高まる反ユダヤ主義と国際ホロコースト記念日 2016.1.29

 2016-01-29
昨日27日は、国際ホロコースト記念日だった。1月27日は、1945年に、ソ連軍が、アウシュビッツ強制収容所を解放した日である。今年71年目を迎える。

国連は、11年前の2005年、この日を世界がホロコーストを覚える人して定めた。以来毎年、国連総会はじめ、関係諸国で記念行事が行われている。二度と同じことが起きないようにすることが目的である。

しかし、実際には、ホロコーストから70年経った今、反ユダヤ主義は消滅するどころか、さらに悪くなっているというのが現状だ。

ヨーロッパにいるユダヤ人は、イスラム過激派の台頭とともに、中東系難民の大流入で、イスラムとヨーロッパのキリスト教反ユダヤ主義勢力との狭間で、まさにヒトラー直前の時代の様相になり始めていると聞く。

今、ユダヤ人にとっては、フランスが最も危険だが、ドイツでも反ユダヤ主義が高まっていることは、メルケル首相も認めているところである。

そうした大きな時代の流れの中で、今年もアウシュビッツに、ユダヤ人生存者らが集まって記念式典が行われた。本来、解放を喜ぶはずだが、彼らの周囲に迫る空気は、皮肉にも、再び「ヨーロッパから早く脱出したほうがよい。」といった空気になりはじめている。

ベルリンでは、ドイツ議会において、ホロコースト生存者で、アウシュビッツ収容所ほか複数の収容所にいたルツ・クルーガーさん(84)が、その経験を語った。クルーガーさんは、今の時代に、かつてはユダヤ人を迫害したドイツが、今はシリア難民を大勢受けいれていることを高く評価すると述べた。

しかしながら、今、ドイツは、難民による犯罪で、市民の不安や不満が急速に高まっている。ドイツはじめ、ヨーロッパ諸国は、今難民受け入れを制限する方向で動き始めている。ユダヤ人代表として、クルーガーさんが難民受け入れを高く評価したことで、またユダヤ人が、憎まれることにならなければよいがとも感じた。

<オバマ大統領、ワシントンDCのイスラエル大使館を訪問:米大統領としては初>

アメリカの主都ワシントンDCでは、ヤド・バシェム(エルサレムのホロコースト記念館)との協力で駐米イスラエル大使館にて記念式典が行われ、ヤド・バシェムの代表たちとともにラビ・イスラエル・ラウも参列する中、オバマ大統領も出席した。

アメリカの大統領がイスラエル大使館に足を運ぶのはこれが初だという。イスラエルとアメリカの関係が緊張していると言われる中、このイベントは両国の関係が揺るぎないものであることを明らかにする結果となった。

ホロコースト記念日には、ホロコースト当時に、自分の命も顧みずにユダヤ人を助けた「義なる異邦人」を認め、感謝する事が恒例となっている。今年は、アメリカ人2人、ポーランド2人の計4人が、その栄誉を授与した。アメリカでこの授与式が行われるのは初めてのことである。

http://www.yadvashem.org/yv/en/about/events/event_details.asp?cid=260

オバマ大統領は、「反ユダヤ主義が増大していることは否定できない。」「私たちは憎しみを完全になくす事も、反ユダヤ主義をなくす事もできない。」という厳しい現状の認識を明らかにした。その上で、「それでも、(それを防ぐために)私たちにできることを全力でしなければならない。」と語った。

<イスラエルでの式典は中止>

イスラエル、エルサレムでは、1月27日は、雨雪雹といった強い寒気を伴う悪天候であったため、特別な式典は中止となった。しかし、ホロコースト時代(1936年から1946年)に犠牲者たちが残したアートの展示はこの日から始められた。

なお、イスラエル国内では、ユダヤ暦での1月27日、すなわち、建国記念日の前の4月あたりにホロコースト記念日をすることになっている。

<世界最年長はホロコースト生存者?>

ギネスで、世界最年長と認められていた人は、日本人の名古屋在住の小出安太郎さん(112)だった。しかし、今年1月22日に、慢性心不全で他界。

次に年長なのはやはり112才の男性で、ホロコースト生存者のユダヤ人、イスラエル・クリスタルさんになるとみられている。(まだ認定調査中)

クリスタルさんは、1903年、ポーランドのザルノフで、ユダヤ教に熱心な家族に生まれた。クリスタルさんの父親は戦争中、ソ連軍に従軍させられたが、無事帰還。ポーランドに戻って、チョコレートの会社を立ち上げた。

ホロコーストの時代、家族はウッジのゲットーへ入れられたが、チョコレート工場は継続できたという。しかし、クリスタルさんの2人の子供はゲットーで死亡。クリスタルさん夫妻は、1944年、アウシュビッツへ送られた。

妻はアウシュビッツで死亡したが、クリスタルさんは生き延びてウッジへ帰還。再びチョコレートの会社を再建、1947年には再婚もしている。その3年後の1950年にイスラエルへ移住した。

クリスタルさんは、激動の中でも、信仰を失わなかった。今でも熱心なユダヤ教徒である。クリスタルさんの娘のシュアさんは、エルサレムポストに次のように語っている。

「父は、自分が生き延びたのは、それが神のみこころだったからだと信じています。父は怒りの人ではありません。人生の差し引きを考える人ではありません。すべてのことには理由があると信じています。父はいつも幸せな人で、いつも楽観的で、賢く、自分の持っている物で満足する人です。」

「父の人生に対する姿勢は、そこそこというこでしょうか。そこそこ食べて寝てました。人は、自分の人生をコントロールするべきであって、可能な限り、人生に振り回されるものではないと言っていました。」

クリスタルさんは、特に長生きする事を欲していたわけでもなく、今も、すべては神の思し召しと思っているようである。最悪を見た人とは思えない余裕の笑顔が印象的。悪に打ち勝つ力はやはり神とともに歩むことから来ていると証されているようである。

http://www.jpost.com/Israel-News/Israeli-Holocaust-survivor-112-likely-oldest-man-in-the-world-442354

<石のひとりごと>

反ユダヤ主義にボイコット、憎しみのテロと、いつでもへこたれてしまいそうなのがイスラエルだが、ひょっこり天然ガスがちょうど良い時に出て来たりする。世界最年長者は、おそらくこのイスラエル在住のホロコースト生存者のクリスタルさんである。

聖書に次のようなことばがある。

その人は倒れてもまっさかさまに倒されはしない。主がその手をささえておられるからだ。(詩編37:24)

私たちは人をだます者のように見えても真実であり、人に知られないようでも、よく知られ、死にそうでも、見よ、生きており、罰せられているようであっても、殺されず、悲しんでいるようでも、いつも喜んでおり、貧しいようでも、多くの人を富ませ、何も持たないようでも、すべてのものを持っています。(Ⅱコリント6:8~10)

イスラエルとはまさにこのような国ではないだろうか。この国には、安易に逆らわない方がよい。長年この国をみてきて、そう思う。
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