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緊迫するホルムズ海峡情勢:ヒズボラがイスラエル国境へ武力移動か 2019.7.23

 2019-07-23

ホルムズ
ホルムズ海峡:出展BBC

ホルムズ海峡でのアメリカとイランの対立が緊迫を続けており、ヨーロッパ諸国や日本や韓国などアジア諸国も巻き込み始めている。こうした中、イランの傀儡であるヒズボラが、レバノン南部やシリア東部に部隊を増強し、イスラエルへの攻撃に備えるとも見える動きに出ているという情報がある。

今後、ホルムズ海峡での情勢によっては、ヒズボラがイスラエルを攻撃してくるのではないかと懸念されている。

<ホルムズ海峡をめぐる緊張>

ホルムズ海峡でのアメリカとイランの緊張拡大の経過については、この記事の最後にまとめたので参照いただければと思う。

最も最近では、19日、イギリス船籍(乗組員は全員イギリス人以外)タンカーがイランに拿捕された。イランは、このタンカーが、海峡通過時のルールに反していたとし、警告に従わなかったためと主張している。

しかし、イランは、先月、イギリスがジブラルタル海峡で、違法にシリアに原油を搬入しようとしていたイランのタンカーを拿捕したことへの報復とも言っている。これを受けて、イギリスはじめ、フランス、ドイツがイランを非難する声明を出した。続いてサウジアラビアも、イランを非難する声明を出した。

https://www.jpost.com/Middle-East/France-Germany-and-Britain-ban-together-to-condemn-Irans-actions-596261

https://www.timesofisrael.com/saudi-arabia-urges-global-action-against-iran-after-uk-tanker-seized/

続く22日、イランは、CIA(アメリカの中央情報局)のためにイラン国内でスパイ活動をしていたイラン人17人を逮捕し、一部には死刑宣告をしたと発表した。トランプ大統領は、ただちにこの17人と、CIAとの関連を否定する声明を出した。

https://www.bbc.com/news/world-middle-east-49074162

<アメリカの「有志連合」呼びかけで世界規模の対立へ>

アメリカは、ホルムズ海峡に部隊を派遣しているが、中東からの原油を必要としているわけではない。そのため、基本的に、タンカーを守るのは、アメリカではなく、それぞれの国であるべきとの姿勢を表明している。

アメリカは19日、ホルムズ海峡を経由して原油を輸入している60カ国の代表者を集め、アメリカとともに「有志連合」を結成し、地域の安全を監視するシステムを呼びかけた。外交的にもイランに圧力をかける目的があるとみられている。

日本も、この枠に入るため、19日の会合に出席。さらに今、ボルトン米大統領補佐官が来日しており、この件について話し合われたもようである。

日本は、イランからの原油を必要としていることからも、あまりイランを逆なでするようなことはしたくないところだが、日米有効関係からもこの構想に参加しないという選択肢はないと思われる。自衛隊派遣になるかどうか、安倍政権にとって非常に難しい決断になる。

*便宜置籍船システム

ホルムズ海峡を通過するタンカーだが、ややこしいのは、日本を含む先進国が、「便宜地船籍」というシステムを導入している点である。

便宜置船籍とは、自国のタンカーと自国民の乗組員ではなく、パナマなど、海運業により有利な条件を持つ国のタンカーと乗組員を雇うことである。大幅な節税や人件費削減ができるため、昨今、日本を含むほとんどの先進国がこれを採用している。

これにより、たとえば、日本のタンカーであっても、船はパナマの船であって、船員はパナマ人やフィリピン人などである。今回拿捕されたイギリスのタンカーも、スェーデン船籍で、乗組員は、インド人やロシア人、フィリピン人などの外国人でイギリス人はいなかった。

それでもイギリスのタンカーということになり、守るのはイギリスの責任ということになる。

https://www.jsanet.or.jp/seminar/text/seminar_047.html

元タンカー乗りのベテラン、片寄洋一氏は、ホルムズ海峡の危険性が高まれば、雇われ船員が、船を降りてしまう可能性を指摘する。すると原油が各国に届かなくなり、世界が混乱に陥るが、特に日本は、中東の原油に依存しているため、大きく影響を受けることになると警鐘を鳴らしている。

https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20190720-00134950/

<ヒズボラが南部(イスラエル国境)へ部隊を増強か>

Times of Israelが報じたところによると、複数のヒズボラ司令官が、イスラエルとの戦争に備え、レバノン南部、シリア西部のイスラエルとの国境に部隊を増強しているという。

アメリカの雑誌Daily Beastが伝えたところによると、ヒズボラの司令官”サミール”が、万が一イランが攻撃されたら、ヒズボラが、イスラエルへの攻撃を開始するといっていたということである。

イスラエル軍北部担当アミール・バラム大佐は、ヒズボラは、レバノン南部に武力設備を建築中だと指摘。ヒズボラは、レバノン住民の安全には興味がないので、イスラエルとの戦争になった場合、ツケを払うのはレバノン市民になると警告している。

https://www.timesofisrael.com/as-sanctions-choke-iran-hezbollah-said-deploying-for-war-on-israels-border/

*イラン・ホルムズ海峡危機の経過 

(A:アメリカ陣営 I:イラン陣営)

5月2日:A)アメリカのイランの原油禁輸を発動

5月12日:I)サウジアラビアのタンカーをイランが攻撃か

6月13日:I) ホルムズ海峡近辺で、日本企業のタンカー含む2席が機雷による攻撃(イランか?)

6月21日:I) イランが、アメリカのドローンを撃墜。トランプ大統領、直前でイラン攻撃見送り

7月1日:I)イランが濃縮ウランの貯蔵量超過を発表

7月4日:A) イギリスが、ジブラルタル海峡でイランのタンカー(シリアへ原油密輸)拿捕

7月7日 I) イランがウラン濃縮上限を(3.67%)を超過 (20%に達すると核兵器に急速に到達)

7月9日 A) アメリカが有志連合(対イラン連合組織)結成を宣言

7月10日:I) イランが、イギリス船籍タンカー拿捕未遂

7月18日:I) イランがパナマ船籍タンカー拿捕 アメリカのドローンをイランが撃墜とアメリカが発表(イランは否定)

7月19日:I) イランが、イギリス船籍タンカー拿捕(2隻拿捕して1隻解放) アメリカが、ホルムズ海峡を監視する有志連合をよびかけ

7月20日:A) イギリス、フランス、ドイツがイランへの非難声明 サウジアラビアも。

7月22日:I)イランが国内にいるCIAのイラン人スパイ17人を逮捕(一部死刑宣告)したと発表 アメリカはCIAスパイについては否定

<石のひとりごと>

ホルムズ海峡の様子を見ていると、皆が戦争にはしたくないと言いながらも、後戻りできない状況に進んでいるようにみえる。

世界は大きく動いている。政治指導者の決断により、日本もまた国際的な対立や、戦争に巻き込まれていく時代である。国内だけでなく世界においても日本をうまく舵取りのできる人物が必須になっている。

こうした中、日本での参議院選挙での投票率は、50%を下回った。せっかくの選挙権を無駄にする有権者が半数以上にのぼったということである。また今回、れいわ新撰組が大躍進し、日本でも左派ポピュリズムが生まれたと注目されている。ますます内向きになっていくのではないかと懸念される。

あまりにも平和で、若干、過ぎたる個人主義が通る社会。超豊かな生活に慣れきっている私たち日本人が、次なる国際的な戦争に耐えうるだろうかと思わされる。
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ネタニヤフ首相在任13年で最長を記録 2019.7.23

 2019-07-23

GPO.jpg

ベン・グリオン首相とネタニヤフ首相:写真 GPO

20日、ネタニヤフ首相は、在任13年(1996~1999、2009~現在)となり、故ベン・グリオン首相を超えて、イスラエル史上最長の現役首相となった。

Times of Israelは、6年前に、ネタニヤフ首相本人が、イスラエル人気のお笑い番組エレツ・ネエデレットに、ネタニヤフ首相のものまね芸人と並んで出演したときのことを記事にした。

その番組の中で、ネタニヤフ首相ものまね芸人が、本物ネタニヤフ首相に、「ベン・グリオン首相は、イスラエル建国で記憶され、ベギン首相は、エジプトとの歴史的な和平条約を実現と記憶されている。ネタニヤフ首相は、どのように人々に記憶されると思うか」と聞いた。

芸人が、すかさず、「平らなプリッツェルがイスラエルに出回ったこと!」とボケを入れたが、その後、ネタニヤフ首相本人は、「イスラエルの治安を守った。」と答えた。

https://vimeo.com/64172850

確かに、ネタニヤフ首相の指導下、過去10年、毎年経済が成長して、失業率も低下し、イスラエルは止まることなく繁栄を続けた。イスラエル独自のイノベーションで世界に貢献し、それによって、湾岸諸国を含む世界諸国との関係改善にも成功している。

しかし、パレスチナ問題や、イラン問題など大きな防衛問題については、歴史に残るような大きな動きには出なかった。それがよかったかどうかは別として、この13年の戦死者数や、テロによる犠牲者数は、記録的に低下した。

これは筆者の感想だが、ネタニヤフ首相は、ビジネスあがりであるせいか、誇りやプライドではなく、実質、どこにイスラエルにとっての益があるのかにこだわっていたように思う。そのため、状況に応じて政策をころころ変える傾向にあった。いったん強気に発言しても、後に実行しないことが多い首相であった。

これを悪くとることもできるが、実際のところ、口で言うほど大きな政策や、戦闘に出なかったことは、逆に幸いであったといえるかもしれない。

https://www.timesofisrael.com/netanyahus-israel-divided-over-the-legacy-of-its-longest-serving-pm/

たとえば、昨今、ガザからの攻撃が続いてはいるが、それに対して、大きな武力を行使してこなかった。南部住民からの不満は噴出しているが、実際のところ、あえて大きな軍事衝突を避けたことで、国としての人的物的損害は最小限におさえられたといえる。

また、ネタニヤフ首相の13年で、もう一点をあげるとすれば、故アリエル・シャロン氏首相の時代に、最大右派政党リクードが、いったん弱小政党にまで落ち込んだが、それを元の右派政党代表の座に戻した点である。

たとえば、新党ブルーアンドホワイト(中道左派)では、ガンツ元参謀総長が党首であるからこそ、成り立っている。しかし、リクードは、いまや、”右派政党”としての地位を取り戻しており、だれが党首になったとしても、有権者は右派政党としての認識で、リクードに票を投じるようになったと言われている。

https://www.haaretz.com/israel-news/.premium-netanyahu-surpasses-ben-gurion-as-longest-serving-israeli-pm-but-what-s-his-legacy-1.7537760

とはいえ・・・様々な成果は、これまでの首相がとってきた政策の刈り取りをしているだけだという見方もあるし、13年も首相でいられたのは、副首相を立てず、リクード内部に出てくるライバルを抑えて、独裁的な政治運営をしてきたからだとの指摘もある。

また、ネタニヤフ首相自身が、今直面している汚職問題も深刻である。多くのイスラエル市民の話を聞くと、ネタニヤフ政権について、あまり好意的な評価は出てこないというのが現状である。9月の再総選挙で、ネタニヤフ首相の評価が再度問われるところである。

<石のひとりごと>

イスラエルの記事を追い始めて約20年、ネタニヤフ首相、バラク首相、シャロン首相、オルメルト首相、再びネタニヤフ首相を追いかけてきた。これらの中で、筆者が、第三者の目で見ても、特に「イスラエルを守る」という、すさまじい執念を感じたのは、シャロン首相と、ネタニヤフ首相であった。

シャロン首相は、軍人上がり。まさに有言実行。神出鬼没の政治手腕で、パレスチナ側からも恐れられていた。

シャロン首相は、2000年代初頭に第二インティファーダ、国内のテロで、市民1000人近くの犠牲者を経験し、今問題の、分離壁の建設を実行した。2005年にはガザからのイスラエル完全撤退も遂行した。

このガザからの撤退がよかったのか悪かったのかは、いまだに論議が続いているところではあるが、シャロン首相としては、イスラエルを守ることに命をかけているという気迫を証明したような出来事であった。

一方、ネタニヤフ首相はビジネスあがり。これまでの治世13年間に、シャロン首相の時のような大胆な政策はなかったが、したたかにイスラエルを守り抜くという点においては、シャロン首相とはまた違う執念を感じさせられた。

今年9月に再総選挙になるが、再びネタニヤフ首相になるのか、別の人物になるのか・・いずれにしても、イスラエルを守ることへの執念のある人物になるようにと思う。
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ガザ国境:ぎりぎりの平穏維持 2019.7.16

 2019-07-16
11日(木)、ガザ北部国境で、パレスチナ人2人が国境を超えそうになったため、イスラエル軍が発砲。パレスチナ人一人(28)が死亡した。ところが、死亡したのは、ハマスメンバーで、国境を越えようとする2人を止めようとしていたのであった。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5548212,00.html

これに対し、イスラエルは、”misunderstanding”(誤解)と釈明したが、ハマスは激怒。イスラエル南部にむけてロケット弾2発を発射した。これによる被害はなかった。再びの衝突も懸念されたが、その後、大きな動きはない。

今回の危機は、エジプトが、イスラエルとハマスの間を仲介していた最中のことであった。エジプトがなんとかハマスを説き伏せたのであろうか。12日には、エジプト代表団がガザへ入り、ハマスとイスラム聖戦と対話し、13日にガザを出た。

エジプトは、仲介者として、イスラエルとハマス、さらには、パレスチナ自治政府のアッバス議長とも交渉を行っている。

https://www.timesofisrael.com/egyptian-delegation-meets-with-palestinian-factions-to-prevent-new-gaza-flareup/

ここ数日中には、カタールと国連関係者がガザへ入り、イスラエルからの電力ライン(ライン161)、水道設備、国境付近の病院などの設立を視察するという。カタールが、これらのインフラ整備費用の出資者である。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5549809,00.html

こうした中、12日(金)には、相変わらず、ガザ国境で、6000人が、毎週のイスラエルへの暴力的なデモを行った。この衝突により、パレスチナ人33人が、イスラエル軍の実弾により負傷した。

<危うい非公式の”停戦”>

エジプトの仲介により、イスラエルとハマスの間には、非公式、非公開のあやうい停戦状態、衝突、また停戦という繰り返しが続いている。

ハマスは、イスラエルが存在していること自体が悪いという主張の元、イスラエルへの”反撃”の攻撃を行っている。しかし、イスラエルにしてみれば、先にハマスから攻撃されたことへの”防衛”であって、ハマスから”停戦”と言われるのは、理に合わない。

しかし、ガザへ、そのまま武力で反撃することが、イスラエルの益にはならないという特殊な状況がある。

ハマスは、多数のミサイルと持っているとはいえ、武力においては、イスラエルとは比べようがない。凧と戦闘機の戦いである。このため、まともに反撃すると、釣り合いがとれず、国際社会の非難を買うことになる。

また、ガザには、ハマス以外にも、イスラム聖戦など別組織がおり、ハマスとは別にイスラエルを攻撃してくることもある。ハマスはこれを抑えようとしているようではあるが、完全には支配できていないので、ハマスと約束しても、別組織がそれを破るという繰り返しである。

<ガザの特殊事情とイスラエルの現実的?対策>

ガザ地区は、もはや人間が住める状態にはない。このため、イスラエルは、エジプトの仲介で、平穏が保たれると、”ご褒美”として、人道物資などを搬入するという、ムチと反対のアメ対策を続けている。今回も同様に、平穏になったことを評価して、医薬品や、物資搬入に同意したとみられている。

https://www.timesofisrael.com/israel-said-to-promise-gaza-medicine-goods-in-return-for-continued-calm/

また、ガザでは、電力不足で、下水を海やイスラエル領内へ垂れ流すようになってすでに久しい。この状態でガザを攻撃しても、イスラエルが対処する問題が増えるだけである。

下水垂れ流しについて、イスラエルは、ガザの下水をスデロットロットの下水処理場へ引く地下パイプを建設し、処理するシステムを構築することを決めた。これに必要な資金は、1500万シェケル(約4億5000万円)にのぼる。イスラエルはこの費用を、パレスチナ自治政府への送金(税徴収)から差し引くとのこと。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5528090,00.html

攻撃されているのに、ハマスに様々な奉仕をしているかのようなイスラエル政府の対応に、南部住民は、業を煮やしている。

しかし、Times of Israel によると、ガザからの火炎凧による攻撃は、2018年に比べ、減少傾向にあるという。危ういながらも、ガザへのアメ作戦は、多少は効果があるのかもしれない・・・。

https://www.timesofisrael.com/south-sees-stark-drop-in-number-of-fires-caused-by-gaza-arson-attacks/
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イランと対峙するアメリカとイスラエルへ:ヒズボラ・ナスララ党首演説 2019.7.16

 2019-07-16
アメリカとイランが軍事衝突になりそうで、ならない事態が続いている。そうした中、ヒズボラのナスララ党首が13日、第二次レバノン戦争(2006年)を記念して、テレビを通したビデオ演説を行った。

ヒズボラ支援者へのメッセージなので、多少、誇張もあると思われるが、「今もしアメリカがイランを攻撃すれば、ヒズボラがイスラエルを総攻撃して、撃滅させる。」と脅迫している。具体的には以下の通り。

①シリア内戦が終焉となったことで、ヒズボラは、シリアに派遣していた戦力を呼び戻し、以前のイスラエルとの戦線に備える位置に配備した。

②ヒズボラは、今や戦況の流れを変えうる弾道ミサイル、ドローン、軍事技術など、量・質ともに向上した軍備を備えている。*ベングリオン空港、テルアビブとアシュドドの海水の淡水化工場は標的内にある。

③イスラエルは、シリア領内のイラン基地を時々攻撃しているが、イランがシリアから撤退することはない。逆に、攻撃はイスラエル自身に危険を招くだろう。

④サウジアラビアやUAEに危機が及ぶとわかってもアメリカがイラン攻撃を思いとどまることはない。しかし、イスラエルが、一掃されるとわかれば、思い留まるだろう。アメリカとイランの軍事衝突が、地域を巻き込んで大戦争に発展していくからである。

https://www.jpost.com/Middle-East/Nasrallah-Israel-will-vanish-in-next-war-with-Hezbollah-595528

*アメリカ対イラン:イギリスもペルシャ湾に軍備増強

一触即発状態が続くイラン情勢。

先週、イギリスが、ジブラルタル海峡で、シリアへ違法に原油を運んでいたとみられるイランのタンカーを拿捕した。シリアが内戦中であるため、国際社会は、シリアへの原油輸出を違法と定めている。

イランからシリアは、陸続きですぐ隣なのであるが、陸路で原油を搬入すれば違法になり、イスラエルに爆撃される可能性が高い。そのため、あえて、アフリカ大陸を大回りして、地中海からシリアに入ろうとしたのである。

これを受けて、イランは、報復としてイギリスのタンカーを拿捕すると脅迫した。実際、イギリスによると、イランは先週、報復だとして、ホルムズ海峡を通過中のイギリスのタンカーを拿捕するよう命令を出したという。(イランは否定)

イギリスは、自国籍の船を護衛するため、ペルシャ湾に戦艦を一隻追加派遣することを決めた。また、アメリカと地域への軍備増強について協議していることを明らかにした。

https://www.jpost.com/Middle-East/Tensions-Rise-in-Gulf-as-US-UK-Up-their-Forces-595676

<ネタニヤフ首相コメント>

ナスララ党首のコメントに対し、ネタニヤフ首相は、「ヒズボラが、大胆にもイスラエルを攻撃したら、イスラエルは、ヒズボラとレバノンに壊滅的な攻撃を行う。」と言い返した。

また、攻撃対象を明らかにしているナスララ党首に対し、「我々は手の内を明かさない。」と言った。また、ビデオメッセージで、最新鋭ステルス戦闘機F35の前に立ち、「この飛行機は、イラン、シリア含め中東全土に到達できるということを覚えておいたほうがいい。」と述べた。

言うまでもないが、ヒズボラは、戦闘機は持っていない。

https://www.jpost.com/Breaking-News/Netanyahu-answers-Nasrallahs-threats-in-cabinet-meeting-595606

<戦争の可能性は・・?>

メディアを通じた言い争いや行動からは、危険極まりない匂いがするが、実際にトランプ大統領が、イランを攻撃することはないだろうとの見方がちらほら出始めている。これを”トランプ大統領のオバマ化”といった表現をする記事もある。

トランプ大統領が、先に150人の死者が出ることを理由に、イランへの攻撃を思いとどまったが、結局、トランプ大統領も、来年の大統領選挙に勝つための備えの時期に入っているからではないかとの分析である。

また先週、トランプ大統領のライバルである民主党から立候補しているバイデン元副大統領は、イランとの核合意に戻るとしながらも、イスラエルとの友好関係は保証すると有権者に訴えるコメントを出した。トランプ大統領の支持層、福音派を分裂させかねないコメントである。

一方、イランも、アメリカとの戦争どころではない。厳しいかんばつと、経済制裁で、国民生活は疲弊している。エルサレムポストが、ワシントンの研究所によるとして伝えたところによると、イランでは、200から300万人が薬物中毒だという。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5547681,00.html

イランのロウハニ大統領は、「アメリカが、経済制裁を緩和するなら、話し合う用意があると言っている。しかしこれは、アッバス議長が、「イスラエルが東エルサレムから撤退したら、話し合いに応じる。」と言っているようなもので、アメリカが応じるはずのないオファーである。

<石のひとりごと>

ニュースを見ていると、トランプ大統領自身が予測不能なので、中東で何が起こるということもまた予測不能だというコメントが多くなってきた。今に始まったことではないが、トランプ大統領の決断一つで、非常に大きな戦争にもなりうることを考えると、末恐ろしいポジションである。

トランプ大統領、またその周囲にいる側近たちの精神的霊的健康を祈ることは非常に重要である。
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シリア情勢の今:ロシア、トルコ、中国の動き 2019.7.16

 2019-07-16
ナスララ党首が言うように、シリア内戦はほぼ終焉に近づき、もはやヒズボラが活躍しなくてもよくなった。アサド政権を相手に戦っていた反政府勢力も、IS残党も、今は、シリア北東部のイドリブ県に集中している。

この残党への最後の攻撃を行っているのが、ロシア軍とシリア軍である。攻撃を受けている反政府勢力とその家族は悲惨だが、トランプ大統領は不思議にもこの件には介入しようとしない。こうしたことからも、トランプ大統領の興味は、来年の大統領選挙に以移行したと分析される傾向につながっている。

1)ロシア:シリア内戦終焉へ最後の仕上げ

アメリカとイラン情勢で、メディアにほとんど出てこなくなったのが、シリア情勢である。しかし、その背後では、ロシアとアサド政権により、イドリブに残された反政府勢力とその家族に対して、相当残虐なことが行なわれているようである。

ロシアとイラン(ヒズボラ含む)の介入で、アサド政権が勢力を回復し、イスラエル南部やゴラン高原クネイトラなどからも、反政府勢力を追い詰めて、今や、シリア東北部イドリブ県に反政府勢力とその家族が追い詰められた状況となっている。

アルジャジーラによると、攻撃しているのは、主にシリア軍とロシア軍で、国連によると、4月以降だけで、23の病院の他、学校などが爆撃を受けて破壊された。

ロシアによる爆撃は今も続いており、7月13日だけでも市民22人が死亡。国連によると、4月以降の集中した攻撃で、少なくとも子供130人を含む540人以上が死亡した。戦闘員を入れると、死者は2000人を超えると、シリア人権保護監視団体は訴えている。

ここでもシリア市民による救出隊ホワイトヘルメッツが活躍している。

https://www.aljazeera.com/news/2019/07/russia-syria-assault-idlib-leaves-500-civilians-dead-190707063546686.html

https://www.aljazeera.com/news/2019/07/22-civilians-killed-government-airstrikes-syria-190713150926382.html

今、爆撃を受けている人々は、ISを含む反政府勢力である。イドリブにおける悲惨な状況は、世界からは無視状態で、爆撃を続けるロシアの行為については、先のG20でも、話題にされることもなかったとの批判も上がっている。

2)トルコにロシア製S400地対空ミサイル配備開始

トルコは、今のエルドアン大統領になってから、イスラム化への未知をたどり、イスラエルを憎む道を選ぶようになった。

シリア内戦においては、当初、NATOの一員として、(しぶしぶ)アメリカ側に立っていたが、シリア領内の宿敵・クルド人勢力を牽制する中で、やがてロシア、イランに協力するようになった。

また、トルコは、360万人ものシリア難民を受け入れていることから、これ以上、国境を越えて、シリア難民が流入することはさけたいと考えている。そのため、アメリカではなく、シリアで最も影響力のあるロシアに接近する方が重要になっている。

しかし、トルコは今も、NATO軍(ロシアに対抗する欧米29カ国軍)の一員である。ロシアに近づきすぎて、NATO側の情報を漏えいするのではないかとも懸念されている。

こうした中、トルコは、ロシアのS400地対空ミサイルを購入することでロシアと契約を締結した。S400は、ロシアが開発したもので、欧米NATO軍(ロシアに対抗する欧米など29カ国からなる軍隊)には、有効な対処能力がないという類の武器である。

アメリカは、これに強く反発し、もしトルコが本当にS400を配備するなら、トルコが、今、アメリカから購入しようとしているF35ステルス戦闘機の販売を停止すると警告した。F35がトルコの手に渡れば、そのままロシアがその技術を盗んでしまう可能性が出てくるからである。

しかし12日、S400は、予定通り、ロシアからその第一陣が到着。これを受けて、アメリカはF35の輸出を凍結すると発表した。また、S400の残りの部分がトルコに到着することになれば、アメリカはトルコに対する経済制裁を発動すると言っている。

いよいよアメリカ対ロシア、イラン、シリア、トルコという図式が明確になりはじめている。

https://jp.reuters.com/video/2019/07/12/ロシア製地対空ミサイル購入に米激怒-トルコを待ち構える「制裁」とは字幕・12日?videoId=573411066

3)中国:シリア復興へ乗り出し(一帯一路構想)

一方で、中国が、シリアのインフラ再建介入に動き始めている。6月18日、中国は、シリアの外相と北京で会談し、シリアの復興に中国が大きな役割を果たす用意があると明らかにした。シリアは、地中海に面しているため、中国からヨーロッパに続く新シルクロード構想、一帯一路プロジェクトの一環とみられる。

しかし、シリアはまだ内戦が終わったわけではなく、中国経済も陰りをみせはじめていることから、イスラエル国家治安研究所(INSS)は、中国の進出は、急には実現しないと分析している。

中国は、イスラエルの重要な港、ハイファ港でのインフラ整備を請け負っており、アメリカはイスラエルに懸念を表明したが、イスラエルは、たとえ中国になんらかの情報を取られたとしても、大きな脅威にはならないとの余裕である。

https://www.inss.org.il/publication/will-china-reconstruct-syria-not-so-fast/?utm_source=activetrail&utm_medium=email&utm_campaign=INSS%20Insight%20No.%201187

<石のひとりごと>

ロシアを背景に、イラン、イラク、シリアがつながり、今また中国まで登場となれば、ユーフラテス川の東側にすでに大国が構えている状態である。今はアメリカ軍がいるので、これらの国々が、ユーフラテス川を越えて大きく移動することは不可能である。

しかしやがて、アメリカ軍がいなくなれば、これらの大国が、自由にユーフラテス川を越えてイスラエルに攻めてくるということも可能になってくる。終末の舞台ができ始めているようでもある。聖書の記述は以下の通り。

第六の御使いが鉢を大ユーフラテス川にぶちまけた。すると、水は、日の出るほう(東側)から来る王たちに道を備えるために枯れてしまった。・・・彼らは全世界の王たちのところに出て行く。万物の支配者である神の大いなる日に備えて、彼らを集めるためである。(黙示録17:12−14)
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リブリン大統領:韓国訪問 2019.7.16

 2019-07-16
リブリン大統領が、14日、韓国を公式訪問した。イスラエルの大統領が韓国を訪問するのは、2010年の故ペレス大統領以来である。今回は、ビジネス関係者を同行しており、目的は両国の貿易促進である。

韓国が独立したのは、イスラエルと同じ1948年。イスラエルとの国交は、1962年からである。現在、両国の間で自由貿易の協定締結交渉が最終段階にある。

韓国は、アジアで最初に直航便を実現し、サムソンは、アジアで最初に、イスラエルにR&D(研究開発)センターを置いた会社である。韓国はまた、宇宙科学においても、早くからイスラエルとの共同研究を行っている。

*イスラエルのR&D

スタートアップとよばれるイノベーションの国イスラエルでは、先端技術が多く開発され、毎年1000社近くが起業している。ここに世界の投資が集まるのだが、2016年には、それまでの最高投資額48億ドルを記録している。

企業とその技術を買収した会社は、そのままイスラエルにR&Dを設置する会社が多く、現在イスラエルには、グーグル、IBM,マイクロソフト、ソニーなど300社以上のR&Dが存在している。イスラエル、特にテルアビブは、まさにイノベーションのハブである。

イスラエルは、厳しい外交、防衛、ボイコット運動など、常に困難に直面しているが、ビジネスの世界では、そういうこととは無関係に、イスラエルへの投資が続けられている。

https://blogs.timesofisrael.com/israel-and-korea-are-having-a-moment/
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国内ニュース3つ 2019.7.16

 2019-07-16
1)同性愛の”治療”発言で大論議

日本では、高齢者の備えが2000万円は必要との金融庁報告書に関して、日本中が政府を大バッシングし、様々な論議が未だに続いているが、イスラエルでは、先月に着任したばかりのラフィ・ペレズ教育相が、13日、同性愛者が、通常の性的嗜好にするためのセラピーを受けることを支持するともとれる発言をした。

これを受けて、国中に大論議が巻き起こった。

イスラエルは、中東一のゲイ・キャピタルと呼ばれるテルアビブを擁し、同性愛には寛大な国である。ペレズ氏のこの発言が出るやいなや、LGBTQグループだけでなく、全国の教師も立ち上がって、いっせいにこれに反する声をあげ、ペレズ氏に退任を求めるデモを行った。

ペレズ氏を教育相に指名したネタニヤフ首相も、同氏の発言をいさめるコメントを出した。

実際のところ、同性愛のセラピーについては、心理に及ぼす悪影響が懸念されるため、多くの国で禁止されている。イスラエルでは、今も国がこれを認めており、心理学者などが、希望者にセラピーを提供している。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5549714,00.html

予想以上の加熱ぶりに、ペレズ氏は、チャンネル13のインタビューに答えて、「私自身が、同性愛変換セラピーを受けた経験があったので、学生から、それについて聞かれた時に紹介しただけだ。セラピーを支持するとは言っていない。」と反論した。

ラフィ・ペレズ氏は、現在は、右派宗教シオニストの政党、ユダヤの家党の党首で、1992年には、西岸地区入植地に、ユダヤ教徒のための従軍前アカデミーを設立した人物。2010−2016年には、イスラエル軍のラビも務めたことがある。

https://www.timesofisrael.com/smotrich-education-minister-enduring-lynch-for-support-of-conversion-therapy/

ペレズ氏が、激しいバッシングを受けているの見て、ベツァレル・スモトリッチ交通相、ツファットのチーフラビを務める著名なラビ・シュムエル・エリヤフが、ペレズ氏に賛同すると表明した。

ラビ・エリヤフは、民衆に対し、「(ペレズ氏の言うことは)普通のことを言っている。家族は母親と父親でなりたっている。」と述べた。また、同性愛者たちは、手術やステロイドで性転換することについては、国や軍の助成を求めているのに、通常の性嗜好に転換するセラピーには反対していると指摘した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5550480,00.html

2)エチオピア系ユダヤ人警官殺害は事故

6月30日、エチオピア系ユダヤ人ソロモン・テカさん(19)が、ハイファ近郊キリアット・ハイムで、非番であった警察官の銃撃で死亡した事件。この事件では、イスラエルの人種差別が原因だとして、エチオピア系住民らが大規模なデモを行い、警察隊と衝突して、双方から111人が負傷、136人が逮捕されるという事態になっていた。

この件について、警察が詳しい調査を行った結果、この警察官は、テカさんに向かって直接銃を放ったのではなく、足元の床を狙ったところ、弾が跳ね返って、ペカさんに直撃した、つまりは事故であったとの見解を発表した。

これを受けて、15日、裁判所が警察の報告を承認し、保釈金5000シェケル(15万円)でこの警察官を釈放。自宅軟禁とした。保釈の日、テカさんの家族やその支持者たちは、首相官邸前にて、警察が最初からこの警察官に対して甘い態度であったと抗議の声を上げた。

いずれにしても、19歳の息子を失った両親の悲しみははかりしれない。。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5550597,00.html

3)幼児虐待死の幼児園スタッフ:実刑17年

2018年の5月16日、ペタフ・ティクバの幼児園の女性助手のイナ・スキバンコ(23)が、1歳2ヶ月のヤスミン・ビネッタちゃんの上に座って電話をかけ、窒息死させていたことがわかった。

スキバンコは、2016−2018年にかけてこの幼児園で3−18ヶ月の子供たちを担当していたが、ヤスミンちゃんを殺害するまでにも、赤ちゃんを放り投げたり、蹴ったりする暴力行為を繰り返していたという。

14日、裁判所は、17年の禁固刑と、12万シェケル(360万円)を支払うとの判決を出した。ヤスミンちゃんの両親は、17年ではなく、60年は入るべきだと涙で訴えた。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/265995

これに先だつ7日、ローシュ・ハアインでデイケアを経営していたカーメル・マウダ(25)も、預かっていた子供達に殴る蹴るの暴力や、吐物を食べさせるなどの虐待行為を行っていたとして、逮捕されていた。マウダは、「暗黒の日々が続いて、サタンのようになっていた。」と言っていたという。

不思議なことに、この直後、マウダの家は、放火され、焼失した。放火犯としてパレスチナ人が逮捕されたが、容疑を否認している。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5545026,00.html
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ダビデ王関連遺跡:ツィケラグ発見か 2019.7.16

 2019-07-16
聖書に登場するダビデ王は、紀元前10−11世紀の人物だが、意外にその考古学的証拠は少ない。このため、ダビデ不在説なども存在する。

しかし、それを覆すように発見されたのが、2008−2013年にかけて発掘された、エラの谷に面する丘の上にあるキルベット・カイエファであった。聖書では、シャアライムという名で登場し、ダビデが巨人ゴリアテを倒す前に、サウル王からよろいを着せられた軍事拠点であった可能性がある。

今回、ヘブライ大学などのチームによって発見されたキルベット・アライは、この町と同じ時代とみられる遺跡で、聖書に登場するツィケラグではないかと考えられている。発掘は2015年から始められていた。

聖書(第一サムエル記27章)によると、ダビデが、サウル王から逃げていた時、ペリシテ人でガテの王、アキシュが、ダビデにこの町に住むことを許可し、ダビデは部下たちとともに、この町に住んだ。

その後、ダビデたちが、イスラエル(サウル王)と戦うためにアキシュとともに、途中まで従って行った間に、アマレク人に焼き払われている。

場所は、アシュケロンに近く、キリアット・ガットとラキシュの間に位置する丘の上で、紀元前11−12世紀にさかのぼるペリシテ人の時代のツボやオイルランプなど、1000個以上も発見された。ダビデの時代に特有の食器も発見されている。

シャアライムが、ガテに面し、ツィケラグは、アシュケロンに面しているところからも、当時のイスラエルとペリシテの対立する地理的な様子を彷彿とさせる貴重な遺跡である。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5546496,00.html
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イランがウランの濃縮引き上げへ:イスラエルの反応 2019.7.8

 2019-07-08

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ウラン濃縮度引き上げを発表するイラン 写真出展:BBC

7日、イランが、核合意で定められたウラン濃縮の上限3.67%を超え、5%にまで高めると発表した。しかしロウハニ大統領は、3日、イランは今後、望むままにウランの濃縮を行うとも言っており、5%を超えていく可能性も示唆している。

核兵器開発に必要なウランの濃度は90%と、まだまだ先ではあるが、仮に20%を超えると、核兵器製造までに1年かからないと推測されている。

また、これに先立つ6月28日、イランは、国内に保有できる低濃度のウランの上限である300キロについても、今後超過すると発表している。また、プルトニウムを抽出する重水炉の建設も示唆した。

イランは、2015年の核合意(JCPOA)によると、もし、一方が、約束を守らなかった場合、他方が一時的に約束を守らないということがあったとしても、合意から離脱することには当たらないとして、あくまでも合意の範囲内にとどまっていると主張している。

IAEA(国際原子力機関)は、イランの発表が事実かどうかの検証を行い、10日、緊急会議を開催する。

https://www.timesofisrael.com/ahead-of-deadline-iran-readies-to-increase-uranium-enrichment-level/

<イランVS核合意関係国(アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、ロシア、中国、EU)>

6月20日、ホルムズ海峡周辺で、アメリカのドローンがイランに撃墜された。トランプ大統領は、報復の軍事攻撃を指示したが、わずか数時間前に、大統領の意向一つでこれをキャンセルした。

トランプ大統領は、これでイランがアメリカに恐れ入って、態度を変えると期待したのかもしれないが、誇り高いイスラム政権のイランが、引き下がることはない。また、市民生活を優先し、アメリカに頭を下げるということもありえないだろう。

6月28日、イランは予告通り、低濃度ウランの国内保有上限であった300キロを超過すると発表。核合意関係諸国に、7日までに、イランとの貿易を再開し、経済制裁を軽減する妥協策を出さなければ、イランは、ウランの濃縮についても上限を超過させると予告した。

フランスのマクロン大統領は、6日、イランのロウハニ大統領に電話をかけ、1時間近く話をしたという。マクロン大統領は、今月15日までに、核合意関係諸国とイランとの対話再開の条件などを整えることで合意した。

https://www.timesofisrael.com/liveblog-july-7-2019/

<ネタニヤフ首相怒り表明>

イスラエルのネタニヤフ首相は、週初めの閣議において、英語で、核合意関係国に怒りをこめた以下のメッセージを語った。

「イランがウランの濃縮を再開する目的は核兵器しかない。これは非常に危険である。ナチスドイツの拡張は、小さなステップから始まり、オーストリア侵攻となり、急速に進んでいった。イランも同じである。

友であるフランス、イギリス、ドイツの皆さん。合意では、いったんイランが規定以上のウランの濃縮を再開したら、その瞬間に厳しい経済制裁を発動するということになっているではないか。それは国連安保理の決議でもあったはずだ。いったいどうしたことか。」

ネタニヤフ首相は、イスラエルが、これまでシリアに進出してくるイランを懸命に阻止してきたと訴え、ヨーロッパにも同じように戦ってほしいと訴えた。

https://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Netanyahu-Irans-uranium-enrichment-steps-like-those-Nazis-took-in-1930-594853

<英海軍:イランのタンカー拿捕:シリアへ原油密輸か>

こうした中、4日、ジブラルタル海峡で、イギリス海軍が、イランの石油を運搬中とみられるタンカーを拿捕した。イギリス軍は、タンカーが、シリアへ向かっていたとの見解を発表した。これは、現在、イランの原油禁輸政策を取っているイギリスにとっては、重要な違反ということになる。

イランは、タンカーの石油がイランのものであり、スエズ運河を通行できないので、はるばるアフリカ大陸を経由してジブラルダル海峡を通過していたことを認めた。しかし、行き先がシリアであったというイギリスの主張は否定している。

イランは、もしイギリスがイランのタンカーを即座に解放しないなら、イランはイギリスのタンカーを拿捕するしかないと脅迫した。

時期的にも最悪の時であり、1980年代のイラン・イラク戦争の時に、ペルシャ湾を航行中の各国のタンカーが攻撃された、いわゆる”タンカー戦争”を彷彿とさせる事態である。

https://www.timesofisrael.com/tehran-threatens-to-seize-british-oil-tanker-if-iranian-ship-not-released/

<イラン情勢:今後どうなるのか:石のひとりごと>

トランプ大統領もイランのハメネイ最高指導者も共に、戦争は望んでいないことは確かなようである。

1)双方にらみあいのままが続く

もし、ここで、アメリカとイランが戦争になれば、イスラエルも中東全体、ひいては世界も巻き込む世界大戦になってしまう可能性もあり、それは、アメリカにとってもイランにとっても得策ではない。

特にイランは、今、経済制裁で疲弊しており、国民の政権への目も厳しくなっている。アメリカと対決しても、勝つ見込みどころか、内部から政権転覆の可能性が高まる。イスラエル国家治安研究所によると、イラン政府は、ここしばらく、イスラム教の服装などその法典の強化を進めているという。国内が不安定になりつつある証であろう。

イランの核兵器開発が最初に問題となったのは、15年以上も前の2003年だった。以来、イランは、国際社会をのらりくらりとかわしてきた。これからも、国際社会をやきもきさせながら、結局、核兵器レベルにまでウランを濃縮しないという態度を取り続けていく可能性がある。

2)ヨーロッパかロシアが、アメリカ抜きでイランと合意を見出す

アメリカでは、来年大統領選挙なので、近くトランプ大統領が消えるかもしれない。また、今、ヨーロッパが、アメリカ抜きでイランとの新たな合意に至るとか、シリア内戦の時のように、ぎりぎりになってロシアが登場して事態を丸く収め、情勢の主導権をとってしまうなどもありうる。

一方アメリカもこのまま軍事行動には出ず、基本的には、経済制裁をさらに強化して国内のイラン政権への批判が爆発するのを待つという方針のようである。もし今、イランに軍事攻撃を実施して、アメリカ軍人を失うようなことになれば、来年の選挙でマイナス要因となるからとみられている。

また、イランとの妥協案を模索しているとの報道もある。

3)イスラエルから火の手が上がる

さらにイスラエルがどう出るかで、だれも望まない戦争に発展してしまうかもしれない。

イスラエルは、イランが少しでも核兵器に近づくことを許さないと言っている。ロシアの暗黙の了解を得たことで、シリア軍になりすまして、イスラエル国境に近づいてくるイラン革命軍への攻撃を大胆に行い、イラン国内の核施設にまで攻撃する可能性もある。

またこの緊張の中、イスラエルのステルス機が、昨年3月にイラン領内を飛行していたという情報が、今になって流れた。これは、イランには脅威になる。

https://news.yahoo.com/iranian-commander-kept-secret-israeli-113000039.html

これに対し、イランが支援しているレバノンのヒズボラや、ガザのハマスを使って、イスラエルを攻撃させて、国際社会の注目をそらすなどの事態もありうる。

夏は、イスラエルでは戦争が多発するシーズンでもある。なんとか平穏が保たれるようにと願う。
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イスラエルのシリア攻撃で15人死亡か 2019.7.8

 2019-07-08

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ダマスカス近郊 写真出展:France 24

シリア国営放送によると、1日早朝、ホムスとダマスカス近郊のイラン革命軍の拠点や武器関連地点、少なくとも10箇所が攻撃され、シリア人15人が死亡した。このうち9人はシリア人ではない外国人で、6人は、幼児1人を含む市民だと伝えている。

攻撃は、レバノン領空から発射されたイスラエルのミサイルで、何発かは迎撃ミサイルが対処したとのこと。その迎撃ミサイルの一発が、キプロスの山中に着弾し、火災が発生している。

これについてイスラエルはノーコメントだが、攻撃は、イスラエル軍が、衛星写真で、シリアにロシア製迎撃ミサイルS300が稼働していることが明らかになった直後であったことから、おそらく、イスラエルであると思われる。

イスラエル国家治安研究所のアモス・ヤディン元イスラエル軍諜報部長官は、イランがアメリカの高性能ドローンの撃墜に成功した後で、いつもより強気になっている可能性があるとして、反撃への危機感を表明していたが、幸い、今の所、反撃はない。

https://www.timesofisrael.com/15-said-killed-9-of-them-foreigners-as-israel-strikes-iranian-sites-in-syria/
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第二のハマスの息子登場:ハマスの汚職を暴露 2019.7.8

 2019-07-08

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シュヘイブ・ユーセフさん 写真出展:Times of Israel

ハマスといえば、ハマスの息子で知られるモサブ・ユーセフさんである。モサブさんは、ハマス創設者の一人で、今も指導者であるシーカー・ハッサン・ユーセフの息子だが、クリスチャンとなり、イスラエルの諜報機関シンベトに協力した。

やがてガザに帰れなくなり、アメリカへ亡命。そこからハマスの不条理を摘発し続けている。

今回、その実の兄弟にあたるシュヘイブ・ユーセフ氏(38)が、やはりハマスから離脱して南アジアへ亡命。先週、イスラエルのテレビ、チャンネル12に出演して、ハマスの汚職など内部上を証した。

チャンネル12の番組(約14分)
https://www.mako.co.il/news-world/arab-q3_2019/Article-d997e3fb259bb61026.htm?sCh=31750a2610f26110&pId=948912327

シュヘイブさんは、トルコのハマス関連機関で働いていたが、ハマスのあまりの汚職と矛盾に怒りを感じ、ひそかにトルコを脱出して、ある東南アジアの国にきている。(タイ?)

シュヘイブさんは、そこから、イスラエルのテレビ局、チャンネル12のアラビア語キャスターのオハッド・ヘモさんに自ら連絡をとり、取材を依頼した。

シュヘイブさんは、数ヶ月前まで、トルコでハマスの極秘諜報部で働いていた。そこには、高度な盗聴システムがあり、イスラエル人の会話や、アラブ諸国の情報も得ていたという。その情報をイランに売ってお金にしていた。金はトルコの銀行に支払われていた。

シュヘイブさんによると、トルコのハマスメンバーは、かなりぜいたくな暮らしをしている。給与は月に4000から5000ドル(50-60万円)で、プールや、警備員つきのぜいたくなホテルやタワーに住み、子供達は私立の学校で学んでいる。

ガザの市民が一月100ドルで生活しているのに、ハマスのメンバーは、トルコで、一食で200ドルもする食事をしている。この状況に激しい怒りを感じたと話している。

この他、トルコのハマスは、西岸地区で、テロを起こす者たちの調達も行っていた。その目的は、パレスチナの地やエルサレムを解放するためではなく、ユダヤ人へを憎んでいたからでもなく、ただイスラエル市民を殺害し、問題をガザから西岸地区に拡大させるためであったと語る。

パレスチナ市民たちが騙されて、テロに引き出されているが、ハマス幹部らが自分の子供たちをテロに駆り出すことはない。ガザ国境でのデモに、ハマスの首領であるイシュマエル・ハニエが来ることはないのである。

シュヘイブさんは、こうしたテロ活動は、ただハマスが、権力を維持するためのものであると指摘。ハマスがいなくなれば、ガザの問題はなくなるとの認識を語った。

シュヘイブさんは、自分は、”書物の民”ユダヤ人を憎んでいないと言い、ハマスこそ人種差別の組織であり、パレスチナ人にとって危険な存在だと語った。

ただ、シュヘイブさんは、イスラム教徒であり、兄弟モサブさんと違い、イスラエルに協力はしておらず、ハマスに忠実であったと強調している。その上で、ハマス創始者であった父親に対し、ハマスは変わってしまった、父もそこから出てくるべきだと訴えている。

https://www.timesofisrael.com/second-son-of-hamas-leaves-terror-group-exposing-corruption-turkish-spy-ring/

<エルサレム西北部で車つっこみテロか:イスラエル兵5人負傷>

6日夜、東エルサレムの検問所近くヒズマで、イスラエル兵の列にパレスチナ人の車がつっこみ5人が負傷した。3人は中等度の傷とのこと。イスラエル軍はただちに、車の運転手の捜索を開始。容疑者とその父親が連行されたという。詳細はまだ伝えられていない。

<泥沼ガザ情勢>

ガザからは相変わらず、火炎凧が飛来し、広大な地域で火災が発生するという事態がつづいている。ハマスは、その度に「停戦」といい、イスラエルもそれに応じるが、またすぐに火炎凧が来るといった繰り返しになっている。

イスラエルが、ガザを一層してしまうことは難しくはないが、緊張するイラン情勢もあり、今は下手に事を大きくすることを控えているとみられる。しかし、相変わらずガザとの国境では、金曜デモも続いており、イスラエル南部住民は不満を募らせている。

<石のひとりごと>

イスラエルが最も願っていることは、パレスチナ人自身で、汚職と不条理にまみれた指導部を倒し、民主的で落ち着いた隣人になることである。イランも同様である。イラン人自身で内部から、今の難しい指導部を一新してくれれば、それが一番良い。

しかし、それを実行することは、文字通り、自分も家族も捨てなければならないことである。捨てるだけでなく、命の危険が伴う。

シュヘイブさんは、この番組に出ることで、命を狙われることを覚悟している。また自分の行為で父親の身にも危険が及ぶこともまた覚悟の上である。

イスラエルというだけで、反発する人が多いが、それは間違いである。同様に、パレスチナ人だからといって、そのまま全員が、テロリストなのではないということを忘れてはならない。
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エチオピア系ユダヤ人を警官が射殺:イスラエルにもある人種差別問題 2019.7.8

 2019-07-08

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写真出展:アルジャジーラ

6月30日、ハイファで、非番の警察官が、エチオピア系ユダヤ人のソロモン・テカさん(19)を射殺した。警察官は、自分の身に危険が及んだからと主張しているが、ソロモンさんとこの警察官は数十メートル離れたところに立っていたのであり、危険はなかったと主張している。

エチオピア系ユダヤ人たちは、警察官の心に黒人エチオピア人に対する人種差差別が原因だと訴え、全国で大規模なデモを行った。デモは各地で、警官隊との暴力的な衝突に発展。テルアビブでは主要道路が閉鎖され、かなり大規模な渋滞も発生した。

7月3日にも大きなデモが計画されたが、死亡したソロモンさんの家族が、ユダヤ教で定められている7日間の喪が開けるまで、デモを控えてほしいと要請したため、一旦、静まりをみせていた。しかし、喪が7日に終わることから、またデモが発生するのではないかとみられている。

しかし、遺族は、暴力的なデモは控えてほしいと訴えている。

家族は、イスラエルに移住してきたのだが、ここで息子を失うために移住してきたのではなかったとその悲しみを訴えている。

<社会の分断がイスラエルの課題>

イスラエルは、ユダヤ人の国ではあるが、ユダヤ人が多様であるために、社会は、多種多様な人種が同居する国である。イスラエルはその多様な社会を一つにすることにまだ成功していないといわれる。

たとえば、ロシアから移住した人は、イスラエル人になったとはいえ、ロシア語を話し、ロシアの価値観で、ロシア系ユダヤ人とだけ住んでいる。エチオピア系もしかりである。それぞれ厳しい迫害の歴史を歩んできているので、それぞれだけで集まるのも理解できるところである。

このため、イスラエルでは、多民族間の対話というこころみが続けられている。

こうした中、イスラエルでは、白人系が優位になりやすく、黒人など有色人種系ユダヤ人は貧しく、社会的に下に見られる傾向にある。特にエチオピア系は、単にユダヤ教に改宗しただけで、本当は、ユダヤ人ではないとの見方が根強く残っている。

https://www.timesofisrael.com/ethiopian-israeli-protests-reportedly-set-to-resume-after-pause/
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ペリシテ人とは何者か:初の墓発見でDNAから判明 2019.7.8

 2019-07-08

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アシュケロンの発掘現場 写真出展:times of Israel

イスラエル南部、ガザの隣、アシュケロンは、聖書でイスラエルの敵として描かれているペリシテ人の町である。2016年にアシュケロンで、ペリシテ人の墓が見つかり、そこに埋葬されていた遺体からDNA検査が可能となった。

ペリシテ人たちは、ちょうどイスラエル人がモーセに率いられてエジプトから脱出してきたころと同じ紀元前12世紀ごろ、今のイスラエルに入ってきて落ち着いた、「海の民」のグループの一つと考えられてきた。

「海の民」とは、地中海沿岸に住んでいた人々で、同時北アフリカからイスラエル地域を支配していたエジプト各地に侵入を試みた人々である。ペリシテ人は、その海の民の一派で、今のイスラエルの地域に定着したグループであると考えられていた。

これまで、ペリシテ人については、その居住の遺跡などから、その生活様式や文化はわかっていたが、ペリシテ人自身の根源については、まだ確証がなかった。

今回、発掘された墓でみつかったペリシテ人のDNAと、それより古い時代のカナン人のDNAを比較調査したところ、ペリシテ人は、予想されていた通り、紀元前12世紀ごろ、南ヨーロッパから来た海の民であった。

しかしその後、現地カナン人と混血して、まもなく海の民の痕跡は失われていった。これに伴い、オリジナルのペリシテ人の文化や言葉も失われていき、現地カナン人になっていたとのことである。

ペリシテ人の遺跡で代表的なのは、紀元前7世紀ごろの「エクロン碑文」である。エクロンは聖書にペリシテ人の町として登場しているが、その町が実在していたことの物証である。このエクロン碑文の中に出てくる女神が、南ヨーロッパに起源を持つという。

https://www.timesofisrael.com/know-thine-enemy-dna-study-solves-ancient-riddle-of-origins-of-the-philistines/

また、碑文は、王の祝福を祈る文章が書かれているのだが、それが、申命記6章24節の祭司の祈りによく似ているとのことで、イスラエル人の影響も受けていたことがうかがえる。

https://www.baslibrary.org/biblical-archaeology-review/24/5/15

余談になるが、ペリシテ人は、アシュケロンから、テルアビブ近辺までの地中海沿岸沿いに多くの町を持っていた。ペリシテ人の遺跡からは、ビール工場や、ビール関連の食器が多くみつかっている。ビーチでビールを片手に楽しく過ごしていたことがうかがえる。

興味ふかいことに、今のテルアビブは、ユダヤ人の町になったが、今もビーチとビールが大好きである。

*アシュドドのペリシテ博物館(筆者のお気に入り博物館) http://www.phcm.co.il/en
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バビロンが世界遺産に登録:イラク 2019.7.8

 2019-07-08

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写真:イシュタル門 出展:BBC

今年はアゼルバイジャンで開かれているユネスコの会議。日本では、大阪の仁徳天皇陵などの古墳群が、世界遺産に登録されたとニュースをにぎわしている。ユネスコはまた、イラクのバビロンなど34カ所を世界遺産に登録した。

バビロンは、紀元前2000年にまでさかのぼるメソポタミア文明で、バベルの塔、イシュタル門、世界7不思議の一つでもある空中庭園などで知られる。バグダッドから南100キロのユーフラテス川周辺の広大な遺跡である。

この地域は、紛争地帯で、サダム・フセインが近くに宮殿を建てるなどして、脆弱な状況にはあるが、イラクの要請で、世界危機遺産としては登録されなかった。

https://www.bbc.com/news/world-middle-east-48888893

<石のひとりごと>

聖書は、宗教のいわゆる教えの書ではない。聖書は、実際に存在した地球上の国々や場所、歴史で実在した国や人々の記録である。その実在の歴史を通して、天地創造の神はどういう神なのか、その神の前に、人間は何者かを示しているのが聖書である。

聖書考古学の発見は、聖書が実在のことがらを記しているのであり、真実であることを裏付ける物証ということである。
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