超正統派10人に1人は脱落 2016.2.11

 2016-02-11
超正統派ユダヤ教徒といえば、黒い服に身を包み、律法に忠実に生きようとするユダヤ人である。親から子へと彼らの特殊な生き方が引き継がれて行っている。

多産であるため、イスラエル国内にいる正統派の数はうなぎのぼりで、社会福祉で彼らを養えなくなってきている。

そんな中、超正統派社会に合意できず、そこから離れる人が増加中であることがわかった。統計によると、すでに超正統派の約8%が、そうした”元正統派”になっているという。その数は、増える一方らしい。

先日、そうした”元正統派”の人々の記者会見があった。脱出の証をしたのは、13年間もラビをしていて、今は正統派でなくなったアビ・タピリンスキーさん(39)と、”元正統派”の社会的リハビリ運動を行っている、やはり元超正統派”のヨシ・クレアさん。

アビ・テピリンスキーさんは3年前に、黒い超正統派の”ユニフォーム”を脱いだ一人である。今は、Tシャツにジーンズ。たっぷりあったひげも短くし、耳の後の長いびんも切り、普通の39才の男性である。

ラビ時代の写真を見せてもらったが、30才は若返り、全然別人だ。今は、超正統派を離れた元正統派たちのグループを導くリーダーになっている。

はじめて超正統派の”ユニフォーム”を脱いだ時、どんな感じだったか聞くと、「自由だ~」と思ったという。

しかし、この自由の代価は非常に大きかった。超正統派社会は、アビさんをその子供たち6人から完全に切り離してしまった。今は全くコンタクトがとれないという。奥さんにも会えない。超正統派社会は、脱出者を出さないように、かなり厳しく人々を縛り付けているとアビさんはいう。

ほとんどの超正統派たちは、そういう生き方しか知らないし、それがよいと信じているので、苦でもなく、満足している。しかし、中には、別の生き方もあるのではないかと疑問を持つ人も当然出てくるのである。

いったん疑問を持ち始めると、超正統派として生きる事は、これはもう地獄である。朝起きてから寝るまでの行動が決められている。アビさん自身は、ラビでありながら、ある問題に直面し、その答えを正統派の教えの中に見いだそうとしたが、見つけられなかったと言う。

以来10数年以上、いろいろな別の道を模索した。メシアニックジューのところも訪ね、しばらく通ってみたそうである。

最初は気に入っていたのだが、しかし、「イエス以外に救いはない。」という、自分とは違うものをだめなもののように言う、「こうれなければ」という縛りがそこにもあったので、「これも違う」と思ったと語る。

他にもバハイ教などもあたってみたが、どれもしっくりこなかった。ということで、今は、”元超正統派”たちによる、これまでにない、新しいユダヤ教グループを立ち上げ、そのリーダーになっている。

正統派からすれば「異端」になるのだろうが、アビさんは、非常にオープンで、物腰もやわらかく、おだやかな人という印象を受けた。

ヨシ・クレアさんによると、”元超正統派”は、正統派を離れた後、モダンオーソドックス(近代的正統派ユダヤ教徒)になる人が1/3、改革派ユダヤ教徒になる人が1/3、まったくの世俗派になる人が1/3だという。

<救済が必要な元正統派>

元超正統派は、特に男子は幼いときからトーラーやタルムードなどしか学んでいない。数学も英語も習わず、社会で働く技能がほとんどない。しかも超正統派でなくなった時点で、国からの補助もなくなる。

こうした超正統派落ちこぼれ組は、特に若者は、救済しないと、ヒルトップユースのように、ユダヤ教過激派に流れて行く可能性もある。

ヨシ・クレアさんは、そうした元正統派たちの救済のために、エルサレム市などに働きかけている。自分の意志に関係なく、一般教育を受けられなかったのは、国にも責任があるのではないかと訴えている。

<逆らえない?独特の社会通念>

8日夜、アシュドドでは、イスラエル軍の徴兵に応じなかった正統派の男性をイスラエル軍関係者が逮捕しに来るといううわさがたった。

実際に、軍関係者がアシュドドの、超正統派地域に入ったところ、超正統派たちが暴徒となり、軍の車をひっくり返すまでになった。そこまで徴兵を拒否しているということである。

一方、同じ超正統派でも、徴兵に応じたいと思う若者は最近増えて来ている。しかし、従軍した超正統派の若者たちは、出身地では裏切り者とされ、身の危険もあるため、家に帰る前に軍服を脱いで、ひっそりと帰るのだと言う。結局は家をでなければならないケースも少なくない。

またヨシさん、アビさんによると、女性が正統派社会から脱出するのはもっと難しいと証言する。

ただし、彼女たちのほとんどは、そうした生き方に疑問をもっていない。そういう場合は、正統派の生き方でも苦痛ではないと、アビさんたちは強調している。

<ユダヤ教超正統派社会に変化!?>

エルサレム市で、超政党派問題を担当し、自身も正統派のイツハク・ピンドラス氏は、ここ数年の間に超正統派の社会は大きく変わって来ていると認める。

かつてイシバには400人のユダヤ人少年が学んでいたのに、今ではその数は12万人にふくれあがっている。一時は禁止されたスマホだが、今はコシェルのスマホ(ユダヤ教に反しないスマホ)があり、ラビたちですら持っている。

また女性たちが、正統派女性オンリーの会社を立ち上げて利益をあげている。こうしたことは今までなかった事である。そのような中で、実際に、元超正統派から出て行く事を考えている人が出て来ても全く不思議はない。超正統派社会も大きく変化しているのである。

ピンドラス氏はまずは超正統はの定義付けが難しいとしながらも、少なく見積もっても全体の5%。正統派社会では、毎年16000人のティーンエイジャー(16-17才)が増えるとみて、年間、800人若者が落ちこぼれている。

10年では8000人となり、これは正統派社会にも大きな影響となり始めていると語る。しかし、同時に、ピンドラス氏は、あるメディアが、「正統派社会が崩壊する!?」などと書きたてたが、全体の90%が、正統派の生活にとどまっているということは、決して崩壊とは言えないと主張する。

ピンドラス氏が、直接口にはしないものの、こうした脱落者(裏切り者)に不快を感じていることは明らかだった。超正統派社会から、脱出組への風当たりは相当強いはずである。

そういうわけで、ヨシさんらが、脱出希望組を支援するとしても、脱出の道ありと宣伝すると、「宣教だ」と言われるため、決して積極的な救済活動はしていないという。

それでも、口コミで、次々につながりができて、アビさんのやっているようなコミュニティが数も増え、大きくなってきている。こうした動きは、アメリカの超正統派社会ではもっと顕著だという。

こうした変化は、2013年に、ラビ・オバディア・ヨセフが死去したときから急に顕著になってきたとアビさんは確信と喜びを持って語る。大元締めがいなくなり、超正統派の家庭に生まれても、他の道を選ぶ権利があっていいはずだと思う人が増えて来たということである。

メシアニックの人々にとっては、大きな収穫が目の前に広がっているのではないだろうか。日本からも、この人々を覚えてとりなしを!

http://www.m-central.org/#!One-of-ten-Haredi-is-leaving-the-Orthodox-World/c1skh/ikc91dh618
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