イラン制裁解除へ 2016.1.18

 2016-01-18
日本でも報じられたことと思うが、核兵器開発疑惑でイランに課されていた制裁がいよいよ解除されることになった。

17日、イランと欧米6カ国は、ウイーンにおいて、IAEA(国際原子力機関/天野雪彌局長)が、イランと6カ国で合意した条件をイランが遵守していると認めたことを受けて、イランへの制裁を解除すると発表した。

これにより、イランは、現在凍結されている資産(推定500億ドル(約6兆円))を動かす事ができるようになるほか、原油輸出再開などでさらに100億ドル(1兆円以上)を手にすることになる。また今後は、各国との貿易も自由にできるようになり、イランへの観光業も期待されている。

イランのロウハニ大統領は、ツイッターで、「輝かしい勝利だ。」と制裁の解除を歓迎する意向を伝えた。

ネタニヤフ首相は、これまでにさんざんこの措置に対して警告して来ており、こうした結果はもはや予想ずみであったためか、今回の制裁解除発表についての反応はむしろ、最小限だった。

こうなった以上は、独自で監視を続け、自衛するしかないということである。

<イランの何がまだ懸念されるのか> http://www.bbc.com/news/business-35317159

いかに合意で様々な核兵器製造要素が”減らされた”とはいえ、中東の覇者になる、そのためにも核兵器を保有するというイランの野望は変わっていないという点である。

今回の合意に基づく制裁解除で、イランは大金を手にするだけでなく、やがて監視も徐々に解除されて行くことになる。核兵器開発にむけた研究がすすむのを止めることが、実質できなくなるということである。

この状況に危機感を持つのはイスラエルだけでなく、イランとは敵対するサウジアラビアはもっと懸念しているとみられる。

イエメンでは、過激派フーシ派(シーア派)を支援しているイランと、イエメン政府を支援するサウジアラビア(スンニ派)と武力衝突が続く。両国はこの1月、外交を断交したばかりで、中東は今やシーア派とスンニ派の対立の緊張が高まっているところである。

イランが、こうしたシーア派の過激派を背後で支援していることは世界的にも知られた事実。イスラエルの宿敵ヒズボラを支援しているのもイランである。このイランが大金を手にするのだから、これは実は非常に危険なことなのである。

実際、イランは、国際法に違反して昨年、中距離弾道ミサイルの実験を行っている。アメリカのオバマ大統領は、制裁解除の発表があったわずか1日後、このミサイル実験に関係した11の組織が、アメリカの銀行システムから閉め出すという新しい制裁を発表している。

http://www.bbc.com/news/world-us-canada-35338901

<複雑な日本の立場> http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS10H0F_Q6A110C1PE8000/ (日経新聞)

岸田外務大臣は、制裁解除を受けて、今後イランとの関係強化を図ることを明らかにしている。来月にもイランとの投資協定締結が予定されている。

しかし、日本は、石油3割をサウジアラビアから買っている。イランとの接近は、イランと断交しているサウジにとっては不愉快な話である。今後、日本は、微妙な綱渡りをすることになりそうである。
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