針のむしろのトランプ大統領:ロシアへの機密情報漏洩問題 2017.5.20

 2017-05-20
トランプ大統領は、この8日間、文字どおり世界中を回ることになるのだが、本国アメリカでは大統領弾劾の可能性との声もあり、まさに”針のむしろ”に座る中での外遊となりそうである。

発端は、トランプ大統領が、ロシアのラブロフ外相に、ISISに関する高度な機密情報を伝えていたとアメリカのメディア(ニューヨークタイムスなど)が伝えたことからである。

その機密情報は、イスラエルがISIS内部に忍ばせているスパイからのものとみられ、アメリカ行きの飛行機を、手荷物のPCに仕込んだ爆弾で爆破するという情報であったと伝えられた。

アメリカはこれを受けて、一時機内へのパソコンの持ち込みを禁止するなどの対処を行なっていた。トランプ大統領はこの情報をロシアに漏らしていたというのである。

トランプ大統領にすれば、治安維持のためにロシアも知っておいて欲しかったという動機であったようだが、問題は、この情報を提供したスパイ、さらには、そのスパイを、ISIS内部に送り込んでいるイスラエルに危害が及ぶのではと懸念されたことだった。

ロシアに情報が流れたということは、イスラエルの宿敵であるイランにも情報が流れた、または今後も流れる可能性があるということも示唆する。

これについて、イスラエル政府は、不思議なほどに沈黙を守り、数日後、リーバーマン国防相が、「イスラエルとアメリカの親密な信頼関係は今後も続く。」とのコメントを発表し、全く意に介さず、との態度をとった。

その後、ヨルダンが、その情報をもたらしたのは、ヨルダンのスパイであると、真実かどうかわからないようなコメントを出し、この問題は、イスラエルにとっては、どうもうやむやに終わった感じである。

<微妙な状況>

この問題についての本質を言えば、イスラエルにとって、唯一の同盟国アメリカをもはや信頼しないという選択肢はない。

アメリカは、中東情勢に詳しい同盟国のイスラエルから情報を得、そのお返しにイスラエルに軍事支援を行っているわけで、今回のようなことで信頼関係が、若干崩れたとしても、両国がそれで関係を破棄することは、お互い不可能である。

しかしながら、今後どの情報をどのようにアメリカに伝えるのかについては再考を余儀なくされるとみられる。

Yネットによると、こうしたスパイからのテロに関する治安問題に関わる情報は、特にロシアが危機にある場合は、しかるべきルートで、ロシアにも伝わっていたという。そこには、各国の情報網の間に暗黙のルールがあるらしい。今回、トランプ大統領はそれを崩したのである。

この件で、危機感を最も強めたのはロシアと直接対峙するヨーロッパNATOである。今後、アメリカをどこまで信用し、どこまで情報を共有するのか、これからは二度考えざると得ないという。トランプ大統領は今回、NAT0首脳会議に出席することになっている。

<弾劾の可能性?> http://www.bbc.com/news/world-us-canada-38966846

この問題は、アメリカでは、ウォーターゲート事件以来の出来事と非常な衝撃となった。いまや、トランプ大統領がロシアに情報を漏らしたことにとどまらず、大統領自身のロシアとの関連が疑われるようになっている。

トランプ大統領は、今年2月、当時大統領補佐官(国家安全保障担当)のフリン氏をとロシアとの関連で、解雇したが、その際、その調査を行なっていたFBI長官のコミー氏に、調査をそこで中止するよう、大統領自身が、指示していたことが明らかになった。

トランプ大統領は、5月9日に、そのコミー氏もまた突然、解雇したことで、今度は大統領自身のロシアとの関連が疑われることになったのである。

アメリカでは、「ウォーターゲード事件」以来の重大事だとして、大騒ぎとなり、この件に関する特別の調査が行われることになっら。その責任者に、歴代大統領に仕えたベテランFBI長官のロバート・ミューラー氏が指名された。

ミューラー氏は、アメリカ国民からは、どの派閥からも影響を受けない極めて公正な人物と目されているようである。今後、ミューラ氏を中心に、大統領選挙中にロシアが介入しなかったかなどからトランプ大統領の身辺が調査されることになる。

つまり、トランプ大統領は、可能性は低いとしても、ひょっとしたら、大統領を下されるかもしれない・・というような状況下で、今回の外遊を始めるということである。

http://www.bbc.com/news/world-us-canada-39961732

<石のひとりごと>

トランプ大統領が、ビジネスマンとは違う、大統領という立場を十分わきまえていないのではないかというアメリカ人たちの反応は理解できるところである。

一方で、トランプ大統領が、就任以来、相当あからさまにメディアに敵対していたことを思えば、今、メディアが、いっせいに反撃しているといえなくもないようにも思う・・。
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