アメリカに続く?:エルサレムへ大使館移転検討の国は10カ国以上か 2017.12.26

 2017-12-26
12月6日、トランプ大統領が、エルサレムはイスラエルの首都と宣言して以来、アメリカとイスラエルが非難の的となり、国連安保理(19日)、国連総会(21日)、双方で、アメリカはエルサレムに関する宣言を撤回すべきとの採択がなされた。

ところがその4日後の25日、南米のグアテマラが、アメリカに続いて大使館をエルサレムへ移動する準備を始めたと正式表明。

続いて、イスラエルのネタニヤフ首相が、CNNのインタビューの中で、イスラエルは同様に複数の国から、大使館の移転に関する打診を受けていると語ったが、夜になり、イスラエルのホットベリー外相が、大使館移転を検討している国が10カ国以上にのぼっていることを明らかにした。これまでの経過は以下のとおり。

http://www.jpost.com/Israel-News/More-than-10-countries-mulling-embassy-moves-to-Jerusalem-says-Hotovely-520019

<反米・反イスラエルの国連決議案採択>

12月19日、国連安全保障理事会(15カ国)は、エジプトの要請により、トランプ大統領のエルサレムはイスラエルの首都と発言したことについて、発言を撤回するべきと考えるかどうかの採択を行った。

結果、日本を含むアメリカ以外の14カ国全員が賛成票を投じた。アメリカが拒否権を発動することはわかっていたことなので、これは、安保理とその加盟国の意思をアメリカとイスラエルにつきつける意図で行われたようなものである。この安保理会議は日本が議長であった。

続いて、21日には、緊急の国連総会(193カ国)が開かれ、安保理と同様の採択を行った。結果は、128カ国(66.3%)が賛成。反対はアメリカを含む9カ国。棄権は、35であった。

パレスチナ自治政府は、この結果は、パレスチナの勝利だと表明した。しかし、イスラエルは、実際には、イスラエルの国際社会での立場は改善してきたとみている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5060274,00.html

賛成票が128カ国(66.3%)というのは、厳しい結果ではあるが、2012年11月の国連総会で、反イスラエル票を投じた国は、138カ国(71.5%)であった。実際には、国際社会でのイスラエルの立場は改善傾向にあるとの見方もある。

イスラエルは、こうした国連総会決議の時に、少しでも反イスラエルの票を減らすため、南アメリカや、アフリカ諸国などで、支援活動を展開してきた。その結果なのかどうか、イスラエルから支援を受けている南アメリカ諸国、アフリカ諸国は、今回、反対票を投じるか、棄権に回っていた。

ネタニヤフ首相は、今後、反イスラエル票を投じる国はどんどん減っていき、14年後までには、過半数を割るだろうとの見通しを語っている。国名は明らかにしなかったが、大使館の移動について、水面下でイスラエルにアプローチしている国がいくつかあるとネタニヤフ首相は語っている。(CNNインタビュー)

<グアテマラがエルサレムへの大使館移動を表明>

国連決議から4日目の25日、国連決議には反対票を投じていた9カ国の一つグアテマラが、アメリカに続いて、大使館をテルアビブからエルサレムに移転する準備を指示したと発表した。

グアテマラのモラレス大統領は、25日、フェイスブックへの投稿で、グアテマラは、イスラエルが誕生して以来、よい関係を続けてきたとし説明。「ネタニヤフ首相と話し、大使館をエルサレムへ移すことにして、準備を指示した」と発表した。

国連総会での採択に先立ち、トランプ大統領は、怒りを込めて、「(国際社会)はアメリカから何十億ドルもとりながら、アメリカに敵対する採択を行うという。どの国が賛成するかみようではないか。我々には節約になるだろう。」と、賛成する国への支援は差し止める可能性を示唆するかのような意思表示をした。

https://www.timesofisrael.com/trump-threatens-to-slash-aid-to-countries-backing-un-jerusalem-vote/

これが原因かどうかは不明だが、グアテマラは、アメリカからの多大な支援を受けている国の一つである。

<反イスラエル票を投じた直後:河野太郎外務大臣がイスラエル訪問>

国連での決議で賛成票を投じた日本。日本のメディアによると、日本が棄権しなかったのは、賛成票でも棄権票でもアメリカの心証を壊すことに変わりはないと判断し、賛成票を投じたのだという。

背景はどうあれ、日本は、国連総会で、エルサレムがイスラエルの首都であることは認めないという決議案に賛成票を投じ、イスラエルの心証を大きく傷つけたことになる。

にもかかわらず、国連総会のわずか3日後の25日から、全く何もなかったかのように、日本の河野外務大臣が、イスラエルを公式訪問し、ネタニヤフ首相、リブリン大統領と会談。ホロコースト記念館も訪問するなど、イスラエルとの友好関係をアピールした。国連総会後のイスラエルへの公式訪問は、日本が初めてである。

日本は、ここ数年、サイバー技術関連などで、イスラエルへの投資と協力関係の強化へのりだしている。河野外相によると、日本からイスラエルへの投資は、この3年で20倍になっているという。(以前が0に近かったということ)

近く日本からイスラエルへの直行便を実現したいとか、2019年には両国の国交65周年には、天皇がイスラエルを訪問するとかの話にもなっているようである。

単に無神経なのか、イスラエルにとってのエルサレムの重要性を十分理解していないのか、いわば、日本らしく、「立場上反対できなかった」と、苦しいフォローしているのか・・・。ネタニヤフ首相も、あえて、国連でのことは話題にあげず、両国の経済文化交流だけを話し合ったという。しかし、リブリン大統領は、「東京が日本の唯一の首都であるように、エルサレムは、我々の首都です。」と河野外相に伝えたという。

日本のメディアによると、河野外相は、改めて、エルサレムをイスラエルの首都とすることに同調できないと伝えるとみられていたが、イスラエルのメディアによると、その話はなかったようである。

河野外相はこの後、パレスチナ自治政府も訪問し、ヨルダン、オマーン、トルコを訪問する予定。

https://mainichi.jp/articles/20171226/k00/00m/010/116000c (毎日)
http://www.jpost.com/Israel-News/Japans-foreign-minister-visits-days-after-Tokyos-anti-Israel-UN-vote-520032(エルサレムポスト)

<トランプ大統領:国連への拠出2億8500万ドル削減へ>

アメリカは、国連が、多額の拠出金を受けているにもかかわらず、アメリカがエルサレムを首都と認めることについて、撤回すべきであるとアメリカに反対したことについて、激怒している。

国連総会での決議から、3日後の24日、アメリカのヘイリー国連代表は、国連決議との関連は述べなかったが、「国連の予算の使い方に問題がある。これ以上容認できない。」として、アメリカの国連への来年度(2018-2019)拠出金から2億8500万ドルを削減すると発表した。(国連予算のアメリカの拠出金が占める割合は22%(33億ドル))

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5061535,00.html

トランプ大統領は、世界最強の国の大統領としての上品さなどには、まったく興味のない、実利本位のビジネスマンである。「アメリカから金や支援をもらっているくせに、アメリカを孤立させるとはどういうことだ。もう金を出すいわれはない。」というわけである。

政治以外の世界では、いかにももっともな話かもしれないが、これで最終的に困るのは、戦争で医療も食料もなく死んでいくシリアやイエメンの難民であり、正しく管理されなくなる世界遺産である・・・と懸念されるとこころでもある。

<イスラエルはユネスコ脱退へ>

ネタニヤフ首相は、国連総会での決議の翌日金曜、ユネスコのイスラエル代表に、イスラエルはユネスコから離脱すると表明するよう指示した。これにより、2018年1月から、イスラエルもアメリカとともにユネスコを離脱する。

アメリカはすでに10月の時点で、イスラエルに対する不当な決議を続けているとして、ユネスコからの離脱を表明しており、2018年1月1日からこれが発動する事になっていた。イスラエルもこれに加わる形である。

http://www.jpost.com/Israel-News/In-gratitude-to-US-Israel-to-announce-UNESCO-exit-519860

<石のひとりごと:国連決議の意味>

エルサレムはイスラエルの首都かどうか。この質問は、現状だけでなく、歴史的、考古学的にも明らかであることはいうまでもないが、究極のところ、聖書が真実であると信じているかどうか。もっというなら、聖書の神が神であると信じているのかどうか、というのと同じ問いかけになる。

なぜなら、聖書には、神が明らかにエルサレムを選んで、そこにイスラエルの神の名を置き、そこにイスラエルの王ダビデを立てた、つまりは、イスラエルは神が定めたイスラエルの首都であると言っているからである。(第二歴代史6:6)

聖書を持たないイスラム諸国が、トランプ大統領の宣言に反対しても不思議はない。しかし、イギリス、フランス、ドイツなどは伝統的に聖書を信じるキリスト教の国である。それが、たとえ表向きだけであったとしても、国としてにエルサレムがイスラエルの首都とは認めないと、”公式”に意思表示したということは、よく考えれば非常に恐ろしいことである。

それにしても、国連はどうなってしまったのだろうか・・・日本の動きを見てもあきらかなように、諸国は今、自分の国の発展のために、実際には、イスラエルに近づいているのに、国連という場においては、ポリティカルコレクトの顔を維持するか、アラブの機嫌をそこねないために、反イスラエルの立場を優先する。それが、たとえ、明らかに事実に反しているとしてもである。

国連は、それぞれの国が自分の立場を守ることに集中する単なる外交の場になり、本来の世界の平和と繁栄を守るという目的を見失ったということである。

結果、世界で最も資金を供給してきた国アメリカを怒らせて、資金を削減されてしまい、聖書関連の世界遺産をおそらく最多管理しているイスラエルが、ユネスコから離脱する。国連は、もう正しく機能しなくなっていると言ってもよいだろう。

トランプ大統領がしていることを見るとき、はだかの王様を見ているのに、はだかではないふりをしている人々前で、「王様ははだかだ。」と言っているようにみえてならない。皆、実はそれに気づいているのだが、公に認めないだけである。本当のことより、国益や関係重視という、日本人なら、十分理解できそうな悪循環に陥っているようである。結果アメリカは孤立するのである。

聖書には次のように書かれている。いかにも現状を表しているである。

見よ。わたしはエルサレムを、その回りのすべての国々の民をよろめかす杯とする。ユダについてもそうなる。エルサレムの包囲されるときに。その日、わたしはエルサレムを、すべての国々の民にとって重い石とする。すべてそれをかつぐ者はひどく傷を受ける。地のすべての国々はそれに向かって集まってこよう。(ゼカリヤ書12:2-3)

アメリカはいわば、今イスラエルをかついだ状態のようになっているが、確かに傷を受けたようである。

この聖書箇所によると、この後、エルサレムをイスラエルの首都と認めず、アメリカの宣言に反対する国々がエルサレムを包囲し、攻めてくることになる。

その時多くの国々が戦いの中で、盲目となり、混乱に陥る。しかし、聖書の神、すなわち、イスラエルの神に依り頼むエルサレムは、元のところにそのまま残ると聖書は預言している。

今後は、いかにポリティカルに間違っているようにみえても、エルサレム、イスラエルの背後におられる神を、たとえ信じなかったとしても、あなどったり、否定することは、決して益にはならないだろう。
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反米・反イスラエルの波:その後 2017.12.14

 2017-12-14
<イスラエル国内・西岸地区>

1)エルサレム中央バスステーションでテロ


10日午後、エルサレムの中央バスステーション入り口で、パレスチナ人が、警備員の男性の胸部を刺すテロ事件が発生。犯人は、市民にとり押さえられ、警察に連行された。

被害にあった警備員はアシェル・エリメレクさん(46)病院に搬送されたが、重賞でまだ命の危険がある。犯人は、西岸地区ナブルス在住のヤシン・アブ・アル・クラ(24)。「アラーのためにやった。」と言っている。

西エルサレムの中心、しかも市民が日常最も出入りの激しい中央バスステーションでのテロであったため、市民らはショックを受けている。しかし、そこはイスラエル。現場は直ちに通常に戻っている。

https://www.timesofisrael.com/doctors-stabilize-security-guard-wounded-in-jerusalem-attack/

2)北部アラブ人地域ワジ・ワラではイスラエル人へのリンチ未遂

トランプ大統領のエルサレム首都宣言から4日目。今日は東エルサレム、西岸地区は若干落ち着いたが、国内で上記の事件が発生した他、北部アラブ人地区ワジ・ワラで、アラブ人系の若者らが、治安部隊に投石するなどの暴力的なデモが発生した。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/239105

警察が対処していたが、取材に来ていたイディオト・アハロノトの記者ジル・ネフュスタンさんが、ふいに警察が撤退したため、暴徒側に取り残された。記者は危険を察して逃げたが、暴徒はジルさんのバイクを破壊した。

3)西岸地区での衝突

西岸地区では、トランプ騒動から5日目になるが、まだ各地で投石するパレスチナ人とイスラエル軍との衝突が続いている。

パレスチナメディアによると、月曜から火曜にかけて、イスラエル軍による踏み込み捜査があり、西岸地区各地と東エルサレムで17人が連行されたもよう。(この数字はメディアによって格差あり)

http://www.maannews.com/Content.aspx?id=779613

◉ ハマスの息子の父ハッサン・ユーセフ逮捕

水曜深夜、イスラエル軍は、西岸地区でのハマスの最高指導者シーカー・ハッサン・ユーセフ(62)を自宅のあるラマラ郊外で逮捕した。この時の踏み込みでパレスチナ人32人を逮捕したとのこと。このうち少なくとも6人はハマス。

ハッサン・ユーセフは、ハマスの息子モサブ・ハッサン・ユーセフ(39)の父として知られる。モサブ氏は現在アメリカ在住。父の救いのために祈っていると思うが、まだその結果はでていないようである。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/239255

この他、西岸地区ナブルス近郊でイスラエル人の誘拐を計画していたハマス2人が諜報機関により、未然に摘発された。

エルサレム市内はいたって平和だが、その背後でこうした治安部隊の危険な任務が夜な夜な行われているということである。その中でも、兵士たちは高い軍の倫理も守らなければならない。西岸地区では2件の残念な事件が発生した。

一つは、ヘブロンでの作戦中、イスラエル軍司令官が、自分と部下2人のために、パレスチナ人のりんご3こを盗んでいる様子が、ビデオに撮影されたこと。この兵士は、任務から外され、処罰されることになった。

https://www.timesofisrael.com/soldier-dismissed-after-being-filmed-stealing-fruit-from-palestinian/

12日には、西岸地区入植地アリエル付近で、イスラエル兵を襲ったみられるパレスチナ人にイスラエル兵が発砲。重傷を負わせた。しかし、その後、武器を持っていなかったことがわかった。

パレスチナ人はイスラエルの病院で手当てを受けている。こちらも調査が進められている。

https://www.haaretz.com/israel-news/.premium-1.828584

パレスチナはこれからクリスマスシーズンで、ベツレヘムのホテルは、今のところ満員である。しかし、こうした状況を受け、ぼちぼち旅行者のキャンセルが出始めている。

また、イスラエル人ガイドが、西岸地区に入ることが全面禁止となった。友人がガイドを務めていたグループは、ガイドなしという危険な状況で、運転手のみでベツレヘム入りしたという。

イスラエル軍の防衛省コーディネーターのヨアブ・モルデカイ大佐は、パレスチナ人に対し、神殿の丘の状況には全く変わりはない(イスラム教徒は自由に出入り可能)と強調。「クリスマスを妨害して、観光客を失わないようにしたほうがよい。」と警告している。

https://www.timesofisrael.com/idf-warns-further-gaza-rockets-will-be-met-with-severe-response/

<ガザ地区>

1)ガザからイスラエルに続くトンネル発見・破壊

10日、ガザ北部カン・ユニスからイスラエルに続くトンネルが新たに発見され、イスラエル軍はこれをイスラエル領内で破壊した。

イスラエル軍によると、地下トンネル対策の新しいテクノロジーにより、掘り進んでくるトンネルを監視。イスラエル領内へ数メートル入ったところで、爆破せず、静かにトンネルを使用不能にしたとのこと。

10月にもガザからの地下トンネルを大規模に破壊したが、この時にはパレスチナ人12人が死亡した。今回は死者は出ていないもよう。前回はイスラム聖戦のトンネルであったが、イスラエルは、基本的に責任はハマスにあるというスタンスである。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/IDF-neutralizes-cross-border-Hamas-terror-tunnel-second-in-recent-weeks-517583

2)ガザからのミサイル攻撃・イスラエルの反撃

ガザ地区からは、トランプ大統領がエルサレム首都宣言を出してから、金曜、土曜とロケット弾がイスラエル南部へ10発飛来。空き地に落ちたり、迎撃ミサイルが撃墜したが、1発は、スデロット市内の幼稚園の入り口に着弾した。幸い夜で無人であったので、物的被害だけで、人的被害はなかった。

これに対し、イスラエル軍は、ミサイルが発射される都度、ハマス関連の基地や武器庫を空爆。ハマス指導者2人が死亡。子供を含む多数が負傷している。

https://www.timesofisrael.com/idf-warns-further-gaza-rockets-will-be-met-with-severe-response/

11日夜には、ガザ周辺を超えて、アシュケロン方面へミサイルが発射され、迎撃ミサイルが撃墜した。住民たちは、2014年以来となるサイレンに起こされた。エルサレムポストによると、住民は、「ミサイルは数年ごとに飛んでくるのでもう慣れた。今回はトランプ(のエルサレム宣言)以来だ。」と言う人もいるようである。

12日午後、ガザで、バイクに乗っていた2人が、突然の爆発で死亡した。ハマスはイスラエルのピンポイント攻撃だったと非難したが、イスラエルはこれを否定している。

このように、ガザ情勢が徐々に悪化しており、また戦争になる可能性も懸念されている。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/239214

*ガザ情勢でニューヨークの爆破テロ

11日ニューヨークで発生した爆弾テロの犯人は、ガザ地区でのイスラエル軍の攻撃に抗議するものだと、犯人のアカイド・ウラ(27)が自白した。ウラは、ISISの影響を受けていたようだが、直接のコンタクトはなかったとみられている。

この事件では、ウラが自爆テロを決行しようとしたが、失敗し、自分と3人が負傷した。

https://www.timesofisrael.com/new-york-bombing-suspect-was-reportedly-angry-at-israel-over-gaza/

<ペンス米副大統領のイスラエル訪問:17−19日>

大変な反米の渦の中だが、来週日曜からは、福音派キリスト教徒で、親イスラエルで知られるペンス・米副大統領がイスラエルを訪問する。

すでに、パレスチナ自治政府、エジプトへの訪問も断られるなど、反米の渦の中でのイスラエル訪問である。それでも日曜には、嘆きの壁を訪問する予定と発表された。相当な治安部隊が出動すると思われるが、要とりなしである。

http://www.jpost.com/Israel-News/Vice-President-Pence-to-visit-Western-Wall-on-Sunday-517888

<パレスチナ自治政府:ペンス副大統領との面会を拒否>

トランプ大統領が、エルサレムはイスラエルの首都と宣言してから1週間。次のステップとして、今月17日−19日、アメリカのペンス副大統領が、イスラエルを訪問し、18日にはベツレヘムでアッバス議長を面会する予定だった。

しかし、アバス議長はこれを拒否。エルサレムをイスラエルの首都と認めたアメリカは今後中東和平の仲介者ではありえないと表明した。ペンス副大統領は、「パレスチナ人は、また和平へのチャンスを失った。」と語っている。

http://www.jpost.com/Israel-News/Pence-an-architect-of-Jerusalem-recognition-plans-triumphant-visit-517803

中央バスステーションでパレスチナ人がイスラエル人に瀕死の重賞を負わせ、ガザでは、底知れない執念で、イスラエルへの地下テロ・トンネルを掘る。このようなことをしていても、パレスチナ側はこれをいっさい悪いこととは認めようとしない。

前にも書いたが、これはイスラエルの存在自体が悪いと言っているということである。これでは和平交渉がうまくいくはずがない。

このため、トランプ大統領は、まずイスラエルがおり、エルサレムを実質支配していることを認めて、そこから交渉していこうと提案したのだが、アッバス議長はこれを断った。今後は、アメリカ以外の国際社会との連携で、エルサレムはパレスチナ人のものとして独立をめざすということのようである。

<アラブ連盟:アメリカにエルサレム首都宣言撤回を要請>

アラブ同盟は9日、エルサレム問題について、エジプトのカイロで、外相級緊急サミットを行った。参加国は、サウジアラビアなど20カ国で、トランプ大統領に一方的な宣言を非難する声明を出した。

またこのサミットにて、エジプトで最大のキリスト教教会と、スンニ派イスラムの最高指導者は、ともに、20日にエジプトを訪問する予定のペンス米副大統領には面会しないと表明している。

https://www.timesofisrael.com/arab-foreign-ministers-blast-trump-over-jerusalem/

しかし、声明だけで、実質的なアクションは発表されなかった。10日、ヨルダンが、1ヶ月後ぐらいにまたアラブサミットを今度はアンマンで招集すると発表している。

*アラブ連盟

1945年に政治的な地域協力を目的として結成されたアラブ諸国の同盟。現在シリアを除く20カ国とパレスチナ自治政府が加盟している。サウジアラビアなど湾岸アラブ諸国。イラクは入っているが、イランは非加盟。

<バハレーンの超教派NGOイスラエル訪問>

このややこしい時期に、バハレーンが興味ふかい動きを見せている。土曜から「これがバハレーン」と称する24人のグループ(NGO)がイスラエルに5日間の滞在予定で訪問しているのである。

グループは、スンニ派、シーア派、クリスチャン、ヒンズー教、シーク教それぞれの指導者を含んでおり、バハレーンがオープンな国であることをアピールしている。ただし、政府関係者は政治家は1人も含まれていない。

エルサレムでは、今、イスラエルの首都であっても、すべての宗教にオープンであることを必死でアピールしているので、バハレーンからこのようなグループが来るのは、助かるというところかもしれない。一行は、エルサレムでハヌカの祝いにも参加したとのこと。

これを受けて、PLOハナン・アシュライ氏は、「次期的に最悪。はなはだしい無神経だ。」との怒りを表明している。しかし代表団は、これは前から計画されていたことであり、それを実行しただけだと反論している。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Bahraini-delegation-visits-Jerusalem-to-talk-about-peace-517664

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5056269,00.html

なお、来月には、イスラエルのビジネス団一行が、バハレーンを訪問することになっている。バハレーン側は受け入れを承認しているということだが、実現するかどうかはまだ不明。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Israeli-business-leaders-to-travel-to-Bahrain-in-next-normalization-step-517877

両者の違いの訪問を主催したのは、シモン・ビーゼンタール・センターで、政治的な意図はなく、両国の直接の対話の場を作ることが目的だと主張している。

*シモン・ビーセンタール・センターは、反ユダヤ主義を監視することで有名。寛容を促進するアメリカの組織。
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ヨーロッパ:反ユダヤ・反イスラエル主義再燃の懸念 2017.12.14

 2017-12-14
トランプ大統領のエルサレム宣言以降、現地エルサレムや西岸地区では、特に異常なほどの暴力には今の所なっていないようであるが、むしろ、アラブ諸国や、ヨーロッパで、反アメリカ、反イスラエル主義が急速に悪化しているようである。

<クリスタルナハトを思わせる恐怖>

土曜夜、スウェーデン第二の都市ゴテンベルグで、シナゴーグに火炎ビンが投げ入れられた。中にはユダヤ人たちがいたが、火はそのまま消えたため、負傷者なかった。タイム紙によると、これまでに、この事件に関わったとみられる3人が逮捕されている。

スェーデンでは、トランプ大統領のエルサレム宣言の後、第三の都市マルモでも大規模な反ユダヤ主義デモが行われたことから両都市のシナゴーグ周辺で、警備が強化されているという。

http://time.com/5057805/sweden-synagogue-attack-arrests/

これに先立つ7日、トランプ大統領の宣言の翌日、オランダの首都アムステルダムでは、ユダヤ人のコシェルのレストランに、パレスチナの旗を掲げるアラブ人の男がパレスチナの旗を持って単身、店のガラスを破壊して店に入り、中もむちゃくちゃにした。

警官が2人、外にいたが、見ていただけで、何もしていないのだが、これについては、警官らは、男が爆発物を持っている可能性があるとして、手をだせなかったと説明している。

しかし、警察官が、ユダヤ人の店の破壊に手をこまねいている様子は、やはりユダヤ人には、クリスタルナハトに通じるものを彷彿とさせる。ちなみに、アムステルダムは、アンネ・フランクが隠れていた家がある。

*クリスタルナハト

1938年11月9日夜、ヒトラー率いるナチ政権下のドイツで、住民たちが暴徒化し、ユダヤ人ビジネスのガラスを粉々に破壊し、シナゴーグには火を放って焼き討ちにした。これをクリスタルナハトと呼ぶ。この時、警察はただ暴徒を見ているだけで、ユダヤ人を助けなかった。シナゴーグの火災もだれも鎮火するものはなかった。

この時のポグロムでユダヤ人300が死亡。シナゴーグ1400件が破壊され、ユダヤ人3万人が強制収用所へ送られた。

ホロコーストの時代、オランダでは、ユダヤ系住民の75%が虐殺された。これはヨーロッパでは最大のユダヤ人死亡率である。

<EUの立場:エルサレムはイスラエルとパレスチナ双方の首都>

EUのモゲリニ外交担当は、7日、「唯一の解決は、国が2つになり、エルサレムは、イスラエル、パレスチナ双方の首都であるべきだ。」と語った。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5053694,00.html

続いて8日、フランス、イギリス、ドイツ、イタリア、スェーデンが、「エルサレムは、イスラエルとパレスチナ双方の首都であるべきである。それが実現するまでは、エルサレムにだれの主権も認めない。」とする共同声援を出した。

この後、チェコ共和国が、ロシアと同様、西エルサレムをイスラエルの首都に認めると発表したが、大使館の移動については、世界の動向に合わせるとの意向を示した。注目はされたが、認めるのが西エルサレムだけであるので、イスラエルにとっては、それほど有益ではないとの見方が優勢である。

https://www.timesofisrael.com/czech-republic-recognizes-pre-1967-jerusalem-as-capital-of-israel/

<ネタニヤフ首相ヨーロッパ訪問>

ネタニヤフ首相は、上記のようなヨーロッパの動向を少しでも和らげる目的で、11日から2日間、ヨーロッパを訪問した。

まずはフランスのパリで、マクロン大統領と会談。エルサレムがイスラエルの首都であるということは、過去、現在においても否定できない事実であると訴えた。

ブリュッセルでは、EU外交担当モゲリニ氏と会談。「エルサレムに来たことがある人ならだれでも。そこがイスラエルの首都であることは明らかだ。建国以来、国会も最高裁判所もエルサレムにある。」と説明した。

また、パレスチナ人が、エルサレムがイスラエルの首都であるという”事実”を早く受け入れるほど、早く平和へ進める。パレスチナ人がエルサレムは彼らの首都だと思うのは幻想だ。と主張した。

外相も兼任するネタニヤフ首相は、ハンガリーなど東欧諸国、アフリカ諸国、アジア諸国、南アメリカを幅広く巡回し、イスラエルのスタートアップ企業により、イスラエルがいかに貢献できるかをアピールしてきた。

実際、アフリカ諸国など多くの国々にとって、パレスチナ問題はほとんど問題になっておらず、イスラエルの技術力を喜んで受け入れているため、イスラエルがそれらの国々の発展に貢献できている。

同様にパレスチナがイスラエルを認めるなら、パレスチナ人の生活の向上にも貢献できると主張しているのである。

しかし、モゲリニ外交担当は、あくまでもエルサレムは、イスラエルとパレスチナ双方の首都であるべきだと強調した。

https://www.timesofisrael.com/in-netanyahus-eurotrip-fantasies-clash-with-reality/
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第72回国連事務総会 2017.9.19

 2017-09-19
毎年この時期には、ニューヨークの国連本部で、総会が行われ、各国首脳が演説を行う。今年も、北朝鮮問題、イラン核問題、シリア問題、ロヒンギャ問題、地球温暖化による異常気象など、ますます議題は満載である。

もっとも注目は、トランプ大統領で、19日の総会初日に初演説の予定。ネタニヤフ首相も19日。アッバス議長は水曜となっている。

<ネタニヤフ首相の論点はイラン>

弾道ミサイルに水爆の実験までしている北朝鮮に対して、国際社会は効果的な対処をとることができていない。これで危機感を募らせているのがイスラエルである。

2001年の同時多発テロのときに、ブッシュ元大統領は、イランと北朝鮮は悪の枢軸と呼んだ。まさにその通りで、北朝鮮が行っている核開発は、そのままイランのものになるだろう。2015年に、イランが国際社会と合意した核開発保留の期限が過ぎれば、イランもすぐに核保有国になるだろう。

また、シリアで、ISISが領地を失うに連れて、そこにヒズボラや、シリア政府勢力が入り込み、そこにイランの革命軍が入ってくることへの懸念も訴えるとみられる。

ネタニヤフ首相は、演説でこれらの点を強調し、国際社会に、2015年のイランとの合意を破棄するよう訴えるものと思われる。

しかし、実際には、イスラエルとは同盟関係にあるアメリカ、イスラエル寄りと言われるトランプ大統領ですら、いったん締結されたこの合意から抜けることは、国際法に照らしても、不可能とみられる。

そこで、イスラエルが狙うとすれば、できるだけ、イランに関するアメリカの危機感をあおって、イランへの査察を強化するよう、IAEAに圧力をかけてもらうこと。また、中東で唯一民主主義のイスラエルの軍備を増強してもらうなどが、実質的な目標地点になるとも言われている。

<ネタニヤフ首相とトランプ大統領会談(今年3回目)>

演説に先立ち、ネタニヤフ首相は、トランプ大統領と18日、直接会談を行った。ネタニヤフ首相は、上記、イランの核問題に関する合意をアメリカには放棄してほしいということ、また、中東、特にシリアにおいてイランが勢力を拡大しており、イスラエルの北部国境が緊張していることへの懸念を伝えた。

パレスチナ問題の解決については、トランプ大統領と同様に、アラブ諸国との和平と同時進行になるとみていると伝えた。トランプ大統領は、後日、アッバス議長とも会談予定である。

ネタニヤフ首相は、のちにトランプ大統領との会談では、両国の結束を確認でき、満足できるものだったとツィートしている。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/235694
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9:11より16年:現状とこれから 2017.9.12

 2017-09-13
今日は9月11日。2001年にニューヨークで同時多発テロが発生してから16年。イスラエルには、アメリカ以外の国では、唯一となる9:11のメモリアル(犠牲者と消防士など殉職者の名前が刻まれている)があり、今年もフリードマン米大使を招いての記念式典が行われた

<9:11以後の現状(エルサレムポストより)> http://www.jpost.com/Middle-East/5840-days-later-Reflections-on-911-504723

2003年、テロとの戦いを宣戦布告したアメリカは、また世界はどうなったのか。エルサレムポストがまとめたところによると以下の通り。

アメリカでは、大統領が3人交代。死亡した米軍兵士は6928人。負傷した兵士は100万人。かかった費用は、トリリオン・ドル(兆の次の京、ものすごい額という意味)。同時多発テロ関連で逮捕された者たちのうち、41人が、今も拷問で問題になったグアンタナモ刑務所にいる。

2003年にアメリカの侵攻を受けたイラクは、以来、18万人が死亡。イラクで混乱が続く中、隣のイランが強くなった。

2003年、同じくアメリカの侵攻を受けたアフガニスタンは、さらに混乱がすすみ、オバマ前大統領は米軍を撤退させようとしたが、トランプ大統領は、駐留の延長を決めた。

2006年、ハマスがガザ地区を掌握。2011年には、エジプトから、中央政府に反旗をひるがえす”アラブの春”が中東、北アフリカへ広がり、特にリビアでは、カダフィ政権が転覆して国はカオスとなり、北アフリカ諸国に混乱が広がった。アフリカではボコ・ハラムという凶悪なテロ組織が台頭した。

こうした中、2014年、シリアで内戦が始まり、ISIS(スンニ派)が生まれた。これは中東で強くなってきたイラン(シーア派)の影響もあるといわれている。これにより、サウジアラビアなどのスンニ派諸国と、イランなどシーア派との対立が明確になり、中東情勢は、明らかに前より不安定になった。

結果的に、2001年に”テロとの戦い”が始まって以来、逆にテロは激増し、73000件のテロで、17万人が死亡。テロの現場は、9:11以前は、コロンビア、ペルー、北アイルランド、スペイン、インドであったが、以後は、イラク、インド、アフガニスタン、パキスタン、タイ、フィリピン、イスラエルとなった。

またISISの台頭以来、ベルギーを筆頭(ベルギーだけで5000人)に、ISISに加わる若者がヨーロッパから多数生み出され、それらが、ヨーロッパの中でテロを起こすようになってきた。

テロ現場は、いよいよヨーロッパ諸国へと広がり、今や世界のどこででもテロは発生しうるという時代になった。アメリカのテロに対抗する特殊部隊は、2001年には4万3000人だったものが、現在は7万人にふくれあがっているという。

9:11以来、テロは増加・拡大したといえる。しかし、国際テロは9:11から急に始まったのではない。1993年にアメリカの貿易センタービルが爆破されるなど、イスラム過激派のテロは以前からすでに脅威になりはじめていたのである。

結局のところ、9:11は、単にテロが拡大していく前触れにしか過ぎなかったと、エルサレムポストは締めくくっている。
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民族浄化!?:ミャンマーのロヒンギャ難民問題 2017.9.12

 2017-09-13
仏教国ミャンマーで、少数派イスラムのロヒンギャ難民問題が再び悲惨なことになってきた。

ロヒンギャといえば、最近では、2015年、ミャンマーから迫害を逃れて海へでたものの、周辺諸国のどの国からも引き取り手がなく、海上をただ漂流しつづけたことがニュースになった人々である。

このロヒンジャが、今回は、陸路バングラディッシュへと逃れ始め、今やその数37万人になっているという。住む場所はおろか、食べ物もなく、引き取り手もなく、まったく行き場のない、悲惨きわまりないロヒンギャの人々の様子が報じられている。

今回の難民流出については、先月、ミャンマーのロヒンギャ居住地アラカン州で、ミャンマー軍と武装化した「アラカン・ロヒンギャ救世軍」との間で武装闘争になり、双方で100人以上の犠牲者が出たことが発端となった。

この衝突を機に、ロヒンギャの村が広範囲に襲われ、村が焼き払われたため、ロヒンギャの人々が避難を強いられたのである。

問題は、だれがロヒンギャたちの村を焼き払ったのかだが、ロヒンギャたちは、ミャンマー軍兵士だと主張するのに対し、ミャンマー政府は、ロヒンギャ自身も関係するイスラム過激派グループだと主張する。事実は不明のままだ。

バングラデッシュは、ミャンマーがこれらの人々を受け入れるべきだと主張しているが、とりあえずは、国境に難民キャンプを設置して、そこに置くことには同意しているようである。しかし、難民キャンプでは、なんの基準も、決まりもないまま、無法状態である。

国際社会からの支援が来ると、飢えた難民たちが一気に殺到し、大混乱の中、物資を奪い合っている様子が報じられている。その姿はあまりにも悲惨だ。さらに悲惨なのは、この人々には正式な国籍がないということである。このため、ここからどこへも行けないという事態になっている。

BBCによると、ロヒンギャたちの中に、両足を失ったような負傷者がいるという。彼らの逃亡経路に地雷が埋めてあり、それを踏んだ難民たちがひどい負傷を負っているのである。

国際社会は、ミャンマー政府が、ロヒンギャたちを抹殺し、民族浄化を図っているのではないかと指摘している。

http://www.bbc.com/news/av/world-asia-41233481/rohingyas-in-bangladesh-desperate-for-aid (BBCミャンマー関係ビデオ)

http://www.bbc.com/japanese/41235882(日本語)

<国籍のない流浪の民>

ロヒンギャの人々は、ミャンマーに住んでいはいるのだが、ミャンマー政府は、彼らをベンガル地方から違法にミャンマーに入ってきた不法移民だとみなす。1982年からは、正式に国民ではないとされた。このため、ミャンマーの国籍はない。

ミャンマー政府は、”ロヒンギャ”という名前すら受け入れず、「ベンガル人」という呼び名を貫いている。このため、難民の責任を追及されても、いっさいそれを認めないのである。

一方、バングラディッシュ側も、ロヒンギャはミャンマー人であると主張して譲ら無い。今難民となっている人々は、どこにも所属がなく、助ける義務を負う国がどこにもないという、世界から拒絶された人々なのである。

ところで、ミャンマーといえば、ノーベル平和賞を受賞したアウン=サン=スーチー氏がいるが、この問題に介入する様子はなく、批判が殺到している。平和賞を取り上げるべきだとの声もある。

しかし、ロヒンギャの問題は、かなり奥が深く、スーチー氏が介入しない(できない)理由もうかがえないわけではない・・という歴史がある。そこには、第二次世界対戦で、ミャンマー(当時はビルマ)を一時支配した日本も、一役かっているという事実もあった。

<日本も無関係ではないミャンマーの民族紛争>

パレスチナ問題も同様、20世紀には、イギリスがあちこちで今にいたる国際紛争を生み出したようである。ミャンマーは、当時インドを支配していたイギリスに併合された時代があり、この時に、仏教徒が主流のミャンマーの海沿い、ラカイン州地域に、ベンガル人が多数流入するようになったのである。その中にはイスラム教徒もおり、ロヒンギャの元になったと思われる。

実際、ロヒンギャの人々は、皮膚の色も黒く、顔の堀が深く、一般の仏教徒ミャンマー人とは、見た目も違う。どちらかといえば、インド人に近い。このためミャンマーとしては、ロヒンギャは、ミャンマー人ではなく、ベンガル人だと主張するのである。

第二次世界対戦中は、日本軍が来て、一時この地域を支配したが、この時、日本軍は、ミャンマーの仏教徒を武装させ、イギリス軍との戦いに協力させた。一方、イギリス軍は、このベンガル人らを武装させ、日本軍との戦いに協力させたのである。

しかし、やがてこの図式が、仏教徒とイスラム教徒の戦いへと発展し、今に至ったということである。

しかしながら、今いる一般のロヒンギャの人々、子供達にとっては、こうした歴史的な流れは無関係なのであり、ただ一人の人間として、きちんと国籍を与えられ、保護される権利があるというものである。泣き叫ぶロヒンギャの人々の様子に心が傷む。ただ祈るしかない。

<石のひとりごと>

世界はますます混乱を極めようとしている。戦争があり、暴虐があり、これまでにないひどい災害が発生している。かつて神はノアに仰せられた。「すべての肉なるものの終わりが、わたしの前に来ている。」確かに地球は聖書のいう終わりに向かっているようである。

それにしても・・いつもながら、日本から出て、エルサレムでテレビのニュースをひらけば、あまりにも悲惨な世界の様子にいつもながらうちのめされる。

私たち日本人は、外からの脅威におぼやかされた歴史がほとんどないという、世界有数、いやもしかしたら世界一恵まれた民族かもしれない。

世界には、非常に悪いものを受けている人々がいる。私自身はこれまで非常によきものばかりを与えられてきたのだと思う。主の前に感謝するとともに畏れも感じている。
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