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兵役拒否の超正統派と警察が大乱闘:エルサレム 2017.9.19

 2017-09-19
超正統派ユダヤ教徒は兵役が免除であることについては、ここ数年、ずっと懸案事項となってきていることはこれまでにもお伝えした通り。

超正統派たちの人口が増えすぎて、きちんと税金を払う世俗派たちへの負担が大きくなり、「なぜ彼らは税金も払わず、兵役にも息子をださないのか。」との不満が高まっている。

この流れにより、前ネタニヤフ連立政権では、中流世俗派が支持した中道政党が多くの議席を取り、ユダヤ教政党が連立からはずれた。これにより、一時は超正統派の兵役を義務付ける法整備にまで進み始めたのであった。

ところが、現ネタニヤフ政権では、ユダヤ教政党が連立政権に復帰。上記法案はひっくり返され、しばらく頓挫した形となっていた。

ところがである。イスラエルの立法システムは複雑なのでよくわからないが、今度は最高裁が、新しく出された「超正統派は兵役義務を免除する」という法案をひっくりかえす命令を出しのである。前政権でこの問題を推進していた、未来がある党のラピード党首は、勝利宣言を出した。

当然、超正統派は、これに猛反発である。今月、超正統派の中でも過激なグループのラビの孫が、徴兵に呼び出されたにもかかわらず拒否したこことで2週間、軍警察に収監された。これがきっかけとなり、超正統派たちが、17日、エルサレム市内で大規模なデモをおこした。

超正統派の反兵役デモはこれまでから何度も発生してきたのだが、今回は、水砲が使われた他、超正統派は、警察官を「ナチ」と呼び、対する警察官らは、殴る蹴るの暴行をするなど、常軌を逸した暴行に及び、大変な大乱闘になったのである。

これにより、超正統派3人が中等度の負傷を負い、8人が逮捕された。警察官1人も軽傷を負った。この後、警察に非難の目が向き始めたため、上記、収監されていたラビの孫については、新年までに釈放するとリーバーマン防衛相が約束したとのこと。

警察長官は、行きすぎた暴行を行った警察官らの調査を行うことになっている。

たしか、今は、エルサレムは、悔い改めと赦しあう季節・・・・であるはずだだったが、とんでもない大人の大げんかになったものである。

http://www.jpost.com/Israel-News/Eight-arrested-in-extremist-ultra-Orthodox-riots-over-enlistment-505325

http://www.jpost.com/Israel-News/Investigation-launched-into-police-misconduct-at-violent-haredi-protest-505435

<兵役についての論議>

確かに超正統派であれば、息子を兵役に出さなくても良いという不条理を、世俗派の親たちがそのまま飲み込むことは難しいかもしれない。

しかし、一方で、ここまで拒否する人を徴兵することに疑問をもつ意見もある。そもそも、イスラエルが、国民を徴兵しての市民軍を設立したのは、建国当時、ホロコースト生き残りまで皆戦わなければならなかった時代背景からである。69年後の今、イスラエルは大きく変わった。

今は、建国という動機づけがないため、無理やり兵役につかせても、役に立たず、逆に入隊して武器を強奪し、敵に売却する者もいる時代である。また、そもそも兵隊に向かない者もおり、軍隊に入って自殺する者もすくなからずいる。

一方で、国の防衛に命をかけ、自ら従軍してくる者は多い。そろそろイスラエルも、健全な士気を持つ精鋭の、プロの軍隊にしていく時期にきているのではないかという意見もある。

しかし、実際には難しいだろう。イスラエルは小さい国なのに戦争は多いので、市民を駆りださなければ、人数的にも資金的にも、十分な兵力にはなりえないのである。

日本の教会は、おおむね軍備、兵役反対の立場である。もし将来、国民徴兵制が復活したら、超正統派のように、警察と戦ってでも、あくまでも兵役を拒否するだろうか。

筆者が属するエルサレム・アッセンブリー(メシアニック教会)のユースリーダーは、戦闘部隊の副司令官である。予備役兵として、有事には、銃をもって戦地へ出かけていく。新しく従軍する若い兄弟姉妹たちは、礼拝の中で祈って、軍へ送り出している。

イスラエルでは当たり前のようになっているが、もし日本なら、さぞ悲壮感ただよう祈りになるだろうと想像してしまった。理解しがたいことかもしれないが、これがイスラエルの日常である。
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