前、イスラエルの刑務所に取材に行ったが、ハマスのセルにいる人々から発せられる非常な怒りと憎しみの空気は、今も忘れられない。もはや通常の人間を超えたなにかに、完全に支配されているような感じであった。

こうした超自然的ななにものかに支配されていると思われる人を見たことがあるが、子供でも複数の大人の男性がとりおさえられないとか、何日も食事なしでも平気であるとか、尋常では考えられないような力を発揮するようである。

まともな人間レベルでの交渉だけでなく、霊的なレベルでの戦いが、ガザ地区に関しては必要であろうと思う。

ガザ内部にいる普通の人々、またハマスに反抗しようとする人々、わずかだがいると聞いているクリスチャンたちが、直面している苦難は想像を絶する。
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悪化する西岸地区治安情勢 2019.3.25

 2019-03-25
昨今、西岸地区でもイスラエルとパレスチナ人の紛争が相次いでおり、未然に防がれるテロ未遂事件が激増している。先週は、双方に死者が出た。

1)アリエル近郊のテロ:ラビで12人の父親と19歳イスラエル兵死亡

先週日曜17日、西岸地区のユダヤ人入植地(市)アリエルの交差点で、17日朝10時ごろ、パレスチナ人1人が、警備にあたっていたガル・ケイダン軍曹(19)に近づき、ライフルを奪って、ケイダン軍曹を撃った。

ケイダン軍曹は、しばらく犯人と争い、追跡したが、まもなく倒れる様子が、防犯カメラに記録されている。ケイダン軍曹はその場で死亡していた。

その後、犯人は、通行する3台の車両に発砲。そのうちの1台を運転していたラビ・エッティンガーさん(47)に重症を負わせた。エッティンガーさんは、病院に搬送されたが、後に死亡した。

まもなく、イスラム聖戦、つづいて、ハマスも事件を歓迎する声明を出した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5479823,00.html

テロリストは、ラマラ近郊の村に住むオマル・アブ・ライラ(19)。イスラエル軍は、犯行から2日後、村で潜伏していたオマルをおいつめ、家を包囲した。オマルが銃撃で抵抗したため、最終的には射殺するに至った。

最初に銃撃を受けた、テルアビブのイスラエル軍兵士のためのイシバ(ユダヤ教神学校)の校長で、ラビでもあるアヒアド・エッティンガーさん(47)。銃撃を受けて病院に搬送されたが、後に死亡した。エッティンガーさんは、子供12人の父親であった。

家族は、エッティンガーさんの回復に全力を尽くした病院に感謝し、エッティンガーさんの臓器の提供を決めた。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5480383,00.html

この家族については、ネットで献金を募ったところ、事件から3日日目で、すでに目標額の60%にあたる120万シェケル(約4000万円)が集まっていた。

https://www.timesofisrael.com/crowdfunding-effort-for-family-of-slain-rabbi-races-towards-nis-2-million-target/

ガル・ケイダン軍曹(19)の遺族は、両親のマリアナさんとアナトイルさん。兄弟のエレズさんと姉妹のアロナさん。ケイダンさん一家は、イスラエルに住むなら軍で国を守ることは当然と考えている家族で、ガルさんは、軍では司令官を目指していたという。

ガルさんの恋人ニツァンさんは、ガルさんが、人生を生き抜いて楽しんでいたこと、イスラエル軍で戦って終わったことについて、「19歳で逝ってしまうのは、確かに早すぎる。しかし、こうなったからには、ガルも満足していることと思う。」と語り、彼とともに生きた最高の時間の感謝すると述べた。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5483383,00.html

2)ナブルス・ヨセフの墓で紛争:パレスチナ人2人死亡

上記事件の3日目、プリムの20日、西岸地区のパレスチナ自治区の町ナブルス(A地区で完全なパレスチナ人地区)にある、ヨセフの墓で、祈りに来たユダヤ教徒たちの警備にあたっていたイスラエル兵に、走行する車両から爆発物が投げつけられた。

イスラエル軍が、これに実弾で対応したため、パレスチナ人2人が死亡した。死亡したのはラエド・ハムダン(21)、ザイド・ノウリ(20)

ナブルスとアリエルは近郊である。アリエルでは、この前日にもバスに大きな石が投げつけられた。負傷者はなかったが、女性が1人ショックで治療を受けた。

ヨセフの墓は、聖書によると、出エジプトの際、イスラエルの父祖ヨセフの骨も一緒に持ち出され、ヨシュアの時代に、シェケム(ナブルス)に埋められたとされる。ユダヤ教徒にとっては聖地である。

オスロ合意の際に、ユダヤ教の例祭など、特別な場合には、ユダヤ人が祈りに来ることが認められることになったが、緊張と紛争は変わっていない。2015年には、ヨセフの墓が放火で大きく焼失し、復旧作業を行っている。

https://www.haaretz.com/israel-news/two-palestinians-killed-in-clashes-at-joseph-s-tomb-in-nablus-1.7041642

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ガザからテルアビブへロケット弾2発 2019.3.16

 2019-03-16
15日午後9時すぎ、ガザから発射されたロケット弾2発が、テルアビブ周辺のグッシュ・ダンとオール・ヤフダ地域に着弾した。迎撃ミサイルは発動しなかったが、空き地に着弾したため、被害はなし。

人口40万人(91%ユダヤ人)のエルサレムに次ぐイスラエル第二の都市テルアビブが標的になるのは、2014年以来。住民は、突然のサイレンで、「訓練か」と思ったが、あわててシェルターへ駆け込んだという。負傷者はなかったが、5人がショックで病院搬送された。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5478875,00.html

この後、ガザから、南部国境周辺地域へロケット弾が、9数発打ち込まれた。このうち迎撃ミサイルが撃墜したのは6発。こちらも空き地などに着弾して被害はなし。なお、イスラエル南部地域へのロケット弾発射は、ここ数日、散発しているが、大きな被害にはならず、ニュースにもならず。。。といった状況が続いていた。

ネタニヤフ首相兼・国防相は、イスラエル軍参謀総長らとただちに治安会議を行い、ガザへの空爆を開始。ハマス関連地域、特に武器製造関連、ドローン関連とみられる地点など100箇所への空爆を行った。

ガザ側の情報によると、負傷者は4人。できるだけ人間に害を与えず、施設に打撃を与えるというイスラエルの方針が遵守されているようである。

<12時間後に両者停戦合意>

イスラエルは、反撃に際し、ハマスの責任と非難したが、ハマスはこれを否定した。ハマス幹部の情報としてTimes of Israelが伝えたところによると、ハマスは、現時点では、イスラエルとの衝突は望んでいないとのこと。また、この幹部は、どのグループが攻撃を実施したのか”知らない”と語ったという。

後に、イスラエル軍も、攻撃はハマスではなく、下級組織が誤って放ったものであり、テルアビブを狙ったものではなかったとの見解を発表。テルアビブにロケッド弾が着弾してから約12時間後の15日午前11時ごろ、パレスチナ、イスラエル双方のメディアが、エジプトの仲介で双方停戦に応じたとのニュースを発信した。

15日は、金曜で、毎週のガザでの暴動が行われる日だが、ハマスはこれを控えるよう指示したもようで、暴動はなかった。ハマスは、「今はイスラエルとの衝突は望まないが、イスラエルとの闘争をやめたわけではない。」と苦しい見解を出している。

https://www.timesofisrael.com/9-rockets-fired-at-border-towns-idf-assesses-tel-aviv-rocket-attack-was-mistake/

テルアビブ攻撃から24時間後、イスラエルはいつもの平穏な安息日を迎えている。

<直前のガザ市民のデモ>

テルアビブへのロケット弾騒ぎの直前、ガザ内部(北部ジャバリア難民キャンプ)では、物価高騰などあまりに厳しい生活環境の改善を訴える、数百人規模の市民のデモが、発生していた。主催者が何者かは不明だが、ハマスと敵対するパレスチナ自治政府との見方もある。

テルアビブへのロケット弾はこの直後であったことから、ハマスへの非難をまぎらわす目的でイスラエルを攻撃した可能性も考えられる。しかし、この程度のデモでハマスがそんな大きな賭けに出るとは考えられないと見る分析もある。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5478858,00.html

<イスラエルも総選挙26日前>

今回のガザからの攻撃は、イスラエルにとっても総選挙26日前という微妙な時期。100箇所への空爆という強力な反応を示したことで、ハマスが屈服したような形となり、ネタニヤフ首相のリーダーシップを社会に示した形になった可能性がある。

少なくとも汚職疑惑でピンチに立たされているネタニヤフ首相にとって、非難が多少、まぎらわされた形になった。

https://www.timesofisrael.com/rocket-fire-on-tel-aviv-pushes-gaza-to-center-stage-in-israels-elections/
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ネタニヤフ首相起訴へ:総選挙2019 2019.3.16

 2019-03-16
2月28日、マンデルビット司法長官は、ネタニヤフ首相を背任と収賄罪で起訴するとの方針を発表した。首相官邸は、4月9日の総選挙後までこの発表を待つよう要請していたのだが、それを押し切った形である。現職首相が起訴されるのは、イスラエル史上初。

今後、ネタニヤフ首相自身が、審問されることになるが、退任を義務付けられることはなく、今のまま、首相を続けることは可能である。

さらには、4月の総選挙で再選された場合、審問を受けながら、首相を続けることも可能。審問は何ヶ月もに及ぶとみられ、実際には、大物政治家が起訴されるケースの場合、約半数が、途中でケースが閉じられるという。

日本であれば、汚職で最高裁から起訴された人物が首相を続けることなどありえないだろう。政治生命は、起訴された時点で終わる。

イスラエルであっても当然、こうした悪はゆるされるものではないのだが、国の存続という最優先課題があるので、どうしても必要不可欠な人材であった場合、首相を続けてもらうということもありうるわけである。

実際、ネタニヤフ首相は、外相も兼任し、精力的な外交を自ら行い、アメリカ、ロシアをはじめ、ギリシャ、キプロス、アフリカ諸国や中南米に至るまで、あちこちに味方を作ることに成功。ガザとの戦闘においても、対応が弱いと非難されつつも、この12年、市民への被害を最小に抑えてきたことは否定できない。

国民としても複雑である。司法長官の起訴方針が発表された直後、首相官邸前では、「汚職が明らかになった首相をそのままにするのは、イスラエルの恥だ。」として退任を求めるデモが発生する一方、その向かい側では、「ネタニヤフ首相を支持する。」とのデモも行われた。

https://www.timesofisrael.com/likud-petitions-high-court-to-prevent-ag-announcing-netanyahu-indictment/

<ネタニヤフ首相の起訴内容>

今回、ネタニヤフ首相が、収賄と背任で起訴されたケースは以下の3点。*数字は起訴項目の名称で意味はない

①ケース1000:ハリウッドの大物アルノン・ミルカン氏から、この10年で100万シェケル(3000万円)以上の贈り物を受け取り、便宜を図った件。

②ケース2000:イスラエル大手メディア・イディオト・アハロノト紙に、ネタニヤフ首相に有利な記事を掲載してもらい、そのライバル紙、イスラエル・ハヨムを退ける措置を取った件。

③ケース4000:通信相であったころ、イスラエル大手通信社ベゼックのインターネットメディア媒体・ワラに、ネタニヤフ首相に有利な記事を掲載してもらい、その代わりに、ベゼックの社長、シャウル・エロノビッツ氏に便宜を図った件。

日本人からすると何が問題かと思われるかもしれないが、これが問題となるのは、ネタニヤフ首相は、これまで5期12年も首相を勤め上げ、リクードをほぼ不動の地位、日本でいえば、政権交代が非常に難しい自民党のような立場にまで押し上げたことが考えられる。

その背景に、上記のような情報操作で、世論を操作したとしたら、問題である。しかし、当然、ネタニヤフ首相の政治的な手腕が評価されてきた可能性も否定できないわけで、ネタニヤフ首相は、これらの訴えを、「左派が、ネタニヤフ首相、ひいては右派政権を引きずり下ろす」ための策略だと訴えている。

https://www.haaretz.com/israel-news/.premium-explained-what-happens-now-ag-says-netanyahu-should-be-indicted-pending-hearing-1.6979282

<リクード(ネタニヤフ首相)のライバル:中道左派>

ネタニヤフ首相に対する大きなライバルが、元イスラエル軍参謀総長のベニー・ガンツ氏である。国防という視点で、国民からの高い人気を持つ。

さらに、ガンツ氏の党には、同じく元イスラエル軍参謀総長の、モシェ・ヤアロン氏、ガビ・アシュケナジ氏が加わっており、選挙名簿の上位を占めている。いわば将軍たちの党であり、国民の目に、頼もしく見えてもおかしくないだろう。

ガンツ氏は、右派左派どちらにも幅広く人気があるため、右派にも受け容れられる人物とも表されたが、右派は、明確な右派でないなら、結局は左派だと反論する。

国民の人気が高いことから、ガンツ氏が政界入りを表明すると、リクードを含む様々な党が、ガンツ氏をとりこもうと交渉を続けた。しかし、ガンツ氏は、どの党にも入らず、自らが党首を務める「イスラエルの回復」党と立ち上げた。

しかし、最終的には、2月22日、中道ヤイル・ラピード氏(未来がある党)と組み、両者が合併した党「ブルーアンドホワイト」として、総選挙に臨むと発表した。もし政権を取った場合、ガンツ氏とラピード氏が、首相職を交代で受け持つという取引での合併である。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5469140,00.html

ブルーアンドホワイトは、ゴラン高原は決して渡さないと右派的な方針と同時に、嘆きの壁を超正統派以外にも開放する政策、安息日の公共交通など、左派的な方針も出しており、旗印は、リクード・ネタニヤフ首相の「右派」に対して「中道左派」である。

この後の3月1日、テレビのチャンネル13が行った世論調査によると、ブルーアンドホワイトが36議席で、リクード30議席を上回った。また、それぞれが連立政権を立ち上げたとして、中道左派系が61議席となり、右派系の59議席を上回った。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/259780

<それでもネタニヤフ首相が勝つ!?>

ブルーアンドホワイトが追い上げてはいるが、それでもやはり最終的には、ネタニヤフ首相が勝つと見ている人は以外に多い。やはり12年以上も首相職を担い、外交においても大きな成果をあげてきたネタニヤフ首相への政治的な信頼は崩れないようである。

インターネットによる無作為調査ではなく、実際に地域、建物別に調査を行う”Geokcartography”とよばれるかなり正確な世論調査法を開発したイスラエルのアビ・デガニ教授の調査でも、最終的には、ネタニヤフ首相のリクードが、政権を維持するとの結果になっている。

これについて、デガニ教授は、リクードは、ネタニヤフ首相が12年以上も政権を担う中、右派政党としてのブランドを獲得したと説明する。

リクードは、右派というイデオロギーそのものが顔になっているため、たとえネタニヤフ首相が失脚しとしても、支持層は、やはりリクードに投票するということである。

この点、他党はそうではない。たとえば、未来がある党を立ち上げたヤイル・ラピード党首が、失脚した場合、党はたちまち立ち行かなくなるだろう。ガンツ氏の党もガンツ氏の顔でのみ成り立っている。

その点、リクードは、たとえネタニヤフ首相が失脚しても、右派政党という点が顔になっているので、次期指導者になる人物が出てきて勝ち残るということである。

かつてイスラエルは、ベン・グリオンが立ち上げた労働党(左派)がこの立場を維持していた。しかし、今、ネタニヤフ首相が、ベン・グリオンを超えて、史上最長の首相になり、イスラエルをとりまく情勢が厳しさを増す中、左派に変わって、右派のリクードが、この立場を獲得する結果になったということである。
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神殿の丘騒動:黄金の門をめぐる衝突 2019.3.16

 2019-03-16
先月2月22日(水)、神殿の丘を管理するヨルダンのイスラム組織ワクフが、黄金の門(あわれみの門)周辺の建物を一方的に開放し、この場所にモスクを建てることを要求。イスラエルの治安部隊と衝突した。24日、イスラエルの治安部隊は、ワクフ高官を含む5人を逮捕した。

黄金の門は、ワクフが違法にモスクの建築を行って、貴重な考古学資源を破壊しないよう、最高裁の命令により、2003年から閉鎖されていた門である。イスラエルは、ワクフがこれに違反したと訴えている。

しかし、ヨルダンのアブドラ国王は、ワクフメンバーが逮捕されたことから、これを非難した。しかし、同時にイスラエルとの衝突を望まない国王は、アメリカへ飛んで協力を求め、3月9日、ヨルダン、イスラエル双方の高官が、ワシントンで交渉にのぞんだ。

しかし、門を長期間の修理を目的に閉鎖するとするヨルダンの解決策に対し、イスラエルは、修理しないでそのまま閉鎖することを要求。交渉は決裂したままで、12日には、神殿の丘のイスラエル警察ボックスに火炎爆弾が投げ入れられるなど、緊張が続いている。

https://www.timesofisrael.com/israel-jordan-said-holding-talks-to-end-conflict-at-temple-mount-gate/

<神殿の丘と考古学>

今回、イスラエルが、黄金の門の修理を認めないのは、黄金の門が、後期ビザンチンからウマヤド王朝時代に建てられたとされる最古の門であり、その下には、貴重な第二神殿時代の考古学資料が眠っていると考えられるからである。

修理と称して、ここにモスクを建てられることにでもなれば、貴重な考古学資料が破壊されてしまう。

イスラムのワクフは、これまでにも、考古学者の立ち会わせなしに、神殿の丘の地下を掘って、モスクを建て、その時に出た土をぞんざいに廃棄してきた。イスラエルの考古学者は、この廃棄された土をふるいにかけて、貴重な考古学資源を今も回収する作業を今も続けている。

神殿の丘、特に現在、イスラムの黄金のドームが立てられている場所はかつて、ユダヤ人の第一、第二神殿があった場所。イスラエルにとってこれ以上重要な場所はない。神殿の丘の発掘は、イスラエルの考古学者の夢である。

しかし、1967年の六日戦争以降、ワクフに神殿の丘の管理権を譲ったことから、いまだかつて、イスラエルの考古学者が神殿を発掘できたことはない。

<黄金の門の宗教的意義>

黄金の門は、神殿の丘唯一東にある門で、ユダヤ人にとっては、メシアが来る門(エゼキエル44:1−3)、クリスチャンにとっては、将来、再臨したイエスが神殿の丘へ入る門として知られている門である。そこにイスラム教のモスクを建てるということである。

神殿の丘に関しては、昨年、神殿の丘内部で治安部隊3人が殺害された事件を受けて、イスラエル軍が、ライオン門から神殿の丘への入り口に、金属探査機を入り口に設置したところ、激しい暴動となった。

これを受けて、最終的に、イスラエルは、金属探査機を撤去する方策をとった。ワクフの要求に屈した形である。エルサレムポスト記者は、イスラエルが厳しい態度に出ず、ワクフのいいなりになってきたことで、つけあがられていると指摘している。

https://www.jpost.com/Opinion/Fundamentally-Freund-Take-back-the-Temple-Mount-583533

<神殿の丘にシナゴーグを建てる!?>

ワクフが黄金の門にモスクを建てようとしているのに対し、神殿の丘にユダヤ人のシナゴーグを建てるよう、政府に訴えているグループもいる。

現在、ワクフが支配する神殿の丘では、ユダヤ人は、宗教書をもちこむことはおろか、祈ることも赦されない状況にある。クリスチャンが聖書を持ち込むことも赦されない。

これに対し、ユダヤ人にも権利はあるはずだとグループは訴え、神殿の丘にユダヤ人のためのシナゴーグを建てるよう、国に訴えている。

グループのスポークスマン、アサフ・フレイド氏は、ワクフが、現状維持の原則に反して、黄金の門にモスクを建てようとするなら、こちらも原則を破るべきではないか。私たちにも祈る場所が必要だ。黄金の門の近くの建物を使いたい。」と語っている。

フレイド氏は、グループが、神殿の丘全部を支配しようとしているのではないことを強調し、神殿の丘をヘブロンのマクペラの洞窟のように、2分割して、ユダヤ人にも祈る場所をつくることを提案している。

神殿の丘にシナゴーグをつくる案は、2014年に宗教シオニストのラビたちが、ネタニヤフ首相に陳情書を提出した他、2017年、西岸地区ハラミシュでのユダヤ人入植者惨殺事件の後にも、右派系議員から呼びかけが行われた。

フレイド氏は、ワクフが、黄金の門にモスクを建てようとしていることに憤慨しており、ユダヤ人も立ち上がるべきだと語る。同団体は、3月末に、エルサレム市役所から黄金の門までのデモ行進を計画している。

なお、このグループには、第三神殿推進派の議員ユダ•グリック氏も加わっている。

https://www.jpost.com/Israel-News/A-synagogue-on-the-Temple-Mount-Activists-call-for-construction-to-begin-582477

聖書には第三神殿が建つことが預言されているが(黙示録11:1など)、現時点ではまったく不可能ながら、じわじわとその日への足取りが近づいているようでもある。
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北部国境ヘルモン山にヒズボラの軍事ネットワーク 2019.3.16

 2019-03-16
イスラエル軍は、3月13日、イスラエル北部ゴラン高原ヘルモン山のシリア側に、ヒズボラが軍事基地ネットワークを構築していると発表した。証拠となるビデオ映像もアップしている。

ヘルモン山は、標高2814メートルで、イスラエルを上から見下ろす位置にある。ヒズボラの”ゴラン・テロ・ネットワーク”は、ここからイスラエル軍や市民の動きをさぐっているみられる。言うまでもなく、イスラエルにとっては非常に危険である。

イスラエル軍によると、このネットワークのリーダーは、アリ・ムーサ・ダクドゥクという人物。1983年、いわばヒズボラ創設以来のベテラン指揮官で、ナスララ党首に次ぐ大物である。数々のテロ事件に関わってきたことで知られる。

シリア内戦が7年を経て終焉となり、いよいよイスラエル攻撃に向けてダクドゥクが、この地域に派遣されたとイスラエル軍は警戒している。

https://www.idf.il/en/minisites/hezbollah/hezbollah-establishes-a-terror-cell-in-syria/

なお、このヘルモン山のネットワークには、複数のグループが関わっており、一つ一つは、複雑に独立しているという。このため、ヒズボラとしては、シリアのアサド政権に報告義務がないということになる。

しかし、イスラエル軍は、このネットワークを公表するにあたり、シリア政府の責任であるとし、「イスラエルはこのヒズボラの動きを決して容認しない。」と釘をさした。

また、この事実を公表したイスラエル軍報道官のヨナタン・コンリカス少佐は、「シリア政府は、我々と同様、1974年の合意を遵守するべきである。地域の平穏を守るために、ヒズボラの動きに懸念を持つべきである。」と訴えた。

<石のひとりごと>

ヒズボラは、15万発とも言われるミサイルをイスラエルに向けて準備している。さらには、イスラエル領内に続く地下トンネルも複数摘発された。今度は、ヘルモン山のテロ・ネットワークである。ここまでイスラエルを憎むとは、なんともご苦労なことである。
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エルサレム・マラソンに4万人 2019.3.16

 2019-03-16
テルアビブにロケット弾が発射された翌朝、エルサレムでは予定通り、毎年恒例の国際マラソンが行われた。参加者は、イスラエル人の他、海外80カ国から来た4万人で史上最多を記録した。フルマラソンでの優勝は、今年もケニア人で記録は2時間18分。

イスラエルでは例年にない雨が続いているが、昨夜冬の嵐となり、マラソンの今日だけはなんとか曇り時々晴れで雨はなし。明日からは雨が戻るみこみ。今日だけマラソンに最適な天気となった。熱くすぎず、寒すぎず、医療的な課題は出なかった。

https://www.jpost.com/Israel-News/Jerusalem-Marathon-attracts-over-40000-participants-for-annual-race-583569

今年は、特にイスラエルの障害児童の支援団体シャルバを支援するために参加したランナーが1600人もいたことが注目された。シャルバ宣伝を支援するために、海外から集まったランナーは650人。障害児とその家族1000人が800メートルのマラソンに参加した。

シャルバからは、最近、目が見えないなどの障害がありながらも、優れたバンドを結成し、イスラエル社会でも人気が上がっていたが、その効果ともみられる。このマラソンで、シャルバに集められた献金は150万ドル(約2億円)にのぼった。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/260414

また、マラソンに参加する人で、市内のホテルはすべて満室。これだけでエルサレム市に2000万シェケル(6億円強)の経済効果があったという。

<シリア人も参加?>

今年は、現在、オランダに在住するシリア人、ハサン・アルジャクリさんもエルサレムマラソンに登録していた。アルジャクリさんは、ダマスカス出身で、国際マラソンのレベルの記録を持つ。

これを受けて、エルサレム市は、アルジャクリさんに敬意を表し、国会近くの会場にシリアの旗を掲げた。しかし、実際に、来て走ったとの報道はない。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5478069,00.html

<石のひとりごと>

おそらく世界に誤解されているのが、イスラエル人の多様性、寛容性であろう。

確かにユダヤ人としてのアイデンティティと、ユダヤ人の国としてのイスラエルを守ろうとする姿勢は、ユダヤ人だけを重視するように見えるかもしれない。しかし、それは単に生き残るためにどうしても必要なことであって、だからといって、イスラエル人が、多様性に欠けるということではない。

ヘブル的価値観では、たとえば自分と違って、障害がある人を下に見ることはない。その人も神の支配の中でたまたまそうなったのであって、障害があるからといって、すぐに役立たずだというふうには、本人も周囲もならないわけである。

したがって、障害のある本人も、世話をしてもらって当然とはならず、自分にできることを考えるし、周囲も、「助けてあげなければ」という、チャリティ的な見方とは違う視点で彼らを支援する。うまく説明できないが、「当たり前」のように、特別なことではないかのように、だれもが、助けを必要としているのに気がつけば、手をさしのべるのである。

それだからといって、支援した人々は、何かえらいことをしたような気にもならないし、だからと言って、神からの特別な報酬というか祝福を期待することもない。ここが、基本的に神の支配の中にいるヘブル的価値観(聖書的)と、人間の価値観で回っている普通の国々との違いかもしれない・・とイスラエル人を見ていて思わされる。

先日、バス停でバスを待っていると、止まったバスの中に、携帯で話している男性が見えた。その男性は扉の前にいる車椅子の男性に気がついたようだった。すると、そのまま携帯で話しながら、車椅子乗降用の鉄板を下ろした。すると車椅子の男性はそれを利用してバスに乗り込んだ。携帯の男性は、そのまま携帯で話しながら、鉄板を戻した。

車椅子の男性と携帯の男性の間に会話はない。携帯の男性は、当たり前のことを当たり前にやっただけであって、車椅子の男性も、「すみません・・」と頭を低くすることもない。双方、日常なのである。なんともすがすがしい光景であった。
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イスラエルの宇宙探査機「ベレシット(最初に:聖書の創世記)」 2019.3.16

 2019-03-16
2月22日、イスラエルは、アメリカのケープ・カナベラルから、初の宇宙探査機ベレシット(創世記)の打ち上げに成功した。アメリカ、ロシア、中国に続いて4番目となる。プロジェクトを実施しているのは、イスラエル航空局(IAI)。イスラエル空軍機の製造を行っているが、公的機関ではなく私立である。

ベレシットは、地球の周りを楕円形に回る軌道に乗った後、月の軌道に入って、4月11日、月面に着陸することになっている。もし成功すれば、イスラエル初であるだけでなく、世界で初めての私的機関による宇宙探査機となる。

イスラエルの宇宙探査機が月面に着陸する可能性が出てきたことについて、「月にまでイスラエルが入植する」といった記事もあったが、それを気にするイスラエルではない。

ベレシットは、一度楕円形の軌道に乗り損ねたが、様々な課題を克服して軌道に乗り、3月5日、地球から3万7000キロ上空で撮影した地球とツーショットのセルフィーを送信してきた。

写真には、小さな地球と、イスラエルの旗と、「イスラエル人は生きている。」というヘブライ語、「小さな国、大きな夢」と書かれた文字がともに写っている。

イスラエル建国の先駆者テオドール・ヘルツェルは、かつて、「そう願うなら、それはもう夢ではない(必ず実現する)」と言った。そうしてイスラエルという国、ユダヤ人の国という、当時は夢物語しかなかった夢が、ヘルツェルがそう言った50年後に実現した。

このため、「夢は大きいい方がいい」というのが、イスラエルの座右の銘であるが、今、まさに大きな夢が実現しそうである。イスラエル初の月面着陸。4月11日に乞うご期待!

https://www.jpost.com/Israel-News/Israeli-spacecraft-Beresheet-takes-first-selfie-in-space-582512

<石のひとりごと>

上記サイトには、ちょこまかと動き回ってベレシットを組み立てるチームの人々の姿が紹介されている。人間は、同じ人間であっても、ヒズボラや、ガザのハマスのように、ちょこまか動き回ってただ怒り、破壊することもできれば、何かとてつもなく壮大なものを創造することもできることに驚かされる。

どちらを選ぶのか、選択は我々に委ねられている。恨みにとらわれず、常に何かを生み出すこと、命を選ぶのが、創造主を神とするヘブル的価値観(聖書的)である。
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ホロコースト時代の法皇資料を公開へ:バチカン 2019.3.16

 2019-03-16
いろいろと新しい改革をすすめるバチカンのフランシス法皇。この度、ホロコースト時代を含む1939年から1958年の間、バチカンで法皇を務めたパイアス12世の記録を公開すると発表した。通常、法皇関連の資料は、退任(死後)70年経ってから公開されることになっているため、異例の処置となる。

前倒しで資料が公開されるのは、ホロコースト生存者がまだ生きている間に公開すべきだとの圧力があったとのこと。フランシス法皇は、前倒し公開を決めるにあたり、「教会が歴史を恐れることはない。」と言っている。実際に資料が公開されるは、来年3月2日の予定。

パイアス12世は、ホロコースト時代に、ユダヤ人を救出しなかった法皇として知られる。しかし、一方で、法皇がナチスに反抗しなかったことで、地下でユダヤ人救出に動いていたカトリックたちの働きを可能にしたというのが、カトリックの反論である。

いずれにしても、この時代の法皇が、非常に大きなジレンマに直面していたことは間違いない。

イスラエル外務省は、バチカンの資料公開を歓迎すると表明。エルサレムのホロコースト記念館ヤド・バシェムは、「この件については長年、公開を求めてきた。ヤド・バシェムの研究者に資料への全面的なアクセスを期待する。」との声明を出した。

https://www.timesofisrael.com/vatican-to-open-archives-on-wwii-era-pope-accused-of-silence-on-holocaust/

しかしながら、資料の公開で、最も期待されるのは、法皇自身のことではなく、当時、カトリック教会や、カトリックの家族に預けられたユダヤ人の子供たちに関する資料だという。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5476685,00.html
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