南北国境でのいざこざ 2017.6.29

 2017-06-29
1)シリア:ゴラン高原

北部情勢がにわかに緊張し始めた。今週に入ってからだけで、ゴラン高原のイスラエル領内に、シリアから流れ弾が5回以上着弾している。だいたいの詳細は以下の通り。

24日土曜、シリアからゴラン高原のイスラエル側に向けて、迫撃砲10発が撃ち込まれた。被害はなかったが、イスラエル軍は、シリア軍拠点を空爆。シリア兵2人が死亡したと伝えられた。

翌25日日曜には、シリア軍と反政府勢力の戦闘からの流れ弾とみられるものがイスラエル領内に着弾。被害はなかったが、イスラエル軍はきっちり反撃。シリア軍車両が空爆をうけ、5人が負傷したとアラブ側メディアが伝えた。

26日月曜には、UNDOF(国連引き離し監視軍)の建物にはげしいマシンガンの跡が発見されている。

http://www.timesofisrael.com/idf-reopens-restive-border-area-on-golan-heights-to-civilians/

さらに今日28日夜、さきほど、再びシリアからの着弾があり、イスラエルは、発射したとみられる地点を空爆したとのこと。

こうした状況が続いているため、イスラエル軍は、シリアとの国境周辺を、軍事地域として、一時、農家の作業以外は閉鎖した。しかし、再び解放されると、クネイトラを見下ろすベンタル山の展望台には、戦争を見ようとするイスラエル人や外国からの観光客が押し寄せているという。

http://www.haaretz.com/israel-news/1.797997

<ヒズボラとの戦争突入の危険性も>

シリアとのいざこざが続く中、ひょんなことからヒズボラとの全面戦争になってしまう可能性も懸念されている。タイミングよく?ヒズボラのナスララ党首は、「次回イスラエルと戦争になれば、多数の戦士たちが集まってくるだろう。」と豪語したところであった。

南レバノンを本拠地にしているヒズボラは、イスラエルとのレバノン国境付近の一般家屋の下に、ミサイルを10万基以上、準備していることは周知の事実である。これらはイスラエル全土を標的に入れており、ナスララ党首は、ネゲブ地方ディモナの原子力施設を破壊するとも言っている。

しかし、ミサイルのほとんどは、飛距離28マイル程度の近距離であるとみられるため、万が一の場合は、最北端の町で、レバノンに最も近いメトゥラの町は全員避難することになる。

そのメトゥラから100メートルほどのレバノン領に、パレスチナの旗、ヒズボラの旗、イランのハメネイ最高指導者と黄金のドームの写真があしらわれた看板も立っているのが見えている。こうしたイランの旗等は、ここだけではない。最近、あちこちにこうした側が増えてきているという。

まるで「我々はもうすぐ来る」と言っているようだとY ネットは紹介している。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Irans-flag-on-Israels-border-We-are-coming-498122

2)ガザからもミサイル

26日月曜夜、ガザからイスラエル南部にむけてミサイルが発射された。空き地に落ちて被害はなかったが、イスラエル軍は、ハマスの拠点2カ所を空爆した。

しかし、のちにISIS関連組織が犯行声明をだした。シリアと同様、イスラエルは、いかなる攻撃もシリアはアサド政権、ガザはハマスをそれぞれの支配者とみなして、それらへの反撃を行っている。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/IS-affiliated-group-claim-rocket-attack-on-Israel-498006

なお、イスラム教では、23日(土)にラマダンを終え、27日まで4日間、断食明けの例祭、エイド・アル・フィトラを祝ったところである。

<ガザの電気不足:エジプトが緊急支援>

イスラエルがガザ地区への電力を削減し始めて3日目、エジプトが発電所を稼働するための燃料100万リットルをガザ地区に搬入しはじめた。

これにより、4月末以降、停止していたガザ地区内唯一の発電所の再稼働が始まり、住民は1日8時間程度の電力を受け取れるようになった。この100万リットルで、2−3日はしのげるという。その2−3日はすでにすぎているが、その後のニュースはない。

エジプトは、ガザにハマスに対し、燃料供給の条件を出していた。まず、①ガザ地区にいるエジプトの指名手配犯17人をひきわたすこと。②シナイ半島( ISIS他過激派組織)への武器密輸の停止、③地下トンネルでガザ入りする戦闘員に関する情報を提供する、となっている。

この交渉については、以前からすすめられていたもので、イスラエルも十分承知の動きと思われる。イランが入り込むよりエジプトが支援する方がイスラエルにとっては好都合である。

サウジアラビアとスンニ派諸国(エジプト含む)が、対イランという同じ目的で関係を深め、イスラエルにも接近していることから、背後でなんらかの合意があった可能性も考えられる。

http://www.timesofisrael.com/amid-mounting-power-crisis-emergency-egyptian-fuel-enters-gaza/

http://www.haaretz.com/israel-news/1.795567

*ガザ地区では電力の制限が始まって久しい。このため、様々な工夫をした電池が発明され、活用されているとBBCの取材。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-40369801
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