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西岸地区入植地は国際法上違法と認識せず:トランプ政権また爆弾宣言 2019.11.22

 2019-11-22
18日、ポンペイオ国務長官は、西岸地区のユダヤ人入植地の認識について、アメリカの認識を正式に元に戻すと発表した。

すなわち、前オバマ政権が、2016年に、ヨルダン川西岸地区のユダヤ人入植地は基本的に、国際法に違反するとしていた立場を、1981年のレーガン大統領の立場ー西岸地区の入植地の存在が、基本的に国際法に違法にあたるとは考えないーに戻すということである。

しかし、ポンペイオ国務長官は、だからといって、アメリカが、全面的に、西岸地区の入植地の存在を合法と認めるということではないと強調した。

それぞれの入植地の合法性は、個別に検討する必要があるとし、その個別の問題にアメリカが関わることはないということである。実際、イスラエルの裁判所も、入植地の合法性、違法性については、個別の判断を出している。

また、アメリカが西岸地区の地位協定について最終的な判断を述べているのではないということも強調。それはあくまでも当事者どうしが交渉で決めることであるとした。

最後に、今回、アメリカがこの決断に至ったのは、この地域の独特の歴史的また環境的な条件を鑑みてのことであり、他の地域にもあてはまるものではないと述べた。

ポンペイオ国務長官は、最後に、これまでのように、入植地を違法だと判断することで、平和を得ることはできなかったと指摘。要するに、西岸地区の入植地問題は、国際法で解決できるものではなく、政治的な問題であり、両者が交渉によって解決するしかないということを認識すべきであると述べた。

https://www.timesofisrael.com/full-text-of-pompeos-statement-on-settlements/

<イスラエルの反応:相変わらず一致せず・・・>

ネタニヤフ首相とそのライバル、ガンツ氏の双方、また中道派たちは、アメリカが西岸地区入植地に関する認識を違法ではないとの認識に戻したことについて、歓迎すると表明した。

しかし、ネタニヤフ首相は、アメリカの動きを歓迎する理由について、「ユダヤ人の”ユダヤ・サマリア地区”(西岸地区)への入植活動は、外国人による植民地活動ではない。(自分の国に戻るという意味)」と述べたのに対し、

中道左派ガンツ氏は、「入植地の存在は、現地の実情に合わせて、治安が維持できるように交渉、合意で決まるものである。(国際法で判断するものではない)」とアメリカが述べた点を歓迎すると述べた。

一方、左派メレツ党のニツァン・ホロビッツ氏は、「アメリカのこの決断は平和への障害だ。入植活動はどうみても国際法上違法であり、アメリカの決断は、イスラエルとパレスチナ双方にとって害になる。」と述べた。

https://www.timesofisrael.com/netanyahu-and-gantz-both-fete-us-for-changing-tack-on-settlements/

イスラエルでは、3回目総選挙になる可能性が濃厚となっているその時に、この発表がなされたことから、アメリカが、”世紀の取引”(中東和平案)に有利と考えている右派ネタニヤフ首相をサポートしようとして、今この発表を行ったのではないかとの見方もある。

<パレスチナ、国際社会の反応>

パレスチナ自治政府のアッバス議長は、「入植地が国際法に違反であることは明らかである。国際法を無効にしたり、入植地を合法化する権利は、アメリカにはない。」と一蹴した。

ヨルダンのサフディ外相は、「西岸地区への入植活動は違法。パレスチナ人とイスラエル人が共存することをめざす2国家2民族(国を分ける)案の大きな障害になる。」と述べた。

EUのモルゲニ外相は、「EUは、イスラエルに対し、占領者の義務として、入植活動をただちに停止することを求める。」と述べた。

https://www.aljazeera.com/news/2019/11/pompeo-israeli-settlements-inconsistent-int-law-191118192156311.html

国連安保理は、月一回の中東に関する会議を行っていたが、ポンペイオ国務長官の発表から2日後、14カ国それぞれが、アメリカの決断に否定的な発言を出した。

https://www.ynetnews.com/article/BkH8E473B

<石のひとりごと>

トランプ政権は、エルサレムをイスラエルの首都といい、今度は、西岸地区のユダヤ人入植地は違法ではないと宣言。まさに親イスラエル政権とみられてもおかしくはないだろう。しかし、今回も含め、実際に何を言っているのかをよく考えると、実質的には何かが変わるということでもない。

一方で、イスラエルは、ますます嫌われる立場に追い込まれているようである。
カテゴリ :パレスチナ関係 トラックバック(-) コメント(-)
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