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長い秋の例祭終わる:イスラエルを待ち構える内外の課題 2019.10.21

 2019-10-21
イスラエルでは、1日の新年、9日のヨム・キプール、13日から始まった仮庵の祭りと例祭続きであったが、21日のシェミニ・アツェレートが最終日となる。ガリラヤ地方では、日中まだ35-36度と暑いが、エルサレムは朝夕涼しく長袖の秋模様である。

20日は、ホサナ・ラバ。日の出前から、嘆きの壁広場では、4つの植物、エトログ(黄色い果実)、ルラブ(ナツメヤシの葉)、ハダス(ミルトスの枝)、アラバ(柳)を手に、ユダヤ人たちが再び集結。

罪の赦しを受け取る最終の日であるとされ、最終的に罪を捨てて赦しを受け取るしるしとして、アラバを地面にたたきつけていた。同時に、今年も雨が降るようにとの祈りがささげられた。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/270335

20日の日没からは、シェミニ・アツエレートと呼ばれる仮庵の7日の後の8日目を祝う。罪をすべて赦され、神と親密に過ごす時と言われ、その最高の喜びを表現する日である。終末の後に来る時代を表すとも言われている。

この日はまた、シムハット・トーラーとも呼ばれ、1年の聖書朗読が完了する日とされる。この日、トーラーの巻物を抱いて外に出し、男性たちがその周りを楽しそうに踊って回る。これについては、中世に始まった習慣とのこと。

ディアスポラ(流浪中)のユダヤ人は、シェミニ・アツェレートの翌日にシムハット・トーラーを祝っていたことから、イスラエルでも、今日と明日までの2日間にわたってこの祝いが行われる。町中が混み合うということである。いやはや、例祭が長いというのもまたなかなか大変である。

<今年もエルサレムパレードで万国民がエルサレムでパレード>

クリスチャンエンバシー(ICEJ)が毎年、仮庵の祭りに大きな国際的なカンファレンス(今年40回目)を行っているが、今年も約5000人のクリスチャン(主に福音派)が、約100カ国から集まって5日間、仮庵の祭り集会を行った。

毎年恒例のエルサレム市主催のパレードにも参加。今年は17日、約5000人が、それぞれの国旗とともに、エルサレムとイスラエルへの支持をふりまいた。今年はエジプトからの参加もあったという。すっかりエルサレムの仮庵の祭りにおける風物詩となっている。

https://www1.cbn.com/cbnnews/israel/2019/october/its-the-fulfillment-of-prophecy-why-5-000-christians-from-100-nations-are-in-jerusalem

エルサレムに攻めて来たすべての民のうち、生き残った者はみな、毎年、万軍の主である王を礼拝し、仮庵の祭りを祝うために上って来る。(ゼカリヤ書14:16)
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3回目総選挙か:ネタニヤフ首相統一政権案をガンツ氏拒否 2019.10.21

 2019-10-21
秋の例祭が終わると、イスラエルでは国内外で嵐が待ち受けている。2回目の総選挙で、連立政権立ち上げの使命を受けたネタニヤフ首相だが、連立を立ち上げることができず、来週水曜23日に、その期限28日を迎える。

その後、14日間の延長が認められているが、ネタニヤフ氏が延長を求めることはないだろうとの見通しである。

https://www.timesofisrael.com/netanyahu-wont-seek-more-time-to-form-coalition-says-likud-mk/

<これまでの流れまとめ>

半年の間に2回も総選挙を行ったあげく、結局過半数を占める連立政権も、また左右混合の統一政権樹立もならず、リブリン大統領は、やむなく”統一政権の樹立を期待して”ネタニヤフ首相に連立政権樹立の役割を指名した。

この時点で、ネタニヤフ首相のリクード(32)とユダヤ教政党を含む右派勢は、計55議席。対する中道左派ブルーアンドホワイト(33)が、労働党(6)と左派メレツ(5)と組んだとしての左派勢は、44議席であった。

ネタニヤフ首相は、まずは、ガンツ氏に、リクードとブルーアンドホワイト、2党だけの右派左派統一政権を持ちかけた。しかし、ガンツ氏はあっさりとこれを拒否。ネタニヤフ首相が、右派勢をひとつのブロックとして、ユダヤ教政党が必ず残る形をつくった上で、この話をもちかけたからである。

ガンツ氏がこれを拒否した時点で、ネタニヤフ首相が連立樹立の指名を返上するかとも思われた。しかし、ネタニヤフ首相はまだあきらめず、今も、連立立ち上げを模索している。

一方、ガンツ氏の方に、独自の連立立ち上げに向けた具体的な動きが見えてこなかったことから、ネタニヤフ首相は、仮庵の祭り中に、具体的な統一政権案をガンツ氏に再度持ちかけた。しかし、ガンツ氏は、やはり拒否した。  

しかし、もしかりに、ネタニヤフ首相に代わって、ガンツ氏が連立立ち上げをした場合、どのパターンでも、政過半数を割る不安定な少数政権となり、国会においては、リーバーマン氏のイスラエル我が家党(8)と、アラブ統一政党(13)が基本的にサポートするという条件の政治運営しか道はない。

ネタニヤフ首相は、「ガンツ氏、その相棒のラピード氏、リーバーマン氏は、アラブ政党の支持に依存する政治運営を計画している。これはヒズボラやイランに対抗できなくなる可能性を示唆するもので、イスラエルを危機に陥れるものだ。」と訴えるデビオクリップを流した。

これを受けて、ガンツ氏は、「ネタニヤフ首相。9月17日に選挙はもう終わっていた。あなたは連立を樹立できなかった。ビデオクリップを作っているヒマがあったら、さっさと指名を大統領に返上し、私にその役割をひきさたすべきだ。」との声明を出した。

<リブリン大統領はどう決断するか>

今後どうなるかだが、もし来週、ネタニヤフ首相が、連立立ち上げを返上した場合、まずは、リブリン大統領が、この使命をガンツ氏に渡すのかどうかが焦点となる。

チャンネル13によると、ガンツ氏が、イスラエル我が家(リーバーマン氏)とリクード(右派ブロックではなく、リクードのみ)の代表を招いて、この3者による統一政府を計画しているといった報道も出始めている。

https://www.timesofisrael.com/netanyahu-gantz-planning-government-with-backing-of-dangerous-arab-parties

いずれにしても、3回目総選挙の可能性はいぜんとして高いままである。
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入植地の極右ユダヤ人とイスラエル軍が衝突 2019.10.21

 2019-10-21
入植地に住む過激なユダヤ人の若者たちとイスラエル軍が衝突するという事件が発生している。この若者達は、ヒルトップ・ユースと呼ばれ、極右でパレスチナ人への暴力を繰り返すグループである。

白い服に身を固め、投石したり、パレスチナ人の畑や家、モスクに放火し、2015年には5歳児を除く一家3人が焼死するという事態にまでなった。パレスチナ人の間では恐怖になっている。このグループの活動がまた表に出始めている。

先週、イスラエル軍(ゴラニ部隊)は、西岸地区ナブルス近郊のユダヤ人入植地イズハルの谷ににあるパレスチナ人の町、フワラに放火しようとしたイズハル在住のヒルトップユース(10代)を逮捕した。

すると別のヒルトップユースが、ゴラニ部隊のアユブ・カヤフ少佐が運転していた車を止めて、暴行しようとした。カヤフ少佐はこれを逃れて、警察に通報。イズハル在住のヒルトップユース2人目が逮捕された。

すると、安息日の夜中3時すぎ、30人ほどのヒルトップユースが、イズハル付近を警備していたイスラエル軍兵士らに向かって、投石したりタイヤをやくなどの暴動を始めた。これにより、兵士1人が軽傷を負った。

イスラエル軍は、暴動対処法にしたがい、空中に発砲してこれを取り押さえた。これはユダヤ人同士の争いで、イスラエル軍としても心苦しい任務である。

西岸地区のユダヤ人入植地は、ショムロンとよばれるサマリア地区自治組織が運営している。その代表ヨシ・ダガン氏は、地域に駐留するイスラエル軍を訪ね、これは外部から来た少数のグループによるものであり、イズハル住民、ショムロン住民は、軍に敬意と感謝を忘れていないと強調した。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5610159,00.html

これらのヒルトップ・ユースは、主に、ユダヤ教超正統派で、厳しい律法遵守とトーラーの学びのみの毎日から落ちこぼれ、行き場を失った若者たちで、ユダヤ人過激右派らが集め、こうした行為を行わせているとも言われている。

超正統派の生活に疑問を持ち、そこから離脱するユダヤ人は、イスラエルの中央統計局によると、年間8-10%にも及んでいるという。

https://www.youtube.com/watch?v=Ketwp_WYu2k&t=8s
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アメリカ仲介:クルド自治区侵攻のトルコが停戦合意へ 2019.10.21

 2019-10-21
<これまでのまとめ>

シリア北部のクルド自治区への侵攻予告を受けて、トランプ大統領が、10月6日、その地域に駐留する米軍1000人を撤退させると発表すると発表。その2日後の8日、トルコは、シリア北東部、ユーフラテス川東のクルド自治区へ進軍を開始した。

トルコ軍は、480キロにもおよぶシリアとの国境からシリア側32キロ地帯を安全地帯にするため、クルド人勢力YPGを一掃するとして、この地域への激しい攻撃と進軍を開始した。

クルド人たちは、「アメリカはクルド人を見捨てた」と非難しながら、いっせいに撤退、逃亡したが、空爆などの激しい無差別攻撃で、8日後の18日までに一般市民も72人が死亡。難民となった人々は、30万人と推測されている。クルド人の民族浄化になるのではないかと世界は懸念した。

https://www.bbc.com/news/world-middle-east-50091305

問題は、この地域が、ISを追放してクルド自治区になった地域であったため、多数の元IS関係者捕虜やその家族の収容所が存在するという点である。トルコ軍侵攻による混乱で、それらの施設が見捨てられ、すでに800人以上のISが解き放たれ、逃亡したとみられる。

世界は、クルド人を見捨てたアメリカ、トランプ大統領を大非難したが、かといって自ら介入し、クルド人を助ける国はひとつもないわけである。クルド人勢力は、予想されていた通り、シリアのアサド政権に救援を要請した。

要請に応じ、シリア軍は、14日、ユーフラテス川東北部タル・タマールに駐留を開始した。シリアによると、この動きは、ロシアの承認を受けていると表明した。これにより、アメリカの権威は失墜。ユーフラテス川東に、シリア、イラン、ロシア、トルコが控える形が現実となった。

実際、クルド人たちは、ロシアにも仲介を要請。ロシアも、この件に介入してくる動きを見せはじめていた。

<アメリカの巻き返し:ペンス副大統領とポンペイオ国務長官がトルコ訪問>

米軍のシリアからの撤退は、トランプ大統領の孤立を深め、アメリカの威厳をさらに落とす結果になったが、アメリカがそのままだまっていることはない。予告通り、トルコへの厳しい経済制裁を匂わせはじめた。

そうした中、17日、ペンス副大統領がポンペイオ国務長官を伴い、アンカラのエルドアン大統領を訪問。4時間以上の協議で、アメリカとトルコが、停戦への合意に至ったと発表した。

詳細はまだ発表されていないが、今後120時間(5日間)を停戦とし、トルコはクルド人たちへの攻撃をいったん停止するという。その間に、YPGとクルド人たちは、国境から32キロまでの地域から撤退を完了する。それを見届けたら、恒久的な停戦に入るということである。

この合意により、アメリカは、トランプ大統領が予告していたトルコを破壊するレベルの経済制裁は行わないことになり、トルコへの侵攻の責任も追及しないということで合意したもようである。

ペンス副大統領は、記者会見において、「アメリカはトルコの軍事行動には同意しないが、安全地帯設立については、これまでからも合意していた。」とし、ともかくも人命を守る事が先決とだけ述べた。

合意を発表するペンス副大統領の顔が、これまでになく緊張しているようにも見えたのが印象的であった。

ポンペイオ国務長官は、エルドアン大統領との会談が終わるとその足でイスラエルへ移動。18日朝、ネタニヤフ首相とシリア問題について会談し、アメリカとイスラエルに同盟関係継続を確認。その後、ブリュッセルに向かい、NATOのストルテンブルグ事務総長と会談する予定である。

https://www.timesofisrael.com/pompeo-lands-in-israel-for-meet-with-netanyahu-talks-on-syria/

*NATO(北大西洋条約機構軍(対ロシア西側連合)の動き

NATOとは、主にロシアなど、民主主義とは異なる勢力に対抗する西側諸国の連合軍のことである。トルコはその一員だが、今回のように勝手にシリアに攻め込み、ロシアの勢力を中東に招き入れる結果を作ることは、許容されることではない。

特にこの攻撃により、IS関係者が逃亡しており、ISに参加していたアメリカやヨーロッパ出身者たちが、帰国してくる可能性が出てきている。

ストルテンベルグ・NATO事務総長は、トルコがNATOの一員であることには変わりなく、今回のことも乗り越えられると思う。しかし、トルコが徐々にロシア側へスライドし始めていることは否定できないだろうとの見解を語っている。

<今後どうなる・・?:進む米軍撤退とすでに壊れ始めた合意>

アメリカが、危機一髪で、ロシアより先に仲介の旗を上げたことはよかったかもしれない。しかし、野党民主党員で下院議長のナンシー・ロペシ氏が指摘するように、この仲介がただのみせかけで終わる可能性も否定できないと指摘した。

だいたい、クルド人勢力が、裏切られたと思っているアメリカの策に乗って、完全撤退に応じるはずはなく、戦闘が再開される可能性は高い。そうなれば、今回の合意で、アメリカが、トルコが安全地帯を作るというトルコの”正義”に合意した以上、次に出す手がなくなってしまうだろう。

そうなれば、トルコは、アメリカの経済制裁回避は得た上で、クルド人たちを攻撃するということになる。

実際、停戦が始まってから2日目、シリア北部タルアブヤドで、(トルコの主張によると)クルド人の攻撃で、トルコ軍兵士1人が死亡。1人が負傷した。クルド人勢力(クルドシリア民主軍)はこれを否定している。

トルコのエルドアン大統領は、トルコ軍兵士が死亡したことを受けて、”テロリストの頭を砕く”と、クルド人を徹底的に排斥する意向を強調。トルコが軍事行動をいつでも再開する流れになりはじめている。

またトルコは、アメリカが責任を持って、クルド人を撤退させるべきだとも言っている。

https://www.bbc.com/news/world-middle-east-50108417?intlink_from_url=https://www.bbc.com/news/world/middle_east&link_location=live-reporting-story

こうした中20日、アメリカ軍主要部隊(車両70台コンボイ)は、予定通りシリア北部の要所を離れ、イラク領内にまで撤退を完了した。今後クルド人が頼れるのはシリア、そしてロシアということになり、いよいよロシアが介入してくる可能性が高まっている。

<石のひとりごと:福音派の活躍と反発>

中東の混乱が増す中、アメリカの2人の使者が動き回る姿は、黙示録に登場する2人の証人を彷彿とさせるところだが、奇しくも、ペンス副大統領とポンペイオ国務長官は、2人とも、福音派クリスチャンである。2人はそれを公にしている。

ポンペイオ国務長官は、11日、国務長官の立場で、「クリスチャンのリーダーとして」というようなことを述べ、政教分離の基本理念に反しているのではないかとの物議となった。

https://www.timesofisrael.com/us-secretary-of-state-delivers-contentious-speech-on-being-christian-leader/

ポンペイオ国務長官の発言は、クリスチャンカンセラー協会の会議での発言であるので、特に問題はないはずだが、その場が、国務省主宰であり、国務長官という公の立場であったため、違和感を感じた人もいたわけである。

これはいいかえれば、ポンペイオ国務長官が、本当に公にキリストを認めているということを意味する。これはペンス副大統領も同じである。世界からの孤立を深めるトランプ大統領とこの2人のクリスチャンの動きは、非常に興味深いところである。

別件になるが、世界では、同じく福音派クリスチャンであることを公にしているエチオピアのアビー・アハメド首相(43)が、ノーベル平和賞を受賞した。アハメド首相は、父はイスラム教、母はエチオピア正教だが、自身はプロテスタントである。

内政でも外交でも、あちこちで和解を実現したことで、今回の受賞となった。

https://www.christiantoday.co.jp/articles/27284/20191012/ethiopia-pm-abiy-ahmed-nobel-peace-prize.htm (日本語)

現実の世で、クリスチャンたちが実質的な貢献もしている姿に励まされるとともに、特に今は、アメリカ政府でトランプ大統領を支えるペンス副大統領、ポンペイオ国務長官という2人の兄弟を覚えて祈る時であろう
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トランプ大統領:サウジアラビアに米軍3000を派遣へ 2019.10.21

 2019-10-21
リアからの撤退を決めたトランプ大統領だが、米防衛省からの情報としてTimes of Israelが伝えたところによると、中東全域でみれば、14000にまで戦力を増強している。11日、ペンタゴン(米国防省)は、サウジアラビアに、米軍3000を増強すると発表した。

2基のパトリオット迎撃ミサイル、THAAD弾道ミサイル迎撃ミサイルシステム、2飛行戦闘部隊、1遠征部隊などがサウジアラビアに配備される。

これは、先月、サウジアラビアの油田が攻撃され、さらにその後、サウジ沖でイランのタンカーがミサイルによるものと思われる攻撃を受けて地域の緊張が急速に高まってきたからである。

サウジアラビアの油田攻撃については、イランは否定。イエメンでサウジと戦っているフーシ派(イラン背景)が、この油田を含めサウジの油田3分の1を破壊したと主張したが、サウジアラビアはじめ、アメリカ、ドイツ、イギリス、フランスは、イランによるものであると言っている。

https://www.timesofisrael.com/us-deploying-3000-more-troops-to-saudi-arabia-to-boost-air-defenses/

フーシ派はイランのバックアップで戦っているので、いずれにしても攻撃はイランということである。

トランプ大統領は、サウジアラビアは、対イランにおける大事な同盟国だというと同時に、貿易において、かなりのお得意様であると説明。

また、「よーく聞いてくださいよ。」といいつつ、「なんと、私の要請に応じ、サウジに駐留する米軍の費用は、全部サウジが負担してくれることになった。」と発表した。

https://www.reuters.com/video/2019/10/11/trump-says-saudi-arabia-will-pay-the-usf?videoId=611590123

<変化するサウジアラビア>

サウジアラビアは、厳格なイスラム主義国で知られてきたが、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子の登場で欧米化がすすんでいる。

女性に運転を認め、今回は、観光客を受け入れるビザを発行することを決めた。とはいえ、服装の規則始め、政治的会話も禁止、アルコール禁止などの規則はそのままである。

また男性と女性が同席することも最低限となっているが、今回、ようやく外国人夫婦に限りホテルで一緒に滞在をに認めたとのこと。普通の旅行とはだいぶイメージが違うようである。

しかし、BBCによると、サウジアラビアには、他に類をみない風景や遺跡が魅力だとのこと。

https://www.bbc.com/news/world-middle-east-50013068

エゼキエル38章では、シェバやドタンと表現されているのが、サウジアラビアの地域で、終末におけるイスラエルへの攻撃には加わっていない国であるとみられている。

<レバノンで大規模反政府デモ:ヒズボラ(イラン)台頭の可能性は?>

変化が続く中東だが、レバノンで、ベイルートなど全国の都市で、大規模な反政府デモが続いている。原因は、ワッツアップなどの通信関係で新たな課税が決められたことからである。

レバノン政府は、すぐにこの課税を撤回すると発表したが、デモは、広く反政権デモへと発展。群衆となり、「革命だ」と叫んでいる。デモに参加している市民たちは、日常生活がいっこうに楽にならないとして、政府に根本的な政治改革を求めているのである。

BBCによると、レバノンは、多額の借金を抱えており、このままだと、今年末には、借金が、GDPの150%にまでふくれががってしまうという。電気の供給も滞るようになっている。

ハリリ首相は、ただちに、政府役人の給与を半分にするなどの改革案を提示。政府には3日以内に合意するよう要請を出した。

https://www.bbc.com/news/world-middle-east-50118300

ところが、デモが発生するとまもなく、レバノンのキリスト教(マロン派)政党が、「今の政府は、この危機を解決できない。」として、連立から離脱すると発表した。

レバノン政府は、イスラム教シーア派、シーア派過激ヒズボラ、スンニ派、キリスト教と群雄割拠状態であるが、今は、大きくヒズボラの政党に牛耳られている。アウン大統領も親ヒズボラで知られている。

その中で、ハリリ首相は、スンニ派の首相として、これまで綱渡りを続けてきた。この状況の中、2017年、ハリリ首相は、個人的に友好関係にあるサウジアラビアを訪問した際、そこから辞任を表明したことがあった。

この時は、フランスの仲介で、ハリリ首相はレバノンに帰国。復帰して、今にいたるまで首相を続けていた。しかし、今回、大規模なデモを受けて、再び辞任をちらつかせているという情報もある。

レバノンが混乱する中、シリアに続いて、レバノンでもヒズボラ、つまりはイランがが台頭してくることがないか、懸念されるところである。
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ロシアで拘束のイスラエル人女性をめぐって 2019.10.21

 2019-10-21
中東が大きく変化する中、アメリカとロシアの力関係も変わりつつある。イスラエルもサバイバルをかけて、米露との関係を中心に、外交の駆け引きを続けている。そうなると、捕虜などで国民がとられた場合、それが駆け引きに使われることになる。

今年4月9日、アメリカ国籍で、イスラエル人でもあるナアマ・イッサカルさん(26)が、モスクワ経由でインドへ旅行した帰り、モスクワで、カバンの中にわずか9.6グラムの大麻が発見され、逮捕された。

ナアマさんは、麻薬密輸犯として、7年半の実刑判決を受け、そのままモスクワに拘留されたままになっている。

ナアマさんは、大麻がカバンに入っていることを忘れていたという。しかし、9グラムといえば、スティックシュガーほどの量で、イスラエルでは、医療用などで大麻を合法化する道も開かれ始めている。

しかも、モスクワには、トランジットで立ち寄っただけで、ロシアに麻薬を密輸するという道理もないわけである。イスラエル政府は、この判決が重すぎるとして、ロシアにナアマさんの身柄を引き渡すよう、要請した。

するとロシアは、2015年にイスラエルで拘束されたロシア人ハッカーのアレクセイ・ボルトブとの交換だと返答した。ボルトブは、クレジットカードのハッキングで、主にアメリカ人から莫大な金を奪い取った人物。イスラエルの最高裁は8月、ボルトブをアメリカへ移送することを決めた。

しかし、ロシアは、イスラエルにボルトブの身柄引き渡しを要求していた。イスラエルはこれを断っていたが、今、ナアマさんが、ボルトブとの交換に利用された形である。

https://www.timesofisrael.com/israel-hoping-woman-jailed-in-russia-will-be-freed-by-putin-visit-in-january/

ナアマさんの母親ヤッファさんは、政治的な策略で娘はスケープゴートにされるということだと思うと語り、一刻も早く娘をとりもどしてくれるよう、政府に要請した。

この件については、先にネタニヤフ首相がモスクワを公式訪問した際にも、プーチン大統領に要請が出していたが、受け入れられなかった。ネタニヤフ首相は、家族からの要請を受け、先週、再度プーチン大統領に要請を出した。

リブリン大統領も、プーチン大統領に、「ナアマは、間違いを犯したし、本人もそれを認めています。しかし、彼女には犯罪記録はないし、まだ若いうちにこうした判決を受けて、人生に及ぼす影響は大きいと思います。」と語り、恩赦を求めた。

https://www.timesofisrael.com/rivlin-pleads-with-putin-to-pardon-israeli-woman-jailed-in-russia/

プーチン大統領は、来年1月、アウシュビッツ解放75周年(旧ソ連軍が解放)を記念する式典のために、イスラエルを訪問することになっている。ナアマさんはこの時に返還されるのではないかと期待されている。

イスラエルは、期待にはずれてアメリカがシリアから撤退。ロシアがナアマさんを返還しないなど、ネタニヤフ首相が、頼りにしてきた米露との関係に影が及んでいる様子に、ネタニヤフ首相の外交の結果を疑う記事もある。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5608395,00.html

<石のひとりごと>

イスラエルは、今日はまだ例祭最後の国民の休日で、エルサレムの町も静かで平和そのものである 。イスラエルをとりまく中東情勢、内政も複雑で緊張が高まっているのではあるが、それとはほぼ無関係に、人々は平和を享受している。

しかし、この平和が当たり前でなく、いつ崩れてもおかしくないことは、だれもが承知の上である。心と実際の準備は、みなそれぞれの責任で覚悟している。

日本では、イスラエルのような戦争はないのだが、災害という大きな敵がやってくる。イスラエル人に学び、心を含めてできる限りの準備を行い、実際に難が来たときには驚かず、あわてず、周囲を助ける余裕を持っておきたいと思う。

今被災地で支援活動を行っているすべての働きの上に主のお導きと祝福を祈ります。
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トルコがシリア東北部へ侵攻開始:イスラエルの反応は? 2019.10.11

 2019-10-11
トランプ大統領が、シリア北部から米軍を撤退させると発表して約48時間後の10日早朝、トルコが、ユーフラテス川東川を含むシリアとの国境、約300キロ全域で、ロジャバとよばれる西クルド自治区への侵攻を開始した。

戦闘機による空爆は、少なくとも6都市、181箇所に及ぶ。これまでに少なくとも市民11人が死亡。数十人のクルド人戦闘員、SDF(自由シリア軍)戦闘員の死亡が報告されている。(トルコの報道では、トルコ兵1人と、クルド人戦闘員277人死亡となっている)

https://www.timesofisrael.com/turkey-reports-first-military-fatality-in-syria-incursion/

この地域には200万人とみられる人々がいるが、トルコの攻撃でパニックとなり、わずかな荷物とともに車で、多くは大荷物をかつぎ、子供たちを連れて歩いて脱出する様子が伝えられている。多くは、シリアで8年続いた内戦で、すでに難民となっていた人々である。

トルコの侵攻以来、すでに6万人が難民になったとの報告があるが、今後100万人規模で難民が発生する可能性も懸念されている。

https://www.bbc.com/news/world-middle-east-50011468

トルコ空軍による空爆は、クルド人が管理していた元IS戦闘員らの収容所にも及んでいるもようで、最も危険とされるISメンバーが、脱出した可能性も指摘されている。

*西クルド自治区のIS関連収容所

クルド自治区には、ISとの戦闘で捕虜としたIS戦闘員とその家族ら数千人が、各地の収容所に入れられている。海外から来ているメンバーも少なくないが、今となっては、この人々を受け入れる国はない。まさに行き場のない囚人となっている。

トルコのエルドアン大統領は、世界中からの非難を受ける中、これはトルコ南部にトルコに対する危険なテロの回廊ができるのを防ぎ、地域の平穏を保つものだと主張。作戦を「平和の泉」と呼んでいる。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5604990,00.html

<西クルド自治区とは?:なぜトルコが攻撃するのか>

まずクルド人は、トルコ、シリア、イラク、イランにまたがる形で住んでいる。クルド人の国として独立国になる夢はあるが、なかなか実現するものではない。

シリア内戦中、シリアのクルド人勢力(シリア人口の7−10%)は、シリアの反政府勢力であるFSD(自由シリア軍)と米軍、水面下では敵であるアサド政権軍ともなんらかな協力をとり、ISと戦った。

IS領域を奪回する中、内戦でアサド政権が弱体化していたこともあって、クルド人の領域が、シリア領の30%を占めるまでに拡大し、ユーフラテス川東に安定したクルド自治区を形成するに至った。これを、イラクのクルド自治区に対して西クルド自治区(ロジャバ)ともよばれる。

このクルド自治区は、中東の中ではめずらしく、民主的な政治運営がなされており、クルド人だけでなく、アラブ系イスラムのほか、キリスト教徒やヤジーディなど、様々な人々が政治に参加するシステムを持つ非常にユニークな地域である。イスラエルとも友好関係にあり、ユダヤ人でクルド人勢力に混じって戦った人もいるほどである。

この西トルコ自治区がトルコに取って問題になるのは、クルド人勢力の中のYPGというグループである。YPGは独立をめざして、トルコ国内でも武力闘争を行ってきたため、トルコは、YPGをテロ組織とみなしている。

そのYPGが中心になっている西クルド自治区が、広く480キロにわたってトルコ南部と国境を接していることにトルコは、かねがね危機感を持っており、2018年にもアフリーンへの攻撃を行っていた。

また、今トルコが侵攻している地域は、アメリカとも合意の上で、シリア難民のための安全地域を設立する計画がすすめられていた地域である。

トルコとしては、この国境地域からYPGを追放したあとに、安全地域を確立し、トルコにいる360万人にものぼるシリア難民を、そこへ帰国させたいのである。

しかし、この地域には、YPGだけでなく、一般のクルド人の他、すでに多数のシリア難民や、ISの捕虜とその家族がおり、多くの人々が巻き添えになることはさけられないということである。

https://www.bbc.com/news/world-europe-49719284

<なぜアメリカは撤退を決めたのか>

トランプ大統領は、トルコとシリア国境(シリア側)に沿った安全地帯を設立することには賛成し、米軍もこれに協力していた。ところが、10月6日、エルドアン大統領が、この地域へ侵攻するとトランプ大統領に伝えてきた。理由は上記の通りである。

トランプ大統領は、これには同意せず、「これは”よくない動き”だ。アメリカはこんなエンドレスの戦いに巻き込まれるわけにはいかない。そんな戦争のために米軍兵士を犠牲にするわけにはいかない。」として、米軍を撤退させると言ったのである。

一方で、トランプ大統領にしても、トルコの申し出は、撤退へのよい理由になったとみえ、「戦争するなら勝手にやってくれ。それなら今後、その地域にいるISの捕虜とその家族についても、トルコが責任を持って対処するように。」

「クルド人は、我々とともに戦う中で、これまでに十分武器の供与を受けてきた。これからは、トルコ、ヨーロッパ、シリア、イラン、イラク、ロシアとクルド人でなんとかすることになるのだ。」と言い放って、アメリカは、さっさと手を引いたということである。

トランプ大統領に一理がないわけではない。しかし、広い視野で見た場合、アメリカ軍がここから撤退することは、事実上、同盟として戦ってきたクルド人を見捨てるとともに、多くの難民達を見捨てることになり、さらには中東情勢を大きく変えることになる。

現時点で、すでにどの程度のアメリカ軍がこの地域から撤退したのかは不明だが、もし本当に全部撤退した場合、ユーフラテス東側のをロシア、イラン、トルコにギフトとして与えることになると指摘されている。

<クルド人勢力:ロシアに仲介要請>

トルコからの攻撃を受け、一般のクルド人たちの組織(Autonomous Administration of North and East Syria)は、国際社会に対し、アメリカが中心の連合軍に対し、ただちに国境をノーフライゾーン(戦闘機が侵入できない空域)を設定するよう要請を出した。

しかし、アメリカがすでに撤退を表明していることから、クルド人武装勢力は、ロシアに、シリアのダマスカスにおいて(つまりはシリアの合意のもとということ)、トルコに攻撃をやめるよう仲介を要請を出した。

後者の場合は、西クルド自治区(ユーフラテス川の東)が、いよいよロシア、イラン、シリア(アサド政権)、トルコ側へ移行していくことを意味する。

<ロシアの反応:トルコに青信号も期間限定を要請>

トルコのエルドアン大統領は、シリア北東部への侵攻前にトランプ大統領に電話連絡したが、ロシアのプーチン大統領にも電話していたという。プーチン大統領は、侵攻するなら最小限にとどめるよう伝えたという。

もしトルコの動きに歯止めがかからない場合は、ロシアの権限で、国境の安全地帯をノーフライゾーンにすることも可能である。

ロシアにとっては、この地域からアメリカを撤退させることができ、もしロシアの仲介によって、トルコの動きを制することができたら、ロシアにとっては、政治的なプラスになっていく。いまや、中東ですべての国と対話できるのはロシアだけとなっている。

https://jp.reuters.com/article/russia-middleeast-turkey-idJPKBN1WQ0F0

<イランはトルコとの国境付近で軍事訓練>

イランのロウハニ大統領は、トルコにシリアへの侵攻をやめ、撤退するよう要請する声明を出した。

イランは、トルコがシリアへ侵攻するとまもなく、イランとトルコとアゼルバイジャンとの国境、クルド人居住地に近い地域で、突然、大規模な軍事訓練を開始した。イランは、あらゆる状況に備えるためと言っている。

イランにとっては、ユーフラテス川東から米軍が撤退することは有利であるかもしれないが、同時に、国内でクルド人勢力がどう動くのかにも警戒しているのかもしれない。

<EU・国際社会の反応>

トルコのシリアへの侵攻は世界中が非難している。特にEUは、トルコ経由で地中海を越えてヨーロッパに流れ込んでいたシリア難民をトルコで足止めしてもらうみかえりとして、66億ドル(約7000億円)を支払っているEUにとっては穏やかなことではない。

EUは、トルコの非人道的な攻撃を非難するとともに、危ないISメンバーが野放しにされることへ強い危機感を表明している。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5604990,00.html

しかし、アメリカ抜きでの連合軍では全く無力であるし、国連はもっと無力で、国際社会にできることはなにもないというのが現状であろう。

<イスラエルはクルド人を見捨てない?:イスラエルの懸念>

イスラエルはクルド人勢力とは友好関係にあり、これまでにも水面下での支援を行っていたといわれている。

トルコのシリア北東部への侵攻を受け、イスラエル軍予備役兵ら数十人が、フェイスブックに、イスラエルは、クルド人への人道支援ならびに、情報、軍事支援をするべきだとの意見を投稿した。

その数時間後、ネタニヤフ首相は、ヨム・キプール戦争に記念式典で、「クルド人はイスラエルとは友好関係のある。ネタニヤフ首相は、イスラエルはクルド人を見捨てず、人道支援を行う。」と発表した。

しかしながら、イスラエルがどのように支援するかは、報道されないであろうし、実際のところ、それを実行するかどうかも不明である。

また、ネタニヤフ首相は、無難にアメリカがクルド人を見捨てたというような非難は盛り込まず、あくまでもアメリカとは友好な関係は維持すると強調した。一方で、ロシアとの連絡も怠っていないだろう。

https://www.jpost.com/Israel-News/Dozens-of-reservists-call-on-Netanyahu-Kochavi-to-help-Kurds-604235

アメリカがシリアから撤退し、クルド人という同盟をも失うことは、イスラエルにとっては、大変危険なことである。しかし、それ以上に危惧されることは、トランプ大統領が、今回の決断で、いよいよ世界から嫌われ孤立することである。

イスラエル側に立つと目されるトランプ大統領が、世界から孤立するということは、それはそのまま、いや倍増する形で、反イスラエル感情につながっていく可能性があるからである。
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アメリカはトルコに経済制裁を発動するのか 2019.10.11

 2019-10-11
全世界からの反発を受けて、トランプ大統領はホワイトハウスで記者会見を行った。

トランプ大統領は、シリア北東部の米軍を撤退させることで、事実上、同盟クルド人を見捨てたと批判を浴びた。その直後には、もしトルコがシリアへの侵攻を行えば、トルコ経済を崩壊させるほどの経済制裁を発動するとフォローする発言をしていたからである。

トランプ大統領は、これからの動きを注視し、もしトルコが非人道的な無差別攻撃をしたり、民族浄化的なことをすれば、経済制裁も検討するが、今の所、そのような赤信号に至るようなことにはなっていないとの認識を語った。

トランプ大統領は、アメリカが今後とりうる対処として次のようにツイートした。①数千人規模の米軍を送ってトルコ軍を撃滅する。②厳しい経済制裁で、トルコ経済を破壊し、その上で、トルコとクルド人勢力の交渉を仲介する。

同時に、トランプ大統領は、中東が混乱をきわめており、アメリカの手に負えるものではないとし、そこからの米軍撤退を改めて示唆した。

こうした中、アメリカ下院の共和党議員29人は、トルコへの経済制裁に関する法案を提出した。

https://www.bbc.com/news/world-us-canada-50009218
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イランのタンカーがサウジアラビア付近で炎上中 2019.10.11

 2019-10-11
トルコがシリア北東部へ侵攻したとのニュースが激震を発する中、イランのタンカーがサウジアラビア沿岸で、爆破・炎上するというニュースが飛び込んできた。

報道によると、紅海上(ホルムズ海峡ではない)、サウジアラビアの港付近を航行していたイランの石油タンカーが、なにものかのミサイルで攻撃され、炎上。紅海に石油がリークしているという。タンカーの船員は無事とのこと。

先月、サウジアラビアの石油施設が大きく打撃を受けて以来の緊張の中での出来事である。まだ発生したばかりのニュースであるため、後続する情報に注目されたし。

https://www.timesofisrael.com/iranian-oil-tanker-explodes-off-coast-of-saudi-arabia/
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ヨムキプールのシナゴーグ狙ったテロ:懸念されるドイツの反ユダヤ主義 2019.10.11

 2019-10-11
9日正午、ドイツ東部の町ハーレーで、ネオナチの男が、ヨム・キプールの礼拝をしていたシナゴーグとトルコ系ケバブの店で、銃撃と手榴弾を投げ込むなどのテロが発生。2人が死亡。2人が重傷となった。

<強固なドアに守られたシナゴーグ>

犯人は、スティーブン・バリエト(27)。ドイツ警察によると極右のネオナチ(ヒトラー信奉者)だった。ヘルメットにカメラをとりつけ、一部始終、約35分間をソーシャルネットワークに流しての犯行だった。2200人がこれを視聴していた。

スティーブンは、英語で平然と、「ホロコーストはなかったと思う。」と言ったり、「ユダヤ人がヨーロッパのすべての問題の元凶だ。」などと明らかな反ユダヤ思想を述べていた。

シナゴーグには、車で乗りつけたあと、機関銃や手榴弾など重装備の姿で、歩いてシナゴーグに近づき、銃撃でドアを開けようとした。しかし木製の重いドアを開けることはできなかった。手榴弾を投げたがそれでも開かなかった。

そのため、たまたま通りかかってしまった50代の女性を背後から射殺。事件当時、シナゴーグ中には、ユダヤ人70−80人が、ヨム・キプールの礼拝中だった。防犯カメラで一部始終を見ながら、ドアをバリケードして、礼拝を続けたという。

スティーブンは、「ちくしょう。殺せなかった。」と言いながら、車で立ち去った。数ブロック行ったところで、トルコ系のケバブの店が見えたため、その店の中に手榴弾を投げ入れた。爆発した。

店の中に入り、「NO!」と叫んでいる男性を至近距離で撃って殺害。かけつけた警察と銃撃戦になり、「みなさんこれまでだ。首を撃たれた。俺は失敗した。」と言いながらスマートフォンを投げ、逮捕された。

https://www.timesofisrael.com/live-stream-of-german-synagogue-attack-shows-brutal-yet-bumbling-assault/

スティーブンの車からは、4キロに及ぶ爆発物が押収された。大規模なテロを計画したとみられる。最初にシナゴーグのドアが開かなかったことは奇跡であったと言われている。

<ドイツで深刻な反ユダヤ主義:ただようナチスの影>

今回は、幸い、犯人がシナゴーグに入ることはなかったが、ユダヤ人を殺そうとする明らかな反ユダヤ主義者の犯行であった。また、明らかに狙われる可能性があったこのシナゴーグを、警察が十分に警備していなかったことも問題になった。

今回の事件は、1938年11月9日、ナチス政権下で発生したクリスタルナハトが発生した時期にも近いことから、ユダヤ人の間にこれまでにない危機感が広がっている。

クリスタルナハトとは、ドイツ全国のユダヤ人家屋や店舗、シナゴーグが一夜にして襲われ、ユダヤ人90人が死亡。3万人がダッハウの収容所へ連行された事件である。

これは、ナチスが計画、実行したものではなく、多くの一般市民が自主的に行ったものをナチスが先導、傍観したという事件である。ホロコーストは、ヒトラーが先導しなくても、人々の心に大昔から染み込んでいる反ユダヤ思想がその拡大を実現したみられている。

この事件を受けて、メルケル首相ら、ドイツの指導者達は、これを恥ととらえ、なんとしても反ユダヤ主義事件をとりしまらなければならないとの語っている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5605250,00.html

しかし、現実に。ドイツの反ユダヤ主義暴力は悪化の一途をたどっており、BBCによると、ユダヤ人を狙った犯行は、昨年からの比較で、10%増加しているという。ユダヤ人たちは、シナゴーグやユダヤ人組織周辺の警備を強化するよう、警察に訴えているが、実現は難しそうである。

シナゴーグを襲ったテロといえば、昨年10月27日、アメリカのピッツバーグのシナゴーグでも銃の乱射事件があり、11人が死亡した。フランスの内務相も、反ユダヤ主義はまるで毒のように広がっていると言っていた。

世界中で反ユダヤ主義が拡大悪化していることは間違いない。

https://www.bbc.com/news/world-europe-47223692

*イスラエルではヨム・キプールの事故で子供2人死亡

ヨム・キプールの日は、路上に車がいなくなる。その道路上を、子供達が自転車を自由に乗り回すというのがヨム・キプールの風物詩である。しかし、たまに車が走ることもあり、毎年事故が発生する。今年も子供2人が車にはねられて死亡した。

エルサレムからテルアビブの間ベン・シェメンの自動車道では、リヤド・シャリキ君(13)が車にはねられ死亡。

テルアビブでは、イタイ・マージ君(8)が、友達と自転車を乗り回していたところ、交差点で車にはねられて死亡した。運転手の車からは、麻薬が押収されており、中毒者であった可能性がある。

家族達は、これからヨム・キプールが来るたびに、悲しい思い出を抱えることになった。家族を覚えて祈られたし。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/269967

<石のひとりごと>

今にはじまったことではないのではあるが、イスラエル・中東情勢は、日に日に厳しくなっていく気がする。しかもまったなしで、すすんでいるように感じる。

中東では、手も足も胸も背中も毛むくじゃらで、マッチョーな男性たちが、生死をかけた戦闘と政治的なかけひきを繰り広げている。女性たちも必死の様相で、子供たちを抱え、サバイバルに必死になっている。

そうした記事の横に、連日出てきたのが、細身で清潔感ただよう、草食系そのものの若い日本人男性と、かわいらしい若い女性の2人が宣伝する男性のための脱毛ビューティサロンのCMだった。異常な違和感を感じた。

けむくじゃらで、泥だらけ、血みどろの生死を賭けた戦いを繰り広げている中東男性と、脱毛を考えるほどに平和な国日本の男性たち・・この不公平、不条理・・・同じ地球に住んでいても、ここまで違うとは・・・上から見ている神様はいったい何を感じているのかと一瞬、考えてしまった。

かつて、ビル・ゲイツが、子供達に、学校で教えない11の事を教えていた。その第1点は、「人生は不公平である。それに慣れよ。」ということであった。

地上には、まったくもって、いろいろな人が、想像もつかないような悲惨な人生を送っている。その不公平が自分にやってきてもおかしくないわけである。だから不平不満に時間を使わず、できることからやっていこうという教えだそうである。

https://www.athomeinstl.com/11-rules-life-speech-bill-gates/
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ヨム・キプール:国をあげての悔い改め 2019.10.9

 2019-10-09
エルサレムでは、8日午後5時40分(日本時間午後11時40分)からヨム・キプール(大贖罪日)が始まる。終了は10日午後6時51分(日本時間0時51分)。この間の25時間の間、水も飲まない断食を行い、神、主の前に静まり、へりくだり、その赦しを受け取る。

この日は、政府、学校、店もすべてが閉まる。世俗派と言われ、普段は宗教的なことをしない人々でもほとんどが断食をする。テルアビブのハイウェイもガラガラである。

8日午後4時ぐらいから道路上に車はなく、人々は歩いて近隣のシナゴーグに向かう。夕刻はまだ、こどもたちがからっぽになった道路で、にぎやかに遊ぶ声がするが、夜がふけるにつれ、いつもにまして静かな夜となる。

空港では、明日日没までは、飛行機の発着もない。まさに、国をあげて、天地創造の神の前に出る日である。

https://www.timesofisrael.com/israel-shuts-down-for-yom-kippur-2/(からっぽの道路など)

しかし、ヨム・キプールは、この日に悔い改めるということではない。この日は、悔い改めの終わっている罪についての赦しを受け取る日であり、神がその書に赦した人の名とその人に関することを記す日とされる。

したがって、ヨム・キプールまでの10日間に(スファラディは1ヶ月近く)、これまでの自らの歩みを振り返り、悔い改め、不仲になっている人々との人間同士の和解をはかる。まずは人間同士の和解があってから、神の前に出て赦しを請うことになっている。この期間をスリホットという。

この間、人々は、「グマル・ハティマ・トバ(神の書によきことがかかれますように)」と挨拶する。7日は、その最終日とあって、嘆きの壁は約10万人で埋め尽くされた。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/269922 (ビデオあり)

スリホットでは、深夜0時に、2人のチーフラビ(スファラディとアシュケナジー)がそれぞれ代表の祈りを行うが、アラブ中東系のスファラディのラビははでに泣きながらの祈りをささげ、欧米系アシュケナジーのラビは品よく赦しを請う祈りを捧げる。それにあわせて、嘆きの壁にいる10万人も、一斉に祈りの声を上げる。

ヨム・キプールの日もほぼ同じ光景である。

<リブリン大統領:刑務所厚生施設を訪問>

リブリン大統領は、スリホットの期間中、刑務所からの出所した人の更生施設で生活する女性、ダラル・ダウドさんを訪問した。

ダラルさんは、家庭内暴力に耐え続けて夫を殺し、終身刑の判決を受けて服役。すでに18年が経過していた。リブリン大統領は昨年、ダラルさんの状況を鑑みて恩赦とした。ダラルさんは、4ヶ月前に刑務所から出所したが、すぐに社会復帰ができるわけはなく、以後、この厚生施設で生活している。

ダラルさんは、できれば社会に復帰し、働きたいという願いを持っている。リブリン大統領は、「自分にあきらめるないように。国はあなたがたを必要としているから。」と励ました。

大統領は、3ヶ月前に、最愛の妻ネハマさんをなくしたばかり。その後もまったく休みをとらず、以前とまったく同じように、大統領としての立場を用いて、人々を励まし続けている。

https://www.timesofisrael.com/ahead-of-yom-kippur-rivlin-brings-message-of-forgiveness-to-ex-convicts/

<石のひとりごと>

数日前、イスラエルの地上波テレビ、つまり、国民すべてが見ることのできるテレビで、「地上にいる人間で罪のないものは一人もいない。」として、悔い改めが呼びかけられていた。こんな国がいったい世界の他にあるだろうか。

イスラエルという国は、目に見える形で、聖書に書かれている通りの神の教えを、国をあげて実行することで、その存在を証している。

イスラエルはそのよい行いによって、または常に祝福されている姿でもって神を証ししているのではない。ただその教えに忠実であるという姿。しかし、しょっちゅうそのことに失敗して、痛い目にあい、ようやく軌道修正する姿。

しかも何度失敗しても見捨てず、この国が存在し続けていることで、この神が、実在することと、決して見捨てることのない神であるということを証している。

しかし、それだけが目的なのではなく、実際のところ、この聖書の神の戒めを守ることは、人間の益になることである。1年に一回でも、このように、自分を超え、自分を裁く立場にある神の存在を覚えることで、生き方の軌道修正ができ、結果的に自分を守ることになるからである。

しかし、日本には、自分を超える存在はないと言ってもよいだろう。宗教は数あるが、基本的には、自分の幸せを叶えるための方策としての存在であり、また恐れである。さらに、昨今では、その存在すら、軽視される傾向にある。

そうなるとどうなるだろうか。人間は、自分がすべてであり、自分の考えや行動だけが基準になってしまう。罪という認識がなくなる。そうなると、わけのわからない殺人や、自分の子供より、自分のニーズを優先させるといったモラルの崩壊に陥ってしまう。

前にも書いたが、聖書をただの宗教の一つとして無視することはあまりにも、残念。いや危険である。世界情勢はどんどん聖書に書いてある通りの動きに入り始めている。しつこいようだが、日本の同胞諸氏にもぜひ聖書に興味を持っていただきたいと願うところである。
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首相交代になるか?:ネタニヤフ首相起訴前最終聴聞終了 2019.10.9

 2019-10-09
<第22国会就任>

10月3日、9月17日の総選挙で選ばれた120人の議員からなる第22クネセット(国会)の就任式が行われた。同様の就任式は5ヶ月前にも行われたが、すぐに解散総選挙となったのであった。

就任式には、ネタニヤフ首相、ガンツ氏、リーバーマン氏、ユダヤ教政党党首たちなどが一堂に会し、就任式にのぞんだ。アラブ系議員は、北部でアラブ人のボイコット運動があったため欠席。リブリン大統領は、違いを乗り越え、政権を立ち上げるよう要請するメッセージを語った。

国会議長のユリ・エデルステイン氏は、「ユダヤ人の国は政府の立ち上げに2回も失敗した。また失敗して3回目の総選挙になるようなことになれば、国民は我々を赦さないだろう。」と語り、分離ではなく、ともに政府をたちあげるようにと語った。

https://www.timesofisrael.com/at-knesset-swearing-in-rivlin-urges-lawmakers-to-shed-politics-of-division/

<連立政権の見通し立たず>

国会の就任式は終えたものの、肝心の連立政権はまだ立ち上がっていない。

リブリン大統領から、連立立ち上げの指名を受けたネタニヤフ首相は、ブルーアンドホワイトのガンツ氏との交渉したが失敗。リーバーマン氏との交渉にも臨んだが、合意を得ることはできなかった。すぐにも指名を返上するのではとも言われていたが、今の所、返上はしていない。

しかし、このままでは何も動かないため、ネタニヤフ首相は、リクードの党首選挙を示唆。これでリクードが再びネタニヤフ首相を党首に選べば、ネタニヤフ氏は強気で連立立ち上げに臨める。

ところが、ネタニヤフ首相は、すぐにこれを撤回した。リクード内部では最強のライバル、ギドン・サル氏(52)が、もし党首選が行われるなら「出馬する用意がある。」と表明したからである。

今後、もしネタニヤフ首相、続いてガンツ氏も連立政権を立ち上げられなかった場合、国会が首相を選ぶことになるが、その場合、可能性が出てくるのがサル氏と目されている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5604531,00.html

ともかくもイスラエル政府が例祭の休暇に入ったことと、ネタニヤフ首相の聴聞が始まったことで、この件は、一時おあずけ状態になっているが、3回目総選挙の可能性はまだ残されている。

<ネタニヤフ首相の起訴前最終聴聞終了>

国をあげての悔い改めスリホット中、また次の連立交渉が進むと同時に、ネタニヤフ首相を起訴するかどうかの最終聴聞が、司法省で4日間行われた。これにより、マンデルビット司法長官が、ネタニヤフ首相を起訴するかどうかの最終決定と行う。

ネタニヤフ首相の弁護チームがめざすのは、まったくの不起訴ではなく、司法長官の起訴状が、収賄から背任(もっと悪いように聞こえるが。。)などに軽減することである。

ネタニヤフ首相の汚職疑惑は、現在3件あるが、最初の2日間の聴聞は、ケース4000(通信会社ベゼックにビジネス上の便宜をはかる見返りとして、そのメディア・ワラにネタニヤフ首相に有利な記事を書かせた疑惑)についてが話し合われた。

首相側弁護士代表はラム・カスピ氏。対する国家検事は、シャイ・ニツァン氏と副検事のベン・アリ氏。女性検事のベン・アリ氏は、前オルメルと首相を有罪にした強者である。

次に2日間延長して、ケース1000と2000についての聴聞が行われた。ケース1000は、ネタニヤフ首相夫妻が、アメリカの億万長者らから、非常に高価な贈り物を多数受け取っていたという疑惑。(例 27万7254シェケル(800万円以上)分のシガー、19万9819シェケル(約600万円分のシャンパンなど)

ケース2000は、大手メディアのイディオト・アハロノトとイスラエル・ハヨムに、知人を通じて、首相に有利な記事を書かせていたという疑惑。

この中で、問題として残るのは、おそらくケース4000とみられている。

マンデルビット長官は、早ければ来週、少なくとも12月までに起訴に関する決定を行うことになる。ややこしいのは、この決断と連立交渉が並行しているということ。もし起訴が決まれば、ネタニヤフ首相の政治生命は終わることになるが、そうならない可能性もまだ残されており、まだまだ先行きは不透明。
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トランプ大統領:シリア北部の米軍撤退発言で中東に激震 2019.10.9

 2019-10-09
6日、トルコのエルドアン大統領は、トランプ大統領に電話をかけ、長年計画していたシリア北部のクルド人勢力への攻撃を実施すると伝えた。これについて、トランプ大統領は、アメリカはこれには関与しないことを決め、地域にいる1000人の米軍を撤退させると発表。これまでに約20人が撤退したと伝えられている。

トランプ大統領は、撤退と同時に、この地域にいるIS生き残りとその家族の管理もトルコに任せるとし、中東の問題は中東自身で解決すべきであり、アメリカ人の血税を使うべきではないとの従来の考えを繰り返した。

https://www.bbc.com/japanese/49956496

中東からの米軍撤退は、トランプ大統領の選挙公約である。トランプ大統領は、就任当初にもこの発言をして、イスラエルを含む中東、世界がいっせいに反発。結局、中東からの米軍の撤退は実現しなかったという経過があった。来年の選挙を前に、今、その実現をあせっているとみられる。

<トルコのクルド人攻撃に青信号?:直後にトルコの経済破壊予告>

今回、トランプ大統領は、トルコがクルド人を攻撃するということを聞いた上で、米軍を撤退させるということなので、実質、アメリカがクルド人を見捨てたということに他ならない。

実際、トランプ大統領のこの発言からわずか数時間後、シリア北部では、クルド人の輸送隊が、トルコ空軍によってすでに空爆された。クルド人勢力は、アメリカはクルド人を見捨てたと非難している。

https://www.rt.com/news/470397-turkey-bombs-kurds-syria/

これを受けて、トランプ大統領は、「クルド人を見捨てたわけではない。」と釈明。「もしトルコが、クルド人勢力に攻め込むことがあれば、アメリカはトルコの経済を破壊する。」と、すでに侵攻準備を整えたトルコに強い口調で釘をさした。

しかし、トルコに攻撃を黙認するといいながら、攻撃するなら、経済制裁するというトランプ大統領の発言は、大きく矛盾しているといえる。BBCによると、トルコ軍は、すでにシリアとの国境に続々と戦力を派遣強化しており、エルドアン大統領は、「準備は整った。」と言っているとのこと。

https://www.bbc.com/news/world-middle-east-49978567

<アメリカ国内からも批判殺到>

中東では、先月、サウジアラビアの油田がイランの攻撃を受け、米軍との対立が高まっている最中である。その中で、イランの進出が問題になっているシリアからの米軍撤退では、まさに何を考えているのかと言われてもおかしくないだろう。

シリアからの撤退は、結果的に、アメリカは中東での足がかりを失うことにつながり、イラン、そしてロシアに中東の支配権を引き渡すことにもつながっていく。トランプ大統領は、政権の全員と協議したと言っているが、大統領自身の共和党内部からも、この決断に反発する声が相次いでいる。

<イスラエルの見方:ユーフラテス川の東>

クルド人自治区は、今、問題になっているシリア北部からユーフラテス川東側に続く広大な地域。このうち、シリア北部は今、シリア反政府勢力がアサド政権軍に押されてのがれてきて最後の砦となり、戦乱の中にある。ロシア、イランによる非人道的な攻撃が時々報じられている地域である。

この地域に今、トルコが攻撃を開始しようとしているわけだが、この地域を制覇したあと、トルコが、広くクルド人自治区にまで進出してくる可能性も出てくる。

ユーフラテス川東のクルド自治区には、今も米軍が駐留しているので、トルコが攻めてくることはない。しかし、米軍がここからも撤退した場合、クルド人は孤立無援となるため、生き残りのために、アサド政権(背後のイラン)に投降するしかなくなる。そのアサド政権は、イラン、ロシアの支配下にあるといってもよい。この2国とトルコの3国は、シリア問題においては強力関係にある。

今、アメリカがクルド人を見捨てて撤退してしまった場合、ユーフラテス川東という戦略上、非常に重要な地域に、ロシア、イラン、トルコが勢力を維持するようになる。

すると、イスラエル北部のレバノンにまで続く道が続いてしまい、大きな軍隊が、障害なく来ることができるようになる。これはイスラエルにとっては非常に危険なことである。

これを避けるため、イスラエルは、ユーフラテス川に近い、シリアとイラクの国境付近にまで足を伸ばしてイランの拠点への散発的な軍事攻撃を開始している。しかし、イラクは9月30日、このユーフラテス川に近いシリアとの国境を開放すると発表した。これはイランが、イラクを通ってシリアに行きやすくなったことを意味する。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5600269,00.html

今後米軍がどうなっていくのか、イスラエルは高い関心と警戒をもって、ことの動向を見守っている。

トランプ大統領は、イスラエル支持派とみられ、イランへ強硬姿勢にも積極的で、イスラエルも感謝していることは多い。しかし、トランプ大統領の動きは予測不能で、イスラエルも懐疑的にならざるをえないようである。

先月、サウジアラビアの油田が攻撃された後、アメリカがイランへの攻撃に出るのではと世界に緊張が走った。しかし、アメリカは軍事攻撃には出ずに、経済制裁を強化し、制裁の軽減を餌に、イランの直接交渉を行うよう圧力をかける道を選んだ。

イスラエルは、アメリカがイランとの戦争を避ける点には合意するが、アメリカがイランとの交渉に臨むことには反対している。交渉で、また甘い条件でイランの核開発が受け入れられることを懸念するからである。

厳しい制裁を継続することで、イラン市民によって今のイランの現イスラム政権が崩壊し、別のイスラム主義でないイラン政権になることがベストである。しかし、トランプ大統領は、その点にはこだわりがなく、現政権の生き残りに反対しているわけではないようである。

イスラエルは自己防衛に関しては、たとえアメリカであっても全面的に依存することはない。したがって、トランプ大統領の予測不能なジグザグに想定内であり、今回のシリアからの米軍撤退発言も、大きな驚きではなかったようである。最終的には、自分を守るのは自分でしかない。イスラエルがホロコーストで刻んだ厳しい教訓である。

<石のひとりごと>

シリアから米軍撤退、ネタニヤフ首相起訴前聴聞、3回目総選挙の可能性。。。並べるとなんとも気が狂いそうになるが、それでもイスラエル国内では、何かがおこってしまうまでは、日々の日常にはなんら変わりはない。今日の静かなヨム・キプール。ネタニヤフ首相は何を考えているのだろうか。

46年前の1973年、このヨム・キプールの日に戦争が始まった。断食してシナゴーグで祈っていた人々に徴兵令が発せられた。家族たちは、息子やお父さんたちを突然見送らなけれなならなかった。

来るべき時には来る。イスラエルの人々にとって、それは現実である。そこから目を離さず、逃げることなく、できる準備はしておく。しかし、そこに支配されて、日々恐れて生活する人は一人もいない。来る時には来る。だから、後悔しないよう、1日1日を楽しんでいる。

そういうイスラエル人の姿に学ばされる点である。
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