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今日やりなおし総選挙:投票開始 2019.9.16

 2019-09-17

総選挙

投票するネタニヤフ首相夫妻 写真出展:GPO

イスラエルでは、今日、やりなおし総選挙の投票日を迎えた。今日は臨時の国民の休日で、有権者は、朝7時(日本時間午後1時)から、全国各地1万543箇所の投票場へ向かっている。有権者は、4月から5万4751人増えて、639万4030人。(チャンネル12)

治安維持のため、今日は1日、西岸地区、ガザ地区からのパレスチナ人の出入りは停止。配備される警察官は2万人。加えて、不正を監視するため、体にカメラを装着した監視員3000人が投票所に配備された。不正に撮影をするものがあれば、警察に通報するよう指示されている。

投票所にカメラを持ち込むことについては、前回の総選挙で、ネタニヤフ首相が、アラブ系住民の投票所などの監視員1200人に隠しカメラを配備させていたことが問題になった。

批判を受けたネタニヤフ首相が、「個人の投票を監視していたわけではない。コンビニにでも(防犯の)カメラはあるではないか。」として反論。これを合法化する手続きをとり、逆に、「違法に撮影するものをとりしまるため」として、堂々とカメラを持ち込めるようにしたものである。

野党からは、「ネタニヤフ首相が有権者たちを脅して、投票に影響を及ぼしている」「逆に投票所での騒動を促しているのではないか。」などと激しい論争になり、中央選挙委員会や、司法長官もこれに反対する意向を表明したが、最終的に内閣はこれを承認したのであった。

https://www.timesofisrael.com/pm-touts-camera-bill-ahead-of-cabinet-vote-ag-tells-ministers-hell-oppose/

<五分五分で先行き読めず:またやり直しになるしかない・・・わけにはいかない総選挙>*数字は最終世論調査による予想議席数

今回のやり直し総選挙だが、世論調査によると、結局、今回もどの政党も国会過半数を(61議席)を超える連立を樹立できそうもないという結果になっている。

今回、総選挙のやりなおしになったのは、右派のユダヤの家党(リーバーマン党首)が、ユダヤ教超正統派への待遇でネタニヤフ首相に反発し、連立政権に加わらなかったために、過半数に到達できず、総選挙やりなおしになったのであった。

この図式は今回も同じなので、また同じ結果になる可能性は残されている。そうなると、だれに連立使命をするかが問題になるが、リブリン大統領は、3回目の総選挙はどうしてもさけたいとの思いを語っている。最終の世論調査結果は以下の通り。

1)ネタニヤフ首相率いるリクードと右派勢 予想:58議席

ネタニヤフ首相率いるリクードは、29-32議席。総選挙後、仮に大統領から連立立ち上げへの指名を受けた場合、右派党(シェキード党首:新右派党とユダヤの家党(ナフタリ・ベネット氏)の合併右派党)9-10議席、ユダヤ教政党のシャス党(アリエ・デリ党首)7-8議席、統一トーラー党(リッツマン党首)7-8議席で、合計58議席。過半数には足りていない。

ここで注目されるのが、アラブ人はイスラエルから追放するなどと主張するカハネ派などが多い極右政党オズマ・ヤフディ(イタマル・ベン・グビール党首)。この党は、極右すぎるので、ネタニヤフ首相は手を組むとは考えていないのだが、ここへ来て、投票膣が最低ライン3.25%を超えそうになってきた。

もし超えた場合、国会で4議席を獲得することになる。もしこの党がネタニヤフ首相の連立に加われば、ネタニヤフ政権は、リーバーマン氏なしでも存続できることになる。

https://www.haaretz.com/israel-news/elections/.premium-the-racist-party-that-could-save-netanyahu-s-political-career-in-tuesday-s-election-1.7835822

*右派勢へのアピール:ヨルダン渓谷合併を公約

総選挙まぎわになり、ネタニヤフ首相は、イランの核兵器開発の新情報を発信したが、加えて、ヨルダン渓谷のCエリア(イスラエル人キブツなどの地域)を合併することを公約に掲げた。さらには、ヘブロンのユダヤ人地域の合併にまで言及している。

その地域は、先にナフタリ・ベネット氏が、トランプ大統領の「世紀のとりひき」とされる和平案の情報として流した地図で、イスラエルの支配域とする地域に合致している。ネタニヤフ首相は、今回の合併公約との関連は否定したが、今後、アメリカとの協力関係を効果的に進められるのは、自分だけであるとアピールした。

https://www.timesofisrael.com/netanyahu-after-jordan-valley-and-settlements-ill-annex-other-vital-areas/

当然ながら、これについては、パレスチナ自治政府、ヨルダン、エジプト、湾岸アラブ諸国も反発を表明している。

2)ベニー・ガンツ率いるブルーアンドホワイト党と中道左派勢 予想:48議席 

国民に人気の高い元イスラエル軍参謀総長ベニー・ガンツ氏が率いるブルーアンドホワイト党は、中道左派。右派政権のユダヤ教正統派への優遇政策(兵役、税金免除など)に反発する世俗派などが支持する正当である。この党の登場で、多くの小さな政党が議席を失い、混乱を巻き起こした。

世論調査によると、現在も、ネタニヤフ首相のリクードと互角の29-32議席。もし、総選挙後に、大統領から連立立ち上げの指名を受けた場合、労働党(アミール・ペレツ党首)6-7議席、イスラエル我が家党(リーバーマン党首)9-10議席と組むことが考えられるが、これだけでは過半数に全く足りない。

こちらに左派元メレツの民主連合党(ニツアン・ホロビッツ党首)7議席が加わることはない。この党は中道左派であり、パレスチナ人と国土を分け合う二国家二民族案という左派の主張にも合意していないからである。ガザ情勢についても、ガンツ党首は、ネタニヤフ首相より強力な攻撃を主張している。

アラブ統一正統派も揺れて入るが、この方針であることだけでなく、まずは、ユダヤ人政権に加わることはありえないだろう。

選択肢としては、リクードとの右左統一政権しかないが、ガンツ氏は、その場合は、リクード党首が、ネタニヤフ首相とは別の人物でないと受け入れないとしている。理由は、ネタニヤフ首相が、汚職疑惑で選挙後追求を受ける可能性があるからとしている。

そういうわけで、結局、大統領は、ネタニヤフ首相を政権樹立に指名するとは思われるが、またまた樹立できないという図式は前回も同じである。この事態から、どの評論家も予想できないとして、チャンネル12の人気政治部キャスター・アミット・シーガル氏は、”イスラエル史上最大のギャンブル”とも評していた。

何が起こるのか、新しい時代を迎えるイスラエルの指導者が誰になるのか、非常に興味ふかい選挙である。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5589946,00.html

3)この選挙はアマレクとの戦い:ユダヤ教超正統派が5万人の大集団デモ

総選挙の2日前の15日、エルサレムで、ユダヤ教超正統派5万人とも15万人とも報じられるようなかなりの大規模デモを行った。反発しているのは、超正統派抜きの政府を創ろうとしているリーバーマン氏とラピード氏(ブルーアンドホワイト)。

群衆は、この2人が、ユダヤ人の象徴を維持する超正統派を排斥しようとしているとして、アマレクだと叫んだ。アマレクとは、聖書に出てくるイスラエルの宿敵で、ユダヤ人たちは、彼らを絶滅させようとする敵を「アマレク」と呼ぶことがある。

超正統派が支持するのは、統一トーラー党(リッツマン党首)である。この人々はラビが指示すれば、必ず投票に行くので、得票数はたいてい安定している。彼らの票は、最終的には、ネタニヤフ首相には有利に働くことになる。

https://www.timesofisrael.com/netanyahu-gantz-or-28-other-parties-israel-goes-to-the-polls-again/
カテゴリ :イスラエル国内ニュース トラックバック(-) コメント(-)
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