検証:ジュネーブ暫定合意 2013.11.27

 2013-11-27
ジュネーブで行われていたイランと6カ国の交渉は、今回も、ロシアのラブロフ外相、アメリカのケリー国務長官が途中で呼び出されて延長戦となったが、最終的に、24日朝3時半ごろ、6ヶ月を期限とする暫定合意に至った。

<イランが受け入れた条件>

①イランはウランの濃縮を5%以上には行わない。②ウランの濃縮に遣う遠心分離器を増やさない、③蓄積された20%ウランを中和する、③プルトニウムの精製にもつながる可能性を持つアラクの核施設建設の中断、③IAEA(国際原子力機構)の査察をさらに受け入れる。

つまり、イランは低レベルであれば、核の濃縮活動を継続すること、現存する18000基以上の遠心分離器の温存を許された形である。

*技術的な視点で考えると・・?

国家治安研究所のエミリー・ランダウ博士によると、今回の合意では、「遠心分離器は増やさない」となっているが、イランはすでに、十分持っているばかりか、このうち3000基は、高性能の遠心分離器であるという。

これらを使えば、5%ウランからでも爆弾を製造するのに問題はない。したがって「遠心分離器を増やさない」という条件は、実はほとんど意味がない。

さらにプルトニウムに関係するアラクの建設中断だが、施設が建設中だというわけではなく、すでにすべて整った上で、「それらを動かさない。」というだけである。

ここまで完成した上で、高価な施設を使わないということはありえない。アラクで軍事目的のプルトニウムが精製されないということを証明するには、解体以外にはない。

まとめると、今回の合意で、「イランの核開発が6ヶ月はとりあえず保留」にはなった。しかし、肝心要の「イランは、軍事目的で核開発を行わない。」という点について確認できていない以上、抜本的な解決に向かっているとは、まだいえない、ということである。

にもかかわらず、国際社会は「将来、イランは核の軍事開発を辞めるだろう」との”期待”で、イランの経済制裁を緩和したということである。

<6カ国が受け入れた条件>

イランの貴金属や石油化学製品などの禁輸措置を一時的に解除する。この緩和措置により、イランには60-80億ドルが入ることになると試算されている。

オバマ大統領は、「これは、一時的な緩和措置で、これまでに構築してきた制裁の枠組みは、今のまま残る。したがって、もしイランが上記の条件を履行しなかった場合は、直ちに制裁を強化することも可能だ。」と主張している。

<イランと世界の反応>

イランでは、帰国したザリフ外相を、群衆が歓迎。ロハニ大統領の支持率も上がっているという。

6カ国はじめ、世界は、シリアの化学兵器廃棄に続いて、イランの核兵器開発問題にも着手でき、外交の勝利だとして喜んでいる。

また、イランとの貿易が再開されることは、多くの国、企業が望んでいたことなので、世界はこの合意を歓迎している。

<複雑なイスラエルの反応>

ネタニヤフ首相があれほど、合意には調印しないようにと懇願したにもかかわらず、6カ国は合意に至った。

暫定とはいえ、この内容では、イランが核兵器をつくる可能性をそのまま残していることを意味するため、ネタニヤフ首相にとっては、当然、不本意なことである。

「今、あと一歩というこころで制裁をゆるめてしまっては、これまでの努力が水の泡になる。今逆に制裁を強化すれば、核の濃縮活動の全面停止に追い込むことができたのに・・」というのがネタニヤフ首相の主張だった。

しかし、オバマ大統領は、「合意は暫定的なもので、制裁を元にもどすことはいつでも可能だ。またIAEAのさらなる査察が入るのだから、イランは核兵器を開発できる状態ではなくなった。」との認識を語っている。

ジュネーブでの暫定合意以後、イスラエル国内のニュースでは、様々な見方、憶測が連日飛び交って、物議をかもしている。

イスラエル軍の諜報関係長官で、防衛関係のトップ・エキスパート、アモス・ヤディン氏は、「今回の合意はまだ極初期段階だ。イスラエルは、次の数ヶ月、大騒ぎせず、アメリカと国際社会の様子を見守り、次にどうするのか考えるべきだ。」と言っている。

ヤディン氏はまた、「ネタニヤフ首相が、強く反対したので、合意内容は、当初のものより、堅実なものになっている。」と、首相をサポートする発言をしている。

<今後イスラエルはどうするのか>

ヤディン氏が言うとおり、現在、ネタニヤフ首相は、国際社会への発言はかなり押さえいるもようである。アメリカには、代表団を派遣し、今後、6ヶ月のあいだに、解決すべき問題はなにかを論議する予定だという。

またEUヨーロッパとも歩みよって、6ヶ月後の最終合意に向けた対策を行っているようである。
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