イラン国会及び専門家議会選挙はじまる 2016.2.28

 2016-02-28
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4771467,00.html

核兵器開発問題で、大国との合意に至り、経済制裁が解かれて新しい道を歩み始めたイラン。27日、国会と専門家議会(イスラム指導者会議)の選挙が始まった。この2つの選挙が同時に行われるのは30年ぶりとなる。

選挙をしているとはいえ、国会290議席のうち、285議席はイスラム教徒(当然シーア派)でないと立候補できず、立候補した人々もまた、イスラム学識者からなる護憲評議会があって、それが立候補者を判定し、却下することになっている。今回も、女性候補者全員と、改革派の立候補者多数が却下される中での選挙となっている。

専門家議会とは、88議席からなるイスラム法学者らの議会で、イランの最高指導者(現在はハメネイ師)を選出する議会のことである。イランの政治は、国会や大統領が中心となって政治をすすめられるが、最終的にはこの最高指導者の意向がイランの行方を決めることになる。専門家議会の選出は重要な選挙である。

現在のイラン最高指導者は、イラン革命を導いたホメイニ師が死去した1989年以来、27年も最高指導者の座についている反欧米強硬派のハメネイ師である(任期は終身)。そのため、今回選ばれる専門家議会(任期8年)は、おそらく、ハメネイ師の次の最高指導者を決めることになると目されている。

これまでは、国会、専門家議会の両方の議会を、反欧米のイスラム強硬派が締めていた。しかし、今回は、欧米から経済制裁緩和をとりつけた穏健派(改革派)への期待と支持が高まっている中での選挙である。

経済緩和で新しい歩みをはじめたイランが、今後どのような国になるのかが、多少は見える重要な選挙といえる。

<改革派(穏健派)の進出>  http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4771467,00.html

今回は、穏健派と目されるロウハニ大統領が経済緩和をとりつけたことで、国民、特に若年層の人気が高くなっている。また、イランはどういうわけか国民の半分以上がが35才以下という若い国であるため、投票率が上がれば上がるほど、穏健派に有利となる。

土曜日に選挙、開票が始まってまもなく、穏健派が有利となり、ロウハニ大統領が、足固めをしていると伝えられている。最終結果は数日後になるみこみ。

しかし、テルアビブ大学でイランと湾岸諸国を専門とするウジ・ラビ教授は、結局はまだ反欧米強硬派のハメネイ師がにらみをきかせているため、外交で多少は変化があっても、イラン国内に大きな変化があるとは思えないという見解を述べている。

<中東でのイランの動き:強大なロシアの一声>

穏健派の政治が始まる可能性とはいえ、中東でのイランの動きは穏健とはいえない。シリアでは、ロシアとともに、イランの地上軍が介入している。

イエメンでは、政府を支持するサウジアラビアと、反政府のフーシ派を支持するイランが対立し、スンニ派対シーア派という構図を作り出している。

そのイランの背後にいるのがロシアである。イランでは、その国防相がロシアを訪問した数日後、今度はロシアの防衛相がイランを突然訪問するなど、両国が密接な関係を持って動いていることが明らかになっている。*ただし、いつも同じ方向を向いているとは限らない。

イランは、S300(戦闘機を撃墜する迎撃ミサイル)や、戦車を含む武器をロシアから購入するなどで、情報がとびかっているところである。こうしたロシアからの武器をイランは、自国だけでなく、シリアで使用する他、イエメンにも供給しており、その運び屋がヒズボラだとも言われている。

https://www.rt.com/news/331395-iran-russia-weapons-military/
http://www.jpost.com/Middle-East/Iran/Nasrallah-letter-reveals-Hezbollahs-involvement-in-Yemen-445209

ヒズボラがこうしたイラン(ロシア)からの武器をレバノンに搬入しようとした時だけは、イスラエルがレバノンに到着する前に攻撃破壊するというパターンである。

テルアビブ大学のウジ・ラビ教授は、いまやアメリカは中東政策に明確な方針を持っていないと断言する。今や中東で、力を持っているのはロシアである。

選挙後のイランとその背後にいるロシアの動きが注目されるところである。
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