シリア情勢その後-イスラエルはとりあえず平穏維持 2013.5.9

 2013-05-09
先週、行われた2回のシリアへの空爆、その後について。イスラエルは反撃の可能性を鑑み、北部都市に迎撃ミサイルを配備したが、流れ弾がゴラン高原に数発着弾しただけで、大きな動きはない。

シリアのアサド大統領は1回目は空爆を否定。2回目は空爆の事実を認め、イスラエルを名指しで非難した。

空爆の事実を認めなければ、反撃する可能性はうすい。しかし、認めた以上、めんつがあるので、反撃する可能性が残る。イスラエル軍はまだ反撃の可能性があるとして警戒している。

イランは「ゴラン高原がファタハの支配地になる。」と言い、パレスチナ人をまきこむ反撃を示唆した。しかし専門家らは、それはありえないと分析している。

アサド+イランはシーア派、パレスチナ人はスンニ派の立場をとっているからである。(シーア派とスンニ派は、歴史的に敵対している。)

<空爆で破壊したもの>

イスラエルがシリアへの空爆で破壊したのは、イラン製の中距離(250キロ)地対地ミサイルだった。ヒズボラが所有するどのミサイルよりも的中率が高い。

もしこのミサイルがヒズボラの手に渡っていれば、地中海沿岸ハデラにあるイスラエルの発電所を、一発命中で破壊できる。なお、ヒズボラは以前、実際にイスラエルの発電所を破壊することを示唆したことがある。

<シリア内戦:ヒズボラ対アルカイダ!?>

内戦中のシリアにヒズボラの戦闘員数千人が入り、イランの革命軍とともにアサド政権を軍事支援している。これまでに150人のヒズボラが死亡、500人が負傷したと報告されている。

ヒズボラがシリア政府側で戦っているとすると、反政府側にいるアルカイダと戦っていることになる。ヒズボラ対アルカイダ、これはシーア派対スンニ派という構図も含んでいる戦いである。

オバマ大統領は、アサド政権+イラン+ヒズボラを押さえるために、反政府勢力を軍事支援すべきかどうか思案しているところだが、宿敵アルカイダを支援するわけにいかず、難しい決断だ。

おそらく、アメリカは単独では行動せず、国際社会を巻き込んで事を起こすとみられる。アメリカのケリー国務長官は、先週ロシアのプーチン大統領と会談。

またラブロフ外相とも会談し、シリア政府、反政府双方を含む国際会議を開催する計画を共同声明として発表した。

<ロシアからシリアへS300ミサイル?>

そのロシアだが、S300という最新式地対空中距離ミサイルをシリアに売却しようとしているという情報をイスラエルからアメリカに伝えたと、アメリカの新聞が伝えた。

S300は、上空の戦闘機でもミサイルでも撃墜する能力がある。もしこれがアサド政権の手に渡ったなら、シリア内戦だけでなく、中東の力関係が変わることになる。

問題はシリア政府が、M3004基とミサイル144発分の支払いをすでに済ませていること点である。ロシアはシリアにこの武器を渡す義務があるのだが、欧米からは、引き渡さないようにとの圧力がかけられてきた。調べによると1貴は数週間後にはシリアに届けられる可能性があるという。

現在、イスラエル周辺の空域では、イスラエルが優位を維持している。ネタニヤフ首相は、イスラエルの治安維持のため、この力関係を、変えるような動きには対処を躊躇しないと改めて語っている。
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