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和平条約25年:悪化をたどるヨルダンとの関係 2019.11.8

 2019-11-08
イスラエルとヨルダンは、1994年にラビン首相とフセイン国王との間で、和平条約が成立した。10月26日、両国はそれから25周年を迎えた。

25年たった今、イスラエルとヨルダンの関係は複雑である。ヨルダンは、1994年の合意の時に、ヨルダン側に入ってしまったイスラエル人の畑(名はライムにあるキブツ・ゾファルの900ヘクタールの畑)を平和の島として、イスラエルに貸す契約をしていた。

ナハライムは、ガリラヤ湖南部で、ヨルダン川とヤルムク川が交差する地域で、1997年に、精神に障害を持つヨルダン軍兵士によって、7人のイスラエル人少女(13−14歳)たちが間違って射殺された地域として知られる。

この時、異例にも当時のフセイン・ヨルダン国王が、犠牲者の家を訪問して謝罪したことで知られる。ヨルダンは、25年後の期限を迎えた今、この地域に関する契約の延長をしないと決めた。今後、イスラエル人の農夫らは、畑に行くことができなくなった。

https://www.timesofisrael.com/israeli-farmers-sweat-as-land-they-worked-for-decades-to-be-given-back-to-jordan/

イスラエルとの関係が複雑になってきた背景には、ヨルダン市民の60%がパレスチナ人で、もともとイスラエルとの和平に賛成しない人が多く、最近では、この契約を破棄するよう求めるデモも発生していることがあげられる。

また最近、第三神殿推進派の動きをめぐって、神殿の丘でのイスラエル軍との衝突が増えてきつつある。1967年以降、神殿の丘の管理は、ヨルダンのワクフ(イスラム組織)なので、その度にヨルダン政府が、イスラエルを非難する声明を出している。

さらに、ネタニヤフ首相が、総選挙にあたり、もし時期も首相になった場合、ヨルダン渓谷をイスラエル領に合併すると公約しており、ヨルダンは、これをヨルダンへの敬意の欠損と指摘する。

<アロンの墓への訪問を禁止>

ヨルダンの代表的なナバテア人の遺跡ペトラの近くには、モーセの兄アロンの墓があるとされる高い山、アロンの山がある。そこへ至るには丸1日かけて登っていかなければならないが、そこまで行くユダヤ人がいる。

このアロンの墓をヨルダンは、今年8月2日、突然、訪問禁止とした。理由は、ユダヤ人たちが、そこで違法に角笛をふきながら祈ったとも言われている。

https://www.timesofisrael.com/jordan-closes-holy-site-to-visitors-after-jewish-group-prays-without-permission/

このせいか、10月末、旅行者とともにヨルダンへ入った際、みやげ品として、メノラー(ユダヤ教のろうそく立て)を購入した人が国境で、没収された。ユダヤ教関連グッズや、角笛も今後、没収される可能性があるという。

<ヨルダンの大使呼び戻し事件再び>

2017年、イスラエル大使館で、イスラエル人がヨルダン人2人を殺害する事件が発生。この時、ヨルダンは、関係したイスラエル人をイスラエルへ変換したのだが、ネタニヤフ首相が、そのイスラエル人に「よくやった」とヒーローのように迎えたことがあった。

ヨルダンが激怒したことは言うまでもないことである。ヨルダンは、ただちにイスラエルに派遣している大使を呼び戻し、イスラエルも大使を呼び戻したことで、両国の外交は、6ヶ月間、途絶えたのであった。

https://www.timesofisrael.com/colder-than-ever-25-years-on-israel-and-jordan-ignore-peace-treaty-anniversary/

最近では、イスラエルで、”治安”問題としてヨルダン人2人が拘束され、ヨルダンでは、イスラエル人1人が侵入したとして拘束された。この事態を受けて、一時、ヨルダンの在イスラエル大使がヨルダンに呼び戻された。

しかし、イスラエルとヨルダンは、双方ともに、和平条約を維持し、治安問題、経済関係、ヨルダン川の水関係や、死海に紅海から水を引くプロジェクト関連など、様々な分野で、協力することが必要であることはわかっている。

今回も、交渉がまとまり、事件から1週間以内に、呼び戻されていたヨルダンの在イスラエル大使は、イスラエルに戻った。イスラエルに拘束されているヨルダン人2人も6日、ヨルダンへ戻された。

ヨルダンとの関係は、微妙ながらもなんとか平和を保っているというところか。

*ジャラッシュで無差別ナイフテロ:8人負傷

時々情勢とは無関係と思われるが、ヨルダンの観光名所の一つで、貴重なローマ帝国時代のデカポリスの一つジャラッシュ(ゲラサ)で、ナイフによる無差別テロがあり、ヨルダン人ガイド1人と観光客(メキシコ人、スイス人)計8人が負傷した。犯人はその場で逮捕された。

https://www.bbc.com/news/world-middle-east-50316093

<石のひとりごと>

ここまで読んでくださった読者の皆様に感謝申し上げたい。中東ではここしばらくの間に、実にいろいろな動きがあり、まとめるだけで1週間かかってしまった。

中東では、2010年に中東各国で反政府デモが発生し、多くの独裁者が倒れたことから、アラブの春と呼ばれた。今、その再来かとも言われるほど、各地でデモが発生している。しかし、実際には、以前のアラブの春が、終わっていなかっただけとの見方もある。

それにしてもユーフラテス川を境に、ロシア、トルコ、シリア、イラン、またその背後に控える中国と、見事に大国が、控える図式になりつつあるが、何度も書いているように、これは聖書が予言している形である。

エルサレムでイスラエルと中東、世界を見据えて祈りのエキスパート、リック・ライディング牧師は、今、世界全体がゆすぶられていると語る。これは、国々の中から、主を知る人々が起こされ国々が救われる最後のチャンスの時ということである。合わせて、希望のない国はないと言っていた。

今、日本もゆすぶられている。天皇が交代し、経済も落ち、災害が相次いでいる。人口も減る一方である。人間の力の限界を悟り、神の前にへりくだるときである。

自分を罪あるものと認め、その赦しを自分の力や善行などでは獲得できないことも認め、神自身が備えてくれたイエスの十字架刑の死とそこからの復活による赦しを受け取ることである。
カテゴリ :イスラエル外交・防衛 トラックバック(-) コメント(-)
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