テルアビブで続く反ネタニヤフ政権デモ 2017.12.14

 2017-12-14
ネタニヤフ首相がヨーロッパへ出発した土曜、テルアビブでは、反汚職、反ネタニヤフ政権デモが行われた。参加者は1万人。先週の土曜にも同様のデモが行われたが、先週は5万人である。

このデモは、首相自身の汚職疑惑が調査される中で、現政権が、首相は刑事追訴されないという法案を出したことから、市民の怒りが爆発して始まったものである。

今の所、国会で法案が通過したとしても、最高裁のマンデルビット司法長官がこれを退けるとみられているのだが、市民の怒りはどうにも治らないようである。

https://www.timesofisrael.com/thousands-protest-in-tel-aviv-against-corruption-likud-slams-division/

さらに、ネタニヤフ政権の幹事で、ネタニヤフ首相の右腕とも見られていた国会議員のダビッド・バイタン氏(57)の詐欺、収賄、背信などの罪で、刑事尋問が始まり、ネタニヤフ首相への支持も大きく揺らいでいるのである。

バイタン氏は、リション・レチオンの市長を務めていたこともあるが、収賄の他、暴力団関係とのつながりも指摘されている。リション・レチオン市では、根深い汚職が掘り返され、先週、関係者20人が逮捕された。バイタン氏の妻も長い刑事尋問を受けている。

テルアビブの群衆は、ネタニヤフ首相に辞職を求めているが、今、ネタニヤフ首相は外相も兼任しており、中東情勢が大きく変化する中、今、ネタニヤフ首相をおろしてしまっても大丈夫なのかと懸念されるとことろである。

このデモは左派勢力が指導しているとみられるが、右派政権側は、ネタニヤフ首相が、ヨーロッパで、国のために奮闘している背後で、市民たちが、リコールを叫んで大規模なデモを行うのは、いかがなものかと、左派勢力を非難している。

・・・が悪いものは悪く、複雑なところである。この状況で、外交をここまでこなすネタニヤフ首相の精神は、かなり強靭といえそうである。

https://www.timesofisrael.com/coalition-whip-faces-third-police-interrogation-sunday/
カテゴリ :イスラエル国内ニュース トラックバック(-) コメント(-)
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ホロコースト生存者:102歳で親族を発見 2017.11.26

 2017-11-26
人間にとって、家族とはなんだろうか。先週、ホロコーストを生き延びた102歳の男性が、ヤド・バシェム(ホロコースト記念館)のデータベースから、ナチスに殺されたと思っていた弟が生き延びていたことがわかり、その息子(おい)と初めて会い、心からの感動の涙を流した。

エリヤフ・ピエツルスカさんは、ポーランドのワルシャワ生まれ。1939年にドイツがポーランドに侵攻してきた際、両親と双子の弟たちと別れ、1人、旧ソ連方面へ落ち延びた。その後、イスラエルへたどりついたが、両親と双子の弟の一人は、ワルシャワ・ゲットーから移送され殺されたことがわかった。

双子のもう一人ウォルフさんは、一度連絡はあったが、それっきりで、エリヤフさんは天涯孤独だと思っていたという。そこへ、ウォルフさんの息子にあたる人がヤド・バシェムの犠牲者のデータベースから、エリヤフさんにたどり着き、面会が実現したのであった。

残念ながら、ウォルフさんは2011年にカナダで死亡していたが、おいのアレキサンドルさん(ロシア)に面会できた。心から涙しているエリヤフさんの様子は感動である。エリヤフさんは、アレキサンドルさんに、「今はイスラエルに家族がいる。もう一人ではないよ。」と語っている。

http://www.yadvashem.org/events/20-november-2017?utm_source=social&utm_medium=fb&utm_campaign=reunion_en

面会の様子: https://www.theguardian.com/world/video/2017/nov/20/102-year-old-holocaust-survivor-reunited-with-family-video 

エルサレムのヤド・バシェムでは、ホロコーストでいなくなってしまった人のデータを集め、ネットで公開している。これまでに470万人の名前がデータベースに収めらているが、まだ100万人以上が不明のままだ。

時間がたつごとに高齢となっているホロコースト経験者は死亡する。今回のような再会は今後、あまり期待できないだろう。ヤド・バシェムでは、犠牲者の情報を、ユダヤ人だけでなく、その周辺にいた人ならだれからでもいいからと、情報収集を急いでいるところである。

<旧ソ連域で定着するナチス時代の習慣:トーチマーチ>

ウクライナやラトビアなど旧ソ連地域では、ナチス時代の習慣であるトーチマーチがある。群衆がたいまつをもって行進するというものである。このイベントは1930年代、ナチス時代に導入された習慣で、現在は、独立記念日に行われる。

RTによると、ラトビアでは、19日、首都リガで、数千人が参加してトーチマーチが行われた。普通の独立記念のイベントとされているが、イベントの背景には、右派勢力が働いているという。

https://www.rt.com/news/410342-latvia-independence-torchlight-march/

同様のトーチマーチは,10月、ウクライナのキエフでも行われたが、こちらは、ナチスに協力して殺戮を行った極右75周年を記念するイベントで、まともにネオナチといえるだろう。

ナチスの大量虐殺は、1941年のソ連侵攻とともにエスカレートして行った。ウクライナなど旧ソ連圏では、ナチスとともに、地元民も参加してユダヤ人の大量虐殺が行われた。これらの地域で、一夜にして、再び残酷な反ユダヤ主義に陥ることは十分ありうる。

https://www.rt.com/news/406705-ukraine-nationalists-upa-march/

今のヨーロッパは、1930年代のヨーロッパに似ていると懸念されているが、それは本当のようである。ユダヤ人は早くイスラエルへ戻ったほうがよい。移住が加速するように。移住を助ける諸団体が祝福されるように。
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一致へのよびかけ!?:故ラビン首相暗殺22周年 2017.11.2

 2017-11-02
1日水曜、1995年に故イツハク・ラビン首相が、過激右派ユダヤ人に暗殺されたから22周年を迎えた。エルサレムでは、ヘルツェルの丘で国家記念式典が行われた他、リブリン大統領官邸でも特別なイベントが行われた。

さらに、今週土曜、安息日あけには、毎年恒例、ラビン首相暗殺の現場となったテルアビブの、今は”ラビン広場”と呼ばれているところで、市民たちの大きな記念ラリーが行われる。

ラビン首相がなぜこれほどまでにイスラエルに大きな影響を今も与え続けているのか。それは、ラビン首相が、真実に平和への深い願いを持ち続けていたことを市民たちが感動しているからである。

しかし同時に、ラビン首相が、平和をもたらすと信じて、1993年に決行したオスロ合意(宿敵アラファト議長との和解)が、逆にテロを増加させ、多くのイスラエル人を犠牲にしたという現実は否定できない。このため、右派たちはラビン首相を支持しない傾向にある。

いうならば、ラビン首相は、それでも平和のためにパレスチナ人との対話を続けるべきだとする左派と、パレスチナ人との対話は無駄であると主張する右派との決別を作り出したとも言えるのである。

右派と左派の対立は近年、増強する傾向にある。現ネタニヤフ政権は、明らかに右派で、トランプ大統領がイスラエルよりということもあいまって、左派の主張とは反対に、パレスチナ人との対話を遮断し、西岸地区の入植地拡大や、エルサレム拡大と次々に論争となる政策を打ち出している。

強硬な路線を実施するため、ネタニヤフ首相の権限が増し、反対者の意見は握り潰され、首相は刑事訴追を免れるという法案まで出るようになっている。この国家の分裂、民主主義が危機に陥り始めていると懸念する発言を繰り返しているのが、リブリン大統領なのである。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5037140,00.html

<右派左派融和への動き?:テルアビブでの大記念ラリー 11/4予定>

水曜にヘルツェルの丘で行われたラビン首相追悼記念式典において、故ラビン首相の息子ユバルさんは、名前こそ出さないまでも、今のイスラエルは、分裂がすすみ、政府と違った考えを持つものは、すぐに「裏切り者」のレッテルをはられると批判した。

これに対し、ネタニヤフ首相は、ラビン首相は国に忠実であり裏切り者ではなかったが、その政策は誤りであったと語り、「私は私の判断で進む。」と答えた。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/237518

ラビン広場でのイベントは、基本的には左派が行ってきたイベントである。しかし、オスロ合意から確かにテロが増えたことなどから、徐々に左派が左派色を失いつづあるのかもしれない。

今年のテーマは、「私たちは記憶する:私たちは一つの民」となっており、暗殺そのものが強調されていないということである。さらに今年は、西岸地区入植地に住む右派たちのスピーチも予定されている。これは、イベント始まって以来のことである。

また、国の一致がテーマになるならと、これまでは参加したことのない右派議員たちが、イベントへの参加を考えている。右派ユダヤの家党で、農業相を務めるウリ・アリエル氏が参加を表明している他、大三神殿推進派で知られる右派リクードのユダ・グリック議員は、イベントに参加すると思われる。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/237549

左派議員などからは、こうした右派との迎合傾向が、過激右派に暗殺されたラビン首相の追悼式典にふさわしいかどうかと疑問を投げかけている。「このイベントの本来の目的はなんだったか。ラビン首相は右派に暗殺された。一致は大事だが、歴史を歪曲してはならない。」と訴えている。

http://www.jpost.com/Israel-News/Left-wing-politicians-angered-by-settlers-planned-speeches-at-Rabin-memorial-service-512041

https://www.haaretz.com/israel-news/.premium-1.819841
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平和な時はもめる国会・国内情勢 2017.10.30

 2017-10-30
<最近のイスラエル情勢:とりあえず平和>

10月16日、イスラエルでは、北部ゴラン高原にシリア政府軍からとみられるミサイルが着弾。イスラエルの空軍機が、シリア領内へ反撃する事件が発生した。その同じ日、南部でも、ISISからとみられるロケット弾が、シナイ半島から発射され、イスラエル南部エシュコル地方に着弾。イスラエルに被害はなかったことと、シナイ半島では、エジプトがISISと戦っているため、イスラエル空軍による反撃はなかった。

いずれも緊張する出来事ではあったが、これらは今に始まったことではない。今回もその時だけのことで、いずれもすみやかにニュースから消えた。

イスラエル最大の脅威イランについては、トランプ大統領が、2015年に締結された核兵器開発保留を反故にする、つまりは、イランへの経済制裁再開への意欲を表明したりしているが、結局は議会がこれに賛同しなければならないため、今の所、まだ実際的な動きはない。

こうしたアメリカに対抗し、イランは、弾道ミサイルの発射実験を行った。「これからもミサイル開発は続ける。」と言っている。これに対し、イスラエルがどうするのかが注目されているが、今の所大きな動きはない。

パレスチナ問題については、10月27日、ガザ地区でハマスの治安部隊長官タウィック・アブ・ナイムが、乗っていた車が爆発し負傷するという事件が発生。ハマスの指導者ハニエは、ハマスとファタハの和解を妨害しようとするイスラエルによる暗殺未遂だと非難した。イスラエルは、まったくノーコメント。

ハマスとファタハの和解だが、イスラエルの元防衛相ヤアロン氏は、記者会見において、「ハマスとファタハの合体はありえない。」との見解を確信を持って語った。イスラエル政府も、ハマスとファタハがものわかれに終わるのは時間の問題とみているようで、危機感はない。

今、世界は、スペイン・カタローニャの独立問題、予測不能なトランプ大統領、北朝鮮の核問題などで忙しい。中東アラブ諸国も、イランの核兵器・ミサイル問題の他、シリア・イラク情勢、クルド自治区の独立問題などで手一杯である。イスラエル・パレスチナ問題は、もはや世界の片隅の問題といった様相だ。

こうなると、イスラエルでは国内に目がいくもので、最近では、国内でもめるニュースが続いている。

<リブリン大統領がネタニヤフ政権を痛烈に批判>

イスラエルでは、23日、冬季国会会期が始まった。会期開催の初日演説で、リブリン大統領は、ネタニヤフ首相と国会を前に、「現政権は、司法とメディアという、民主主義を監視する組織の権限を縮小しようとしている。3権分立(立法府、行政、司法)を脅かすことは、イスラエル国家の本質に対するクーデターともいえる。」と大胆に批判した。

https://www.timesofisrael.com/opening-knesset-rivlin-warns-of-government-coup-against-democracy/

リブリン大統領が指摘するのは、ネタニヤフ政権による行政府、ネタニヤフ連立政権が過半数になっている国会・立法府と、最高裁の司法府が対立している件である。具体的な対立の主なものは以下の2点。

1)ネタニヤフ首相汚職疑惑をめぐる対立

ネタニヤフ首相は、現在、複数の汚職問題で捜査を受けていることは8月にお伝えした通り。これに対し、右派系与党連立政権は、首相には刑事訴追は免責とする法案を国会に提出した。左派野党勢は当然これに反発。首相の座が犯罪の巣窟になるとして、採択するかどうかでもすでに論争となっている。

イスラエルでは、法案が法律になるためには、国会を3回通過した上、司法府の長である司法長官がこれに同意しなければならない。現現職マンデルビット司法長官は、すでに、この法案に同意しない意向を表明しており、政権側と対立している。

https://www.timesofisrael.com/pm-immunity-bill-will-provide-a-refuge-for-criminals-ag-warns/

*主なネタニヤフ首相汚職疑惑

①ハリウッドの富豪から超高価なシガーやシャンペンなどを受け取っていた問題、②首相自身に有利になるよう、大手メディアに利便を図ったとみられる問題、③ドイツから潜水艦を購入するにあたり、国防省の意思に反して特定の会社からの購入を決めた件。ここに、首相のいとこで首相の個人弁護士でもある人物などが関与していた問題。

これに加えて、サラ夫人の家中使用人への粗悪な取り扱いなども問題にあげられている。ネタニヤフ首相はこれを全面否定している。

これらの件に関しては昨年11月から、社会的批判の元になっている。テルアビブ近郊ペタフティクバ氏のマンデルビット司法長官の自宅前では、左派系住民らが、首相弾劾を求めるデモを行っていた。汚職疑惑が、刑事訴追の対象になったことが公になってからは、デモに参加する人の数は、2000人を超えるようになっていた。

最高裁は、当初、民主主義の原点から、現職首相に反対するデモを事実上認める姿勢を示していた。しかし、デモの参加者が2000人を超えてきたことから、司法長官自宅前でのデモは500人を限度とするとの命令を出すに至っている。

この法案について、ネタニヤフ首相自身は、汚職疑惑を全面否定していることもあり、「興味がない」と語っている。

https://www.timesofisrael.com/high-court-lifts-cap-on-protests-at-ags-house-over-netanyahu-graft-probes/

2)合法化法案(Regulation Bill)に関する対立

ネタニヤフ政権率いる行政・立法府と、マンデルビット司法長官との対立は、もう一つある。

連立政権の一員である右派ユダヤの家党のベネット氏は、昨年10月、西岸地区入植地にあるユダヤ人入植地で、まだ合法化されていない”前哨地”(Outpost)とされる地域の合法化を可能にする法案、いわゆる合法化法案(Regulation Bill)を国会に提出した。

これは、最も古くから問題となっている”前哨地”アモナについて、最終的に、最高裁が違法(パレスチナ人の所有地に建てられている)と判断し、昨年12月を撤去期限としていたことへの対策であった。この法案が通らなければ、アモナは強制撤去されるということであった。

しかし、アモナを合法化法案の対象にすることは、明らかに司法府最高裁が決めたことに反対することになるため、ベネット氏とネタニヤフ首相が夜を通して妥協策を練り、アモナは撤去するが、他の前哨地はすべて、撤去をのがれるという妥協案で、合法化法案を再提出。

その後、国会で採択が行われ、合法化法案は、2回目まで通過したのであった。*アモナの撤去は乱闘の末、12月に実施された。

しかし、この合法化法案に関しても、最終的には、マンデルビット司法長官がこれを認めない意向を発表したため、この法案は今も棚上げになったままである。

このように、政権側が何を決めても、結局マンデルビット司法長官が止めてしまうということで、いまや、司法府が、ネタニヤフ政権の目の上のたんこぶ状態なのである。リブリン大統領が言うように、司法府は、確かに、国が右にも左にもそれすぎないよう見張っているということのようである。

しかし、最悪の場合、政権側が司法長官の首をすげかえる可能性も出てくる。リブリン大統領は、この状態に対し、痛烈に釘をさしたということである。

http://www.jpost.com/Opinion/Mandelblits-time-of-decision-480989

3)エルサレム拡大法案は採択延期へ

問題になっている法案はもうひとつある。エルサレム拡大法案である。この法案は、エルサレム郊外にあたるマアレイ・アドミムやギブアット・ゼエブ、グッシュ・エチオンなど、今は入植地扱いだが、実際には、しっかりとしたユダヤ人地区になっているエルサレム近郊西岸地区の19の地域を、エルサレム市に併合しようとする法案である。

現在、エルサレムの総人口は約90万人で、ユダヤ人は54万人(61.1%)、アラブ人37万人(37.3%)。この拡大法案が実現すると、エルサレムの総人口は、15万人増えて100万人を超える。人口比はユダヤ人が67%、アラブ人が32%となるみこみ。

この法案については、パレスチナ人からの反発はもちろん、国際社会からの反発もあるため、イスラエルの”領土しての併合はしない”が、”エルサレム市の一部になる”という妥協案で提出された。具体的には、市の境界線が広がるだけという考え方で、これらの地域の住民には、エルサレム市の選挙権が与えられることになるという。

超正統派たちは、エルサレムが拡大すると、エルサレム住民の世俗派の比率が増えて、超正統派の声が、市に届きにくくなるとして、この法案には反対している。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/237257

この案についても、結局、司法府が差し止めると思われるが、この案については、アメリカもブレーキをかけていることから、ネタニヤフ首相の方で、採択の延期を決めたとのこと。ネタニヤフ首相は、今はアメリカと足並みをそろえることが肝要と考えている。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/237348

<超正統派の兵役拒否デモで超正統派にも亀裂>

超正統派の兵役拒否デモは9月にも発生し、治安部隊と暴力的な衝突になったが、10月16日、22日と、超正統派の中でも過激とされる”エルサレム党”のメンバーが中心となり、再び大きなデモを繰り返した。

16日のデモはエルサレムだけでなく、全国各地でも行われた。超正統派たちは、警察官らへののろいを叫んだり、暴力行為にも及び、エルサレムでは8人、テルアビブ近郊の超正統派の町、ブネイ・ブラックでのデモでの逮捕者は、40人に上った。

https://www.timesofisrael.com/over-30-arrested-in-violent-ultra-orthodox-anti-draft-protests/

今回のエルサレムでの大規模デモは、テルアビブ方面をつなぐ国道1号線への出入り口で発生した。このため1号線が閉鎖されたほか、バスや路面電車も止められ、夕方、帰宅を急ぐ多くの市民が足止めとなった。兵役にもつかず、国の社会補償で生活する人々が、多くの納税者らに迷惑をかけたことになる。こうしたデモは、世俗派の人々の反感を増し加えるという結果になっている。

これに危機感を持つ超正統派もいる。超正統派は、大きく2派ある。一つはハシードとよばれるポーランド系、もう一つはリトアニア系。暴力的なデモで問題を起こしているエルサレム党はハシードのメンバーである。

暴力的なデモがイスラエル社会の超正統派に対する概念を変えてしまう可能性に危機感を持ったリトアニア系のラビは、「エルサレム党はまるで羊飼いのいない羊だ。」と、同じ超正統派ながら、痛烈に批判するコメントを出した。

https://www.haaretz.com/israel-news/.premium-1.819389

超正統派のデモが発生し続ける一方で、家族やコミュニティの反対を押し切ってイスラエル軍に従軍する超正統派の若者は増加傾向にある。

イスラエル軍では、基礎訓練の最後に、テルアビブからエルサレムまでの60キロを重い装備を背負った状態で歩くという卒業訓練があるが、26日、超正統派の若者達からなる新兵部隊がこの行軍を終え、ラビに祝福される様子が報じられた。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/237346

イスラエルは、超多様な社会。一面を見てすべてを語ることは、まったく不可能であるということは知っておくべきであろう。
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イスラエルの最低賃金増加へ 2017.10.30

 2017-10-30
イスラエルの物価は、高騰を続けており、物にもよるが、円が弱くなったこともあり、全体的に日本より高いとみてよいだろう。人々の収入についても、上昇させなかればならず、最低賃金(月収)は、この2.5年の間に、1000シェケル(約3万円)もあげられていた。

Yネットの記事によると、今回、イスラエルの厚生労働省は、月額の最低賃金を300シェケル(約1万円)あげて、5300シェケル(約16万円)にする法案を提出。

財務省もこれを承認したため、国会で審議されることになったものである。国会で3回承認されれば、法案になるが、すみやかに承認されると予測されているのか、この12月より、最月額最低賃金は、5300シェケルとなるみこみだという。

時間給に換算すると、26.9シェケルから28.5シェケル、日本円にすると、約50円あがって、880円となる。これは、日本と比較すると、東京、神奈川、大阪の最低賃金よりは低いが、その他の都道府県よりは多い額になる。

http://freestances.com/1775.html (都道府県別最低賃金)

最低賃金を上げると、貧困率が低下すると期待されている。同時に、障害、老齢年金を上げることで、貧困率低下がみこまれている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5035109,00.html
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嫌われ者!?しかし観光は大盛況 2017.10.30

 2017-10-30
イスラエルは国際社会、特にアラブ諸国ではご法度とも言える存在である。2016年夏のオリンピックで、イスラエルの柔道の選手が、エジプトの選手から握手を拒否されたことが話題となったが、再び柔道でのイスラエル拒否の話題がニュースを賑わした。

<イスラエル国歌・国旗掲揚拒否:アラブ首長国連邦柔道大会>

10月23日から開催された、アラブ首長国連邦のアブダビで行われた柔道連合の国際大会に、イスラエルの選手12人が出場。タル・フリッカー選手(66kg)が、金メダルを、ギリ・コーヘン選手(52kg)など4人が銅メダルを獲得し、計5つのメダルを獲得する好成績を残した。

スポーツイベントではあったが、アラブ首長国連邦は、イスラエルとは国交がないため、イスラエルの国名は放送されず、国旗はじめ、いかなるシンボルも表記しないとの約束での参加であったという。

フリッカー選手が金メダルを獲得した時、イスラエルの国旗のかわりに、大会旗が掲げられ、国家ハティクバの代わりに大会歌が流された。この時、フリッカー選手が、口パクでハティクバを歌っているのが報じられ、話題となった。

フリッカー選手は、後にどう感じたか聞かれ、「国旗があろうがなかろうが、どちらでもうれしい。皆僕がイスラエル人であることは知っている。だれにもイスラエルは止められないということはあきらかだ。」と語った。

https://www.haaretz.com/israel-news/sports/1.819450

この後、アラブ首長国連邦の柔道協会が、上記のような状況であったことを、イスラエルの柔道協会に謝罪し、次回は、国名が出されるよう願っていると伝えたという。

なお、イスラエル選手らは、ビザの問題でアブダビへの入国が1日遅れたものの、選手としての取り扱いは、他国と同様に丁寧なものであったという。

https://www.timesofisrael.com/uae-apologizes-to-israel-for-judo-handshake-snub/

<イスラエルの観光大盛況>

イスラエルは、この土曜に、今年初めてとなる雨が降った。しかし日々、非常によい天気で気候は快適そのものである。そのためか、各地の観光地は超大混雑となっている。

10月半ば、南部死海地方、ヘロデ大王の要塞マサダ(世界遺産)では、ロープウェイでサイトに上がるだけで1時間まち。リフトの順番待ちをしている群衆の様子は、まるで東京の朝のラッシュ時の様相だった。

同じ死海地方のクムランでは、ちょうど昼頃、ランチに押しかけた観光客グループで超満員。レストランの入り口は、おしくらまんじゅうのカオス。レストランに入る順番待ちの列は、隣接する土産物売り場から入り口付近まで続いていた。しかしそこは欧米の観光客。いらいらせず、けっこう余裕で並んでいた。

結局、筆者のグループがランチにありついたのは、ゆうに2時をまわっていただろうか。レストランとはいえ、バイキングである。アラビア語を話すウエイターらが食後のお皿を何枚を重ねて、走り回って片付けている。当然、レストラン内部は非常にやかましく、床もごみがけっこうさんらん状態。お客様には申し訳ないランチであった。大型観光バスも止める場所がないほどで、経験30年のベテランバス運転手が、「こんなの初めて見た。」と言っていた。

ところで、この地域にはアハバ化粧品の工場があるが、西岸地区にあるということで、日本を含め多くの国でボイコットの対象にされている。しかし、観光客は、この大混雑のなかでも、大量にアハバを買っているようである。

この状態は、一般には危険とも思われる地域の観光地も同じである。友人のガイドがベツレヘムから送ってきた写真をみると、イエス誕生のスポットなる地下の小さい部屋に入るのにこちらも大おしくらまんじゅう状態。エルサレムでは、神殿の丘に入りたい観光客の列が、城壁の外にまで至るしまつであった。

イスラエルへの観光客はクリスチャンが多い。昨日はエルサレム・アッセンブリーでの礼拝に行ったが、観光客が大型バスで礼拝に来るので、教会まで大混雑。せまい廊下は、トイレ、食堂へと進むクリスチャンたちで大渋滞だった。筆者は、お茶ものまずに帰宅した。

どういうわけか、イスラエルは嫌われる国なのだが、実質的には、また最終的には、イスラエルは祝福される結果になるように思う。遠くから政治的にイスラエルを嫌う方が、ばかげていると思えるときがある。これはイスラエルに住んでいる筆者の個人的な感想だが。。。
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