ネタニヤフ首相:西岸地区にあらたに3000軒を認可 2017.2.3

 2017-02-03
トランプ政権発足以来、すでに西岸地区のユダヤ人家屋3000軒を認可したイスラエル政府だが、アモナの撤去が始まった昨日の午後、あらたに3000軒を認可すると発表した。

これらは西岸地区に既存する14の認可ずみ入植地の敷地内での新しい物件である。エルサレムポストによると、3000軒のうち2000軒はすでに販売できる状態で、残り1000軒は、様々な段階にある建築物だという。

トランプ政権になってからすでに6000軒が認可されたことになり、これまでとは比べものにならないスピートである。前オバマ政権でかかっていたブレーキが外れて、本来あるべき姿に戻ったということである。

リーバーマン防衛相は、「西岸地区が通常にもどった。」と語っている。

<新しい入植地建設への委員会設立>

ネタニヤフ首相はまた、入植地を拡大するための委員会を設立すると発表した。今までのところ、認可が続いている物件はすべて既存の入植地内の話である。

この委員会は、入植地を拡大、またはあらたに設立することが目標になる。エルサレムポストによると、こうした動きは、1991年以来だという。

http://www.jpost.com/Israel-News/Politics-And-Diplomacy/Netanyahu-announces-creation-of-new-settlement-480296

<トランプ政権は無言>

トランプ政権は、今回もまったくおとがめなし状態。いわば、”It’s not our business. "である。イスラエルのことなのだから、イスラエルが決めたら良いというのが基本姿勢である。(ネタニヤフ首相とトランプ大統領の最初の会談は2月15日予定)

国連も、この1月1日から国連事務総長に就任したアントニオ・グテーレス氏*が、「二国家二民族解決のため、一方的な行動には”懸念”を表明する。」と語るにとどまっている。

フランスは、「12月に可決された安保理決議2334に反する。」として強く批判すると表明したが、それ以上はなすすべなし、といったところである。

*第9代グテーレス国連事務総長

前のバン・キ・ムン事務総長が任期を終え、2017年1月1日からは、新しくポルトガル出身のアントニオ・グテーシス氏が第9代国連事務総長に就任している。

グテーシス氏は、ポルトガルの社会党書記長の後、約7年、首相にもなっている。2005年からは、第10代国連難民高等弁務官だった。トランプ大統領のシリア難民等の入局拒否については、避難する立場である。

グテーシス事務総長は、国連で、神殿の丘とユダヤ人の関係を無視する動きがあることについて、「ローマ帝国は明らかにエルサレムの神殿を破壊し、ユダヤ人を追放した。(神殿の丘とユダヤ人には深い関係があるということ)」との認識を語り、

「反ユダヤ主義とは戦う」姿勢を明らかにしている。

http://www.timesofisrael.com/palestinians-protest-un-chief-for-affirming-jewish-link-to-temple-mount/

<石のひとりごと>

入植地の建築現場で働いているのは、多くが近隣に住むパレスチナ人である。入植地の建設が増えると、パレスチナ人の仕事も増える。なんとも皮肉な話・・・
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トランプ政権の最重要人事 2017.2.3

 2017-02-03
トランプ政権の重要な2ポストの人事が明らかになった。

1)連邦最高裁判官推薦:ニール・ゴーサッチ氏(49)

トランプ大統領は1日、ニール・ゴーサッチ氏(49)を連邦最高裁判官に推薦したと発表した。

連邦裁判官は一年前から欠員になっており、トランプ大統領がだれを推薦するのかが注目されていたが、公約通りゴーサッチ氏を推薦したものである。上院が合意すれば、ゴーサッチ氏がこのポストにつくことになる。

ゴーサッチ氏は、プロテスタントで保守派。中絶や同性愛結婚、安楽死などに反対する立場で知られる。連邦最高裁判官は、終身就任となっている。

http://www.bbc.com/news/world-us-canada-38818482

2)国務長官就任:レックス・ティラーソン氏(64)

1日夜、ティラーソン氏が、アメリカの国務長官に就任した。ケリー前国務長官の後を引き継ぐ。これから外交の舞台でティラーソン氏を日々みかけることになる。

ティラーソン氏は、大手石油会社エクソンモービルのCEOという経歴を持つベテランのビジネスマンである。ロシアとの関係が強いため、懸念も持たれているが、逆に期待されている部分でもある。

<石のひとりごと>

トランプ大統領は、就任以来、大胆に次々に大統領令をとばして世界を騒がせている。発言もツイッターもその言葉遣いは、テレビのトークショーばりで、いかにも品がない。

今日は、オーストラリアとオバマ前大統領が交わした公約を、”Dump Deal”と呼んで、最悪だとニュースになっていた。

これは日本語で言うなら、「くそ約束」である。もし安倍首相が、「くそ約束」などと言えば、お上品な日本では即刻、クビではなかろうか。

品がないにもほどがあるが、それでもアメリカ人の友人たちに聞くと、「確かに口は悪いが、よく考えれば筋は通っている。メディアが悪いイメージにしているだけだ。」とか、「トランプ大統領は変化をもたらすだろう。その変化は、少なくともオバマやヒラリーではもたらしえないものだと思う。」という返答が来る。

特に福音派アメリカ人にとっては副大統領は、ボーン・アゲインクリスチャンで、連邦最高裁判官も中絶にも反対の保守派、しかも親イスラエル、となると、オバマ大統領時代にくずされたアメリカの本来の倫理観が回復するのではないかとの期待もあるようだ。

しかしながら、黙示録17:16−19のようなこともあるので、まだまだ懐疑的な思いはとり去れないところである。

ところで、トランプ氏は70歳ながら、身長190センチ、体重100キロ以上あるという。奥様のメラニアさんも180センチだとか。大きな態度や言葉遣いで、世界をふりまわす姿をみていると、ドラえもんの「ジャイアン」みたいではないかと思わされている。
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トランプ新大統領10日目:火花が中東へ 2017.1.30

 2017-01-30
トランプ大統領が就任して10日になる。以来、メキシコの壁、TPP離脱など世界中がトランプ新大統領の一挙一動に振り回されている。

特に今は、中東・アフリカ7国からの、イスラム系移民者を締め出す政策を打ち出し、アメリカのみならず、世界中に混乱が広がり始めた。特にアメリカには多数のイラン人が住んでいるため、アメリカとイランの関係に大きなひびが入り始めている。

加えてトランプ大統領は、ISISを30日以内に撲滅すると宣言。イスラム過激派を撃滅するとして、すでにイエメンでのアルカイダ系武装組織の攻撃に乗り出し、市民を含む死者は57人に上っているという。

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-38787239

こうした中、イスラエルは、親イスラエルと目されるトランプ大統領の就任とともに、西岸地区入植地でユダヤ人家屋の建設を促進し、エルサレム、西岸地区の合併に近づく動きを見せて、イスラム社会からの反発を買うようになっている。

今後、イスラエルは、”強い”トランプ政権に守られるのか、逆にアメリカとともにこれまで以上に憎まれる存在になるのか・・・。

かなり早いペースでトランプ大統領が動いているので、配信が間に合っていない状況だが、まずは、イスラエルに関係するニュースから、全体像をまとめてみる。

<イスラエル入植地関連>

1)東エルサレム・西岸地区入植地での建設拡大へ

トランプ大統領が就任後、イスラエルで真っ先に動いたのは、西岸地区入植地の合法化案(Regulation Bill)を国会ですすめている右派ユダヤの家党のベネット党首だった。

ベネット党首は、エルサレム郊外にあり、1967年ラインよりパレスチナ側にあるユダヤ人入植地マアレイ・アドミムのエルサレム市への合併、続いて西岸地区のC地区(ユダヤ人入植地)をイスラエル領として合併する案を早急に進めると主張した。

この法案は、将来的にイスラエルが、東エルサレムと西岸地区を合併してしまう可能性を含んでおり、二国家二民族(国を2つに分ける案)を事実上、不可能にしてしまうとして、問題視されている案である。

ネタニヤフ首相は正式には、二国家二民族を支持する立場をとっているため、治安閣議(ベネット党首含む)は、この法案に関する審議は、トランプ大統領との直接会談が終わるまでは延期するとの決断を出した。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Bennett-We-will-annex-Maaleh-Adumim-first-and-then-the-rest-of-Area-C-477236

この後の22日、トランプ大統領とネタニヤフ首相は、電話会談(30分以内)を行った。トランプ大統領は、2月中にもネタニヤフ首相を、ワシントンへ招くとのことだが、日程はまだ未定。両者は、軍事諜報を含む関係を強化することで一致したと伝えられている。

http://www.jpost.com/Israel-News/Benjamin-Netanyahu/Netanyahu-Trump-have-first-phone-call-479287

この直後からイスラエル政府は、東エルサレムにユダヤ人家屋566軒、続いいて西岸地区に2500軒の建築承認を次々に発表した。

詳細は、東エルサレムのギブアット・ゼエブに652軒、マアレイ・アドミムに102軒、ハル・ギロに4軒。西岸地区最大の入植地ですでに「市」となっているアリエルに899軒。その他、西岸地区の入植地6つ、となっている。

また、エルサレムとベツレヘムの中間にあり、テロが頻発するエチオン・ブロックと呼ばれる入植地についても、ネタニヤフ首相とリーバーマン防衛相が合意して、エフラタに21軒、ベイタル・イリットに87軒、承認が出された。

さらには、ラマラ近郊にあるベテルにも20軒の承認が出された。

これらは、オバマ政権時代に建設にブレーキがかけられていた地域で、いわばそれが解禁になったような形である。ただし、これらはほとんどが既存の入植地内部での建築許可であり、入植地を拡大したというわけではない。

http://www.timesofisrael.com/after-pm-talks-to-trump-israel-okays-2500-new-settlement-homes/

2)大エルサレム構想!?

トランプ大統領就任後、交通相と情報相を兼ねるイスラエル・カッツ氏は、”イスラエル主導案”として、アメリカに打ち出していく案を治安閣議に提出した。親イスラエルと目される大統領の誕生で、チャンスを最大限利用しようというものである。

内容は、エルサレム市拡大、新西壁鉄道駅、ヨルダンに続く鉄道、ガザ沖人口島建設などとなっている。

①エルサレム市メトロポリタン化案

エルサレム近郊で、1967年ラインによるとパレスチナ側になる入植地(マアレイ・アドミム、ギブアット・ゼエブ、グッシュ・エチオンなど)が、現在、中途半端な位置に置かれているとして、これらをエルサレム市に含めて、正式にイスラエルの法律を適応し、エルサレム市のサービスが届くようにするという計画である。

これらの地域は、ロンドンやパリも有しているような郊外区としてある程度の自治をもちながら、エルサレム市の一部とみなされる形である。現在、東エルサレムのアラブ人地区がすでにその形をとっている。

これにより、エルサレム市は実質拡大することになり、今は30%以上がアラブ人というエルサレムの人口比が変わり、エルサレムがユダヤ人の町という色彩が強くなる。

②西壁鉄道駅案

イスラエルは現在、テルアビブとエルサレムをつなぐ高速鉄道を建設中だが、その経路をエルサレム旧市街まで引き延ばして、西壁駅を作る案。旧市街自体が、1967年ラインよりパレスチナ側にあることから、問題になりうる。

http://www.timesofisrael.com/israel-advances-western-wall-train-plan/

③ヨルダンと鉄道で直結案

地中海のハイファ港と、内陸ヨルダンをつなぐ鉄道を建設し、貿易を促進する。

④ガザ沖人口島建設案

ガザ沖に人口島を建設し、淡水化工場、発電所を建設する他、ガザと世界を結ぶ接点とする。これにより、イスラエルの治安が守りやすくなる。

以上は単に案で、実施されるかどうかは不明だが、親イスラエルと目されるトランプ大統領がいるうちに、一気に、地域の主導権をかためてしまおうというイスラエルの思惑がうかがえる。

3)国連安保理は沈黙

上記のように、”調子に乗っている”ようなイスラエルの動きに対し、パレスチナ自治政府は、トランプ政権に対処を期待するとの声明を出したが、トランプ政権は当然、無反応だった。*トランプ氏自身親入植地派と目されている。

トランプ大統領就任後で、新しい米国連大使ニキ・ハーレイ氏が就任後に開かれた国連安保理では、先月、厳しい反イスラエル入植地決議を出したばかりであるのに、今回は、何の対応も打ち出さないまま、閉会となった。

パレスチナの国連代表リヤド・マンソール氏は、「イスラエルの動きは、国連安保理の決議2334をまったく無視したものであり、それを止めるのが安保理の責任だ。」と主張した。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4913116,00.html

パレスチナ自治政府のアッバス議長は来月2月7日、パリのオーランド大統領を訪問し、今月15日に、フランス主導で、70カ国以上が集まって安保理決議2334に合意確認したことについて、話し合うことになっている。

http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Abbas-Hollande-to-meet-to-continue-work-of-Paris-peace-conference-479714

<エルサレムへの米大使館移動関連>

トランプ大統領は、就任後すぐにでも米大使館をエルサレムへ移動することを公約にあげていた。しかしながら、これについてトランプ大統領は就任後、「それについて語るのは、今は時期早尚だ。」と言い、公約とは違い、すぐには実現しそうにない流れとなっている。

http://www.jpost.com/American-Politics/Trump-Too-early-to-discuss-moving-US-embassy-to-Jerusalem-479764

米大使館ついては、西側指導者らも、「実施すると爆弾を踏むことになる。」と警告を発している。

パレスチナ自治政府のアッバス議長は、もしアメリカが大使館を移動するなら「イスラエルを認める」とする基本合意を撤回すると言っている。つまり、オスロ合意の破棄であり、戦争への一歩になるということである。ヨルダンのアブダラ国王も、「赤線を超えることになる。」と言っている。

<パレスチナ人テロ頻発>

トランプ大統領就任に関係があるかどうかは不明だが、ここしばらく、ガザ地区からの銃撃や、西岸地区内では、走行車両への銃撃や車で突っ込むといったテロが頻発している。幸い、市民に死者や負傷者はない。

イスラエル軍は、情報が入るたびに西岸地区で、テログループの摘発を行っている。先週木曜には、西岸地区ジェニンの難民キャンプで、ハマス関係者8人が逮捕され、ここで武器製造機器が押収された。この時イスラエル軍兵士1人が負傷した。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4913178,00.html

土曜夜には、その同じジェニンへ、テロリストの摘発に突入したイスラエル軍に対し、パレスチナ人らが、爆発物を投げつけて抵抗した。イスラエル軍の反撃で、パレスチナ人1人(19)が死亡した。死亡したパレスチナ人は上記逮捕者8人と親戚関係にあったという。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4914285,00.html

しかしながら、一般のパレスチナ人たちがそこまでの戦闘意識を持っているかどうかは不明というのが、イスラエル軍に調べからする見方でもある。

ガザでは電力不足で反ハマス・デモが発生した。(前回オリーブ山便り参照)普通の市民たちは、とにもかくにも日々の生活が安定していれば、それが最善なのかもしれない。

http://www.timesofisrael.com/trump-too-early-to-talk-of-moving-embassy-to-jerusalem/

*バス横転事故でユダヤ人を助けたパレスチナ人家族

パレスチナ人といえば、テロのイメージがあるが、全員がテロリストではない。

イスラエルでは、先週木曜夜、西岸地区の入植地近郊で、ユダヤ人のバス会社エゲッド(公共交通機関)のバスが谷間へ落下横転し、2人が死亡、多数が負傷という大事故が発生した。

この時、事故を最初に発見し、警察に通報したのはパレスチナ人家族だった。最初に現場に到着した救助隊によると、このパレスチナ人家族は、大雨で寒い中、パジャマのまま、事故現場にかけつけ、犠牲者の救出をしていたという。

パレスチナ人でもユダヤ人の命を助けるために必死になれる人もいるということを忘れてはならない。

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4913959,00.html
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トランプ政権とイスラム社会の対立 2017.1.30

 2017-01-30
日本でも報じられているところだが、トランプ大統領は、アメリカに敵対する意思がみられるとする中東、アフリカのイスラム教徒の国7カ国イラク、イラン、シリア、リビア、ソマリア、スーダン、イエメンからの入国をむこう90日間停止すると発表した。

難民の場合は120日間停止する。シリア難民については、基本的に受け入れを停止するという厳しい内容だ。

この方針は、議会での審議を通さない大統領として発令されたものであり、ただちに実行に移されることとなった。

これにより、アメリカの永住権や正式なビザを持っているにもかかわらず、アメリカに戻れない人が続出している。中には仕事で出国していたり、ちょっとした里帰りで上記の国々に行っていて帰れなくなった人もあり、家族が離れ離れになる人も出ている。

BBCによると、イラク出身にある夫婦は、何年もかけてようやくアメリカの永住権を取り、家を売り、仕事も辞めて、アメリカ行きの飛行機に乗ったところで、この事態になったという。いまさらイラクに戻っても行くところがない。

空港で途方にくれたり、「どうしたらいいかわからない。」と涙する人もいる。中には航空会社の客室乗務員がアメリカに到着後、入国できないといったケースもある。

こうした事柄は、人々の人生を大きく変えることになるため、通常なら、長い準備期間をかけて行うものなのだが、トランプ大統領はこれをなんの準備もなく、速攻で実施に移したため、非常な混乱となったのである。

BBCによると、アメリカの空港や出発地、中継地で足止めになっている人の数は100−200人に上っているという。身柄を拘束された人もいる。アメリカ各地の空港の外では、数千人が、「これはアメリカではない。」として方針に反対するデモを行っている。

こうした事態を受けてアメリカの連邦裁判所は、異例ながら大統領令に反して、空港で身柄を拘束されいる人々の国外追放処置は保留にするようにとの命令を出した。これにより、アメリカ各地で裁判所が、拘束されている人々に同様の措置を行っているが、まだまだごく一部にしか到達できていないという。

この問題は国際問題にも発展し始めている。たとえば中東系のイギリス市民は、れっきとしてイギリス人だが、今回の処置に該当する国の出身者であった場合、アメリカに入国できないことになる。これはイギリス市民を入国させないということにもなるのである。

すでにイギリスとドイツがこの方策に反対すると公式表明している。

今後は、アメリカ国内にいる移住者にも強制送還の可能性が出てくるが、特にアップルやグーグルなどIT企業には、該当7カ国からの技術者も少なくないという。社員が強制送還されると会社の業務にも関わるとして、この方針に懸念を表明している。

アメリカの混乱はしばらくは続くとみられる。

http://www.bbc.com/news/world-us-canada-38781302

<トランプ政権の言い分>

混乱について、ホワイトハウス側は、「1日に32万5000人が通過するアメリカの空港で、今回身柄を拘束されたのは、109人にすぎず、その大部分も解放されている。

まだ拘束されている人々は、本当にアメリカにとって安全であるかどうかを精査する必要のある人々であり、アメリカの理念に違反することは何もない。」と言っている。

トランプ大統領は、「アメリカは何年も前から、こうした徹底した入国審査を行ってくるべきであった。」と語っている。

http://www.bbc.com/news/world-us-canada-38790629

*イスラエルはシリア難民のこども100人を受け入れへ

アメリカが難民を締め出す中、25日、イスラエル内務省はシリア人難民の子供100人に難民のステータスを与えて受け入れると発表した。当面は仮永住だが、4年後には永住権を得て、生涯、イスラエルで生きて行く権利が与えられることになる。

子供達とその家族も同様の権利を得る可能性を持つという。シリア難民たちはイスラエルのアラブ人社会に吸収される形をとっていくみこみ。

イスラエルでは、隣国でシリア人たちが苦しんでいることに対し、救済しようとする声が高まっていた。難民を迎えることで、アラブ人社会にも広がる反イスラエル感情を抑えるねらいがあるのかもしれない。

http://www.timesofisrael.com/israel-to-take-in-100-orphaned-syrian-children-as-refugees/

<中東諸国の反応>

アルジャジーラによると、トランプ大統領に入国制限される7カ国の出身者でアメリカに住むビザを保有する人々のうち、45%はイラン出身者である。現在、100万人を超えるイラン人がアメリカに在住している。

このため、今回名指しされた7カ国のうち、イランが最も影響を受けるとみられる。

イランは、報復措置として、アメリカ人の入国を制限すると発表した。ザリフ外相は、「トランプ大統領の政策は”過激派へ贈り物だ」と今後、テロや暴力が増えてくる可能性を示唆した。

http://www.aljazeera.com/news/2017/01/iran-trump-muslim-ban-170129070556489.html

イラクでは、現在、ISISに支配されている都市モスルを解放するため、イラク軍と5000人以上に上るアメリカ軍がともに戦っている。そこへ、アメリカ政府がイラクも入国制限を適応する国に含めたことで、その協力関係に波風がたっている。

イラクも報復措置を講じているところである。

http://www.jpost.com/Middle-East/ISIS-Threat/Iraq-to-oppose-US-travel-curbs-to-preserve-alliance-against-ISIS-479912
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ロシア主導のシリア情勢:カザフスタンで国際会議 2017.1.30

 2017-01-30
ロシアは、昨年末、トランプ大統領が、シリア情勢において、反政府勢力への支援から手を引く可能性を示唆して以来、シリア情勢において最も大きな影響力を持つ国になった。

そのロシアにトルコとイランが加わ加わって、昨年末、シリア内戦を停戦に導くための会議を、モスクワで行った。この試みはアメリカが、シリアの停戦を目標にアメリカ(ケリー国務長官)主導で行っていたジュネーブでの国際会議に対抗するような形で行われた。

これに続いてロシア、トルコ、イランの3国は、今月24日から2日間、カザフスタンで、シリア問題に関する2回目の会議を開催した。

ロシアとトルコは、欧米諸国と違って空軍だけでなく、地上軍もシリアに派遣し、みずからも犠牲を払う形でシリア問題にかかわっている。そのため、ロシアとイランは、シーア派勢に、トルコはスンニ派勢に影響力がある。

カザフスタンでの会議の後、ロシア、イラン、トルコの3国は、アサド政権(シーア派)、反政府勢力(スンニ派)双方が、停戦に向けた計画に合意したとする共同声明を発表した。

これが成功すれば、ますます中東でのロシア、イランの影響力は高まることになる。

ただし、反政府勢力は様々な勢力からなっており、そのすべての合意を得たわけではなく、停戦に合意したとはいえ、シリアでは今も戦闘が散発している。まだまだ予断は許さないというのが、現状である。

この状況下で、トランプ政権がどうかかわってくるのか、注目される。

<エゼキエル38章の登場国:石のひとりごと>

中東で影響力を伸ばすロシア、トルコ、イランは、エゼキエル38章で、イスラエルを攻撃する国々として登場していると思われる国である。

さらに、トランプ大統領が親イスラエルであると目される中で、イスラム教徒をターゲットにした入国制限を出して嫌われるようになってきた。将来、これらの国々がアメリカだけでなく、身近な中東にいるイスラエルを憎み。攻撃にまで至るという流れは理解できる。

加えて今回、トランプ大統領が入国制限する国に加えなかったエジプト、ヨルダン、サウジアラビアは、エゼキエル書38章には、少なくとも直接登場しておらず、イスラエルを攻撃する国としてはあげられていないということになる。

今後、イスラエルと中東は、ゴグ・マゴグに戦いに近づいていくのだろうか。トランプ大統領が中東でどのような動きをするのか注目されるところである。


BBC
図:BBC
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