超正統派ユダヤ教徒の50万人デモ 2014.3.4

 2014-03-04
超正統派も兵役につく義務を課すという法案に反対する超正統派ユダヤ教徒の大群衆が、2日、エルサレム市内で”祈りのデモ”を行った。

集会は「100万人マーチ」と称され、超正統派なら派閥を超えて参加が呼びかけられた。異例にも女子と9才以上の男の子の参加も要請され、当日は超正統派が全国から続々と集まった。最終的には30~50万人と報告されている。

超正統派は、2月中旬にも主要1号線道路のエルサレム入り口近くで群衆によるデモを行って、警察と暴力的な衝突になっている。警察は1万人体制で警備を準備。会場となる現場周辺の道路は閉鎖。エルサレム市内に出入りするバスや、路面電車も停止となった。

集会は2日午後4時から。この日は午後から砂嵐で、空はどんより霧がかかったようになっている。会場中央バスステーション周辺は、超正統派の人々で黒々となった。

デモとはいえ、政府に訴えるのではなく、神にこの法案を廃棄してくれるようにと祈る集会である。

集会は、約2時間。終止ラビがマイクを通した大音響で「主よ。主よ。私たちは罪を犯しました。どうか哀れんでください。」と泣き叫びの祈りをし、これにあわせて、大群衆が「アーメン」という。いわば、政府にはいやみともいえる大祈り会である。

祈ったあとは、喜びのダンスで閉会となった。幸い暴動にはならず、平和に群衆祈り会は閉会となった。

<超正統派ユダヤ教徒の兵役問題とは?>

イスラエルは建国以来、超正統派の人々を国のために祈る祭司とみなし、兵役や税金を免除するだけでなく、国が生活費を支給する形をとってきた。しかし、建国65年たった今、その祭司の数が増えすぎて、国がもはや養いきれなくなっている。

また息子娘を兵役に出し、税金も納めている世俗派の人々からは、こうした超正統派への特別待遇を「不公平」だとする意見が積み上がってきている。

そこで、政界の風雲児ヤイル・ラピード財務相は、「平等に重荷を担う」として、超正統派も一定の兵役または社会奉仕を義務づける法案を進めているのである。

しかし、この法案、二転三転していて、なかなか理解するのが難しい。実際には、かなりの数が今まで通り兵役免除されるし、急に兵役が課されるわけではなく、数年をかけて徐々に新しいシステムにしていくという形である。しかし、それでも、正統派は、「これまで通り」と要求しているというわけである。

<兵役に反対しないユダヤ教徒もいる>

ここで注意したいことは、ユダヤ教徒だからといって、全員が、兵役に反対しているわけではない。特に、宗教派シオニスト(神は、祈りだけでなく、ユダヤ人の実際の働きを用いてイスラエルの建国を実現されたと考える人々)は、敬虔なユダヤ教徒だが、率先して兵役に就き、優秀な兵士を生み出している。

また、戦死した兵士の中には敬虔なユダヤ教徒も多数いる。息子をレバノン戦争で失った母親は、こうした超正統派の訴えは、まるで息子がユダヤ教徒でなかったように言われているようだと怒りを訴えている。

<石のひとりごと>

ラピート財務相は、「この大群衆を見た人は、だれでも、国が彼らを養いきれないとわかったはずだ。」といっている。確かに、そう感じた。

しかし、トップに立つラビが反対を呼びかけている以上、国の現状を理解して兵役に就こうとする正統派の青年が、正統派社会から迫害されるという体質は変わらない。人数が多いだけに、無理に兵役につけようとすれば、社会的な大混乱を招く危機さえある。

トップに立つラビの「つるの一声」これがすべてを決めることになる。これは、福音に対するユダヤ教の態度にも共通する点である。

<おまけ>

3月17,18日は、エステルを記念するプリム祭りである。この例祭では、子どもたちは様々なコスチュームでいろいろなものに変装する。正統派の男の子たちに根強い人気は皮肉にも「イスラエル軍兵士」の扮装である。

プリムに正統派の居住区に行くと、たくさんの小さなエステル王妃に混じって小さな神殿の大祭司が走り回っている。その中に、おもちゃのライフル銃をもった小さなイスラエル軍兵士もけっこういるのである。

兵役が大きな問題になっている今、「今年はイスラエル軍兵士の扮装禁止」が呼びかけられているという。しかし子どもたちはがっかりする。そこでラビは「イスラエル軍兵士はいけないが、アメリカやイギリス軍兵士の扮装ならば良い。」と言っている。
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【2014/03/16 23:02】 | # | [edit]
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【2014/03/28 23:15】 | # | [edit]












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