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ロシア製S300対空ミサイルがシリアへ 2018.9.30

 2018-09-30
地中海に面するシリアの町ラタキアのシリア軍施設で、9月17日、イスラエル空軍機による攻撃が行われた際、これに反応したシリア軍の地対空ミサイルS200(ロシア製)で、ロシア軍輸送機が撃墜され、乗組員15人が死亡した件について。

イスラエルは、ノルギン空軍長官をモスクワへ派遣し、あらゆる調査結果を報告するとともに、イスラエル軍機は、ロシア軍機を盾にしたのではないと訴えた。しかし、ロシア軍はこれを完全無視する形で、イスラエルの攻撃通知はわずか1分前と遅く、輸送機は戦闘地域を避けられなかったとして、イスラエルに悪意があったとの見解を発表した。

続いて、ロシアは、ラタキアにS200よりさらに高度なS300地対空ミサイルの配備を開始したことを明らかにした。これにより、地中海側からシリアに向けたあらゆる攻撃を防ぐ効果があるとする。特定の第三国に備えるわけではないとしながらも、時期的にイスラエルを視野に入れていると考えるのが自然だろう。

S300が配備されると、上空からの攻撃は非常に困難になることから、イスラエルは、2013年以来、ロシアに、S300の配備を差し控えるよう働きかけ、ロシアもこれを受け入れてきたのであった。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5360417,00.html

イスラエルがシリアを攻撃するのは、イランからの武器がレバノンのヒズボラに搬送される状況が発生した時であり、こうした自衛目的の先制攻撃について、ロシアは黙認する約束になっている。しかし、今回のロシア軍輸送機の事故を受けて、風向きが若干変わったのかもしれない。

アルーツ7によると、S300の代金として、シリアが、ロシアに10億ドルを送金したとのこと。どこにそんな金があったのかと思わされる。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/252561

なお、シリアには、ロシア兵が操作するところのS300とS400がすでに配備されているらしく、これまで一度もイスラエル軍機に発砲したことはないという。

イスラエルは、昨年から、F35という最新鋭の戦闘機も導入しており、もし、今後S300を、(訓練が不足している)シリア兵が操作するのだとしたら、イスラエルはこれに十分対処できるとして、自衛の先制攻撃は今後も継続するとネタニヤフ首相は、強気の発言である。

https://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Is-Israels-military-honeymoon-with-Russia-in-Syria-over-568195
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ネタニヤフ首相の国連総会首脳演説 2018.9.30

 2018-09-30
国連総会で首脳演説が行われている。ネタニヤフ首相の縁説はイランに関することに時間の大部分を割いていた。スピーチは、論理的だったとして国内での評価は高いが、国連総会の様子をみると出席者が少なく空席が目立っていた。

1)イランの核問題:

イランの核開発に関して、イスラエルが5月に公表したテヘランの核関連アーカイブ保管庫に続いて、その近くにある極秘の核保管施設の写真を提示した。本気で核開発を放棄するなら、これらが残されているはずがないと指摘した。

また、ネタニヤフ首相は、テヘランの極秘核施設から15キロの放射性物質が、この8月に持ち出されたと報告。この件について、IAEAに報告して6週間になるが、なんの対策もなされていないと訴え、IAEAの天野局長にすぐに対処するよう訴えた。一方、イランに対し、イスラエルは、すべてお見通しであると釘をさした。

またイランに甘いヨーロッパについて、「歴史からなにも学んでいないのか」と強く批判した。

2)イランが支援するヒズボラの危険性

さらに、イランが支援するヒズボラについて、ベイルートの空港やサッカースタジアムなど、市民関連施設に、イスラエルを標的にする誘導ミサイル発射地があることを提示。これについても、イスラエルはすべてお見通しであると、ヒズボラに釘をさした。

3)イランのイスラム政権に立ち上がるイラン市民の勇気

ネタニヤフ首相は、トランプ大統領がイランとの核合意から離脱したことから、日本を含む各国のビジネスがイランから撤退し、すでにイランの経済が大打撃を受けていると指摘。これにより、勇気あるイラン市民たちが、現政権に反発していると報告した。

今後、11月にアメリカのさらなる経済制裁が発令されたのちにはさらにイラン経済が落ちると予測し、イラン情勢に注目していると述べた。イスラエルはトランプ大統領が、大胆にイランとの合意から離脱したことに感謝すると述べた。

4)イスラエルとアラブ諸国の接近

イランと世界の核合意(2015年)は、これまでになかったイスラエルとアラブ諸国との接近をもたらした。とくにエジプト、ヨルダンとの関係改善につながっていると報告した。

5)アメリカのUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機構)支援削減に感謝

これまで、国連では、イスラエルは批判されることが多かったが、トランプ大統領とヘイリー米国連代表の国連でのイスラエル支持に感謝すると述べた。

ネタニヤフ首相は、イスラエルは民主国家であることを強調。にもかかわらず、国連ではイスラエルが人種差別として避難されるのは、形を変えた反ユダヤ主義であると指摘した。

6)国家民族法に関して

イスラエルがユダヤ人の国と定義する法が批判されていることについて、他の国々を比べ、なんら差別的ではないことを指摘。

アッバス議長が、イスラエルを人種主義であると批判することに対し、パレスチナ自治政府は、ユダヤ人に土地を売るパレスチナ人を処刑すると定めていると指摘。ユダヤ人を殺害するテロリストに補償金を支払うアッバス議長こそ人種差別だと訴えた。

https://www.youtube.com/watch?v=B7ZPPaeMmmA

https://www.timesofisrael.com/netanyahu-was-to-reveal-third-site-in-speech-on-iran-but-intel-chiefs-said-no/

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ヨム・キプール:ユダヤ人の底力 2018.9.20

 2018-09-22
イスラエルでは、9月9日、角笛(ショーファー・らっぱ)を吹き鳴らして新年を迎えた。新年とはいえ、日本の新年とは趣がかなり異なる。

ユダヤ教では、この日、らっぱの響きとともに、神の前でいのちの書が開かれると考えられている。そこに名が記されているのは、義なる者たちだけで、そこに名があれば、来年も生きる。しかし、ほとんどの者は、そこに名がない可能性が高いと考えられている。
このいのちの書は、10日後のヨム・キプール(贖罪の日)まで開かれており、この間なら、そこに名が書き加えられる可能性があると考えられている。

http://www.aish.com/h/hh/yom-kippur/guide/ABCs-of-Yom-Kippur.html?s=mm

このため、ユダヤ人たちは、新年からの10日間、昨年中の自分自身を振り返り、神の前に悔い改め、赦しを請う。

この悔い改めの期間は、「スリホット」と呼ばれる。アシュケナジー(欧米系)は、ローシュ・ハシャナ以降だが、スファラディは、エルルの月がはじまってからひと月近くを、スリホットの期間と定めている。

この間、エルサレムのかつての神殿の至聖所に最も近いと言われる嘆きの壁とその広場は、毎夜、端から端まで人で埋め尽くされ、いっせいに悔い改めの祈りを捧げる。一斉に神に祈るその大合唱は、まさに終末の様相である。この祈りはヨム・キプールまで続けられる。

<スリホットが意味するもの>

ユダヤ教では、神の前に赦しを請う前に、自分が傷つけた人を思い出したなら、まずその人に謝罪し、人間どおしの関係が回復してからに限ると教えている。

これはまた、人に傷つけられ、不条理な目にあわされた人々にとっては、大きなチャレンジの時となる。しかし、自分を傷つけた人を赦すことを選び取り、うらみを捨て去って、新しく前を向くことを決意する。赦すことで解放され、自分自身がクリーンになり、神に近づけるとユダヤ教は教える。

http://www.aish.com/h/hh/video/Yom-Kippur-The-Three-Levels-of-Forgiveness.html?s=rab

また、昨年中の失敗を認め、二度と繰り返さないように、どう改善できるのかを考える時でもある。イスラエルでは、常に何かが変わり、改善しているが、それは、失敗はマイナスではなく、次に活かすためのものと考える習慣ができているのである。

<ヨム・キプール:贖いの完成>

こうして10日後に来るのがヨム・キプールで、この日、いのちの書が閉じられる。すなわち、悔い改めの終わった罪に対する贖いが実施されるのがこの日である。

イスラエルでは、普段は安息日にも店を開ける世俗派のファラフェル屋さんも、コシェルを守らないレストランも、この日だけは閉店。断食して神の前に出るべき日と考えている。普段は安息日にもニュースはあるが、この日はニュースも止まる。テレビも日没が開ける午後8時まで放送停止である。

国全体が、聖書が命じる通りに、実際にこのような日を設けている国は、イスラエル以外にはない。イスラエルはこのように、聖書の神に敬意を示し、その存在を世界に証している。

こうしてヨム・キプールが、日没で終わるやいなや、さっさと最高の喜び、仮庵の祭りの準備に入る。町の広場には次々にスッカがお目見えし、スーパーには、ルラブなどが売りにだされている。イスラエル人の切り替えのよさにはいまだに関心させられる。

今年の仮庵の祭りは、23日の日没から30日の日没までで、その後シムハット・トーラーと続くことになる。今年も様々なクリスチャンの国際カンファレンスが目白押しである。
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例祭中のテロ:元気印の男性(45)が犠牲に 2018.9.20

 2018-09-22
それにしても、ユダヤ人に課されたチャレンジはあまりにも大きい。ヨム・キプールの2日前の16日、エルサレムから南、ベツレヘムに向かって30分程度の入植地グッシュ・エチオンで、パレスチナ人によるテロが発生した。

犠牲になったのは、アリ・フルドさん(45)。グッシュ・エチオンのショッピングモールの外駐車場で、パレスチナ人のカリル・ジャバリン(16)に、背後から上半身を刺された。

アリさんは、振り向いてカリルともみ合い、逃げようとするカリルの足を撃った。続いて近くにいた市民もカリルを撃ち、走れないようにした。その後駆けつけた警備員らが、カリルを取り押さえた。アリさんが、負傷しながらもカリルの足を撃っていたことで、さらなる犠牲者を出すことがなかったとみられている。

病院に搬送されたアリさんは、病院に到着した時にはすでに心肺停止で、まもなく死亡が確認された。テロ犯のカリルは、病院に収容されたが、軽症と伝えられている。

<右派シオニストの旗印:アリ・フルドさん>

このテロで犠牲になったアリさんは、アメリカ生まれのユダヤ人で、移住後はイスラエル軍の戦闘部隊に所属。今は予備役兵だった。

右派で親イスラエル派シオニストであることを公にしており、インターネットを通して、トーラーを教え、イスラエルの近況を伝える、よく知られたコメンテイターだった。ガザ国境に駐留するイスラエル兵たちに差し入れをするなどの活動もしていた。恰幅の良い元気そのものの男性である。

アリさんは、グッシュ・エチオン近郊のエフラテに在住。妻のミリアムさんと子供たち4人が父親を失った。翌日行われた葬儀には、数千人が参列し、多くが悲しみの中、「彼はヒーローだった」とコメントしている。ネタニヤフ首相はじめ、数人の閣僚が遺族を慰問した。

https://www.timesofisrael.com/thousands-mourn-at-funeral-as-hero-ari-fuld-buried-after-terror-attack/

テロ犯のカリルはヘブロン近郊のパレスチナ地区ヤタに住む少年。防犯カメラによると、アリさんを刺すまでゆうに1分もかかっており、ためらった挙句の行為であったようである。

今回、事件のあったグッシュ・エチオンのショッピングセンターには、ベツレヘム、ヘブロンのパレスチナ人も買い物に来る場所で、テロ事件も頻発する場所。警備員の他、イスラエル兵も警備に立っている。

カリルが怪しかったため、スーパーマーケット前の警備員らは、中に入れなかったのだが、この時の荷物検査で、カリルの服のポケットに入っていたナイフを見落としていた。

ハマスは、カリルを「ヒーロー」と賞賛するコメントを出した。パレスチナ自治政府は、今後、カリルの家族に”手当”として、1400シェケル(約350ドル)を支給する予定だという。

https://www.timesofisrael.com/pa-daily-reports-israel-shot-arrested-child-over-claim-he-killed-ari-fuld/

<石のひとりごと>

テロのたびに思うが、アリさんはまさか自分がこの日、夜までに自分が亡き者になっているとは、まったく想像もしなかったであろう。遺族たちは、これから始まるヨム・キプールと、お父さんのいない楽しいはずの秋の例祭を、いったいどのようにすごすのだろう。

おそらくは、アリさんがもう二度と帰ってこないということもまだのみこめていないだろう。いつもながら、事件の2日後、もうアリさんのニュースはなくなっている。社会は何事もなく日々を追いかけているが、その中にいるはずのアリさんはもう、どこにもいない。二度と帰ってこない。あまりにも酷い現実だ。

一方、テロを起こしたカリルもわずか17歳である。パレスチナの大人から間違った教育をされ、純粋にそれを信じて、ユダヤ人を殺した。これもまた悲しすぎる現状である。
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トランプ政権のパレスチナ締め付け政策 2018.9.20

 2018-09-22
1)UNRWA(国連パレスチナ難民救済機関)支援金完全停止

トランプ大統領は、今年1月、UNRWAへの支援金6500万ドルの削減を断行したが、続いて8月31日、UNRWAへの支援金3億ドルを差し止めると発表した。これにより、アメリカのUNRWAへの支援金は完全に停止することとなった。

トランプ大統領は、UNRWAは、パレスチナ難民への支援を68年という長きにわたって延々と続けていると指摘。当初の難民の子孫まで難民と認めることで、自立を促すより、むしろ依存させていると主張する。

また、UNRWAへの支援金の一部がテロ組織に流用されていることからも、UNRWAは解散し、パレスチナ難民の支援は、他の難民と同様、国連難民支援機関に任せるべきであると主張している。これはイスラエルが訴え続けてきたことでもあった。

さらにトランプ大統領は、15日、テロ関連で子供を失ったイスラエル人とパレスチナ人双方の親たち協賛のプログラムへの支援を含む、西岸地区・ガザ地区への様々なプログラムへの支援金2億ドルをカットすると発表した。

これにより、子供達の教育や医療に関する支援もカットされることになる。ただし、これについては来年以降に実施される予定である。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5350946,00.html

これに先立ち、アメリカ政府は、2016年の時点で、パレスチナ自治政府が、テロリストへの手当支給をやめるまで、パレスチナへの支援金を差し止める法律を制定。テルアビブでのテロで殺害されたアメリカ人、テイラーフォースさんの名からテイラーフォース法と名付けた。

しかし、アメリカやイスラエルから見ればテロリストであっても、パレスチナ人にとっては、”英雄”である。彼らへの手当を止めることはできていない。上記テロ事件の犯人、カリルの家族にも今後、月1400シェケル(約390ドル)が支給される予定になっているという。

フリードマン駐イスラエル米大使は、「これまで、パレスチナ人に100億ドルも支援してきたが、アメリカ人の血税が、テロリストの手当や、イスラエルを憎むよう教える教育に使われてきた。残念に思う。」と語っている。

https://www.timesofisrael.com/pa-hasnt-yet-paid-family-of-terrorist-who-killed-fuld-but-theyll-be-eligible/

こうしたアメリカの圧力に対し、パレスチナ自治政府は、妥協するどころか、態度を硬化させている。

アメリカやイスラエルからみれば、テロリストだが、パレスチナ人からすれば、敵と戦った”英雄”である。手当を停止することはできない。また昨年、アメリカはエルサレムはイスラエルの首都と認め、今年5月には実際に米大使館をエルサレムへ移動させた。

これはパレスチナ自治政府の東エルサレムをパレスチナの首都とするという主張を、不可能にしたも同然である。

こうしたことから、パレスチナ自治政府は、イスラエルはいうまでもなく、アメリカとも直接の交渉を遮断。イスラエルの入植活動について、国際法廷に訴える手続きを進めているところである。

2)ワシントンのPLO事務所閉鎖

アメリカは、10日、パレスチナ自治政府が、イスラエルとの和平交渉だけでなく、アメリカとの交渉も遮断しているという理由から、ワシントンのPLO(パレスチナ解放機構・パレスチナ自治政府を運営するファタハを含む団体)事務所を閉鎖した。

アメリカは昨年11月に、もしイスラエルとの直接交渉に入ることを拒否するならワシントンのPLO事務所を閉鎖すると予告していたという。

これは、パレスチナ自治政府が、イスラエルとの直接の交渉を拒否すると同時に、国際法廷にイスラエルを訴える準備を進めているからである。アメリカは、これを和平を妨害するものとみている。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5347205,00.html

<影響を受けるのはガザ地区:拡大するデモ>

UNRWAの支援を受けることのできるパレスチナ人は、様々な地域を総合して500万人とされ、実際に支援を受けているのはこのうち300万人だという。

しかしガザ地区では、人口の80%が、UNRWAの支援対象者になっていることから、UNRWAで働くパレスチナ人も1万3000人に上っている。

アメリカの支援金が停止した後、ヨーロッパやアラブ諸国がカバーしようとしたが追いつかず、UNRWAは、ガザと西岸地区で働く250人を解雇し、500人をパートタイムに格下げすると発表した。

これを受けて、18日、ガザではUNRWA事務所付近で、5000人によるデモが発生した。

https://www.timesofisrael.com/thousands-protest-un-job-cuts-in-gaza-as-border-violence-escalates/

19日(イスラエルではヨム・キプール)には、国境で、数百人が、イスラエル軍に火炎瓶を投げるなどして、衝突し、そのどさくさに紛れて、約10人ほどのパレスチナ人グループが2つ、計20人ほどが、イスラエル領内に武器を持って侵入した。

20人は、イスラエル領内で、落書きするなどしたが、最終的にはガザへ戻ったとのこと。アル・ジャジーラによると、この日のデモでパレスチナ人2人が死亡した。

http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/252185

<ハマス、イスラエル、パレスチナ自治政府>

ガザでは、3月から続く金曜ごと、イスラエルとの国境での暴力的なデモが今もなお続いており、イスラエルの銃弾に倒れたパレスチナ人は173人(アル・ジャジーラ)にのぼる。一方、イスラエル兵の中からも死者が出ている。

こうしたことから、イスラエルは国境の閉鎖をさらに強固にせざるをえなくなり、ガザへの物資の搬入や貿易も削減されている。

これに加えて、パレスチナ自治政府が、ハマスにガザの支配権を自治政府に戻すよう、様々なガザへの送金を停止して、圧力をかけているため、ガザ市民の生活は、かなり前からもはや人間が生きられる状態にない上に、さらに締め上げが来ているといえる。

ハマスは、アメリカの経済しめつけの影響で、ガザでのデモが拡大することが、イスラエルへの圧力になり、現在、エジプトが仲介して進められている間接的なイスラエルとの停戦交渉に有利になるのではないかと考えている。

しかし、イスラエルが包囲網をそうかんたんに解放するはずもなく、パレスチナ自治政府も、ガザの支配権を奪回してパレスチナ人の統一を図ろうとして、この交渉を妨害する動きに出ているという。

ハマスとイスラエルの間接交渉は、もはや決裂との見方が優勢である。

<今後どうなるのか>

イスラエルもハマスも、基本的に戦争はしたくないと考えている。このため、何かのきっかけで、戦争が勃発する可能性は常にあるが、今のままの状況が今後も続いていく可能性が高い。

しかし、ガザ地区では、牢獄のような生活で、仕事もなく、若者が将来に夢をみることがまったくできない状況にある。そこへ食べ物や教育など基本的ニーズを補っていた国連の支援まで切られるとなると、ガザ内部のイスラエルやアメリカへの憎しみはさらに高まっていくだろう。

悪化する市民生活とは反比例的に、ガザのハマスは、イランの支援を受けて多数のミサイルを保有するようになっており、イスラエルを攻撃する準備があると豪語している。最も危険なことは、ハマスに失うものが何一つなくなったときである。追い詰められた市民の民意だとして、イスラエルを攻撃してくる可能性がある。

イスラエルは、ガザ市民の生活改善が鍵になるとみて、国境を開けたり閉じたりして、アメとムチを交互に使うと共に、様々な支援策を模索しているが、どれもまだ着手できない状況である。非常に微妙な状況といえる。

https://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Lebanese-Hamas-representative-We-dont-want-another-war-with-Israel-567270
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シリア:ロシア空軍機撃墜で乗組員15人死亡 2018.9.20

 2018-09-22
イスラエルは、防衛のため、シリアで、イランからの武器がヒズボラに移送されそうになった場合、先手をうって、これを攻撃する作戦を続けている。その回数は、これまでに200以上とも言われる。

17日、イスラエル空軍は、地中海に面するシリアの町ラタキア北部のシリア軍施設を攻撃した。そこからレバノンのヒズボラに武器が移送されるとの情報があったからである。

イスラエル空軍機は、地中海側からこの施設を攻撃したが、同じ時刻に内陸からこの地域に飛来したロシア空軍機が、イスラエルの戦闘機を狙っていたシリアの地対空ミサイルに当たって墜落。乗組員15人が死亡した。皮肉にもこの地対空ミサイルはロシア製S200であった。

この直後、ロシア軍は、イスラエルがこうした攻撃の際にはロシアに通告することになっているが、それが遅すぎたと非難。さらに、イスラエル戦闘機が、ちょうどロシア軍機が近くにいる時にミサイルを発射し、ロシア軍機を地対空ミサイルのカバーに使ったと、イスラエルに責任があると非難した。

シリアのアサド大統領は、プーチン大統領に哀悼の手紙を出し、「傲慢なイスラエルの悪行のせいだ」と言い訳している。シリアのメディアによると、シリア政府は現在、ロシア機を撃墜した地対空ミサイルの担当官らを逮捕し、調査しているという。

https://www.timesofisrael.com/iaf-chief-heads-to-moscow-to-present-findings-on-downing-of-russian-plane/

イスラエルは、軍事施設への攻撃は認めたが、ロシア機をカバーに使ったことは否定。これは、悲惨な事故であったと主張している。イスラエルは20日、イスラエル空軍のアミカム・ノルキン長官をモスクワに派遣し、独自の調査結果と作戦の詳細についてを報告している。

ロシア軍機墜落の直後、ネタニヤフ首相は、プーチン大統領に電話し、遺憾を伝えるとともに、イスラエルには何の計算もなく、事故であったと伝えている。

<プーチン大統領:これは悲惨な事故>

ロシア軍がイスラエルを非難する発表を行ってまもなく、プーチン大統領は、「イスラエル機が撃墜したのではないのだから、これは悲惨な事故であったとみられる。」との見解を発表した。プーチン大統領は、詳細な調査を行うと言っている。

ロシアにとっても、今はイスラエルと親密な関係を継続する方が有益なのである。

https://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/252169

<イスラエルの攻撃は失敗だった:ナスララ・ヒズボラ党首>

ヒズボラのナスララ党首が18日、テレビ演説で、「イスラエルの(ラタキアでの)攻撃は失敗だった。非常に命中率の高い精密なミサイルはすでに、我々の手に搬入された後だった。」とコメントした。

これを受けて、ネタニヤフ首相は、「イスラエルを攻撃するなら、いまだかつてない想像をこえる規模で、反撃する。ヒズボラはイスラエルを攻撃しない方がよい。」と釘をさすコメントを出した。

また、ラタキアを攻撃したのは、イランがイスラエルを攻撃しようとする準備が進んでいたからだとし、イスラエルには自衛の権利があると述べた。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5354754,00.html

<イスラエルの懸念はイランの回廊>

シリアの内戦は、ロシア軍の介入でアサド政権が国土を奪回する方向で終焉に向かいはじめている。これは、反政府勢力支配域にアサド政権のせい協力が戻ることを意味する。その地域に、これまでになくイランやヒズボラの存在が目立ち始めていることはすでにお伝えしている通りである。

今回、イスラエルが攻撃したラタキア地域は、地中海に面しており、イランからイラク北部のシーア派地域、シリアを通って地中海に抜ける”イランの回廊”の一部分であった。

アサド政権がシリア領土を奪回することによって、今や、この回廊が地続きとなり、イランが、地中海にまで進出することが可能になった。これは、イスラル史上、最も危険な状況だという。

これを抑えているのが、ロシアなのだが、言い換えれば、このロシアの動き次第では、一気にロシア、イラン、そしてトルコも加わって、イスラエルに攻め込むことも可能になるということである。このため、イスラエルは、ロシアの機嫌とりに忙しいのである。

現時点ではまだ、ロシアはイスラエルとの戦争は望んでいないらしく、むしろイランの進出を抑え込む政策を続けているようである。

https://www.bbc.com/news/world-middle-east-38891358
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