コプト・クリスチャン21人斬首:エジプト軍リビアのISIS空爆  2015.2.17

 2015-02-17
北アフリカのリビアには、エジプト人のコプト・クリスチャンが多く出稼ぎに来ている。その人々をイスラム過激派が昨年末から1月にかけて次々に誘拐。昨日、ISISが、このうちの21人を、「十字軍だ」として、斬首する映像を公表するに至った。

これを受けてエジプトのシシ大統領は、直ちに厳しい報復を行うと宣言。今日、リビア領内のデルナにあるISIS関係施設への空爆を実施した。空爆は、リビア政府との協力で行われており。リビア空軍機もエジプトに続いて空爆したと伝えられている。

この攻撃でISIS戦闘員40-50人が死亡したとみられている。

<エジプト国内の様子> http://www.bbc.com/news/world-middle-east-31494806 

今回殺害された21人のコプト・クリスチャンのうち、13人は同じ町の人々だった。映像を見て家々から悲しみの叫びがあがったとBBCは伝えている。

シシ大統領は、カイロ市内のコプト教・マルコ聖堂を訪問し、クリスチャンたちを慰めるとともに、「エジプトは世界諸国と、同じ目標を持ち、非道なイスラム過激派グループと戦う。」と伝えた。

BBC(エジプト人記者)によると、エジプトのイスラム教の最高権威(スンニ派)が、「このような野蛮な行為はイスラムを代表するものではない。」として、エジプト政府の空爆を支持している。http://www.bbc.com/news/world-middle-east-31483631

しかし、シシ政権は、国内の安定をはかるため、強大なエジプト軍を背景に、シナイ半島などで、イスラム過激派の掃討作戦を展開中だ。

今回のISISとの戦いへの介入が、エジプト国内のイスラム過激派との戦いにどのような影響が出て来るか注目されている。

*コプト・クリスチャン

エジプトのキリスト教はマルコがエジプトを訪問したところから始まっている。東方系教会(ギリシャ正教など)の一つであり、儀式も、東方系キリスト教会に類似する。独自の法王を持つ、。

エジプトはアラブの春以来、経済が非常に悪く、仕事がない。特にクリスチャンには仕事はない。リビアはイスラム過激派が勢力を伸ばしており、非常に危険であることは知られていたが、コプト教徒にとってはリビアが唯一の出稼ぎ国だった。

<リビアに勢力伸ばすISIS>http://www.bbc.com/news/world-africa-31113659

リビアは2011年に、長年国を支配して来たカダフィ大佐が失脚。一時、非イスラム主義の政府が立ち上がるかに見えたが、すぐに転覆。以後、イスラム過激派が、ダルマ付近を中心に勢力を伸ばしてリビア政府は弱体化しており、内戦状態といえる。

そのダルマで、昨年10月、過激派勢力が、ISISの傘下に入ることを宣言。ISISの”カリフ”もこれを歓迎する声明を出し、ISISの旗が堂々とはためく状態になっていた。以来、リビアでは多数の犠牲者を出すテロ事件が数々発生している。

欧米諸国は、ISISが活発になり始めた昨年からすでに大使館を引き上げている。今回の事件を受けて、最後に残っていたイタリアも、大使館を閉鎖して職員を帰国させた。

アフリカでは、この他にもナイジェリアで勢力を伸ばすイスラム過激派ボコ・ハラムがISISの傘下に入ったと宣言している。ボコ・ハラムの脅威が大きいとして、ナイジェリアでは、大統領選挙を延期するほどである。

ISISは、無政府状態か、政府があっても無力になっている国々をその支配下に入れる政策をすすめることを明らかにしている。シリア、イラクからアフリカにも支配域を広げつつあるようである。

<リビアから決死の脱出:地中海で少なくとも300人死亡>

混乱をきわめるリビアから、決死の覚悟で対岸のイタリアへ行こうとする難民が2014年から急増している。難民は、小さなボートに過剰に乗っているため、途中で難破し、大勢が溺死するケースが多い。国連によると、昨年だけで3500人が途中で死亡した。

先週も多くの船に分かれて数百人がイタリアへ向かっている中、4隻が不明で、少なくとも300人が死亡したと可能性が高まった。イタリアが救出に向かい、これまでに2000人もの難民が救出された。

北アフリカからの難民は、一番近いヨーロッパ、イタリアに集中している。イタリア政府はこれに対処しかねており、EUも協力するべきだと訴えている。
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