イスラエル国内ニュース 2017.6.11

 2017-06-11
イスラエルは初夏だが、日中は本格的に暑くなってきた。エルサレムでも昼間は28−31度。テルアビブは27−31度(湿度は日本並み)。土地が低いガリラヤ湖は35−41度。最南端のエイラットでは42度にまで上がることがある。無論、雨はまったくなし。

観光客もかなり押し寄せており、西壁トンネルは連日、超満員。エルサレムアッセンブリーでは、ここしばらく、大型観光バスでやってくる海外からの異邦人クリスチャンが加わって、超満員礼拝が続く。今日も礼拝堂に入りきれず、別の部屋で同時ビデオ礼拝が準備された。

* アンソニー・シモンさんの遺体戻る

5月末、イラクで聖書配付中に、交通事故で死亡したアンソニー・シモンさんの遺体がイラクからイスラエルへ無事戻ってきた。12日(月)、エルサレムのジャーマンコロニーにあるプロテスタントの墓地に埋葬されることになった。

<市民生活はおおむね平和>

中東情勢はきわめて緊張しているが、イスラエル国内はおおむね平和にやっている。6月は各地でフェスティバルも予定されている。

1)ゲイ・プライド・パレード(テルアビブ)6/9

9日金曜は、さんさんと照りつける地中海の太陽の元、テルアビブでゲイ・プライド・パレード、ならびにビーチ・パーティが行われた。Yネットによると、20万人以上が参加した。

http://www.jpost.com/Israel-News/LIVE-Tens-of-thousands-march-in-Tel-Aviv-LGBT-Pride-parade-496376

20万人がゲイというわけではない。ゲイを支持する人も多数参加する。統計によるとイスラエルのユダヤ人79%は、同性結婚に賛成しているとのこと。テルアビブでのゲイ・パレードは、多様性容認、民主主義を謳歌するフェスティバルでもある。

毎回、お伝えしているが、テルアビブのゲイは、日本のように、可愛らしい系のおねえキャラではない。大半は、美男子が男性美を強調するゲイである。女装しているゲイは、大柄で凄味があり、迫力満点で、厚化粧の魔女みたいである。

パレードでは、いろいろなLGBT団体が山車を出すのだが、山車の上では上半身はだか、もしくはほぼ全裸状態の男性たちが踊りまくっている。今年はなんと、イギリス大使館が、この催しに賛同するとして独自の山車を出している。

イスラエル人は子供好きなので、ゲイカップルが、子供たちを養子に迎え、育てるということが行われている。その点も今年はテーマになっていた。

それにしても、パレードの後のビーチ・パーティでは、文字通り人・人・人の大混雑。治安部隊の優秀さを思わされた。

2)エルサレムでブック・フェスティバル 6/11-15

ユダヤ人たちは相変わらず本が大好きである。一般家庭でも図書館のように壁いっぱいが本棚担っている家も少なくない。毎年恒例で、今年も明日から1週間、エルサレムの旧鉄道駅広場で、ブック・フェスティバルが行われる。

比較的安価に本が購入できるため、毎年大勢の人で賑わっている。

http://www.jbookfair.com/en/

少し先になるが、エルサレムでは、6月28日(ラマダン終了後)からは旧市街全域を光の芸術で飾る毎年恒例のライト・フェスティバルも予定されている。http://www.lightinjerusalem.org.il/index.php?langpage=eng

3)ハイファ大学で”平成・日本”カンファレンス 6/11-13

ハイファ大学では、明日から3日間、”平成・日本”に関するカンファレンスが行われる。このカンファレンスでは、イスラエル人たちが、近代日本の政治、外交、ビジネス、文化、市民生活に至るまで様々な角度から”日本”を考え、研究成果を発表する。

主催はIAJS(イスラエル日本学会)で、ハイファ大学アジア学科が中心となって行われる。テルアビブ大学やヘブライ大学からもスピーカーが来る。日本からは、駐イスラエル日本大使の富田浩司氏もスピーカーとして招かれている。筆者も取材予定。

http://www.japan-studies.org

<アラブ系市民は警察と衝突>

先週月曜夜11:30pm、テルアビブからさほど遠くないアラブ人地区クファル・カシムで、警察が住民の一人を職務質問し、身柄を拘束しようとしたところ抵抗。村人約50人がこれを助けようとして警察と衝突となった。

この時、現場にいたモハンマド・タハさん(27)が、市民警察隊に頭を撃たれて死亡した。家族はなぜ殺すに至ったかについて、納得いかないと訴えている。

クファル・カシムでは、犯罪による殺人が相次いでおり、過去2ヶ月の間に6人が死亡したという。警察は、これまでのところ、犯人の逮捕も捜査も行っておらず、住民の間で警察への不満が高まっていた。

本日土曜、クファル・カシムではアラブ人とユダヤ人も加わって1700人が、モハンマドさんの家族を支持し、警察に対する不満を訴えるデモを行った。これについては平和に終わっている。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4973862,00.html

*ユダヤ人優位?のイスラエル

イスラエルは確かにすぐれた民主主義の国である。しかしながら、どうしてもユダヤ人が優先になりがちで、ユダヤ人以外はなにかと差別を感じているようである。*注・同じユダヤ人でも白人でないユダヤ人(エチオピア系など)も同様の経験を訴えている。

治安維持についても、ユダヤ人保護が優先されるためか、アラブ人保護に十分な努力がなされていないという現状は否めないようである。クファル・カシムのように犯罪が野放しになり、殺人事件が闇に葬られているというアラブの村はここだけではない。

イスラエルで生まれ育ったアラブ人(総人口の20%)にとっては、祖国から2級市民扱いされていると感じ、かといって、イスラエルが祖国であることには違いなく、葛藤をもちつつ生きているといった感じである。
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ゲイ・プライド・ウィーク開始:テルアビブ 2017.6.5

 2017-06-05
今年も6月4日、毎年恒例、今年17回目となるテルアビブでのゲイ・プライド・ウィークが始まった。イベントは11日まで開催される。

テルアビブは2012年には、世界ベスト・ゲイ・シティに選ばれている。以後、中東に限らず、世界中からゲイがやってくる街になった。
9日に予定されているパレードでは、20万人の参加が予想されている。

エルサレムポストの記事では、ある統計によると、イスラエルのユダヤ人で同性結婚に同意する人は2015年には64%であったが、今は76%になっているという。パレードでは、ゲイの人もゲイでない人も賛同するとして、ビールを片手にパレードを楽しむことになる。

テルアビブ地域は、かつてビールを好んだペリシテ人が住んでいたところだが、なんと今もその風景は変わっていないようである。

http://www.jpost.com/Israel-News/Culture/Pride-2017-Tel-Avivs-last-gay-bar-is-BACK-and-hotter-than-ever-494803

<トランプ大統領:ゲイ月間を無視?>

とにもかくにもオバマ大統領のしたことを全部ひっくりかえしているのが、トランプ大統領である。そのオバマ大統領がこだわったのが、ポリティカル・コレクトネス(ポリコレ)であった。

ポリコレとは、政治的に正しいということで、人種差別などの偏見を防ごうとするものである。これにこだわりすぎると、実質がみえなくなり、バランスを崩してしまうことになる。

たとえば、アメリカではゲイの人々に対する差別偏見にこだわるあまり、その信教によれば同性結婚を認めないキリスト教会が、ゲイカップルの結婚式を拒めば、ペナルティが課されるようになっていた。

トランプ大統領は、こうした流れに終止符をうつと言っている大統領である。その一環か、トランプ大統領は、オバマ大統領以来、6月をゲイ月間とするということに無視を決めているもよう。

6月、オバマ大統領は、ホワイトハウスを虹色にライトアップしていたが、トランプ大統領はこれをしないとみられる。ゲイ組織などからはブーイングが出ている。

http://www.nydailynews.com/news/politics/lgbt-leader-calls-trump-snub-pride-month-shameful-article-1.3221324
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シャブオットとラマダン 2017.6.2

 2017-06-02
トランプ大統領来訪、エルサレム統一50周年記念、さらにその2日後の26日、イスラム教のラマダンが始まった。その3日後の30日から31日にかけては、ユダヤ教のシャブオット(7週の祭り)であった。エルサレムはなかなか忙しい町である。

1)シャブオット:5/30,31

シャブオットは、過越の祭りから数えて50日目(7週)を覚える例祭で、過越を終え、出エジプトを果たしたイスラエル人たちが、50日目にシナイ半島に到着し、十戒(律法)を授かったことを記念する。イスラエルでは国民の祝日となる。

多くのシナゴーグでは、30日、日没後の夜中から朝まで、聖書の勉強会が開かれた。

またシャブオットは、1年で最初の収穫(小麦)を祝う時期でもある。このため、上記ように律法を与えられたことを覚えるとともに、収穫にまつわる話であるルツ記を朗読する。

広い農場や、牧場を併設するキブツやモシャブでは、小麦の束を積み上げ、皆で集まってダンスをしたりして、建国時代を思わせるイスラエルらしい風景になる。この日は、特にチーズなど乳製品を食べる日としても知られている。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4969502,00.html

http://www.jerusalemonline.com/news/in-israel/local/israel-celebrates-shavuot-28815

都会人たちは、国民の祝日で休みの中、友人知人を招くなどして家で楽しんだり、国立公園やビーチで楽しんた。イスラエルのメディアによると、今年も2万人がガリラヤ湖畔を訪れたという。イスラエル版、芋の子を洗うようなビーチである。

http://www.timesofisrael.com/israelis-crowd-beaches-parks-on-shavuot-holiday/

<シャブオットの意味:新しい国の誕生〜ラビ・フォールマンからのヒント>

シャブオットは、律法を授かったことを記念するが、これはまさにイスラエルが、ひとつの国として、この世界にデビューしたことを意味する。

律法(法律)というものは、その国を形作るもの、アイデンティティである。法律をみれば、その国がどんな国であり、何を重んじているのかがわかる。いいかえれば、国になるためには、皆が合意する法律がなければならないのである。

出エジプト直後のイスラエル人は、まだ奴隷の集まりにすぎなかった。しかし、シナイ山で、神ご自身から律法をもらったことにより、イスラエルという国になったということである。その法律を、人間が考え出したのではなく、神(主)から直にいただいた、つまりは主直属の国は、世界でもイスラエルだけであろう。

ここでなぜ、神は、出エジプト(過越)から、律法を与える(シャブオット)まで50日待ったのかを考えてみる。過越からシャブオットまでの50日の間に何があったのかというと、マナ(パン)が天から降ってきたということである。(出エジプト16章)

神、主は、このマナを通して、奴隷としての生き方しか知らない人々に、神直属の国の国民として生きるようになるための備えをしたとラビ・フォールマンは考えている。

かつての主人、エジプトのパロは、彼らの苦情にはいっさい耳をかさず、自分の利益のために働かせるためにのみパンを与えた。ところが、マナは、イスラエル人が空腹になり、リーダーであるモーセに苦情を言い始めたことを聞いて、神が与えたものであった。

前の主人と違い、新しい国の主は、彼らの苦しみに耳を傾け、自分の利益のためではなく、彼らのためにのみマナを与えたということである。これは、上に立つものから長年傷つけられてきた人々に癒しを与え、新しい国の新しい主人の概念を変えるためであった。

次にマナには、幾つかの決まり、つまりは初級の法律があった。①1日に一人1日分(オメル)だけ集める、②余った分を取りおいてはならない、③安息日前には2日分集め、安息日には集めてはならない。

ところが、聖書によると、この教えに反して欲張り、1日に1オメル以上集めた者、また1日分を集められなかった者がいたが、帰ったらどの人の袋にも1日分が入っていたという。また明日のためにと、取りおいた分は虫がわいて臭くなった。安息日前には、マナは2倍降り、安息日にはマナはふらなかった。

つまり、このマナに関する決まりは、破ろうにも破れないものであったということである。明日のための必要はおろか、結局のところ、律法を守れるようにしてくださるのも神ご自身であるということである。これらを経験させたのちに、厳しい十戒を与えられたのであった。

シャブオットは、このように、イスラエル人が、奴隷から神の国の民となり、神の支配の中に入ったことを記念する大事な祝いの日である。

そうしてこの後の時代に、イスラエルに来られたのがイエスである。イエスの弟子たちは、このシャブオットの日にエルサレムで、聖霊を受けるという経験をした。(新約聖書・使徒の働き2章)

イエスによって罪の奴隷というところから自由にされたが、その時点ではまだ奴隷生活しか知らなかった。しかし、この日聖霊を受けることにより、律法が心に書きしるされ、本当に新しい神の国の国民になった、ということである。これがペンテコストである。

次の日曜日、ペンテコストを祝うすべての教会の祝福を祈る!

2)エルサレムのラマダン:5/26より6/23まで

シャブオットの3日前、26日から、イスラム教のラマダンが始まっている。エルサレム人口の36%、約32万人が、イスラム教徒であるから、ラマダンは、エルサレムにとっても大事な行事である。

ラマダンとは、モハンマドが、神からの啓示、コーランを受け取ったことを記念するイスラム教の行事である。30日間、日の出から日没までの間、飲食をまったくせずに過ごす。

ラマダンは、イスラムの5つの義務、①アラーへの信仰の告白 ②1日5回の祈り ③貧しい人への寄付 ④ラマダン ⑤メッカへの巡礼の一つで、断食のほか、喫煙や性交渉も控えるなどして祈りに専念し、アラーにより近づくことを目的としている。

イスラム教は月暦なので、毎年ラマダンの時期は変わるのだが、夏になると非常に苦しいラマダンとなる。ことしのラマダンも夏、しかも熱風(ハムシーン)の季節と重なった。エルサレムでは、夕方は15度前後になるものの、日中は、炎天下で25度以上になる。

夏なので、日が長く、断食時間は16時間に上る。水も飲まないとなると、屈強なイスラム男子たちにとっては非常に苦しい1ヶ月になる。*子供や妊婦、病人などには厳しい規制はない。

仕事は休む人もいるらしいが、通常は生活のために働かなければならない。旧市街では、観光客を相手にしているため、レストランも普通に経営している。断飲食しながらの給仕はなかなか難しい仕事である。

先日、グループとともに午後に旧市街であるレストランに入った。屈強そうなイスラム男性の店員がいたが、目が若干充血し、少々へろへろの感じだった。いつもはにこにこしている人である。

精算時、予想したより高かったので、つめよると、「ラマダンなんだよ。わかってくれよ。頭がまわってないんだよ。」と何度も言われた。・・・がそれは、ぼってもよいということにはならない。しっかり計算してもらったら20ドル以上安くなった。

のちに夕方、オリーブ山から乗ったタクシーのおじさんは、いらついてクラクションを鳴らしていたが、同時に「ラマダンだからね〜」と笑った。「でもラマダンの時は、飯がこれまたうまいんだ。あと1時間ぐらい。」と実感を込めて言っていた。

なお、エルサレムでは、ラマダンが始まってから、夕方以降、特に交通渋滞が激しくなっている。イスラム教徒のタクシー運転手によると、暑いので、みな日没後に神殿の丘へ来ているという。どうりで昼間の旧市街は、いつもより若干、空いているようであった。

<エルサレムへのアラブ人入場規制緩和>

毎年のことだが、イスラエルの治安部隊は、ラマダン期間中、神殿の丘へ祈りに来る西岸地区のイスラム教徒のために、神殿の丘への入場規制を緩和する。

西岸地区在住の男性で、30−40歳の場合は、ラマダン期間中でもエルサレムへ入るための許可が必要だが、40歳以上の男性と、女性、ならびに12歳以下の子供たちは許可なしでよいとされる。

*これについては賛否両論である。年配だから、女性だからといって安全ではないからである。

また、イスラエル領内と、西岸、ガザと離れ離れになっている家族が互いを訪問するための許可が20万人に発行されている。

ガザ地区住民については、ラマダン期間中、55歳以上に限って金曜に100人、その他の日は300人に許可が出る。ただし、ガザから神殿の丘まではシャトルバスで直行し、イスラエル領内へ入り込まないようになっている。

http://www.timesofisrael.com/israel-to-ease-access-for-palestinians-during-ramadan/
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エルサレムのヨベル:再統一50周年記念 2017.5.25

 2017-05-25
トランプ大統領が出国して2日後の24日、エルサレムでは今年も統一記念日となった。今年は特に1967年の六日戦争で、神殿の丘を含む東エルサレムを奪回し、街が再統一されてから50年目(ヨベル)にあたる。

<城壁にエルサレム3000年の歴史>

統一記念日に先立つ21日には、旧市街ヤッフォ門を中心とする城壁一面をスクリーンに、エルサレム3000年の歴史から、六日戦争の時の様子が、豪快な花火とともに映し出された。

その後、著名な歌手らが、イスラエルで愛されてきたエルサレム関連の歌を、多数のクワイアとともに披露。また多数のドローンを使って、空に大きくダビデの星や、エルサレム、50などと光の点で描かれた。

https://www.youtube.com/watch?v=T0ydBtPUhss (エルサレム市による紹介ビデオ)

https://www.youtube.com/watch?v=-8FfPUcXi8Y&t=2s (3000年の歴史:後半六日戦争当時:youtubeより)
https://www.youtube.com/watch?v=fUnDtftu8Nw (ハレルヤコーラス:youtubeより)

このイベントには、群衆とともに、ネタニヤフ首相夫妻、リブリン大統領夫妻、新しく着任したアメリカのフリードマン駐イスラエル大使も参加。

ネタニヤフ首相は、「世界に伝えたい。エルサレムはこれまでもこれからもずっとイスラエルの首都である。神殿の丘と嘆きの壁はこれからもイスラエルの手にある。」と挨拶し、かっさいを受けた。

花火やドローン、歌手の出演はないが、城壁でのプレゼンの一部は、7月17日まで、続けられる。

https://www.jerusalem.muni.il/en/Municipality/Municipal%20info/Pages/AllcelebrationsJerusalem.aspx

<フラッグ・マーチ>

24日の統一記念日には、日中の様々な公式や民間、地域イベントの後、夕方からは、恒例のフラッグ・マーチが行われた。

これは、若いシオニストたちの大群衆が、エルサレム統一を祝って、イスラエルの旗を振りながら、西エルサレムから嘆きの壁へ行進するというイベントである。

イスラエル全国のみならず、アメリカなど海外からもシナゴーグや、シオニスト団体のユースグループが、それぞれのTシャツを着て、それぞれの旗を持って参加する。今年は統一50周年ということで参加者はいつもより多く、75000人と伝えられている。

ユダヤ教に根ざしたシオニズムのイベントなので、女子は、女子ばかりがヤッフォ門から嘆きの壁へ向かい、男子は、ダマスカス門から嘆きの壁へ向かう。

http://www.jpost.com/Israel-News/Politics-And-Diplomacy/Tens-of-thousands-from-across-globe-march-in-Jerusalem-for-jubilee-493820

若者といってもほとんどがティーンエイジャーである。日本人であれば、たとえ若者でも、たとえ喜んでいても、これほどのエクサイトとカオスにはならないだろう。全員がきんきんの金切り声で笑い、叫び、動き回って列などはまったくない。

先生とか引率者が、いたのかいなかったのか不明であるが、いてもおそらく、子供達と共に騒いでいたのだろう。

群衆に一緒にまぎれていると、あまりのやかましさと突き飛ばされるのとで、どこからそんなエネルギーが出てくるのかと、あきれはて、疲れ果ての状態だった。

到着地点の嘆きの壁は、文字どおり超満員。立っている隙もないほどである。もちろん前にもすすまない。しかし、苦痛の顔はまったくない。混んでいることなど全く意に介していない。皆、ここにいるだけで最高に喜んでいる。

さらには、こんなややこしい状況なのに乳児を伴っている若い家族達も多い。夜10時をまわって赤ちゃん連れから3歳、5歳児もまだ群衆の中にいた。

嘆きの壁横には大きなステージがあり、バンドがイスラエルの音楽(東方系)をがんがん奏でている。若者達が歌い、反応し、数え切れない旗を振っている。男子たちは互いに肩車しながら旗をふっている。

女子達もワイルドである。おそろいのTシャツで輪になって踊り、疲れると、そのまま地べたに輪になって座って、叫ぶようにしておしゃべりしている。服が汚れるとかどこに座るとかまったく意に介していない。

ステージからはチーフラビが、「主はただ一人」「主だけが神である。」とメッセージを語り、強行右派で知られるユダヤの家党ナフタリ・ベネット氏が群衆に向かって叫んだ。「神殿の丘は我々の手に!」群衆も「おー」と反応した。

嘆きの壁上のユダヤ地区に入ると、ピザ屋、ファラフェル屋、アイスクリーム屋はすべてきゃあきゃあと叫びまくる子供やティーンエイジャーで超満員。ごみはさんらんしっぱなし。それでも皆の顔は喜びしかなく、嫌な顔やもんくは一切見なかった。

ところで、祝い事といえばアルコール無しにはすすまないのが日本文化だが、ここでは、アルコールはいっさいなし。それでも心底、全身全霊で喜び楽しんでいた。

http://www.timesofisrael.com/tens-of-thousands-march-around-old-city-to-celebrate-jerusalem-day/

<パレードに反対する左派もいる>

一方、イスラエルには、急進的なシオニズムに同意せず、右派勢力に反対する左派のユダヤ人も多数いる。

今年もフラッグマーチを妨害しようとして、ダマスカス門から左派らが紛れ込んでいたが、イスラエルの治安部隊が、これを取り押さえて、追い出している。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4967185,00.html
http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/230166

<神殿の丘で強行右派ユダヤ人15人逮捕:ヨルダンが非難>

エルサレム統一記念日でいつも問題になるのが、この日に神殿の丘に上がろうとする強行右派ユダヤ人である。

今年もグループが神殿の丘に入り、禁止とわかっているのに、ハティクバ(イスラエル国家)を歌ったり、跪いて祈るなどした。イスラエルの治安部隊は、この15人を逮捕した。

これについて、ヨルダンのアブダラ国王が、「アル・アクサ(イスラム名の神殿の丘)を冒涜する行為」であり、これを制止しなかったのは、「占領者」イスラエルの責任だと公式に非難声明を出した。

アブダラ国王は、「アル・アクサは、絶対的にイスラムのみの聖地であり、その他の考え方は受け入れられない。」と強い語調で訴えた。

この強気の語気は、これまで以上である。やはりユネスコの神殿の丘はイスラムの聖地という採択に力つけられているのかもしれない・・・。

*神殿の丘でユダヤ人が祈れないのはなぜか?

神殿の丘は、確かに神殿があった場所だが、西暦70年にローマ帝国に破壊されて以来、ユダヤ人は自由に入ることができなくなった。638年からはイスラムの聖地の一つとして認識されていた。(十字軍時代を除く)

50年前の六日戦争で、イスラエル軍は神殿の丘を奪回したが、今や”イスラムの聖地”に数えられている神殿の丘をいきなりユダヤ人の聖地と宣言することはできなかったのである。(実際はできたはずとの意見が最近優勢になっている)

そのため、1967年以降も神殿の丘はヨルダンのワクフ(イスラム組織)が管理し、治安だけはイスラエルが守るという微妙な約束となった。管理がイスラムなので、ユダヤ人もクリスチャンも神殿の丘で祈ることも聖書を持ち込むことも許されていない。

<テロ対策世界最強!?イスラエル>

22夜日、イギリスのマンチェスターでの自爆テロで、若者22人が死亡し、まだ多数が重症となっている。子供たちが犠牲となったこの事件のショックはまだまだ世界を震撼させている。

このような時に、イスラエルは、シオニストの若者の大群衆が集まるイベントを、ISISを含むイスラム過激派がうようよする東エルサレムで実施したことになる。

イスラエルの治安部隊はやはり世界最強といえるだろう。

<石のひとりごと>

私ごとになるが、今年は、筆者にとってもエルサレムに最初に到着してからちょうど30年になる。

不思議な付き合いがつづいて、つかず離れず、今まだここにいる。エルサレム50年の歴史のうちの30年。ふりかえれば、この町も大きく変化したと思う。

私自身も、この町で聖書に出会い、この町で信仰を得た。私はユダヤ人ではなく、市民権もないのだが、ここは、私に取っても、やはり第二の故郷と思う。エルサレム・ヨベル、再統一おめでとう!
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人口流出と貧困増加:エルサレム 2017.5.25

 2017-05-25
統一50周年を迎え、華やかなイベントが行われたエルサレムだが、その実情は、課題満載である。

エルサレムでは、人口流出が止まらなくなっている。中央統計局によると、毎年、8000人あまり(流入者と流出者の差)が流出しているという。問題は流出しているのが、世俗派で、若く教育も行き届いた、つまりは税金を払うユダヤ人であるということである。

エルサレムでは、ユダヤ教超正統派の人口が増えて、居住地が世俗派エリアにも入り込んできている。IT産業など大手の会社はほとんどテルアビブやベエルシェバにある。世俗派にとっては、エルサレムにとどまる利点はあまりないのである。

そういうわけで、エルサレムの人口は、現在約90万人だが、その45%は貧困線以下である。全国平均は20%であることから、エルサレムは、突出して貧困者が多いということになる。

原因は、まず、エルサレムの総人口の30%以上が、パレスチナ人であるということ。この人々は、エルサレム統一により、イスラエル主権下のエルサレム住民に加えられた人々である。

この人々は、イスラエルの国籍がなく、エルサレム住民というステータスなので、働き場がどうしても少ない。パレスチナ人を雇うイスラエル人雇用主も、どうしても少ない。

そういうわけで、エルサレムのパレスチナ人で就労している人は40%に過ぎず、エルサレム在住のパレスチナ人の80%は貧困線以下とされる。この人々は、海外に出ている子供が家族に仕送りするなどして、なんとか生き延びている場合が多い。

一方、エルサレムのユダヤ人で、就労している人口も、全国平均が64%のところ、58%にとどまっている。これは、基本的に働かず、国などの社会的支援で生活するユダヤ教超正統派の人口が、年々増えているからである。

これに対し、エルサレム市は、バルカット市長が、東エルサレムへの投資開発を進めているのに加え、昨年からは国も、予算を投じて、エルサレムにIT産業を誘致したり、観光業の開発に力を入れ始めた。しかし、まだ明確な結果はでていない。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4966952,00.html
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