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エスカレートするガザ情勢:背後にイランの影響か 2018.10.30

 2018-10-30
ガザ情勢は、戦争と紙一重ではあるが、イスラエルにはガザを一掃する予定は今の所ない。ガザの一掃は難しいことではないが、それにより、最終的には、ガザを占領した形になり、イスラエル軍が駐留しなければならなくなるからである。

それを逆手にとり、ガザからは、イスラエルを挑発する攻撃行為が続いている。さらにはレバノンのヒズボラまでが、挑発するような行為に出始めている。その背後には、どうもイランの動きがあるようである。週末から今に至るまでの経過は以下の通り。

1)11/26(金)イスラエル南部へロケット弾40発:イスラム聖戦がイランの命令で実施:イスラエル軍発表

エジプトの仲介により、先週木曜、ついにハマスとイスラエルが停戦の合意にいたったようだなどとの情報もでていた。しかし、その翌日の金曜には、先週より多い1万6000人が暴動に参加(イスラエル軍発表)。この時の衝突でパレスチナ人4人(いずれも20歳代)が死亡した。

その夜、22−23時半にかけて、スデロットを含むガザ周辺広範囲の多数のキブツでサイレンがひっきりなしに発動。ガザから、ロケット弾約40発がイスラエル南部地域へ向けて断続的に発射された。アイアンドームが17発を撃墜。2発はガザ領内に着弾。それ以外は、空き地に着弾し、被害はなかった。

サイレンを聞いてあわててシェルターへ駆け込むときに怪我をした人や、ショックで病院へ搬送された人もいたが、いずれもごく軽傷だったとのこと。これに対し、イスラエル空軍は、土曜早朝にかけてガザ内部87箇所へ空爆を行った。

今回のイスラエルへのロケット弾攻撃は、時期的にハマスとイスラエルが合意に至ったと発表された直後であったことから、ハマスには不本意なものであったとみられた。案の定、イスラム聖戦が、ロケット弾を発射したとの声明を出し、その後、独自でイスラエルとの合意に至ったと発表した。
(合意に至ったということへの信憑性はない)

この流れからわかることは、イスラム先生は、もはやハマスには従わないということ。さらに、イスラム聖戦がイランからの軍事支援を受けているだけでなく、イランの命令に忠実な犬になっているということである。

イスラエル軍スポークスマンは、27日(土)朝の記者会見にて、「攻撃はシリアと、ダマスカスにいるイラン革命軍からの指令であった。」との見解を発表。必要なら、イスラエル軍は、ガザに限らず、どこでも攻撃すると、シリアにいるイラン革命軍への攻撃も辞さないと釘をさす声明を出した。

https://www.jpost.com/Israel-News/IDF-Islamic-Jihad-Rockets-were-directed-from-Iran-Syria-570422

2)11/28(日)ガザ国境で14歳2人、13歳1人死亡:イスラム聖戦が復讐を警告

その2日後の28日日曜、若いパレスチナ人3人が、防護柵付近に爆弾らしきものを仕掛けようとしているのをイスラエル軍が発見。上空からこの3人への攻撃を行い、3人は死亡した。

パレスチナ側の情報によると、死亡した3人は、2人が13歳、1人が14歳であった。3人の遺体の写真がソーシャル・メディアに出回った。この後、ガザの群衆数百人が、29日(月)、イスラム聖戦幹部の家周辺で、イスラエルへの復讐を叫び、テルアビブを攻撃するよう要求した。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/253932

これを受けて、イスラム聖戦は、3人の死に対する復讐を行うと警告している。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5382932,00.html

<イランがイスラエルへの挑発を行う理由:Yネットの中東専門家ロン・ベン・イシャイ氏の分析より>

なぜ、この時期にイランがイスラエルへの挑発を行っているのかについては、以下の理由が考えられる。

①エジプトの仲介によるハマスとイスラエルの合意を妨害するため

エジプトの仲介でハマスとイスラエルが本当になんらかの平穏に戻った場合、エジプト、ならびにアメリカの中東でのリーダーシップが明らかになるため、これを妨害しようとした可能性が考えられる。

アメリカのトランプ大統領は、エジプトの仲介により、ハマスとイスラエルの間に平穏が戻ったのを見届けた後に、皆が待ち望んでいるトランプ式中東和平案を発表するとみられている。

②イスラエルと湾岸スンニ派アラブ諸国の接近を妨害するため

以下に述べるが、26日(金)、イスラエルのネタニヤフ首相が、オマーンからの招きで公式訪問を行っていた。

この直前には、パレスチナ自治政府のアッバス議長がオマーンを訪問しており、オマーンのスルタンカブースは、中東和平の仲介に意欲を示している。 エジプトに加えて湾岸アラブ諸国が、イスラエルとアメリカとの関係を回復した場合、イランが問題児になってしまう構図になるためである。

③アメリカのイランへの経済制裁(11/6)を阻止、または軽減させるため

イスラエルが挑発に乗って大きな戦争へと発展させることでもあれば、アメリカの中東での正当性が失われ、イランへの経済制裁も正当性をなくす可能性が出てくる。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5381560,00.html

イランからの声明は出ていない。アメリカは、もし本当にイスラエルがイランを攻撃した場合、これは本当に中東全体が戦争になるため、懸念を表明している。

<怒るイスラエル南部住民>

イスラエル軍は、土曜早朝のガザ内部への空爆の後、イスラエル南部の住民に対し、通常の生活にもどってよいとの指示を出した。しかし、南部周辺住民は、土曜夜に集まり、日曜に子供を登校させないと訴えた。

南部住民たちは、毎週のように、サイレンでシェルターに駆け込む日々を送っているのだが、イスラエル政府が、断固とした対策を取らないことに不満を訴えている。

29日(日)には、一部の南部住民がテルアビブにおいて、「兄弟たち。目を覚ましてほしい。南部は炎上している。」と訴え、政府に何か行動するよう訴えるデモを行っている。

スデロットに住むミリ・アスリンさんは、息子たちの登下校中、シェルターのない道が500mあると訴える。ある時、その道中でサイレンが鳴り、逃げる場所もないまま、頭の上で、アイアンドームがロケット弾を撃墜したこともあるという。

南部住民は、こうした中でも続けられているガザへの燃料や人道支援物資搬入を阻止しようとして、一時、ケレン・ショムロン検問所への道路を閉鎖する動きにも出ている。

住民たちは、こうした抗議行動に政治的な背景はなく、あくまでも住民みずからの訴えであると強調している。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5382381,00.html

しかしながら、イスラエル軍は、何手も先を読む中で、今は大きな戦いにしないほうがイスラエルの益になると考えているわけなので、すでに被害を受けている住民の声を聞くわけにもいかないだろうと思われる・・・
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