ヒズボラ幹部暗殺とシリア情勢 2016.5.18

 2016-05-18
先週土曜、ヒズボラは、幹部司令官のムスタファ・ベドレディンが空爆で死亡したと発表した。

一時はイスラエルによるものではないかと緊張がメディアをかけめぐったが、まもなくヒズボラ自身が、犯行はシリアの反政府勢力によるとの声明を出すにいたった。

これにより、ヒズボラは、イスラエルとの衝突を回避、イスラエルもシリア問題には不干渉の立場を維持することができた。
一報によると、ヒズボラは海外メディアに「イスラエルによる」と書かないように要請していたという。

その後、サウジアラビアのメディアの情報によると、ヒズボラは、ベドレディンのポジションに、ムスタファ・ムグニエを任命した。ムスタファ・ムグニエは、2008年にダマスカスで暗殺されたイマッド・ムグニエの息子である。

イマッド・ムグニエは1990年代からイスラエルが暗殺を試みた経過があるため、暗殺はイスラエルによるものとも思われているが、イスラエルはこれを否定している。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4804040,00.html

<イラク・シリア情勢>

ヒズボラが現在、イスラエルとの衝突を避けたいのは、ヒズボラがアサド政権を支援する立場で、シリア内戦への介入し、これまでに戦闘員を相当数失っているからである。

シリア情勢は、ISISが入り込んで来た事で、欧米軍、トルコ軍も反撃に出て、混乱に混乱を増加えた形になっている。

アメリカ国防軍は、現時点で、ISISに奪われた領地のうち、イラクでは40%、シリアでは10%を奪回したと推測しているが、実際は以下の通り。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/212365#.VzseLaUWnA8

1)あやういイラク政府

イラクでは、イラク軍がイラク最大の都市モスルをISISから奪回しようとしている。前進はしているようだが、まだ奪回するにはいたっていない。逆にバグダッドでは、本日火曜にもISISによる空爆があり、60人以上が死亡したと伝えられている。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-36310769

バグダッドでは、今月初頭、なかなかイラクの再建に着手できないでいる政府に対し、シーア派の有力者ムクタダ・アル・サダルの支持者らが、反政府デモを行い、議会会議室へ入り込むさわぎがあった。

アル・サダルの支援者の数は膨大で、反政府デモにおける集会で、アル・サダルが声を出すと大群衆が歓声をあげている様子が伝えられている。

イラクもまた内戦になるかとの緊張もあったが、このデモはアル・サダル自身のよびかけよって終焉となった。いずれにしても、イラクにも反政府勢力が生まれる土壌は十分あるということである。

国際社会は、もしイラクまで政治的混乱に陥った場合、ますますISISへの対処が難しくなるとしてイラク政府に警告を発している。

http://www.aljazeera.com/news/2016/04/protesters-storm-baghdad-green-zone-parliament-160430120004964.html

2)シリア情勢と国際社会のこころみ

一応の休戦となっているシリアでは昨日、パルミラまで響くような大爆音で、シリアでは最大と言われる油田施設が爆破された。ISISの犯行とみられている。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/212379#.VzshKqUWnA8

ウイーンでは、火曜、ケリー米国務長官とロシアのラブロフ外相も加わってのシリア問題を中心とする国際中東和平会議が始まった。

シリア問題では、とりあえずは停戦となっているアサド政権と反政府勢力の和平交渉を再開することが目標だ。

世界は、まずはシリアの内戦を一段落させることで一丸となってISISに対処しようとしているのである。しかし、今回も進展はあまり期待できる状態にない。

BBCは、反政府勢力の支配下で、アサド政府軍に包囲され、破壊されつくしたアレッポの様子を伝えている。

シリア人たちがいなくなったがれきばかりの町で、人がまるでねずみかなにかのようにこそこそと生きている。それでも、瓦礫の中で、小さな畑をして生き延びている男性の様子が伝えられている。

シリアという国は、実質、もうないといってよいほど荒廃しているようである。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-36278132

<リビアで勢力を伸ばすISIS>

イラク、シリアのISISが、欧米やトルコの介入で押されがちになっている今、北アフリカのリビアで、ISISが勢力を拡大していることが懸念されている。

リビアは、中東やアフリカの難民たちがヨーロッパへ向う経路になっており、リビアがISISに占領されることは、欧米社会としては、抜き差しならぬ事態である。

そのリビアでは、先月、リビア政府が、国の大半が、ISISに占領される可能性があると警告を発していた。

現在、ウイーンで開かれている中東問題の国際会議では月曜、これを”緊急事態”と認識し、ISISと戦うリビア政府軍への軍事支援を行う用意があると発表した。

しかしながら、リビア政府も、まだ安定した政府ではなく、そこへ軍事・武器支援をするとなると、非常に難しい問題である。

http://www.bbc.com/news/world-africa-36300525
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